JP3426499B2 - 既設管路のライニング工法 - Google Patents

既設管路のライニング工法

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JP3426499B2 JP12061198A JP12061198A JP3426499B2 JP 3426499 B2 JP3426499 B2 JP 3426499B2 JP 12061198 A JP12061198 A JP 12061198A JP 12061198 A JP12061198 A JP 12061198A JP 3426499 B2 JP3426499 B2 JP 3426499B2
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治男 岩崎
和則 本村
一也 平林
謙二 大島
幸文 久保
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設管路のライニ
ング工法に関し、さらに詳しくは、既設管路の生じてい
る欠損部分等を対象にエポキシ樹脂等の塗料を管路内面
から塗布して既設管路を修理する工法に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅における下水路は、各住宅から
の排水を自然落下によって集合住宅付近の地中に埋設さ
れている共同排水溝に流し込む構成が多用されている。
このため、下水路を構成する配管構成には、集合住宅内
に設置されている大口径の共同排水管に向け各家庭での
水回り部から延長された排水支管をまとめて連結する構
成がある。この場合の排水支管は、重力を有効に作用さ
せるために各住宅を始端とする管路が共同排水管に向け
下がるように傾斜させてある。上述した共同排水管およ
び排水支管は、耐久性を重視して鋼管が多用される。と
ころで、上述した排水管路は、敷設期間が長くなると老
朽化による腐食が原因して漏洩孔や欠損部が生じる。し
かも、排水管路の内面には赤錆やスケールなどが付着
し、排水の流れが阻害されてしまうことがある。このた
め、従来では、定期点検などによって不良個所が発見さ
れると、その部分を含む管路を交換する必要があった。
しかし、交換の際の費用や排水管が使用できない期間が
長くなる不具合があり、効果的な管路の更生修理が望ま
れていた。そこで、このような要望を満たすために、管
内をクリーニングしてから管路内壁面に樹脂剤を塗布し
て欠損箇所を更生修理する方法が知られている。
【0003】上記更生修理用工法の一つとして、管内を
負圧化しながら管内に供給された樹脂液を気流搬送し、
管路内壁面に樹脂液を付着させる工法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】気流搬送を利用して樹
脂液を塗布する工法では管路の敷設方向一端に真空ポン
プなどの吸引装置を設置し、管路の敷設方向他端から樹
脂液を供給するようになっているが、吸引装置の出力を
一定にした場合には、管路の口径に応じて樹脂液の気流
搬送に必要な負圧力が変化するので、口径に対応した負
圧力が得られる吸引装置をその都度準備しなければなら
ず、作業手順が面倒となる。しかも、樹脂液の気流搬送
に十分な負圧化が得られないと、樹脂液を均一な膜厚と
して塗布することができず、更生修理した後であっても
排水の流れが未だに改善されないという問題が発生す
る。
【0005】本発明の目的は、上記従来の管内更生修理
工法における問題に鑑み、特に、気流搬送される樹脂液
を塗布する工法における問題に鑑み、気流搬送に必要な
圧力が十分確保できることにより均一な膜厚を形成して
排水の流れを阻害しないようにできる既設管路のライニ
ング工法を提供することにある。
【0006】この目的を達成するために、本発明に係る
請求項1記載の発明は、既設管路内面に樹脂液を塗布し
て更生修理を行うためのライニング工法において、上記
既設管路の敷設方向端部に吸引送風装置を連結して管内
を負圧化もしくは正圧傾向とし、上記樹脂液の通路を構
成する空間の断面積を上記既設管路内部の断面積よりも
小さくするために、上記既設管路内面との間の隙間を小
さく設定する単位長さのコア部材を複数締結させて上記
既設管路内に配置し、上記吸引送風装置からの気流によ
って樹脂液の気流搬送を行う際に上記コア部材と上記管
路内面との隙間に位置する樹脂液通路での気流搬送速度
を通常時よりも高めて上記管路の敷設範囲全域に亘って
樹脂液を塗布できるようにしたことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の既
設管路のライニング工法において、上記コア部材は、単
位長さのものが連結されることで既設管路の敷設長さに
対応する長さが設定されることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2
載の既設管路のライニング工法において、上記コア部材
は上記既設管路の敷設方向端部開口を塞ぐ蓋部材により
支持され、上記蓋部材は上記樹脂液を充填して吐出する
構成とされていることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1および2記載の発明では、樹脂液の供
給が行えるコア部材を既設管路の敷設方向全域にわたっ
て配置して樹脂液の通路断面積を減少させることができ
るので、その通路内での気流流速が既設管路の口径に関
係なく高められる。特に、請求項2記載の発明では、単
位長さのコア部材が既設管路の敷設長さに応じて連結で
きるので、既設管路の敷設長さに関係なく気流流速を高
めることができる。
【0010】請求項3記載の発明では、樹脂液の気流流
速を高めるためのコア部材の支持部材である蓋部材に樹
脂液の供給部を兼備させることで構成を簡単なものとす
ることができる。
【0011】
【実施例】以下、図示実施例により、本発明の詳細を説
明する。図1は、本発明実施例によるライニング工法が
適用される集合住宅の配管構成を示す模式図であり、同
図において集合住宅1の各居住区には、集合住宅1の共
有スペース内に敷設されている共同排水管2に一端が連
通する排水支管3がそれぞれ設けられている。共同排水
管2は、集合住宅1の近傍で地中に埋設されている下水
本管4に連通させてある。
【0012】共同排水管2には、その敷設方向の一端、
本実施例では、排水の落下方向上流側で下水本管4に排
水が流れ込む前に相当する位置に給排気が可能な吸引送
風装置5が地上設置されて接続されている。
【0013】一方、共同排水管2の内部には、その敷設
方向の他端からコア部材6が挿通される。図2に示すよ
うに、コア部材6は、共同排水管2の内径よりも小さい
外径からなり、共同排水管2内に供給される樹脂液との
間で剥離性を有する材質が用いられる円柱状部材で構成
されている。共同排水管2の敷設方向に平行した軸方向
を有するコア部材2は、共同排水管2の敷設長さよりも
短い長さ(L)を単位長さとして設定され、この単位長
さのコア部材6同士が、軸方向一端に形成されている雌
ネジ部6Aと軸方向他端に形成されているボス6Bの外
周に設けられた雄ネジ6Bとの締結によって複数連結す
ることができるようになっている。コア部材6は、雌ネ
ジ6Aおよび雄ネジ6Bを介して共同排水管2の敷設長
さ、特に、共同排水管2の敷設方向他端から吸引送風装
置5の接続位置までの距離に見合う長さに設定されて共
同排水管2の敷設方向の略全域に配置されるようになっ
ている。
【0014】コア部材6が内部に挿通される共同排水管
2は、内面とコア部材6の外面との間の隙間Sが後述す
る樹脂液の通路として構成されることになり、その通路
Sの断面積がコア部材6を挿通しない場合の共同排水管
2本来の断面積よりも小さくなっている。このため、吸
引送風装置5により生成される管内空気流は、共同排水
管2の内径から得られる断面積に比べて小さくなってい
る通路Sの断面積部分で流速が高められることになる。
【0015】共同排水管2の敷設方向他端には、コア部
材6の支持部を兼ねた蓋部材7が配置されて共同排水管
2を塞ぐことができるようになっている。図3において
蓋部材7は、内部に樹脂溜まり用としての樹脂液収容空
間7Aが形成されており、その樹脂液収容空間7Aにお
ける底部内面(図3においては下側の面の内部中央)に
は、中心を最も高くしてその位置から底部内面に向け裾
野を形成するガイド面7Bが形成されている。ガイド面
7Bは、樹脂液収容空間7Aの天井面中央に連結される
樹脂液供給パイプ8と対向しており、樹脂液供給パイプ
8から流し込まれた樹脂液を樹脂液収容空間7Aの周辺
部に誘導するようになっている。
【0016】樹脂液収容空間7Aの底部には、ガイド面
7Bの周囲に周方向に沿って複数の樹脂液吐出開口7C
が形成されており、樹脂液供給パイプ8から流し込まれ
てガイド面を伝わって流れた樹脂液を共同排水管2内に
吐出できるようになっている。樹脂液供給パイプ8は、
図2に示すように、ポンプ9を介して樹脂液タンク10
からの樹脂液を搬送するようになっている。図3におい
て樹脂液収容空間7Aの底部には、ガイド面7Bと対向
する面にコア支持部7Dが設けられている。コア支持部
7Dは、蓋部材7から共同排水管2の敷設方向に突出す
る突起部で構成され、その突起部には雌ネジ部7D1が
形成され、コア部材6の雄ネジ部6Bが締結されること
でコア部材6を蓋部材7によって懸垂支持できるように
なっている。蓋部材7は、図3に示すように、共同排水
管2の敷設方向他端面に載置固定されるようになってい
る。
【0017】本実施例は上記の構成を用いて次の手順に
より管内のライニングが施される。 (1)コア部材6を共同排水管2の敷設長さに対応させ
て連結し、共同排水管2内に挿入する。連結されたコア
部材6のうちの上端に位置するコア部材6を蓋部材7に
締結して一体化し、蓋部材7により共同排水管2を塞
ぐ。蓋部材7に樹脂液供給パイプ8を連結し、ポンプ9
を介して樹脂液タンク10から樹脂液を共同排水管2内
に導入できるようにする。
【0018】(2)コア部材6の挿入により樹脂液通路
となる部分の断面積を小さくされた共同排水管2に連通
している排水支管3のうちで、予め更生対象となってい
る位置に近い排水支管3の開口(便宜上、図1において
符号3Aで示す)を残して他の排水支管3の開口を塞
ぐ。この場合、排水支管3の開口は、台所をはじめとす
る排水設備が備えられている開口に相当している。排水
支管3が必要箇所を除いて塞がれると、その開口からの
外気取り込みと吸引送風装置5の吸引動作とにより共同
排水管2内が負圧化傾向とされる。この場合、共同排水
管2の内面とコア部材6の外面との間の隙間は、コア部
材6が挿入されない場合に比べて断面積が小さくされて
いるので、その隙間を通過する際の気流速度が上昇傾向
となる。この場合の気流速度は、共同排水管2の敷設長
さ全域に亘って樹脂液が導入できる搬送圧力が得られる
速度になるように、吸引送風装置5での出力が設定され
る。
【0019】(3)樹脂液タンク10から樹脂液を共通
排水管2内に導入する。この場合には、樹脂液が気流搬
送され、共同排水管2の敷設長さ全域に亘って共同排水
管2の内面に塗布される。 (4)樹脂液が共同排水管2の敷設長さ全域に亘って塗
布されると、吸引送風装置5の動作態位が切り換えられ
て排気態位とされる。吸引送風装置5の態位が切り換え
られると、排水支管3の開口部から共同排水管2内に送
り込まれた空気が排気されることにより共同排水管2内
に塗布された樹脂液のうちで、共同排水管2の内面に付
着していない樹脂液、つまり、共同排水管2の内面に付
着している樹脂液の表面に溜まっている状態の樹脂液が
吸引送風装置5による送風圧によって開口している排水
支管3に向け移動する。これにより、更生修理対象とな
っている管路に向け樹脂液が移動させられて塗布され
る。 なお、共同排水管2内に導入された樹脂液は、共
同排水管2の内面に付着する一方、液垂れが起きること
で吸引送風装置5側に多く溜まりやすい。このため、吸
引送風装置5が送風態位に切り換えられた場合には、最
も樹脂液が溜まっている範囲を対象として加圧されるの
で、液垂れにより堆積している樹脂液を排水支管3に向
け移動させることで共同排水管2内に塗布される樹脂液
の塗膜厚さを均一化することができる。しかも、この場
合においてもコア部材6によって共同排水管2内の気流
速度が高められているので、外気と連通している排水支
管3の開口3Aまで樹脂液の移動が妨げられないように
される。このように、気流搬送に必要な流速が高められ
ることにより、樹脂液が硬化するまでの時間よりも流速
が上昇した分早めに共同排水管2内で樹脂液を搬送する
ことができるので、余分な樹脂液が管路内面に付着した
まま硬化するようなことがなく、これによって、膜厚を
管路内全域に亘って均一にすることができる。
【0020】以上のような実施例によれば、吸引送風装
置5による負圧化あるいは正圧化のいずれかを選択する
だけで、樹脂液の気流搬送が行えるので、装置の簡略化
が図れる。なお、コア部材6の連結構造においては、吸
引送風装置5の近傍の外径が他の部分よりも大きくされ
て樹脂液の通路面積が順次小さくなるように構成して一
定流量の空気の速度を共同排水管2の敷設方向全域にお
いて均一化するようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、請
求項1および2記載の発明によれば、樹脂液の供給が行
えるコア部材を既設管路の敷設方向全域にわたって配置
して樹脂液の通路断面積を減少させることができるの
で、その通路内での気流流速が既設管路の口径に関係な
く高められる。特に、請求項2記載の発明では、単位長
さのコア部材が既設管路の敷設長さに応じて連結できる
ので、既設管路の敷設長さに関係なく気流流速を高める
ことができる。これにより、気流搬送に必要な圧力が十
分確保できることにより均一な膜厚を形成して排水の流
れを阻害しないようにできる
【0022】請求項3記載の発明によれば、樹脂液の気
流流速を高めるためのコア部材の支持部材である蓋部材
に樹脂液の供給部を兼備させることで構成を簡単なもの
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例によるライニング工法を適用する
既設管路を説明するための模式図である。
【図2】本発明実施例によるライニング工法の概要を説
明するための模式図である。
【図3】図2に示したライニング工法に用いられる装置
を説明するための模式図である。
【符号の説明】
2 既設管路の一つである共同排水管 3 既設管路の他の一つである排水支管 5 吸引送風装置 6 コア部材 6A 雌ねじ部 6B 雄ネジ部 7 蓋部材 7A 樹脂液収容空間 7C 樹脂液吐出開口 7D コア支持部 9 ポンプ 10 樹脂液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 義裕 東京都港区芝4丁目9番4号 芝浜ビル トーセツ株式会社内 (72)発明者 岩崎 治男 東京都港区芝4丁目9番4号 芝浜ビル トーセツ株式会社内 (72)発明者 本村 和則 東京都品川区南大井6丁目28番11号 谷 口ビル 株式会社日成内 (72)発明者 平林 一也 東京都品川区南大井6丁目28番11号 谷 口ビル 株式会社日成内 (72)発明者 大島 謙二 神奈川県大和市代官3丁目18番3号 株 式会社ハッコー技術開発センター内 (72)発明者 久保 幸文 神奈川県大和市代官3丁目18番3号 株 式会社ハッコー技術開発センター内 (72)発明者 星野 秀信 東京都国分寺市戸倉4丁目1番15号 (56)参考文献 特開 昭62−1483(JP,A) 特開 昭54−45349(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03C 1/122

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設管路内面に樹脂液を塗布して更生修
    理を行うためのライニング工法において、 上記既設管路の敷設方向端部に吸引送風装置を連結して
    管内を負圧化もしくは正圧傾向とし、 上記樹脂液の通路を構成する空間の断面積を上記既設管
    路内部の断面積よりも小さくするために、上記既設管路
    内面との間の隙間を小さく設定する単位長さのコア部材
    を複数締結させて上記既設管路内に配置し、 上記吸引送風装置からの気流によって樹脂液の気流搬送
    を行う際に上記コア部材と上記管路内面との隙間に位置
    する樹脂液通路での気流搬送速度を通常時よりも高めて
    上記管路の敷設範囲全域に亘って樹脂液を塗布できるよ
    うにしたことを特徴とする既設管路のライニング工法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の既設管路のライニング工
    法において、上記コア部材は、単位長さのものが連結さ
    れることで既設管路の敷設長さに対応する長さが設定さ
    れることを特徴とする既設管路のライニング工法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の既設管路のライニ
    ング工法において、上記コア部材は上記既設管路の敷設
    方向端部開口を塞ぐ蓋部材により支持され、上記蓋部材
    は上記樹脂液を充填して吐出する構成とされていること
    を特徴とする既設管路のライニング工法。
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