JP3428423B2 - 電線用シリコーンゴム組成物及びそれを用いたシリコーンゴム被覆電線 - Google Patents

電線用シリコーンゴム組成物及びそれを用いたシリコーンゴム被覆電線

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JP3428423B2 JP05288098A JP5288098A JP3428423B2 JP 3428423 B2 JP3428423 B2 JP 3428423B2 JP 05288098 A JP05288098 A JP 05288098A JP 5288098 A JP5288098 A JP 5288098A JP 3428423 B2 JP3428423 B2 JP 3428423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電線用シリコーンゴ
ム組成物、特には安全衛生性に優れ、押し出し加硫時に
ボイドや表面タックの発生無しに連続常圧熱気加硫によ
りシリコーンゴムとすることのできる電線用シリコーン
ゴム組成物及びそれを用いたカットストリップ性に優れ
たシリコーンゴム被覆電線に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは耐熱性、耐寒性、電気特性に優れていること
から各種の分野において広く利用されており、その加工
プロセスについてもその用途に応じて種々の方法が実施
されている。電線被覆用シリコーンゴム組成物の加硫方
法はシリコーンゴムの種類やその硬化物に要求される物
性に応じて種々の方法が行われているが、一般には有機
過酸化物の存在下における加熱処理が汎用されており、
この有機過酸化物としてはベンゾイルパーオキサイド、
p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチル−パーベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキ
サイドなどが例示されるが、押し出し熱気加硫によって
シリコーンゴム被覆電線を特性が良好で、経済的に有利
な製品として得る為の加硫剤としては2,4−ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイドが唯一のものとされていた。
【0003】しかしながら昨今、この2,4−ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイドは塩素原子を含有するため加
硫時に分解副生するポリ塩化物の安全衛生性が指摘され
て来ている。又、この常圧熱気加硫で得られるシリコー
ンゴム被覆電線は押し出し機からでたシリコーンゴム組
成物を300〜500℃の高温の加硫炉に入れると組成
物中の低分子シロキサンやその他の揮発性物質がガス化
し、膨張するために加硫したシリコーンゴム被覆電線中
に肉眼では観察されないミクロボイドが発生し、これに
よって耐電圧が同一の組成物をプレス加硫して得たシー
トなどに比べて10〜30%も低いものになるという不
利があり、これは必要に応じて行われる二次加硫(後加
硫)によっても十分には改善されるものではない。ま
た、この二次加硫により初期物性、表面タック性はある
程度改善されるが、この表面タック性については押し出
し成型品の巻き取りに打粉工程が必要とされるために作
業性が悪くなるという問題がある。
【0004】そのため本発明者は特開昭63−356に
おいて本発明の組成物に使用する有機過酸化物を含有す
るシリコーンゴム組成物を提案し、上記問題点を大幅に
改善したが、シリコーンゴム被覆電線に用いた場合カッ
トストリップ性(使用時に電線端部のゴム部のはぎ取り
性)が十分ではないという問題があった。
【0005】カットストリップ性は作業上重要な特性で
あり、作業の効率や後工程の半田付け時の半田の乗り易
さ等にも大きく影響する特性である。
【0006】本発明は上記問題点を克服するためになさ
れたもので安全性に優れ、押出し加硫時にボイドや表面
タックの発生無しに連続常圧熱気加硫可能な電線用シリ
コーンゴム組成物及びそれを用いた成形性、特にカット
ストリップ性に非常に優れたシリコーンゴム被覆電線を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を行った結
果(A)成分のオルガノポリシロキサンに(B),
(C)成分の無機充填剤を併用し、(D)成分の(II)
式で表わされる有機過酸化物を配合したシリコーンゴム
組成物が安全性に優れ、押出し加硫時にボイドや表面タ
ックがなくそのため耐電圧性にも優れ連続常圧熱気加硫
可能であり、この組成物の硬化物で被覆したシリコーン
ゴム被覆電線は二次加硫なしでもタックがなく、そのた
め打粉の必要もなく、またカットストリップ性に優れて
いることを見出した。
【0008】従って本発明は、(A)分子鎖両末端が
(CH2 =CH)a 1 3-a SiO0.5 (ここにR1
炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、aは2ま
たは3)で表わされる基で封鎖された、下記平均組成式
(I)
【0009】
【化3】 R2 b SiO(4-b)/2 …(I)
【0010】(ここにR2 は同一又は異種の非置換又は
置換一価炭化水素基、bは1.95〜2.05の正数)
で表わされる、一分子中にアルケニル基を0.02〜
2.0モル%含有する、重合度が3000以上のオルガ
ノポリシロキサン100重量部、(B)比表面積が50
2 /g以上の微粉状シリカ20〜100重量部、
(C)珪藻土及び/又は粉砕石英5〜200重量部、
(D)下記式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(ここにXは炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、式−SiR3 3、−CH2
SiR3 3(R3は水素原子、メチル基、又はアルコキシ
基)から選択される基、nは1又は2)で表わされる有
機過酸化物0.1〜10重量部からなり、前記(A)、
(B)、(C)成分を混合し、加熱して得られるシリコ
ーンゴムコンパウンドに前記(D)成分を添加してなる
ことを特徴とする電線用シリコーンゴム組成物を提供す
る。更には、上記電線用シリコーンゴム組成物を銅線又
は錫メッキ銅線からなる芯線の回りに押し出し加硫成形
したシリコーンゴム被覆電線を提供する。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。(A)成
分のオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(I)
【0014】
【化5】R2 b SiO4-b/2 …(I)
【0015】(式中、R2 は同一又は異種の非置換又は
置換−価炭化水素基、bは1.95〜2.05の正数)
で表わされ、分子鎖両末端が(CH2 =CH)a 1
3-a SiO0.5 (R1 は炭素数1〜6のアルキル基又は
フェニル基、aは2または3)で封鎖されている重合度
が3000以上のオルガノポリシロキサンであって、末
端のビニル基を含め分子中にアルケニル基を0.02〜
2.0モル%含有するものである。
【0016】平均組成式[I]において、R2 として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテ
ニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、β−フェニルプロピル
基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合
した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基
などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル
基、シアノエチル基などから選択される、同一又は異種
の好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1
〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基が挙げられ、特
に好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフ
ルオロプロピル基である。中でもR2 の80モル%以上
がメチル基であることが好ましい。また、bは1.95
〜2.05の正数であり、基本的には直鎖状のジオルガ
ノポリシロキサンであるが、一部分岐していてもよい。
また分子構造の異なる2種又はそれ以上の混合物であっ
てもよい。
【0017】このオルガノポリシロキサンの両末端は
(CH2 =CH)a 1 3-a SiO0.5 で表わされる基
で封鎖されていることが必要である。ここでR1 はメチ
ル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキ
ル基又はフェニル基であり、aは2又は2である。具体
的にはトリビニルシリル基、メチルジビニルシリル基、
エチルジビニルシリル基、フェニルジビニルシリル基等
が例示され、トリビニルシリル基、メチルジビニルシリ
ル基が好ましい。aが0又は1であると加硫速度が遅く
なり押出し加硫時にボイドや表面タックが発生し易くな
る。
【0018】また、このオルガノポリシロキサンは分子
末端のビニル基を含め、分子中に0.02〜2.0モル
%、好ましくは0.05〜0.5モル%のアルケニル
基、好ましくはビニル基を含有することが必要である。
0.02モル%未満であると加硫特性が悪くなり、2.
0モル%を越えると硬化後のシリコーンゴムの弾性が損
なわれる。
【0019】このオルガノポリシロキサンの重合度は3
000以上、好ましくは5000〜20000である。
重合度が3000未満であると押出し加硫時にミクロボ
イドが発生すると共に得られるシリコーンゴムの強度が
乏しいものとなる。
【0020】この種のオルガノポリシロキサンは、通常
選択されたオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上
を共加水分解縮合することによって、あるいは環状ポリ
シロキサン(シロキサンの3量体あるいは4量体など)
をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合させ、
(CH2 =CH)a 1 3-a SiOSiR1 3-a (CH
=CH2 a (R1 ,aは前記の通り)で表わされる末
端封鎖剤等で両末端を封鎖する公知の方法により得るこ
とができる。
【0021】(B)成分の微粉状シリカはシリコーンゴ
ムに機械的強度や、シリコーンゴム組成物に優れた押出
し特性等を付与する成分であり、BET法比表面積は5
0m2 /g以上、好ましくは100〜400m2 /gで
ある。また、平均粒径は1〜20mμmのものが好まし
い。微粉状シリカとしては煙霧質シリカ、沈殿シリカ及
びこれらの表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポ
リシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水
化処理したシリカなどが代表例として挙げられる。これ
らのシリカは単独でも2種以上併用してもよい。なお、
この微粉状シリカの添加量は、(A)成分のオルガノポ
リシロキサン100重量部に対して20〜100重量部
好ましくは30〜80重量部である。
【0022】(C)成分の珪藻土及び/又は石英粉は
(A)成分のオルガノポリシロキサンによる加硫速度向
上効果との相乗効果によりシリコーン被覆電線のカット
ストリップ性を向上させる重要な成分である。珪藻土、
石英粉は市販のものも使用することができる。(C)成
分の添加量は(A)成分のオルガノポリシロキサン10
0重量部に対して5〜200重量部好ましくは10〜1
00重量部である。5重量部未満であるとカットストリ
ップ性の向上が不十分であり、200重量部を越えると
得られるシリコーンゴムのゴム物性が悪くなる。
【0023】(D)成分の有機過酸化物は下記式(I
I)
【0024】
【化6】
【0025】で表わされるものである。式中、Xはメチ
ル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素
数1〜4のアルコキシ基、式−SiR3 3、−CH2 Si
3 3(R3 は水素原子、メチル基、又はメトキシ基、エ
トキシ基等のアルコキシ基)から選択される基であり、
nは1又は2である。
【0026】具体的には、ビス(o−メチルベンゾイ
ル)パーオキサイド、ビス(p−メチルベンゾイル)パ
ーオキサイド、ビス(2,4−ジメチルベンゾイル)パ
ーオキサイド、ビス(オルソエチルベンゾイル)パーオ
キサイド、ビス(オルソメトキシベンゾイル)パーオキ
サイド、ビス(オルソエトキシベンゾイル)パーオキサ
イド等が例示される。
【0027】(D)成分は(A)成分のオルガノポリシ
ロキサン100重量部に対して0.1〜10重量部、好
ましくは0.3〜3重量部配合される。0.1重量部未
満であるとこの組成物の加硫が十分行なわれず、10重
量部を越えると得られるシリコーンゴムの物性に悪影響
を与えることがある。
【0028】本発明の電線用シリコーンゴム組成物は上
記した(A)〜(D)成分の所定量を均一に混合するこ
とにより得ることができるが、これは(A)成分として
のオルガノポリシロキサンに(B),(C)成分として
の微粉状シリカ、珪藻土及び/又は石英粉を混合し、加
熱してシリコーンゴムコンパウンドを作り、次いでこれ
に(D)成分としての有機過酸化物を添加して二本ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサーなどで混練するよう
にすればよい。
【0029】この際、加工助剤として水酸基やアルコキ
シ基を含有するシランや重合度100以下のオルガノポ
リシロキサンを添加することが好ましい。この添加量
は、(B)成分,(C)成分の配合量により選択される
が、通常(A)成分のオルガノポリシロキサン100重
量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜
8重量部である。また、通常シリコーンゴム組成物に添
加される公知の添加剤、例えばオルガノハイドロジエン
ポリシロキサンや着色剤、耐熱性向上剤、難燃性付与
剤、離型剤等を添加してもよい。
【0030】本発明の電線用シリコーンゴム組成物は、
加熱加硫させることによりシリコーンゴムとすることが
でき、特にこの組成物は常圧熱気加硫で連続的に加硫す
ることが可能である。シリコーンゴム被覆電線を得るに
は上記組成物を押し出し機を用いて連続的に芯線となる
銅線や錫メッキ銅線上に供給し、熱風加硫炉中で常圧熱
気加硫すればよい。この加硫温度は200℃以下では加
硫が遅れてミクロボイドが発生することがあり、550
℃以上とすると過加硫となって表面クラックが発生する
ことがあるので加熱炉の温度を200〜550℃とする
ことが好ましく、炉中の滞留時間は1〜300秒、特に
5〜50秒の範囲とすることが好ましい。これによれば
ミクロボイドを含有しないので耐電圧性に優れており、
さらには表面タックがないので打粉が不要である成型品
を容易に得ることができる。このようにして成型された
シリコーンゴム被覆電線は電線端末処理時に必要とされ
るカットストリップ性に優れたものとなる。また、熱風
加硫炉に高周波(UHF)加硫炉や電子線加硫炉などの
放射線加硫炉を併用してもよい。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を上げるが、例中の部
は重量部を、粘度は25℃での測定値を示したものであ
り、例中における測定値は下記の方法による測定結果を
示したものである。
【0032】[測定方法] [加硫特性]デイスクレオメーター(東洋精機(株)
製)を用いて120℃、振れ角±3°でのトルクの測定
値を示した。 [ミクロボイドの有無]試料としてのシリコーンゴム組
成物を40mmφの押し出し機を用いて径6mmφのロ
ッドとして押し出し成形し、これを380℃の加硫炉中
を滞留時間13秒で通過させて常圧熱気加硫し、得られ
た硬化物の断面を光学顕微鏡で100倍に拡大してミク
ロボイドの有無を確認した。 [絶縁破壊の強さ]試料としてのシリコーンゴム組成物
を40mmφの押し出し機を用いて径0.6mmφの錫
メッキ軟銅線に被覆成形して外径1.2mmφの電線を
作り、450℃、30秒の条件で常圧熱気加硫しこれか
ら10本の試料を作り、これらについてJIS C−3
004の方法に準じて水中での耐電圧試験を行った。 [カットストリップ性]試料としてのシリコーンゴム組
成物を40mmφの押し出し機を用いて径0.6mmφ
の錫メッキ軟銅線に被覆成形して外径1.2mmφの電
線を作り、450℃、30秒の条件で常圧熱気加硫しこ
れから試料を作り、これらについて各々の電線端部の被
覆ゴムの剥ぎ取り性(カットストリップ性)を調べた。
カットストリップ用治具はラジオペンチ状の挟み具に被
覆ゴムを切り取る為の刃の付いた専用治具であり、電線
を挟む部分に芯線を切断しないため芯線と同じ口径の丸
状の穴が開いた物を使用した。この治具を用い手動で被
覆ゴムのカットストリップ性の試験を行った。観察の仕
方は剥ぎ取られた芯線表面のゴムの残存状況を目視し
た。
【0033】[実施例1〜2、比較例1]分子鎖両末端
が(CH2 =CH)3 SiO0.5 単位で封鎖された、
(CH3 2 SiO単位99.68モル%、CH3 (C
2 =CH)SiO単位0.3モル%、(CH2 =C
H)3 SiO0.5 単位0.02モル%からなる重合度
8,000のオルガノポリシロキサン100部に比表面
積が200m2 /gのヒュームドシリカエロジル200
(日本アエロジル社製)40部、珪藻土セライトSF
(ジョンマンビル社製)30部、ジフェニルシランジオ
ール3部、粘度が20csのα,ω−ジメチルポリシロ
キサンジオール6部を添加し、ニーダーで均質に混練り
したのち160℃で3時間熱処理をしてシリコーンゴム
コンパウンドを作り、次いでこのコンパウンド100部
にビス(p−メチルベンゾイル)パーオキサイドの50
%シリコーンオイルペースト1.5部を添加して2本ロ
ールで混練りしてシリコーンゴム組成物−1を作った。
また、上記におけるオルガノポリシロキサンを分子鎖両
末端が(CH2 =CH)2 CH3 SiO0.5 単位で封鎖
され、これを0.02モル%含有するほかは同一の組成
としたオルガノポリシロキサンとし、これを上記と同様
に処理してシリコーンゴム組成物−2を作るとともに比
較のために分子鎖両末端が(CH3 2(CH2 =C
H)SiO0.5 単位で封鎖された、(CH3 2 SiO
単位99.64モル%、CH3 (CH2 =CH)SiO
単位0.34モル%、(CH3 2(CH2 =CH)S
iO0.5 単位0.02モル%からなる重合度8,000
のオルガノポリシロキサンを使用し、これを上記と同様
に処理して、シリコーンゴム組成物−3を作った。
【0034】次に、このシリコーンゴム組成物1〜3を
40mmφの押し出し機を用いて径6mmφのロッドに
押し出し成形し、これを380℃、13秒の条件で常圧
熱気加硫させて硬化物とし、この加硫特性、ミクロボイ
ドの有無について調べた。更に、このシリコーンゴム組
成物1〜3を40mmφの押し出し機を用いて径0.6
mmφの錫メッキ軟銅線に被覆成形して外径1.2mm
φの電線を作り、加硫温度450℃、滞留時間30秒の
条件で常圧熱気加硫させ、この電線についての耐電圧試
験及びカットストリップ性試験を行った。これらの結果
を表−1にまとめて示す。本発明のシリコーンゴム組成
物から得られたものは比較例のものに比べて高い耐電
圧、良好なカットストリップ性を示していることが確認
された。
【0035】
【表1】
【0036】[実施例3、4、比較例2〜4]分子鎖両
末端が(CH2 =CH)3 SiO0.5 単位で封鎖され
た、(CH3 2 SiO単位99.68モル%、CH3
(CH2 =CH)SiO単位0.3モル%、(CH2
CH)3 SiO0.5 単位0.02モル%からなる重合度
8,000のオルガノポリシロキサン100部に比表面
積が200m2 /gのヒュームドシリカエロジル200
(日本ジエロジル社製)45部、珪藻土セライトSF
(ジョンマンビル社製)30部、ジフェニルシランジオ
ール3部、粘度が20csのα,ω−ジメチルポリシロ
キサンジオール8部を添加し、ニーダーで均質に混練り
したのち160℃で3時間熱処理をしてシリコーンゴム
コンパウンドを作り、次いでこのコンパウンド100部
にビス(p−メチルベンゾイル)パーオキサイドの50
%シリコーンオイルペースト1.5部を添加して2本ロ
ールで混練りしてシリコーンゴム組成物−4を作った。
また、組成物−4において珪藻土を石英粉クリスタライ
トVXS(龍森社製)30部とした以外は組成物−4と
同じにしたものを組成物−5とした。また、上記におけ
る組成物−4において珪藻土を除いた他は組成物−4と
同じにしたものを組成物−6とした。また、上記組成物
−4のオルガノポリシロキサンの分子鎖両末端を(CH
3 2 (CH2 =CH)SiO0.5 単位とした他は組成
物−4と同じにしたものを組成物−7とした。更に、上
記組成物−4のオルガノポリシロキサンの分子鎖両末端
を(CH3 2 (CH2 =CH)SiO0.5 単位とし、
又、珪藻土も除いたものを組成物−8とした。
【0037】次に、このシリコーンゴム組成物1〜3を
40mmφの押し出し機を用いて径6mmφのロッドに
押し出し成形し、これを380℃、13秒の条件で常圧
熱気加硫させて硬化物とし、この加硫特性、ミクロボイ
ドの有無について調べた。更に、このシリコーンゴム組
成物1〜3を40mmφの押し出し機を用いて径0.6
mmφの錫メッキ軟銅線に被覆成形して外径1.2mm
φの電線を作り、加硫温度450℃、滞留時間30秒の
条件で常圧熱気加硫させ、この電線についての耐電圧試
験及びカットストリップ性試験を行った。これらの結果
を表−2にまとめて示す。本発明のシリコーンゴム組成
物から得られたものは比較例のものに比べて高い耐電
圧、良好なカットストリップ性を示していることが確認
された。
【0038】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83/07 C08L 83/07 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/46 C08F 4/34 C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子鎖両末端が(CH2=CH)a
    1 3-aSiO0.5(ここにR1は炭素数1〜6のアルキル
    基、またはフェニル基、aは2または3)で表わされる
    基で封鎖された、平均組成式(I) 【化1】 R2 bSiO(4-b)/2 …(I) (ここにR2は同一又は異種の非置換又は置換一価炭化
    水素基、bは1.95〜2.05の正数)で表わされ
    る、一分子中にアルケニル基を0.02〜2.0モル%
    含有する、重合度が3000以上のオルガノポリシロキ
    サン100重量部 (B)比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカ20
    〜100重量部 (C)珪藻土及び/又は石英粉5〜200重量部 (D)下記式(II) 【化2】 (ここにXは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4
    のアルコキシ基、式−SiR3 3、−CH2SiR3 3(R3
    は水素原子、メチル基、又はアルコキシ基)から選択さ
    れる基、nは1又は2)で表わされる有機過酸化物、
    0.1〜10重量部からなり、前記(A)、(B)、
    (C)成分を混合し、加熱して得られるシリコーンゴム
    コンパウンドに前記(D)成分を添加してなることを特
    徴とする電線用シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電線用シリコーンゴム組
    成物を、銅線又は錫メッキ銅線からなる芯線の周りに押
    し出し加硫成形したことを特徴とするシリコーンゴム被
    覆電線。
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