JP3425991B2 - 四ほう酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents

四ほう酸リチウム単結晶の製造方法

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JP3425991B2 JP05955193A JP5955193A JP3425991B2 JP 3425991 B2 JP3425991 B2 JP 3425991B2 JP 05955193 A JP05955193 A JP 05955193A JP 5955193 A JP5955193 A JP 5955193A JP 3425991 B2 JP3425991 B2 JP 3425991B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波素子等の圧電
デバイスの基板材料等として用いられる四ほう酸リチウ
ム単結晶とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】四ほう酸リチウム単結晶を基板とする弾
性表面波素子は、前記四ほう酸リチウム単結晶の基板を
結晶軸に対し適当なカットアングルを選択して切り出す
ことによりゼロ温度係数を実現できることが知られてい
る。この四ほう酸リチウム単結晶は、回転させたルツボ
内の四ほう酸リチウム融液から種子結晶を回転させなが
らゆっくりと連続的に引き上げるチョクラルスキー法
(CZ法)あるいは、温度勾配を持った炉内で融液を入
れたルツボを移動せしめ、種子結晶を挿入したルツボ先
端より四ほう酸リチウム融液を凝固させるブリッジマン
法で生成するのが一般的であった。 【0003】しかしながら、四ほう酸リチウムの融液は
比較的粘性が高く、原料である四ほう酸リチウム片を溶
融する際に融液内に混入した気泡が容易に移動できない
ため、結晶内に気泡が残存すると云う問題があり、気泡
が内在する結晶から基板を切り出した場合、気泡が穴と
なって現われるため圧電デバイスの基板として使い物に
ならないという欠陥があった。 【0004】また、気泡は線状欠陥の原因ともなり、育
成結晶の品質を極度に低下せしめると云う欠点もあっ
た。そのため、上述の如き従来の結晶育成方法に於いて
は、育成速度を極度に遅くして結晶育成を行なっていた
が、生産性が悪くなることはもちろん、依然として気泡
を充分に除去することはできず、育成した結晶柱の極く
一部しか利用できないため高価であった。 【0005】 【発明の目的】本発明は上述した如き従来の四ほう酸リ
チウム単結晶の欠点を除去するためになされたものであ
って、気泡の含有量を極限した良質な四ほう酸リチウム
単結晶を提供することを目的とする。 【0006】 【発明の概要】上述の目的を達成するため本発明の請求
項1記載の発明は、温度勾配を持った炉内で融液を入れ
たルツボを移動せしめ、種子結晶を挿入したルツボ先端
より融液を凝固させるブリッジマン法により生成される
四ほう酸リチウム単結晶の製造方法であって、ヘリウム
を成分とする雰囲気ガス中にて上述の工法を行うことに
より前記ガスを結晶中に拡散せしめたことを特徴とする
四ほう酸リチウム単結晶の製造方法である。 【0007】 【実施例】以下、本発明を実施例を示す図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明に係る四ほう酸リチウム
単結晶を育成するためのブリッジマン炉の一実施例であ
る。ブリッジマン炉1は、ワイヤ巻取装置2から伸びる
ワイヤ3の先端に固定された白金製ルツボ4、該ルツボ
4の周囲を包囲する如く配置したヒータ5およびこれら
を外界から遮断するためのチューブ6とから成る。尚、
ルツボ4はワイヤ巻取装置2によりワイヤ3の操出し長
さを調節することで図中上下方向に移動可能であり、ま
たヒータ5は図中下方が低温となるよう温度勾配を持た
せてある。 【0008】まず、チューブ6内にガス導入口7よりヘ
リウムガスを1(Nl/min)の割合で導入してチュ
ーブ6内をヘリウム雰囲気に置換した後、原料である四
ほう酸リチウム片8を充填した前記ルツボ4をヒータ5
の図中上方に移動せしめ、四ほう酸リチウムの融点であ
る917゜C以上の温度に加熱して原料を溶融する。而
して、前記ルツボ4を所定の速度にて図中下方に移動す
ることにより、ルツボ下端の小径部に予め挿入しておい
た種子結晶9側から四ほう酸リチウムの融液が徐冷され
単結晶が育成される。育成速度はルツボ4の移動速度即
ちワイヤ3の操出しにより調節する。尚、原料への加熱
開始から結晶の育成後まで継続してヘリウムガスの供給
を行なった。 【0009】図2は上述のブリッジマン炉で育成した四
ほう酸リチウム単結晶中の気泡残存状態と育成速度との
関係を、炉内にヘリウムガスを導入した場合と大気を導
入した場合とを対比して示したものであり、気泡の残存
状態は育成した単結晶に明光を照射し目視にて観察した
ものである。前述した通り、大気中で四ほう酸リチウム
単結晶を育成した場合は、育成速度を遅くするほど結晶
内に残存する気泡が減少する。これに対し、ヘリウム雰
囲気中にて育成を行なった場合は結晶の育成速度とは無
関係に結晶内に残存する気泡が観察されないことが判明
した。 【0010】これはヘリウムの分子が極めて小さいた
め、四ほう酸リチウムの融液あるいは単結晶中にヘリウ
ム分子が拡散することに起因すると推測される。換言す
れば、大気中の窒素あるいは酸素の分子が比較的大き
く、四ほう酸リチウム中に拡散できないため、気泡とし
て結晶中に残存するものと考えられるのに対し、ヘリウ
ム雰囲気中にて育成を行なって得られた四ほう酸リチウ
ム単結晶には拡散されたヘリウム分子が存在するが、そ
の含有量は高々1000ppmであり、しかも周知の通
りヘリウムは安定な不活性原子であるから、この結晶を
圧電デバイスの基板として用いても何ら特性の劣化は見
られなかった。従って、上述した如く加熱溶融から結晶
化までの工程をヘリウム雰囲気内で行なうことのみで、
結晶内に気泡が残存するのを極限した四ほう酸リチウム
単結晶を育成速度を遅くすることなしに得ることが可能
となる。 【0011】尚、以上本発明をブリッジマン炉にヘリウ
ムガスを導入して結晶育成したものを例として説明した
が、本発明はこれのみに限定されるものではなく、ヘリ
ウム雰囲気中で溶融、結晶化を行なうものであれば如何
なる結晶育成方法あってもよく、例えばチョクラルスキ
ー法等に適用してもよい。また予めヘリウム雰囲気中に
て四ほう酸リチウム片を溶融、冷却して得た四ほう酸リ
チウムのインゴットを原料として単結晶の育成を行なえ
ば、より効率的に四ほう酸リチウム単結晶の製造が可能
となる。 【0012】さらに、防爆等の設備が必要であり、還元
雰囲気となるため白金ルツボの代わりにカーボンルツボ
を用いなければならないと云った制約はあるものの、ヘ
リウムガスと同様に分子の小さい水素ガスを、ヘリウム
ガスに代えて炉内に導入した場合にも気泡のない結晶を
得ることが可能であることは容易に想到できるであろ
う。 【0013】 【発明の効果】本発明は、以上説明した如く構成するも
のであるから、格別の困難なしに結晶中に気泡が混入す
るのを極限し、比較的速い育成速度にて良質な四ほう酸
リチウム単結晶を製造する上で著しい効果を奏する。 【0014】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る四ほう酸リチウム単結晶を育成す
るためのブリッジマン炉の一実施例を示す断面図。 【図2】四ほう酸リチウム単結晶中の気泡残存状態と育
成速度との関係示す図。 【符号の説明】 1・・・ブリッジマン炉 3・・・ワイヤ 4・・・ルツボ 5・・・ヒータ 6・・・チューブ 7・・・ガス導入口 8・・・四ほう酸リチウム片 9・・・種子結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−6193(JP,A) 特開 平5−105586(JP,A) 特開 昭58−55398(JP,A) 特開 昭60−5095(JP,A) 特開 昭62−288195(JP,A) 特開 昭63−11600(JP,A) 特開 昭63−69796(JP,A) 特開 平3−242399(JP,A) 特開 平5−201788(JP,A) 特開 平5−201797(JP,A) 特開 平5−246799(JP,A) 特開 平5−262596(JP,A) 特開 平5−270989(JP,A) 牛沢次三郎ら,SAW用Li2B4O 7単結晶基板,電子通信学会技術研究報 告,1984年 6月21日,Vol.84,N o.58,pp.57−64 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】温度勾配を持った炉内で融液を入れたルツ
    ボを移動せしめ、種子結晶を挿入したルツボ先端より融
    液を凝固させるブリッジマン法により生成される四ほう
    酸リチウム単結晶の製造方法であって、ヘリウムを成分
    とする雰囲気ガス中にて上述の工法を行うことにより前
    記ガスを結晶中に拡散せしめたことを特徴とする四ほう
    酸リチウム単結晶の製造方法。
JP05955193A 1993-02-24 1993-02-24 四ほう酸リチウム単結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP3425991B2 (ja)

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CN106948003B (zh) * 2017-04-03 2019-08-06 中国科学院新疆理化技术研究所 化合物氟硼酸钾和氟硼酸钾非线性光学晶体及制备方法和用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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牛沢次三郎ら,SAW用Li2B4O7単結晶基板,電子通信学会技術研究報告,1984年 6月21日,Vol.84,No.58,pp.57−64

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