JP3429982B2 - ヘリカルギヤおよびその製造装置 - Google Patents

ヘリカルギヤおよびその製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘリカルギヤお
よびそのヘリカルギヤを製造する装置に関し、特に軸線
方向への粗材の圧入によって冷間鍛造されるヘリカルギ
ヤおよびその鍛造のための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘリカルギヤの一種であるステアリング
用のヘリカルピニオンギヤおよびそのヘリカルピニオン
ギヤを製造する装置の一例が特開平7−308729号
公報に記載されている。この公報に記載された発明が対
象とするヘリカルピニオンギヤは、全体として円筒状を
なすとともに、外周面に螺旋方向に傾斜した歯が形成さ
れ、その歯の一端側にテーパ部を介して円筒部が形成さ
れた構造である。この種のヘリカルピニオンギヤを切削
加工によって製造するとすれば、工程数が多くなるうえ
に、加工機が高価なものとなるから、結局、コスト高に
なる不都合があり、また転造によれば、奇数歯の場合に
加工荷重の変動が生じ、これが原因となって歯形の精度
が低下する不都合がある。そこで特開平7−30872
9号公報の発明では、円筒状のダイスに粗材を軸線方向
に圧入することにより、ヘリカルピニオンギヤを冷間鍛
造することとしている。
【0003】ヘリカルピニオンギヤを鍛造する場合、形
成するべき歯が軸線方向に対して傾斜しているから、歯
の端部における面と歯の両側の面(歯面)とのなす角度
が、各歯の一方の歯面と他方の歯面とで相違している。
そのために、粗材の流動が歯の両側で相違し、これが原
因となって歯形の精度が悪くなる。そこで上記の従来の
発明では、図7に示すように、鍛造時の粗材の流入方向
Pを向く面(以下、仮に歯上面という。)1の粗材流入
側端部に、この歯上面1の傾斜方向に対して反対方向に
傾斜した面を有する三角形状の肉盛り部2を形成してい
る。このような形状の歯形を形成する鍛造型(ダイス)
は、図8に示すように、歯溝を形成するための凸条3の
端面4のうち前記歯上面1に対応する面(以下、仮に型
下面という。)5側の部分を三角形状に切除し、ここに
切り下げ部6を形成した構成としている。
【0004】したがって上記従来のヘリカルピニオンギ
ヤでは、矢印Pで示す方向に粗材を流入させると、その
一部は、切り下げ部6によって矢印P1 で示す方向に流
れる。また粗材の他の一部は、凸条3の間に流入し、歯
を形成する他の面(以下、仮に歯下面)7に対応する凸
条3の他の面(以下、仮に型上面という。)8に沿って
流れる。その方向は図に矢印P2 で示してある。このよ
うにして、上記の従来の鍛造方法では、粗材の流動が両
歯面側でほぼ均等に生じ、その結果、歯形の精度が良好
になる、とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のヘリカ
ルピニオンギヤでは、歯の端部に肉盛り部2を備えてい
おり、またこれを形成するための切り下げ部6がダイス
に形成されていることにより、歯上面1側への材料の流
入およびこの部分での材料の流動が促進される。しかし
ながら、歯の端部での材料の流動方向は、上記の矢印P
1 ,P2 で示したように、円周方向に対して反対向きに
なる。すなわち前記切り下げ部6によって生じる粗材に
対する反力とそれより下側の実質的に歯を成形する部分
で生じる粗材に対する反力との方向が、円周方向におい
ては反対向きとなる。そのため粗材を円周方向に対して
拘束した状態でその外周側の肉を螺旋方向に捩ることに
なる。
【0006】この様子を図9に示してあり、粗材9の最
大ねじれ角をC°とすると、この最大ねじれ角C°は、
歯の端部に生じる。そしてそのねじれ角度と粗材9の押
し出し長さLとの関係を示せば、図10のとおりであ
る。
【0007】したがって上記従来の発明によるヘリカル
ピニオンギヤでは、歯上面1側への材料の流入が促進さ
れているうえに、粗材の捩りに起因する残留応力が生じ
ているために、鍛造成型後に捩り変形が生じる。このよ
うな捩り変形は、全ての箇所について均一に生じる訳で
はなく、そのため歯形に狂いが生じ、結局、製品として
のヘリカルギヤの精度が低いものとなる可能性があっ
た。
【0008】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、ヘリカルギヤの歯形精度を向上させる
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、テーパ部から
その軸線方向に連続して複数条の歯が螺旋状に形成され
たヘリカルギヤであって、各歯のテーパ部側の端部に、
円周方向において歯の延びる方向とは反対方向に凸とな
り、かつテーパ部を上側とした場合に前記歯の下側の面
に連続する膨出部が形成されていることを特徴とするヘ
リカルギヤである。
【0010】
【0011】さらに請求項2の発明は、内周面に複数の
螺旋状の凸条が形成された円筒状のダイスの内部に、そ
の軸線方向に向けて粗材を圧入することにより、その粗
材を塑性変形させて外周面に複数の螺旋状の歯を形成す
るヘリカルギヤの製造装置であって、前記凸条の粗材導
入側の端部に、前記凸条を形成している二つの側面のう
ち軸線方向に送られる粗材に対向する側面の端部に連続
し、かつ該側面の軸線方向に対する傾斜角度より大きい
傾斜角度の粗材導入面が、形成されていることを特徴と
する装置である。
【0012】したがって請求項1の発明によるヘリカル
ギヤでは、いわゆる歯下面に連続した膨出部が、歯の端
部に形成されているので、この膨出部側を粗材の導入部
として鍛造を行う場合、その膨出部に対応する部分によ
って歯下面側に対して材料の導入が促進される。またこ
のような膨出部から歯下面側に向けた材料の流動に伴っ
て生じる反力は、円周方向における分力の方向が、軸線
方向に対して傾斜している歯を形成するに伴って生じる
反力における分力と同方向になるから、粗材に回転が生
じる。少なくとも粗材に対して円周方向で反対となる複
数の荷重が同時に作用することがない。その結果、捩り
方向に対する残留応力が小さくなり、残留応力による変
形やそれに起因する歯形の狂いが防止もしくは抑制され
る。
【0013】
【0014】さらに請求項2の発明は、ダイスに対して
粗材を圧入するにあたり、ダイスの内面に形成した凸条
の間に材料が流入し、ヘリカルギヤの歯を形成する。そ
の場合、導入側の端部に形成した粗材導入面が、凸条の
傾斜方向と同方向であって傾斜角度が凸条より大きく設
定されているので、材料の流れが、円周方向においては
全体で同一となる。したがって歯を形成する部分への材
料の導入が促進されるとともに、粗材の捩りが抑制され
る。そのため製造されたヘリカルギヤの歯形の変形が防
止もしくは抑制され、高精度のヘリカルギヤを得ること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
を参照しつつ説明する。図1はこの発明に係るヘリカル
ギヤ10の一例を概略的に示しており、円柱状もしくは
円筒状の軸部11に続けてテーパ部12が形成され、そ
のテーパ部12の軸線方向での中間部から図1の下側に
複数条の歯13が形成されている。これらの歯13は、
中心軸線を通る平面もしくは前記テーパ部12の図1で
の下側に連続する円筒部分の母線に対して所定の捩れ角
αに設定されたはす歯であり、それぞれの歯13におけ
る歯先13Aを挟んだ両側の歯面13B,13Cはサイ
クロイド曲線を模した曲面に形成されている。なお、こ
れらの歯面13B,13Cのうち前記軸部11側を向く
歯面13Bを、仮に上歯面13Bとし、これとは反対側
の歯面13Cを、仮に下歯面13Cとする。
【0016】各歯13のテーパ部12側の端部には、こ
こから開始する歯13の捩れ方向とは反対側に凸となる
膨出部14が形成されている。すなわちこの膨出部14
は、前記テーパ部12において歯先部13Aを下歯面1
3C側に延ばしたものであり、前記テーパ部12が歯底
13Dに相当する部分にまで延びかつ歯面13B,13
Cが傾斜面となっていることにより、膨出部14は三角
形断面に形成されている。図2に上記のヘリカルギヤ1
0の一部の断面を示し、また図3に歯13のテーパ部1
2側の端部の形状を示してある。なお、図3において、
破線は、前記膨出部14を形成しない従来のヘリカルギ
ヤの歯形を示している。
【0017】上記のヘリカルギヤ10は鍛造によって造
られる。その場合、上述した形状から知られるように、
粗材は軸部11側から加圧され、テーパ形状に成形した
後に更に材料の流動を生じさせて歯13を形成する。し
たがって各歯13における膨出部14は、ここから歯1
3の部分に材料を供給する箇所になり、鍛造終了に伴っ
て余肉部として形成されたものである。
【0018】ここで上記のヘリカルギヤ10を鍛造する
ためのダイス20について説明する。そのダイス20の
概略的な構造を図4に示してあり、このダイス20は、
要は、粗材21を塑性変形させて上述した形状に成形す
るものであるから、その内面形状は、上記のヘリカルギ
ヤ10の外形形状に一致するものである。すなわちダイ
ス20は全体としてほぼ円筒状をなしており、その軸線
方向での一端部(図4での上端部)が粗材21の導入側
であり、ここに単純な中空円筒状の円筒部22が形成さ
れている。この円筒部22に続けて、内径が次第に減少
するテーパ部23が形成されている。このテーパ部23
は上述したヘリカルギヤ10におけるテーパ部12を形
成するためのものである。
【0019】このテーパ部23の中間部から下側(図4
での下側)に前記歯13を形成するための複数の凸条2
4が形成されている。これらの凸条24は、ダイス20
の中心部に向けて凸となっている部分であり、前記テー
パ部23の内径が最も小さくなった部分すなわち最内径
部を頂点部分としている。したがって各凸条24の端面
は、前記テーパ部23の一部であり、あるいはテーパ部
23に連続した面となっている。また各凸条24は、中
心軸線を通る平面に対して所定の捩れ角αに設定されて
いる。
【0020】上記の各凸条24の頂部24Aは、ヘリカ
ルギヤ10における歯底13Dに対応する部分であり、
したがって凸条24同士の間の溝部25がヘリカルギヤ
10における歯13に対応する。したがって各凸条24
の両側面24B,24Cは、ヘリカルギヤ10における
各歯面13B,13Cを成形するように、サイクロイド
曲線を模した曲面に形成されている。なお、これらの側
面24B,24Cのうち前記円筒部22側を向く側面2
4Bが前記下歯面13Cに対応し、この側面を仮に型上
歯面24Bとし、また反対側の側面24Cが前記上歯面
13Bに対応し、この側面を仮に型下歯面24Cとす
る。
【0021】この型上歯面24Bの図4における上端
部、より正確には、前記テーパ部23に入り込んでいる
端部は、その型上歯面24Bをそのまま延長した場合の
捩れ角(傾斜角)αよりも更に大きい捩れ角(傾斜角)
βとなるように切り込まれ、ここに粗材導入面26が形
成されている。したがって型上歯面24Bが前記下歯面
13bに対応する傾斜面となっているうえに、粗材導入
面26がテーパ部23に形成されているから、この粗材
導入面26は、図に示すように、ほぼ三角形状の面とし
て形成されている。すなわちこの粗材導入面26の傾斜
方向、換言すれば中心軸線を通る平面もしくはこれに平
行な平面に対する傾斜方向は、粗材導入面26に連続す
る型上歯面24Bと同じ傾斜方向である。
【0022】図5は、上記のダイス20を使用した鍛造
装置を概略的に示している。上下動させられるラム30
の下方にラム30と対向して定盤31が配置されてお
り、その定盤31の中心部にホルダー32が配置され、
前記ダイス20がその中心軸線を上下方向に向けた状態
でそのホルダー32に保持されている。またそのダイス
20の内部には、前記凸条24の頂部24Aにほぼ密着
する外径のノックアウトピン33が、スプリングあるい
はアクチュエータ(それぞれ図示せず)によって上下動
するように配置されている。
【0023】またラム30の下面には、パンチ34とマ
ンドレル35とが下向きに取り付けられている。そのパ
ンチ34は、前記ダイス20における円筒部22の内径
とほぼ等しい外径でかつヘリカルギヤ10の中心部に形
成する孔の内径とほぼ等しい内径の円筒状の部材であ
る。またマンドレル35はそのパンチ34の内部に密着
嵌合させた中実軸状の部材であり、このマンドレル35
の先端部は、パンチ34の先端部から所定寸法、突出し
ている。なお、前記ダイス20およびノックアウトピン
33ならびにパンチ34、マンドレル35は、それぞれ
同一軸線上に配置されている。
【0024】この鍛造装置によってヘリカルギヤ10を
成形するには、先ず、円筒状の粗材21をダイス20の
円筒部22に嵌合させる。その状態でラム30と共にパ
ンチ34およびマンドレル35を下降させると、パンチ
35の先端部が粗材21の中心部に嵌合し、ついでパン
チ34の先端部が粗材21の上端部に接触し、パンチ3
4が粗材21を次第に押し下げ始める。その場合、先
ず、粗材21の先端部がダイス20のテーパ部23によ
って小径に変形させられ、ついで凸条24が粗材21に
食い込んで、歯13および歯底13Dが形成される。す
なわち凸条24に沿った材料の流動が生じる。
【0025】より具体的には、粗材21のうち凸条24
に対応する部分は、材料が押し退けられ、これに対して
凸条24の間の部分すなわち歯13に対応する部分は、
容積の減少要因がない。したがって凸条24によって押
し退けられた材料が、凸条24の間に供給・充填され
る。これを模式的に示せば図6のとおりであり、図6の
上方向から下向きに粗材21が押し下げられることによ
り、矢印で示すように材料の流動が生じる。特に、各凸
条24の端部に形成してある粗材導入面26は、粗材2
1の下降方向に対する傾斜角度が小さいから、すなわち
その下降方向での投影面積が大きいから、この粗材導入
面26に当接した材料は、より積極的に凸条24の間に
流入させられる。したがって図6に互いに平行な複数の
矢印で示すように、型上歯面24B側での材料流動が型
下歯面24C側での材料流動より多くなる。
【0026】また材料が図6の矢印で示すように流動す
ることによる円周方向の速度成分は、凸条24によって
変形を受けた後は、同一の円周方向を向いている。すな
わち粗材21に塑性変形を生じさせることによる反力
が、粗材21を一定方向に回転させるトルクとして作用
する。また粗材21は軸線方向に対しては拘束されてい
るが、回転方向に対しては特には拘束されていないの
で、鍛造の進行に伴って粗材21が回転する。そのた
め、粗材21には捩り荷重が作用するものの、捩り変形
として内部に蓄積されることが殆どない。
【0027】このようにして粗材21の全量をダイス2
0の内部に押し込むことにより、鍛造が終了し、図1に
示す形状のヘリカルギヤ10が形成される。その後、ラ
ム30を上昇させるとともに、ノックアウトピン33を
上昇させることにより、ダイス20からヘリカルギヤ1
0を抜き取る。こうして得られたヘリカルギヤ10は、
軸部11に続けてテーパ部12が形成され、さらにその
テーパ部12から先端側に複数条の歯13が形成された
ものとなる。そして各歯13のテーパ部12側の端部に
は、ダイス20における粗材導入面26に対応する膨出
部14が形成される。
【0028】したがって図6に示す装置によって製造し
たヘリカルギヤ10では、捩り方向の残留応力が殆ど皆
無である。そのため鍛造後の熱処理を行った場合など
に、捩り変形が生じず、あるいは抑制されるから、歯形
の精度に狂いが生じず、高精度のヘリカルギヤ10とす
ることができる。このような作用は、歯13の軸部11
側の端部に前記膨出部14を形成することとし、またそ
のためにダイス20に前述した粗材導入面26を設けた
ことによって生じる。
【0029】なお、上述した例では、テーパ部12の中
間部から歯13が形成されている例を示したが、この発
明は上記の例に限定されないのであり、この発明のヘリ
カルギヤは軸部に連続して歯が形成されている構造であ
ってもよい。したがってその場合は、軸部の端部から歯
底に到る部分がテーパ状に形成されることになる。また
この発明は、要は、螺旋状の歯が形成された鍛造品に適
用することができるので、ステアリング用のヘリカルギ
ヤに限定されるものではなく、スプラインなどにも適用
することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のヘリカ
ルギヤによれば、歯の傾斜方向に連続して傾斜した膨出
部が、歯の端部に形成されているから、軸線方向に粗材
を押圧して鍛造を行う場合、その膨出部に対応する部分
から歯に対応する部分への材料の流動が促進され、また
同時に、粗材に対する捩りが防止もしくは抑制され、そ
の結果、製造後の捩り変形による歯形誤差の生じない高
精度のヘリカルギヤを得ることができる。
【0031】
【0032】さらにこの発明の装置によれば、粗材導入
面によって歯に相当する部分のうち特にいわゆる下歯面
側への材料の導入を促進でき、また同時に粗材の回転を
阻止する荷重の発生を防止して粗材の回転を促進させる
から、捩り応力が残留したり、それが原因となって歯形
誤差が発生するなどの不都合を未然に防止することがで
き、結局は、高精度のヘリカルギヤを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のヘリカルギヤの一例を示す正面図で
ある。
【図2】その部分断面図である。
【図3】その膨出部の形状を示す部分図である。
【図4】この発明のダイスの一例を示す図であって一部
の断面形状およびその部分に連続する内面の展開した形
状を示す図である。
【図5】図4に示すダイスを用いた鍛造装置の一例を示
す概略図である。
【図6】図4に示すダイスの凸条の端部において生じる
材料の流動を説明するための図である。
【図7】従来のヘリカルピニオンギヤの一例を示す正面
図である。
【図8】従来のヘリカルピニオンギヤを鍛造する際に使
用するダイスの材料導入部で生じる材料の流動を説明す
るための図である。
【図9】鍛造に伴う粗材の最大捩れ角を示す図である。
【図10】押し出し長さと捩れ量との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 ヘリカルギヤ 11 軸部 12 テーパ部 13 歯 13B,13C 歯面 14 膨出部 20 ダイス 21 粗材 23 テーパ部 24 凸条 24B,24C (凸条の)側面 26 粗材導入面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有馬 達男 大阪府東大阪市加納四丁目4番24号 株 式会社ヤマナカゴーキン内 (56)参考文献 特開 平7−308729(JP,A) 特開 平7−310807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00 F16H 55/17

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーパ部からその軸線方向に連続して複
    数条の歯が螺旋状に形成されたヘリカルギヤにおいて、 各歯のテーパ部側の端部に、円周方向において歯の延び
    る方向とは反対方向に凸となり、かつテーパ部を上側と
    した場合に前記歯の下側の面に連続する膨出部が形成さ
    れていることを特徴とするヘリカルギヤ。
  2. 【請求項2】 内周面に複数の螺旋状の凸条が形成され
    た円筒状のダイスの内部に、その軸線方向に向けて粗材
    を圧入することにより、その粗材を塑性変形させて外周
    面に複数の螺旋状の歯を形成するヘリカルギヤの製造装
    置において、 前記凸条の粗材導入側の端部に、前記凸条を形成してい
    る二つの側面のうち軸線方向に送られる粗材に対向する
    側面の端部に連続し、かつ該側面の軸線方向に対する傾
    斜角度より大きい傾斜角度の粗材導入面が、形成されて
    いることを特徴とするヘリカルギヤの製造装置。
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WO2006057414A1 (ja) 2004-11-29 2006-06-01 Nsk Ltd. 油溜まりを備えた歯付き伝動部材の製造方法、及び、この製造方法によって製造した歯付き伝動部材
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