JP3431102B2 - ポリベンザゾール短繊維の製造方法 - Google Patents

ポリベンザゾール短繊維の製造方法

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度・高弾性率ポリベ
ンザゾール短繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは
ポリベンザゾール短繊維の製造方法を著しく容易にする
製糸方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】ポリベンザゾール繊維は現在市販されてい
るスーパー繊維の代表であるパラフェニレンテレフタル
アミド繊維の2倍以上の弾性率を有することから次世代
のスーパー繊維として広く期待されている。
【0003】ポリベンザゾール重合体のポリリン酸(溶
液から乾湿式紡糸法により製造する方法に関して特表昭
63−500529号公報で提案がなされている。該公
表特許公報ではポリベンザゾール重合体のポリリン酸溶
液を紡糸口金より大気雰囲気中に紡出し、該紡糸口金下
方の大気雰囲気中を一定の距離走行させた後、該紡出糸
を非溶媒性の凝固媒体浴中に導入して該凝固液と接触さ
せる。
【0004】紡出糸の凝固と脱溶媒を行い、次いで該繊
維糸条を非溶媒性の液体で洗滌することにより繊維糸条
中に残存する溶媒を除去し、さらに該繊維糸条を乾燥せ
しめた後、弾性率の向上を図るため熱処理を施す方法が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】ポリベンザゾール繊維
の乾湿式紡糸で得られる長繊維は、該長繊維を切断する
ことで短繊維とすることができる。ポリベンザゾール繊
維は極めて剛直であるため繊維の切断は容易ではなく、
短繊維製造の工業化のボトルネックは切断工程であっ
た。本発明はかかる従来法の欠点を改良し、工業的にポ
リベンザゾール短繊維を得る新規な製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はポリベンザ
ゾール短繊維の生産を容易に達成すべく鋭意検討した。
その結果、ポリベンザゾール重合体とポリリン酸からな
る紡糸ドープを紡糸口金を通して溶融紡糸し、該繊維糸
条中に残存するリン酸を抽出により除去する前に繊維糸
条を切断することで容易に短繊維の得られることを見い
出して本発明に到達した。即ち、本発明はポリベンザゾ
ール繊維の製造工程において、ポリリン酸とポリベンザ
ゾール重合体からなる紡糸ドープを紡糸口金から溶融し
て押し出し乾燥したてローラー群を用いて引き取り、リ
ン酸を抽出する工程前に繊維を切断する工程を設けたポ
リベンザゾール短繊維の製造方法を主旨とするものであ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるポリベンザゾール繊維とは下記ポリベンザゾ
ール重合体を含むドープを紡糸して得られるものであ
る。即ちポリベンザゾール系重合体(PBZ)とは、ポ
リベンゾオキサゾール(PBO)ホモポリマー、ポリベ
ンゾチアゾール(PBT)ホモポリマー及びそれらPB
O、PBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロッ
ク共重合ポリマーをいう。ここでポリベンゾオキサゾー
ル、ポリベンゾチアゾール及びそれらのランダム、シー
ケンシャルあるいはブロック共重合ポリマーは、例えば
Wolfe等の「Liquid Crystalline Polymer Composition
s , Process and Products」米国特許第4703103
号(1987年10月27日)、「Liquid Crystalline
Polymer Compositions , Process and Products」米国
特許4533692号(1985年8月6日)、「Liqu
id Crystalline Poly(2,6-Benzothiazole) Compositio
n, Process and Products」米国特許第4533724
号(1985年8月6日)、「Liquid Crystalline Pol
ymer Compositions , Process and Products」米国特許
第4533693号(1985年8月6日)、Eversの
「Thermooxidative-ly Stable Articulated p-Benzobis
oxazole and p-Benzobisthiazole Polymres」米国特許
第4539567号(1982年11月16日)、Tasi
等の「Method for making Heterocyclic Block Copolym
er」米国特許第4578432号(1986年3月25
日)、等に記載されている。
【0008】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオト ロピック液晶ポリマーから選
択される。モノマー単位は構造式(a)〜(h)に記載
されているモノマー単位からなり、さらに好ましくは、
本質的に構造式(a)〜(c)から選択されたモノマー
単位からなる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】PBZ重合体のドープを形成するための好
適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解し
得る非酸化性の酸が含まれる。好適な酸溶媒の例として
は、ポリリン酸、メタンスルホン酸および高濃度の硫酸
あるいはそれらの混合物が挙げられる。さらに適する溶
媒はポリリン酸及びメタンスルホン酸である。また最も
適する溶媒は、ポリリン酸である。
【0012】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、さらに好ましくは少なくとも1
0重量%、最も好ましくは少なくとも14重量%であ
る。最大濃度は、例えばポリノーの溶解性やドープ粘度
といった実際上の取扱い性により限定される。それらの
限界要因のために、ポリマー濃度は通常では20重量%
を超えることはない。
【0013】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えば Wolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sy
bert等の米国特許4772678号(1988年9月2
0日)、Harrisの米国特許第4847350号(198
9年7月11日)に記載される方法で合成される。PB
Zポリマーは、Gregory等の米国特許第5089591
号(1992年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒
中での比較的高温、高剪断条件下において高い反応速度
での高分子量化が可能である。
【0014】そしてこれらに酸化防止剤、艶消剤、着色
剤、制電剤等を含有させたものであっても勿論よい。
【0015】これらのポリベンザゾール重合体はポリリ
ン酸ドープとして一旦重合装置から取り出した後、別途
乾湿式紡糸を行ってもよいが、特に好ましくは連続で重
合を行い、紡糸ドープ重合装置から一旦取り出すことな
く紡糸装置に直接供給する所謂連続重合直接紡糸方式を
採用するのがよい。
【0016】図1は本発明に係る製造方法の一例を示す
態様図である。ポリベンザゾール重合体をポリリン酸に
溶解した紡糸ドープはエクストルーダー1を通して紡糸
ヘッド2に供給され、該紡糸ヘッド内の濾材層及び分散
層を通過させた後、紡糸細孔が円周状若しくは格子状に
複数個配列された紡糸口金(図示せず)を通して紡出さ
れる。この場合、紡糸細孔の孔数に特に限定はないが紡
糸調子が低下しない範囲で出来るだけ多くすることが生
産性を高める観点から好ましいののは当然である。但
し、各紡出糸の糸条間の糸温度の変動は直ちに紡糸張力
差に反映され、ひいては紡糸調子に影響を及ぼすことか
ら紡糸口金面内の温度分布の均一化は重要であり、この
点を考慮して紡糸口金面積と細孔密度及び紡糸細孔の配
置を設定することが肝要である。
【0017】紡糸口金から紡出した繊維糸条を該紡糸口
金下方に設けたクエンチチャンバー3で整流された気体
雰囲気中を通過させ、次いで該クエンチチャンバーの後
方に配設した乾燥したローラー(群)4で繊維糸条の走
行速度を規定した後、切断装置5に導入して所望の繊維
長に切断する。繊維糸条の切断装置に限定はなく例えば
レシプロカルカッターやロータリーカッター等の従来公
知の切断装置が利用できる。図2及び3は切断装置の一
例を示す概略図である。図2及び3について説明する
と、ローラー(群)4の後方に配設したドラム23の表
面に固定された長繊維糸条束は切断装置のカッター刃2
4で切断される。図2はレシプロカル型カッター、図3
はロータリーカッターを例示したものである。切断され
た短繊維27はスクレイパー25で下方に掻き落とされ
る。ポリベンザゾール繊維の切断に際しては前記ドラム
とカッター刃及びスクレイパー等は長期使用に際してリ
ン酸に対する耐腐食性が要求される。またカッター刃に
は損傷が少なく安定した切れ味の維持が重要である。ド
ラム表面の構成部材としてはSUS316が、またカッ
ター刃の材質にはSUS431が好ましく利用できる。
スクレイパーはSUS316を素材とし表面をポリテト
ラフロロエチレン刃で被覆したものが好ましい。本発明
の要点は前記紡糸口金から溶融紡出された繊維糸条を非
溶媒性液体と接触させて凝固及び繊維中のリン酸を抽出
する前の状態において該繊維糸条を所定繊維長に切断
し、しかる後に非溶媒性液体と接触させて繊維糸条中の
リン酸を抽出させることにある。なぜなら紡出糸を非凝
固性液体と接触させて凝固及びリン酸を抽出すると繊維
は極めて剛直、例えばポリベンザゾール重合体の重合度
にもよるが140GPa弾性率を示す様になり従来公知
の方法を用いて高速下で連続的に繊維束を切断すること
が困難になるからである。したがって凝固や抽出によっ
て繊維の剛直性が増大する前に切断ことが本発明の技術
上のポイントである。尚、図1は切断されたポリベンザ
ゾール繊維を抽出浴中に掻き落とされ、浴中のネットコ
ンベアーで捕捉・移送される装置の概要を示したもので
あるが、別の装置として、切断されたポリベンザゾール
繊維をネットコンベアーで捕捉・移送し、当該ネットコ
ンベアーの上方から溶出液を一段もしくは多段で吹き付
けて、乾燥工程に供するものであってもよい。
【0018】この様にして所定の繊維長に切断された短
繊維は第1抽出浴8でネットコンベアー7等で捕捉して
もよく、または第1抽出浴前でネットコンベアー7等で
捕捉し、しかる後に該短繊維を第1抽出浴8に移送して
もよい。最終的には抽出浴中において繊維状が含有する
リン酸濃度を99.0重量%以上、好ましくは99.5
重量%以上の抽出を行う。
【0019】短繊維に含まれるリン酸を出来るだけ少な
い量の抽出液(廃液量)で短時間に経済的で且つ効率的
に低減する方法として例えば図1に示す様に抽出浴を
8、11、14の様に複数台を設置し、各抽出浴の抽出
媒体中のリン酸濃度を第1抽出浴から第2抽出浴と順次
下げて、最終的に実質的にリン酸を含まない媒体で洗滌
することが好ましい。なお乾燥工程を通過した後の繊維
物性の低下を防止するためには最終抽出浴の前にpHが
8から12のアルカリ性媒体で処理することが好まし
い。抽出本発明の抽出工程における抽出媒体はポリベン
ザゾール系重合体に対して相溶性を有しない水やメタノ
ール等の液体や過熱水蒸気や飽和水蒸気等が好ましく利
用できる。各抽出浴の温度は特に制限はなく使用する抽
出媒体の種類にもよるが5℃から100℃が採用でき
る。
【0020】次いで、必要に応じて該短繊維に仕上げ油
剤を付与し、さらに水分率が3重量%以下、好ましくは
2重量%以下となるように乾燥を行う。短繊維の乾燥に
際して重要なことは繊維の損傷(空洞)の発生とそれに
伴う繊維物性の低下がなく且つ高い生産性が維持できる
乾燥温度を選ぶことである。乾燥装置は単一叉は複数を
用いて行ってもよいが複数台を使用することが生産性の
点で効率的である。例えば図1に示す様に駆動装置16
とネットコンベアー17を具備した乾燥装置15を複数
台(18)設置し、各乾燥装置内の雰囲気温度を第1乾
燥装置から第2乾燥装置と順次高めて、最終短繊維の水
分率が2.0重量%、好ましくは1.0重量%、より好
ましくは0.5重量%以下となる様に乾燥を行うことで
ある。第1乾燥装置の雰囲気温度は好ましくは130℃
以上で230℃未満、より好ましくは150℃以上で2
20℃未満、さらに好ましくは160℃以上で210℃
未満を用いることである。第2乾燥装置以降の各乾燥装
置の適正雰囲気温度は各乾燥装置に導入される短繊維の
水分率によって異なるが250℃を越えないことが好ま
しい。本発明における短繊維の加熱手段に特に限定はな
く熱風循環、赤外線加熱、等の通常公知の手段が利用で
きる。また加熱雰囲気も特に限定はなく例えば窒素やア
ルゴン等の不活性気体及び空気等が利用できる。この様
にして所望の水分率に乾燥された短繊維は収納ケンス2
1に振り落とされる。ケンスに収納された短繊維は梱包
される。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが勿
論本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の
評価に用いた可紡性および紡糸安定性の測定方法は以下
の通りである。 「極限粘度」ポリベンザゾール系重合体の一部を水と共
に家庭用のミキサーを用いて攪拌を数回反復して重合体
を粉末状にした。粉末状とした重合体をメタンスルホン
酸に再溶解して30℃で極限粘度[η]を測定した。 [繊度]温度22度、湿度65RH%恒温恒湿の試験室
で24時間静置した後、デニコンを用いて測定した。 [繊維中の残存リン酸量]繊維試料を湿式分解した後、
吸光度法でリン原子濃度を定量した。このリン原子濃度
をリン酸濃度は(重量%)に換算した。 [繊維の引張特性]JIS L−1013(1981)
に準拠してオリエンテック(株)社製テンシロンによ
り、つかみ間隔5cm、引張速度100%/分、n=5
0の測定を行い、破断強伸度及び初期引張弾性率の算術
平均値を求めた。 [水分率]乾燥装置の前方で採取した繊維試料を秤量
(Wi)し、該試料を230℃の温度に保った熱風循環
型オーブン内で30分間静置乾燥し、デシケーター内で
室温まで冷却した後、試料重量(Wf)を測定した。水
分率(RMC%)は次式で算出した。 RMC=(Wi−Wd)/Wd ×100 % [ 繊維表面の損傷]光学顕微鏡を用いて単繊維100
本につき損傷(キンクバン ド)の有無をしらべた。キ
ンクバンドの存在する単糸本数が0〜5本未満を○、6
以上で10本未満を△、11本以上を×にランク付けし
た。
【0022】[実施例1]4,6ージアミノー1,3ベ
ンゼンジオール・2塩酸塩(50.0g,0.235m
ol)を200gのポリリン酸(五酸化リン含有率8
3.3重量%)とともに、窒素気流下で40℃で12時
間で攪拌した。その後、60℃に昇温し、約50mmH
gの減圧下で脱塩酸を行った。ここへテレフタル酸(3
9.0g,0.236mol)と五酸化リン103gを
加えて窒素気流下で60℃で8時間、引き続いて120
℃で9時間、150℃で15時間、180℃で28時間
重合した。このようにして重合して得られるポリベンザ
ゾール重合体溶液はそのまま紡糸用のドープとした。得
られた重合体の一部を水と共に家庭用のミキサーを用い
て攪拌を数回反復して重合体を粉末状にした。粉末状と
した重合体をメタンスルホン酸に再溶解して30℃で粘
度測定を行うと、極限粘度[η]は30.6dl/gで
あった。上記反応で得られた固形分の濃度は14.0重
量%、ポリリン酸組成を五酸化リンとしたときの溶媒の
濃度は86.0重量%である。該紡糸ドープを2軸混練
装置で混練と脱泡を行った後、昇圧させ計量ポンプを経
て紡糸ヘッドに移送した。紡糸ドープを孔径が0.20
mmで、孔長が0.40mm、導入角度が20度および
孔数が668で孔密度が5cm2の細孔を有する紡糸口
金から温度165℃、単孔当りの吐出量0.23g/分
で押し出した。紡出された糸条は紡糸口金面の下方20
cmにわたり温度70℃で流速0.7m/秒の整流され
た空気流を吹き当てた後、紡糸口金面の下方1500c
mに配設した乾燥したローラー(群)巻き掛けて繊維糸
条の走行速度を200m/分に規定した。次いでローラ
ー(群)の下方に配置したステープルカッター(ロータ
リーカツター)に導いて繊維長45mmに切断し、ネッ
トコンベアー上に捕捉した。次いで切断された短繊維群
をネットコンベアごと温度22±2℃に保った濃度10
重量%のリン酸水溶液からなる第1凝固・抽出浴中に導
入した。さらに温度22±2℃に保ったpH10.5ア
ルカリ液浴中を走行させ、引き続いて第3抽出浴に導入
して水で洗滌した。該短繊維に仕上げ油剤を付与した
後、温度が190℃に保たれた熱風循環型の第1オーブ
ン内を、さらに温度が220℃に保たれた熱風循環型の
第2オーブン内を通過させて水分率が0.5重量%とな
るまで乾燥した。次いで該乾燥短繊維を収納缶に振り落
とした。得られた短繊維の諸特性を評価した。
【0023】[比較例1]実施例1に記載した紡糸ドー
プと紡糸条件を用いて紡出し、該紡出糸を乾燥したロー
ラー(群)に巻き掛けて繊維糸条の走行速度を200m
/分に規定した。引き続いて該繊維糸条を12個のスプ
レーを配設した第1抽出ローラー(群)に巻き掛けて温
度22±2℃に保った濃度10重量%のリン酸水溶液を
走行繊維糸条に噴射した。次いで12個のスプレーを配
設した第2抽出ローラー(群)に巻き掛けて温度22±
2℃に保った濃度2.0重量%のリン酸水溶液で走行繊
維糸条に噴射した。さらに12個のスプレーを配設した
第3抽出ローラー(群)に巻き掛けて温度22±2℃に
保ったpH10.5アルカリ水溶液を総流量80リット
ルメ/分で噴射した後、12個のスプレーを配設した第
4ローラー(群)に巻き掛けて温度22±2℃に保った
水を走行繊維糸条に噴射した。該短繊維に仕上げ油剤
(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダ
ム共重合体)を0.5重量%付与した後、前記第4抽出
・洗滌ローラー(群)の後方に配置したステープルカッ
ター(ロータリーカツター)に導いて繊維長45mmに
切断し、ネットコンベアー上に捕捉しようとした。しか
しながら切断不能であり短繊維は得られなかった。
【0024】[比較例2]比較例1においてロータリー
カッターを用いることなく断面形状が星型のローラー
(スターローラー)を用いて収納缶に振り落とした。該
トウを20ケの収納缶から引き出して約2万デニールの
繊維束としステープルカッター(イーストマンカツタ
ー)に導いて繊維長45mmに切断して短繊維とした。
実施例1、比較例1〜2の繊維切断状況及び得られた短
繊維の諸特性を第1表にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1より本発明に属する実施例1から明ら
かな様にリン酸を抽出する前であればポリベンザゾール
繊維は容易に切断でき、切断後の単糸にキンクバンドは
殆ど観察されなかった。これに対して本発明に属さない
比較例1は切断不能であった。比較例2においては切断
工程後の繊維にキンクバンドが観察された。また切断装
置の運転時間と共に繊維のミスカット量が増大し、つい
に累計切断した繊維重量(累計)が55kgに達した時
点でカッター刃が部分的に欠損して切断不能となり短繊
維製造の工業化のボトルネックは解消できなかった。
【0027】
【発明の効果】従来より、ポリベンザゾール系繊維は高
弾性率を有し、極めて剛直であるため容易に切断できず
短繊維製造の工業化は困難であった。しかし、本発明に
よれば紡出された繊維糸条は凝固または抽出媒体と接触
する前であれば剛直さも比較的小さく容易に切断して短
繊維とすることが可能である。したがって200m/分
以上の高い速度で短繊維を生産することが可能になり、
従来になかった高強度・高弾性率の短繊維を提供するこ
とができ産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法の一例を示す態様図であ
る。
【図2】本発明に係るレシプロカルカッターの一例を示
す概略図である。
【図3】本発明に係るロータリーカッターの一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1:エクストルダー、2:紡糸ヘッド,3:気体吹付装
置(クエンチチャンバー),4:ローラー群,5:切断
装置,6:ローラー群, 7:ネットコンベアー,8:
第1抽出浴,9:ローラー群,10:ネットコンベア
ー,11:第2抽出浴,12:ローラー群 ,13:ネ
ットコンベアー,14:第3抽出浴,15:第1乾燥装
置,16:ローラー群,17:ネットコンベアー,1
8:第2乾燥装置,19:ローラー群,20:ネットコ
ンベアー,21:収納ケンス, 22: 長繊維,2
3:ドラム,24:カッター刃, 25:スクレイパ
ー,26:ネットコンベアー,27:短繊維
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 1/00 - 6/94 D01D 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリベンザゾール繊維の製造工程におい
    て、ポリリン酸とポリベンザゾール重合体からなる紡糸
    ドープを紡糸口金から押し出し、ローラーを用いて引き
    取り、次いでリン酸を抽出する工程前に繊維の切断工程
    を設けることを特徴とするポリベンザゾール短繊維の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 切断された短繊維を非溶媒性の媒体で凝
    固・抽出を行い、次いで乾燥することを特徴とする請求
    項1記載のポリベンザゾール短繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 切断された短繊維を非溶媒性の媒体で凝
    固・抽出を行い、引き続いてpHが8から12のアルカ
    リ性媒体と接触させ、さらに非溶媒性の媒体で洗浄した
    後に乾燥することを特徴とする請求項1記載のポリベン
    ザゾール短繊維の製造方法。
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