JP3430667B2 - ポリプロピレン樹脂改質用オレフィン系共重合体組成物 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂改質用オレフィン系共重合体組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系共重合体
組成物に関し、さらに詳細には耐衝撃性、流動性、機械
的強度が良好で、かつ優れた外観改良効果を与える、ペ
レット状またはクラム形状で提供可能なポリプロピレン
樹脂改質用のオレフィン系共重合体組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】結晶性ポリプロピレンは、剛性、熱変形
温度、表面硬度などに優れた汎用樹脂として多方面の用
途に使用されているが、耐衝撃性などに欠点があること
が知られている。かかる欠点を克服するため、ポリプロ
ピレン樹脂にエチレン・α−オレフィンまたはエチレン
・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムなどの改
質材を機械的に混練りする方法が一般的に用いられてい
る。特に、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの
中でも、高エチレン含量タイプでペレット形状を有する
ものが、取り扱いが良好なため多く用いられている。し
かしながら、エチレン含量を増やすと、ポリプロピレン
樹脂の耐衝撃性が低下する。 【0003】また、ポリプロピレン樹脂の耐衝撃性と機
械的強度をより向上させるには、高分子量タイプのエチ
レン・α−オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。しか
しながら、このオレフィン系共重合体ゴムの高分子量化
は、ポリプロピレン樹脂の流動性を著しく阻害してしま
う。また、高流動性の傾向にあるポリプロピレン樹脂と
ゴム成分との流動性の差が著しく拡がり、組成物中での
ゴムの分散性を悪化させ、成形時に金型内でゴムの流動
が乱れることによる成形外観不良を起こしやすくなる。
従って、実用上限られた用途にしか使用できない状況に
ある。一方、オレフィン系共重合体の低分子量化は、外
観は改良されるものの、耐衝撃性や機械的強度の低下を
伴ってしまうために、用途が限定されてしまうという欠
点がある。 【0004】本発明は、上記従来技術の課題を背景にな
されたもので、組成および流動性の異なる2種類のエチ
レン・α−オレフィン系ランダム共重合体を用いること
により、耐衝撃性、流動性、機械的強度に加え、外観改
良効果を兼ね備えたポリプロピレン樹脂改質材として有
用な、オレフィン系共重合体組成物を提供することを目
的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、下記に示す2
種類のエチレン・α−オレフィン系ランダム共重合体
(以下「オレフィン系共重合体」ともいう)(A)、
(B)を主成分とし、(A)/(B)=95/5〜80
/20の重量比率で含有することを特徴とするポリプロ
ピレン樹脂改質用オレフィン系共重合体組成物を提供す
るものである。エチレン・α−オレフィン系ランダム共
重合体(A);α−オレフィン含量=20〜35重量
%、ムーニー粘度((ML1+4 、100℃)=70〜1
30、ヨウ素価=5〜30である、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ジエン3元共重合体。エチレン・α−オ
レフィン系ランダム共重合体(B);α−オレフィン含
量=10〜25重量%、メルトフローレート(MFR)
(190℃、2.16kg荷重)=10〜50g/10
分である、エチレン・α−オレフィン系共重合体。 【0006】従来、ポリプロピレン樹脂の耐衝撃性をよ
り向上させるには、エチレン・α−オレフィン系ランダ
ム共重合体のα−オレフィン含量を上げることが考えら
れるが、α−オレフィン含量が35重量%を超えると、
ペレット化またはクラム形状での提供が困難であった。
また、ポリプロピレン樹脂に混練りした場合に、該樹脂
を著しく軟化させ、さらに機械的強度を低下させるとい
う欠点があった。 【0007】この問題に対して、本発明者らは、例えば
エチレン・α−オレフィンに非共役ジエンを含有させる
こと、および高分子量化することで、耐衝撃性に対しα
−オレフィン含量を上げるのと同様の効果があることを
見出し、これを利用してペレットまたはクラム形状で使
用できるオレフィン系共重合体の改良を検討してきた。
しかしながら、最近、生産性向上の観点から流動性の著
しく高いポリプロピレン樹脂を使用する傾向にある。通
常、押し出し機でポリプロピレン樹脂と改質ゴムを混練
りする場合、押し出し機内での両成分の溶融粘度に大き
な差があると、ゴムの分散性が悪くなる。このため、オ
レフィン系共重合体を高分子量化することは、充分な耐
衝撃性を得られないばかりでなく、成形外観を損なった
り、成形表面への配向性が悪いために塗装性をも低下さ
せることになる場合がある。同時に、流動性の高いポリ
プロピレン樹脂を用いても、ゴム成分が流動性を阻害す
るために、ポリプロピレン樹脂組成物としては充分な流
動性が得られなくなってしまう。従って、単一の重合体
で上記のごとく、耐衝撃性、機械的強度、流動性および
外観改良を同時に改良することは極めて困難と考えられ
てきた。 【0008】かかる状況に鑑み、本発明者らが鋭意検討
を進めた結果、ポリプロピレン樹脂に特定の2種類のエ
チレン・α−オレフィン系ランダム共重合体で構成され
るオレフィン系共重合体組成物を用いることでこれらの
問題を解決し、ポリプロピレン樹脂に耐衝撃性、機械的
強度、流動性および外観改良効果を与えることができる
ことを見出した。 【0009】すなわち、本発明のオレフィン系共重合体
組成物は、エチレン・α−オレフィン系ランダム共重合
体で、特定の組成および分子量を有する「高分子量タイ
プのエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン3元共重
合体」と「低分子量タイプのエチレン・α−オレフィン
系共重合体」とを、特定の重量比率で含有することを特
徴とする。 【0010】高分子量タイプのエチレン・α−オレフィ
ン・非共役ジエン3元共重合体(A)を用いることで耐
衝撃性を向上させながら、低分子量タイプのエチレン・
α−オレフィン系共重合体(B)が流動性の低下を防
ぎ、かつエチレン連鎖に基づく結晶が分散したゴム成分
を内部から補強することにより、機械的強度を向上させ
ることを可能にしている。さらに、高分子量タイプのオ
レフィン系共重合体(A)の分散性が向上し、成形品の
表面での均一な分散が可能なこと、および異なる流動性
を持つ2種類のゴムの組み合わせ比率により、ゴム成分
の流動性を制御することで、成形時の表面の乱れを防ぐ
ことにより、外観改良効果を兼備させている。従って、
本発明の改質効果を得るには、特定の流動性を持つ2種
類のオレフィン系共重合体(A)、(B)を特定の比率
で含有されていることが必要である。 【0011】このうち、高分子量タイプのオレフィン系
共重合体(A)は、α−オレフィン含量が20〜35重
量%、好ましくは20〜30重量%、さらに好ましくは
23〜28重量%、ムーニー粘度((ML1+4 、100
℃)が70〜130、好ましくは75〜100、さらに
好ましくは80〜95、ヨウ素価が5〜30、好ましく
は8〜20の範囲にある、エチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン3元共重合体である。 【0012】また、低分子量タイプのオレフィン系共重
合体(B)は、α−オレフィン含量が10〜25重量
%、好ましくは15〜20重量%、MFR(190℃、
2.16kg荷重)が10〜50g/10分、好ましく
は10〜30の範囲にある、エチレン・α−オレフィン
系共重合体である。 【0013】高分子量タイプであるオレフィン系共重合
体(A)のα−オレフィン含量が、20重量%未満では
充分な耐衝撃性が得られず、一方35重量%を超えると
ポリプロピレン樹脂組成物を著しく軟化させてしまい、
充分な強度が得られない。また、オレフィン系共重合体
(A)のムーニー粘度が、70未満では充分な機械的強
度を得るのが困難となり、一方130を超えるとゴム成
分の流動性が成形時のゴム成分の流れを乱すため、本発
明の目的に反してポリプロピレン樹脂組成物の表面を悪
化させてしまう。さらに、オレフィン系共重合体(A)
のヨウ素価が、5未満では耐衝撃性の改良効果を低下さ
せてしまい、一方30を超えるとポリプロピレン樹脂と
の混練り時にゲル化により物性が低下する場合がある。
さらにまた、オレフィン系共重合体(A)は、エチレン
・α−オレフィン・非共役ジエン3元共重合体であっ
て、非共役ジエンを必須成分とする。共重合成分として
非共役ジエンを含有しない場合には、耐衝撃性の改良が
充分でない。なお、非共役ジエンの含量は、通常、10
〜25重量%程度である。 【0014】一方、低分子量タイプであるオレフィン系
共重合体(B)のα−オレフィン含量が10重量%未満
では、エチレン結晶性が高くなり、耐衝撃性を低下させ
てしう。一方、25重量%を超えると、エチレン結晶性
が少なすぎて本発明の組成物を内部から補強する効果が
得られず、ポリプロピレン樹脂組成物の機械的強度を低
下させる。また、オレフィン系共重合体(B)のMFR
(190℃、2.16kg荷重)は、10〜50g/1
0分の範囲にある必要がある。上記の高分子量タイプの
オレフィン系共重合体(A)の流動性を補い、成形時に
流れの乱れのない流動性を保ちながら高分子量タイプの
ゴムを成形品表面に均一に配向させることで、外観を改
良する効果を得るためには、この範囲の流動性が必要で
ある。すなわち、オレフィン系共重合体(B)のMFR
が、10g/10分未満ではゴム成分の流動性が低下し
て外観改良が得られず、一方50g/10分を超えると
耐衝撃性などの物性面での低下が起こってしまう。 【0015】本発明においては、目的の改質効果を得る
ためには、上記2種類のエチレン・α−オレフィン系ラ
ンダム共重合体を、特定の比率で構成させ、高分子量タ
イプのゴム〔オレフィン系共重合体(A)〕を低分子量
タイプ〔オレフィン系共重合体(B)〕が補い構造を取
らせる必要がある。従って、上記オレフィン系共重合体
(A)、(B)の割合は、(A)/(B)(重量比)=
95/5〜80/20、好ましくは92/8〜85/1
5の比率で含有されていることが必要である。この範囲
を外れると、本発明の組成物の流動性と分散性を損なう
か、あるいは機械的強度を損なってしまい、目的の改質
効果を兼ね備えることが困難である。すなわち、オレフ
ィン系共重合体(A)の割合が、80重量%未満では物
性面での低下が起こってしまい、一方95重量%を超え
るとゴム成分の流動性が上がらず、外観改良効果が得ら
れない。 【0016】なお、本発明のオレフィン系共重合体組成
物は、上記オレフィン系共重合体(A)および(B)が
あらかじめ均一に混合されていることが好ましい。すな
わち、上記の2種類のオレフィン系共重合体(A)、
(B)を各々単独でポリプロピレン樹脂に添加して混練
りしても、射出成形時に低分子量成分が成形品の表面に
配向し易いことから、表面近傍に低分子量タイプが、ま
た成形品内部に高分子量タイプが偏在してしまい、上記
本発明の改質効果を持ち合わせることが困難になること
がある。 【0017】なお、本発明で使用されるエチレン・α−
オレフィン系ランダム共重合体(A)、(B)は、触媒
としては限定されないが、例えばバナジウム/周期律表
第I〜IV族の金属の有機金属化合物、特に好ましくは有
機アルミニウムから形成される触媒の存在下に炭化水素
溶媒中で、エチレンとα−オレフィンと必要に応じて不
等価な非共役ジエン化合物を共重合することにより製造
することができる。上記触媒系および重合法は、例えば
特公昭43−18709号公報、特公昭45−2375
9号公報などに記載されている。 【0018】すなわち、オレフィン系共重合体(A)、
(B)の製造に用いられる触媒成分としては、バナジウ
ム化合物と周期律表第I〜IV族の金属の有機金属化合物
との組合わせからなる触媒を用いることが好ましい。バ
ナジウム化合物としては、不活性有機溶剤に可溶な3〜
5価のバナジウム化合物が用いられる。このバナジウム
化合物としては、バナジウムのハライド、オキシハライ
ド、含酸素化合物とのキレート錯体、バナジン酸エステ
ルなどが好ましい。これらの化合物を具体的に例示すれ
ば、四塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、バナ
ジウムトリスアセチルアセトナート、バナジン酸トリエ
トキシド、バナジン酸トリ−n−ブトキシド、バナジン
酸ジ−n−ブトキシモノクロリド、バナジン酸エトキシ
ジクロリド、四塩化バナジウムまたはオキシ三塩化バナ
ジウムとアルコールとの反応生成物などが挙げられる。
これらは単独で、または2種以上を混合して用いること
ができる。これらの化合物のうちさらに好ましくは四塩
化バナジウム、オキシ三塩化バナジウムおよびこれらの
バナジウム化合物とアルコールとの反応生成物である。 【0019】周期律表第I〜IV族の金属の有機金属化合
物としては、有機リチウム化合物、有機亜鉛化合物、有
機マグネシウム化合物および有機アルミニウム化合物を
挙げることができる。そのうち、有機アルミニウム化合
物が特に好ましい。有機アルミニウム化合物としては、
トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニ
ウム、トリ−イソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアル
ミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−n−
ドデシルアルミニウム、ジエチルモノクロルアルミニウ
ム、ジブチルモノクロルアルミニウム、ジ−n−ヘキシ
ルモノクロルアルミニウム、ジ−n−オクチルモノクロ
ルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、
n−ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリ
ド、イソブチルアルミニウムジクロリド、n−ヘキシル
アルミニウムジクロリド、n−オクチルアルミニウムジ
クロリドなどが挙げられる。 【0020】これらの有機アルミニウムとアルコール、
アミンなどの反応物を使用することもできる。例えばメ
タノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ
ール、2−エチル−ヘキサノール、n−デカノール、ト
リエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリ−イソブチルアミン、トリ−n−
ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2
−エチルヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブ
チルアミン、ジ−イソブチルアミン、ジ−n−オクチル
アミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、2−エチルヘキシルアミンなどである。これ
らの有機アルミニウムと反応物の比は、アルミニウムに
対し0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.2
(モル比)である。これらの有機アルミニウムまたは有
機アルミニウムの反応物は2種以上を混合して用いるこ
とができる。 【0021】また、炭化水素溶媒としては、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソ
オクタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。さらに、
重合条件としては、通常、温度0〜120℃、Al/V
(モル比)=20〜50、重合時間5秒〜1時間であ
る。 【0022】また、オレフィン系共重合体(A)、
(B)のα−オレフィン成分としては、例えばプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセンなどが挙げられ、好ましくはプロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、さらに好ましくはプロピレン、1−ブテンであ
る。特に、(B)成分のα−オレフィンは、1−ブテン
が好ましい。また、非共役ジエン化合物としては、エチ
リデンノルボルネン、プロペニルノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエンなどが挙げられ、好ましくはエチ
リデンノルボルネンである。 【0023】本発明のオレフィン系共重合体組成物の調
製は、各成分の良好な分散が得られれば、如何なる方法
を用いてもよい。混合は、重合工程、乾燥−ペレット化
工程またはペレット、クラム形状の製品になった後のい
ずれの段階においても可能である。混合時のオレフィン
系共重合体の状態は、液体でも固体でも何ら制限される
ものではない。従って、2段階重合方式で製造すること
も、2基以上の重合容器で同時に重合した共重合体をそ
のまま混合して用いることも、市販されているオレフィ
ン系共重合体をゴムまたは樹脂工業において使用される
ロールミル、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押し
出し機などを使用して混合することもできる。 【0024】本発明のオレフィン系共重合体組成物に
は、耐衝撃性、剛性、機械的強度、成形加工性などの物
性を損なわない範囲で、通常のゴムおよび樹脂に慣用の
補助添加剤を配合することができる。この補助添加剤と
しては、ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン−ブ
タジエンゴムの部分水素添加物、スチレン−イソプレン
の部分水素添加物などのゴム成分、カーボンブラック、
シリカなどの補強剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム
などの充填剤、そのほか鉱物油、可塑剤、熱安定剤、加
工助剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、離型剤、
難燃剤などが挙げられる。 【0025】本発明のオレフィン系共重合体組成物は、
耐衝撃性、機械的強度、流動性、成形外観に優れている
うえ、ペレットまたはクラム形状で供給することができ
ることから、従来からオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーが使用されている自動車の内・外装材、弱電部品のハ
ウジングなどの部品、工業用部品などに、ポリプロピレ
ン樹脂と安い混合費用で使用することができる。 【0026】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の
実施例に制約されるものではない。なお各種の測定方法
は、下記のとおりである。 α−オレフィン含量およびヨウ素価は、赤外分析によ
り求めた。 MFRは、ASTM D1238によるメルトフロー
レート。 ムーニー粘度は、JIS K6383に拠った。 アイゾット衝撃強度は、ASTM D256に拠っ
た。 引張降伏強度は、JIS K7113に拠った。 【0027】オレフィン系共重合体は、次の方法で製造
した。EP−1 内容積5Lの連続重合装置を用いて共重合を行った。チ
ッ素ガスで充分に置換された重合容器に、エチルセスキ
アルミニウムクロライド15mmol/時間、三塩化オ
キシバナジウム1mmol/時間、n−ヘキサン4L/
時間、プロピレン2.5NL/分、エチレン5NL/
分、水素0.05NL/分、さらにエチリデンノルボル
ネン25mmol/時間の流量で連続供給し、温度35
℃に維持し、かつ圧力を5.0kgG/cm2 になるよ
うにした。重合中は、重合容器の内容量が2.5Lに保
たれるように、連続的に反応物を抜き取った。このよう
にして得られた共重合体は、イソプロピルアルコールで
反応を停止させ、酸化防止剤を含むアルコールで凝固
し、100℃の熱ロールで乾燥した。得られた共重合体
は、プロピレン含量25重量%、ムーニー粘度(ML
1+4 、100℃)93、ヨウ素価12.5であった。 【0028】EP−2 EP−1と同様の方法で、プロピレン2.5NL/分、
エチレン5NL/分、水素0.5NL/分、さらにエチ
リデンノルボルネン30mmol/時間で連続供給し重
合して3元の共重合体を得た。得られた共重合体は、プ
ロピレン含量25重量%、ムーニー粘度(ML1+4 、1
00℃)45、ヨウ素価15であった。 【0029】EP−3 EP−1と同様の方法で、プロピレン4.9NL/分、
エチレン2.25NL/分、水素0.05NL/分で連
続供給し重合して2元の共重合体を得た。得られた共重
合体は、プロピレン含量50重量%、ムーニー粘度(M
1+4 、100℃)75であった。 【0030】EP−4 EP−1と同様の方法で、プロピレン1.5NL/分、
エチレン10NL/分、水素5NL/分で連続供給し重
合して共重合体を得た。得られた共重合体は、プロピレ
ン含量15重量%、MFR40g/10分であった。 【0031】EP−5 EP−1と同様の方法でプロピレン1.5NL/分に変
更して共重合体を得た。EP−6 EP−1と同様の方法で水素の供給を停止して重合し、
共重合体を得た。EP−7 EP−1と同様の方法でエチリデンノルボルネン75m
mol/時間に変更して重合し、共重合体を得た。 【0032】EB−1 EP−1と同様の方法で、ブテン−1を2NL/分、エ
チレン10NL/分、水素4NL/分で連続供給し重合
して共重合体を得た。得られた共重合体は、ブテン−1
含量17重量%、MFR40g/10分であった。 【0033】EB−2 EP−1と同様の方法で、ブテン−1を2.5NL/
分、エチレン8NL/分、水素1.5NL/分で連続供
給し重合して共重合体を得た。得られた共重合体は、ブ
テン−1含量20重量%、MFR4g/10分であっ
た。 【0034】EB−3 EB−1と同様の方法でブテン−1を0.6NL/分に
変更して重合して共重合体を得た。EB−4 EB−1と同様の方法でブテン−1を5NL/分に変更
して重合して共重合体を得た。EB−5 EB−1と同様の方法で水素10NL/分に変更して重
合して共重合体を得た。上記の方法で製造したオレフィ
ン系共重合体の性状を表1〜2に示す。 【0035】実施例1 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−1)900g
と(EB−1)100gを、100℃の10インチロー
ルでブレンドし、さらに55mmφ押し出し機にカッタ
ーを取り付けた装置でペレットを作製した。付着防止剤
は、0.1PHR添加した。これらのペレットを200
gずつ4分割し、直径20cmの円柱容器に各ペレット
を入れ、42kg/cm2 の荷重を掛けて24時間圧縮
テスト(付着性)を行った。その結果、ペレットどうし
の付着は認められなかった。 【0036】次に、このペレット130gと市販のポリ
プロピレン樹脂〔三菱油化(株)製、BC05C〕52
0gを、内容量1Lのニーダー(予熱温度150℃、混
練時間5分)を用いて混練りしたのち、50℃のロール
を用いてシート化した。このシートをカッターを用いて
角ペレットにし、射出成形機〔日本精鋼所(株)製、
6.5オンスインラインスクリュータイプ〕で物性評価
用テストピースを作製した。 【0037】射出条件 射出圧 ;1次 500(kg/cm2 ) 2次 400(kg/cm2 ) 射出時間;15秒 成形温度;240℃ 冷却温度;40℃(金型) 冷却時間;20秒 テストピースの物性評価の結果を表3に示す。 【0038】外観改良効果は、上記テストピース表面上
に発生したフローマークの数で下記のとおり判断した。
30cm×10cmのテストピース上に、フローマーク
0〜3本を○、4本〜10本を△、11本以上を×と評
価した。 【0039】実施例2 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−1)900g
と(EP−5)100gを、実施例1と同様の方法でペ
レット化した。実施例1と同様の圧縮テスト(付着性)
を実施した結果、付着は見られなかった。実施例1と同
様の方法で成形したテストピースの物性評価の結果を表
3に示す。 【0040】実施例3 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−6)と(EB
−1)を用いる以外、実施例1と同様の方法でペレット
化した。物性評価の結果を表3に示す。 【0041】比較例1 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−1)のみ1,
000gを、実施例1と同様の方法でペレット化した。
ペレット化は可能であった。物性の評価結果を表3に示
す。 【0042】比較例2 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−1)700g
と(EB−1)300gを、実施例1と同様の方法でペ
レット化した。ペレット化は可能であったが、成形外観
効果が得られず、比較例1と同レベルであった。物性の
評価結果を表3に示す。 【0043】比較例3 上記で得たオレフィン系共重合体(EP−1)970g
と(EB−1)30gを、実施例1と同様の方法でペレ
ット化した。ペレット化は可能であったが、成形外観効
果が得られず、比較例1と同レベルであった。物性の評
価結果を表4に示す。 【0044】比較例4〜11 上記で得たオレフィン系共重合体を表4〜5に示す組み
合わせと配合比で用いて、実施例1と同様の方法でペレ
ット化した。ペレット化は可能であったが、成形外観効
果が得られず、比較例1と同レベルであった。物性の評
価結果を表4〜5に示す。 【0045】 【表1】 【0046】 【表2】 【0047】 【表3】【0048】 【表4】 【0049】 【表5】【0050】 【発明の効果】本発明によれば、組成および流動性の異
なる2種類のエチレン・α−オレフィン系ランダム共重
合体を用いることにより、耐衝撃性、流動性、機械的強
度に加え、外観改良効果を兼ね備えたポリプロピレン樹
脂改質材として有用な、オレフィン系共重合体組成物が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 泰雄 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−252391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記に示す2種類のエチレン・α−オレ
    フィン系ランダム共重合体(A)、(B)を主成分と
    し、(A)/(B)=95/5〜80/20の重量比率
    で含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂改質用
    オレフィン系共重合体組成物。エチレン・α−オレフィ
    ン系ランダム共重合体(A);α−オレフィン含量=2
    0〜35重量%、ムーニー粘度((ML1+4 、100
    ℃)=70〜130、ヨウ素価=5〜30である、エチ
    レン・α−オレフィン・非共役ジエン3元共重合体。エ
    チレン・α−オレフィン系ランダム共重合体(B);α
    −オレフィン含量=10〜25重量%、メルトフローレ
    ート(MFR)(190℃、2.16kg荷重)=10
    〜50g/10分である、エチレン・α−オレフィン系
    共重合体。
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