JP3427210B2 - 投影露光装置、投影露光方法、及びその投影露光方法を用いたデバイス製造方法、及びそのデバイス製造方法により製造されたデバイス - Google Patents

投影露光装置、投影露光方法、及びその投影露光方法を用いたデバイス製造方法、及びそのデバイス製造方法により製造されたデバイス

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JP3427210B2
JP3427210B2 JP13898292A JP13898292A JP3427210B2 JP 3427210 B2 JP3427210 B2 JP 3427210B2 JP 13898292 A JP13898292 A JP 13898292A JP 13898292 A JP13898292 A JP 13898292A JP 3427210 B2 JP3427210 B2 JP 3427210B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子等の微細パ
ターンの形成技術における露光方法及び投影露光装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の投影露光装置では、マス
ク(レチクル)上のパターンが存在する面のフーリエ変
換面となる照明光学系の面(以後、照明光学系の瞳面と
称す)、もしくはその近傍の面において、光量分布が照
明光学系の光軸を中心とした円形(または矩形)となる
ような照明光束でレチクルを照明する構成を採ってい
た。ところで、この装置に使用されるレチクル(石英等
のガラス基板)上には、照明光束に対する透過率がほぼ
100%である透過部(基板裸面部)と、透過率がほぼ
0%である遮光部(クロム等)とで構成された回路パタ
ーンが描かれていた。また、透過部のうちの所定の領域
に、他の透過部からの透過光に対して、透過光の位相を
π(rad) だけずらす、いわゆる位相シフター(SOG
等)を設けた位相シフトレチクルを使用することも提案
されている。この位相シフトレチクルを使用すると、前
述の透過部と遮光部のみからなるレチクル(以後、通常
レチクルと称す)を使用する場合に比べて、より微細な
パターンの転写が可能となる。これは位相シフトレチク
ルの使用が、解像力を向上させる効果があることを意味
する。
【0003】さらに、例えば特開平4−101148号
公報に開示されているように、照明光学系の瞳面(フラ
イアイレンズの射出側面)、もしくはその近傍面内での
照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸に対して偏心
した離散的な複数の部分領域に制限し、レチクルパター
ンに対して照明光束を傾けて照射する、いわゆる傾斜照
明法(変形光源法)等も提案されている。この他、露光
中に感光性基板(ウエハ)を投影光学系の光軸方向に移
動または振動することにより、投影露光装置の見掛け上
の焦点深度を増大する方法(以後、累進焦点露光方法と
称す)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の如
き従来技術において、前述の通常レチクルを使用した場
合、ウエハ上に解像できるレチクル上の回路パターンの
微細度(ピッチ)は、露光に用いる光の波長をλ(μ
m)、投影光学系のレチクル側の開口数をNAとしたと
き、λ/NA(μm)程度が限界であった。これは像の
形成が、光の波としての性質である回折と干渉によるた
めであり、この限界以下のサイズのパターンからの回折
光の投影光学系の瞳面での通過位置は図6に示す通りで
ある。すなわち、投影光学系の瞳面14を通過できる光
束は0次回折光D0Vのみであり、+1次回折光DPV及び
−1次回折光DMVは瞳面14を透過することができな
い。従って、ウエハに達する光束は0次回折光D0Vのみ
となり、±1次回折光DPV、DMVが到達しないため、ウ
エハ上では干渉縞、すなわちレチクルパターン像が形成
されないことになる。
【0005】一方、位相シフトレチクルを用いると、通
常レチクルを使用した場合より微細なパターンの転写が
可能ではあるが、位相シフトレチクルは製造が困難であ
る。例えば、通常レチクルはガラス基板にクロム等によ
り遮光パターンを形成するだけで良いが、位相シフトレ
チクルは遮光パターン形成とは別に、位相シフターパタ
ーンの形成が必要である。従って、その製造にあたって
は少なくとも2回のパターニングと、それら各パターン
の位置合わせが必要である。しかも位相シフトレチクル
の欠陥検査方法はいまだに確立されておらず、実用化が
難しいのが現状である。
【0006】また、上記の如き傾斜照明法を採用した投
影露光装置では、照明光学系の開口数を従来より大きく
する必要がある。このため、照明光学系の設計、製造は
従来に比べて困難になり、その大きさも従来に比べて極
めて大きくなる。装置の大型化は装置自体のコストアッ
プのみに止まらず、投影露光装置を使用する環境がクリ
ーンルームであることによりクリーンルームの大型化を
必要とし、ランニングコストも増大するという問題もあ
る。
【0007】さらに、前述の累進焦点露光方法において
は、特に孤立パターンに対しては、通常の露光方法に比
べて、見掛け上大きな焦点深度が得られるが、これ以外
のパターン(周期性パターン等)に対しては効果が低
い。また、この方法は焦点深度の増大の効果はあって
も、解像度の向上は原理的に不可能である。本発明は上
記の問題点に鑑みてなされたもので、装置自体を大型化
することなく、製造の容易なレチクルを使用して高解像
度、かつ大焦点深度の投影露光が可能な投影露光装置を
得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】 請求項1に記載の発明
では、照明光学系(1〜8、18)からの照明光でマス
ク(10)のパターン面上に形成されたパターン(1
1)を照明し、マスクのパターンの像を投影光学系(1
2)を介して基板(13)上に転写する投影露光装置に
おいて、マスクのパターンは、透過部(11a)と、透
過部を透過する照明光に対してほぼ(2n+1)π(n
は整数)の位相差を与える半透過部(11b)とで構成
された微細パターン(11)を含み、微細パターンに対
して照明光の入射側に離して配置され、且つ入射した照
明光の少なくとも一部をそれ自身で偏向させる偏向部材
(9)を構成し、偏向部材を介した照明光(L 1 ,L 2
を用いることにより、微細パターンを、マスクのパター
ン面と垂直な方向に対して傾いた方向から照明すること
としたまた請求項17に記載の発明では、照明光学系
(1〜8、18)からの照明光でマスク(10)のパタ
ーン面上に形成されたパターン(11)を照明し、マス
クのパターンの像を投影光学系(12)を介して基板
(13)上に転写する投影露光方法において、マスクの
パターンは、透過部(11a)と、透過部を透過する照
明光に対してほぼ(2n+1)π(nは整数)の位相差
を与える半透過部(11b)とで構成された微細パター
ンを含み、微細パターンに対して照明光の入射側に離し
て配置され、且つ入射した照明光をそれ自身で偏向せし
める偏向部材(9)を用いて、前記偏向部材に入射した
照明光の少なくとも一部を偏向させ、偏向部材を介した
照明光(L 1 ,L 2 )を用いて、微細パターンを、マスク
のパターン面と垂直な方向に対して傾いた方向から照明
することとした
【0009】
【作用】本発明では、透過部と、該透過部を透過する照
明光に対してほぼ(2n+1)π(nは整数)の位相差
を与える半透過部とで構成された微細パターンを有する
マスクを使用すると共に、該マスクに対する傾斜照明
を、入射した照明光をそれ自身で偏向させる偏向部材を
用いて実現できるように構成したので、マスクに対する
傾斜照明を簡単な構成で実現することができ、且つ微細
なパターンの転写が可能となり、高解像度で大焦点深度
の投影露光が可能となる。また照明光学系の大型化する
ことなくレチクルパターンに対する傾斜照明を実現する
こともできる。 また偏向部材をマスクに固定して一体に
搬送可能に構成すれば、照明光学系のコヒーレンスファ
クターσを最適値に変更するだけで従来の投影露光装置
をそのまま利用して高解像度、かつ大焦点深度の投影露
光が可能となる。また本実施例によれば、半透過部の透
過率を変化させると、マスクパターンから発生する各回
折光の強度(例えば周期的構造を有するパターンからの
0次回折光や1次回折光の強度)、及びその比を変化さ
せることができる。従って、各パターンの線幅、周期性
(ピッチ)、方向性等に応じた最適な透過率を与えるこ
とで、各パターンに最適の結像状態を与えることができ
る。
【0010】さらに、マスクのパターンの光源側に所定
間隔だけ離して配置され、かつ照明光が入射したとき、
入射光の少なくとも一部をマスクのパターンに対して所
定角度だけ偏向させる偏向部材(回折格子状パターン
等)を用いて、マスクのパターンに対して照明光を傾け
て照射することとした。このため、照明光学系を大型化
することなく、レチクルパターンに対する傾斜照明を実
現することができる。このとき、投影光学系の瞳面(マ
スクのパターンに対する光学的なフーリエ変換面)、も
しくはその近傍面内での照明光束の通過位置は、回折格
子状パターンのピッチ、周期方向によって制御される。
従って、マスクのパターンの微細度(ピッチ、線幅等)
や方向性等に応じた最適な回折格子状パターンを用いる
ことにより、マスクパターンに最適な照明条件で傾斜照
明を行うことができ、パターンの解像度、及び焦点深度
を向上させることが可能となる。
【0011】また、露光中に感光性基板を投影光学系の
光軸方向に移動、もしくは振動させるようにしたため、
感光性基板の表面上に段差等がある場合にも、その上部
においても下部においても、それぞれ良好に解像するこ
とが可能となる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の実施例による投影露光装置の
概略的な構成を示す図である。図1において、光源1で
発生した露光用照明光(i線等)ILは楕円鏡2、及び
反射鏡3で反射された後、レンズ系(インプットレン
ズ)4によりほぼ平行な光束となってフライアイレンズ
5に入射する。ここで、楕円鏡2の第2焦点近傍には、
照明光ILの光路を閉鎖、開放するシャッター15が配
置され、駆動系17によりシャッター15を駆動するこ
とで露光量制御等が行われる。また、フライアイレンズ
5の射出側面はレチクルパターンに対するフーリエ変換
面となっており、その射出側面近傍には開口絞り(可変
絞りでも良い)18が設けられている。開口絞り18は
照明光学系の開口数NAIL、すなわちσ値(投影光学系
のレチクル側開口数NAと照明光学系の開口数NAIL
の比)を規定するための絞りであり、本実施例ではσ値
(コヒーレンスファクター)が0.1〜0.3程度とな
るようにその開口径が定められている。
【0013】さて、フライアイレンズ5を射出した照明
光ILはコンデンサーレンズ6、8、及び反射鏡7を介
して、裏面(レチクル側の面)に回折格子パターン(本
発明の偏向部材)9Gが形成されたガラス基板9に入射
する。ガラス基板9は照明光ILに対して透明な基板
(石英基板等)であり、回折格子パターン9Gはガラス
基板9の表面(片面)上に所定のピッチで設けられてい
る位相格子(デューティは1:1)である。尚、位相格
子パターン9Gは誘電体薄膜をパターンニングしたもの
である(詳細後述)。
【0014】ところで、ガラス基板9にほぼ垂直に入射
した照明光ILは回折格子パターン9Gを照射する。照
明光ILがほぼ垂直に位相型格子である回折格子パター
ン9Gに照射されると、回折格子パターン9Gからは±
1次回折光L1 、L2(図2)のみが発生し、ここで回折
された±1次回折光は、投影光学系12の光軸AXに対
して所定角度θだけ傾いてレチクル10に形成されたパ
ターン11に入射する。ここで、位相型格子を用いたの
は,解像力向上や焦点深度増大に好ましくない0次回折
光を発生させないためである。また、図1中には示して
いないが、ガラス基板9は不図示の保持部材によって、
回折格子パターン9Gとレチクルパターン11とが光軸
方向にΔtだけ離れるように保持されているものとす
る。
【0015】レチクル10を通過した照明光ILは投影
光学系12に入射し、投影光学系12はレチクル10の
パターン11の投影像を、表面にレジスト層が形成され
たウエハ13上に投影(結像)する。尚、投影光学系1
2の瞳面14、もしくはその近傍面内に可変開口絞りを
設け、投影光学系12の開口数を任意に変更できるよう
に構成しても良い。ウエハ13はその表面が投影光学系
12の最良結像面とほぼ一致するようにウエハステージ
WS上に保持されており、ウエハステージWSは駆動系
19により光軸方向(Z方向)に微動可能であるととも
に、ステップアンドリピート方式で2次元移動可能に構
成されている。ウエハステージWSの2次元的な位置は
不図示の干渉計によって、例えば0.01μm程度の分
解能で常時検出される。主制御系16は装置全体を統括
制御するものであり、例えば駆動系19によって1ショ
ットの露光中にウエハ13をZ方向に移動、または振動
させる。図1中には示していないが、レチクル10の照
明エリアを任意に変更するためのレチクルブラインド
(可変視野絞り)が、照明光学系中のレチクルパターン
11とほぼ共役な位置に設けられているものとする。ま
た、光源1としては水銀ランプ等の輝線ランプやエキシ
マレーザ等のレーザ光源が用いられる。
【0016】ここで、従来の投影露光装置を用いて解像
限界以下のピッチのパターンを有するレチクルを照明し
たときには、レチクルパターンで発生した回折光のうち
0次光しか投影光学系を通過することができず、ウエハ
上にレチクルパターンを解像できなかった。しかしなが
ら、このようなレチクルに対して上記構成の装置(図
1)を用いて照明を行えば、回折格子パターン9Gから
発生した1次回折光はレチクル10に所定の角度をもっ
て入射するので、レチクルパターン11から発生した±
1次回折光のうちのいずれか一方と0次回折光との計2
光束が、投影光学系12の瞳面14を光軸AXからほぼ
等距離だけ離れて通過することが可能となり、よりピッ
チの小さい、換言すれば微細なパターンの解像が可能と
なる。すなわち、上記構成の装置では回折格子パターン
(偏向部材)をレチクル10の光源側近傍に設けること
により、原理的には傾斜照明法(変形光源法)と等価な
照明を実現させたものである。
【0017】次に、図4を参照して本実施例に用いられ
るレチクルのパターンについて説明する。図4におい
て、光透過性の石英(またはガラス)基板であるレチク
ル10の片側の面には、所定の透過率を有する半透過部
11bと高い透過率(ほぼ1)を有する透過部11aと
で構成された回路パターン11が形成されている。半透
過部11bを透過した透過光は、透過部11aを透過し
た透過光に比べて(2n+1)π(nは整数)だけ位相
差を有し、かつ透過エネルギーは1/4程度以下となっ
ている。この透過部11aはレチクル10の基板面その
もので良い。また、半透過部11bは金属薄膜、誘電体
薄膜(特に光吸収性誘電体薄膜)、あるいはこれらの材
料の多層膜で形成されている。尚、図4中のA部は1次
元のラインアンドスペースパターンを、B部は孤立スペ
ースパターン、C部は孤立ラインパターンをそれぞれ表
している。
【0018】ところで、上記の如きレチクルパターン1
1は、レチクル10の片側の面に上記材料の薄膜を所定
の膜厚(半透過部11bの透過光に与えるべき位相差と
透過エネルギー量とに応じて一義的に定められる)で形
成した後、1度のパターニングにより形成が可能であ
る。従って、位相シフトレチクルが遮光部材と位相シフ
ターとの各々での2度のパターニング、及び各パターン
間の位置合わせを要するのに比べて、その製造が格段に
容易である。尚、半透過部11bを1種類の薄膜で構成
する場合、上記位相差と透過エネルギー量とをその膜厚
のみで制御しなければならず、上記形成条件を満足する
ことは難しい。そこで、半透過部を複数の薄膜を積層し
た多層構造、例えばクロム層とSOG層との2層構造と
し、各膜厚で位相差と透過エネルギー量とを独立に制御
可能に構成すれば、上記形成条件を簡単に満足でき、し
かも1度のパターニングでレチクルパターンを形成する
ことが可能となる。
【0019】以上のように、本実施例では透過部(基板
裸面部)11aと、透過部11aからの透過光に対して
その透過光の位相が(2n+1)πだけ異なり、かつ透
過エネルギーが1/4程度以下の半透過部11bとで構
成されたパターン11を有するレチクル(以後、ハーフ
トーンレチクルと称する)10を、その光源側に所定間
隔Δtだけ離して配置した回折格子パターン9Gからの
回折光によって照明し、投影光学系12を介してウエハ
13上に投影露光するものである。次に、この露光方法
について図2及び図5を参照して説明する。
【0020】図2はガラス基板9の部分拡大図であり、
回折格子パターン9GはピッチPGで、かつ透過光の位
相が互いに(2m+1)π(mは整数)、ここではπ(r
ad)だけ異なるように形成された1次元の位相型回折格
子である。この種の位相型回折格子では0次回折光の強
度が零となり、ここで発生する回折光の大部分は±1次
回折光となることが知られている。すなわち、照明光I
Lを回折格子パターン9Gを介してレチクル10に照射
する場合、レチクルパターン11に到達する光の大部分
は回折格子パターン9Gから発生した±1次回折光
1 、L2 である。従って、回折格子状パターン9Gか
らの±1次回折光L1 、L2 はレチクル10と垂直な方
向(投影光学系12の光軸方向)に対して互いに角度θ
(sinθ=λ/PG 、λ:露光光ILの波長)だけ傾いて
対称的にレチクルパターン11に入射することになる。
尚、上記角度θ、すなわちピッチPG はレチクルパター
ン11の微細度(ピッチ)に応じて一義的に定められる
ものである。
【0021】図5は、本実施例による露光方法を用いて
レチクル10(図4)の照明を行ったときに回路パター
ン11、特に1次元のラインアンドスペースパターン
(図4中のA部)からの回折光の発生、及び結像の様子
を示す図である。図5では説明を簡単にするため、レチ
クル10のパターン面(投影光学系12側の面)には透
過部11aと半透過部11bとからなる1次元のライン
アンドスペースパターン(デューティ1:1)のみを示
している。本実施例の投影露光装置においてレチクル1
0を直接照明する光束は、前述のようにレチクル10の
光源側近傍に配置された回折格子パターン9Gから発生
する±1次回折光L1 、L2 である。ここではその一方
(+1次回折光L1)のみについて説明する。
【0022】さて、レチクル10に入射する照明光束
(回折光)L1 は、レチクルパターン11が描画されて
いる方向(長手方向)に対してほぼ垂直な方向(パター
ン11の周期方向であって、図中ではX方向)からレチ
クル10に対して、回折格子パターン9Gでの回折角θ
を入射角として入射する。尚、この入射角(回折角)θ
はレチクルパターン11のピッチPR 、すなわちレチク
ルパターン11で生じる回折光の投影光学系12の瞳面
14内での位置によって一義的に決定されるものであ
る。照明光束L1 がレチクル10に対して角度θだけ傾
いて入射すると、レチクルパターン11からはパターン
ピッチPR に応じた回折角の方向に0次回折光D0V、+
1次回折光DPV、及び−1次回折光DMVが発生する。図
5において投影光学系12の瞳面14を通過してウエハ
13に達する光束は、上記3光束のうちの0次回折光D
0Vと+1次回折光DPVとであり、これら2光束はウエハ
13上で干渉縞、すなわちパターン11の像を形成す
る。このときの投影光学系12の瞳面14での0次回折
光D0Vと+1次回折光DPVとの位置を図7に示す。ここ
で、レチクルパターン11は図6(従来技術による露光
方法)で用いたレチクルパターンと同一ピッチであり、
図7における0次回折光D0Vと+1次回折光DPVとの投
影光学系12の瞳面14上での距離は図6と等しくなっ
ている。従って、上記の如き傾斜照明を行うと、図7か
ら明らかなように、レチクルパターン11から発生する
±1次回折光のいずれか一方(図では+1次回折光
PV)と0次回折光(D0V)とが、投影光学系12の瞳
面(フーリエ変換面)14内で、投影光学系12の光軸
AXからほぼ等距離だけ離れて通過し、高解像度と大焦
点深度とが得られることになる。これは、レチクル10
の光源側近傍に回折格子パターン9Gを設けることによ
り、原理的には傾斜照明法(変形光源法)と等価な照明
が実現されるためである。
【0023】ここでは+1次回折光L1 のみについて説
明を行ったが、回折格子パターン9Gからの−1次回折
光L2 がレチクル10に入射しても、レチクルパターン
11からは0次、及び±1次回折光が発生し、これら回
折光のうち0次回折光と−1次回折光とが投影光学系1
2の瞳面14を通過してウエハ13上に達することにな
る。このとき、レチクルパターン11の一点からは回折
光L1 による0次回折光と回折光L2 による−1次回折
光とが同一方向に発生し、かつ回折光L1 による+1次
回折光と回折光L2 による0次回折光とが同一方向に発
生する。これは、レチクルパターン11に対して±1次
回折光L1 、L2 の各々が対称的に傾斜して照射される
ためである。従って、投影光学系の瞳面14での照度分
布、すなわち0次及び−1次回折光が通過する部分領域
と、+1次及び0次回折光が通過する部分領域との各照
度がほぼ等しくなり、これによってレジスト像にだれ等
が生じることがなくなる。尚、回折格子パターン9Gへ
の入射角も垂直のみでなく、垂直を中心としてある範囲
(照明光の開口数NAIL)を持つが、この場合発生する
回折光も上記のθ方向を中心としてNAILの範囲を有す
る。また、従来の投影露光装置でのパターンの解像限界
は±1次回折光が投影光学系を通過することが可能か否
かで決定される。すなわち、従来ではほぼPR >λ/N
Aで与えられるパターンサイズが解像限界となってい
た。これに対して、本実施例の投影露光装置ではほぼP
R >λ/2NAが解像限界となる。このことは、本実施
例で使用されるハーフトーンレチクルに限らず、従来型
のレチクルの場合にも言えることである。
【0024】さて、上述した如く本実施例ではレチクル
10の光源側近傍に設けられたガラス基板9の下面(レ
チクル側の面)に回折格子パターン9Gを形成している
が、レチクル10と垂直な方向(投影光学系の光軸方
向)に関するレチクルパターン11と回折格子パターン
9Gとの間隔Δtは狭い方が良い。これはパターン9G
の半影ぼけの影響等を除去するためである。そこで、レ
チクルパターンに対する傾斜照明を実現するための間隔
Δt(最小値)について説明する。
【0025】レチクルパターン11に対する照明光(±
1次回折光)の入射角NA0(= sinθ)、照明光学系の
開口数NAILのもとで、パターン11への照明光の最
大、最小入射角(正弦)NA1 、NA2 は次式で表され
る。
【0026】
【数1】
【0027】ところで、間隔(デフォーカス量に相当)
Δtのもとでの光軸近傍を通る光に対する入射角N
1 、NA2 の光の各光路差k1 、k2 は次式で表され
る。
【0028】
【数2】
【0029】従って、光路差k1 とk2 との差が露光波
長λ程度より長ければ、回折格子パターン9Gの像コン
トラストはほぼ零となる。すなわち、次式を満足すれば
良い。
【0030】
【数3】
【0031】ここで、上記数式1から次式が得られる。
【0032】
【数4】
【0033】また、PG ・NA0 =λが成り立つことか
ら、上記数式3は次式のように表される。
【0034】
【数5】
【0035】従って、レチクル10のパターン面と回折
格子パターン9Gの形成面との間隔Δtは、次式を満足
すれば良いことなる。
【0036】
【数6】
【0037】ところで、図2ではレチクルパターン11
(図4)に対して最適となる回折格子パターン9Gの一
例を示したが、そのピッチPG はPG =2×PR なる関
係に定められている。これは、レチクルパターン11、
特に1次元の周期性パターン(図4中のA部に相当し、
ピッチPR )に対して前述の如く sinθ=λ/2PR
なる入射角で照明を行うと焦点深度が増大し、回折格子
パターン9Gからの回折光を上記と同様な角度θで発生
させれば良いからである。すなわち、PG =2PR (sin
θ=λ/2PR =λ/PG 、∴PG =2PR )であれ
ば、周期性パターンの焦点深度を最大とすることができ
る。このとき、レチクルパターン11と回折格子パター
ン9Gとは互いにほぼ平行となるように配置され、かつ
回折格子パターン9Gの周期(ピッチ)方向とレチクル
パターン11の周期(ピッチ)方向とがほぼ一致するよ
うに、ガラス基板9とレチクル10とを相対回転させて
位置決めが行われる。また、本実施例では位相型回折格
子を用いており、レチクル10の屈折率をυとしたと
き、回折格子の溝の深さdを次式のように定める。尚、
回折格子パターン9Gのデューティ比は任意で構わない
が、0次、及び2次回折光の発生を防止する上で1:1
に定めておくことが望ましい。
【0038】
【数7】
【0039】さて、レチクルパターン11と回折格子パ
ターン9Gには前述の如く間隔Δt(Δt=d1+d
2、d1:レチクル上面と回折格子パターンとの距離、
d2:レチクル厚)があるため、照明エリアの端部にお
いては、レチクルパターン11上で回折による半影ボケ
D1が生じてしまう。この様子を図14に示す。図14
でB1は回折格子パターン9G上での照明光量分布を示
し、B2はレチクルパターン11上での照明光量分布を
示している。ここで、横軸は位置を表し、縦軸は光量を
示している。この照明光量分布位置はレチクルブライン
ド(視野絞り)の可変にともなって変動する。B1の明
暗境界における幅W0はレチクルブラインドの共役面、
すなわちレチクルパターン11と、回折格子パターン9
Gとの光軸方向の距離によるデフォーカスボケである。
一方、レチクルパターン11上での照明光量はB2の如
くなり、その半影幅W1は半影幅W0に比べて広くな
る。これは、図に示す回折光L1 (L2)の半影ボケによ
るものであり、半影幅W1はほぼ
【0040】
【数8】
【0041】となる。次に、図15を参照して半影によ
る影響を防止することについて述べる。便宜上、図15
ではΔtを固定値として説明する。半影の影響を防止す
るためには、回折格子パターン9Gの形成領域GAを、
X、Y方向の各々でレチクル10のパターン領域(遮光
帯LSBで囲まれた矩形領域)PAよりもW1/2程度
広げておく必要がある。これに伴って、前述の如く照度
分布の位置は移動し、レチクルパターン11の形成領域
全てに渡って±1次回折光L1 、L2 が対称的に照射さ
れ、かつ照度が均一となる。尚、レチクルブラインドも
これに合わせてW1/2程度相当分だけ広げておく必要
がある。
【0042】また、半影の影響を防止するためには遮光
部材が必要であり、例えばレチクルパターン11の必要
領域の外周に、幅W1の遮光帯(遮光パターン)を設け
ておく等の必要がある。ここで、遮光帯はレチクル上に
設けておく必要はなく、回折格子パターン9Gと投影光
学系12との間、例えば回折格子パターン9Gとレチク
ル10との間に遮光板23を設けるようにしても良い。
すなわち、本実施例の装置(図1)に可動遮光板23を
設け、その幅をW1以上に設定することにより半影ぼけ
をカットできる。さらに、可動遮光板23はレチクルブ
ラインドに連動して(W1/2程度の差に相当するオフ
ッセットをもったまま連動して)可動に構成すれば、レ
チクルパターン11のピッチやパターン領域PAの大き
さが異なり、かつ遮光帯が補正されていないレチクルに
対しても対応可能となる。これにより、回折格子パター
ン9Gで回折された光が、レチクルパターン11の形成
領域以外の、かつ透明部分を通過した光が投影光学系1
2に入射するのを防ぐことができる。また、ここではΔ
tを固定値として説明したが、半影幅W1の許容値を予
め決めておき、半影幅W1が許容値以下となるように間
隔Δtを、回折格子パターンのピッチに合わせて数式8
から求めるようにしても良い。
【0043】さて、上記構成の投影露光装置を用いてハ
ーフトーンレチクルの照明を行ったとき、0次回折光D
0Vと+1次回折光DPVとの強度比は半透過部11bの振
幅透過率に応じて変化する。例えば透過部11aの振幅
透過率を1としたとき、半透過部11bの振幅透過率が
0であれば、1次元のラインアンドスペースパターン
(デューティ1:1)からの上記回折光強度比はほぼ
1:0.4となる。一般に、ウエハ13上に生じるパタ
ーン11のコントラスト(0次回折光D0Vと+1次回折
光DPVとの2光束による干渉縞のコントラスト)は2光
束の強度が等しいとき、すなわち強度比が1:1のとき
最大(100%)となる。このため、上記2光束の強度
比を1:1に近づけることにより、像のコントラストを
向上させることができる。
【0044】本実施例で使用するレチクルのパターン
(1次元パターン)において、例えば透過部11aの振
幅透過率を1とし、半透過部11bでは振幅透過率が−
0.222(透過部11aに対する位相差がπ、エネル
ギー透過率4.93%)であるとき、0次回折光D0V
+1次回折光DPVの強度比を1:1とすることができ、
このときに像のコントラストを100%とすることがで
きる。尚、半透過部11bの透過率4.93%という値
は、フォトレジストの残膜特性を考慮すれば、従来レチ
クルの完全遮光と同一の結果を得られるとみなせ、遮光
性の問題は全く発生しない。
【0045】以上の説明では、レチクルパターン11と
して1次元のラインアンドスペースパターン(図5)を
用いる場合について述べたが、実際のレチクルには上記
の如きラインアンドスペースパターンの他に、例えば当
該パターンの周期方向(X方向)と直交する方向(Y方
向)に配列された1次元のラインアンドスペースパター
ン(図8)も形成されていることがある。図8に示すパ
ターン11Aは図5中に示したパターンと同一構成(ピ
ッチ等)であり、パターンの配列方向(周期方向)が互
いに直交しているものである。
【0046】上記の如きパターン11Aに対して図5と
同一の照明条件、すなわちパターン11Aの長手方向と
同一方向(周期方向と垂直な方向であって、図ではX方
向)から照明光束を傾けて照射した場合にパターン11
Aで生じる回折光の投影光学系の瞳面14での通過位置
を図9に示す。図9から明らかなように、ここでは0次
回折光D0Hのみが投影光学系12を通過し、±1次回折
光DPH、DMHはいずれも瞳面14内に位置しないため、
投影光学系を透過できない。従って、ウエハ上には0次
回折光のみが到達し、干渉縞、すなわちパターン像は形
成されない。
【0047】そこで、図8の如き周期方向がY方向であ
るラインアンドスペースパターン11Aに対しては、パ
ターンの周期方向(Y方向)から照明光束を傾けて入射
させれば良い。この場合のパターン11Aから生じる回
折光の投影光学系の瞳面14の通過位置を図10に示
す。このとき、0次回折光D0Hと−1次回折光DMHとが
投影光学系を透過するため、ウエハ上には2光束の干渉
縞、すなわちパターンの像が形成される。
【0048】以上のことから、互いに直交する2方向の
各々に周期性を有する1次元のラインアンドスペースパ
ターン(縦方向パターン11と横方向パターン11A)
を含むレチクルパターンを2本の照明光束で照明する場
合には、投影光学系の瞳面14での2本の0次回折光D
01、D02の通過位置が図11(A)の如くなるように、
レチクルパターンに対する2本の照明光束の入射方向を
決定すれば良いことになる。この配置を採ることによ
り、2本の照明光束の各々によるパターン11からの±
1次回折光のいずれか一方は部分領域DV1、DV2を通過
し、同様にパターン11Aからの±1次回折光のいずれ
か一方は部分領域DH1、DH2を通過することになる。
尚、図10中の0次回折光D0Vは、互いに干渉しあって
像を形成する1次回折光が存在しない(投影光学系の瞳
面を透過可能な1次回折光が存在しない)ために、ハー
フトーンレチクルを用いた場合にも像のコントラスト向
上には寄与せず、単に一定のオフセット(位置によら
ず、一定の光量)を与えるだけである。このため、図5
中の周期性パターン11は解像するが、図8中のパター
ン11Aは解像不可能である。
【0049】尚、図11(B)に示すような投影光学系
の瞳面での照度分布が得られるように、周期性パターン
11、及び11Aを有するレチクルに対して2本の照明
光束を用いて傾斜照明を行った場合にも、図11(A)
の如き照度分布が得られる傾斜照明を行った場合と同様
の結果が得られる。但し、図11(A)と(B)とで
は、2組の2本の照明光束のレチクルパターンに対する
入射方向が互いにほぼ直交している。さらに、図11
(A)及び(B)の各々で用いた各2光束を同時に用い
た図11(C)に示すような投影光学系の瞳面での照度
分布が得られるような傾斜照明を行っても、周期性パタ
ーン11、及び11Aを高いコントラストでウエハ上で
結像可能である。上記の如き4光束による傾斜照明を行
った場合、4光束のうちの1光束が周期性パターン1
1、11Aに入射したとき、このパターンから発生する
0次回折光は瞳面14内の部分領域D01(図11
(C))を通過し、パターン11、11Aの各々から発
生する1次回折光は、それぞれ瞳面14において部分領
域D01を中心として左右、上下方向に一定距離だけ離れ
た位置を通過することになる。特にパターン11から発
生した±1次回折光のいずれか一方は部分領域D02を通
過し、パターン11Aから発生した±1次回折光のいず
れか一方は部分領域D03を通過することになる。このた
め、図11(A)〜(C)の如き照明条件ではいずれも
パターン11、11Aを良好に解像することができる。
【0050】ここで、図13は従来のように透過部と遮
光部(透過率0)のみからなる1次元の1:1ラインア
ンドスペースパターンに対して、投影光学系の瞳面での
照度分布が図11(A)の如くなるように、回折格子パ
ターン9Gにより照明光束を傾けてレチクルパターンを
照明した場合の像強度の計算結果の例を示す図である。
このとき、像強度はE13で示され、像のコントラスト
は約53%となっている。これは、前述のように0次回
折光がオフセット成分となってコントラストが低下した
ものである。現状のフォトレジストではラインアンドス
ペースパターンを形成するのに最低限必要な像コントラ
ストは約60%と考えられ、従来の投影露光装置と従来
レチクル(透過部と遮光部のみからなるレチクル)との
組み合わせではレジストにパターンの転写はできない。
【0051】このオフセット成分によるコントラスト低
下の影響を小さくするには、レチクルパターンから発生
する1次回折光に対する0次回折光の相対強度比を小さ
くすれば良いと考えられる。そこで、振幅透過率1の透
過部に対して半透過部の振幅透過率を−0.3(透過部
に対する位相差π、エネルギー透過率9%)としたレチ
クルに、本実施例による照明(すなわち、図11
(A)、または(B)の如き瞳面での照度分布が得られ
るようなレチクルパターンに対する照明)を行った場合
の像強度の計算結果の例を図12に示す。このとき、像
強度はE12で示される。また、この像は約70%のコ
ントラストを有しており、現状のフォトレジストを用い
てパターンの転写が可能である。これは、レチクルの半
透過部の振幅透過率を−0.3程度としたために、ライ
ンアンドスペースパターンより発生する0次回折光が減
少し、像のオフセット成分が減少し、一方、投影光学系
の瞳面を透過する1次回折光成分が増加したためであ
る。尚、ここで計算結果を示したパターンと直交する方
向性を有する1次元ラインアンドスペースパターンも同
様のコントラストで結像する。すなわち、2次元の1:
1ラインアンドスペースパターンを有するレチクルをそ
れぞれのパターンの方向性に適した図11(A)〜
(C)のいずれかの照明条件(2光束、または4光束)
で照明する場合は、レチクルのパターンの透過部の振幅
透過率を1としたとき、半透過部の振幅透過率を−0.
3程度とすれば0次回折光によるオフセットによる像コ
ントラストの低下を極力抑えることが可能となる。
【0052】尚、以上の実施例では、レチクルへの照明
光束となる回折格子パターン9Gからの1次回折光のレ
チクルパターンによる回折光のうち、±1次回折光のい
ずれか一方と0次回折光との計2光束がウエハに達する
ように、回折格子パターン9Gの形状(ピッチ、周期方
向等であって、その一例は図3に示されている)を決定
した。これは、レチクルパターンから発生する回折光の
うち、0次回折光のみしかウエハへ到達しなかった場
合、0次回折光のみではウエハ上にレチクルパターンの
像を形成できず、単なるオフセット光として、他の照明
光束によって作られる像のコントラストを劣化させてし
まうためである。
【0053】しかしながら、本実施例ではハーフトーン
レチクルを使用するため、半透過部11bの振幅透過率
を上げることにより、レチクルパターンから発生する0
次回折光の強度を、1次回折光の強度に比べて小さくす
ることもできる。このため、0次回折光のみがウエハに
到達するようなレチクルに入射する照明光束が存在して
も、この光束によるオフセット成分の光量が従来型のレ
チクルを使用する場合に比べて少なくなるため、他の照
明光束により作られる像のコントラストの低下の度合が
小さくて済む。従って、投影光学系の瞳面の照明光束の
通過位置が図11(D)の如き配置となるように回折格
子パターンの形状、すなわちレチクルパターンに対する
照明光束の入射方向を決定しても、十分なコントラスト
の像を得ることが可能である。このとき使用すべき回折
格子パターンは、図3(A)に示したパターン9Gを紙
面内で45°だけ回転させたものを用いれば良い。
【0054】ところで、投影露光装置で使用するレチク
ルのパターンの線幅や方向性は1種類(例えば図2)に
特定されるものではないため、本実施例で使用する回折
格子パターンから発生する回折光の回折角と回折方向、
すなわち0次回折光の投影光学系の瞳面での通過位置は
レチクルパターンの種類に応じて可変であることが望ま
しい。この理由はレチクルパターンへの照明光束の入射
方向や入射角が、それぞれパターンの描かれた方向や
幅、ピッチによって決定されるからである。また、投影
光学系の瞳面において、レチクルパターンから発生する
0次回折光と一方の1次回折光の光軸AXからの距離が
ほぼ等しくなるように照明光束の入射角L 1 、すなわち
回折格子パターンでの回折角(パターンピッチPG )を
決定すると、ウエハ上での像の焦点深度を大きくするこ
とができる。このようにして決定された入射方向に応じ
て、回折格子パターンの周期方向とピッチPG とを決定
することになる。また、2次元方向に描かれたパターン
を照明する場合も、前述したように2本、または4本の
照明光束の入射方向も各パターンの周期方向に合わせて
照明するとよい。このとき、投影光学系の瞳面での照度
分布は図11に示した通りである。
【0055】さらに、使用するレチクルパターンの半透
過部の振幅透過率は−0.3程度であるとよい。また、
照明光束は回折格子パターンからの±1次回折光を用い
ていることにより、レチクル上の各パターンは光軸につ
いて対称な2方向から照明されることになり、これらの
光束の光量重心方向は光軸と一致し、デフォーカスによ
る像の位置ずれ(テレセンずれ)が生じないという利点
もある。また、図5に示した1次元ラインアンドスペー
スパターンを有するレチクルを照明する場合にも、同様
に、±1次回折光によりレチクルパターンが照明される
ため、テレセンずれの問題は生じない。
【0056】以上のことから、本実施例による投影露光
装置においては、レチクルパターンの微細度、周期方向
等に応じて回折格子(ガラス基板9)を交換可能に構成
しておくことが望ましい。例えば、X方向のピッチP1
の1次元のレチクルパターンの露光用には、各部分を透
過した光の位相差がほぼπであるようなほぼ面積が等し
い2つの透明部分からなるX方向のピッチがp1 =2P
1 であるような1次元の位相型回折格子を用いれば良
い。同様に、Y方向のピッチP2 のレチクルパターンの
露光用には、各部分を透過した光の位相差がほぼπであ
るようなほぼ面積が等しい2つの透明部分からなるY方
向のピッチがp2 =2P2 であるような1次元の位相型
回折格子を用いればよい。このため、図1に示した装置
ではレチクルパターンの周期方向に応じた回折格子(ガ
ラス基板9)の回転機構を有していてもよい。また、
X、Y両方向に、それぞれピッチp1 、p2 の周期構造
をもつパターンが混在しているようなレチクルパターン
に対しては、上記2枚の回折格子を重ねて用いればよ
い。または、図3(A)に示すように、それぞれの部分
の透過光の位相差がπであるような、かつほぼ等面積の
2つの透明部がX、Y方向の各々にピッチp1 、p2 で
配列される、いわゆる市松格子状のパターンを用いるよ
うにしてもよい。さらに図3(B)、及び(C)に示す
ように、レチクルパターン11、11Aの周期方向に対
して45°傾いた方向に配列された1次元の回折格子パ
ターン9G1 、9G2 を用いても良く、それぞれ図11
(A)、及び(B)に示すような照明状態を作ることが
できる。
【0057】また、回折格子(ガラス基板9)はレチク
ルとは独立した1枚のプレートとして交換可能としても
よいし、レチクルのパターン面とは逆の面(ガラス面)
に形成されていてもよい。この場合には回折格子はレチ
クル搬送手段により、レチクル交換と同時に自動的に交
換される。また、ペリクルと同様に、レチクルと一定距
離だけ離れてレチクルに一体に固定され、レチクルと同
時に交換されるようにしてもよい。
【0058】以上の投影露光装置においてハーフトーン
レチクルに対して回折格子による傾斜照明を適用すると
同時に、回路パターン11をウエハ13上に露光する際
に、1つのショット領域の露光中にウエハ13を投影光
学系12の光軸AX方向に移動、または振動させる累進
焦点露光法を用いる。ウエハの移動範囲ないし振動範囲
(振幅)は、投影光学系の焦点深度およびウエハ表面の
段差を考慮して設定される。そしてその範囲を、例えば
下部、中央部、上部といった複数のステップに分割し、
それぞれのステップ毎に露光を行えばよい。この方法を
用いることにより、特に孤立パターンでの焦点深度を増
大させることが可能であることは広く知られている。こ
の累進焦点露光方法は、ウエハを移動させることに限定
されるものではなく、例えば投影光学系を構成する光学
部材のうち少なくとも一つを移動することによって、投
影光学系の結像面が移動するような構成としてもよい。
【0059】一般に、ラインアンドスペースのような密
な連続パターンに対しては、すでに述べたように、0次
回折光と±1次回折光の一方とが投影光学系の瞳面で、
光軸からほぼ等距離の位置を通過するように照明すれば
焦点深度が増大する。しかし、実際のレチクルパターン
はラインアンドスペースパターンのような密なパターン
と、所謂孤立パターンとをともに含んでいる。従って、
このようなレチクルに対しては、上記傾斜照明法と同時
に、累進焦点露光法を併用すれば、いずれのパターンに
ついても見かけ上の焦点深度を増大させることが可能で
ある。このためには、図1の投影露光装置において主制
御系16が駆動系19によりウエハステージWSを投影
光学系12の光軸方向にウエハ13を移動、または振動
させるとともに、照明光学系中に設けられたシャッター
15の開閉を制御すれば良い。
【0060】尚、本実施例において回折格子(ガラス基
板)を照明する光束の開口数NAILは、露光装置として
のコヒーレンスファクター(σ値)が0.1<σ<0.
3程度であることが望ましい。σ値が小さすぎると近接
効果等によって像の忠実度が低下し、大きすぎる場合に
はレチクルパターンの透過部と半透過部を透過する光束
間の可干渉性が低下し、本発明の効果が減少するからで
ある。また、上記実施例の装置では回折格子によるレチ
クルパターンの対称傾斜照明を行っていたが、本発明に
よればハーフトーンレチクルを使用しているので、投影
光学系の瞳面での0次回折光と1次回折光との各強度を
ほぼ等しくできるため、レチクルパターンに対して複数
の光束を対称的に入射させる必要はなく、回折格子パタ
ーン(偏向部材)で発生する±1次回折光の各強度が必
ずしも等しくなっている必要はない。さらに、本実施例
で使用したガラス基板9にはその全面に回折格子パター
ンが形成されているものとしたが、例えばレチクルのパ
ターン部(透過部と半透過部とからなるパターン部)に
のみ、半影ボケの影響を受けない上述した如き条件を満
足するように、ガラス基板上での回折格子パターンの形
成領域を設定すればよい。また、回折格子パターン(偏
向部材)を、照明光学系中のレチクルパターンの共役面
から所定距離(Δtに相当した値)だけ離して配置して
も良い。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透過部
と、該透過部を透過する照明光に対してほぼ(2n+
1)π(nは整数)の位相差を与える半透過部とで構成
された微細パターンを有するマスクを使用すると共に、
該マスクに対する傾斜照明を、入射した照明光をそれ自
身で偏向させる偏向部材を用いて実現できるように構成
したので、マスクに対する傾斜照明を簡単な構成で実現
することができ、且つ微細なパターンの転写が可能とな
り、高解像度で大焦点深度の投影露光が可能となる。ま
た照明光学系の大型化することなくレチクルパターンに
対する傾斜照明を実現することもできる。また本実施例
によれば、マスクの光源側近傍に配置した偏向部材(回
折格子パターン)により、マスクのパターンに対して照
明光束を傾けて入射させるとともに、透過部(基板裸面
部)と、この透過部からの透過光に対してその透過光が
所定の位相差と透過率とを有する半透過部とで構成され
たパターンを備えたマスク(ハーフトーンレチクル)を
使用することによって、0次回折光と1次回折光との強
度比を最適値とすることが可能なため、マスクパターン
の投影像のコントラストを向上させることができる。ま
た、本発明で使用するマスクは、パターニング、及び欠
陥検査等の製造工程が位相シフトマスクに比べて格段に
簡便で、従来型のマスクと同等でありながら、解像度や
焦点深度の向上効果は位相シフトマスクとほぼ同等であ
るといった利点がある。さらに、露光中に感光性基板を
投影光学系の光軸方向に移動、または振動させることに
より、周期性パターンや孤立パターン等が混在したマス
クに対しても、その全てのパターンについて焦点深度の
増大が可能となる。また、偏向部材をマスクに固定して
一体に搬送可能とすれば、照明光学系のコヒーレンスフ
ァクターσを最適値に変更するだけで従来の投影露光装
置をそのまま利用して高解像度、かつ大焦点深度の投影
露光が可能となるいった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の概略的な
構成を示す図。
【図2】図1の投影露光装置に使用される偏向部材(ガ
ラス基板)の部分拡大図。
【図3】図1の投影露光装置に使用される偏向部材(ガ
ラス基板)の変形例の部分拡大図。
【図4】図1の投影露光装置に使用されるレチクルの概
略的な構成を示す図。
【図5】図1の投影露光装置に適用される傾斜照明法の
説明に供する図。
【図6】従来の投影露光装置において1次元のレチクル
パターンから生じる回折光の投影光学系の瞳面での通過
位置を示す図。
【図7】図1の投影露光装置において1次元のレチクル
パターンから生じる回折光の投影光学系の瞳面での通過
位置を示す図。
【図8】図1の投影露光装置に使用されるレチクルパタ
ーンの別の例を示す図。
【図9】図1の投影露光装置において図5中のレチクル
パターンと同一の照明条件のもとで図8に示したレチク
ルパターンから生じる回折光の投影光学系の瞳面での通
過位置を示す図。
【図10】図1の投影露光装置において最適な照明条件
のもとで図8に示したレチクルパターンから生じる回折
光の投影光学系の瞳面での通過位置を示す図。
【図11】図1の投影露光装置において2次元のレチク
ルパターンを2光束、または4光束で傾斜照明したとき
にレチクルパターンから生じる回折光の投影光学系の瞳
面での通過位置を示す図。
【図12】図1の投影露光装置におけるウエハ上でのパ
ターンの像強度分布を示す図。
【図13】従来の投影露光装置におけるウエハ上でのパ
ターンの像強度分布を示す図。
【図14】図1の投影露光装置における半影ボケの説明
に供する図。
【図15】図1の投影露光装置において半影ボケの影響
をなくすための構成を説明する図。
【符号の説明】
5 フライアイレンズ 9 ガラス基板 9G 回折格子パターン 10 レチクル 11 レチクルパターン 12 投影光学系 13 ウエハ 14 投影光学系の瞳面 16 主制御系 18 開口絞り AX 光軸 WS ウエハステージ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/00 - 1/16 G03F 7/20 - 7/24 G03F 9/00 - 9/02

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光学系からの照明光でマスクのパタ
    ーン面上に形成されたパターンを照明し、前記マスク
    パターンの像を投影光学系を介して基板上に転写する
    露光装置において、 前記マスクパターンは、透過部と、前記透過部を透過
    する照明光に対してほぼ(2n+1)π(nは整数)の
    位相差を与える半透過部とで構成された微細パターンを
    含み、 前記微細パターンに対して前記照明光の入射側に離して
    配置され、且つ入射した照明光の少なくとも一部をそれ
    自身で偏向させる偏向部材を有し、前記偏向部材を介した照明光を用いることにより、前記
    微細パターンを、前記マスクのパターン面と垂直な方向
    に対して傾いた方向から照明する ことを特徴とすること
    を特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記偏向部材は、前記照明光を、前記投
    影光学系の光軸に対して所定角度だけ偏向させることを
    特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記偏向部材により、前記微細パターン
    に入射する照明光を、前記パターン面と垂直な方向に対
    して前記所定角度だけ傾いて入射する照明光とすること
    を特徴とする請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記偏向部材は、前記照明光の照射によ
    り前記微細パターンから発生する回折光のうち、±1次
    回折光のいずれか一方と0次回折光とが、前記投影光学
    系中の該微細パターンに対するフーリエ変換面、もしく
    はその近傍の面内で、該投影光学系の光軸からほぼ等距
    離だけ離れて通過するように、該照明光を偏向させるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の投影
    露光装置。
  5. 【請求項5】 前記偏向部材は、前記照明光に対してほ
    ぼ透明な基板に形成された回折格子パターンを含むこと
    を特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の投影露
    光装置。
  6. 【請求項6】 前記微細パターンは、第1ピッチPRで
    形成された周期的パターンを含み前記回折格子パターンは、前記周期的パターンのピッチ
    方向とほぼ一致する方向に、前記第1ピッチPRのほぼ
    2倍の長さを持つ第2ピッチPGで周期的に形成されて
    いることを特徴とする請求項5 に記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記回折格子パターンは前記微細パター
    ンから所定距離だけ離れて配置されており、且つ前記回
    折格子パターンはピッチPGで周期的に形成されてお
    前記照明光学系の開口数NAとすると、前記所定間隔Δ
    tはΔt≧PG/2NA なる関係を満たすことを特徴とする請求項5又は6 に記
    載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記透明基板上での前記回折格子パター
    ンの形成領域は、前記微細パターンの照明領域よりも所
    定量だけ大きく定められていることを特徴とする請求項
    5〜7の何れか一項に記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記偏向部材は、前記微細パターンに応
    じて交換可能に設けられていることを特徴とする請求項
    1〜8の何れか一項に記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記偏向部材は、互いに異なる回折格
    子パターンを有する複数の偏向基板を含み前記微細パターンに応じて、前記複数の偏向基板のうち
    の任意の偏向基板を、前記照明光学系の光路中に交換配
    置せしめることを特徴とする請求項9 に記載の投影露光
    装置。
  11. 【請求項11】 前記偏向部材は、前記微細パターンに
    応じて移動可能に設けられていることを特徴とする請求
    項1〜8の何れか一項に記載の投影露光装置。
  12. 【請求項12】 前記偏向部材は、周期性を有する回折
    格子パターンを含み前記微細パターンに含まれる周期パターンの周期性に基
    づいて、前記偏向部材と前記マスクとを相対的に回転さ
    せる回転機構を更に有し、 前記回転機構により前記周期パターンと前記回折格子パ
    ターンとの周期方向をほぼ一致させることを特徴とする
    請求項11 に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記偏向部材は、前記照明光学系と前
    記マスクのパターン面との間に配置されていることを特
    徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の投影露光
    装置。
  14. 【請求項14】 前記偏向部材は前記マスクと一体に固
    定された回折格子パターンを含み前記回折格子パターンは、前記マスクの前記微細パター
    ンが形成されている面とは異なる面上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項 に記載の
    投影露光装置。
  15. 【請求項15】 前記基板上の所定の露光領域を、前記
    投影光学系を介して前記パターンの像で露光開始してか
    ら、該所定の露光領域の露光を完了するまでの間に、前
    記投影光学系の光軸方向における前記パターンの像と前
    記基板との相対間隔を変更することを特徴とする請求項
    1〜14の何れか一項に記載の投影露光装置
  16. 【請求項16】 前記投影光学系の前記マスク側開口数
    と、前記照明光学系の開口数との比であるσ値が、0.
    1〜0.3程度であることを特徴とする請求項1〜15
    の何れか一項に記載の投影露光装置
  17. 【請求項17】 照明光学系からの照明光でマスクのパ
    ターン面上に形成されたパターンを照明し、前記マスク
    のパターンの像を投影光学系を介して基板上に転写する
    投影露光方法において前記マスクのパターンは、透過部と、前記透過部を透過
    する照明光に対してほぼ(2n+1)π(nは整数)の
    位相差を与える半透過部とで構成された微細パターンを
    含み前記微細パターンに対して前記照明光の入射側に離して
    配置され、且つ入射した照明光をそれ自身で偏向せしめ
    る偏向部材を用いて、前記偏向部材に入射した照明光の
    少なくとも一部を偏向させ、 前記偏向部材を介した照明光を用いて、前記微細パター
    ンを、前記マスクのパターン面と垂直な方向に対して傾
    いた方向から照明することを特徴とすることを特徴とす
    投影露光方法。
  18. 【請求項18】 前記偏向部材は、前記照明光の照射に
    より前記微細パタ ーンから発生する回折光のうち、±1
    次回折光のいずれか一方と0次回折光とが、前記投影光
    学系中の前記微細パターンに対するフーリエ変換面、も
    しくはその近傍の面内で、前記投影光学系の光軸からほ
    ぼ等距離だけ離れて通過するように、該照明光を偏向さ
    せることを特徴とする請求項17に記載の投影露光方
    法。
  19. 【請求項19】 前記偏向部材は、前記照明光に対して
    ほぼ透明な基板に形成された回折格子パターンを含むこ
    とを特徴とする請求項17又は18に記載の投影露光方
    法。
  20. 【請求項20】 前記照明光に対する前記半透過部の透
    過率は、前記照明光に対する前記透過部の透過率の1/
    4程度以下であることを特徴とする請求項17〜19の
    何れか一項に記載の投影露光方法。
  21. 【請求項21】 前記半透過部は、金属薄膜または誘電
    体薄膜の少なくとも一方で形成されていることを特徴と
    する請求項17〜20の何れか一項に記載の投影露光方
  22. 【請求項22】 前記偏向部材は、前記微細パターンに
    応じて交換可能であることを特徴とする請求項17〜2
    1の何れか一項に記載の投影露光方法
  23. 【請求項23】 前記偏向部材は、前記微細パターンに
    応じて移動可能であることを特徴とする請求項17〜2
    1の何れか一項に記載の投影露光方法。
  24. 【請求項24】 前記基板上の所定の露光領域を、前記
    投影光学系を介して前記パターンの像で露光開始してか
    ら、該所定の露光領域の露光を完了するまでの間に、前
    記投影光学系の光軸方向における前記パターン像と前記
    基板との相対間隔を変更することを特徴とする請求項1
    7〜23の何れか一項に記載の投影露光方法。
  25. 【請求項25】 前記マスク上の前記微細パターンを、
    請求項17〜24の何れか一項に記載の投影露光方法を
    用いて、前記基板上に露光する工程を含むことを特徴と
    するデバイス製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載のデバイス製造方法
    により製造されたことを特徴とするデバイス。
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