JP3428396B2 - 外面耐蝕管の溶射材料 - Google Patents
外面耐蝕管の溶射材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、外面耐蝕管の溶
射材料に関し、詳しくは、超高速フレーム溶射装置で溶
射されることにより金属管外面に耐蝕用金属皮膜を形成
する合金粉末材料の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、鋳鉄管の外周の耐蝕性を向上させ
るため、耐蝕性に優れる金属粉末を超高速フレーム溶射
で溶射し金属皮膜を形成することが行われる。 【0003】この超高速フレーム溶射は、アセチレンあ
るいはプロパンと酸素を用いたジェット炎で溶融した金
属粒子を金属板表面に吹き付けて金属皮膜を形成するも
ので、溶融可能な金属であれば耐蝕性に富む合金類が選
択でき、地中埋設されるダクタイル鋳鉄管の防食皮膜と
して優れた性能が得られる効果を有する。 【0004】上記のような耐蝕性に富む溶射材料とし
て、アルミニウム、シリコン、マンガン系(以下Al-Si-
Mn系という)の合金粉末が一般に知られている。このAl
-Si-Mn系合金粉末は通常、アルミ75〜85%、シリコン3
〜6%、マンガン10〜20%の合金とされる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記Al-Si-
Mn系合金粉末はダクタイル鋳鉄管外面に超高速フレーム
溶射した場合、溶射歩留まりが30%程度とかなり悪く、
製造コストが非常に高価となる問題があった。 【0006】この発明は上記問題点を解消することを目
的としてなされたものであって、超高速フレーム溶射に
使用されるAl-Si-Mn系合金粉末の、金属被膜としたとき
の耐蝕性を損なうことなく溶射歩留まりを向上させるこ
とを目的としてなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ちこの発明の外面耐蝕
管の溶射材料は、超高速フレーム溶射ガンで溶射される
ことにより金属管外面に耐蝕用金属皮膜を形成する合金
粉末材料であって、アルミ、シリコン、マンガン系合金
粉末に純アルミ粉末を20〜30重量%添加してなることを
特徴とするものである。 【0008】即ち、従来使用されているAl-Si-Mn系合金
粉末に溶融点の低い純アルミ粉末を添加することにより
溶射時に純アルミ粉末を溶融させ、これによって下地に
対する他の材料の付着性を良くし、歩留まりを良くする
のである。 【0009】なお、純アルミ粉末の添加量を20〜30重量
%とするのは、20重量%より少ないと溶射歩留まりがそ
れほど改良されないためであり、30重量%より増加する
と溶射歩留まりは良くなるものの、溶射被膜強度が低下
し耐蝕性に問題が生じるからである。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。まず、ベースとなるAl-Si-Mn系合金粉末として
アルミ81%、シリコン4%、マンガン15%からなる合金
粉末を用意し、これに純アルミ粉末を内割りで10重量
%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%となるよ
うに添加し、それぞれを均一に混合して溶射材料とし
た。 【0011】この溶射材料を超高速フレーム溶射ガンに
供給しダクタイル鋳鉄管外面に溶射し金属被膜を形成し
た。溶射は、図1に示すように鋳鉄管1の回転支持装置
2の側面に、超高速溶射ガン3を設置した台車4を設置
し、鋳鉄管1を回転させると共に台車4を鋳鉄管1の一
端1Aから他端1B側へと移動させつつ超高速溶射ガン
3から合金粉末を溶射することによって行なった。 【0012】上記溶射工程での溶射材料の歩留まりを (使用全材料−落下材料)/(全使用材料)×100% により算出したところ、表1左欄に示す結果となった。 【0013】また、金属被膜を形成した鋳鉄管1の溶射
金属被膜硬度(Hv)を測定すると共に塩水噴霧による
耐蝕性試験を実施したところ、表1中欄、右欄に示す結
果となった。 【0014】 【表1】 【0015】表1において「純アルミ粉末の混合割合」
の欄で添加なしは、ベース材であるAl-Si-Mn系合金粉末
だけを使用した場合を示す。表1より明らかなように純
アルミ粉末の添加量が20重量%を超えた時点から溶射歩
留まりが良くなり添加量50重量%では70%に達した。 【0016】一方、溶射被膜硬度は純アルミ粉添加なし
の223Hvを最強として純アルミ粉の添加量増加に伴っ
て硬度が低下し、添加量40重量%で目標許容値180Hv
より低下することが判明した。 【0017】塩水噴霧試験による耐蝕試験も被膜硬度と
ほぼ同様な傾向を示し、純アルミ粉添加なしから添加量
30重量%までは60日経過後も発錆なしであったが40重量
%添加を超えると赤錆発生が見られ、耐食性が低下する
ことが判明した。 【0018】以上より、溶射歩留まりがよく同時に溶射
被膜硬度、耐食性の満足できる純アルミ粉末添加量の範
囲は20〜30重量%が良いことが判明した。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、この発明は超高速
フレーム溶射により金属被膜を形成する場合、溶射材料
に添加した純アルミ粉末により溶射歩留まりが従来に比
べてよくなり、また純アルミ粉末の添加による塗膜強度
の低下も少なく、経済的な溶射被膜の成形に寄与する効
果を有する。
射材料に関し、詳しくは、超高速フレーム溶射装置で溶
射されることにより金属管外面に耐蝕用金属皮膜を形成
する合金粉末材料の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、鋳鉄管の外周の耐蝕性を向上させ
るため、耐蝕性に優れる金属粉末を超高速フレーム溶射
で溶射し金属皮膜を形成することが行われる。 【0003】この超高速フレーム溶射は、アセチレンあ
るいはプロパンと酸素を用いたジェット炎で溶融した金
属粒子を金属板表面に吹き付けて金属皮膜を形成するも
ので、溶融可能な金属であれば耐蝕性に富む合金類が選
択でき、地中埋設されるダクタイル鋳鉄管の防食皮膜と
して優れた性能が得られる効果を有する。 【0004】上記のような耐蝕性に富む溶射材料とし
て、アルミニウム、シリコン、マンガン系(以下Al-Si-
Mn系という)の合金粉末が一般に知られている。このAl
-Si-Mn系合金粉末は通常、アルミ75〜85%、シリコン3
〜6%、マンガン10〜20%の合金とされる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記Al-Si-
Mn系合金粉末はダクタイル鋳鉄管外面に超高速フレーム
溶射した場合、溶射歩留まりが30%程度とかなり悪く、
製造コストが非常に高価となる問題があった。 【0006】この発明は上記問題点を解消することを目
的としてなされたものであって、超高速フレーム溶射に
使用されるAl-Si-Mn系合金粉末の、金属被膜としたとき
の耐蝕性を損なうことなく溶射歩留まりを向上させるこ
とを目的としてなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ちこの発明の外面耐蝕
管の溶射材料は、超高速フレーム溶射ガンで溶射される
ことにより金属管外面に耐蝕用金属皮膜を形成する合金
粉末材料であって、アルミ、シリコン、マンガン系合金
粉末に純アルミ粉末を20〜30重量%添加してなることを
特徴とするものである。 【0008】即ち、従来使用されているAl-Si-Mn系合金
粉末に溶融点の低い純アルミ粉末を添加することにより
溶射時に純アルミ粉末を溶融させ、これによって下地に
対する他の材料の付着性を良くし、歩留まりを良くする
のである。 【0009】なお、純アルミ粉末の添加量を20〜30重量
%とするのは、20重量%より少ないと溶射歩留まりがそ
れほど改良されないためであり、30重量%より増加する
と溶射歩留まりは良くなるものの、溶射被膜強度が低下
し耐蝕性に問題が生じるからである。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。まず、ベースとなるAl-Si-Mn系合金粉末として
アルミ81%、シリコン4%、マンガン15%からなる合金
粉末を用意し、これに純アルミ粉末を内割りで10重量
%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%となるよ
うに添加し、それぞれを均一に混合して溶射材料とし
た。 【0011】この溶射材料を超高速フレーム溶射ガンに
供給しダクタイル鋳鉄管外面に溶射し金属被膜を形成し
た。溶射は、図1に示すように鋳鉄管1の回転支持装置
2の側面に、超高速溶射ガン3を設置した台車4を設置
し、鋳鉄管1を回転させると共に台車4を鋳鉄管1の一
端1Aから他端1B側へと移動させつつ超高速溶射ガン
3から合金粉末を溶射することによって行なった。 【0012】上記溶射工程での溶射材料の歩留まりを (使用全材料−落下材料)/(全使用材料)×100% により算出したところ、表1左欄に示す結果となった。 【0013】また、金属被膜を形成した鋳鉄管1の溶射
金属被膜硬度(Hv)を測定すると共に塩水噴霧による
耐蝕性試験を実施したところ、表1中欄、右欄に示す結
果となった。 【0014】 【表1】 【0015】表1において「純アルミ粉末の混合割合」
の欄で添加なしは、ベース材であるAl-Si-Mn系合金粉末
だけを使用した場合を示す。表1より明らかなように純
アルミ粉末の添加量が20重量%を超えた時点から溶射歩
留まりが良くなり添加量50重量%では70%に達した。 【0016】一方、溶射被膜硬度は純アルミ粉添加なし
の223Hvを最強として純アルミ粉の添加量増加に伴っ
て硬度が低下し、添加量40重量%で目標許容値180Hv
より低下することが判明した。 【0017】塩水噴霧試験による耐蝕試験も被膜硬度と
ほぼ同様な傾向を示し、純アルミ粉添加なしから添加量
30重量%までは60日経過後も発錆なしであったが40重量
%添加を超えると赤錆発生が見られ、耐食性が低下する
ことが判明した。 【0018】以上より、溶射歩留まりがよく同時に溶射
被膜硬度、耐食性の満足できる純アルミ粉末添加量の範
囲は20〜30重量%が良いことが判明した。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、この発明は超高速
フレーム溶射により金属被膜を形成する場合、溶射材料
に添加した純アルミ粉末により溶射歩留まりが従来に比
べてよくなり、また純アルミ粉末の添加による塗膜強度
の低下も少なく、経済的な溶射被膜の成形に寄与する効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属管の溶射装置の平面図である。
【符号の説明】
1 鋳鉄管
1A 鋳鉄管の一端
1B 鋳鉄管の他端
2 支持装置
3 超高速フレーム溶射ガン
4 台車
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平8−188865(JP,A)
特開 昭51−126937(JP,A)
特開 平8−176784(JP,A)
特開 平4−56757(JP,A)
特開 平8−165552(JP,A)
特開 平9−209115(JP,A)
特開 昭53−68611(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 4/00 - 4/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】超高速フレーム溶射ガンで溶射されること
により金属管外面に耐蝕用金属皮膜を形成する合金粉末
材料であって、アルミ、シリコン、マンガン系合金粉末
に純アルミ粉末を20〜30重量%添加してなることを特徴
とする外面耐蝕管の溶射材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27026597A JP3428396B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 外面耐蝕管の溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27026597A JP3428396B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 外面耐蝕管の溶射材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11106888A JPH11106888A (ja) | 1999-04-20 |
JP3428396B2 true JP3428396B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=17483852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27026597A Expired - Fee Related JP3428396B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 外面耐蝕管の溶射材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3428396B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103375658A (zh) * | 2012-04-18 | 2013-10-30 | 新兴铸管股份有限公司 | 铸铁管道锌铝镁复合防腐涂层及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP27026597A patent/JP3428396B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103375658A (zh) * | 2012-04-18 | 2013-10-30 | 新兴铸管股份有限公司 | 铸铁管道锌铝镁复合防腐涂层及其制备方法 |
CN103375658B (zh) * | 2012-04-18 | 2016-01-20 | 新兴铸管股份有限公司 | 铸铁管道锌铝镁复合防腐涂层及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11106888A (ja) | 1999-04-20 |
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