JP3429545B2 - アフィニティー吸脱着用担体 - Google Patents

アフィニティー吸脱着用担体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医学、薬学、化学、生物
学などの分野で使用でき、特に医学、とりわけ臨床検査
の分野で有用に使用することができるアフィニティー吸
脱着用担体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アフィニティークロマトグラ
フィは、固定化されたリガンドと特異結合することがで
きる物質の分離や精製に広く使用されてきた。そして通
常、リガンドを固定化する担体には多孔性のアガロー
ス、セルロースのような多糖類やガラス粒子がよく用い
られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般にクロ
マトグラフィの効率は、そこで用いる担体の形状や粒径
により左右されやすく、特に上記のような多糖類やガラ
ス粒子を担体に用いたときはそれが顕著である。例え
ば、吸着させようとする物質の量の100 倍以上のリガン
ドを固定化した担体を用いた場合でも、その被吸着物質
の分子量(分子サイズ)が30万以上のような巨大高分子
のときには、著しく吸着率が低下し、吸着率が10%以下
になるといわれている。この原因としては、このような
担体の内部まで被吸着物質が入れず、担体の表面を素通
りするものと考えられている。このような場合には、担
体の孔径を大きくすることで吸着率を上げることや、リ
ガンドを固定化する担体からアームを出す試みもなされ
ていたが、大きな孔径の担体は機械的な強度が弱くて耐
久性も劣り、またアームだけでは満足な結果が得られな
かった。さらに、分離・精製の過程で免疫学的反応を利
用することが多いが、上述のような巨大高分子の物質は
それより低分子(通常、分子量が1.5 〜20万)の場合に
比べ、免疫学的反応を適用する事が難しい、という問題
もあった。そのため、特に医学、とりわけ臨床検査の分
野で利用できる血清、血漿、尿、髄液などに由来する巨
大高分子物質である抗原や抗体などを分離・精製し、調
製するのが困難であった。
【0004】そこで本発明は上記従来の欠点を解消し、
低分子のみならず高分子の物質に対してもアフィニティ
ー吸脱着を効率よく行うことができ、特に医学、とりわ
け臨床検査の分野において有用に利用することができる
アフィニティー吸脱着用担体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、磁性酸化鉄、
ラテックス、合成高分子において、粒径が0.05〜1
0μmの微粒子がアフィニティー吸脱着用担体として最
適であることを知得した。すなわち本発明のアフィニテ
ィー吸脱着用担体は、粒径が0.05〜10μmの磁性
酸化鉄粒子からなるアフィニティー吸脱着用担体であっ
て、第5因子とフィブリノゲンとの分離に用いることを
第1の特徴としている。また本発明のアフィニティー吸
脱着用担体は、粒径が0.05〜10μmのラテックス
粒子からなるアフィニティー吸脱着用担体であって、第
5因子とフィブリノゲンとの分離に用いることを第2の
特徴としている。また本発明のアフィニティー吸脱着用
担体は、粒径が0.05〜10μmの合成高分子粒子か
らなるアフィニティー吸脱着用担体であって、第5因子
とフィブリノゲンとの分離に用いることを第3の特徴と
している。
【0006】上記において、磁性酸化鉄粒子を担体とし
て用いる場合には、磁気結合により分離・精製が効率的
に実施でき、最も効果的である。またラテックスの粒子
も次に良い。これら磁性酸化鉄、ラテックス、合成高分
子の粒子の大きさは、0.05〜10μm が好ましいが、中で
も好ましいのは粒径が0.1 〜2μm のものが好ましい。
粒径が10μm を越えると吸着性が悪くなる。また粒径が
0.05μm 未満になると分離がし難くなる。前記ラテック
スとしては、たとえばポリスチレンラテックスをあげる
ことができるが、他のラテックスであってもよい。本発
明の担体を用いたアフィニティー吸脱着を行う場合に
は、従来のアガロース、セルロースのような多糖類やガ
ラス粒子による担体を用いる場合に比べて、吸着率を、
低分子の被吸着物質から高分子の被吸着物質に至るま
で、とくに高分子の被吸着物質に対してもその吸着率を
飛躍的に向上させることができる。
【0007】本発明の担体を用いることで、例えば従来
の担体であるセファロース4Bを用いた場合と比較する
と、担体の容量を10分の1にして且つ被吸着物質の添加
量を5倍にすることができる。すなわち本発明の担体を
用いることで従来の50倍も吸着率を上げることができ
る。さらに、本発明の担体は容量が少なくて良いため、
目的とする被吸着物質以外の他の物質の非特異的吸着を
抑えることができる。また、本発明に用いる担体は微粒
子であるため、従来のような孔径の大きい担体に見られ
る機械的強度に起因する問題が解決される。更にこのよ
うな微粒子は液体と類似した流動性を有しているので、
反応媒体として使用した場合、液−液反応に類似した反
応性が得られることから、上述したような巨大高分子物
質にも免疫学的反応が適用できるので、医学、とりわけ
臨床検査の分野で利用できる物質を分離・精製し、調製
するのに好適である。前記免疫学的反応を適用できれ
ば、特定の抗原または抗体を欠く物質の調製を効果的に
行うことができる。すなわち、特定の抗原または抗体を
本発明の担体に固定させ、これに反応させた物質からそ
の抗原または抗体に反応するものを特異的に除くことが
できる。
【0008】さらに述べると本発明の担体を用いること
で、この担体に抗体をリガンドとして固定化し、血清、
血漿、尿、髄液などの体液から目的とする物質を分離・
精製し、調製することができる。この目的とする物質と
しては、さまざまな物を挙げることができ、特に医学、
とりわけ臨床検査分野においては、用途に応じて抗血清
を分離・精製し、調製するのに有用であり、また血液凝
固因子活性を測定するときに使用する特定の凝固因子の
欠乏した血漿を調製するのにも有用に使用できる。
【0009】
【実施例】
A.比較試料の調製 抗ヒトフィブリノゲン抗体(うさぎ)IgG 画分の10mgを
2mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解し、抗ヒトフ
ィブリノゲン抗体(抗Fbg 抗体)溶液を調製した。得ら
れた前記溶液に市販のアフィニティークロマトグラフィ
用ゲルであるCNBr−活性化セファロース4Bの2mlを混
和し、室温で1夜撹拌放置し、抗Fbg 抗体固定化セファ
ロースを調製した。固定化されたリガンドとしての抗Fb
g 抗体はゲル1ml当たり4.3mg であった。
【0010】B.本発明試料の調製 市販の磁性酸化鉄微粒子(チタン工業株式会社製)(短
径が平均0.1 μm 程度、長径が平均1.5 μm 程度)1g
に25mlの1容量%γ−アミノプロピルトリエトオキシシ
ランを加え、エバポレーターで乾燥させた後、115 ℃で
1夜さらに加熱し、アミノシリル化磁性酸化鉄を調製し
た。得られたアミノシリル化磁性酸化鉄1gに、50mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0 )に溶解した2.5 %グルタルアルデ
ヒド溶液25mlを、室温で1時間反応させた。その後、精
製水で十分に洗浄し、グルタルアルデヒド処理磁性酸化
鉄を調製した。さらに前記調製したグルタルアルデヒド
処理磁性酸化鉄粒子0.1 gと、抗ヒトフィブリノゲン抗
体(うさぎ)IgG 画分の5mgを1mlの0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0 )に溶解した抗Fbg 抗体溶液とを、混和し、室
温で1時間撹拌し、抗Fbg 抗体固定化磁性酸化鉄粒子を
調製した。固定化されたリガンドとしての抗Fbg 抗体は
磁性酸化鉄粒子0.1 g当たり2.3mg であった。
【0011】C.試験1 比較試料である抗Fbg 抗体固定化セファロース1mlと、
本発明試料である抗Fbg 抗体固定化磁性酸化鉄粒子0.1
gとを用いて、アフィニティー吸脱着によるヒト血漿中
のフィブリノゲンの吸着除去を行った。先ず、240mg/dl
のフィブリノゲンを含むヒト血漿1mlに9mlの0.1Mリン
酸緩衝液を加え、10倍希釈血漿を調製した。1回目の操
作として、前記10倍希釈血漿を、1mlづつ、それぞれ前
記比較試料である抗Fbg 抗体固定化セファロース1ml
と、本発明試料である抗Fbg 抗体固定化磁性酸化鉄粒子
0.1 gとに、添加し、室温で30分間撹拌後、遠心分離し
て、上清を分離採取し、そのフィブリノゲン濃度を測定
した。添加する前の元の10倍希釈血漿中のフィブリノゲ
ン濃度に対する添加後のフィブリノゲン濃度の割合を残
存率として%で表した。また吸着効率を(100 %−残存
率)として表した。2回目の操作として、更に前記10倍
希釈血漿を1mlづつ、それぞれ前記1回目の操作に用い
た抗Fbg 抗体固定化セファロース1ml及び抗Fbg 抗体固
定化磁性酸化鉄粒子0.1 gに、添加(それぞれ総添加量
が2mlとなる)し、同様に残存率と吸着効率を求めた。
同様に、3回目の操作、4回目の操作、5回目の操作
を、それぞれ1mlづつ前記10倍希釈血漿を追加するよう
にして行った。結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1に示す結果より、本発明の磁性酸化鉄
粒子を担体とした場合には、比較試料であるセファロー
ス4Bを担体とした場合よりも、固定化されたリガンド
としての抗体が少ないにもかかわらず、吸着効率がはる
かに大きいことがわかる。
【0014】D.試験2 試験1と全く同様の操作を行い、目的とするフィブリノ
ゲン以外の物質の非特異的吸着を調べるため、各操作後
の上清中の凝固因子の第5因子活性を測定をした。測定
前の第5因子活性を100 %とし、残存活性をそれぞれ%
で表した。結果を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】表2に示す結果より、本発明の磁性酸化鉄
粒子の担体を用いた場合には、比較試料であるセファロ
ース4Bを担体とした場合よりも、フィブリノゲン以外
の非特異的吸着が少なく、第5因子活性を十分に残存さ
せることができることが明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載したアフィニティー吸脱着用担体によれ
ば、第5因子とフィブリノゲンとの分離を効率よく行う
ことができる。また従来の同種の担体を用いた場合に比
べて、十分に向上した吸着率によるアフィニティー吸脱
着を行うことができる。特に分子量が30万を越えるよ
うな巨大高分子物質に対しても充分な免疫学的反応によ
る充分な吸着率をもってアフィニティー吸脱着を行うこ
とができる。よって医学、とりわけ臨床検査の分野にお
いて非常に有用かつ効果的なアフィニティー吸脱着用担
体となることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−152108(JP,A) 特開 平5−5731(JP,A) 特開 昭64−83522(JP,A) 特開 昭62−227446(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/48 C01G 49/00 G01N 30/88

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が0.05〜10μmの磁性酸化鉄
    粒子からなるアフィニティー吸脱着用担体であって、第
    5因子とフィブリノゲンとの分離に用いることを特徴と
    するアフィニティー吸脱着用担体。
  2. 【請求項2】 粒径が0.05〜10μmのラテックス
    粒子からなるアフィニティー吸脱着用担体であって、第
    5因子とフィブリノゲンとの分離に用いることを特徴と
    するアフィニティー吸脱着用担体。
  3. 【請求項3】 粒径が0.05〜10μmの合成高分子
    粒子からなるアフィニティー吸脱着用担体であって、第
    5因子とフィブリノゲンとの分離に用いることを特徴と
    するアフィニティー吸脱着用担体。
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