JP3362503B2 - 捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法 - Google Patents
捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法Info
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Description
もしくはポリベンゾチアゾールからなる高強度・高弾性
率ポリベンザゾール繊維に関する。さらに詳しくは紡績
糸や不織布などを得るための捲縮ポリベンザゾール短繊
維及びその製造方法に関するものである。
繊維であるダイニーマ(登録商標)やケブラー(登録商
標)を大きく凌ぐ高強度・高弾性率を有しており、従来
このポリベンザゾール繊維の持つ、高強度・高弾性率故
に品質の良い捲縮短繊維を製造することが困難であっ
た。そのため、連続繊維を切断した後、捲縮の無い状態
でカーディングされていた。ところがこの方法ではカー
ディングの際にネップが多発し、品質の良いカードウェ
ブを得ることは困難であった。従って外観の良い紡績糸
や不織布が得られなかった。
の問題点を解消するために創案されたものであり、ネッ
プの少ない品質の良いカードウェブを製造することがで
きる捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法を提
供することを目的とする。
短繊維をカーディングした場合にネップが多発する原因
について調べた結果、供給される繊維が直線状態である
と繊維間の絡合性が悪く、そのためカードのシリンダー
針布の谷間に入り込む繊維が多くなり、その繊維が擦
過、損傷されるためネップが多発することが判明した。
そこで本発明者らは、ポリベンザゾール繊維に一定の品
質を有する捲縮を付与すれば絡合性が改良されネップが
減少すると考え、捲縮付与方法と切断方法について検討
した。すなわち、ポリベンザゾール繊維の捲縮付与方法
としては、押し込み方式クリンパーを用いて一定範囲の
捲縮性能を付与し、その捲縮糸の切断方法としては一対
の対面するローターに形成したスリット間に切断刃を放
射状に設置したロータリーカッターを用いることによ
り、品質の良い捲縮短繊維を得ることができることが判
明し本発明に到達した。
ザゾールポリマー、すなわちポリベンゾオキサゾール、
ポリベンゾチアゾールもしくはこれらの共重合体を含む
紡糸原液を使用する。ポリベンザゾール(PBZ)とは
ポリベンゾオキサゾール(PBO)ホモポリマー、ポリ
ベンゾチアゾール(PBT)ホモポリマー及びこれらP
BO、PBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロ
ック共重合体をいう。ここでポリベンゾオキサゾール、
ポリベンゾチアゾール及びそれらのランダム、シーケン
シャルあるいはブロック共重合体は、例えば、Wolf
eらの「Liquid Crystalline Po
lymer Compositions,Proces
s and Products」米国特許第47031
03号(1987年10月27日)、「Liquid
Crystalline Polymer Compo
sitions,Process and Produ
cts 」米国特許第4533692号(1985年8
月6日)、「Liquid Crystalline
Poly(2,6−Benzothiazole)Co
mpositions,Process and Pr
oducts」米国特許第4533724号(1985
年8月6日)、「Liquid Crystallin
ePolymer Compositions,Pro
cess and Products」米国特許第45
33693号(1985年8月6日)、Eversの
「Thermooxidatively Stable
Articulated p−Benzobisox
azole and p−Benzobisthiaz
ole Polymers」米国特許第4359567
号(1982年11月16日);Tsaiらの「Met
hod for Making Heterocycl
ic Block Copolymer」米国特許第4
578432号(1986年3月25日)、などに記載
されている。PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。
くは本質的に下記構造式(a)〜(h)から選択される
モノマー単位からなり、更に好ましくは本質的に構造式
(a)〜(c)から選択されたモノマー単位からなる。
好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解
しうる非酸化性の酸が含まれる。かかる好適な酸溶媒の
例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸、高濃度の
硫酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。そのうち更
に適する溶媒はポリ燐酸及びメタンスルフォン酸であ
り、また最も適する溶媒はポリ燐酸である。
点から、好ましくは少なくとも約7重量%以上であり、
更に好ましくは少なくとも約10重量%以上、最も好ま
しくは少なくとも約14重量%以上である。最大ポリマ
ー濃度は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といっ
た実際上の取扱性により限定される。それらの限界要因
のために、ポリマー濃度は、通常では20重量%を越え
ることはない。
はドープは次のような公知の手法で合成される。例え
ば、Wolfe らの米国特許第4533693号(1985
年8月6日)、Sybert らの米国特許第4772678
号(1988年9月20日)、Harris の米国特許第4
847350号(1989年7月11日)に記載される
方法で合成される。PBZポリマーは、Gregory らの米
国特許第5089591号(1992年2月18日)に
よると、脱水性の酸溶媒中での比較的高温、高剪断条件
下において高反応速度での高分子量化が可能である。
れる。すなわち、ドープを口金から吐出した繊維状のド
ープは気体中を通過して、ポリマーを溶解しない濃度の
薄い溶媒の液体に接触させて(凝固)製糸される。凝固
後、繊維中の残留溶媒は水洗される。繊維中の残留溶媒
濃度は繊維の力学的性質の安定性の点から、好ましくは
約5000ppm以下に、更に好ましくは約3000p
pm以下である。水洗された繊維は通常、30重量%か
ら200重量%の残留水分率を有しているため、引き続
いて乾燥される。繊維は残留水分率が5重量%以下、好
ましくは3重量%以下に乾燥される。このときの乾燥手
段はどのような方法でもよい。例えば電気炉、加熱ロー
ラーもしくは加熱不活性ガスで乾燥してもよい。繊維は
乾燥された後、繊維の引張弾性率を向上させる為に高温
で熱処理することもできる。このようにして得られた乾
燥後の繊維の平均引張強度は少なくとも7g/d以上
で、通常30g/d以上である。また乾燥後の繊維の引
張弾性率は少なくとも1000g/d以上で、通常12
00g/d以上である。
記の乾燥後の繊維もしくはそれを熱処理した繊維を用い
て製造されるものである。すなわち、以下の条件を同時
に満足する捲縮ポリベンザゾール短繊維である。 (1) 2≦捲縮数(個/インチ)≦40 (2) 2≦捲縮度(%)≦30 (3) 0.3≦捲縮度/捲縮数≦3.0
に大きく影響する。本発明の捲縮短繊維は捲縮数(個/
インチ)は2以上40以下であることが必要である。好
ましくは6以上30以下であり、さらに好ましくは8以
上20以下である。捲縮数が2未満では絡合性が不足し
カードの通過性が不良となり、捲縮数が40を越えると
開繊性が不良となりネップの発生の原因となりやすく、
また折れ曲がりの箇所が増えるために繊維が損傷され力
学的性質が低下する。捲縮度(%)についても上記と同
様の理由で2以上30以下であることが必要である。好
ましくは4以上20以下であり、更に好ましくは6以上
15以下である。また捲縮度と捲縮数の比率も本発明で
は重要である。捲縮度/捲縮数の比率は0.3以上3.
0以下であることが必要である。好ましくは0.6以上
1.6以下であり、更に好ましくは0.8以上1.4以
下である。捲縮度/捲縮数が0.3未満では上記の捲縮
度を得るために捲縮数を大きくしなければならず、ネッ
プの発生などの問題が生じ、捲縮度/捲縮数が30を越
えるとかさ高性が大となり取扱いが困難になる。
式クリンパーで処理することにより達成される。具体的
には、クリンパーに入る前のトウの温度や湿潤の付与の
有無、処理速度、クリンパー内での処理圧力などを調整
することにより、所定の捲縮性能を有する糸を製造する
ことができる。その捲縮糸の切断方法としては一対の対
面するローターに形成したスリット間に切断刃を放射状
に設置したロータリーカッターを用いることにより品質
の良い捲縮短繊維が得られる。ロータリーカッター以外
の方法、例えばギロチンカッターでも切断は可能である
が、ロータリーカッターは生産性の点で優れている。な
お、捲縮付与工程と切断工程は連続して行われてもよい
し、不連続でもよい。本発明の捲縮ポリベンザゾール短
繊維は100%での使用はもちろん、他の繊維、例えば
ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの
合成繊維や綿、ウールなどの天然繊維と混紡して使用す
ることができる。また本発明の捲縮ポリベンザゾール短
繊維の紡績糸の製造については綿紡式やソ毛式など、不
織布の製造については乾式不織布法や湿式不織布法など
の通常一般に用いられる方式のいずれも採用できる。
定法は以下の通りである。 捲縮数:短繊維の一端を固定し他端にデニール当り2m
gの荷重を掛け、捲縮の山数と繊維長を測定し1インチ
当りの山数に換算する。 捲縮度:短繊維の一端を固定し他端にデニール当り2m
gの荷重を掛けて繊維長(L1)を測定する。次にデニ
ール当り50mgの荷重を掛けて繊維長(L2)を測定
し、次式により捲縮度を算出する。 捲縮度(%)=100(L2−L1)/L2
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。まず実施例1〜6及び比較例1〜4の短繊維の製
造方法を以下に示す。但し、比較例1は捲縮を付与して
いない短繊維である。極限粘度数30dl/gのシス−
ポリベンゾオキサゾールをポリ燐酸に14重量%溶かし
た紡糸ドープを、0.22mmのオリフィス径を有する
334孔数のノズルから、温度160℃単孔吐出量0.
122ccで押し出した。ノズルから押し出された繊維
状のドープは22cmのエアーギャップを通過し、その
中で引っ張られて約22℃に調整された凝固浴を通り、
更に走行速度約200m/minで連続的に5対以上の
ローラーで水洗され、続いて一旦巻取られることなく乾
燥され、紡績用の油剤を付与した後、巻取られた。巻取
られた繊維は30000デニールのトウに合糸され、2
0mmのロール幅を有する押し込み方式のクリンパーに
より捲縮を付与した。続いて捲縮を付与したトウをロー
タリー式のカッターで44mmの定長に切断して各短繊
維(ステープル)を得た。このようにして得られた実施
例1〜6及び比較例1〜4の各短繊維をカードに供給し
ウェブのネップ状態を目視で判定した。
捲縮性能及びウェブのネップ状態を表1に示す。
(実施例1〜6)からはネップの少ない良好なウェブが
得られるのに対し、本発明の条件を満足しない捲縮繊維
(比較例1〜4)からはネップの多いウェブしか得られ
なかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリベンザゾールポリマーもしくはその
共重合体からなる繊維であって、以下の条件を同時に満
足する捲縮ポリベンザゾール短繊維。 (1) 2≦捲縮数(個/インチ)≦40 (2) 2≦捲縮度(%)≦30 (3) 0.3≦捲縮度/捲縮数≦3.0 - 【請求項2】 ポリベンザゾールポリマーもしくはその
共重合体からなる連続繊維束(トウ)に、押し込み方式
クリンパーを用いて以下の条件(1)−(3)を同時に
満足する捲縮を付与し、切断刃を一対の対面するロータ
ーに形成したスリット間に放射状に設置したロータリー
カッターで該捲縮糸を切断することを特徴とする請求項
1記載の捲縮ポリベンザゾール短繊維の製造方法。 (1) 2≦捲縮数(個/インチ)≦40 (2) 2≦捲縮度(%)≦30 (3) 0.3≦捲縮度/捲縮数≦3.0
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10589794A JP3362503B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法 |
US08/425,493 US5527609A (en) | 1994-04-20 | 1995-04-20 | Crimped polybenzazole staple fiber and manufacture thereof |
US08/555,128 US5851466A (en) | 1994-04-20 | 1995-11-08 | Process of making polybenzazole staple fibers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10589794A JP3362503B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292533A JPH07292533A (ja) | 1995-11-07 |
JP3362503B2 true JP3362503B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=14419691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10589794A Expired - Lifetime JP3362503B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 捲縮ポリベンザゾール短繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
KR100658090B1 (ko) * | 2000-08-25 | 2006-12-14 | 주식회사 코오롱 | 해도형 스테이플의 권축특성 측정방법 및 인공피혁용 부직포 |
EP3006610B1 (en) * | 2013-05-30 | 2017-07-19 | Teijin Limited | Organic resin non-crimped staple fiber |
-
1994
- 1994-04-20 JP JP10589794A patent/JP3362503B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07292533A (ja) | 1995-11-07 |
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