JP3430661B2 - ステンレス鋼材の酸洗方法 - Google Patents

ステンレス鋼材の酸洗方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板や線材、管等のステ
ンレス鋼材の酸洗方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステンレス鋼板を脱スケール、
いわゆる酸洗する際には、設備使用等の条件を満たす範
囲で酸洗能力を最大にして行っている。これは、複数の
酸洗槽を有する場合でも同様である。一方、酸洗能力を
向上させる手段としては、酸濃度を上げたり、酸洗液中
の鉄濃度を低く抑えたりする方法が知られている。この
うち後者に関しては、特開昭54-69527号公報のように周
期的に溶存金属量を測定することにより適正酸洗能力を
保持する方法や、特開平3-28386 号公報のように酸洗液
中のトータル鉄濃度と2価、3価の鉄イオン濃度比を制
御することにより酸洗能力を大きくする方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、酸洗
性に関しては特に問題はないが、酸洗能力を高めた場
合、粒界侵食が大きくなる等表面性状を悪化させ、研磨
性を劣化させる問題があった。また、表面が全般的に荒
れ(過酸洗)、客先の用途によっては使用に耐えないと
いう問題があった。
【0004】本発明の目的は、酸洗能力にも優れ、かつ
鋼材表面性状にもすぐれた鋼材を得ることのできるステ
ンレス鋼材の酸洗方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステンレス鋼
材を硝酸、弗酸、硫酸及び塩酸から選択された2種以上
を含む混合酸を用いて酸洗するに際して、酸洗槽を複数
配列し、前段の槽の酸洗能力を後段の槽の酸洗能力より
強化することを特徴とするステンレス鋼材の酸洗方法で
あり、より具体的には、前段の槽の酸洗液中の鉄濃度を
2.0%以下 後段の槽の酸洗液中の鉄濃度を 4.0〜6.0
%とすることにより、前段の槽の酸洗能力を、後段の槽
の酸洗能力より強化してもよく、又は、酸洗液中の酸濃
度を変えることにより、前段の槽の酸洗能力を、後段の
槽の酸洗能力より強化してもよい。
【0006】
【作用】ステンレス鋼材の酸洗とは、鋼材表面のスケー
ル(酸化物)ならびに鋼材表面のクロム欠乏層(脱クロ
ム層)を除去することである。ステンレス鋼材の酸洗に
おいて、酸洗能力が高いとスケールならびに鋼材表面の
クロム欠乏層の除去は可能であるが、粒界侵食を大きく
し、研磨性を劣化させる。また、表面がピット状に侵食
され、肌荒れを生じる。
【0007】そこで、本発明では、ステンレス鋼材を硝
酸、弗酸、硫酸及び塩酸から選択された2種以上を含む
混合酸を用いて酸洗するに際して、酸洗槽を複数配列
し、前段の槽の酸洗能力を後段の槽の酸洗能力より強化
する。この結果、前段で大部分のスケール・脱クロム層
が除去される。このとき残脱クロム層の粒界侵食も大き
くし、ピット状の侵食も生じるが、後段の酸洗能力が比
較的弱いため、新たな粒界侵食、ピット状の侵食を発生
させることなく、残りのスケール・脱クロム層を均一に
除去できる。
【0008】本発明においては、酸洗能力に差をもうけ
る方法として、酸洗液中の鉄濃度を変える方法が取り得
る。 この場合、酸洗能力は酸洗液中の鉄濃度が上昇する
ことによって弱まり、 また酸洗処理量が増加することに
より鉄濃度が上昇してくるため、前段に新酸を補給し、
後段には前段で使用した酸を補給することによって鉄濃
度に差をもうけることができる。この場合、前段の槽の
鉄濃度は 2.0%以下、後段の槽の鉄濃度は 4.0%以上と
る。前段の槽の鉄濃度が 2.0%を超えると、酸洗能力
が不十分であり、また後段の槽の鉄濃度が 4.0%未満で
は粒界侵食、ピット状の侵食が促進され好ましくない。
また後段の槽の鉄濃度が 6.0%を超えると、酸洗能力が
不十分となり、酸洗能率上好ましくない。
【0009】また、本発明において、酸洗能力に差をも
うける方法として、前段と後段の槽の酸濃度を変えるこ
とにより、前段の槽の酸洗能力を、後段の槽の酸洗能力
より強化する手段が取り得る。この場合、前段の槽の酸
濃度はHF≧ 2.5%,HNO3= 5.0%、後段の槽の酸濃度は
HF= 1.0%,HNO3= 5.0%とすることが望ましい。前段
の槽の酸濃度がHF≦ 1.0%では、酸洗能力が不十分であ
り、また後段の槽の酸濃度がHF≧ 2.5%では粒界侵食、
ピット状の侵食が促進され好ましくない。また後段の槽
の酸濃度がHF≦ 1.0%では、酸洗能力が不十分となり、
酸洗能率上好ましくない。
【0010】
【実施例】図1に示す槽配列・配管構成の酸洗槽2を用
いて、冷間圧延後、1050℃、雰囲気大気焼鈍で仕上げ焼
鈍を施したSUS304のステンレス鋼板1を脱スケー
ルした。なお、図中5は循環タンク3と酸洗槽2を結ぶ
循環配管であり、新酸タンク7はポンプ4と酸供給配管
6を介して循環タンク3に接続されている。また、前段
の循環タンク3の液は、ポンプ4と酸供給配管6を介し
て、後段の循環タンク3に送られるように接続されてい
る。
【0011】酸洗液として、弗酸と硝酸の混合酸を用い
た。本実施例では、前段の酸洗槽2の鉄濃度を1%以下
に、後段の酸洗槽2の鉄濃度を5%以下に管理した。従
来、全槽の鉄濃度を3%以下に管理して酸洗を行ってい
たが、脱スケールは完全に行われているものの若干の粒
界侵食が見られた。これに対し、本実施例のように前段
と後段の鉄濃度に差をつけ、前段の方の酸洗能力をより
強化した場合、従来と同様に脱スケールは完全に行わ
れ、しかも粒界侵食の発生はなかった。
【0012】なお、図2は上記実施例と、全槽の鉄濃度
を3%以下に管理して酸洗を行っていた従来例との、研
磨製品に仕上げるまでに要する研磨回数を比較したグラ
フである。本発明の方が酸洗後の表面状況が良好なた
め、研磨回数が少なくてすむことが分かる。次に、図1
に示す槽配列・配管構成の酸洗槽を用いて、上記実施例
と同じステンレス鋼板を、前段の槽の酸濃度を後段の槽
の酸濃度より大として酸洗を行った。
【0013】酸洗液として、弗酸と硝酸の混合酸を用い
た。本実施例では、前段の酸洗槽2の酸濃度をHNO3
5.0%,HF= 2.5%に、後段の酸洗槽2の酸濃度をHNO3
= 5.0%,HF= 1.0%に管理した。この場合も、脱スケ
ールは完全に行われ、しかも粒界侵食やピット状の侵食
は発生しなかった。
【0014】なお、本実施例では、電解酸洗槽2が2槽
の場合について述べたが、これに限定されることなく電
解酸洗槽2は、さらに多槽設けることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼材を酸洗
するに際して、酸洗槽を複数配列し、前段の槽の酸洗能
力を後段の槽の酸洗能力より強化することにより、酸洗
能力を落とすことなく、鋼板表面性状に優れたステンレ
ス鋼材を得ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸洗槽の槽配列・配管構成を示す概略説明図。
【図2】実施例と従来例の酸洗後の鋼材を研磨製品に仕
上げるまでに要する研磨回数を比較したグラフ。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼板 2 酸洗槽 3 循環タンク 4 ポンプ 5 循環配管 6 酸供給配管 7 新酸タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清野 芳一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 鉄鋼開発・生産本部 千 葉製鉄所内 (72)発明者 柿原 節雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 鉄鋼開発・生産本部 千 葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平1−234582(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼材を硝酸、弗酸、硫酸及び
    塩酸から選択された2種以上を含む混合酸を用いて酸洗
    するに際して、酸洗槽を複数配列し、前段の槽の酸洗液
    中の鉄濃度を 2.0%以下 後段の槽の酸洗液中の鉄濃度
    を 4.0〜6.0%とすることにより、前段の槽の酸洗能力
    を後段の槽の酸洗能力より強化することを特徴とするス
    テンレス鋼材の酸洗方法。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼材を硝酸、弗酸、硫酸及び
    塩酸から選択された2種以上を含む混合酸を用いて酸洗
    するに際して、酸洗槽を複数配列し、酸洗液中の濃度
    を変えることにより、前段の槽の酸洗能力を、後段の槽
    の酸洗能力より強化することを特徴とするステンレス鋼
    材の酸洗方法。
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