JP3429290B2 - 微細配線用銅箔の製造方法 - Google Patents
微細配線用銅箔の製造方法Info
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Description
製造方法に関し、更に詳しくは、被接着面となる銅箔表
面の表面粗さが小さく、粗化が均一で、エッチング性に
優れ、高密度微細配線が可能であり、かつ基材との接着
強度が高い微細配線用銅箔の製造方法に関する。
基材と積層する銅箔の被接着面が何らかの方法によっ
て、より強固な接着強度が得られるように、予め粗化処
理されている。この粗化処理手段として適用されている
主流の方法は、電解銅箔の場合めっき法である。めっき
法には、例えば、特公昭53−39376号公報に開示
されている方法がある。この方法は酸性銅めっき浴を用
いて、銅生箔を陰極として、まず限界電流密度以上の電
流によりいわゆるコガシめっきによる樹枝状銅電着層を
銅箔の少なくとも一方の被接着面に形成させ、更に該層
上に限界電流密度未満の電流により前記樹枝状銅電着層
に平滑な銅電着層(カブセめっき)を形成して前記樹枝
状銅をいわゆるコブ状銅に変化させ、このコブ状銅によ
り、接着強度の増強を得ようとするものである。このコ
ブ状銅を形成することにより該銅箔面は、電解処理前に
比べて比表面積の増大が図られるとともにコブ状銅によ
るアンカー効果が発揮されて樹脂基材と銅箔間の接着強
度が向上する。このコブ状銅が形成される銅生箔が電解
銅箔の場合、一般に一方の面(粗面側)は他方の面(光
沢面側)に比べて凹凸があり、電流は主に凸部に集中し
やすく、コブ状銅は殆ど凸部の先端に集中して形成され
る。
に伴い、これらに組み込まれるプリント配線板の回路
幅、回路間隔は、100μm以下の高密度、微細配線化
が著しい。また、樹脂基材として高TgタイプのFR−
5材を使用したガラスエポキシプリント配線板が増加し
ている。高Tgタイプのエポキシ樹脂は、従来のFR−
4材と比較すると高耐熱性である反面、銅箔との接着強
度が低くなる傾向がある。樹脂基材との接着強度を高め
る方法として、銅箔の被接着面の粗面粗さを大きくする
方法がある。しかし、粗面粗さを大きくした場合、小さ
な摩擦力でもコブ状銅が脱落するいわゆる銅粉落ち現象
や、プリント回路作製時に行うエッチング工程後におい
て樹脂基材の中にコブ状銅が残存する残銅現象が発生し
やすくなる。
−38053号公報等に酸性銅めっき浴中に砒素、アン
チモン、ビスマス、セレン、テルルから選ばれた1種又
は2種以上を特定量添加し、限界電流密度前後で電解処
理する粗面形成方法がある。砒素、アンチモン、ビスマ
ス、セレン、テルルを微量含有させることにより微小な
突起が形成されるが、銅生箔の凸部に集中する現象は改
善されない。更に、毒物、劇物等である砒素、アンチモ
ン、ビスマス、セレン、テルルを含有する銅箔をプリン
ト配線板に用いた場合、エッチング廃液やプリント配線
板そのものの廃棄時に、環境汚染の問題が発生する。
を添加する方法(特公昭56−41196号公報)やモ
リブデンを添加する方法(特公昭62−56677号公
報)が開示されているが、接着強度の向上が十分に得ら
れなかった。
平8−236930号公報にクロム及びタングステンか
ら選ばれた1種以上の金属イオンと、バナジウム、ニッ
ケル、鉄、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム及びモリブデ
ンから選ばれる1種以上の金属イオンを含む酸性銅めっ
き浴を用いて、限界電流密度付近で電解し、添加金属を
含有する粗化処理層を形成する方法が開示されている。
また、特開平11−256389号公報にモリブデンと
鉄、コバルト、ニッケル、タングステンから選ばれる1
種以上の金属イオンを含む酸性銅めっき浴を用いて、限
界電流密度付近で電解し、添加金属を含有するやけめっ
き層(コガシめっき層)を形成する方法が開示されてい
る。
銅は銅生箔凸部の先端に集中して形成される傾向がある
ため、銅粉落ち現象や、残銅現象がなお発生する。
尺度として、エッチングファクター(Ef)が用いられ
ている。図1はエッチングファクター(Ef)を説明す
るための回路銅箔の模式的断面図で、Bは電気絶縁性基
材であり、Aはその上に銅箔をエッチングして形成した
回路銅箔である。回路銅箔のトップ幅をWT、回路銅箔
のボトム幅をWB、回路銅箔の厚さをHとすると、Ef
=2H/(WB−WT)で表される。この値が大きい程
形成された回路パターンの側壁は垂直に近い状態になる
ことを表しており、微細配線を形成しようとする場合、
できるだけEf値が大きい銅箔を選択することが望まし
い。
の表面粗さ等でその大小が決まってくるが、被接着面の
表面粗さが大きい場合は基材に食い込んだ銅箔の粗化面
の突起部を完全にエッチング除去する必要があるためエ
ッチングに長時間を要し、すでに形成されている回路壁
がさらにエッチングされて回路形状が悪化してEf値が
小さくなる。また、この粗化面の突起部を完全にエッチ
ングしないと基材側に銅粒子が残ってしまい、微細配線
の間隔が狭いときには断線若しくは絶縁不良の原因にな
ることがある。
表面粗さが小さく、エッチング特性に優れ、更に基材と
の接着強度に優れた銅箔が微細配線用銅箔として要求さ
れる。
の被接着面側の表面粗さが小さく、粗化が均一であり、
銅箔と樹脂基材間の接着強度を低下させることなく、高
いエッチングファクターを持ち、基材側に銅粒子を残す
ことなく微細配線を形成することができる微細配線用銅
箔の製造方法を提供することにある。
銅箔の被接着面に(1)銅イオン、(2)タングステン
及びモリブデンから選ばれる1種以上の金属の金属イオ
ン、(3)ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛から選ばれ
る少なくとも1種以上の金属の金属イオン及び(4)塩
素イオン1〜100mg/lを含有するめっき浴(A)
を用いて浴の限界電流密度未満の電流密度で電解処理す
ることにより、(I)銅、(II)タングステン及びモ
リブデンから選ばれる少なくとも1種以上の金属及び
(III)ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛から選ばれ
る少なくとも1種以上の金属からなる複合金属層を設
け、次いでこの複合金属層上に銅イオンを含有するめっ
き浴(B)を用いて、浴の限界電流密度以上の電流密度
で電解処理して、樹枝状銅電着層を形成し、更に浴の限
界電流密度未満の電流密度で電解処理してコブ状銅を形
成することにより銅からなる粗化層を設けることを特徴
とする微細配線用銅箔の製造方法を提供するものであ
る。
属化合物の析出する陰極反応において、水素ガスの発生
を伴うようになる電流密度を意味する。
箔)は主に電解銅箔が好適に用いられるが、圧延銅箔や
真空蒸着法等によって、例えば、プラスチックフィルム
上に銅膜を形成させたものであってもよい。また、銅箔
の厚さ、銅箔表面の粗さや形態については特に限定する
ものではない。更に銅箔の被接着面は両面であってもよ
い。
着量が好ましくは1,000〜10,000μg/dm
2、(II)タングステン及びモリブデンから選ばれる
1種以上の金属の付着量が好ましくは10〜1,000
μg/dm2、より好ましくは10〜200μg/d
m2、(III)ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛から
選ばれる少なくとも1種以上の金属の付着量が好ましく
は1〜1,000μg/dm2、より好ましくは5〜3
00μg/dm2、更に好ましくは10〜50μg/d
m2である複合金属層を形成する。
れる少なくとも1種以上の金属の付着量が1μg/dm
2未満の場合には、めっき法によりコブ状銅を形成して
もコブ状銅は均一に形成されず、凸部に集中して形成さ
れる傾向があり、1,000μg/dm2を超える場合
には、銅回路形成において、不要な銅をエッチングによ
り除去するとき該めっき層のエッチング時間が著しく遅
くなる傾向がある。ニッケル、コバルト、鉄及び亜鉛か
ら選ばれる少なくとも1種以上の金属の付着量は、めっ
き浴の組成やその処理条件の設定などに関連するもので
あり、後記する浴組成、電解条件等から適宜選択され
る。
0μg/dm2未満であると全体に均一なコブ状銅が形
成されない傾向にあり、10,000μg/dm2を超
えると全体に均一なコブ状銅の形成効果は小さく、ま
た、製造コストが増大する傾向がある。複合金属層のタ
ングステン及びモリブデンから選ばれる1種以上の金属
の付着量が10μg/dm2未満であると、全体に均一
なコブ状銅が形成されない傾向にあり、また1,000
μg/dm2を超えるとコブ状銅が大きくならない傾向
がある。複合金属層の厚さは0.01〜0.15μmで
あることが好ましい。
を陰極として、銅箔の被接着面に(1)銅イオン、
(2)タングステン及びモリブデンから選ばれる1種以
上の金属の金属イオン、(3)ニッケル、コバルト、鉄
及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属の金属
イオン及び(4)塩素イオン1〜100mg/lを含有
するめっき浴(A)を用いて浴の限界電流密度未満の電
流密度で電解処理することにより行われる。銅箔の被接
着面は予め、酸洗、脱脂処理を施しておくことが好まし
い。
溶性の金属塩から選ばれ用いられる。好適な浴組成は次
のような範囲から選択することが好ましいが、特に限定
するものではない。 (1)銅イオン濃度;5〜25g/l(銅イオン源−硫
酸銅5水和物) (2−1)タングステンイオン濃度;0.006〜11
g/l(タングステンイオン源−タングステン酸ナトリ
ウム2水和物) (2−2)モリブデンイオン濃度;0.2〜8g/l
(モリブデンイオン源−モリブデン酸ナトリウム2水和
物) (2−3)タングステンイオン及びモリブデンイオンの
合計濃度;0.006〜11g/l (3−1)ニッケルイオン濃度;2〜22g/l(ニッ
ケルイオン源−硫酸ニッケル6水和物) (3−2)コバルトイオン濃度;2〜21g/l(コバ
ルトイオン源−硫酸コバルト7水和物) (3−3)鉄イオン濃度;3〜28g/l(鉄イオン源
−硫酸第1鉄7水和物) (3−4)亜鉛イオン濃度;3〜29g/l(亜鉛イオ
ン源−硫酸亜鉛7水和物) (3−5)ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン
及び亜鉛イオンの合計濃度;2〜30g/l (4)塩素イオン濃度;1〜100mg/l(塩素イオ
ン源−塩酸、塩化ナトリウム) 塩素イオン濃度が1mg/l未満であると複合金属層上
に銅からなる粗化層を設けたとき、表面粗さが大きくな
りエッチングファクター(Ef)が低下する傾向にあ
る。100mg/lを超えると塩素イオンの効果が過剰
になり銅からなる粗化層の表面粗さが小さくなり、樹脂
基材に対するアンカー効果が小さくなり接着強度が低下
する傾向にある。塩素イオン濃度の好ましい範囲は2〜
85mg/lである。
めっき浴(A)の限界電流密度未満であればよく、概ね
次のような範囲から選択することが好ましい。 電流密度:1〜10A/dm2、電解処理時間:1〜3
0秒、浴温度:10〜60℃ 電流密度が1A/dm2未満であると、例えば、硫酸酸
性銅めっき浴を用いて粗化処理された銅からなる粗化層
の表面粗さも大きくなり、エッチングファクター(E
f)が低下して微細配線作製が困難になる傾向にある。
10A/dm2を超えると銅からなる粗化層の表面粗さ
が小さくなり、アンカー効果が減少し、接着強度が低下
する傾向にある。
範囲から選択されることが好ましい。pHが1.5より
低い場合、複合金属層中のタングステン及びモリブデン
から選ばれる1種以上の金属の付着量及び、ニッケル、
コバルト、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上
の金属の付着量が好適な範囲でなくなり、めっき法によ
りコブ状銅を形成してもコブ状銅は銅生箔の凹部まで形
成されず、凸部に集中して形成される傾向がある。ま
た、pHが5.0より高い場合、タングステンイオン及
びモリブデンイオンから選ばれる1種以上の金属イオン
の溶解時間が著しく遅くなり、生産性が悪化する傾向が
ある。より好ましいpHは2.0〜4.0の範囲であ
る。
に微細粒が発生するがこのまま或は該層上をコガシめっ
き又はカブセめっきにより銅で被覆しただけでは十分な
接着強度は得られない傾向がある。そこで該層上にコガ
シめっき及びカブセめっきを併用して全体に均一なコブ
状銅を形成させることで銅からなる粗化層を形成し、接
着強度の向上を図る。
洗し、得られた複合金属層上に、銅イオンを含有するめ
っき浴(B)を用いて浴の限界電流密度以上の電流密度
で電解処理するコガシめっきにより樹枝状銅電着層を形
成し、更に浴の限界電流密度未満の電流密度で電解処理
するカブセめっきによりコブ状銅を形成することにより
銅からなる粗化層を設ける。
00〜300,000μg/dm2であることが好まし
い。30,000μg/dm2未満であるとコブ状銅が
小さく十分な接着強度は得られない傾向がある。30
0,000μg/dm2を超えると接着強度は得られる
が、製造原価が増大するので好ましくない。より好まし
い付着量は100,000〜200,000μg/dm
2である。銅からなる粗化層の形成はコガシめっき−カ
ブセめっきの工程を複数回繰り返して行うこともでき
る。
な硫酸酸性硫酸銅浴を用いた場合、次のような浴組成及
び電解条件の範囲から選択することが好ましいが、特に
限定するものではない。 銅イオン源−硫酸銅5水和物:20〜300g/l(好
ましい銅イオン濃度5〜76g/l) 硫酸:10〜200g/l 電流密度:コガシめっき(限界電流密度以上);10〜
200A/dm2、カブセめっき(限界電流密度未
満);1〜20A/dm2 電解処理時間:コガシめっき;1〜10秒、カブセめっ
き;40〜100秒 浴温度:20〜60℃ 銅からなる粗化層を形成した銅箔は、必要に応じて、通
常の銅箔に設けられるクロメート層、亜鉛層、銅亜鉛合
金層、亜鉛合金層、ニッケル−モリブデン−コバルト
層、インジウム−亜鉛層などの防錆処理層やシランカッ
プリング剤処理層、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂等の接着樹脂層を設けて用いることが好ま
しい。これらの層を設けた銅箔は、微細配線用銅箔とし
て樹脂基材と加熱加圧積層してプリント配線板用の銅張
積層板として使用される。
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
1.5μm、JIS B0601に準拠して測定)を1
0重量%硫酸溶液で60秒間酸洗処理した。
50g/l、モリブデン酸ナトリウム2水和物2g/
l、硫酸ニッケル6水和物50g/l及び塩素イオン
(塩酸を使用、以下同じ)20mg/lからなるめっき
浴を、pH2.5、浴温度30℃に調整しためっき浴を
用いて、前記銅箔の粗面側(被接着面)を電流密度3A
/dm2で8秒間電解処理して銅箔の被接着面側に銅、
モリブデン及びニッケルを含む複合金属層を形成した。
複合金属層の各金属量をICP(誘導結合プラズマ発
光)分析装置で定量したところ、銅の付着量は7,90
0μg/dm2、モリブデンの付着量は110μg/d
m2、ニッケルの付着量は15μg/dm2であった。処
理後の処理面の表面粗さはRz1.5μmであった。
金属層上に硫酸銅5水和物130g/l、硫酸100g
/l、浴温度30℃に調整しためっき浴を用いて、電
流密度30A/dm2で3秒間電解処理(限界電流密度
以上)し、電流密度5A/dm2で80秒間電解処理
(限界電流密度未満)を施し、銅からなる粗化層を形成
した。銅からなる粗化層の銅の付着量は150,000
μg/dm2、表面粗さはRz2.2μmであった。得
られた粗化処理された電解銅箔は銅生箔の全体に均一な
コブ状銅の形成が観察された。
ナトリウム2水和物3.5g/l、pH4.2、浴温度
30℃に調整した水溶液中で、電流密度0.7A/dm
2で2.7秒間電解処理を施し、防錆層を形成した。
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量%の水
溶液に10秒間浸漬後、直ちに80℃で乾燥しシランカ
ップリング剤処理層を形成した。
エポキシ樹脂含浸基材と前記銅箔の被接着面をプレス圧
力3.8MPa、プレス温度168℃、プレス時間90
分で積層して銅張積層板とし、JIS C 6481に
準拠し、基材と銅箔との間の接着強度を室温下で測定
(銅箔幅1mm)した。結果を表1に示した。
エッチングにより回路幅50μm、回路間50μmの微
細配線を作製した。この微細配線のトップ幅、ボトム幅
を金属顕微鏡により測定して、前記した式に基づいてE
fの値を算出した。結果を表1に示した。
洗、水洗を行った後、硫酸銅5水和物50g/l、モリ
ブデン酸ナトリウム2水和物2g/l、硫酸コバルト7
水和物30g/l、硫酸第1鉄7水和物30g/l及び
塩素イオン40mg/lからなるめっき浴を、pH2.
0、浴温度30℃に調整しためっき浴を用いて、前記銅
箔の粗面側(被接着面)を電流密度3A/dm2で8秒
間電解処理して銅箔の被接着面側に銅、モリブデン、コ
バルト及び鉄を含む複合金属層を形成した。複合金属層
の各金属量をICP(誘導結合プラズマ発光)分析装置
で定量したところ、銅の付着量は7,900μg/dm
2、モリブデンの付着量は60μg/dm2、コバルトの
付着量は12μg/dm2、鉄の付着量は11μg/d
m2であった。処理後の処理面の表面粗さはRz1.5
μmであった。次に、実施例1と同様に銅からなる粗化
層を形成した。この粗化層の銅の付着量は150,00
0μg/dm2、表面粗さはRz2.3μmであった。
得られた粗化処理された電解銅箔は銅生箔の全体に均一
なコブ状銅の形成が観察された。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
洗、水洗を行った後、硫酸銅5水和物50g/l、モリ
ブデン酸ナトリウム2水和物2g/l、硫酸亜鉛7水和
物50g/l及び塩素イオン5mg/lからなるめっき
浴を、pH2.5、浴温度30℃に調整しためっき浴を
用いて、前記銅箔の粗面側(被接着面)を電流密度4A
/dm2で6秒間電解処理して銅箔の被接着面側に銅、
モリブデン及び亜鉛を含む複合金属層を形成した。複合
金属層の各金属量をICP(誘導結合プラズマ発光)分
析装置で定量したところ、銅の付着量7,900μg/
dm2、モリブデンの付着量は130μg/dm2、亜鉛
の付着量は20μg/dm 2であった。処理後の処理面
の表面粗さはRz1.5μmであった。次に実施例1と
同様に銅からなる粗化層を形成した。この粗化層の銅の
付着量は150,000μg/dm2、表面粗さはRz
2.5μmであった。得られた粗化処理された電解銅箔
は銅生箔の全体に均一なコブ状銅の形成が観察された。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
洗、水洗を行った後、硫酸銅5水和物50g/l、タン
グステン酸ナトリウム2水和物2g/l、硫酸ニッケル
6水和物50g/l及び塩素イオン85mg/lからな
るめっき浴を、pH3.0、浴温度30℃に調整しため
っき浴を用いて、前記銅箔の粗面側(被接着面)を電流
密度4A/dm2で6秒間電解処理して銅箔の被接着面
側に銅、タングステン及びニッケルを含む複合金属層を
形成した。複合金属層の各金属量をICP(誘導結合プ
ラズマ発光)分析装置で定量したところ、銅の付着量は
7,900μg/dm2、タングステンの付着量は20
μg/dm2、ニッケルの付着量は14μg/dm2であ
った。処理後の処理面の表面粗さはRz1.5μmであ
った。次に、実施例1と同様に銅からなる粗化層を形成
した。この粗化層の銅の付着量は150,000μg/
dm2、表面粗さはRz2.1μmであった。得られた
粗化処理された電解銅箔は銅生箔の全体に均一なコブ状
銅の形成が観察された。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
洗、水洗を行った後、硫酸銅5水和物50g/l、タン
グステン酸ナトリウム2水和物10g/l、硫酸コバル
ト7水和物30g/l、硫酸第1鉄7水和物30g/l
及び塩素イオン2mg/lからなるめっき浴を、pH
2.0、浴温度30℃に調整しためっき浴を用いて、前
記銅箔の粗面側(被接着面)を電流密度2A/dm2で
8秒間電解処理して銅箔の被接着面側に銅、タングステ
ン、コバルト及び鉄を含む複合金属層を形成した。複合
金属層の各金属量をICP(誘導結合プラズマ発光)分
析装置で定量したところ、銅の付着量は3,900μg
/dm2、タングステンの付着量は80μg/dm2、コ
バルトの付着量は10μg/dm2、鉄の付着量は13
μg/dm2であった。処理後の処理面の表面粗さはR
z1.5μmであった。次に、実施例1と同様に銅から
なる粗化層を形成した。表面粗さはRz3.0μmであ
った。得られた粗化処理された電解銅箔は銅生箔の全体
に均一なコブ状銅の形成が観察された。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
洗、水洗を行った後、硫酸銅5水和物50g/l、タン
グステン酸ナトリウム2水和物1g/l、モリブデン酸
ナトリウム2水和物2g/l、硫酸亜鉛7水和物50g
/l及び塩素イオン10mg/lからなるめっき浴を、
pH2.5、浴温度30℃に調整しためっき浴を用い
て、前記銅箔の粗面側(被接着面)を電流密度3A/d
m2で8秒間電解処理して銅箔の被接着面側に銅、タン
グステン、モリブデン及び亜鉛を含む複合金属層を形成
した。複合金属層の各金属量をICP(誘導結合プラズ
マ発光)分析装置で定量したところ、銅の付着量は7,
900μg/dm2、タングステンの付着量は40μg
/dm2、モリブデンの付着量は100μg/dm2、亜
鉛の付着量は28μg/dm2であった。処理後の処理
面の表面粗さはRz1.5μmであった。次に実施例1
と同様に銅からなる粗化層を形成した。表面粗さはRz
2.3μmであった。得られた粗化処理された電解銅箔
は銅生箔の全体に均一なコブ状銅の形成が観察された。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
実施例1と同様に酸洗及び水洗し、実施例4と同様なめ
っき浴を用いて、電流密度4A/dm2で6秒間電解処
理して銅箔の被接着面側に銅、タングステン及びニッケ
ルを含む複合金属層を形成した。複合金属層の銅の付着
量は7,900μg/dm2、タングステンの付着量は
20μg/dm2、ニッケルの付着量は14μg/dm2
であった。処理後の処理面の表面粗さはRz1.0μm
であった。次に実施例1と同様に銅からなる粗化層を形
成した。表面粗さはRz1.5μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値を算出した。結果を
表1に示した。
浴に塩素イオンを含有させなかったこと以外は、実施例
1と同様の処理をして得られた銅箔の粗面側表面粗さを
測定したところRz2.3μmであった。また、得られ
た銅箔を用い、実施例1の(6)と同様に接着強度の測
定及び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行なっ
た。結果を表1に示した。
素イオン濃度が150mg/lであったこと以外は、実
施例4と同様の処理をして得られた銅箔の粗面側表面粗
さを測定したところRz2.0μmであった。また、得
られた銅箔を用い、実施例1の(6)と同様に接着強度
の測定及び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行
なった。結果を表1に示した。
(2)の処理を行った後、この銅箔を水洗し、硫酸銅5
水和物130g/l、硫酸100g/l、浴温度30℃
に調整しためっき浴を用いて、電流密度30A/dm2
で3秒間電解処理(限界電流密度以上)を施し樹枝状銅
層(コガシめっき層)を形成した。樹枝状銅層の銅の付
着量は18,000μg/dm2、銅箔の粗面側表面粗
さはRz2.2μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定を
した。結果を表1に示す。また、実施例1の(7)と同
様に微細回路を作製したところ、回路間に多数の残銅が
認められEf値の算出は不可能であった。
(2)の処理を行った後、この銅箔を水洗し、硫酸銅5
水和物130g/l、硫酸100g/l、浴温度30℃
に調整しためっき浴を用いて、電流密度5A/dm2で
80秒間電解処理(限界電流密度未満)を施し平滑銅層
(カブセめっき層)を形成した。平滑銅層の銅の付着量
は132,000μg/dm2、銅箔の粗面側表面粗さ
はRz2.0μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行なった。
結果を表1に示した。
洗、水洗を行った後、複合金属層を形成することなく硫
酸銅5水和物130g/l、硫酸100g/l、浴温度
30℃のめっき浴を用いて、前記銅箔の粗面側(被接着
面)に電流密度30A/dm2で3秒間電解処理(限
界電流密度以上)し、電流密度5A/dm2で80秒
間電解処理(限界電流密度未満)を施し、銅からなる粗
化層を形成した。銅からなる粗化層の銅の付着量は15
0,000μg/dm2、銅箔の粗面側表面粗さはRz
4.5μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行なった。
結果を表1に示した。
洗、水洗を行った後、複合金属層を形成することなく硫
酸銅5水和物130g/l、硫酸100g/l、浴温度
30℃に調整しためっき浴を用いて、前記銅箔の被接着
面側に電流密度30A/dm2で3秒間電解処理(限
界電流密度以上)し、電流密度5A/dm2で80秒
間電解処理(限界電流密度未満)を施し、銅からなる粗
化層を形成した。銅からなる粗化層の銅の付着量は15
0,000μg/dm2、銅箔の粗面側表面粗さはRz
4.0μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行なった。
結果を表1に示した。
洗、水洗を行った後、複合金属層を形成することなく
硫酸銅5水和物100g/l、硫酸120g/l、タン
グステン酸ナトリウム2水和物0.6g/l及び硫酸第
1鉄7水和物15g/l、浴温度35℃のめっき浴を用
いて、前記銅箔の粗面側(被接着面)に電流密度40A
/dm2で3.5秒間電解処理(限界電流密度以上)
し、次いで硫酸銅5水和物250g/l、硫酸100
g/l、浴温度50℃のめっき浴を用いて、電流密度5
A/dm2で80秒間電解処理(限界電流密度未満)を
施し、タングステン及び鉄を含有する銅粗化層を形成し
た。銅箔の粗面側表面粗さはRz3.8μmであった。
行った後、実施例1の(6)と同様に接着強度の測定及
び実施例1の(7)と同様にEf値の算出を行なった。
結果を表1に示した。
箔は、粗化処理面側の表面粗さがRz3.0μm以下と
小さく、接着強度は1.0kN/m以上を保持してい
る。また、Ef値は同レベルの接着強度をもつ比較例に
比べて高い値を示し、形成された微細配線パターンは良
好な形状をしていた。尚、実施例では基材側に銅粒子の
残存は認められなかったが、比較例3、5及び6では銅
粒子の残存が認められた。
層成形した銅張積層板は、高密度配線を有するプリント
配線板の製造に好適である。
着強度を実用強度に保ちつつ、エッチング特性が良好な
微細配線用銅箔を製造することができる。従って、本発
明の方法によって得られる銅箔を用いて各種銅張積層板
を作成し、プリント回路を形成することにより、微細配
線回路を提供することができる。
箔の模式的断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 銅箔を陰極として、銅箔の被接着面に、
(1)銅イオン、(2)タングステン及びモリブデンか
ら選ばれる1種以上の金属の金属イオン、(3)ニッケ
ル、コバルト、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種
以上の金属の金属イオン及び(4)塩素イオン1〜10
0mg/lを含有するめっき浴(A)を用いて浴の限界
電流密度未満の電流密度で電解処理することにより、
(I)銅、(II)タングステン及びモリブデンから選
ばれる少なくとも1種以上の金属及び(III)ニッケ
ル、コバルト、鉄及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種
以上の金属からなる複合金属層を設け、次いでこの複合
金属層上に銅イオンを含有するめっき浴(B)を用い
て、浴の限界電流密度以上の電流密度で電解処理して、
樹枝状銅電着層を形成し、更に浴の限界電流密度未満の
電流密度で電解処理してコブ状銅を形成することにより
銅からなる粗化層を設けることを特徴とする微細配線用
銅箔の製造方法。 - 【請求項2】 めっき浴(A)が、銅イオン5〜25g
/l、タングステンイオン及びモリブデンイオンを合計
で0.006〜11g/l、ニッケルイオン、コバルト
イオン、鉄イオン及び亜鉛イオンを合計で2〜30g/
l、塩素イオン1〜100mg/lを含有し、pHが
1.5〜5.0であり、めっき浴(B)が、銅イオン5
〜76g/lを含有する請求項1記載の方法。
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