JPWO2005095969A1 - 反応性色素結合磁性粒子及びタンパク質分離精製法 - Google Patents

反応性色素結合磁性粒子及びタンパク質分離精製法 Download PDF

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Abstract

本発明は、反応性色素結合磁性粒子およびタンパク質分離精製法に関し、時間と労力を節約して、多段階の一連の工程を自動化することができて、かつ、全体としてコストを削減することができる反応性色素結合磁性粒子およびタンパク質分離精製法を提供することである。反応性色素結合磁性粒子を磁性化された高分子マトリックス、及びこの高分子マトリックスに結合したトリアジン色素を有するように構成し、この反応性色素結合磁性粒子をタンパク質の分離精製に用いる。

Description

本発明は磁性化された高分子マトリックス及びタンパク質に対するアフィニティリガンド機能を有するトリアジン色素からなる反応性色素結合磁性粒子およびこの粒子を用いたタンパク質分離精製に関するものである。
従来、酵素、抗体、ペプチドなどタンパク質の分離精製法としてアフィニティカラムクロマトグラフィ法が広く用いられてきた。この場合、目的とするタンパク質それぞれに特異的に強い相互作用を有するリガンドをシリカゲル、アガロースなどの担体に結合させた吸着体をカラムに充填し、これを固定相としてカラムクロマトグラフィーを行なってきた。この方法では、目的とするタンパク質を分離精製するために多段階の煩雑なカラム精製が必要となり、多くの時間と労力を必要とした。またこの方法は多段階の固定相反応であり、このままでは自動化が極めて困難であった。また、これらのカラムアフィニティカラムクロマトグラフィ法においてすでにトリアジン色素が吸着体として用いられているが、いずれも非磁性体であり、またこれらの吸着体はカラムに充填して固定化相として用いられるものであって、溶液中に均一分散された液相流動反応で使用するものではなかった(非特許文献1、非特許文献2)。
近年、ポストゲノム研究の主要な課題として、遺伝情報に基づいて細胞内で発現されているタンパク質の構造や機能を総合的に解析しようとするいわゆるプロテオミクスが注目され、このため迅速、簡便且つ自動化可能な新規なタンパク質の分離精製法が強く望まれている。
Heackel,R.et al.: Hoppe-Seyler's Physiol Chem., 349, 699, 1968. 大島敏久:臨床検査、35(3)、317-320、1991
現在タンパク質の分離精製に用いられているアフィニティカラムクロマトグラフィ法に使用されている吸着体は、タンパク質に対して異なる特異性を持つリガンド(基質、抗体、補酵素など)をシリカゲルやアガロースのような担体に吸着または結合させたものである。タンパク質の分離精製に際してはこれらの吸着体を固定相としてカラムに充填し、目的とするタンパク質を含む溶液をこのカラムに通過させることにより不純物の除去および目的物の選択的吸着を行い、分離精製を行なうものである。このような吸着体を用いるアフィニティカラムクロマトグラフィ法は、異なるアフィニティ機能を持つ多くの吸着体をそれぞれのカラムに充填し、試料液をこれらひとつひとつのカラムに順次に通過させ、多段階の吸着、分離を行なわなければならず多くの時間と労力を必要とした。
また、1本のカラム吸着が終了したあと、これらの吸着体に吸着された目的物を溶出しなければならないが、このために多量の溶出液を通過させて目的物を取り出さなければならず、得られた溶出液中の目的物の濃度は極めて薄く、この溶出液から目的物のタンパク質を取り出すためには溶出液の濃縮を必要とした。この濃縮工程もまた、多くの時間と労力を必要とした。
このように従来の吸着体を用いる方法では、それぞれの反応をマニュアルでバッチ処理を行なうため、これら多段階の一連の工程を自動化することは極めて困難であった。
一方、現在行なわれているアフィニティカラムクロマトグラフィ法においては、それぞれのタンパク質に特異的に強い相互作用を有する基質、補酵素、抗体などを不溶性の支持体に結合させた固体吸着体をカラムに充填して使用するもので、一般にこれら吸着体は高価であり、また汎用性が低いため、タンパク質に含まれる多くの不純物を完全に除去するためには相互作用の異なる多種のカラムを組み合わせる必要があることから、全体として非常に高コストとなる。
したがって、解決しようとする問題点は、カラムアフィニティカラムクロマトグラフィ法は多くの時間と労力を必要とする点、多段階の一連の工程を自動化することが極めて困難である点、および、全体として非常に高コストとなる点である。
発明者らは前記の課題を解決するための手段として、新規なトリアジン色素結合磁性粒子およびタンパク質の分離精製を創出した。
第1の発明は磁性化された高分子マトリックス、及びこの高分子マトリックスに結合したトリアジン色素を有している反応性色素結合磁性粒子である。この反応性色素結合磁性粒子とは液相反応を可能にする分散性を持つ微小な粒子であって、しかもこの粒子が磁性であり、且つ高分子マトリックスに結合されたアフィニティリガンド機能を有するものである。本発明に用いられる高分子マトリックスとしては水酸基、反応性極性基を有するアガロース、シリカなどの高分子ゲル、天然高分子多糖類、合成ポリマーなどを用いることができる。反応性極性基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などが用いられる。さらに本発明で使用するトリアジン色素(反応性色素)はタンパク質に特異的な親和性を有するトリアジン色素であって表1に示すように多くの種類から選択することが出来る。
表1には、シグマ社(SIGMA)等から容易に入手できるものを挙げたものであるが、それ以外のものも含めると90種類以上のトリアジン色素が調製されている。また、これらのトリアジン色素は例えば、図1の符号1に示されるように補酵素と類似した立体構造を有し、スルホン基、もしくはアミノ基などの反応基を有し、このような構造がタンパク質との親和性の要因のひとつである。さらに本発明においてはこのトリアジン色素結合粒子が磁性化されていることによって、タンパク質の分離精製が均一に分散された液相で行なわれた後、吸着されたタンパク質が磁石により容易に分離されることを特徴とするものである。
第1の発明は、アフィニティリガンドとして反応性色素の一種であるトリアジン色素を選択する事により、その特異的構造に由来するタンパク質との特異的親和性を用いて、多種類のタンパク質の分離・精製に適用することを可能とし、汎用性が高いタンパク質の分離精製を可能にする。この場合、高価なリガンドを使用せず、安価で多種類が得られるトリアジン色素を固定化した磁性粒子を用いることにより、低コストのタンパク質分離法が可能となった。また、第1の発明の重要な点は従来の非磁性の吸着体に代えて磁性体微粒子を含む高分子マトリックスからなる粒子を創生したことにあり、このことによりタンパク質の分離・精製において磁石による分離・精製を可能としたことである。さらに、それぞれのタンパク質を各種の色素によって識別することも可能であり、分離精製にとどまらずタンパク解析などへの応用も考えられる。
第2の発明はタンパク質の分離精製において、前記反応性色素結合磁性粒子を用いるタンパク質の分離精製試薬である。
第2および第6の発明は、反応性色素結合磁性粒子を試薬として用いることによって、タンパク質の分離精製において従来の非磁性アフィニティリガンド結合吸着体では不可能であった均一分散による液相反応吸着と、磁石を用いた固液分離を同一の容器内で行なうことが可能となった。さらに吸着されたタンパク質の溶出も液相反応で行なう事が出来るため、溶出液の量が少なくてすみ、煩雑な濃縮工程をはぶいて高濃度の目的物を得ることが可能である。またこの反応性色素結合磁性粒子を用いることにより、一連の工程の自動化が容易となった。つまり、このような反応と磁石による固液分離を繰り返すことにより、複雑な多段の分離・精製工程を連続化することが可能となり、ロボティクスなどを用いてこれら一連の工程を自動化することも容易となる。
第3の発明は高分子マトリックスが反応性極性基を有するクロスリンクされた高分子ゲルである反応性色素結合磁性粒子である。
第3の発明は、クロスリンクされた高分子マトリックスを用いることによって磁性粒子を非水溶化し、かつ、多孔質化することにより色素の反応性及び反応量を増加することが可能となった。
第4の発明は高分子マトリックスが反応性極性基を有する合成ポリマーである反応性色素結合磁性粒子である。
第4の発明は、トリアジン色素との反応性を有する合成ポリマーを用いる事によってクロスリンクを必要とせず、トリアジン色素を容易にそのマトリックス内に固定化することが可能となった。
第5の発明は反応性極性基が水酸基またはアミノ基、カルボキシル基である反応性色素結合磁性粒子である。
第5の発明は、トリアジン色素の立体構造に由来する、スルホン基、もしくはアミノ基などの反応基と結合する反応性極性基として水酸基またはアミノ基、カルボキシル基である高分子マトリックスを用いることにより化学結合によるトリアジン色素の安定的な固定化を可能にした。
第6の発明は目的とするタンパク質を含む溶液中に請求項1の反応性色素結合磁性粒子を混合し、目的タンパク質を吸着させた反応性色素結合磁性粒子を磁気分離により溶液から分離し、吸着されたタンパク質を精製および溶出させるタンパク質分離精製法である。
本発明の実施例に係るトリアジン色素、粒子、および該トリアジン色素結合体を示す構造図である。 本発明の実施例に係るブルーセファロースにマグネタイトを結合して作製した反応性色素結合磁性粒子の拡大図である。 本発明の実施例に係るレッドセファロースにフェライトを結合して作製した反応性色素結合磁性粒子の拡大図である。 本発明の実施例に係るブルーセファロースにマグネタイトを結合して作製した反応性色素結合磁性粒子およびレッドセファロースにフェライトを結合して作成した反応性色素結合磁性粒子とを混合したものの拡大図である。
本発明の反応性色素結合磁性粒子としてのトリアジン色素結合磁性粒子は高分子マトリックス例えば、クロスリンクされた高分子ゲルからなるマトリックス中に微細な磁性粉末または磁性体微粒子を含有または結合させることにより磁性化し、このマトリックスにアフィニティ機能を有するトリアジン色素を結合させることにより作製される。またこの場合、高分子マトリックスの性質によっては最初に色素リガンドを固定化し、その後磁性微粒子を吸着または固定化させて色素リガンド結合磁性粒子を作製しても良い。
本発明のトリアジン色素結合磁性粒子は以下のような性質を有する。
1.バッファーなどの水溶液中で容易に分散し、均一な液相反応を可能にする。
2.磁石により容易に固液分離を行なう事が出来る。
3.磁石を除去することにより再び溶液中に再分散される。
4.異なるトリアジン色素を結合することにより、種々の異なるタンパク質を選択的に吸着分離できる。
本発明に用いられる高分子マトリックスとしてはアガロース、シリカなどの高分子ゲル、天然高分子多糖類、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの反応性極性基を有する合成ポリマーなどを用いることが出来る。
また、マトリックスを磁性化する方法としては、これらの高分子マトリックスを水溶液中で膨潤させ、分散した微小磁性体粒子をマトリックス中に吸着させたのち、固定化する方法、ポリマーと磁性体微粒子とを混練成形する方法、ポリマー粒子上に物理的あるいは化学的な方法で磁性体微粒子を固定化する方法などがあるが、これらの方法で作製された高分子マトリックスが溶液中に分散された場合、磁石により容易に集積および再分散されるものであればいずれの方法でもよく、その製法に限定されるものではない。
これらの方法で使用される磁性体微粒子としてはフェライト、マグネタイトのような酸化鉄、マンガンー亜鉛合金などの磁性体微粒子が用いられる。これらの磁性体微粒子は粒径として好ましくは1μm以下が望ましい。また、これら磁性体微粒子の前駆体として金属イオンなどの水溶液を高分子マトリックスに吸着させた後、磁性体に変換してもよい。
本発明で用いられる反応性色素はタンパク質に親和性を有するトリアジン色素が用いられるが、これらはタンパク質の種類や目的に応じて適宜選択される。
これらトリアジン色素の高分子マトリックスへの結合方法としては高分子マトリックスの極性基、たとえば水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの反応性極性基を用いてトリアジン色素との化学結合を行なう。また色素の固定化は高分子マトリックスの磁性化工程の前または後のいずれでも良いが、高分子マトリックスの種類に応じて適宜選択する。
本発明のトリアジン色素結合磁性粒子は水溶液あるいは有機溶剤中において容易に均一に分散されることが必要である。具体的には比重として0.9−1.5好ましくは 1.0−1.3 の範囲が望ましい。またトリアジン色素結合磁性粒子は溶液中で分散が容易であれば不定形でもよいが、好ましくは球状もしくはこれに近い形状を有する粒径1-500μmの粒子、更に好ましくは 10-150μmの範囲のものが望ましい。
このようなトリアジン色素結合磁性粒子を用いてタンパク質などの分離精製を行なう場合、まず目的とするタンパク質を含む溶液中に前記磁性粒子を分散する。この溶液を、例えばピペットなどを用いて吸引・吐出を繰り返すことなどによりゆるやかに攪拌し、タンパク質を該磁性粒子に吸着する。次にこのタンパク質吸着トリアジン色素結合磁性粒子を容器の外部に磁石を接触させて固液分離を行なう。
こうして集積されたタンパク質吸着トリアジン色素結合磁性粒子は次の容器に移され、新しい溶出液を加えて攪拌することにより、吸着されたタンパク質が溶出される。
以上の吸着、固液分離、溶出を多段で繰り返すことにより、数種類の異なるトリアジン色素結合磁性粒子を用いて多段階の吸着・精製を連続で行なうことが可能となる。以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
トリアジン色素結合磁性粒子の作製について、以下に説明する。
まず、非磁性トリアジン色素(Reactive Blue 2)結合体を作製する。
図1に示した市販のクロスリンクされたアガロースゲルからなる粒子2(Sepharose CL 4B、Amersham Bioscience製)100mlをガラスフィルター上に取り、10倍量の精製水を用いて吸引洗浄し、この洗浄したゲルを薬さじによって微生物培養坂口フラスコに移した。
これに100mlの水に溶かしたトリアジン色素 Reactive Blue 2(SIGMA製)0.3g(構造式を図1中、符号1で表示)を加え、塩析効果によって次のカップリング反応の進行を容易にするために、さらに、22%NaCl溶液10mlを加えた。ゲルの破壊を行なわないよう、ゲルが色素とよく混合する程度に回転子等を用いないで、約30分間振とう攪拌を行った。さらに、色素と担体間のカップリング反応を行なうために、1gの結晶Na2CO3を加えて、pH10.5のアルカリ条件下にし、60℃で約12時間振とう攪拌し、反応させた。反応終了後、ゲル懸濁液をガラスフィルターに移し、1lの水、1lの1M NaCl、2lの水の順序でろ液の着色が見られなくなるまで色素ゲルを洗浄した。これによって、図1の符号3で示す非磁性トリアジン色素結合体が作製される。
次に、作製された前記非磁性トリアジン色素結合体を用いてトリアジン色素(Reactive Blue 2)結合磁性粒子を作製する。
作製した非磁性トリアジン色素結合体3についての10グラムを2%炭酸ナトリウム溶液中に分散し、常温にて膨潤を行なった。この溶液中に2%炭酸ナトリウムに分散した平均径 1μmのフェライト微粒子を加えてゆるやかに攪拌し、10分程度放置し、色素結合体にフェライト微粒子を取り込ませた後、精製水で洗浄した。
このようにして得られたトリアジン色素結合磁性セファロース粒子は磁石を容器外から接触させることにより、容易に固液分離を行なう事が出来た。
このようにして作製されたトリアジン色素結合磁性粒子を図2〜図4に示す。
トリアジン色素(Reactive Blue 2)結合磁性粒子を用いたタンパク質の分離精製方法について以下に説明する。
実施例1で得られたトリアジン色素結合磁性セファロース粒子を用いて代表的なタンパク質であるBSAの吸着実験を行なった。
市販牛血清アルブミン(BSA,SIGMA製)を50mM Tris/HClバッファー(pH 7.0)に溶かし、BSAを2mg/ml含む溶液とした。この溶液に実施例1で調整したトリアジン色素結合磁性粒子を分散し、常温にて吸着させた。
このBSA吸着トリアジン色素結合磁性粒子を磁石により分離し、さらにバッファー溶液で洗浄・分離した後、1.5 M NaClを加えたバッファー溶液にて溶出を行なった。この溶出液をA280nmの吸光度で測定することにより溶出したBSAを定量した。一方実施例1で得られた非磁性トリアジン色素結合セファロース粒子を用いて比較実験を行なった結果、BSAの非磁性粒子に対する吸着量は本発明の磁性粒子とほぼ同様の値を示した。
続いて、磁性ポリマーマトリックスを用いるトリアジン色素(Reactive Red 120)結合磁性粒子によるタンパク質の分離精製について説明する。
表面に水酸基を有する市販のポリマー磁性粒子(平均径2μm Chemagen社製)をバッファー溶液中に分散し、トリアジン色素 Reactive Red 120とpH 10で室温で3時間、水酸基とのカップリング反応を行なった。反応後精製水でよく洗浄し、Reactive Red 結合ポリマー磁性粒子を得た。
このトリアジン色素結合磁性粒子を用いて実施例2と同様、BSAの分離実験を行ない、吸着されたBSAをA280nmの吸光度で測定した。この結果色素結合ポリマー磁性粒子は実施例1で作製した色素リガンド結合磁性セファロース粒子に比較してBSAの吸着量は25%であった。
トリアジン色素(Reactive Green 19)結合磁性粒子による酵素の分離精製
実施例1と同様の方法でトリアジン色素としてReactive Green 19(SIGMA製) を市販のクロスリンクアガロース(Sepharose CL-4B、Amersham Bioscience製)に固定化し、その後この粒子にマグネタイト微粒子を含浸させて磁化し、Reactive Green結合磁性粒子を作製した。
この色素結合磁性粒子を用いて、細菌 S. thermovulgaris IFO 13089 に存在するValine脱水素酵素の分離精製を試みた。
S. thermovulgaris IFO 13089(湿重量45g)をpH7.2の10mMリン酸緩衝液に懸濁後、超音波破砕、遠心分離により粗抽出液を調製した。この粗抽出液中に前記のReactive Green結合粒子を混合し吸着を行なった。磁気分離により非吸着のタンパク質を分離した後、吸着された酵素を緩衝液250mlと0.5M NaClを用いて段階的に塩濃度を上げ、磁気分離を用いて3段階で吸着タンパク質の溶出を行なった。そのタンパク質溶出液から目的とする酵素を含む溶液を透析し、さらに10mMのL-Valineの存在下、1mMの補酵素(NAD)を用いて磁性分離により段階的に目的酵素の抽出を行なった。
目的とする酵素(L-Valine脱水素酵素)は基質(L-Valine)及び補酵素(NAD)と複合体を形成し、選択的に遊離された。収率は、原料の粗抽出物6500mgから9.1mgの目的とする高純度の精製酵素(L-Valine脱水素酵素)が得られた。この方法によって目的とする酵素を効率よく分離精製できることが確かめられた。
以上説明した各実施例は本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば以上の説明においてはトリアジン色素としてReactive Blue 2,Reactive Red 120およびReactive Green 19についてのみ説明したがこれらに限られず、少なくとも表1に記載したトリアジン色素を用いることができる。また、磁性化された高分子マトリックスについても前述した粒子に限られるものではないことはいうまでもない。
本発明は、種々の分野、例えば、農水産、食品、家庭用品、薬学、衛生や保健等の医療、工学、生化学の各分野で用いられ、詳細には、タンパク質やタンパク質から誘導される高分子物質等の生体物質を扱うことが要求される分野で用いられるがこれらの場合に限られるものではない。
符号の説明
1 トリアジン色素
2 粒子
3 トリアジン色素結合体

Claims (6)

  1. 磁性化された高分子マトリックス、及びこの高分子マトリックスに結合したトリアジン色素を有している反応性色素結合磁性粒子。
  2. タンパク質の分離精製において、請求項1の反応性色素結合磁性粒子を用いるタンパク質の分離精製試薬。
  3. 請求項1の高分子マトリックスが反応性極性基を有するクロスリンクされた高分子ゲルである反応性色素結合磁性粒子。
  4. 請求項1の高分子マトリックスが反応性極性基を有する合成ポリマーである反応性色素結合磁性粒子。
  5. 請求項3または請求項4の反応性極性基が水酸基またはアミノ基、カルボキシル基である反応性色素結合磁性粒子。
  6. 目的とするタンパク質を含む溶液中に請求項1の反応性色素結合磁性粒子を混合し、目的タンパク質を吸着させた反応性色素結合磁性粒子を磁気分離により溶液から分離し、吸着されたタンパク質を精製および溶出させるタンパク質分離精製法。
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