JP3428804B2 - 数値制御装置における同期制御方法および同期制御装置 - Google Patents

数値制御装置における同期制御方法および同期制御装置

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JP3428804B2
JP3428804B2 JP06333996A JP6333996A JP3428804B2 JP 3428804 B2 JP3428804 B2 JP 3428804B2 JP 06333996 A JP06333996 A JP 06333996A JP 6333996 A JP6333996 A JP 6333996A JP 3428804 B2 JP3428804 B2 JP 3428804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、数値制御装置に
おける同期制御方法および装置に関し、特に多軸多系統
の制御を行う数値制御装置における同期制御に関するも
のであり、さらに詳細には、一つの可動軸を基準軸に、
他の少なくとも一つの可動軸を同期軸として、少なくと
も2軸の可動軸を同期制御する数値制御装置における同
期制御方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図45は同期制御を実行する従来の数値
制御装置を示している。数値制御装置1は、各系統毎に
設けられた加工プログラム解析処理部10と、各系統の
加工プログラムを格納するメモリ20と、パラメータ設
定部21と、画面表示処理部22と、補間処理手段31
と基準軸・同期軸管理手段32とを有する補間処理部3
0と、機械制御信号処理部50と、シーケンス回路をな
すラダー回路部55と、各可動軸毎に設けられ加減速処
理手段61と停止確認手段62とを含む各可動軸毎の軸
制御部60と、軸移動量出力回路70とを有している。
【0003】軸移動量出力回路70には各可動軸のサー
ボ制御部80が接続され、また各サーボ制御部80には
各可動軸のサーボモータ90が接続されている。なお、
図には示されていないが、サーボモータ90は位置検出
用のパルスゼネレータ付きのものであり、サーボ制御部
80はパルスゼネレータよりの位置フィードバック信号
による位置ループを有する。
【0004】この数値制御装置では、テープリーダ等か
ら読み込まれた各系統の加工プログラムはメモリ20に
格納される。加工プログラムを実行する際には、メモリ
20から1ブロックずつ加工プログラムを読み出し、各
系統毎に設けられている加工プログラム解析処理部10
によって加工プログラムを解析処理し、各ブロックの終
点位置等を算出する。この終点位置を補間処理部30の
補間処理手段31によって処理し、各可動軸の単位時間
当たりの移動指令に分配する。
【0005】この移動指令は軸制御部60の加減速処理
手段61によって予め指定された加減速パターンに従っ
て加減速を考慮した単位時間当たりの移動指令に変換さ
れ、軸移動量出力回路70よりサーボ制御部80へサー
ボ移動指令として出力される。
【0006】このサーボ移動指令によりサーボ制御部8
0は図示されていない工作機械に取り付けられているサ
ーボモータ90に対して回転指令を与える。
【0007】また、切削油のオン・オフ等の機械信号は
機械制御を記述するラダー回路部55を介して機械制御
信号処理部50で処理され、処理結果などは補間処理部
30に伝えられる。
【0008】図示していないキー入力手段によって設定
された可動軸の加減速時定数等はパラメータ設定部21
が処理してメモリ20に格納される。このようにして格
納されたパラメータ等は画面表示処理部22によって図
示していない表示器に表示されるので、パラメータ等の
内容を確認することができる。
【0009】次に同期制御について説明する。図46は
上述のような数値制御装置1により同期制御される2系
統2軸の工作機械を示している。各系統は、X軸と、該
X軸に直交するZ軸から構成される。各々の系統のX軸
同士、各々の系統のZ軸同士は平行軸であり、ここで
は、第1系統のX軸と第2系統のX軸を同期制御させる
ことを考える。図47はこの場合の加工プログラムの例
を示している。
【0010】同期制御の同期開始制御について図48を
参照して説明する。
【0011】まず、ステップS1001では、同期制御
させたい可動軸の移動を停止させるために、同期制御さ
せたい可動軸を含む系統(第1系統と第2系統)の加工
プログラム$1、$2によって系統間待ち合わせ指令
“!2L1;”と“!1L1;”を指令する。この指令
は加工プログラム解析処理部10と補間処理部30で処
理され、軸制御部60に指令される。ステップS100
2では、各々指令された系統に所属している可動軸が、
前ブロックの加工プログラム指令が終了して停止したか
を軸制御部60の停止確認手段62で確認する。
【0012】ステップS1003では、第1系統の加工
プログラム$1で、たとえば第2系統のX軸(X2)を
同期軸、第1系統のX軸(X1)を基準軸として同期さ
せる同期制指令“G125X2=X1;”を指令するこ
とによって、これを加工プログラム解析処理部10が解
析処理し、第2系統のX軸(X2)を同期軸に、第1系
統のX軸(X1)を基準軸とすると云う情報をメモリ2
0に格納する。
【0013】ステップS1004では、補間処理部30
の基準軸・同期軸管理手段32がメモリ20に格納され
た同期制御指令に関するデータを読み出し、第1系統の
X軸と第2系統のX軸とが平行軸であるか否か、換言す
れば同期制御可能な軸の組み合わせであるか否かをチェ
ックする。
【0014】同期制御可能な軸の組み合わせでない場合
には、ステップS1009にジャンプしてアラーム処理
を行い、処理を終了する。
【0015】同期制御可能な軸の組み合わせである場合
には、ステップS1005へ進み、ステップS1005
では、基準軸・同期軸管理手段32が、加工プログラム
解析処理部10から基準軸に対する移動指令が入力され
た場合に補間処理手段31が基準軸の軸制御部60に対
して出力する補間データと同じ補間データを同期軸の軸
制御部60に対しても出力するように指示する。
【0016】ステップS1006では、基準軸・同期軸
管理手段32がメモリ20に格納された基準軸と同期軸
の機械座標の位置関係を読み出し、同期軸の機械位置を
基準軸の座標系で計算するように補間処理手段31に指
示する。
【0017】ステップS1007では、加工プログラム
$1で基準軸の移動指令“G01X1.0;”が指令さ
れると、加減速処理部61は基準軸のサーボ移動指令を
基準軸のサーボ制御部80と同期軸となるサーボ制御部
80とに送信する。これによりステップS1008で
は、基準軸と同期軸のサーボ制御部80がともに基準軸
のサーボ移動指令に従って基準軸と同期軸のサーボモー
タ90を駆動する。
【0018】次に同期解除制御について図49を参照し
て説明する。
【0019】ステップS1010では、同期制御中の移
動を停止させるために、基準軸と同期軸を含む系統の加
工プログラム$1、$2で系統間待ち合わせ指令“!2
L2;”と“!1L2;”を指令する。この指令は加工
プログラム解析処理部10と補間処理部30で処理さ
れ、軸制御部60に指令される。ステップS1011で
は、各々指令された系統に所属している可動軸が前ブロ
ックの加工プログラム指令が終了して停止したかを停止
確認手段62によって確認する。
【0020】ステップS1012では、第1系統の加工
プログラム$1で同期解除指令“G125X2;”を加
工プログラム解析処理手段10で解析し、ステップS1
013では、加工プログラム解析処理手段10からの通
知を受けて基準軸・同期軸管理手段32が加工プログラ
ム解析処理部10から基準軸に対する指令が入力された
場合に補間処理手段31が基準軸の軸制御部60に対し
て出力する補間データを同期軸の軸制御部60に対して
も出力することをキャンセルするように指示する。ま
た、基準軸・同期軸管理手段32は計算されていた基準
軸の座標系を同期軸の座標系に戻す。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来の数値制御装置に
おける同期制御は、上述のような手順で行われているた
め、同期開始前に基準軸となる可動軸と同期軸となる可
動軸とを必ず停止させる必要がある。このため、加工の
サイクルタイムが長くなり、加工に無駄時間が発生して
いた。また、可動軸の停止に系統間待ち合わせの加工プ
ログラム指令を使用するため、基準軸となる可動軸と同
期軸となる可動軸以外の可動軸も停止してしまい、加工
に更に無駄時間が生じていた。
【0022】また、従来の数値制御装置における同期制
御では、多軸多系統制御の機械において、加工プログラ
ムにプログラムミスがあると、そのプログラムミスに起
因して第1系統に所属する工具と第2系統に所属する工
具が干渉するなどの問題を未然に回避できない。
【0023】また、従来の数値制御装置における同期制
御では、基準軸と同期軸が同期して移動しているとき
に、同期軸がストロークエンド等のアラームで停止した
場合、基準軸も停止するため、加工がストップするなど
の問題があった。
【0024】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、同期制御を行う可動軸のうち
基準軸が移動中であっても、停止中の同期軸が同期制御
開始および同期制御解除をすることにより加工の無駄時
間を低減でき、また可動軸同士の干渉回避を容易に実現
でき、また同期軸がアラーム等で停止しても加工がスト
ップすることがなく、加工が続行され得るように改善さ
れた数値制御装置における同期制御方法、およびこの方
法の実施に使用される同期制御装置を得ることを目的と
している。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、この発明による数値制御装置における同期
制御方法は、一つの可動軸を基準軸に、他の少なくとも
一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可動軸
を同期制御する数値制御装置における同期制御方法にお
いて、加工プログラムに記述された軸移動中同期制御モ
ード指令を解析後、基準軸の移動下においてシーケンス
回路より同期制御開始を意味する軸移動中同期開始信号
を検出した時点で当該基準軸の残距離を計算し、当該残
距離を同期軸の位置指令として同期軸を移動させ、基準
軸と同期軸の停止で同期完了を判定し、シーケンス回路
より同期制御解除を意味する軸移動中同期解除信号を入
力、あるいは指定された同期解除位置より決まる減速開
始位置に同期軸が移動するまで基準軸の移動指令で基準
軸と同期軸とを同期移動させ、シーケンス回路より前記
軸移動中同期解除信号を入力、あるいは前記減速開始位
置に同期軸が移動することによって同期軸の減速を開始
し、同期軸を停止させて同期制御を解除するものであ
る。
【0026】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、シーケンス回路からの軸移動中同期開始
信号を検出した時点の基準軸の残距離を同期軸に指令す
ることにより、移動中の基準軸に停止中の同期軸を同期
させることができ、シーケンス回路より軸移動中同期解
除信号を入力、あるいは減速開始位置に同期軸が移動す
ることによって同期軸の減速を開始し、基準軸が移動中
であっても同期軸を停止させて同期制御解除させること
ができる。
【0027】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、加工プログラムで指定された同期制御対
象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動中同期開
始信号が入力された時点で、移動中の軸を基準軸に、停
止中の軸を同期軸と自動判定するものである。
【0028】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、加工プログラムで指定された同期制御対
象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動中同期開
始信号が入力された時点で、移動中の軸が基準軸に、停
止中の軸が同期軸と自動判定され、基準軸と同期軸の設
定が状況に応じて自動的に行われる。
【0029】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、一つの可動軸を基準軸に、他の少なくと
も一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可動
軸を同期制御する数値制御装置における同期制御方法に
おいて、加工プログラムに記述された軸移動中同期制御
モード指令を解析後、基準軸の移動下において現在の基
準軸と同期軸の相対距離を計算し、この相対距離と加工
プログラムで指定された同期距離と比較し、相対距離と
同期距離とが一致した時点で、基準軸の加減速特性およ
びサーボ制御特性と同じ加減速特性およびサーボ制御特
性をもって同期軸に移動指令を与えることで、停止中の
同期軸を移動中の基準軸に同期させ、同期完了後は同期
軸と基準軸を加工プログラムで指定された同期距離を保
ちながら移動させ、シーケンス回路より前記軸移動中同
期解除信号を入力、あるいは指定された同期解除位置よ
り決まる減速開始位置に同期軸が移動することによって
同期軸の減速を開始し、同期軸を停止させて同期制御を
解除するものである。
【0030】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、軸移動中同期制御モード指令が解析され
ると、移動中の基準軸と同期軸との現在の相対距離の計
算を行い、相対距離と同期距離とが一致した時点で、同
期軸が基準軸の加減速特性およびサーボ制御特性と同じ
加減速特性およびサーボ制御特性をもって移動を開始
し、同期軸が移動中の基準軸に同期する。同期完了後は
同期軸は基準軸に対して同期距離を保ちながら移動す
る。シーケンス回路より軸移動中同期解除信号を入力、
あるいは減速開始位置に同期軸が移動すると、同期軸が
減速を開始し、基準軸が移動中であっても同期軸を停止
させて同期制御を解除させることができる。
【0031】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、前記相対距離が前記同期距離と一致した
時点から同期軸の加減速時定数が示す時間とサーボ制御
系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が経過した時
点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定するもので
ある。
【0032】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、基準軸と同期軸の同期完了の判定が、相
対距離と同期距離とが一致した時点から同期軸の加減速
時定数が示す時間とサーボ制御系のゲインの逆数が示す
時間との合計時間が経過した時点をもって時間計測によ
り行われる。
【0033】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、指定された同期解除位置と軸送り速度と
加減速特性から同期軸の減速開始位置を計算し、同期軸
が減速開始位置に到達した時点で同期軸を減速させ、指
定された同期解除位置に同期軸を停止させるものであ
る。
【0034】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、指定された同期解除位置と軸送り速度と
加減速特性から、同期軸の減速開始位置が計算され、同
期軸が減速開始位置に到達した時点で同期軸を減速させ
ることで、指定された同期解除位置に同期軸が停止す
る。
【0035】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、前記同期解除位置を加工プログラムに記
述することにより加工プログラムによって指定するもの
である。
【0036】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、同期解除位置を加工プログラムの記述に
よって任意に指定できる。
【0037】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、軸モータの電流値などからモータ負荷を
検出し、加工プログラムに記述された切削指令と検出し
たモータ負荷とから切削中であるか否かを判断し、その
判断が切削中より非切削中に変遷した時点の座標値に基
づいて同期解除位置を指定するものである。
【0038】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、加工プログラムに記述された切削指令と
検出したモータ負荷とから切削中であるか否かを判断さ
れ、その判断が切削中より非切削中に変遷した時点の座
標値に基づいて同期解除位置を指定する。これにより同
期解除位置は各切削指令毎に切り込み開始位置に応じて
自動修正設定される。
【0039】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、シーケンス回路から軸移動中同期開始信
号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工プ
ログラムにより指定された同期開始位置を記憶し、記憶
された前記座標位置あるいは前記同期開始位置を同期解
除位置とし、この同期解除位置と軸送り速度と加減速特
性から同期軸の減速開始位置を計算し、同期軸が前記減
速開始位置に到達した時点で同期軸を減速させ、前記同
期解除位置に同期軸を停止させるものである。
【0040】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、シーケンス回路から軸移動中同期開始信
号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工プ
ログラムにより指定された同期開始位置がつぎの同期解
除位置に自動設定され、この同期解除位置と軸送り速度
と加減速特性から、同期軸の減速開始位置が計算され、
同期軸が減速開始位置に到達した時点で同期軸を減速さ
せることで、同期解除位置に同期軸が停止する。
【0041】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、同期軸がストロークエンドのアラームで
停止した場合には軸移動中同期制御を一時解除して基準
軸の移動を続行し、その後に再び同期条件が成立した場
合に軸移動中同期制御を再開するものである。
【0042】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、同期軸がストロークエンドのアラームで
停止すると、軸移動中同期制御が一時的に解除されるこ
とで基準軸の移動が続行し、その後に再び同期条件が成
立すると、軸移動中同期制御が再開され、基準軸に同期
して同期軸が移動する。
【0043】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法は、軸移動中同期制御を再開する前記同期条
件は基準軸と同期軸との相対距離が予め定義されている
同期距離に一致することであるものである。
【0044】この発明による数値制御装置における同期
制御方法では、基準軸と同期軸との相対距離が予め定義
されている同期距離に一致すると、同期条件が再成立し
たとして、軸移動中同期制御が再開され、同期軸は再び
基準軸に対して同期距離を保ちながら移動する。
【0045】また上述のような目的を達成するために、
この発明による数値制御装置における同期制御装置は、
一つの可動軸を基準軸に、他の少なくとも一つの可動軸
を同期軸として、少なくとも2軸の可動軸を同期制御す
る数値制御装置における同期制御装置において、加工プ
ログラムに記述された軸移動中同期制御モード設定指令
と軸移動中同期制御モード解除指令を解析する軸移動中
同期制御モード指令解析手段と、前記軸移動中同期制御
モード指令解析手段による軸移動中同期制御モード設定
指令の解析により同期軸の加減速特性を基準軸の加減速
特性と同じ特性にする軸移動中同期制御モードを設定
し、軸移動中同期制御モード解除指令の解析により同期
軸の加減速特性を同期軸本来の加減速特性に戻して通常
モードにする軸移動中同期制御モード切り替え手段と、
シーケンス回路から軸移動中同期開始信号を検出する軸
移動中同期制御信号検出手段と、軸移動中同期制御モー
ド時において、前記軸移動中同期制御信号検出手段が軸
移動中同期開始信号を検出した時点の基準軸の残距離を
計算し、当該残距離を同期軸の位置指令とする残距離指
令手段と、基準軸と同期軸の停止で同期完了を判定し、
軸移動中同期制御完了信号をシーケンス回路に出力する
軸移動中同期制御完了信号出力手段とを有しているもの
である。
【0046】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、軸移動中同期制御モード指令解析手段に
よって加工プログラム中の軸移動中同期制御モード設定
指令と軸移動中同期制御モード解除指令とが解析され、
軸移動中同期制御モード切り替え手段は、軸移動中同期
制御モード設定指令の解析により同期軸の加減速特性を
基準軸の加減速特性と同じ特性にする軸移動中同期制御
モードを設定し、軸移動中同期制御モード解除指令の解
析により同期軸の加減速特性を同期軸本来の加減速特性
に戻して通常モードにする。
【0047】軸移動中同期制御モード時において、軸移
動中同期制御信号検出手段がシーケンス回路から軸移動
中同期開始信号を検出すると、残距離指令手段が軸移動
中同期開始信号を検出した時点の基準軸の残距離を計算
し、同期軸に当該残距離を同期軸の位置指令とする。こ
れにより移動中の基準軸に停止中の同期軸が同期する。
【0048】そして基準軸と同期軸の停止で同期完了が
判定され、軸移動中同期制御完了信号出力手段が軸移動
中同期制御完了信号をシーケンス回路に出力する。
【0049】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、シーケンス回路からの軸移動中同期解除
信号の入力によって同期軸を減速停止させる指令を行う
同期軸減速指令手段を有しているものである。
【0050】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、同期軸減速指令手段がシーケンス回路か
らの軸移動中同期解除信号の入力によって同期軸を減速
停止させる指令を行う。
【0051】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、加工プログラムで指定された同期制御対
象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動中同期開
始信号が入力された時点で、移動中の軸を検出する移動
軸検出手段と、前記移動軸検出手段による移動軸検出結
果から移動中の軸を基準軸に、停止中の軸を同期軸と判
定する基準軸・同期軸判定手段とを有しているものであ
る。
【0052】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、移動軸検出手段が加工プログラムで指定
された同期制御対象の可動軸のうち、シーケンス回路よ
り軸移動中同期開始信号が入力された時点で、移動中の
軸を検出し、基準軸・同期軸判定手段が移動軸検出手段
による移動軸検出結果から移動中の軸を基準軸に、停止
中の軸を同期軸と判定し、基準軸と同期軸とを自動設定
する。
【0053】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、一つの可動軸を基準軸に、他の少なくと
も一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可動
軸を同期制御する数値制御装置における同期制御装置に
おいて、加工プログラムに記述された同期距離を含む軸
移動中同期制御モード設定指令と軸移動中同期制御モー
ド解除指令とを解析する軸移動中同期制御モード指令解
析手段と、移動中の現在の基準軸と同期軸との相対距離
を計算する相対距離計算手段と、前記軸移動中同期制御
モード指令解析手段による軸移動中同期制御モード設定
指令の解析により同期軸の加減速特性およびサーボ制御
特性を基準軸の加減速特性およびサーボ制御特性と同じ
特性にする軸移動中同期制御モードを設定し、軸移動中
同期制御モード解除指令の解析により同期軸の加減速特
性およびサーボ制御特性を同期軸本来の加減速特性およ
びサーボ制御特性に戻して通常モードにする軸移動中同
期制御モード切り替え手段と、軸移動中同期制御モード
時において、加工プログラムによって指定された同期距
離と前記相対距離計算手段により計算された前記相対距
離とを比較し、前記相対距離が前記同期距離と一致した
場合に基準軸の単位時間当たりの移動指令と同じ移動指
令を同期軸に対して出力する同期軸指令手段とを有して
いるものである。
【0054】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、軸移動中同期制御モード指令解析手段が
加工プログラムに記述された同期距離を含む軸移動中同
期制御モード設定指令と軸移動中同期制御モード解除指
令とを解析し、軸移動中同期制御モード切り替え手段が
軸移動中同期制御モード設定指令の解析により同期軸の
加減速特性およびサーボ制御特性を基準軸の加減速特性
およびサーボ制御特性と同じ特性にする軸移動中同期制
御モードを設定し、軸移動中同期制御モード解除指令の
解析により同期軸の加減速特性およびサーボ制御特性を
同期軸本来の加減速特性およびサーボ制御特性に戻して
通常モードにする。
【0055】軸移動中同期制御モード時においては、同
期軸指令手段が加工プログラムによって指定された同期
距離と相対距離計算手段により計算された移動中の現在
の基準軸と同期軸との相対距離とを比較し、相対距離が
同期距離と一致すると、基準軸の単位時間当たりの移動
指令と同じ移動指令を同期軸に対して出力する。これに
より同期軸が基準軸の加減速特性およびサーボ制御特性
と同じ加減速特性およびサーボ制御特性をもって移動
し、同期軸が移動中の基準軸に同期する。同期完了後は
同期軸は基準軸に対して同期距離を保ちながら移動す
る。
【0056】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、前記相対距離が前記同期距離と一致した
時点から同期軸の加減速時定数が示す時間とサーボ制御
系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が経過した時
点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定する同期判
定手段と、前記同期判定手段で判定された同期完了の通
知によってシーケンス回路の軸移動中同期制御完了信号
をオンさせる軸移動中同期制御完了信号出力手段とを有
しているものである。
【0057】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、同期判定手段が相対距離と同期距離とが
一致した時点から同期軸の加減速時定数が示す時間とサ
ーボ制御系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が経
過した時点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定
し、この同期完了の判定に基づいて軸移動中同期制御完
了信号出力手段がシーケンス回路の軸移動中同期制御完
了信号をオンさせる。
【0058】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、指定された同期解除位置と軸送り速度と
加減速特性から同期軸の減速開始位置を計算する同期軸
減速開始位置計算手段と、同期軸が前記減速開始位置に
到達したことを判定し、同期軸を減速停止させる信号処
理を行う同期軸減速開始位置判定手段とを有しているも
のである。
【0059】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、同期軸減速開始位置計算手段が指定され
た同期解除位置と軸送り速度と加減速特性から同期軸の
減速開始位置を計算し、同期軸減速開始位置判定手段に
よって同期軸が減速開始位置に到達したことが判定され
ると、同期軸を減速停止させる信号処理が行われる。
【0060】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、前記同期解除位置を加工プログラム記述
により加工プログラムによって指定するものである。
【0061】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、同期解除位置を加工プログラムの記述に
よって任意に指定できる。
【0062】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、軸モータの電流値などからモータ負荷を
検出するモータ負荷検出手段と、加工プログラムに記述
された切削指令と前記モータ負荷検出手段によって検出
したモータ負荷とから切削中であるか否かを判定する切
削判定手段とを有し、前記切削判定手段の判定が切削中
より非切削中に変遷した時点の座標値に基づいて前記同
期解除位置を指定するものである。
【0063】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、モータ負荷検出手段が軸モータの電流値
などからモータ負荷を検出し、切削判定手段が加工プロ
グラムに記述された切削指令とモータ負荷検出手段によ
って検出したモータ負荷とから切削中であるか否かを判
定し、その判定が切削中より非切削中に変遷した時点の
座標値に基づいて同期解除位置が指定される。
【0064】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、シーケンス回路から軸移動中同期開始信
号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工プ
ログラムにより指定された同期開始位置を記憶し、記憶
された前記座標位置あるいは前記同期開始位置を同期解
除位置とし、この同期解除位置と軸送り速度と加減速特
性から同期軸の減速開始位置を計算する同期軸減速開始
位置計算手段と、同期軸が前記減速開始位置に到達した
ことを判定し、同期軸を減速停止させる信号処理を行う
同期軸減速開始位置判定手段とを有しているものであ
る。
【0065】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、シーケンス回路から軸移動中同期開始信
号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工プ
ログラムにより指定された同期開始位置が記憶され、同
期軸減速開始位置計算手段が記憶された座標位置あるい
は同期開始位置を同期解除位置とし、この同期解除位置
と軸送り速度と加減速特性から同期軸の減速開始位置を
計算する。同期軸が計算された減速開始位置に到達する
と、同期軸減速開始位置判定手段が同期軸を減速停止さ
せる信号処理を行う。
【0066】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、同期軸がストロークエンドのアラームで
停止した場合には軸移動中同期制御を一時解除して基準
軸の移動を続行させ、その後に再び同期条件が成立した
場合に軸移動中同期制御を再開する指令を行う同期一時
解除指令手段を有しているものである。
【0067】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、同期軸がストロークエンドのアラームで
停止した場合には、同期一時解除指令手段によって軸移
動中同期制御が一時的に解除され、基準軸の移動が続行
する。その後に再び同期条件が成立すると、軸移動中同
期制御が再開される。
【0068】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、軸移動中同期制御を再開する前記同期条
件は基準軸と同期軸との相対距離が予め定義されている
同期距離に一致することであるものである。
【0069】この発明による数値制御装置における同期
制御装置では、軸移動中同期制御が一時的に解除された
状態において基準軸と同期軸との相対距離が予め定義さ
れている同期距離に一致すると、同期条件が再成立した
として軸移動中同期制御が再開される。つぎの発明によ
る数値制御装置における同期制御方法は、請求項3の発
明において、軸移動中同期制御モード開始時または軸移
動中同期制御モード解除時に、可動軸の時定数、または
可動軸が指令された速度まで加速または減速するための
加減速パターン、またはサーボ制御部のゲインを切り替
えるものである。 つぎの発明による数値制御装置におけ
る同期制御方法は、請求項3の発明において、一つの基
準軸に二つ以上の同期軸を異なる同期距離で同期制御さ
せるものである。 つぎの発明による数値制御装置におけ
る同期制御方法は、請求項3の発明において、同期解除
時に、ワークの切削形状に合わせて工具をワーク半径+
微小値の位置に位置決めするものである。 つぎの発明に
よる数値制御装置における同期制御装置は、請求項14
の発明において、前記軸移動中同期制御モード切り替え
手段は、軸移動中同期制御モード開始時または軸移動中
同期制御モード解除時に、可動軸の時定数、または可動
軸が指令された速度まで加速または減速するための加減
速パターン、またはサーボ制御部のゲインを切り替える
手段であるものである。 つぎの発明による数値制御装置
における同期制御装置は、請求項14の発明において、
前記加工プログラムは、一つの基準軸に二つ以上の同期
軸を異なる同期距離で同期制御させる指令を含んでいる
ものである。つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置は、請求項14の発明において、前記加工プ
ログラムは、ワークの切削形状に合わせて、工具をワー
ク半径+微小値の位置に停止させるように同期解除位置
を指定しているものである。
【0070】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明す
るこの発明の実施の形態において、上述の従来例と同一
構成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0071】(実施の形態1)図1はこの発明による同
期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態1を示して
いる。この数値制御装置1は、加工プログラム解析処理
部10が加工プログラム解析手段11に加えて軸移動中
同期制御モード指令解析手段12を有し、補間処理部3
0に、補間処理手段31と基準軸・同期軸管理手段32
に加えて、軸移動中同期制御モード切り替え手段33
と、残距離指令手段34と、移動軸停止確認手段35
と、同期軸減速指令手段36とを有し、機械制御信号処
理部50に、機械制御信号処理手段51に加えて、軸移
動中同期制御信号検知手段52と、軸移動中同期制御完
了信号出力手段53とを有している。
【0072】軸移動中同期制御モード指令解析手段12
は、加工プログラムに記述された軸移動中同期制御モー
ド設定指令と、軸移動中同期制御モード解除指令を解析
する。
【0073】軸移動中同期制御モード切り替え手段33
は、軸移動中同期制御モード指令解析手段12による軸
移動中同期制御モード設定指令の解析により同期軸の加
減速特性を基準軸の加減速特性と同じ特性にする軸移動
中同期制御モードを設定し、軸移動中同期制御モード解
除指令の解析により同期軸の加減速特性を同期軸本来の
加減速特性に戻して通常モードにする。
【0074】残距離指令手段34は、移動中同期制御モ
ード時において、軸移動中同期制御信号検知手段52が
軸移動中同期開始信号を検出した時点の基準軸の残距離
を計算し、当該残距離を同期軸の位置指令とする。
【0075】移動軸停止確認手段35は、移動軸、ここ
では基準軸と同期軸の停止を確認する。
【0076】同期軸減速指令手段36は軸移動中同期解
除信号の入力によって同期軸を減速停止させる指令を行
う。
【0077】軸移動中同期制御信号検知手段52はラダ
ー回路部55より軸移動中同期開始信号と軸移動中同期
解除信号を検出する。
【0078】軸移動中同期制御完了信号出力手段53
は、移動軸停止確認手段35による基準軸と同期軸の停
止確認によって同期完了を判定し、軸移動中同期制御完
了信号をラダー回路部55へ出力する。
【0079】次に実施の形態1の動作を説明する。この
実施の形態でも、図44に示されている工作機械の第2
系統のX軸(X2)を同期軸とし、第1系統のX軸(X
1)を基準軸として同期制御させることを考える。な
お、図2は実施の形態1における第1系統の加工プログ
ラムと第2系統の加工プログラムの例を示しており、図
3はシーケンス回路部をなすラダー回路を示している。
【0080】まず図4を参照して軸移動中同期制御モー
ド設定ルーチンを説明する。
【0081】同期制御させたい軸の指定は、加工プログ
ラムにおいて軸移動中同期制御モード指令“G128”
に続く軸指定記述で行う。図2に示されている加工プロ
グラムでは、“G128X=X”であり、X1は第
1系統のX軸を、X2は第2系統のX軸を各々表してい
る。この軸指定記述における“=”の左側は同期軸を、
右側は基準軸を表わしている。この指令は軸移動中同期
制御モード指令解析手段12で解析処理され、解析結果
を補間処理部30に渡す(ステップS10)。
【0082】つぎに、軸移動中同期制御モード指令解析
手段12の解析結果から基準軸・同期軸管理手段32
が、基準軸と同期軸とが第1系統のX軸と第2系統のX
軸のような平行軸であるかをチェックする(ステップS
11)。同期制御可能な組み合わせでない場合にはアラ
ーム処理を行い(ステップS14)、処理を終了する。
【0083】同期制御可能な組み合わせである場合に
は、軸移動中同期制御モード切り替え手段33が、メモ
リ20に格納されている基準軸と同期軸の機械座標の位
置関係を読み出し、同期軸の機械位置またはワーク座標
値を基準軸の座標系で計算するように補間処理手段31
に指示する(ステップS12)。
【0084】また軸移動中同期制御モード切り替え手段
33が、選択された同期軸の加減速時定数と、直線加減
速、指数関数加減速等の加減速パターンを基準軸の加減
速時定数と加減速パターンに切り替える(ステップS1
3)。
【0085】なお、この明細書では、加減速時定数と加
減速パターンとを総称して加減速特性と云う。
【0086】図5に示されているラダー回路部55によ
るシーケンス制御ルーチンでは、指定された軸が指令さ
れた位置を通過した場合に決められた外部信号に出力す
るポジションスイッチという機能を使って基準軸の同期
開始位置を機械制御信号処理部50に設定する(ステッ
プS901)。
【0087】同期制御開始位置を基準軸が通過したか否
かを機械制御信号処理手段51よりの出力信号によって
チェックする(ステップS902)。通過していない場
合には処理を終了し、通過した場合には、図3の軸移動
中同期開始信号“Y300”を機械制御信号処理部50
に出力する(ステップS903)。
【0088】図6は軸移動中同期制御の開始処理ルーチ
ンを示している。この開始処理ルーチンでは、まず、ラ
ダー回路部55からの軸移動中同期開始信号“Y30
0”を機械制御信号処理部50の軸移動中同期制御信号
検知手段52によって判定する(ステップS20)。
【0089】軸移動中同期開始信号“Y300”が検出
されなければ、処理を終了し、軸移動中同期開始信号
“Y300”が検出されれば、基準軸に対応する軸制御
部60の停止確認手段62によって基準軸の停止を確認
する(ステップS21)。基準軸が停止中であれば、同
期軸に対応する軸制御部60の停止確認手段62によっ
て同期軸の停止を確認する(ステップS22)。
【0090】同期軸も停止中であれば、基準軸・同期軸
管理手段32が加工プログラム解析手段11から基準軸
に対する指令が入力された場合に補間処理部30が基準
軸の軸制御部60に対して出力する補間データを同期軸
の軸制御部60に対しても出力するように指示し、軸移
動中同期制御完了信号出力手段53に同期制御確立の通
知を行う。軸移動中同期制御完了信号出力手段53は基
準軸・同期軸管理手段32からの同期制御確立通知を受
けて、ラダー回路部55に対して図3の軸移動中同期完
了信号“X280”を出力する(ステップS29)。こ
れを同期確立処理と云う。
【0091】これに対し同期軸が停止中でなければ、同
期軸が移動中ということで、アラーム処理を行い(ステ
ップS30)、処理を終了する。
【0092】基準軸が停止中でない場合には、同期軸の
停止を確認し(ステップS23)、同期軸が停止中でな
い場合には、アラーム処理を行い(ステップS30)、
処理を終了する。
【0093】基準軸が移動中で、同期軸が停止中の場合
には、補間処理部30の残距離指令手段34が移動中の
基準軸の現在の機械位置から指令ブロック終点までの距
離(残距離)を算出し(ステップS24)、残距離指令
手段34が該計算結果を位置指令として補間処理手段3
1に渡し、補間処理手段31が同期軸に対応する軸制御
部60に補間データを出力する(ステップS25)。
【0094】つぎに、同期軸に対応する軸制御部60の
加減速処理手段61によって補間データを処理し、これ
を軸移動量出力回路70より同期軸に対応するサーボ制
御部80にサーボ移動指令として送る(ステップS2
6)。これにより同期軸に対応するサーボ制御部80が
サーボ移動指令に従って同期軸に対応するサーボモータ
90を駆動する(ステップS27)。
【0095】つぎに、移動軸停止確認手段35が基準軸
と同期軸に各々対応する軸制御部60の停止確認手段6
2から基準軸と同期軸の停止を確認し(ステップS2
8)、この停止確認をもって同期完了とし、同期確立処
理を行う(ステップS30)。
【0096】図7は軸移動中同期制御モード時の移動指
令処理ルーチンを示している。この処理ルーチンでは、
加工プログラムの移動指令“G0X1.0;”のように
基準軸に対して移動指令が指令されると、補間処理部3
0は基準軸に対応する軸制御部60の加減速処理手段6
1と同期軸に対応する軸制御部60の加減速処理手段6
1に補間データを出力する。この各々の加減速処理手段
61は基準軸となるサーボ制御部80と同期軸となるサ
ーボ制御部80に同じサーボ移動指令を送る(ステップ
S40)。これにより基準軸と同期軸に対応するサーボ
制御部80が各々、基準軸と同期軸に対応するサーボモ
ータ90を駆動する(ステップS41)
【0097】次に同期解除制御について説明する。図8
に示されているラダー回路部55によるシーケンス制御
ルーチンでは、指定された軸が指令された位置を通過し
た場合に決められた外部信号に出力するポジションスイ
ッチという機能を使って基準軸の同期解除位置を機械制
御信号処理部50に設定する(ステップS910)。
【0098】つぎに、同期制御解除位置を基準軸が通過
したか否かを機械制御信号処理部50からの出力信号に
よってチェックし(ステップS911)、通過していな
い場合は処理を終了し、通過した場合には、図3の軸移
動中同期解除信号“Y301”を機械制御信号処理部5
0に出力する(ステップS912)。
【0099】図9は軸移動中同期解除処理ルーチンを示
している。この処理ルーチンでは、ラダー回路部55か
らの軸移動中同期解除信号“Y301”を機械制御信号
処理部50の軸移動中同期制御信号検知手段52で判定
する(ステップS50)。
【0100】軸移動中同期解除信号“Y301”が検出
されなければ、処理を終了し、軸移動中同期解除信号
“Y301”が検出されれば、軸移動中同期制御完了信
号出力手段53が軸移動中同期制御完了信号“X28
0”をオフする(ステップS51)。また軸移動中同期
制御完了信号出力手段53からの同期解除要求を受けて
同期軸減速指令手段36が同期軸に対応する軸制御部6
0に対して基準軸の加減速時定数と加減速パターンに従
って同期軸を減速停止するような指令を出すように補間
処理手段31に指示する。これにより同期軸に対応する
軸制御部60は補間処理手段31からの指令に従って同
期軸を減速停止させる(ステップS52)。
【0101】図10は軸移動中同期制御モード解除ルー
チンを示している。この解除ルーチンでは、加工プログ
ラムにおいて軸移動中同期制御モード解除指令“G12
8X2;”を指令する(ステップS60)。該指令は軸
移動中同期制御モード指令解析手段12で解析され、該
解析手段12が補間処理部30に解析結果を渡す。
【0102】軸移動中同期制御モード指令解析手段12
の解析結果から軸移動中同期制御モード切り替え手段3
3が基準軸の加減速パターンや加減速時定数に切り替わ
っていた同期軸の加減速パターンと加減速時定数を元の
同期軸本来の加減速パターンと加減速時定数に戻し、ま
た同期軸の機械位置またはワーク座標値の計算を基準軸
の座標系から同期軸の座標系に戻す(ステップS6
1)。
【0103】(実施の形態2)図11はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態2を示し
ている。尚、図11に於いて、図1に対応する部分は図
1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略す
る。
【0104】実施の形態2では、実施の形態1のものに
加えて、補間処理部30に、移動軸検出手段37と、基
準軸・同期軸判定手段38とが設けられている。
【0105】移動軸検出手段37は、加工プログラムで
指定された同期制御対象の可動軸のうち、ラダー回路部
55より軸移動中同期開始信号が入力された時点で、移
動中の軸を検出する。
【0106】基準軸・同期軸判定手段38は、移動軸検
出手段37による移動軸検出結果から移動中の軸を基準
軸に、停止中の軸を同期軸と判定する。
【0107】次に実施の形態2の動作を説明する。この
実施の形態でも、図46に示されている工作機械の第2
系統のX軸(X2)を同期軸とし、第1系統のX軸(X
1)を基準軸として同期制御させることを考える。な
お、図12は実施の形態2における第1系統の加工プロ
グラムと第2系統の加工プログラムの例を示している。
【0108】加工プログラムの軸移動中同期制御モード
指令“G128”に続く軸指定記述によって同期制御さ
せたい軸の指定を行なう。この場合の軸指定は“X1,
X2”と云うように、基準軸と同期軸との指定を未定義
で行う。
【0109】この指令は軸移動中同期制御モード指令解
析手段12で解析処理され、その解析結果を補間処理部
30に渡す。軸移動中同期制御モード指令解析手段12
による解析結果から基準軸・同期軸管理手段32が、同
期制御対象軸が第1系統のX軸と第2系統のX軸のよう
な平行軸であるかをチェックする。
【0110】軸移動中同期制御モード切り替え手段33
がメモリ20に格納されている指令された両軸の機械座
標の位置関係を読み出し、指令“G128X1,X
2;”で左側の軸(ここではX1軸)の機械位置または
ワーク座標値を右側の軸(ここではX2軸)の座標系で
計算するように補間処理手段31に指示すると共に、左
側の軸の加減速時定数と直線加減速、指数関数加減速等
の加減速パターンを右側の軸の加減速時定数と加減速パ
ターンに切り替える。
【0111】図13は実施の形態2における軸移動中同
期制御の開始処理ルーチンを示している。この開始処理
ルーチンでは、まず、ラダー回路部55からの軸移動中
同期開始信号“Y300”を機械制御信号処理部50の
軸移動中同期制御信号検知手段52によって判定する
(ステップS70)。
【0112】軸移動中同期開始信号“Y300”が検出
されれば、移動軸検出手段37が軸移動中同期制御モー
ド指令の解析結果、すなわち基準軸、同期軸の候補にな
る2軸を読み出したのち、指定された軸の軸制御部60
の停止確認手段62から軸が移動中であるか否かを判定
する(ステップS71)。指定された2軸が両軸とも移
動中の場合にはアラーム処理を実行し(ステップS8
0)、処理を終了する。
【0113】指定された2軸とも移動中でない場合(停
止軸がある場合)には、移動軸検出手段37が、指定さ
れた2軸が両軸とも停止中か否かをチェックする(ステ
ップS72)。2軸が両方とも停止中の場合には、G1
28X1,X2の右側の指令の軸を、ここではX2を基
準軸として同期確立処理を行う(ステップS79)。
【0114】これに対し、一方の軸が移動中で、他方の
軸が停止中の場合には、基準軸・同期軸判定手段38が
移動中の軸を基準軸に、停止中の軸を同期軸と判定する
(ステップS73)。
【0115】以降は実施の形態1における場合と同様
に、補間処理部30の残距離指令手段34が移動中の基
準軸の現在の機械位置から指令ブロック終点までの距離
(残距離)を算出し(ステップS74)、残距離指令手
段34が該計算結果を位置指令として補間処理手段31
に渡し、補間処理手段31が同期軸に対応する軸制御部
60に補間データを出力する(ステップS75)。
【0116】つぎに、同期軸に対応する軸制御部60の
加減速処理手段61によって補間データを処理し、これ
を軸移動量出力回路70より同期軸に対応するサーボ制
御部80にサーボ位置指令として送る(ステップS7
6)。これにより同期軸に対応するサーボ制御部80が
サーボ位置指令に従って同期軸に対応するサーボモータ
90を駆動する(ステップS77)。
【0117】つぎに、移動軸停止確認手段35が基準軸
と同期軸に各々対応する軸制御部60の停止確認手段6
2から基準軸と同期軸の停止を確認し(ステップS7
8)、この停止確認をもって同期完了とし、同期確立処
理を行う(ステップS79)。
【0118】なお、軸移動中同期制御モード時の移動指
令処理ルーチン、軸移動中同期解除処理ルーチン、軸移
動中同期制御モード解除ルーチンは実施の形態1におけ
る場合と同等に行われる。
【0119】図14(a)、(b)は工作機械の一種で
ある自動旋盤を示している。図14(a)、(b)にお
いて、730は機械の筺体を、Wはワークを示してい
る。ワークWは1本の長い金属材料である。
【0120】自動旋盤は、1本の長いワークWを図示し
ていない正面主軸で回転させ、さらに、ワークWを図に
て右から左へ移動させ、ワークWを工具735で旋削加
工したり、また、図示していない突っ切り工具を使って
ワークWを切断したりすることによって部品加工を行う
工作機械である。
【0121】工具735を支持しているタレット731
は、通常、6角柱、または、8角柱の形をしており、角
柱の各側面に各々工具が取り付けられる。工具選択はタ
レット731を60°または45°ずつ分割回転させ位
置決めを行うことによって行われる。また背面主軸台7
32には、工具734および背面主軸733が取り付け
られている。背面主軸733は、ワークWと同一回転数
で回転し、ワークWを掴み、図示していない突っ切り工
具でワークWを切断した後、工具741に位置決めし、
切断されたワークWの切断面の穴あけ等の2次加工を工
具741で行う場合に使われる。
【0122】自動旋盤の座標系は、通常、図14
(a)、(b)に示したように左右方向にZ軸を、上下
方向にX軸を取る。図14(a)、(b)では、タレッ
ト731、背面主軸台732共にX軸、Z軸方向に可動
できる構造になっている。ここでは、タレット731を
第1系統に、背面主軸台732を第2系統として定義す
る。
【0123】プログラムミスによってタレット731が
背面主軸台732の存在する方向に移動すると、タレッ
ト731は背面主軸台732に衝突する可能性がある。
また、プログラムミスによって背面主軸台732がタレ
ット731の存在する方向に移動すると、背面主軸台7
32はタレット731に衝突する可能性がある。
【0124】そこで、同期開始位置Son1 、Son2
を設定し、タレット731が同期開始位置Son1 を通
過した場合、または背面主軸台732が同期開始位置S
on2 を通過した場合に、軸移動中同期開始信号をラダ
ー回路部55から入力することによってタレット731
が背面主軸台732に接近しても背面主軸台732がタ
レット731に同期して移動するため、タレット731
と背面主軸台732が衝突することはない。また、背面
主軸台732がタレット731に接近してもタレット7
31が背面主軸台732に同期して移動するため、タレ
ット731と背面主軸台732が衝突することはない。
これらのことにより、タレット731と背面主軸台73
2が衝突することを回避させることができる。
【0125】(実施の形態3)図15はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態3を示し
ている。尚、図15に於いて、図1に対応する部分は図
1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略す
る。
【0126】実施の形態3では、加工プログラム解析処
理部10に加工プログラム解析手段11に加えて軸移動
中同期制御モード指令解析手段12を有し、補間処理部
30に、補間処理手段31と基準軸・同期軸管理手段3
2に加えて軸移動中同期制御モード切り替え手段33
と、相対距離計算手段40と、同期軸指令手段41と、
同期判定手段42とを有し、機械制御信号処理部50
に、機械制御信号処理手段51に加えて、軸移動中同期
制御完了信号出力手段53を有している。また各軸のサ
ーボ制御部80はゲイン切り替え手段81を含んでい
る。
【0127】軸移動中同期制御モード指令解析手段12
は、加工プログラムに記述された同期距離を含む軸移動
中同期制御モード設定指令と軸移動中同期制御モード解
除指令とを解析する。
【0128】軸移動中同期制御モード切り替え手段33
は、軸移動中同期制御モード指令解析手段12による軸
移動中同期制御モード設定指令の解析により同期軸の加
減速特性およびサーボ制御特性を基準軸の加減速特性お
よびサーボ制御特性と同じ特性にする軸移動中同期制御
モードを設定し、軸移動中同期制御モード解除指令の解
析により同期軸の加減速特性およびサーボ制御特性を同
期軸本来の加減速特性およびサーボ制御特性に戻して通
常モードにする。
【0129】相対距離計算手段40は移動中の現在の基
準軸と同期軸との相対距離を計算する。
【0130】同期軸指令手段41は、移動中同期制御モ
ード時において、加工プログラムによって指定された同
期距離と相対距離計算手段40によって計算された相対
距離とを比較し、相対距離が同期距離と一致した場合に
基準軸の単位時間当たりの移動指令と同じ移動指令を同
期軸に対して出力する。
【0131】同期判定手段42は、相対距離が同期距離
と一致した時点から同期軸の加減速時定数が示す時間と
サーボ制御系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が
経過した時点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定
する。
【0132】軸移動中同期制御完了信号出力手段53
は、同期判定手段42で判定された同期完了の通知によ
ってラダー回路部55の軸移動中同期制御完了信号をオ
ンさせる。
【0133】次に実施の形態3の動作を説明する。な
お、図16は実施の形態3における第1系統の加工プロ
グラムの例を示しており、図17は可動軸の速度加減速
パターンを示している。
【0134】まず図18を参照して軸移動中同期制御モ
ード設定ルーチンを説明する。
【0135】同期制御させたい軸の指定は、加工プログ
ラムにおいて軸移動中同期制御モード指令“G128”
に続く軸指定記述で行う。図18に示されている加工プ
ログラムでは、“G128X=X”であり、X1は
第1系統のX軸を、X2は第2系統のX軸を各々表して
いる。この軸指定記述における“=”の左側は同期軸
を、右側は基準軸を表わしている。この場合、第1系統
のX軸が基準軸で、第2系統のX軸が同期軸である。
“P”は同期軸が基準軸と同期して移動する場合の間
隔、すなわち同期距離を指定する。“P5.000”は
同期距離は5mmであることを示している(ステップS
90)。以下の説明では、この同期距離をDsetと云
うことがある。
【0136】該指令は軸移動中同期制御モード指令解析
手段12によって解析され、第2系統のX軸(X2)を
同期軸に、第1系統のX軸(X1)を基準軸とするとい
う情報と同期距離とをメモリ20に格納する。
【0137】つぎに、基準軸・同期軸管理手段32が、
メモリ20に格納された同期制御モード指令に関するデ
ータを読み出し、基準軸と同期軸とが第1系統のX軸と
第2系統のX軸のような平行軸であるかをチェックする
(ステップS91)。同期制御可能な組み合わせでない
場合にはアラーム処理を行い(ステップS94)、処理
を終了する。
【0138】同期制御可能な組み合わせである場合に
は、軸移動中同期制御モード切り替え手段33が基準軸
(この場合、第1系統のX軸)と同期軸(この場合、第
2系統のX軸)の情報をメモリ20から読み出し、ま
た、予めメモリ20に格納されている基準軸と同期軸の
機械座標の位置関係を読み出し、同期軸の機械位置また
はワーク座標値を基準軸の座標系で計算するように補間
処理手段31に指示する(ステップS92)。
【0139】また図17に示されているように、可動軸
が、指令された速度まで加速または減速するのに必要と
する時間、すなわち時定数Ta、Tbや、可動軸が指令
された速度まで加速または減速するための加減速パター
ン(図17では直線加減速パターン)や、サーボモータ
90を駆動するサーボ制御部80のゲインを軸移動中同
期制御モード切り替え手段33が、同期軸のものを基準
軸のものに切り替える(ステップS93)。
【0140】ゲイン切り替えについては、軸移動中同期
制御モード切り替え手段33が基準軸と同期軸の停止を
確認してゲイン切り替え指令を、対応するサーボ制御部
80に指令する。該指令によってゲイン切り替え手段8
1が同期軸のサーボ制御部80のゲインを基準軸のサー
ボ制御部80のゲインと同じゲインに切り替える。この
一連の動作で軸移動中同期制御のための準備を完了す
る。なお、このとき、基準軸、同期軸はともに移動はし
ない。
【0141】次に、同期軸が移動している基準軸に同期
を開始し、同期完了するまでの動作を図19、図20を
参照して説明する。
【0142】軸移動中同期制御モード切り替え手段33
からの時定数等の切り替え完了通知を受けて相対距離計
算手段40が、補間処理手段31から基準軸および同期
軸の指令機械位置を読み出し、基準軸(X1)と同期軸
(X2)の間隔、すなわち相対距離Dの計算を開始する
(ステップS100)。
【0143】この計算は次のように行う。第1系統の機
械座標原点と第2系統の機械座標原点のオフセットを予
め定義してこの情報をメモリ20に格納しておく。図2
1では第1系統のX軸(X1)の機械座標原点と第2系
統のX軸(X2)の機械座標原点のオフセットOFが示
されている。相対距離Dは、図21の場合、下式により
計算する。
【0144】相対距離D=X1 x−X2 x+OF 但し、X1 xは基準軸(X1)の機械位置、X2 xは同
期軸(X2)の機械位置である。
【0145】このようにして計算された相対距離Dは同
期軸指令手段41に渡される。
【0146】同期軸指令手段41は、メモリ20に格納
された同期距離Dsetを読み出して相対距離計算手段
40が計算した相対距離Dと比較する(ステップS10
1)。D≦Dsetでない場合、即ち相対距離Dが同期
距離Dsetより大きい場合には、ステップS100に
戻って相対距離Dを計算する。
【0147】図16に示されてる加工プログラムにおい
て基準軸(第1系統のX軸)に対して同期軸に接近する
方向の移動指令“G0X12.0;”が実行されると、
補間処理手段31は図20(a)に示されているよう
に、単位時間当たりの移動指令Mstを基準軸の加減速
処理手段61に出力する。基準軸の加減速処理手段61
は補間処理手段31からの単位時間当たりの移動指令に
対して機械に対するショックまたは機械振動を抑えるた
めに予め指定された加減速パターンに従って漸増する移
動指令Mastを計算する。図20(a)の場合には、
時定数Tstによる直線加減速パターンである。この加
減速パターンは、直線加減速パターンに限れることはな
く、他のパターンであってもよい。
【0148】加減速処理手段61によって計算された単
位時間当たりの移動指令Mastは軸移動量出力回路7
0を介してサーボ移動指令として基準軸のサーボ制御部
80に出力される。サーボ制御部80がサーボ移動指令
に従ってサーボモータ90を駆動することによって基準
軸が移動する。
【0149】実際のサーボモータ90は、図20(a)
の補間処理手段31からの単位時間当たりの移動指令M
stに対して、図20(b)に示されているように、加
減速による遅れとサーボモータの追従遅れによって軌跡
Astで示されているような移動になり、補間処理手段
31からの単位時間当たりの移動指令Mstに対して遅
れLstをもって追従することになる。この追従遅れL
stは以下のように計算される。
【0150】加減速による遅れLast=(軸送り速度
Vst・加減速時定数Tst)/2 サーボモータの追従遅れLmst=軸送り速度Vst/
サーボ制御部のゲイン Gsst 追従遅れLst=Last+Lmst 基準軸の移動によりD≦Dset(ステップS101肯
定)で、D≧Dset(ステップS102肯定)になる
と、即ち、相対距離D=同期距離Dsetになると、同
期軸指令手段41が補間処理手段31の同期軸に対する
単位時間当たりの移動指令を読み出して同期軸が停止中
であるか否かを判断し(ステップS103)、同期軸が
移動中の場合には、アラーム処理を実行し(ステップS
107)、処理を終了する。なお、D≦Dset(ステ
ップS101肯定)で、軸移動中同期制御モード指令が
指令されたときに相対距離Dがすでに同期距離Dset
よりも小さい場合も(ステップS102否定)、アラー
ム処理を実行し(ステップS107)、処理を終了す
る。
【0151】同期軸が停止中であれば、つぎに同期軸指
令手段41が基準軸の単位時間当たりの移動指令を同期
軸に対して出力するように補間処理手段31に指令する
(ステップS104)。補間処理手段31は同期軸指令
手段41からの指令を受けて基準軸の単位時間当たりの
移動指令と全く同じ移動指令を同期軸の加減速処理手段
61にも出力する。すなわち、図20(c)の移動指令
Mst=Msyが加減速処理手段61に出力されること
になる。
【0152】このとき、基準軸と同期軸のサーボモータ
90における位置は、図20(a)、(b)に示した同
期距離Dsetと追従遅れLstを合計した分だけ離れ
ていることになる。しかしながら、同期軸のサーボモー
タ90が加速を完了した後は、基準軸と同期軸は軸移動
中同期制御モード指令で指令された同期距離Dsetを
保ちながら移動することになる。以下にこれを説明す
る。
【0153】同期軸の加減速処理手段61は補間処理手
段31からの単位時間当たりの移動指令Msyに対して
機械に対するショックまたは機械振動を抑えるために予
め指定された加減速パターンに従って移動指令Masy
を計算する。このとき、加減速による遅れLasy=
(速度Vsy・加減速時定数Tsy)/2が発生する
が、軸移動中同期制御モード指令を指令した時に同期軸
の加減速パターンと加減速時定数は基準軸のものに切り
替っているため、また、同期軸には基準軸と同じ単位時
間当たりの移動指令(速度)を出力するため、速度Vs
t=速度Vsy、加減速時定数Tst=加減速時定数T
syで、基準軸の加減速による遅れLastと同期軸の
加減速による遅れLasyは互いに等しくなる。
【0154】また、加減速処理手段61で計算された単
位時間当たりの移動指令Masyは軸移動量出力回路7
0を介してサーボ移動指令として同期軸のサーボ制御部
80に出力される。このとき、同期軸でも、基準軸の場
合と同様に、サーボモータの追従遅れLmsy=速度V
sy/サーボ制御部のゲインGssyが発生するが、軸
移動中同期制御モード指令を指令した時にサーボ制御部
のゲインGssyは基準軸のサーボ制御部のゲインGs
stに切り替えているため、また、同期軸には基準軸と
同じ単位時間当たりの移動指令(速度)を出力するた
め、速度Vst=速度Vsy、基準軸サーボ制御部のゲ
インGsst=同期軸サーボ制御部のゲインGssyで
あるため、基準軸のサーボモータの追従遅れLmstと
同期軸のサーボモータの追従遅れLmsyは互いに等し
くなる。
【0155】以上より、基準軸の追従遅れLstと同期
軸の追従遅れLsyとは互いに等しくなる。
【0156】したがって、同期軸の加速完了時には、基
準軸と同期軸のサーボモータ間の距離Dは基準軸の単位
時間当たりの移動指令を同期軸に指令開始したときの同
期距離Dsetに等しくなる。すなわち、軸移動中同期
制御モード指令において同期軸の時定数、加減速パター
ン、サーボ制御部のゲインを基準軸のものと同一にして
おけば、補間処理手段31が持っている基準軸と同期軸
の指令機械位置の距離、すなわち相対距離Dが同期距離
Dsetに等しくなったときに、補間処理手段31の基
準軸の単位時間当たりの移動指令を同期軸に出力するこ
とを開始するだけで軸移動中同期制御を実現することが
できる。
【0157】同期判定手段42は、同期軸指令手段41
が基準軸の単位時間当たりの移動指令を同期軸に対して
出力するように補間処理手段31に指令した時点、換言
すれば相対距離Dが同期距離Dsetに一致した時点か
ら、同期軸が加速完了するまでの時間(Ts+Tg)を
カウントし、時間(Ts+Tg)が経過した時点をもっ
て基準軸と同期軸の同期完了を判定する(ステップS1
05)。
【0158】ここで、時間Tsは基準軸(同期軸)の加
減速時定数を、Tgは基準軸(同期軸)のサーボ制御部
80のゲインの逆数で、サーボモータ90が指令された
速度近辺になるまでの時間を表わしている。同期軸が加
速完了するまでの時間(Ts+Tg)をカウントする
と、同期判定手段42は軸移動中同期制御完了信号出力
手段53に同期完了を通知する。
【0159】軸移動中同期制御完了信号出力手段53が
同期判定手段42からの同期完了通知を受けて、図22
に示されているラダー回路部55の軸移動中同期制御完
了信号“X280”をオンする(ステップS106)。
これによって、ラダー回路部55は軸移動中同期制御完
了を知ることができ、軸移動中同期制御完了を検知して
他の機械動作等を実行することができる。
【0160】なお、実施の形態3における軸移動中同期
解除処理、軸移動中同期制御モード解除は実施の形態1
における場合と同等に行うことができる。
【0161】図23(a)、(b)は工作機械の一種で
ある自動旋盤の構成図である。この自動旋盤の構造は図
14(a)、(b)に示されている自動旋盤と同じであ
るから、その説明は省略する。
【0162】図23(a)に示されているように、旋削
加工を行うために、タレット731が背面主軸台732
に衝突する位置に背面主軸台732が位置決めされてい
る状態において、プログラムミスによってタレット73
1をワークWの近くに位置決めすると、タレット731
は背面主軸台732に衝突する可能性がある。
【0163】そこで、タレット731のX軸、すなわち
第1系統のX軸を基準軸に、背面主軸台732のX軸、
すなわち第2系統のX軸を同期軸として、また、同期距
離Dsetを軸移動中同期制御モード指令で予め指定し
ておけば、プログラムミスでタレット731がワークW
に近づく方向に移動し、背面主軸台732に接近した場
合でも、背面主軸台732がタレット731のX軸の動
きに同期して移動するため、タレット731が背面主軸
台732に衝突することを未然に防ぐことができる。
【0164】また、図23(b)に示されているよう
に、図23(a)で選択されていた工具735よりも長
い工具739が選択された場合には、工具739が選択
されたときに、図23(a)における同期距離Dset
よりも長い同期距離Dsetを軸移動中同期制御モード
指令で指定しておけば、図23(a)における場合と同
様に、タレット731が背面主軸台732に衝突するこ
とを未然に防ぐことができる。
【0165】以上のように、選択された工具に応じて同
期距離Dsetを軸移動中同期制御モード指令で指定し
ておくことにより、プログラムミスがあっても簡単にタ
レット731と背面主軸台732の衝突を回避すること
ができる。
【0166】また、図24に示されているように、図1
6の加工プログラムに、“G128X3=X1P8.0
00;”の指令行を追加することにより、X1基準軸と
X2同期軸との同期制御に加えて、X1を基準軸に、第
3系統のX軸(X3)を同期軸とし、同期距離を8mm
として同期制御を行うことができる。即ち、基準軸に2
つ以上の同期軸を同期制御させることができる。
【0167】この加工プログラムによる同期制御動作を
図25(a)〜(c)を参照して説明する。
【0168】第1系統のX軸(X1)を基準軸に、第2
系統のX軸(X2)を第1同期軸にした同期距離5mm
の軸移動中同期制御モード指令“G128X2=X1P
5.000;”と、第1系統のX軸(X1)を基準軸
に、第3系統のX軸(X3)を第2同期軸にした同期距
離8mmの軸移動中同期制御モード指令、“G128X
3=X1P8.000;”とを指令する。
【0169】次に基準軸に対して移動指令“G0X1
2.0;”を指令し、図25(a)に示されているよう
に、基準軸X1を同期軸X2、X3に向かって移動させ
る。なお、図25(a)〜(c)では、Aは基準軸X1
と第1同期軸X2との同期距離(5mm)を、Bは基準
軸X1と第2同期軸X3との同期距離(8mm)を各々
示している。
【0170】次に図25(b)に示されているように、
基準軸X1が第1同期軸X2に近づくと、図19のフロ
ーチャートで説明した動作に従って第1同期軸X2は基
準軸X1に対して同期を開始し、同期距離Aを保ちなが
ら移動する。
【0171】さらに、図25(c)に示されているよう
に、基準軸X1が第2同期軸X3に近づくと、図19の
フローチャートで説明した動作と同等の動作に従って第
2同期軸X3も基準軸X1に対して同期を開始し、同期
距離Bを保ちながら移動する。
【0172】このようにして、基準軸に2つ以上の同期
軸を同期制御させることができる。
【0173】なお、図25(a)〜(c)において、E
は基準軸X1に対する移動指令“G0X12.0;”の
終点位置を示している。
【0174】(実施の形態4)図26はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態4を示し
ている。尚、図26に於いて、図1に対応する部分は図
1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略す
る。
【0175】この実施の形態では、実施の形態1のもの
に、同期軸減速開始位置計算手段44と、同期軸減速開
始位置判定手段45とが補間処理部30に追加されてい
る。
【0176】同期軸減速開始位置計算手段44は、指定
された同期解除位置と、軸送り速度と、加減速特性か
ら、同期軸の減速開始位置を計算する。この実施の形態
では、同期解除位置は図27に示されている加工プログ
ラムにコード“R”で同期解除位置を記述することによ
り加工プログラムにより指定する。
【0177】同期軸減速開始位置判定手段45は、同期
軸が同期軸減速開始位置計算手段44によって計算され
た減速開始位置に到達したことを判定し、同期軸を減速
停止させる信号処理を行う。
【0178】次に実施の形態4の動作を説明する。な
お、この実施の形態でも、第2系統のX軸(X2)を同
期軸とし、第1系統のX軸(X1)を基準軸として同期
制御させることを考える。
【0179】まず図28を参照して軸移動中同期制御モ
ード設定ルーチンを説明する。
【0180】同期制御させたい軸の指定および同期解除
位置を図27の加工プログラムに例示されているよう
に、軸移動中同期制御モード指令“G128X2=X1
R10.00;”の記述で指令する(ステップS11
0)。“G128”は軸移動中同期制御モード指令、
“X2”は第2系統のX軸を、“X1”は第1系統のX
軸を表わしており、=の左側は同期軸を、右側は基準軸
を表わしている。また、“R”に続く数値は同期解除す
る位置を表している。
【0181】この指令は軸移動中同期制御モード指令解
析手段12で解析処理され、解析結果を補間処理部30
に渡す。加工プログラムによって指定された同期解除位
置はメモリ20に登録される。同期解除位置は図30で
は位置Rcにあたる。
【0182】つぎに、軸移動中同期制御モード指令解析
手段12の解析結果から基準軸・同期軸管理手段32
が、基準軸と同期軸とが第1系統のX軸と第2系統のX
軸のような平行軸であるかをチェックする(ステップS
111)。同期制御可能な組み合わせでない場合にはア
ラーム処理を行い(ステップS115)、処理を終了す
る。
【0183】同期制御可能な組み合わせである場合に
は、軸移動中同期制御モード切り替え手段33が、メモ
リ20に格納されている基準軸と同期軸の機械座標の位
置関係を読み出し、同期軸の機械位置またはワーク座標
値を基準軸の座標系で計算するように補間処理手段31
に指示する(ステップS112)。
【0184】また軸移動中同期制御モード切り替え手段
33が、選択された同期軸の加減速時定数と、直線加減
速、指数関数加減速等の加減速パターンを基準軸の加減
速時定数と加減速パターンに切り替える(ステップS1
13)。
【0185】つぎに、軸移動中同期制御モード指令解析
手段12が同期解除位置をメモリ20に登録し(ステッ
プS114)、処理を終了する。このメモリ20に登録
される同期解除位置は加工プログラムによって指定され
た同期解除位置であり、図30では位置Rcを指すX軸
座標値にあたる。
【0186】次に図29を参照してこの実施の形態にお
ける同期解除制御ルーチンについて説明する。
【0187】まず同期軸減速開始位置計算手段44がメ
モリ20に格納されている同期解除位置Rcを読み出す
(ステップS120)。
【0188】つぎに、同期軸減速開始位置計算手段44
が、同期軸の送り速度Vと加減速時定数Tsおよび加減
速パターンから減速開始位置Rdsを計算する(ステッ
プS121)。たとえば、図31に示されているような
直線加減速パターンの場合には、停止距離Dstopを
(送り速度V・加減速時定数Ts)/2で計算すること
ができる。また、停止距離Dstopと同期解除位置R
cから、減速開始位置Rdsを、同期解除位置Rs±停
止距離Dstopで計算することができる。±は同期軸
の移動方向によって決まる。
【0189】つぎに、同期軸減速開始位置判定手段45
が軸制御部60から同期軸の機械位置またはワーク座標
値を読み取り、同期軸が減速開始位置Rdsに到達した
か否かをチェックする(ステップS122)。
【0190】図30(1)の状態から、図30(2)に
示されているように、同期軸X2が軸移動して減速開始
位置Rdsに到達すると、同期軸減速開始位置判定手段
45が軸移動中同期制御完了信号出力手段53に対して
軸移動中同期制御完了信号をオフするように指令する。
軸移動中同期制御完了信号出力手段53は該指令を受け
て軸移動中同期制御完了信号をオフする(ステップS1
23)。
【0191】また同期軸X2が軸移動して減速開始位置
Rdsに到達すると、同期軸減速開始位置判定手段45
が同期軸の軸制御部60に対して停止指令を出す(ステ
ップS124)。これにより同期軸X2の軸制御部60
は同期軸X2の加減速時定数と加減速パターンに従って
同期軸X2を減速し、同期軸X2は、図30(3)に示
されているように、指定された同期解除位置Rcにぴっ
たりと停止する。
【0192】図32(a)、(b)は自動旋盤の構成図
であり、これは実施の形態1で説明したものと同じであ
る。この工作機械を例に取ると、同期解除位置Rcワー
クWk半径+α(微少値)の位置に同期解除位置を指定
すれば、同期制御を解除したときに、図32(b)に示
されているように、タレット等の退避位置を常にワーク
Wに近い位置に設定することができ、次にタレットがワ
ークWを加工する場合にワークWへのアプローチ時間
(エアカットタイム)を短縮することができ、サイクル
タイムを短縮することができる。
【0193】なお、この実施の形態4による同期解除制
御ルーチンは実施の形態3のものにも同様に適用でき
る。
【0194】(実施の形態5)図33はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態5を示し
ている。尚、図33に於いて、図26に対応する部分は
図26に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省
略する。
【0195】実施の形態5では、実施の形態4にものに
加えて、補間処理部30に切削判定手段46が追加され
ている。また数値制御装置1は、サーボ制御部80に設
けられたモータ電流検出手段(モータ負荷検出手段)8
2が検出するモータ電流(モータ負荷)を取り込むため
のサーボ制御部データ入力部71を有している。
【0196】切削判定手段46は、加工プログラムに記
述された切削指令とモータ電流検出手段82によって検
出したモータ電流とから切削中であるか否かを判定す
る。
【0197】同期軸減速開始位置計算手段44は、切削
判定手段46の判定が切削中より非切削中に変遷した時
点の座標値に基づいて同期解除位置を指定され、指定さ
れた同期解除位置と、軸送り速度と、加減速特性から、
同期軸の減速開始位置を計算する。
【0198】この実施の形態5の特徴は、実施の形態4
では同期解除位置を加工プログラムによって指定する代
わりに、特定の切削加工機械における切削加工状態より
同期解除位置を最適位置に自動的に更新することにあ
る。
【0199】次に実施の形態5の動作を説明する。まず
図34(a)、(b)を参照してこの実施の形態5が適
用される自動旋盤の切削動作について説明する。自動旋
盤は1本の長いワークWを正面主軸765で回転させ、
さらに、ワークWを図にて右から左へ移動させ、ワーク
Wをホルダ762の工具735で旋削加工する。
【0200】この自動旋盤の座標系は、通常、図34
(a)、(b)に示されているように、左右方向にZ軸
を、上下方向にX軸を取る。ホルダ762はX軸方向の
み移動する構造になっており、背面主軸台732はX
軸、Z軸方向に可動できる構造になっている。ここで
は、ホルダ762を第1系統に、背面主軸台732を第
2系統として定義する。
【0201】つぎに、実施の形態5における同期解除位
置の更新(設定)処理ルーチンを図35を参照して説明
する。この処理ルーチンでは、まず切削判定手段46が
加工プログラム解析手段11のプログラム解析結果を読
み出し、予めパラメータ設定部21で設定された可動軸
が切削指令を実行中であるか否かをチェックする(ステ
ップS130)。ここではパラメータ設定部21で設定
された可動軸を図34の第1系統のZ1軸とする。切削
指令を実行中でない場合には処理を終了する。
【0202】切削指令を実行中の場合には、切削判定手
段46が予めパラメータ設定部21で設定された可動軸
の負荷電流値(モータ電流設定値Iset)をメモリ2
0から読み出す(ステップS131)。ここではパラメ
ータ設定部21で設定された可動軸を図34の正面主軸
と第1系統のX1軸とZ1軸とする。
【0203】つぎに、パラメータ設定部21で設定され
た可動軸の実際のモータ電流値を読み出す(ステップS
132)。このモータ電流値の読み出しは以下のように
行う。
【0204】まず、電源投入時等に切削判定手段46が
サーボ制御部データ入力部71に対して正面主軸と第1
系統のX1軸とZ1軸のサーボ制御部80からモータ電
流値を読み出すように指令しておく。サーボ制御部デー
タ入力部71は切削判定手段46からの指令を受けて指
定のサーボ制御部80のモータ電流検出手段82に対し
て予めパラメータ等で指定された間隔でモータ電流値を
サーボ制御部データ入力部71に送信するように指令す
る。モータ電流検出手段81は該指令を受けて指定され
た間隔でモータ電流平均値を算出する。このモータ電流
平均値がモータ負荷を示す。
【0205】ここで、モータ負荷(モータ電流)の読み
出しについて図36を使って説明する。図36におい
て、tはモータ電流を読み出す間隔を示しており、この
サンプリング間隔tはパラメータ等で予め指定してお
く。またIm1 、Im2 は各々指定された各サンプリン
グ間隔tにおける実際のモータ電流平均値を表してい
る。モータ電流平均値Im2 は切削開始ために、切削開
始前のモータ電流平均値Im1 より大きな値となってい
る。
【0206】このように、モータ電流検出手段82は一
定の読み出し間隔でモータ負荷(モータ電流平均値)を
計算し、パラメータ等で指定された間隔でモータ電流平
均値Imn をサーボ制御部データ入力部71に送信す
る。切削判定手段46はサーボ制御部データ入力部71
に入力されたモータ電流平均値(モータ負荷)を読み出
す。
【0207】つぎに、切削判定手段46がサーボ制御部
80より与えらるモータ電流平均値値Imn とメモリ2
0から読み出したモータ電流設定値Isetとを比較す
る(ステップS133)。
【0208】Imn >Isetであれば、切削判定手段
46が指定された可動軸、ここではX1軸とZ1軸の現
在の機械位置としてワーク座標値をX1軸とZ1軸の軸
制御部60から読み出し、メモリ20に登録する(ステ
ップS134)。
【0209】ワーク座標値はワークWの特定箇所を原点
に決めた座標系における座標値である。機械が固有に持
っている機械座標値でワークWを切削するための加工プ
ログラムをプログラミングすることは非常に難しいか
ら、数値制御装置1はプログラミングをしやすくするた
めにワークWの特定箇所を原点に決めた座標系を持って
いる。
【0210】なお、Imn >Isetでない場合には、
このワーク座標値のメモリ登録更新は行わない。
【0211】つぎに、切削判定手段46が加工プログラ
ム解析手段11のプログラム解析結果を読み出し、Z1
軸が切削指令を実行中であるか否かをチェックする(ス
テップS135)。切削指令を実行中であれば、ステッ
プS132に戻る。
【0212】切削指令を実行を終了していれば、切削判
定手段46がメモリ20に登録されているX1軸とZ1
軸のワーク座標値から同期解除位置の計算を行う(ステ
ップS136)。
【0213】この同期解除位置の計算について図37を
参照して説明する。上述のステップS134で登録され
たX1軸とZ1軸のワーク座標値を、Z1軸を基準にプ
ロットすると、線Pが得られ、これは切削後のワーク形
状を表していることになる。現在のZ1軸の位置が決ま
れば、切削後のワーク半径、すなわち切削面のX1軸座
標値を算出することが可能である。ここで算出された切
削面のX1軸座標値は切削前のワーク半径raと比較さ
れ、切削面のX1軸座標値が切削前のワーク半径raよ
り大きい場合には、切削面のX1軸座標値は切削前のワ
ーク半径raに置き換えられる。すなわち、切削面のX
1軸座標値が切削前のワーク半径raより大きくならな
いようにチェックが行われる。
【0214】切削判定手段46は、たとえばZ1軸がR
za位置に位置決めされている場合には、切削面のX1
軸座標値Xaを算出し、Z1軸がRzb位置に位置決め
されている場合には、切削面のX1軸座標値Xbを算出
する。
【0215】同期解除時に工具が切削面に衝突すること
を避けるために同期解除位置Rcを以下のように計算す
る。
【0216】同期解除位置Rc=(算出されたX1軸座
標値)+(予めパラメータで設定された値) あるいはZ1軸が移動中の場合には工具が切削面に衝突
することを避けるために、同期解除位置Rc=切削前
のワーク半径値)+(予めパラメータで設定された値)
と計算する。
【0217】同期解除位置Rcに基づく減速開始位置計
算を含む同期解除動作については実施の形態4と同じで
ある。
【0218】この実施の形態では、図34(b)に示さ
れているように、切削によってワーク半径が小さくなっ
た場合、切削後のワーク半径をもとに同期解除位置Rc
を計算するため、切削前の図34(a)の同期解除位置
Rcは図34(b)の同期解除位置Rcとなる。すなわ
ち、同期解除時にワークWの切削形状に合わせて工具7
35はワークWに近い位置に位置決めされる。したがっ
て、次にワークWを加工する場合にワークWへのアプロ
ーチ時間を実施の形態4の場合よりワークWの加工状況
に適合してさらに短縮することができる。
【0219】なお、この実施の形態5による同期解除位
置の更新(設定)処理ルーチンは実施の形態4の同期解
除制御ルーチンとの組み合わせで、実施の形態3のもの
にも同様に適用できる。
【0220】(実施の形態6)図38はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態6を示し
ている。尚、図38に於いても、図26に対応する部分
は図26に付した符号と同一の符号を付けてその説明を
省略する。
【0221】実施の形態6では、実施の形態4のものに
加えて、補間処理部30に同期軸移動開始位置記憶手段
47が追加されている。
【0222】同期軸移動開始位置記憶手段47は、ラダ
ー回路部55から軸移動中同期開始信号が入力された時
点の同期軸の座標位置あるいは加工プログラムにより指
定された同期開始位置をメモリ20に書き込む処理を行
う。
【0223】同期軸減速開始位置計算手段44は、メモ
リ20が記憶している軸移動中同期開始信号入力時点の
同期軸の座標位置あるいは同期開始位置と、軸送り速度
と、加減速特性から、同期軸の減速開始位置を計算す
る。
【0224】この実施の形態では、同期移動中の同期軸
が、再度、同期軸移動開始位置に到達すると、同期解除
が行われる。
【0225】次に実施の形態6における軸移動中同期制
御の開始処理ルーチンを図39を参照して説明する。こ
の開始処理ルーチンでは、まず、ラダー回路部55から
の軸移動中同期開始信号を機械制御信号処理部50の軸
移動中同期制御信号検知手段52によって判定する(ス
テップS140)。
【0226】軸移動中同期開始信号が検出されなけれ
ば、処理を終了し、軸移動中同期開始信号が検出されれ
ば、基準軸に対応する軸制御部60の停止確認手段62
によって基準軸の停止を確認する(ステップS14
1)。基準軸が停止中であれば、同期軸に対応する軸制
御部60の停止確認手段62によって同期軸の停止を確
認する(ステップS142)。
【0227】同期軸も停止中であれば、同期軸移動開始
位置記憶手段47が同期軸の現在値を同期解除位置とし
てメモリ20に記憶し(ステップS143)、同期確立
処理を行う(ステップS151)。
【0228】これに対し同期軸が停止中でなければ、同
期軸が移動中ということで、アラーム処理を行い(ステ
ップS152)、処理を終了する。
【0229】基準軸が停止中でない場合には、同期軸の
停止を確認し(ステップS144)、同期軸が停止中で
ない場合には、アラーム処理を行い(ステップS15
2)、処理を終了する。
【0230】基準軸が移動中で、同期軸が停止中の場合
には、同期軸移動開始位置記憶手段47が同期軸の現在
値を同期解除位置としてメモリ20に記憶する(ステッ
プS145)。
【0231】つぎに、補間処理部30の残距離指令手段
34が移動中の基準軸の現在の機械位置から指令ブロッ
ク終点までの距離(残距離)を算出し(ステップS14
6)、残距離指令手段34が該計算結果を位置指令とし
て補間処理手段31に渡し、補間処理手段31が同期軸
に対応する軸制御部60に補間データを出力する(ステ
ップS147)。
【0232】つぎに、同期軸に対応する軸制御部60の
加減速処理手段61によって補間データを処理し、これ
を軸移動量出力回路70より同期軸に対応するサーボ制
御部80にサーボ移動指令として送る(ステップS14
8)。これにより同期軸に対応するサーボ制御部80が
サーボ移動指令に従って同期軸に対応するサーボモータ
90を駆動する(ステップS149)。
【0233】つぎに、移動軸停止確認手段35が基準軸
と同期軸に各々対応する軸制御部60の停止確認手段6
2から基準軸と同期軸の停止を確認し(ステップS15
0)、この停止確認をもって同期完了とし、同期確立処
理を行う(ステップS151)。
【0234】同期解除位置に基づく減速開始位置計算を
含む同期解除動作については実施の形態4と同じであ
る。
【0235】図40は絶対位置指令と増分位置指令の説
明図である。X0pはX2軸のプログラム原点を、Xn
はX2軸の現在位置を、Xeは次の移動指令で位置決め
する終点位置を各々示している。
【0236】数値制御における移動指令は2種類ある。
1つは絶対位置指令Cabであり、もう1つは増分位置
指令Caddである。絶対位置指令Cabはプログラム
原点X0pからの距離を指定するものであり、図40で
は、絶対位置指令Cabは、終点位置Xe−プログラム
原点X0pで表される。増分位置指令Caddは、軸の
現在位置Xnから目標位置までの差分を指令するもの
で、図40では、増分位置指令Caddは、終点位置X
e−現在位置Xnで表される。
【0237】例えば図40のX2軸の現在位置Xnがず
れてXn’になってしまった場合には、絶対位置指令C
abであれば、終点位置Xeに難なく位置決めすること
ができるが、増分位置指令Caddの場合には、終点位
置XeがXe’の位置になってしまう。このため、増分
位置指令Caddでは、X2軸の位置がずれた場合に
は、それ以降の位置がずれたままになってしまう。
【0238】したがって、軸移動中同期制御では、同期
軸の同期解除位置が同期開始位置と異なる場合でかつ同
期軸の位置決めに増分位置指令を用いている場合には、
同期解除後の同期軸の位置がずれてしまう可能性があ
る。この実施の形態では、同期軸が同期開始した位置で
同期軸を同期解除させるため、増分位置指令のみの加工
プログラムでも、軸移動中同期制御を使うことができ
る。
【0239】なお、この実施の形態6による同期解除位
置の設定は実施の形態3のものにも同様に適用できる。
【0240】(実施の形態7)図41はこの発明による
同期制御装置を含む数値制御装置の実施の形態7を示し
ている。尚、図41に於いて、図15に対応する部分は
図15に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省
略する。
【0241】この実施の形態では、実施の形態3のもの
に加えて、補間処理部30に、同期一時解除指令手段4
8と、相対距離再計算手段49とが付加されている。
【0242】同期一時解除指令手段48は、同期軸がス
トロークエンド等のアラームで停止した場合に軸移動中
同期制御を一時解除して基準軸の移動を続行させ、その
後に再び同期条件が成立した場合に軸移動中同期制御を
再開する指令を行う。
【0243】この場合の軸移動中同期制御を再開する同
期条件は、基準軸と同期軸との相対距離が予め定義され
ている同期距離に一致することである。
【0244】同期開始再開後の基準軸と同期軸の相対距
離の計算は相対距離再計算手段49で行うことができ
る。
【0245】次に実施の形態6の動作を説明する。図4
2は同期一時解除・再開動作の説明図である。図42
(1)〜(4)において、Mendは機械構成上の限
界、すなわち機械端を表している。数値制御装置1は可
動軸が機械端Mendに衝突することを防ぐための機能
を有している。衝突することを防ぐときに可動軸を減速
停止させる位置はスロークエンドとよばれ、図42の例
では、Sendがこれにあたる。ストロークエンドSe
ndは、通常、機械端Mendよりも数mm手前の位置
に取り、パラメータ等で予め設定される。
【0246】まず、同期一時解除動作について図43を
参照して説明する。なお、この同期一時解除動作では、
同期軸X2と基準軸X1は実施の形態3の同期開始動作
に従って既に同期制御状態にあるという前提の下に説明
を行う。
【0247】補間処理手段31が同期軸の加減速処理手
段61に対する次指令がストロークエンドSendを越
えるか否かをチェックする(ステップS160)。図4
2(1)に示されているように、同期軸X2の位置がス
トロークエンドSendより手前の位置にある場合には
処理を終了し、同期制御を続行する。
【0248】図42(2)に示されているように、同期
軸X2の位置がストロークエンドSendに到達、また
は越える場合には、従来では、同期軸と基準軸の両軸を
減速停止させてアラーム処理を行い、加工プログラム解
析手段11に対して解析中断を指示していたが、この実
施の形態では、同期一時解除指令手段48が補間処理手
段31に対して同期軸X2のみを減速停止し、加工プロ
グラム解析手段11に対して解析中断を指示しないよう
に指令する(ステップS161)。
【0249】つぎに同期一時解除指令手段48が軸移動
中同期制御完了信号出力手段53に対して軸移動中同期
制御完了信号をオフするように指示する。軸移動中同期
制御完了信号出力手段53は同期一時解除指令手段48
からの指令で軸移動中同期制御完了信号をオフする(ス
テップS162)。
【0250】また補間処理手段31は同期一時解除指令
手段48からの指令を受けて同期軸X2の加減速処理手
段61に対して減速停止の指令を出力し、基準軸X1の
加減速処理手段61に対しては指令を続行する(ステッ
プS163)。
【0251】これにより同期軸の加減速処理手段61
は、軸移動量出力回路70を介して同期軸のサーボ制御
部80にサーボ移動指令を送り、同期軸を減速停止させ
る。したがって、図42(2)に示されているように、
同期軸X2がストロークエンドSendで停止した場合
でも、基準軸X1は停止せずに同期距離Dset以内に
進入して、移動を続行することができる。
【0252】次に同期一時解除後の同期開始再開動作に
ついて図44を参照して説明する。
【0253】まず、相対距離再計算手段49が同期軸X
2の停止位置を読み出してこれの停止位置を確認する
(ステップS170)。
【0254】停止位置の読み出しは次のように行う。相
対距離再計算手段49が同期軸X2の実際の停止位置を
確認するために、同期軸X2に対応する軸制御部60に
対してサーボモータ90のフィードバック位置を読み出
すように指示する。軸制御部60は相対距離再計算手段
49から指示を受けて、同期軸X2に対応するサーボ制
御部80がサーボモータ90のフィードバック位置を読
み出し、相対距離再計算手段49に通知し、これにより
停止位置を読み出す。
【0255】つぎに、相対距離再計算手段49は実施の
形態3における相対距離計算手段40が行った相対距離
計算方法と同じ方法で基準軸X1と同期軸X2の相対距
離Dを計算する(ステップS171)。
【0256】つぎに、相対距離再計算手段49が計算し
た相対距離Dが予めパラメータ等で設定された値Dmi
nより小さいかを同期一時解除指令手段48がチェック
する(ステップS172)。
【0257】相対距離Dが設定値Dminより小さけれ
ば、同期一時解除指令手段48が基準軸X1と同期軸X
2とが衝突すると判断し、補間処理手段31に基準軸X
1を停止するように指示する。この場合には、補間処理
手段31が同期一時解除指令手段48からの指示で基準
軸X1に対応する加減速処理手段61に対して減速停止
の指令を出力する。これにより基準軸X1に対応する加
減速処理手段61は軸移動量出力回路70を介して基準
軸X1のサーボ制御部80にサーボ移動指令を送り、基
準軸を減速停止させる(ステップS178)。この後に
アラーム処理を行い(ステップS179)、処理を終了
する。
【0258】相対距離Dが設定値Dminより小さくな
い場合には、同期一時解除指令手段48が相対距離再計
算手段49が計算した相対距離Dと同期距離Dsetを
比較する(ステップS173)。相対距離Dが同期距離
Dsetより小さい場合にはステップS171で相対距
離Dを再計算し、ステップS172を繰り返す。
【0259】相対距離Dが同期距離Dsetに等しい
か、大きくなると(ステップS173肯定)、同期一時
解除指令手段48が相対距離D≦同期距離Dsetを比
較する(ステップS174)。相対距離Dが同期距離D
setより大きい場合には、アラーム処理を行い(ステ
ップS179)、処理を終了する。
【0260】相対距離Dが同期距離Dsetと等しい場
合には(ステップS174肯定)、同期一時解除指令手
段48が補間処理手段31に対してアラーム解除の指示
を出し、同期制御を再開する処理を開始する。
【0261】これにより同期軸指令手段41が基準軸の
単位時間当たりの移動指令を同期軸に対して出力するよ
うに補間処理手段31に指令する(ステップS17
5)。補間処理手段31は同期軸指令手段41からの指
令を受けて基準軸の単位時間当たりの移動指令と全く同
じ移動指令を同期軸の加減速処理手段61にも出力する
(ステップS175)。
【0262】同期判定手段42は、同期軸指令手段41
が基準軸の単位時間当たりの移動指令を同期軸に対して
出力するように補間処理手段31に指令した時点、換言
すれば相対距離Dが同期距離Dsetに一致した時点か
ら、同期軸が加速完了するまでの時間(Ts+Tg)を
カウントし、時間(Ts+Tg)が経過した時点をもっ
て基準軸と同期軸の同期完了を判定する(ステップS1
76)。
【0263】同期軸が加速完了するまでの時間(Ts+
Tg)をカウントすると、同期判定手段42は軸移動中
同期制御完了信号出力手段53に同期完了を通知する。
【0264】軸移動中同期制御完了信号出力手段53が
同期判定手段43からの同期完了通知を受けて、ラダー
回路部55の軸移動中同期制御完了信号をオンする(ス
テップS177)。
【0265】したがって、この実施の形態では、軸移動
中同期制御中、加工プログラムのミスによって同期軸が
ストロークエンド等のアラームで停止した場合でも、基
準軸は停止することなく移動を続け、基準軸と同期軸の
同期条件が整ったときに基準軸と同期軸は再び軸移動中
同期制御を開始させることができる。
【0266】
【発明の効果】上述の説明により明かなように、この発
明による数値制御装置における同期制御方法において
は、シーケンス回路からの軸移動中同期開始信号を検出
した時点の基準軸の残距離を同期軸に指令することによ
り、移動中の基準軸に停止中の同期軸を同期させること
ができ、シーケンス回路より軸移動中同期解除信号を入
力、あるいは減速開始位置に同期軸が移動することによ
って同期軸の減速を開始し、基準軸が移動中であっても
同期軸を停止させて同期制御解除させることができるか
ら、加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0267】また同期開始位置を設定し、タレットなど
が同期開始位置を通過した場合に軸移動中同期開始信号
をシーケンス回路よりから入力することによってタレッ
トなどが背面主軸台などに接近しても背面主軸台がタレ
ットに同期して移動するため、タレットと背面主軸台が
衝突することはなく、この衝突を回避させることができ
る。
【0268】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、加工プログラムで指定された同
期制御対象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動
中同期開始信号が入力された時点で、移動中の軸が基準
軸に、停止中の軸が同期軸と自動判定され、基準軸と同
期軸の設定が状況に応じて間違いなく的確に行われる。
【0269】また移動中の可動軸を基準軸として同期制
御するため、タレット等の干渉物が2つ存在する場合、
一方のタレットが他方のタレットに近づいた場合と、他
方のタレットが一方のタレットに近づいた場合の両方の
ケースで干渉を回避させることができる。
【0270】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、軸移動中同期制御モード指令が
解析されると、相対距離と同期距離とが一致した時点
で、同期軸が基準軸の加減速特性およびサーボ制御特性
と同じ加減速特性およびサーボ制御特性をもって移動を
開始することで、同期軸が移動中の基準軸に同期し、同
期完了後は同期軸は基準軸に対して同期距離を保ちなが
ら移動し、シーケンス回路より軸移動中同期解除信号を
入力、あるいは減速開始位置に同期軸が移動すると、同
期軸が減速を開始し、基準軸が移動中であっても同期軸
を停止させて同期制御を解除させることができるから、
加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0271】また同期距離で軸移動中同期制御ができる
ため、選択された工具の長さに対応した同期距離を設定
するだけで、プログラムミスがあっても2つのタレット
間などの干渉回避を簡単に行うことができる。
【0272】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、基準軸と同期軸の同期完了の判
定が、相対距離と同期距離とが一致した時点から同期軸
の加減速時定数が示す時間とサーボ制御系のゲインの逆
数が示す時間との合計時間が経過した時点をもって時間
計測により行われるから、2軸の完全同時速度計測など
の複雑な計測手段を要することなく、基準軸と同期軸の
同期完了を判定できる。
【0273】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、指定された同期解除位置と軸送
り速度と加減速特性から、同期軸の減速開始位置が計算
され、同期軸が減速開始位置に到達した時点で同期軸を
減速させることで、指定された同期解除位置に同期軸を
ぴったりと停止させることができる。
【0274】また、同期解除位置を指定できるため、同
期解除位置をワーク半径に近い位置に設定すれば軸移動
中同期制御解除時に、タレット等をワークに近い位置に
もってくることができ、次にタレットがワークを加工す
る場合にワークへのアプローチ時間を短縮することがで
きる。また、同期解除位置を干渉物の手前に設定するこ
とにより、同期制御中の基準軸が誤って干渉物に接近し
た場合でも同期軸が干渉物の手前で停止するため同期軸
と干渉物の衝突を防ぐことができる。
【0275】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、同期解除位置を加工プログラム
の記述によって任意に指定できる。
【0276】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、加工プログラムに記述された切
削指令と検出したモータ負荷とから切削中であるか否か
を判断され、その判断が切削中より非切削中に変遷した
時点の座標値に基づいて同期解除位置を指定する。これ
により同期解除位置は各切削指令毎に切り込み開始位置
に応じて自動修正設定されるから、切削でワーク半径が
小さくなった場合、位置決めされたワーク位置に対応す
る切削後のワーク半径をもとに同期解除位置を更新する
ため、軸移動中同期制御を解除したときに、工具を自動
的にワークに近い位置にもってくることができる。した
がって、次にタレットがワークを加工する場合にはワー
クへのアプローチ時間を短縮することができる。
【0277】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、シーケンス回路から軸移動中同
期開始信号が入力された時点の同期軸の座標位置あるい
は加工プログラムにより指定された同期開始位置がつぎ
の同期解除位置に自動設定され、この同期解除位置と軸
送り速度と加減速特性から、同期軸の減速開始位置が計
算され、同期軸が減速開始位置に到達した時点で同期軸
を減速させることで、同期解除位置に同期軸が停止する
から、増分位置指令の加工プログラムでも軸移動中同期
制御を使うことができる。
【0278】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、同期軸がストロークエンドの
ラームで停止すると、軸移動中同期制御が一時的に解除
されることで基準軸の移動が続行し、その後に再び同期
条件が成立すると、軸移動中同期制御が再開され、基準
軸に同期して同期軸が移動するから、加工プログラムの
ミスによって同期軸がストロークエンドのアラームで停
止した場合でも、基準軸は停止することなく移動を続
け、基準軸と同期軸の同期条件が整ったときに基準軸と
同期軸は再び軸移動中同期制御を開始させることができ
る。したがって、加工プログラムのミス等で加工がスト
ップする確率を減らすことができると同時に軸移動中同
期制御中の基準軸の移動範囲を増やすことができるた
め、加工範囲が従来の技術に比べて大きくなる。
【0279】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御方法においては、基準軸と同期軸との相対距離が
予め定義されている同期距離に一致すると、同期条件が
再成立したとして、軸移動中同期制御が再開されるか
ら、同期軸は再び基準軸に対して同期距離を保ちながら
移動することができる。
【0280】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、シーケンス回路からの軸移動中
同期開始信号を検出した時点の基準軸の残距離を同期軸
に指令することにより、移動中の基準軸に停止中の同期
軸を同期させることができ、シーケンス回路より軸移動
中同期解除信号を入力、あるいは減速開始位置に同期軸
が移動することによって同期軸の減速を開始し、基準軸
が移動中であっても同期軸を停止させて同期制御解除さ
せることができるから、加工のサイクルタイムを短縮す
ることができる。
【0281】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、同期軸減速指令手段がシーケン
ス回路からの軸移動中同期解除信号の入力によって同期
軸を減速停止させる指令を行うから、タレットなどが同
期開始位置を通過した場合に軸移動中同期開始信号をシ
ーケンス回路より入力することによってタレットなどが
背面主軸台などに接近しても背面主軸台がタレットに同
期して移動するため、タレットと背面主軸台が衝突する
ことはなく、この衝突を回避させることができる。
【0282】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、移動軸検出手段が加工プログラ
ムで指定された同期制御対象の可動軸のうち、シーケン
ス回路より軸移動中同期開始信号が入力された時点で、
移動中の軸を検出し、基準軸・同期軸判定手段が移動軸
検出手段による移動軸検出結果から移動中の軸を基準軸
に、停止中の軸を同期軸と判定し、基準軸と同期軸とを
自動設定するから、基準軸と同期軸の設定が状況に応じ
て間違いなく的確に行われる。
【0283】また移動中の可動軸を基準軸として同期制
御するため、タレット等の干渉物が2つ存在する場合、
一方のタレットが他方のタレット近づいた場合と、他方
のタレットが一方のタレット近づいた場合の両方のケー
スで干渉回避させることができる。
【0284】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、軸移動中同期制御モード指令が
解析されると、相対距離と同期距離とが一致した時点
で、同期軸が基準軸の加減速特性およびサーボ制御特性
と同じ加減速特性およびサーボ制御特性をもって移動を
開始することで、同期軸が移動中の基準軸に同期し、同
期完了後は同期軸は基準軸に対して同期距離を保ちなが
ら移動し、シーケンス回路より軸移動中同期解除信号を
入力、あるいは減速開始位置に同期軸が移動すると、同
期軸が減速を開始し、基準軸が移動中であっても同期軸
を停止させて同期制御を解除させることができるから、
加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0285】また同期距離で軸移動中同期制御ができる
ため、選択された工具の長さに対応した同期距離を設定
するだけで、プログラムミスがあっても2つのタレット
間などの干渉回避を簡単に行うことができる。
【0286】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、同期判定手段が相対距離と同期
距離とが一致した時点から同期軸の加減速時定数が示す
時間とサーボ制御系のゲインの逆数が示す時間との合計
時間が経過した時点をもって基準軸と同期軸の同期完了
を判定し、この同期完了の判定に基づいて軸移動中同期
制御完了信号出力手段がシーケンス回路の軸移動中同期
制御完了信号をオンさせるから、2軸の完全同時速度計
測などの複雑な計測手段を要することなく、基準軸と同
期軸の同期完了の判定ができる。
【0287】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、同期軸減速開始位置計算手段が
指定された同期解除位置と軸送り速度と加減速特性から
同期軸の減速開始位置を計算し、同期軸減速開始位置判
定手段によって同期軸が減速開始位置に到達したことが
判定されると、同期軸を減速停止させる信号処理が行わ
れるから、指定された同期解除位置に同期軸をぴったり
と停止させることができる。
【0288】また、同期解除位置を指定できるため、同
期解除位置をワーク半径に近い位置に設定すれば軸移動
中同期制御解除時に、タレット等をワークに近い位置に
もってくることができ、次にタレットがワークを加工す
る場合にワークへのアプローチ時間を短縮することがで
きる。また、同期解除位置を干渉物の手前に設定するこ
とにより、同期制御中の基準軸が誤って干渉物に接近し
た場合でも同期軸が干渉物の手前で停止するため同期軸
と干渉物の衝突を防ぐことができる。
【0289】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、同期解除位置を加工プログラム
の記述によって任意に指定できる。
【0290】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、モータ負荷検出手段が軸モータ
の電流値などからモータ負荷を検出し、切削判定手段が
加工プログラムに記述された切削指令とモータ負荷検出
手段によって検出したモータ負荷とから切削中であるか
否かを判定し、その判定が切削中より非切削中に変遷し
た時点の座標値に基づいて同期解除位置が指定されるか
ら、同期解除位置は各切削指令毎に切り込み開始位置に
応じて自動修正設定され、切削でワーク半径が小さくな
った場合、位置決めされたワーク位置に対応する切削後
のワーク半径をもとに同期解除位置を更新するため、軸
移動中同期制御を解除したときに、工具を自動的にワー
クに近い位置にもってくることができる。したがって、
次にタレットがワークを加工する場合にはワークへのア
プローチ時間を短縮することができる。
【0291】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、シーケンス回路から軸移動中同
期開始信号が入力された時点の同期軸の座標位置あるい
は加工プログラムにより指定された同期開始位置が記憶
され、同期軸減速開始位置計算手段が記憶された座標位
置あるいは同期開始位置を同期解除位置とし、この同期
解除位置と軸送り速度と加減速特性から同期軸の減速開
始位置を計算する。同期軸が計算された減速開始位置に
到達すると、同期軸減速開始位置判定手段が同期軸を減
速停止させる信号処理を行うから、増分位置指令の加工
プログラムでも軸移動中同期制御を使うことができる。
【0292】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、同期軸がストロークエンドの
ラームで停止した場合には、同期一時解除指令手段によ
って軸移動中同期制御が一時的に解除され、基準軸の移
動が続行する。その後に再び同期条件が成立すると、軸
移動中同期制御が再開されるから、加工プログラムのミ
スによって同期軸がストロークエンドのアラームで停止
した場合でも、基準軸は停止することなく移動を続け、
基準軸と同期軸の同期条件が整ったときに基準軸と同期
軸は再び軸移動中同期制御を開始させることができる。
したがって、加工プログラムのミス等で加工がストップ
する確率を減らすことができると同時に軸移動中同期制
御中の基準軸の移動範囲を増やすことができるため、加
工範囲が従来の技術に比べて大きくなる。
【0293】つぎの発明による数値制御装置における同
期制御装置においては、軸移動中同期制御が一時的に解
除された状態において基準軸と同期軸との相対距離が予
め定義されている同期距離に一致すると、同期条件が再
成立したとして軸移動中同期制御が再開されるから、同
期軸を再び基準軸に対して同期距離を保ちながら移動さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による同期制御装置を有する数値制
御装置の実施の形態1を示すブロック線図である。
【図2】 この発明による同期制御装置を有する数値制
御装置で使用する加工プログラムの記述例を示す説明図
である。
【図3】 この発明による同期制御装置を有する数値制
御装置で使用するラダー回路の記述例を示す図である。
【図4】 実施の形態1における軸移動中同期制御モー
ド設定処理のフローチャートである。
【図5】 実施の形態1における軸移動中同期制御開始
時のラダー処理のフローチャートである。
【図6】 実施の形態1における軸移動中同期制御開始
処理のフローチャートである。
【図7】 実施の形態1における軸移動中同期制御処理
のフローチャートである。
【図8】 実施の形態1における軸移動中同期制御解除
時のラダー処理のフローチャートである。
【図9】 実施の形態1における軸移動中同期制御解除
処理のフローチャートである。
【図10】 実施の形態1における軸移動中同期制御モ
ード解除処理のフローチャートである。
【図11】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態2を示すブロック線図である。
【図12】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置で使用する加工プログラムの記述例を示す説明
図である。
【図13】 実施の形態2における軸移動中同期制御開
始処理のフローチャートである。
【図14】 (a)、(b)はこの発明による同期制御
装置を有する数値制御装置が適用される工作機械の構成
を示す説明図である。
【図15】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態3を示すブロック線図である。
【図16】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置で使用する加工プログラムの記述例を示す説明
図である。
【図17】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置における可動軸の速度加減速パターンを示す説
明図である。
【図18】 実施の形態3における軸移動中同期制御モ
ード設定処理のフローチャートである。
【図19】 実施の形態3における軸移動中同期制御開
始処理のフローチャートである。
【図20】 (a)〜(d)は基準軸および同期軸の時
間と速度( 指令速度と実際のサーボモータの速度) の関
係図である。
【図21】 基準軸と同期軸の機械座標の関係図であ
る。
【図22】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置で使用するラダー回路の記述例を示す説明図で
ある。
【図23】 (a)、(b)はこの発明による同期制御
装置を有する数値制御装置が適用される工作機械の構成
を示す説明図である。
【図24】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置で使用する加工プログラムの他の記述例を示す
説明図である。
【図25】 実施の形態3における軸移動中同期動作の
説明図である。
【図26】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態4を示すブロック線図である。
【図27】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置で使用する加工プログラムの記述例を示す説明
図である。
【図28】 実施の形態4における軸移動中同期制御モ
ード設定処理のフローチャートである。
【図29】 実施の形態4における軸移動中同期制御解
除処理のフローチャートである。
【図30】 (1)〜(3)は実施の形態4における軸
移動中同期動作の説明図である。
【図31】 実施の形態4における停止距離算出の説明
図である。
【図32】 (a)、(b)はこの発明による同期制御
装置を有する数値制御装置が適用される工作機械の構成
を示す説明図である。
【図33】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態5を示すブロック線図である。
【図34】 (a)、(b)はこの発明による同期制御
装置を有する数値制御装置が適用される工作機械の構成
を示す説明図である。
【図35】 実施の形態5における同期解除位置更新の
フローチャートである。
【図36】 実施の形態5におけるモータ電流の変化を
示す説明図である。
【図37】 実施の形態5におけるサンプリングデータ
のプロット図である。
【図38】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態6を示すブロック線図である。
【図39】 実施の形態6における軸移動中同期制御開
始処理のフローチャートである。
【図40】 数値制御装置の絶対位置指令と増分位置指
令の違いを示す説明図である。
【図41】 この発明による同期制御装置を有する数値
制御装置の実施の形態7を示すブロック線図である。
【図42】 (1)〜(4)は実施の形態7における軸
移動中同期制御一時解除および軸移動中同期制御再開動
作の説明図である。
【図43】 実施の形態7における軸移動中同期制御一
時解除動作のフローチャートである。
【図44】 実施の形態7における軸移動中同期制御再
開処理のフローチャートである。
【図45】 従来の数値制御装置の構成を示すブロック
図である。
【図46】 工作機械の可動軸の構成を示す説明図であ
る。
【図47】 従来の同期制御の加工プログラム記述例を
示す図である。
【図48】 従来の数値制御装置における同期制御開始
処理のフローチャートである。
【図49】 従来の数値制御装置における同期制御解除
処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 数値制御装置,10 加工プログラム解析処理部,
11 加工プログラム解析手段,12 軸移動中同期制
御モード指令解析手段,20 メモリ,21パラメータ
設定部,22 画面表示処理部,30 補間処理部,3
1 補間処理手段,32 基準軸・同期軸管理手段,3
3 軸移動中同期制御モード切り替え手段,34 残距
離指令手段,35 移動軸停止確認手段,36 同期軸
減速指令手段,37 移動軸検出手段,38 基準軸・
同期軸判定手段,40 相対距離計算手段,41 同期
軸指令手段,42 同期判定手段,44 同期軸減速開
始位置計算手段,45 同期軸減速開始位置判定手段,
46 切削判定手段,47 同期軸移動開始位置記憶手
段,48 同期一時解除指令手段,49 相対距離再計
算手段,50 機械制御信号処理部,51 機械制御信
号処理手段,52軸移動中同期制御信号検知手段,53
軸移動中同期制御完了信号出力手段,55 ラダー回
路部,60 軸制御部,61 加減速処理手段,62
停止確認手段,70 軸移動量出力回路,71 サーボ
制御部データ入力部,80 サーボ制御部,81 ゲイ
ン切り替え手段,82 モータ電流検出手段,90 サ
ーボモータ

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの可動軸を基準軸に、他の少なくと
    も一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可動
    軸を同期制御する数値制御装置における同期制御方法に
    おいて、 加工プログラムに記述された軸移動中同期制御モード指
    令を解析後、基準軸の移動下においてシーケンス回路よ
    り同期制御開始を意味する軸移動中同期開始信号を検出
    した時点で当該基準軸の残距離を計算し、当該残距離を
    同期軸の位置指令として同期軸を移動させ、基準軸と同
    期軸の停止で同期完了を判定し、シーケンス回路より同
    期制御解除を意味する軸移動中同期解除信号を入力、あ
    るいは指定された同期解除位置より決まる減速開始位置
    に同期軸が移動するまで基準軸の移動指令で基準軸と同
    期軸とを同期移動させ、シーケンス回路より前記軸移動
    中同期解除信号を入力、あるいは前記減速開始位置に同
    期軸が移動することによって同期軸の減速を開始し、同
    期軸を停止させて同期制御を解除することを特徴とする
    数値制御装置における同期制御方法。
  2. 【請求項2】 加工プログラムで指定された同期制御対
    象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動中同期開
    始信号が入力された時点で、移動中の軸を基準軸に、停
    止中の軸を同期軸と自動判定することを特徴とする請求
    項1に記載の数値制御装置における同期制御方法。
  3. 【請求項3】 一つの可動軸を基準軸に、他の少なくと
    も一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可動
    軸を同期制御する数値制御装置における同期制御方法に
    おいて、 加工プログラムに記述された軸移動中同期制御モード指
    令を解析後、基準軸の移動下において現在の基準軸と同
    期軸の相対距離を計算し、この相対距離と加工プログラ
    ムで指定された同期距離とを比較し、相対距離と同期距
    離とが一致した時点で、基準軸の加減速特性およびサー
    ボ制御特性と同じ加減速特性およびサーボ制御特性をも
    って同期軸に移動指令を与えることで、停止中の同期軸
    を移動中の基準軸に同期させ、同期完了後は同期軸と基
    準軸を加工プログラムで指定された同期距離を保ちなが
    ら移動させ、シーケンス回路より軸移動中同期解除信号
    を入力、あるいは指定された同期解除位置より決まる減
    速開始位置に同期軸が移動することによって同期軸の減
    速を開始し、同期軸を停止させて同期制御を解除するこ
    とを特徴とする数値制御装置における同期制御方法。
  4. 【請求項4】 前記相対距離が前記同期距離と一致した
    時点から同期軸の加減速時定数が示す時間とサーボ制御
    系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が経過した時
    点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定することを
    特徴とする請求項3に記載の数値制御装置における同期
    制御方法。
  5. 【請求項5】 指定された同期解除位置と軸送り速度と
    加減速特性から同期軸の減速開始位置を計算し、同期軸
    が減速開始位置に到達した時点で同期軸を減速させ、指
    定された同期解除位置に同期軸を停止させることを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載の数値制御装置にお
    ける同期制御方法。
  6. 【請求項6】 前記同期解除位置を加工プログラムに記
    述することにより加工プログラムによって指定すること
    を特徴とする請求項5に記載の数値制御装置における同
    期制御方法。
  7. 【請求項7】 軸モータの電流値などからモータ負荷を
    検出し、加工プログラムに記述された切削指令と検出し
    たモータ負荷とから切削中であるか否かを判断し、その
    判断が切削中より非切削中に変遷した時点の座標値に基
    づいて同期解除位置を指定することを特徴とする請求項
    5に記載の数値制御装置における同期制御方法。
  8. 【請求項8】 シーケンス回路から軸移動中同期開始信
    号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工プ
    ログラムにより指定された同期開始位置を記憶し、記憶
    された前記座標位置あるいは前記同期開始位置を同期解
    除位置とし、この同期解除位置と軸送り速度と加減速特
    性から同期軸の減速開始位置を計算し、同期軸が前記減
    速開始位置に到達した時点で同期軸を減速させ、前記同
    期解除位置に同期軸を停止させることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載の数値制御装置における同期制
    御方法。
  9. 【請求項9】 同期軸がストロークエンドのアラームで
    停止した場合には軸移動中同期制御を一時解除して基準
    軸の移動を続行し、その後に再び同期条件が成立した場
    合に軸移動中同期制御を再開することを特徴とする請求
    項1〜8の何れかに記載の数値制御装置における同期制
    御方法。
  10. 【請求項10】 軸移動中同期制御を再開する前記同期
    条件は基準軸と同期軸との相対距離が予め定義されてい
    る同期距離に一致することであることを特徴とする請求
    項9に記載の数値制御装置における同期制御方法。
  11. 【請求項11】 一つの可動軸を基準軸に、他の少なく
    とも一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可
    動軸を同期制御する数値制御装置における同期制御装置
    において、 加工プログラムに記述された軸移動中同期制御モード設
    定指令と軸移動中同期制御モード解除指令を解析する軸
    移動中同期制御モード指令解析手段と、 前記軸移動中同期制御モード指令解析手段による軸移動
    中同期制御モード設定指令の解析により同期軸の加減速
    特性を基準軸の加減速特性と同じ特性にする軸移動中同
    期制御モードを設定し、軸移動中同期制御モード解除指
    令の解析により同期軸の加減速特性を同期軸本来の加減
    速特性に戻して通常モードにする軸移動中同期制御モー
    ド切り替え手段と、 シーケンス回路から軸移動中同期開始信号を検出する軸
    移動中同期制御信号検出手段と、 軸移動中同期制御モード時において、前記軸移動中同期
    制御信号検出手段が軸移動中同期開始信号を検出した時
    点の基準軸の残距離を計算し、当該残距離を同期軸の位
    置指令とする残距離指令手段と、 基準軸と同期軸の停止で同期完了を判定し、軸移動中同
    期制御完了信号をシーケンス回路に出力する軸移動中同
    期制御完了信号出力手段と、 を有していることを特徴とする数値制御装置における同
    期制御装置。
  12. 【請求項12】 シーケンス回路からの軸移動中同期解
    除信号の入力によって同期軸を減速停止させる指令を行
    う同期軸減速指令手段を有していることを特徴とする請
    求項11に記載の数値制御装置における同期制御装置。
  13. 【請求項13】 加工プログラムで指定された同期制御
    対象の可動軸のうち、シーケンス回路より軸移動中同期
    開始信号が入力された時点で、移動中の軸を検出する移
    動軸検出手段と、 前記移動軸検出手段による移動軸検出結果から移動中の
    軸を基準軸に、停止中の軸を同期軸と判定する基準軸・
    同期軸判定手段と、 を有していることを特徴とする請求項11または12に
    記載の数値制御装置における同期制御装置。
  14. 【請求項14】 一つの可動軸を基準軸に、他の少なく
    とも一つの可動軸を同期軸として、少なくとも2軸の可
    動軸を同期制御する数値制御装置における同期制御装置
    において、 加工プログラムに記述された同期距離を含む軸移動中同
    期制御モード設定指令と軸移動中同期制御モード解除指
    令とを解析する軸移動中同期制御モード指令解析手段
    と、 移動中の現在の基準軸と同期軸との相対距離を計算する
    相対距離計算手段と、 前記軸移動中同期制御モード指令解析手段による軸移動
    中同期制御モード設定指令の解析により同期軸の加減速
    特性およびサーボ制御特性を基準軸の加減速特性および
    サーボ制御特性と同じ特性にする軸移動中同期制御モー
    ドを設定し、軸移動中同期制御モード解除指令の解析に
    より同期軸の加減速特性およびサーボ制御特性を同期軸
    本来の加減速特性およびサーボ制御特性に戻して通常モ
    ードにする軸移動中同期制御モード切り替え手段と、 軸移動中同期制御モード時において、加工プログラムに
    よって指定された同期距離と前記相対距離計算手段によ
    り計算された前記相対距離とを比較し、前記相対距離が
    前記同期距離と一致した場合に基準軸の単位時間当たり
    の移動指令と同じ移動指令を同期軸に対して出力する同
    期軸指令手段と、 を有していることを特徴とする数値制御装置における同
    期制御装置。
  15. 【請求項15】 前記相対距離が前記同期距離と一致し
    た時点から同期軸の加減速時定数が示す時間とサーボ制
    御系のゲインの逆数が示す時間との合計時間が経過した
    時点をもって基準軸と同期軸の同期完了を判定する同期
    判定手段と、 前記同期判定手段で判定された同期完了の通知によって
    シーケンス回路の軸移動中同期制御完了信号をオンさせ
    る軸移動中同期制御完了信号出力手段と、 を有していることを特徴とする請求項14に記載の数値
    制御装置における同期制御装置。
  16. 【請求項16】 指定された同期解除位置と軸送り速度
    と加減速特性から同期軸の減速開始位置を計算する同期
    軸減速開始位置計算手段と、 同期軸が前記減速開始位置に到達したことを判定し、同
    期軸を減速停止させる信号処理を行う同期軸減速開始位
    置判定手段と、 を有していることを特徴とする請求項11〜15の何れ
    かに記載の数値制御装置における同期制御装置。
  17. 【請求項17】 前記同期解除位置を加工プログラム記
    述により加工プログラムによって指定することを特徴と
    する請求項16に記載の数値制御装置における同期制御
    装置。
  18. 【請求項18】 軸モータの電流値などからモータ負荷
    を検出するモータ負荷検出手段と、 加工プログラムに記述された切削指令と前記モータ負荷
    検出手段によって検出したモータ負荷とから切削中であ
    るか否かを判定する切削判定手段とを有し、 前記切削判定手段の判定が切削中より非切削中に変遷し
    た時点の座標値に基づいて前記同期解除位置を指定する
    ことを特徴とする請求項16に記載の数値制御装置にお
    ける同期制御装置。
  19. 【請求項19】 シーケンス回路から軸移動中同期開始
    信号が入力された時点の同期軸の座標位置あるいは加工
    プログラムにより指定された同期開始位置を記憶し、記
    憶された前記座標位置あるいは前記同期開始位置を同期
    解除位置とし、この同期解除位置と軸送り速度と加減速
    特性から同期軸の減速開始位置を計算する同期軸減速開
    始位置計算手段と、 同期軸が前記減速開始位置に到達したことを判定し、同
    期軸を減速停止させる信号処理を行う同期軸減速開始位
    置判定手段と、 を有していることを特徴とする請求項11〜15の何れ
    かに記載の数値制御装置における同期制御装置。
  20. 【請求項20】 同期軸がストロークエンドのアラーム
    で停止した場合には軸移動中同期制御を一時解除して基
    準軸の移動を続行させ、その後に再び同期条件が成立し
    た場合に軸移動中同期制御を再開する指令を行う同期一
    時解除指令手段を有していることを特徴とする請求項1
    1〜19の何れかに記載の数値制御装置における同期制
    御装置。
  21. 【請求項21】 軸移動中同期制御を再開する前記同期
    条件は基準軸と同期軸との相対距離が予め定義されてい
    る同期距離に一致することであることを特徴とする請求
    項20に記載の数値制御装置における同期制御装置。
  22. 【請求項22】 軸移動中同期制御モード開始時または
    軸移動中同期制御モード解除時に、可動軸の時定数、ま
    たは可動軸が指令された速度まで加速または減速するた
    めの加減速パターン、またはサーボ制御部のゲインを切
    り替えることを特徴とする請求項3に記載の数値制御装
    置における同期制御方法。
  23. 【請求項23】 一つの基準軸に二つ以上の同期軸を異
    なる同期距離で同期制御させることを特徴とする請求項
    3に記載の数値制御装置における同期制御方法。
  24. 【請求項24】 同期解除時に、ワークの切削形状に合
    わせて工具をワーク半径+微小値の位置に位置決めする
    ことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置におけ
    る同期制御方法。
  25. 【請求項25】 前記軸移動中同期制御モード切り替え
    手段は、軸移動中同期制御モード開始時または軸移動中
    同期制御モード解除時に、可動軸の時定数、または可動
    軸が指令された速度まで加速または減速するための加減
    速パターン、またはサーボ制御部のゲインを切り替える
    手段であることを特徴とする請求項14に記載の数値制
    御装置における同期制御装置。
  26. 【請求項26】 前記加工プログラムは、一つの基準軸
    に二つ以上の同期軸を異なる同期距離で同期制御させる
    指令を含んでいることを特徴とする請求項14に記載の
    数値制御装置における同期制御装置。
  27. 【請求項27】 前記加工プログラムは、ワークの切削
    形状に合わせて、工具をワーク半径+微小値の位置に停
    止させるように同期解除位置を指定していることを特徴
    とする請求項14に記載の数値制御装置における同期制
    御装置。
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