JP3427367B2 - 単ピン抜去治具 - Google Patents

単ピン抜去治具

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▲高▼志 桑原
智彦 阿曽
貴祐 小見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】一例として、プレスフィット
タイプのコネクタ(端子の集合体)において、基板にコ
ネクタを圧入後、何らかの原因により圧入されたコネク
タの端子を単ピンで修正する必要が生じる場合がある。
このような場合に、本発明は、ピンを1本ずつ抜去する
ために必要な単ピン抜去治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の単ピン抜去治具を図5と図6を参
照して説明する。
【0003】L字形状のレバー50は、本体55に支持
ピン62により回転可能に取り付けられている。レバー
50の一端は、把持爪52の孔52aに係合し、把持爪
52は、把持爪52と本体55上の押さえ板61の間に
納められたバネ63により下方へ押圧されている。把持
爪53は、把持ピン65により把持爪52に回転可能に
取り付けられている。把持爪52と把持爪53の各先端
部は、対向しており、また、把持爪53は、バネ64に
より把持爪52との間隔が広くなる方向へ押圧されてい
る。更に、把持爪53に設けられたカム53aは、本体
55の側部に固定されたブロック51の内面下部に設け
られたカム51aに圧接している。
【0004】本体55の前後には、サイドカバー57
a,57bが配置され、サイドカバー57a,57b
は、それらの上部左右両側がカバー54,60により覆
われ、また、それらの上部左側が位置決めカム58に当
接している。位置決めカム58をピン59を中心として
左又は右方向へ回転させると、本体55、レバー50、
把持爪52、把持爪53、ブロック51及び押さえ板6
1は、左又は右方向へ移動する。位置決めサドル56
は、単ピン抜去治具をコネクタのハウジング80に対し
て位置決めする役割を果す。
【0005】位置決めカム58の回転により、一対の把
持爪52,53を抜去すべき端子の両側に持ち来たした
後、レバー50を支持ピン62を中心として左回転させ
る。すると、把持爪52は、バネ63を圧縮しながら上
方へ移動する。
【0006】このとき、まず、把持爪53は、そのカム
53aがカム51aに押圧されるため、バネ64を圧縮
しながら把持爪52との間隔を狭くし、一対の把持爪5
2,53の各先端部に設けられた鋸歯状の刃は、端子
(図示せず)を把持する。次に、一対の把持爪52,5
3は、端子をコネクタのハウジング80から抜去する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の単ピン抜去
治具には、次の2つの欠点があった。第1の欠点は、爪
の支持方法が片持ち梁であるから、爪の剛性を増強する
ために寸法を大きくせざるを得なかったことであり、し
たがって、高密度実装用の狭ピッチのコネクタには対応
できなかったことである。また、第2の欠点は、端子を
抜去するときの反力をコネクタのハウジングの壁で受け
ていたから、単ピン抜去治具の構造物が抜去対象の端子
を遮へいするので、目視確認することができず、作業性
を劣悪にしていたことである。
【0008】そこで、本発明は、前記従来の単ピン抜去
治具の欠点を改良し、ピンを強い力で把持し、小型で、
かつ、ピンの目視確認が容易で作業性が向上する単ピン
抜去治具を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の手段を採用する。
【0010】(1)外周面にテーパ部を有し、かつ、ピ
ンを挟持する部分の間隔が調節可能な一対の把持爪と、
前記テーパ部に相応するテーパ部を内周面に有するスリ
ーブと、前記一対の把持爪を前記スリーブ内で摺動させ
るシャフトと、前記シャフトを駆動する倍力機構とを有
し、前記倍力機構は一対のレバーから構成され、前記ス
リーブの先端を前記ピンが圧入固定された対象物に当接
させ、前記ピンを抜去するときの反力を前記スリーブを
介して前記対象物で受けるように構成され、前記一対の
レバーを把持すると、前記一対のレバーの一方が回転し
て、前記シャフトが摺動し、前記一対の把持爪のテーパ
部が前記スリーブのテーパ部に押圧されることにより、
前記一対の把持爪は前記ピンを把持爪し、前記一対の把
持爪と前記スリーブとの一方向の相対運動によって前記
ピンを抜去する単ピン抜去治具。
【0011】(2)前記一対の把持爪の内側に鋸歯状の
刃を有する前記(1)記載の単ピン抜去治具。
【0012】
【0013】本発明におけるスリーブの寸法を小さくす
ることができる理由を、以下に力学の計算により検証す
る。
【0014】A.本発明によるスリーブ方式 把持爪の把持の反力は、図7(a)に示されるように、
円筒のスリーブで受けられる。把持力をF、縦ひずみを
ε、引っ張り応力をσ、板厚をt、把持爪の長さをL、
縦弾性係数をEとすると、 E=σ/ε=F/2tLε この式から板厚tを求めると、 t=F/2ELε B.従来の片持ち梁方式 把持爪の把持の反力は、図7(b)に示されるように、
把持爪自身すなわち片持ち梁で受けられる。把持力を
F、たわみをδ、板幅をb、板厚をh、把持爪の長さを
L、縦弾性係数をE、断面二次モーメントをIとする
と、 δ=FL3 /3EI=12FL3 /3Ebh3 この式から板厚hを求めると、 h3 =12FL3 /3Ebδ ここで、材料には鋼を用い、E=21200kg/mm
2 、L=10mm、F=10kg、ε=0.01mm、
δ=0.1mm、b=2.54mmを代入して、スリー
ブの板厚t及び把持爪の板厚hを求めると、 t=2.35×10-3mm h=1.95mm となって、従来の片持ち梁構造の爪の板厚よりもはるか
に薄い板厚によって本発明のスリーブを構成することが
できる。また、本発明のスリーブの板厚tは、スリーブ
の直径に依存しないので、加工技術上可能な限りスリー
ブを小さい部品に製作することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態例の単ピン
抜去治具を図1〜図4を参照して説明する。
【0016】まず、単ピン抜去治具の構成を図1〜図3
を参照して説明する。単ピン抜去治具の先端のスリーブ
1をカップリングナット2に固定し、カップリングナッ
ト2を本体3にねじ込む。下レバー4を上レバー5に支
点ピン7により取り付け、また、本体3内とカップリン
グナット2内とスリーブ1内に挿通されているシャフト
9に下レバー4を作用ピン6により取り付ける。上レバ
ー5にねじ込まれたボルト8は、バネ10を介してシャ
フト9を単ピン抜去治具の先端部14の方向へ押圧す
る。
【0017】シャフト9の先端には、連結ピン13によ
り一対の把持爪11,12を取り付ける。一対の把持爪
11,12は、それらの先端部の付近の外周面に円錐台
の周面形状のテーパ部11a,12aを有し、また、そ
れらの先端部に設けられた鋸歯状の刃11b,12bの
間隔は、調節可能である。一対の把持爪11,12のテ
ーパ部11a,12aに相応して、スリーブ1は、その
先端部の付近の内周面に円錐台の周面形状のテーパ部1
aを有する。
【0018】次に、単ピン抜去治具の動作を図4を参照
して説明する。単ピン抜去治具は、動作前では図1と図
2に示されるように下レバー4と上レバー5が開いた状
態にある。このとき、一対の把持爪11,12とスリー
ブ1は、図4(a)に示される位置関係にあり、一対の
把持爪11,12は、開いた状態にある。ハウジングの
底部21と基板22にそれぞれ設けられた孔21a,2
2aには、端子20が圧入固定されている。端子20の
先端部には、コンプライアンス部20aが設けられてい
る。前記状態を維持したまま、図4(b)に示されるよ
うに単ピン抜去治具の先端部14を端子20に嵌合す
る。続いて、下レバー4と上レバー5を若干把持する
と、作用ピン6を介してシャフト9が本体3に対して上
方向へ相対運動を行い、図4(c)に示されるように、
一対の把持爪11,12は、それらのテーパ部11a,
12aがスリーブ1のテーパ部1aに押圧されることに
より、それらの鋸歯状の刃11b,12bの間隔を狭く
される。この結果、一対の把持爪11,12は、端子2
0の上端部を把持する。更に、下レバー4と上レバー5
を把持すると、図4(d)に示されるように、端子20
は、基板22の孔22aとハウジングの底部21の孔2
1aから抜去されることになる。端子20を抜去すると
きの反力は、スリーブ1を介してハウジングの底部21
で受けられることになる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次の効果を奏することができる。
【0020】(1)十分な把持力を持った単ピン抜去治
具を小型に構成することができる。したがって、高密度
実装用の狭ピッチのコネクタの端子抜去治具等に好適で
ある。
【0021】(2)抜去したい端子等のピンの位置を容
易に目視確認することができるから、作業性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の単ピン抜去治具の斜
視図である。
【図2】本発明の一実施の形態例の単ピン抜去治具の正
面図である。
【図3】本発明の一実施の形態例の単ピン抜去治具にお
ける先端部の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態例の単ピン抜去治具の動
作を説明するための断面図であり、動作を順次(a)〜
(d)に示す。
【図5】従来の単ピン抜去治具の斜視図である。
【図6】従来の単ピン抜去治具の正面図と断面図であ
る。
【図7】本発明のスリーブ方式及び従来の技術の片持ち
梁方式の力学計算をするための図であり、(a)は本発
明のもの、(b)は従来の技術のものである。
【符号の説明】
1 スリーブ 1a テーパ部 2 カップリングナット 3 本体 4 下レバー 5 上レバー 6 作用ピン 7 支点ピン 8 ボルト 9 シャフト 10 バネ 11 把持爪 11a テーパ部 11b 鋸歯状の歯 12 把持爪 12a テーパ部 12b 鋸歯状の歯 13 連結ピン 14 先端部 20 端子 20a コンプライアンス部 21 ハウジングの底部 21a 孔 22 基板 22a 孔
フロントページの続き (72)発明者 小見 貴祐 東京都渋谷区道玄坂1丁目21番2号 日 本航空電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−8032(JP,A) 特開 昭59−134674(JP,A) 特開 平8−141929(JP,A) 実開 平5−88877(JP,U) 実開 平4−67973(JP,U) 実開 昭59−163470(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25B 25/00 - 33/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にテーパ部を有し、かつ、ピンを
    挟持する部分の間隔が調節可能な一対の把持爪と、前記
    テーパ部に相応するテーパ部を内周面に有するスリーブ
    と、前記一対の把持爪を前記スリーブ内で摺動させるシ
    ャフトと、前記シャフトを駆動する倍力機構とを有し、
    前記倍力機構は一対のレバーから構成され、前記スリー
    ブの先端を前記ピンが圧入固定された対象物に当接さ
    せ、前記ピンを抜去するときの反力を前記スリーブを介
    して前記対象物で受けるように構成され、前記一対のレ
    バーを把持すると、前記一対のレバーの一方が回転し
    て、前記シャフトが摺動し、前記一対の把持爪のテーバ
    部が前記スリーブのテーパ部に押圧されることにより、
    前記一対の把持爪は前記ピンを把持し、前記一対の把持
    爪と前記スリーブとの一方向の相対運動によって前記ピ
    ンを抜去することを特徴とする単ピン抜去治具。
  2. 【請求項2】 前記一対の把持爪の内側に鋸歯状の刃を
    有することを特徴とする請求項1記載の単ピン抜去治
    具。
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