JP3425620B2 - プロテアソーム分解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞 - Google Patents
プロテアソーム分解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞Info
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- JP3425620B2 JP3425620B2 JP2000076840A JP2000076840A JP3425620B2 JP 3425620 B2 JP3425620 B2 JP 3425620B2 JP 2000076840 A JP2000076840 A JP 2000076840A JP 2000076840 A JP2000076840 A JP 2000076840A JP 3425620 B2 JP3425620 B2 JP 3425620B2
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- novel
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテアソーム分
解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ
酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞に関す
る。本発明は、がんや動脈硬化巣などの細胞増殖性病変
の遺伝子治療を目指した医療工学分野に利用可能であ
る。
解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ
酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞に関す
る。本発明は、がんや動脈硬化巣などの細胞増殖性病変
の遺伝子治療を目指した医療工学分野に利用可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】p27Kip1は、サイクリン依存性キナーゼ
(cyclin dependent kinase)インヒビターとしての作
用を有する蛋白質の一つである。p27Kip1が活性を阻害
するサイクリン依存性キナーゼとは、その名のとおり活
性にサイクリンを必要とするプロテインキナーゼであ
り、真核生物の細胞周期の進行に中心的な役割を果たし
ている。詳しくは、サイクリン依存性キナーゼの活性
が、細胞周期のS期(DNA合成期)の開始およびM期
(分裂期)の開始に作用し、細胞周期を制御している。
(cyclin dependent kinase)インヒビターとしての作
用を有する蛋白質の一つである。p27Kip1が活性を阻害
するサイクリン依存性キナーゼとは、その名のとおり活
性にサイクリンを必要とするプロテインキナーゼであ
り、真核生物の細胞周期の進行に中心的な役割を果たし
ている。詳しくは、サイクリン依存性キナーゼの活性
が、細胞周期のS期(DNA合成期)の開始およびM期
(分裂期)の開始に作用し、細胞周期を制御している。
【0003】p27Kip1は、上記サイクリン依存性キナー
ゼの活性を抑制することにより、細胞周期(即ち、細胞
増殖)を抑制する因子である。従来公知のp27Kip1は一
種のみであり、これは細胞周期のG1期(DNA合成準
備期)からS期(DNA合成期)へ移行する際にプロテ
アソームにより分解されるため、上述の細胞周期の抑制
作用は失われる。詳しくは、p27Kip1従来種の187番目
のトレオニンが、G1期からS期へ移行する際にリン酸
化を受け、プロテアソームにより分解される。
ゼの活性を抑制することにより、細胞周期(即ち、細胞
増殖)を抑制する因子である。従来公知のp27Kip1は一
種のみであり、これは細胞周期のG1期(DNA合成準
備期)からS期(DNA合成期)へ移行する際にプロテ
アソームにより分解されるため、上述の細胞周期の抑制
作用は失われる。詳しくは、p27Kip1従来種の187番目
のトレオニンが、G1期からS期へ移行する際にリン酸
化を受け、プロテアソームにより分解される。
【0004】このため、がんや動脈硬化巣などの細胞増
殖性病変の治療を目指して病的細胞にp27Kip1遺伝子を
導入する際に、p27Kip1従来種ではその発現が、長時間
維持されないことが問題であった。また、従来種に人工
的に変異を加えることにより、分解抵抗性を高めた蛋白
質に改変させることが可能であるが、自然界に存在しな
い蛋白質であるため安全性についての問題があった。
殖性病変の治療を目指して病的細胞にp27Kip1遺伝子を
導入する際に、p27Kip1従来種ではその発現が、長時間
維持されないことが問題であった。また、従来種に人工
的に変異を加えることにより、分解抵抗性を高めた蛋白
質に改変させることが可能であるが、自然界に存在しな
い蛋白質であるため安全性についての問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決すべく、プロテアソーム分解に抵抗性を示
すp27Kip1分子種を提供すること、並びに当該分子種の
発現ベクター及び発現細胞を提供することである。
問題点を解決すべく、プロテアソーム分解に抵抗性を示
すp27Kip1分子種を提供すること、並びに当該分子種の
発現ベクター及び発現細胞を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロテア
ソーム分解に抵抗性を示す新たな核酸及びアミノ酸配列
を有する新しい分子種を見出し、更に、当該蛋白質を、
細菌、酵母、および動物細胞に安定に発現させることに
より、本発明に至った。
ソーム分解に抵抗性を示す新たな核酸及びアミノ酸配列
を有する新しい分子種を見出し、更に、当該蛋白質を、
細菌、酵母、および動物細胞に安定に発現させることに
より、本発明に至った。
【0007】本発明は、(1) 配列番号1に記載され
ている塩基配列を有するポリヌクレオチド、(2) 配
列番号1に記載されている塩基配列の1〜519位を有す
るポリヌクレオチド、(3) 配列番号1に記載されて
いる塩基配列の22〜519位を有するポリヌクレオチド、
(4) 上流に開始コドンを付加された(2)に記載の
ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有
する蛋白質、(5) (3)に記載のポリヌクレオチド
によりコードされるアミノ酸配列を有する蛋白質、
(6) (2)に記載のポリヌクレオチドを含有する組
換えベクター、(7) (6)に記載の組換えベクター
を含む形質転換体を提供するものである。
ている塩基配列を有するポリヌクレオチド、(2) 配
列番号1に記載されている塩基配列の1〜519位を有す
るポリヌクレオチド、(3) 配列番号1に記載されて
いる塩基配列の22〜519位を有するポリヌクレオチド、
(4) 上流に開始コドンを付加された(2)に記載の
ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を有
する蛋白質、(5) (3)に記載のポリヌクレオチド
によりコードされるアミノ酸配列を有する蛋白質、
(6) (2)に記載のポリヌクレオチドを含有する組
換えベクター、(7) (6)に記載の組換えベクター
を含む形質転換体を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0009】[新規p27Kip1分子種の核酸のクローニン
グ]本発明の新規p27Kip1分子種の核酸は、細胞接触に
より増殖を停止したブタ正常血管内皮細胞cDNAライ
ブラリーからクローニングされた。詳しくは、従来種の
核酸配列を元にプローブを作製し、定法のプラークハイ
ブリダイゼーション法により、新規p27Kip1分子種の核
酸を25万個のファージの中からクローニングした。
グ]本発明の新規p27Kip1分子種の核酸は、細胞接触に
より増殖を停止したブタ正常血管内皮細胞cDNAライ
ブラリーからクローニングされた。詳しくは、従来種の
核酸配列を元にプローブを作製し、定法のプラークハイ
ブリダイゼーション法により、新規p27Kip1分子種の核
酸を25万個のファージの中からクローニングした。
【0010】クローニングされた新規p27Kip1分子種の
塩基配列を決定し、当該塩基配列から予想されるアミノ
酸配列を決定した。新規p27Kip1分子種の塩基配列およ
びアミノ酸配列を、下記配列表の配列番号1に記す。ま
た、従来種の塩基配列およびアミノ酸配列を配列番号2
に記す。
塩基配列を決定し、当該塩基配列から予想されるアミノ
酸配列を決定した。新規p27Kip1分子種の塩基配列およ
びアミノ酸配列を、下記配列表の配列番号1に記す。ま
た、従来種の塩基配列およびアミノ酸配列を配列番号2
に記す。
【0011】[従来種との比較]ブタ正常血管内皮細胞
cDNAライブラリーから得たp27Kip1従来種(p27Ki
p1)のアミノ酸配列と、本発明の新規p27Kip1分子種
(p27Kip1R)のアミノ酸配列とを比較した。その結果
を図1に示し、同一のアミノ酸を縦線で結んで記す。
cDNAライブラリーから得たp27Kip1従来種(p27Ki
p1)のアミノ酸配列と、本発明の新規p27Kip1分子種
(p27Kip1R)のアミノ酸配列とを比較した。その結果
を図1に示し、同一のアミノ酸を縦線で結んで記す。
【0012】新規分子種p27Kip1Rは、アミノ末端の8
アミノ酸を欠損しているが、162番目までのアミノ酸
配列は従来種と同一である。この同一性により、新規分
子種p27Kip1Rは、従来種と同じサイクリン依存性キナ
ーゼの阻害活性を有する。また両分子種は、163番目
以降のC末端領域において異なり、新規分子種p27Ki
p1Rはリン酸化部位(Thr 187)を欠損している。このリ
ン酸化部位(Thr 187)が、プロテアソーム分解に先立
ってリン酸化を受けることが、従来種p27Kip1のプロテ
アソーム分解にとって必須である。よって新規分子種p
27Kip1Rは、この部位の欠損により、プロテアソームの
分解を受けないと考えられる。
アミノ酸を欠損しているが、162番目までのアミノ酸
配列は従来種と同一である。この同一性により、新規分
子種p27Kip1Rは、従来種と同じサイクリン依存性キナ
ーゼの阻害活性を有する。また両分子種は、163番目
以降のC末端領域において異なり、新規分子種p27Ki
p1Rはリン酸化部位(Thr 187)を欠損している。このリ
ン酸化部位(Thr 187)が、プロテアソーム分解に先立
ってリン酸化を受けることが、従来種p27Kip1のプロテ
アソーム分解にとって必須である。よって新規分子種p
27Kip1Rは、この部位の欠損により、プロテアソームの
分解を受けないと考えられる。
【0013】[組換えベクターおよび形質転換体の作
製]上記方法によりクローニングされた新規p27Kip1分
子種のDNA配列のうち、アミノ酸をコードするDNA
領域を、発現ベクターに組込む。この操作によりp27
Kip1R遺伝子の挿入された組換えベクターを作製するこ
とができる(図2参照)。本発明で使用される発現ベク
ターは、挿入された外来遺伝子のコードする蛋白質を目
的細胞で発現することが可能であれば特に限定されな
い。発現ベクターとしては、例えば、細菌に発現させる
ためにはpQE32ベクター(独国、キアゲン社製)を
用いることができ、動物細胞に発現させるためにはpE
GFP−N1(米国、クローンテック社製)を使用する
ことができる。発現ベクターへの遺伝子の組込みは、公
知の遺伝子工学的手法により行うことができる。
製]上記方法によりクローニングされた新規p27Kip1分
子種のDNA配列のうち、アミノ酸をコードするDNA
領域を、発現ベクターに組込む。この操作によりp27
Kip1R遺伝子の挿入された組換えベクターを作製するこ
とができる(図2参照)。本発明で使用される発現ベク
ターは、挿入された外来遺伝子のコードする蛋白質を目
的細胞で発現することが可能であれば特に限定されな
い。発現ベクターとしては、例えば、細菌に発現させる
ためにはpQE32ベクター(独国、キアゲン社製)を
用いることができ、動物細胞に発現させるためにはpE
GFP−N1(米国、クローンテック社製)を使用する
ことができる。発現ベクターへの遺伝子の組込みは、公
知の遺伝子工学的手法により行うことができる。
【0014】尚、本発明の配列番号1に記載の新規p27
Kip1分子種は、アミノ酸をコードするDNA領域が開始
コドン(atg)から始まっておらずgggであるため、開始
コドンを有するベクターに組み込んだ場合はgggから翻
訳され得るが、開始コドンを含有しないベクターに組み
込んだ場合は、塩基配列22位のメチオニンコドン(at
g)から翻訳される。そのため、ベクターに応じて2種
類の蛋白質が産生されることとなる。
Kip1分子種は、アミノ酸をコードするDNA領域が開始
コドン(atg)から始まっておらずgggであるため、開始
コドンを有するベクターに組み込んだ場合はgggから翻
訳され得るが、開始コドンを含有しないベクターに組み
込んだ場合は、塩基配列22位のメチオニンコドン(at
g)から翻訳される。そのため、ベクターに応じて2種
類の蛋白質が産生されることとなる。
【0015】例えば、上記pQE32発現ベクターに新
規p27Kip1分子種のアミノ酸コード領域を組み込んだ場
合は、ベクターが開始コドンを有しているためアミノ酸
配列1番目のグリシンから発現可能であるが、上記pE
GFP−N1発現ベクターに組み込んだ場合には、ベク
ターが開始コドンを含有していないため、アミノ酸配列
8番目のメチオニン(初めてのメチオニン)からの発現
となる。このような2種類の発現蛋白質は何れも、新規
p27Kip1分子種としての性質(即ち、プロテアソーム分
解に対する抵抗性および細胞増殖を抑制する性質)を同
様に有している。
規p27Kip1分子種のアミノ酸コード領域を組み込んだ場
合は、ベクターが開始コドンを有しているためアミノ酸
配列1番目のグリシンから発現可能であるが、上記pE
GFP−N1発現ベクターに組み込んだ場合には、ベク
ターが開始コドンを含有していないため、アミノ酸配列
8番目のメチオニン(初めてのメチオニン)からの発現
となる。このような2種類の発現蛋白質は何れも、新規
p27Kip1分子種としての性質(即ち、プロテアソーム分
解に対する抵抗性および細胞増殖を抑制する性質)を同
様に有している。
【0016】新規p27Kip1分子種のアミノ酸コード領域
を、開始コドンを有するベクターに組み込む場合、開始
コドンは、アミノ酸コード領域の上流に位置する限り特
に制限されず、アミノ酸コード領域に隣接して位置して
いてもよいし、アミノ酸コード領域から離れて位置して
いてもよい。但し、開始コドンの位置は、当該開始コド
ンを用いて発現した蛋白質が、新規p27Kip1分子種とし
ての性質、即ち、プロテアソーム分解に対する抵抗性お
よび細胞増殖を抑制する性質を備えている範囲内に限
る。例えば、上記pQE32発現ベクターに前記分子種
のアミノ酸コード領域を挿入した場合、開始コドンは、
アミノ酸コード領域から13残基アミノ末端側に位置し
ている。
を、開始コドンを有するベクターに組み込む場合、開始
コドンは、アミノ酸コード領域の上流に位置する限り特
に制限されず、アミノ酸コード領域に隣接して位置して
いてもよいし、アミノ酸コード領域から離れて位置して
いてもよい。但し、開始コドンの位置は、当該開始コド
ンを用いて発現した蛋白質が、新規p27Kip1分子種とし
ての性質、即ち、プロテアソーム分解に対する抵抗性お
よび細胞増殖を抑制する性質を備えている範囲内に限
る。例えば、上記pQE32発現ベクターに前記分子種
のアミノ酸コード領域を挿入した場合、開始コドンは、
アミノ酸コード領域から13残基アミノ末端側に位置し
ている。
【0017】上述のように作製された組換えベクター
を、細菌、酵母、動物細胞などに導入して、p27Kip1R
遺伝子を発現する発現細胞(即ち、p27Kip1R蛋白質を
産生する形質転換体)を作製することができる。本発明
で使用される形質転換の対象となる細胞は、形質転換が
可能であれば、細菌、動物、植物の何れでも特に限定さ
れない。組換えベクターの細胞への導入は、電気穿孔
法、化学的遺伝子導入法など、公知の遺伝子導入法によ
り行うことができる。
を、細菌、酵母、動物細胞などに導入して、p27Kip1R
遺伝子を発現する発現細胞(即ち、p27Kip1R蛋白質を
産生する形質転換体)を作製することができる。本発明
で使用される形質転換の対象となる細胞は、形質転換が
可能であれば、細菌、動物、植物の何れでも特に限定さ
れない。組換えベクターの細胞への導入は、電気穿孔
法、化学的遺伝子導入法など、公知の遺伝子導入法によ
り行うことができる。
【0018】図2に示すとおり、本発明の組換えベクタ
ーを細菌、酵母などに導入することにより、本発明のp
27Kip1R蛋白質を大量精製することができる。また、p2
7Kip 1R遺伝子を組み込んだ発現ベクターをがん細胞など
の増殖細胞に導入することにより、細胞増殖を抑制する
ことができる。更に、動物個体への上記組換えベクター
の遺伝子導入により、がん、動脈硬化の遺伝子治療に利
用することも可能である。
ーを細菌、酵母などに導入することにより、本発明のp
27Kip1R蛋白質を大量精製することができる。また、p2
7Kip 1R遺伝子を組み込んだ発現ベクターをがん細胞など
の増殖細胞に導入することにより、細胞増殖を抑制する
ことができる。更に、動物個体への上記組換えベクター
の遺伝子導入により、がん、動脈硬化の遺伝子治療に利
用することも可能である。
【0019】
【実施例】(1)[新規p27Kip1分子種の核酸のクロー
ニングおよび配列決定] 以下、本発明の新規p27Kip1分子種のクローニング方法
について詳説する。まず、ブタ大動脈由来培養内皮細胞
を以下のとおり調製した。即ち、食肉市場にて屠殺直後
のブタから大動脈を採取し、機械的に内膜を剥離し、培
養液に培養することにより調製を行った。その詳細は以
下の文献に記載されている:HiranoK, Hirano M, Kanai
de H: Enhancement by captopril of bradykinin-induc
edcalcium transients in cultured endothelial cells
of the bovine aorta. Eur J Pharmacol 244: 133-13
7, 1993;Hirano M, Niiro N, Hirano K, NishimuraJ,
Hartshome DJ, Kanaide H: Expression, subcellular l
ocalization and cloning of the 130kDa regulatory s
ubunit of myosin phosphatase in porcineaortic endo
thelial cells. Biochem.Biophys.Res.Commun. 254, 49
0-496, 1999。
ニングおよび配列決定] 以下、本発明の新規p27Kip1分子種のクローニング方法
について詳説する。まず、ブタ大動脈由来培養内皮細胞
を以下のとおり調製した。即ち、食肉市場にて屠殺直後
のブタから大動脈を採取し、機械的に内膜を剥離し、培
養液に培養することにより調製を行った。その詳細は以
下の文献に記載されている:HiranoK, Hirano M, Kanai
de H: Enhancement by captopril of bradykinin-induc
edcalcium transients in cultured endothelial cells
of the bovine aorta. Eur J Pharmacol 244: 133-13
7, 1993;Hirano M, Niiro N, Hirano K, NishimuraJ,
Hartshome DJ, Kanaide H: Expression, subcellular l
ocalization and cloning of the 130kDa regulatory s
ubunit of myosin phosphatase in porcineaortic endo
thelial cells. Biochem.Biophys.Res.Commun. 254, 49
0-496, 1999。
【0020】細胞間接触により細胞増殖を停止したブタ
大動脈由来培養内皮細胞からメッセンジャーRNAを抽
出し、それを鋳型としてcDNAを合成し、ラムダファ
ージHybriZap(米国、ストラタジーン社製)をベクター
としてcDNAライブラリーを作製した。
大動脈由来培養内皮細胞からメッセンジャーRNAを抽
出し、それを鋳型としてcDNAを合成し、ラムダファ
ージHybriZap(米国、ストラタジーン社製)をベクター
としてcDNAライブラリーを作製した。
【0021】一方、ヒトp27Kip1従来種の核酸配列に基
づいてプライマー(逆転写反応プライマー:GGC TTC TT
G GGC GTC TGC TC、PCR反応上流プライマー:ATG TC
A AAC GTG CGA GTG TC、PCR反応下流プライマー:AT
T TTC TTC TGT TCT GTT GG)を作製し、逆転写PCR法
を用いて、ブタ大動脈培養内皮細胞から抽出したRNA
から、ヒトp27Kip1従来種の1から173番目のアミノ
酸をコードする核酸配列に相当するDNA断片を得た。
ここで使用した各プライマーの配列は、逆転写反応プラ
イマーについては配列番号3、PCR反応上流プライマ
ーについては配列番号4、そしてPCR反応下流プライ
マーについては配列番号5に記載される。
づいてプライマー(逆転写反応プライマー:GGC TTC TT
G GGC GTC TGC TC、PCR反応上流プライマー:ATG TC
A AAC GTG CGA GTG TC、PCR反応下流プライマー:AT
T TTC TTC TGT TCT GTT GG)を作製し、逆転写PCR法
を用いて、ブタ大動脈培養内皮細胞から抽出したRNA
から、ヒトp27Kip1従来種の1から173番目のアミノ
酸をコードする核酸配列に相当するDNA断片を得た。
ここで使用した各プライマーの配列は、逆転写反応プラ
イマーについては配列番号3、PCR反応上流プライマ
ーについては配列番号4、そしてPCR反応下流プライ
マーについては配列番号5に記載される。
【0022】得られたDNA断片を32P−dCTPで標
識し、これをプローブとして、先に作製したラムダファ
ージライブラリーを、プラーク・ハイブリダイゼーショ
ン法により25万個のファージを探索し、最終的に計1
3の陽性クローンを得た。このうち6クローンは同一の
クローンであった。
識し、これをプローブとして、先に作製したラムダファ
ージライブラリーを、プラーク・ハイブリダイゼーショ
ン法により25万個のファージを探索し、最終的に計1
3の陽性クローンを得た。このうち6クローンは同一の
クローンであった。
【0023】Dideoxynucleotide termination法とPC
R法に基づいたサイクルシークエンシング法により核酸
配列を決定した。一度の反応で平均約300ないし40
0対の核酸配列が決定されるので、決定された配列に基
づいて次の核酸配列決定反応のためのプライマーを作製
し、これを繰り返すことでクローンの全核酸配列を決定
した。また、全核酸配列は順・逆両方向で決定した。
R法に基づいたサイクルシークエンシング法により核酸
配列を決定した。一度の反応で平均約300ないし40
0対の核酸配列が決定されるので、決定された配列に基
づいて次の核酸配列決定反応のためのプライマーを作製
し、これを繰り返すことでクローンの全核酸配列を決定
した。また、全核酸配列は順・逆両方向で決定した。
【0024】(2)[組換えベクターおよび形質転換体
の作製] 細菌に蛋白質として発現させるためには、プラスミドベ
クターpQE32(独国、キアゲン社製)を用い、動物
細胞に緑色蛍光蛋白質との融合蛋白質として発現させる
ためにはプラスミドベクターpEGFP−N1(米国ク
ローンテック社製)を使用した。
の作製] 細菌に蛋白質として発現させるためには、プラスミドベ
クターpQE32(独国、キアゲン社製)を用い、動物
細胞に緑色蛍光蛋白質との融合蛋白質として発現させる
ためにはプラスミドベクターpEGFP−N1(米国ク
ローンテック社製)を使用した。
【0025】上述のcDNAライブラリースクリーニン
グから得られた新規p27Kip1分子種の核酸を含むクロー
ンを鋳型として、PCR法により、蛋白質として発現さ
せるDNA断片を増幅し、それぞれの発現ベクターに組
み込んだ。
グから得られた新規p27Kip1分子種の核酸を含むクロー
ンを鋳型として、PCR法により、蛋白質として発現さ
せるDNA断片を増幅し、それぞれの発現ベクターに組
み込んだ。
【0026】pQE32ベクターに組み込む場合、BamH
I部位を組み込んだ上流プライマー(GAA TTC GGA TCC A
GG GGA GCC CGA GCC TGG;下線部がBamHI部位)と、Sal
I部位を組み込んだ下流プライマー(AGT TAC GTC GAC T
GA TTA CCA AAC TGA TGA;下線部がSalI部位)を用いて
DNA断片を増幅した。前記上流プライマーおよび下流
プライマーの配列は、それぞれ配列番号6および配列番
号7に記載される。
I部位を組み込んだ上流プライマー(GAA TTC GGA TCC A
GG GGA GCC CGA GCC TGG;下線部がBamHI部位)と、Sal
I部位を組み込んだ下流プライマー(AGT TAC GTC GAC T
GA TTA CCA AAC TGA TGA;下線部がSalI部位)を用いて
DNA断片を増幅した。前記上流プライマーおよび下流
プライマーの配列は、それぞれ配列番号6および配列番
号7に記載される。
【0027】pEGFP−N1ベクターに組み込む場合
には、スクリーニングで得られたクローンが組み込まれ
ているベクターに対するプライマー(GTA ATA ATT CAA
AACCAC TGT CAC C)を上流プライマーとして、BamHI部
位を組み込んだプライマー(CTG GAG TGG ATC CCA AAC
TGA TGA ATA GTT;下線部がBamHI部位)を下流プライマ
ーとして用い、DNA断片を増幅した。前記上流プライ
マーおよび下流プライマーの配列は、それぞれ配列番号
8および配列番号9に記載される。尚、pEGFP−N
1ベクターに組み込む場合の上流プライマーは、上述の
ように「スクリーニングで得られたクローンが組み込ま
れているベクターに対するプライマー」であり、これは
クローンが組み込まれている制限酵素部位より上流に位
置している。発現ベクターに組換えるための制限酵素部
位には、本来クローンがベクターに組み込まれているEc
oRI部位を使用した。
には、スクリーニングで得られたクローンが組み込まれ
ているベクターに対するプライマー(GTA ATA ATT CAA
AACCAC TGT CAC C)を上流プライマーとして、BamHI部
位を組み込んだプライマー(CTG GAG TGG ATC CCA AAC
TGA TGA ATA GTT;下線部がBamHI部位)を下流プライマ
ーとして用い、DNA断片を増幅した。前記上流プライ
マーおよび下流プライマーの配列は、それぞれ配列番号
8および配列番号9に記載される。尚、pEGFP−N
1ベクターに組み込む場合の上流プライマーは、上述の
ように「スクリーニングで得られたクローンが組み込ま
れているベクターに対するプライマー」であり、これは
クローンが組み込まれている制限酵素部位より上流に位
置している。発現ベクターに組換えるための制限酵素部
位には、本来クローンがベクターに組み込まれているEc
oRI部位を使用した。
【0028】上記PCR法により増幅されたDNA断片
を適当な制限酵素で切断し、T4DNAリガーゼを用い
て、同じ制限酵素で切断した上述のベクターと結合さ
せ、組換え発現ベクターを作製した。
を適当な制限酵素で切断し、T4DNAリガーゼを用い
て、同じ制限酵素で切断した上述のベクターと結合さ
せ、組換え発現ベクターを作製した。
【0029】細菌細胞を、公知の方法で化学的にコンピ
テントな状態(DNAを取り込みやすい状態)とした
後、組換え発現ベクターを加え、氷上30分間で取り込
ませ、摂氏42度、60から90秒の熱ショックを加え
て形質転換細菌細胞を作製した。
テントな状態(DNAを取り込みやすい状態)とした
後、組換え発現ベクターを加え、氷上30分間で取り込
ませ、摂氏42度、60から90秒の熱ショックを加え
て形質転換細菌細胞を作製した。
【0030】培養動物細胞の場合、血清を含まない培地
に、予めリポフェクトアミン(ライフテクノロジー社
製)に結合させた発現プラスミドを加え、約5時間処理
することで、発現プラスミドで細胞を形質転換させた。
これまで形質転換を行った細胞は、ブタ大動脈培養内皮
細胞、ラット大動脈中膜平滑筋細胞、ヒト子宮頚ガン由
来HeLa細胞、COS7細胞、NIH3T3線維芽細胞である。
に、予めリポフェクトアミン(ライフテクノロジー社
製)に結合させた発現プラスミドを加え、約5時間処理
することで、発現プラスミドで細胞を形質転換させた。
これまで形質転換を行った細胞は、ブタ大動脈培養内皮
細胞、ラット大動脈中膜平滑筋細胞、ヒト子宮頚ガン由
来HeLa細胞、COS7細胞、NIH3T3線維芽細胞である。
【0031】(3)[プロテアソーム分解に抵抗性を示
す実験] A.方法 細胞周期のG1/S移行期に同調させたブタ大動脈培養
内皮細胞あるいはS期に同調させたヒト子宮頚ガン由来
HeLa細胞を低張液で抽出し、プロテアソーム粗標品を得
た。前記のG1/S移行期に同調した内皮細胞は、細胞
間接触により静止期にある内皮細胞をトリプシン処理に
より培養ディッシュから回収し、植え付け直して20時
間後に細胞を採集することにより得た。一方、前記のS
期に同調したHeLa細胞は、HeLa細胞をヒドロキシ尿素で
24時間処理後、ヒドロキシ尿素を含まない培養液に換
えて3時間30分後に細胞を採集することにより得た。
新規p27Kip1分子種および従来種を、(2)に記載した
細菌の発現系を用いて発現し、蛋白質標品を精製した。
す実験] A.方法 細胞周期のG1/S移行期に同調させたブタ大動脈培養
内皮細胞あるいはS期に同調させたヒト子宮頚ガン由来
HeLa細胞を低張液で抽出し、プロテアソーム粗標品を得
た。前記のG1/S移行期に同調した内皮細胞は、細胞
間接触により静止期にある内皮細胞をトリプシン処理に
より培養ディッシュから回収し、植え付け直して20時
間後に細胞を採集することにより得た。一方、前記のS
期に同調したHeLa細胞は、HeLa細胞をヒドロキシ尿素で
24時間処理後、ヒドロキシ尿素を含まない培養液に換
えて3時間30分後に細胞を採集することにより得た。
新規p27Kip1分子種および従来種を、(2)に記載した
細菌の発現系を用いて発現し、蛋白質標品を精製した。
【0032】緩衝液中で、精製蛋白質標品と上述のプロ
テアソーム粗標品を混合し、摂氏30度で反応を行い、
反応後0時間、30分、1時間、2時間、4時間で反応
を停止した。反応産物をポリアクリルアミド電気泳動法
により分離し、新規p27Kip1分子種と従来種の双方を認
識する特異抗体を用いたウエスタンブロット法により、
分解されずに残っている新規p27Kip1分子種及び従来種
の蛋白質を検出し、分解の時間経過を解析した。
テアソーム粗標品を混合し、摂氏30度で反応を行い、
反応後0時間、30分、1時間、2時間、4時間で反応
を停止した。反応産物をポリアクリルアミド電気泳動法
により分離し、新規p27Kip1分子種と従来種の双方を認
識する特異抗体を用いたウエスタンブロット法により、
分解されずに残っている新規p27Kip1分子種及び従来種
の蛋白質を検出し、分解の時間経過を解析した。
【0033】B.結果
内皮細胞抽出液、HeLa細胞抽出液、いずれの場合も、従
来種は1時間以内に分解された。これに対し、新規p27
Kip1分子種は、HeLa細胞抽出液で4時間反応させた場合
以外は、全く分解を受けなかった。HeLa細胞抽出液で4
時間反応させた場合でも、分解の程度はごくわずかで、
大部分の蛋白質(>80%)が分解されずに残った。
来種は1時間以内に分解された。これに対し、新規p27
Kip1分子種は、HeLa細胞抽出液で4時間反応させた場合
以外は、全く分解を受けなかった。HeLa細胞抽出液で4
時間反応させた場合でも、分解の程度はごくわずかで、
大部分の蛋白質(>80%)が分解されずに残った。
【0034】(4)[細胞増殖の抑制実験]
A.方法
(2)に記載した方法により、緑色蛍光蛋白質との融合
蛋白質として新規p27 Kip1分子種を発現させる発現プラ
スミドと5時間反応させて、形質転換HeLa細胞を作製し
た。引き続き、血清を含む培地で細胞培養を再開し、そ
の後の細胞増殖を解析した。培養ディッシュに一定数の
細胞を植え付け、培養再開から1日目、2日目、3日
目、5日目に、トリプシン処理により細胞を回収し、総
細胞数を計測した。次いで、フローサイトメーターを用
いて、緑色蛍光蛋白質が発する蛍光が陽性の細胞と陰性
の細胞の比率を測定した。この比率に基づいて先に計測
した総細胞数から、蛍光陽性細胞数と陰性細胞数を推定
した。対照実験として、緑色蛍光蛋白質だけを発現させ
る発現プラスミドで形質転換したHeLa細胞を用いた。
蛋白質として新規p27 Kip1分子種を発現させる発現プラ
スミドと5時間反応させて、形質転換HeLa細胞を作製し
た。引き続き、血清を含む培地で細胞培養を再開し、そ
の後の細胞増殖を解析した。培養ディッシュに一定数の
細胞を植え付け、培養再開から1日目、2日目、3日
目、5日目に、トリプシン処理により細胞を回収し、総
細胞数を計測した。次いで、フローサイトメーターを用
いて、緑色蛍光蛋白質が発する蛍光が陽性の細胞と陰性
の細胞の比率を測定した。この比率に基づいて先に計測
した総細胞数から、蛍光陽性細胞数と陰性細胞数を推定
した。対照実験として、緑色蛍光蛋白質だけを発現させ
る発現プラスミドで形質転換したHeLa細胞を用いた。
【0035】B.結果
対照実験において、蛍光陰性細胞数は、1日目から5日
目にかけ、約6.5倍となり、蛍光陽性細胞数は約7.
0倍となった。このことは、即ち、緑色蛍光蛋白質を発
現する細胞は、発現しない細胞とほぼ同等に増殖するこ
とを示すものであり、換言すれば、緑色蛍光蛋白質は細
胞増殖に影響を与えないことを示唆する。
目にかけ、約6.5倍となり、蛍光陽性細胞数は約7.
0倍となった。このことは、即ち、緑色蛍光蛋白質を発
現する細胞は、発現しない細胞とほぼ同等に増殖するこ
とを示すものであり、換言すれば、緑色蛍光蛋白質は細
胞増殖に影響を与えないことを示唆する。
【0036】一方、新規p27Kip1分子種を緑色蛍光蛋白
質との融合蛋白質として発現させる発現ベクターで形質
転換した場合、蛍光陰性細胞数は、培養再開後1日目か
ら5日目にかけて約5.6倍となったが、蛍光陽性細胞
数は約0.8倍となった。即ちこのことは、新規p27
Kip1分子種を発現する細胞の増殖は完全に停止したこと
を示す。緑色蛍光蛋白質は細胞増殖に影響を与えないの
で、新規p27Kip1分子種は、ガン細胞において細胞増殖
を抑制することが示された。
質との融合蛋白質として発現させる発現ベクターで形質
転換した場合、蛍光陰性細胞数は、培養再開後1日目か
ら5日目にかけて約5.6倍となったが、蛍光陽性細胞
数は約0.8倍となった。即ちこのことは、新規p27
Kip1分子種を発現する細胞の増殖は完全に停止したこと
を示す。緑色蛍光蛋白質は細胞増殖に影響を与えないの
で、新規p27Kip1分子種は、ガン細胞において細胞増殖
を抑制することが示された。
【0037】
【発明の効果】上述のとおり、本発明の新規p27Kip1分
子種は、従来種と異なりプロテアソーム分解に抵抗性を
示すため、細胞内で安定に発現し、細胞の増殖阻止作用
を長時間維持することができる。また、本発明の新規p
27Kip1分子種は、本来生物が発現する蛋白質であるの
で、生体に応用しても安全性が高いものである。更に人
工産物と異なり生体応用した際に細胞内の調節を受ける
という利点を有する。
子種は、従来種と異なりプロテアソーム分解に抵抗性を
示すため、細胞内で安定に発現し、細胞の増殖阻止作用
を長時間維持することができる。また、本発明の新規p
27Kip1分子種は、本来生物が発現する蛋白質であるの
で、生体に応用しても安全性が高いものである。更に人
工産物と異なり生体応用した際に細胞内の調節を受ける
という利点を有する。
【0038】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> The President of Kyushu University
<120> Nucleic acid encoding a proteasome-degradation-resistant novel iso
form of p27Kip1 protein, expression vector of the nucleic acid and cells
expressing the protein
<130> A000000294
<160> 9
<170> PatentIn Ver. 2.0
<210> 1
<211> 1167
<212> DNA
<213> Sus scrofa
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(516)
<400> 1
ggg agc ccg agc ctg gag cgg atg gac gcc aga cag gcg gag tac ccc 48
Gly Ser Pro Ser Leu Glu Arg Met Asp Ala Arg Gln Ala Glu Tyr Pro
1 5 10 15
aag ccc tcg gcc tgc cga aac ctc ttc ggc ccg gtc aat cac gaa gag 96
Lys Pro Ser Ala Cys Arg Asn Leu Phe Gly Pro Val Asn His Glu Glu
20 25 30
tta acc cgg gac ttg gag aag cac tgc aga gac atg gaa gag gcc agc 144
Leu Thr Arg Asp Leu Glu Lys His Cys Arg Asp Met Glu Glu Ala Ser
35 40 45
cag cgc aag tgg aat ttt gat ttt cag aat cac aag ccc ctg gag ggc 192
Gln Arg Lys Trp Asn Phe Asp Phe Gln Asn His Lys Pro Leu Glu Gly
50 55 60
aaa tac gag tgg cag gag gtg gaa aag ggc agc ttg ccc gag ttc tac 240
Lys Tyr Glu Trp Gln Glu Val Glu Lys Gly Ser Leu Pro Glu Phe Tyr
65 70 75 80
tac aga ccc ccg cgg cca ccc aaa ggc gcc tgc aag gtg ccg gcg cag 288
Tyr Arg Pro Pro Arg Pro Pro Lys Gly Ala Cys Lys Val Pro Ala Gln
85 90 95
gag ggc cag ggt gtc agc ggg acc cgc cag gcg gtg cct tta att ggg 336
Glu Gly Gln Gly Val Ser Gly Thr Arg Gln Ala Val Pro Leu Ile Gly
100 105 110
tct cag gcc aac tca gag gac aca cat ttg gta gac caa aag act gat 384
Ser Gln Ala Asn Ser Glu Asp Thr His Leu Val Asp Gln Lys Thr Asp
115 120 125
gca ccg gac agc cag acg ggg tta gcg gag cag tgc act ggg ata agg 432
Ala Pro Asp Ser Gln Thr Gly Leu Ala Glu Gln Cys Thr Gly Ile Arg
130 135 140
aag cga cct gcc aca gac gat tcc tct cct ccc tct gtc tcc ctt aaa 480
Lys Arg Pro Ala Thr Asp Asp Ser Ser Pro Pro Ser Val Ser Leu Lys
145 150 155 160
att gga atg tac cag tta aac tat tca tca gtt tgg taatcactcc 526
Ile Gly Met Tyr Gln Leu Asn Tyr Ser Ser Val Trp
165 170
aggtaactgg gcaaaaatct ggcatgtatg ggggggagtt tgaatgctca gaattgacca 586
tctagttttt atcagatttg ttgagaaaat ttttaatttt cttttcactt cagggtgtgt 646
agacacagtc aaaataattc taaatccttg gatattttta aagatctgta agtaactcga 706
cataaaaaat aatgaaataa tttttaattt aaagactcat tctatttgtt tatttgccca 766
aaggaaagtg gtgtttttaa aggaaagtgc gtatagagaa aagcaccccg ggggatgagt 826
gaaatggata ctacatcttt aaacagtatt tttacattgc ctgtgtatgt gtatgaaaca 886
aaaccatttg aagtgtacct gtgtacataa ctctgtaaag acactgaaaa ttatactaac 946
ttatttatgt taaaaagaga tttttttttt aatctagaca atatacaagc caaagtggca 1006
tgtttgtgca tttgtaaatg ctgtattggg tagagtaggt tttttcccct catctgttaa 1066
ataatatggc ttaaaaggtt gcatactgag ccaagtataa ttttttttgt aatgtgtgaa 1126
aaaaatgcca attattgtta aacatcaagc aatcaataaa g 1167
<210> 2
<211> 1958
<212> DNA
<213> Sus scrofa
<220>
<221> CDS
<222> (43)..(636)
<400> 2
gcgagagcgc gagagaggcg gtcgccgagc cccgggagga ag atg tca aac gtg 54
Met Ser Asn Val
1
aga gtg tct aac ggg agc ccg agc ctg gag cgg atg gac gcc aga cag 102
Arg Val Ser Asn Gly Ser Pro Ser Leu Glu Arg Met Asp Ala Arg Gln
5 10 15 20
gcg gag tac ccc aag ccc tcg gcc tgc cga aac ctc ttc ggc ccg gtc 150
Ala Glu Tyr Pro Lys Pro Ser Ala Cys Arg Asn Leu Phe Gly Pro Val
25 30 35
aat cac gaa gag tta acc cgg gac ttg gag aag cac tgc aga gac atg 198
Asn His Glu Glu Leu Thr Arg Asp Leu Glu Lys His Cys Arg Asp Met
40 45 50
gaa gag gcc agc cag cgc aag tgg aat ttt gat ttt cag aat cac aag 246
Glu Glu Ala Ser Gln Arg Lys Trp Asn Phe Asp Phe Gln Asn His Lys
55 60 65
ccc ctg gag ggc aaa tac gag tgg cag gag gtg gaa aag ggc agc ttg 294
Pro Leu Glu Gly Lys Tyr Glu Trp Gln Glu Val Glu Lys Gly Ser Leu
70 75 80
ccc gag ttc tac tac aga ccc ccg cgg cca ccc aaa ggc gcc tgc aag 342
Pro Glu Phe Tyr Tyr Arg Pro Pro Arg Pro Pro Lys Gly Ala Cys Lys
85 90 95 100
gtg ccg gcg cag gag ggc cag ggt gtc agc ggg acc cgc cag gcg gtg 390
Val Pro Ala Gln Glu Gly Gln Gly Val Ser Gly Thr Arg Gln Ala Val
105 110 115
cct tta att ggg tct cag gcc aac tca gag gac aca cat ttg gta gac 438
Pro Leu Ile Gly Ser Gln Ala Asn Ser Glu Asp Thr His Leu Val Asp
120 125 130
caa aag act gat gca ccg gac agc cag acg ggg tta gcg gag cag tgc 486
Gln Lys Thr Asp Ala Pro Asp Ser Gln Thr Gly Leu Ala Glu Gln Cys
135 140 145
act ggg ata agg aag cga cct gcc aca gac gat tcc tct cct caa aac 534
Thr Gly Ile Arg Lys Arg Pro Ala Thr Asp Asp Ser Ser Pro Gln Asn
150 155 160
aaa aga gcc aac aga aca gaa gaa aat gtt tca gac ggt tcc ccg aac 582
Lys Arg Ala Asn Arg Thr Glu Glu Asn Val Ser Asp Gly Ser Pro Asn
165 170 175 180
tcg gct tca gtg gag cag acg ccc aag aag ccc ggc ctc aga agg cgt 630
Ser Ala Ser Val Glu Gln Thr Pro Lys Lys Pro Gly Leu Arg Arg Arg
185 190 195
caa acg taaactgctc gtattaagag tatgtttcct tgttgatcag atacatcacc 686
Gln Thr
gcttgatgaa gcaaggaaga taaaaaataa aaattttaag tgcatatctg actccatgaa 746
agggacaacc cgtataaagc actgaacagc aacaagtcaa taacactaaa attttaggca 806
cacttaaaat catctgcctc taaaagcatt ggatgtagca ttgtgcaatt aggtttttcc 866
ttatttgctt cattgtacta cctgtgtata tagtttttac cttttatgta gcacataaac 926
tttggggaag ggagggcggg tggggctgag gaattggcac gggtgggggg gttatgaaga 986
gcttgcttgg atttagagca aggagaaaaa tatttgactc acatgaagag aagcagtttg 1046
ggggaaagat ttttgaatgg ttttctttaa agatgtaatg tccctttcag tgagaaccga 1106
tacttcattt aaaaaatcca aatttgaaca ctggctgcaa atcattgcta tttatttttg 1166
catgaagctt tttcttattt gggagttctg atgattccgt tatgtggcag caaatttttt 1226
ttttaaaata acaacatcct cagcccccct ccctctgtct cccttaaaat tggaatgtac 1286
cagttaaact attcatcagt ttggtaatca ctccaggtaa ctgggcaaaa atctggcatg 1346
tatggggggg agtttgaatg ctcagaattg accatctagt ttttatcaga tttgttgaga 1406
aaatttttaa ttttcttttc acttcagggt gtgtagacac agtcaaaata attctaaatc 1466
cttggatatt tttaaagatc tgtaagtaac tcgacataaa aaataatgaa ataattttta 1526
atttaaagac tcattctatt tgtttatttg cccaaaggaa agtggtgttt ttaaaggaaa 1586
gtgcgtatag agaaaagcac cccgggggat gagtgaaatg gatactacat ctttaaacag 1646
tatttttaca ttgcctgtgt atgtgtatga aacaaaacca tttgaagtgt acctgtgtac 1706
ataactctgt aaagacactg aaaattatac taacttattt atgttaaaaa gagatttttt 1766
ttttaatcta gacaatatac aagccaaagt ggcatgtttg tgcatttgta aatgctgtat 1826
tgggtagagt aggttttttc ccctcttctg ttaaataata tggcttaaaa ggttgcatac 1886
tgagccaagt ataatttttt ttgtaatgtg tgaaaaaaat gccaattatt gttaaacatc 1946
aagcaatcaa ta 1958
<210> 3
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 3
ggcttcttgg gcgtctgctc 20
<210> 4
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 4
atgtcaaacg tgcgagtgtc 20
<210> 5
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 5
attttcttct gttctgttgg 20
<210> 6
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 6
gaattcggat ccaggggagc ccgagcctgg 30
<210> 7
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 7
agttacgtcg actgattacc aaactgatga 30
<210> 8
<211> 25
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 8
gtaataattc aaaaccactg tcacc 25
<210> 9
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 9
ctggagtgga tcccaaactg atgaatagtt 30
c
【図1】 本発明の新規p27Kip1分子種のアミノ酸配列
と従来種のアミノ酸配列との比較図。
と従来種のアミノ酸配列との比較図。
【図2】 本発明の新規p27Kip1分子種の発現ベクター
および発現細胞の作製を概説する図。
および発現細胞の作製を概説する図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA
// C12P 21/02 5/00 A
(56)参考文献 Genes and Develop
ment,1999年,vol.13,p.
1181−1189
The EMBO Journal,
1997年,Vol.16,No.17,p.
5334−5344
Molecular and Cel
lular Biology,1999年,
Vol.19,No.2,p.1190−1201
The Journal of Bi
ological Chemistr
y,1997年,Vol.272,No.35,
p.21669−21672
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
SwissProt/PIR/GeneS
eq
GenBank/EMBL/DDBJ/G
eneSeq
BIOSIS/WPI(DIALOG)
PubMed
Claims (7)
- 【請求項1】 配列番号1に記載されている塩基配列か
らなるポリヌクレオチド。 - 【請求項2】 配列番号1に記載されている塩基配列の
1〜519位からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項3】 配列番号1に記載されている塩基配列の
22〜519位からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項4】 上流に開始コドンを付加された請求項2
に記載のポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸
配列を有する蛋白質。 - 【請求項5】 請求項3に記載のポリヌクレオチドによ
りコードされるアミノ酸配列を有する蛋白質。 - 【請求項6】 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含
有する組換えベクター。 - 【請求項7】 請求項6に記載の組換えベクターを含む
形質転換体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000076840A JP3425620B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | プロテアソーム分解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000076840A JP3425620B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | プロテアソーム分解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001258561A JP2001258561A (ja) | 2001-09-25 |
JP3425620B2 true JP3425620B2 (ja) | 2003-07-14 |
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ID=18594514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000076840A Expired - Lifetime JP3425620B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | プロテアソーム分解に抵抗性を示す新規p27Kip1分子種の核酸及びアミノ酸配列と同蛋白質の発現ベクター及び発現細胞 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3425620B2 (ja) |
-
2000
- 2000-03-17 JP JP2000076840A patent/JP3425620B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Genes and Development,1999年,vol.13,p.1181−1189 |
Molecular and Cellular Biology,1999年,Vol.19,No.2,p.1190−1201 |
The EMBO Journal,1997年,Vol.16,No.17,p.5334−5344 |
The Journal of Biological Chemistry,1997年,Vol.272,No.35,p.21669−21672 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001258561A (ja) | 2001-09-25 |
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