JP3425549B2 - 型締装置および型締装置における圧抜制御方法 - Google Patents

型締装置および型締装置における圧抜制御方法

Info

Publication number
JP3425549B2
JP3425549B2 JP2000038963A JP2000038963A JP3425549B2 JP 3425549 B2 JP3425549 B2 JP 3425549B2 JP 2000038963 A JP2000038963 A JP 2000038963A JP 2000038963 A JP2000038963 A JP 2000038963A JP 3425549 B2 JP3425549 B2 JP 3425549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder chamber
pressure
mold
mold clamping
mold opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000038963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001225331A (ja
Inventor
智章 広瀬
峰稔 加古
Original Assignee
株式会社名機製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社名機製作所 filed Critical 株式会社名機製作所
Priority to JP2000038963A priority Critical patent/JP3425549B2/ja
Publication of JP2001225331A publication Critical patent/JP2001225331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3425549B2 publication Critical patent/JP3425549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、主シリンダ室と副シリンダ室お
よび型開シリンダ室を備え、高速型開閉作動と高圧圧締
を行うようにした直圧式の型締装置に関する技術であ
り、特に、新規な構造とされた型締装置と、型締装置に
おける型締後の圧抜方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、射出成形機等における型締装置
の一種として、可動盤を固定盤に対して接近移動させる
主シリンダ室および副シリンダ室と、可動盤を固定盤に
対して離隔移動させる型開シリンダ室が、互いに独立し
て制御可能に設けられた直圧式の型締装置が知られてい
る。例えば、副シリンダ室としてのブースタシリンダ室
を備えたブースタラム式型締装置や、副シリンダ室とし
てのサイドシンリダ式の型閉シリンダ室を備えたサイド
シリンダ式型締装置等が、それである。
【0003】そして、このような直圧式の型締装置で
は、従来から一般に、樹脂製品の成形に際して、先ず、
アキュムレータ等の油圧源から供給される作動油を副シ
リンダ室に導いて高速型閉じした後、作動油を主シリン
ダ室に導いて高圧型締めを行って、樹脂材料を成型キャ
ビティに射出充填することにより樹脂製品を成形すると
共に、成形後、型開シリンダ室に作動油を導いて型開き
する前に、作動の安定性を確保するために、一度、主シ
リンダ室と副シリンダ室および型開シリンダ室の全てを
圧抜きするように、作動制御される。
【0004】ところで、圧抜作動時には、成形サイクル
の短縮のために速やかな作動が要求されることから、一
般に、0.1秒以下の短時間で、主シリンダ室と副シリ
ンダ室および型開シリンダ室の全てを圧抜きするように
各シリンダ室への給排用の油圧回路上に設置された電磁
弁が切換制御されることとなる。
【0005】ところが、従来の型締装置では、それら主
シリンダ室と副シリンダ室および型開シリンダ室の圧抜
作動が、特別な圧力制御を行うことなく実施されていた
ために、かかる圧抜作動時における各シリンダ室間での
圧力差が安定し難いという問題があったのであり、特
に、各シリンダ室間での圧力差によって、主シリンダ室
と副シリンダ室の油圧に基づいて発揮される型締力より
も型開きシリンダ室の油圧に基づいて発揮される型開力
の方が大きくなってしまうと、意図しない型開きが生ぜ
しめられて、成形品の品質等に悪影響が及ぼされてしま
うおそれがあったのである。
【0006】なお、このような問題に対処するために、
例えば、型開シリンダを主シリンダ室や副シリンダ室よ
りも早く圧抜作動せしめることも考えられるが、短時間
内で圧抜作動に時間差を設定しても、各シリンダ室の圧
力に基づいて生ぜしめられる型締力と型開力の差が安定
し難いために、油温のばらつき等に起因して、意図しな
い型開きが発生することを避け難いのである。また、各
シリンダ室の圧力をPID制御等のフィードバック制御
することも考えられるが、短時間で圧抜完了させるため
にゲインを上げるとオーバシュートに起因して型開きが
発生し易いという問題がある。或いはまた、圧抜作動時
に可動盤を位置制御することも考えられるが、そうする
と圧抜開始時の型締位置を保持するために副シリンダ室
が高圧となってしまうことに加えて、可動盤が型開位置
に達してもシリンダ室の圧力が0とならない場合も起こ
り得ることとなり、その後の作動に悪影響が及ぼされる
おそれがある。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、型締後の圧抜作動を、意図しない金型の移
動を防止しつつ、速やかに行うことの出来る、型締装置
における新規な圧抜制御方法を提供すること、およびそ
のような圧抜制御方法の実施に際して用いられる新規な
構造の型締装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0009】すなわち、型締装置の圧抜制御方法に関す
る本発明の特徴とするところは、可動盤を固定盤に対し
て接近移動させる主シリンダ室および副シリンダ室と、
可動盤を固定盤に対して離隔移動させる型開シリンダ室
が、それぞれ独立して制御可能に設けられた型締装置に
おいて、前記主シリンダ室および前記副シリンダ室を昇
圧して型締作動を行った後、それら主シンリダ室および
副シリンダ室と前記型開シリンダ室を圧抜きするに際し
て、前記主シリンダ室を圧抜用電磁弁を通じて圧抜きす
ると共に、前記副シリンダ室と前記型開シリンダ室に対
して油圧源とドレン流路をサーボ弁で接続制御すること
により、該主シリンダ室と該副シリンダ室の圧力による
型締方向力が該型開シリンダ室の圧力による型開方向力
よりも大きく維持されるように、かかるサーボ弁で圧力
制御して、それら副シリンダ室と型開シリンダ室を圧抜
きするようにしたことにある。
【0010】このような本発明方法に従えば、型締後の
圧抜工程において、容量の大きい主シリンダ室が直接に
圧抜弁によって圧抜きされることにより、速やかな圧抜
作動が実現され得るのであり、また、それと同時に、副
シリンダ室と型開シリンダ室がサーボ弁で圧力コントロ
ールされることにより、圧抜作動時における意図しない
型開作動が防止される。更に、かかる圧抜作動時に、副
シリンダ室と型開シリンダ室は、サーボ弁によって、何
れか一方が油圧源に他方がドレン流路に接続されるよう
に選択的に切り換えられて接続制御されることとなり、
それによって、型開作動を防止しつつ、それら副シリン
ダ室と型開シリンダ室の圧抜きも速やかに行われ得るの
である。
【0011】なお、かかる圧抜作動に際して、主シリン
ダ室と副シリンダ室の圧力による型締方向力が該型開シ
リンダ室の圧力による型開方向力よりも大きく維持され
るようなサーボ弁の圧力制御は、具体的には、例えば、
各シリンダ室の圧力値を継続的に測定して、それらの圧
力測定値と各シリンダ室の有効ピストン面積に基づい
て、各シリンダにより可動盤に及ぼされる駆動力(型締
力と型開力)を算出し、型開力が型締力を超えないよう
に、サーボ弁を制御することによって行われる。また、
その際、作動を安定性をより高度に確保するために、型
締力が型開力よりも差圧:α(α>0)だけ大きくなる
ように、サーボ弁を制御することが望ましく、それによ
って、各シリンダ室の圧力を実測するセンサの僅かな誤
差や外乱等によって意図しない型開きが生ずることも防
止することが出来る。なお、かかる差圧:αの値は、好
適には、システムの状態や予想される外乱等を考慮し
て、適宜に調節設定可能とされる。また、かかる差圧:
αは、小さい値に設定すれば良いことから、圧抜完了時
に差圧:αの最終圧抜を行って0とすることが可能であ
り、或いは、差圧:αを残したまま、型開作動の制御を
開始するようにしても良い。
【0012】そして、特に、本発明方法において、より
望ましくは、前記サーボ弁によって、前記主シリンダ室
と前記副シリンダ室の圧力による型締方向力が、前記型
開シリンダ室の圧力による型開方向力よりも、予め設定
された差圧:αだけ大きくなるように圧力制御すると共
に、かかる差圧:αの値を、圧抜開始時の型締圧力の大
きさに応じて、該型締圧力が小さい程大きくなるように
複数段階に調節設定するようにされる。これにより、型
締圧力が高い状態から圧抜開始した場合に、型締方向の
残圧が高くなって圧抜完了までの所要タイムが長くなる
ことを防止することが出来るのであり、また、反対に、
型締圧力が低い状態から圧抜き開始した場合に、型開方
向の残圧が高くなることに起因する意図しない型開きを
一層有利に防止することが可能となる。
【0013】さらに、型締装置に関する本発明の特徴と
するところは、可動盤を固定盤に対して接近移動させる
主シリンダ室および副シリンダ室と、可動盤を固定盤に
対して離隔移動させる型開シリンダ室が、それぞれ独立
して制御可能に設けられた型締装置において、(a)前
記主シリンダ室の圧力を検出する第一の圧力センサと、
(b)前記副シリンダ室の圧力を検出する第二の圧力セ
ンサと、(c)前記型開シリンダ室の圧力を検出する第
三の圧力センサと、(d)前記主シリンダ室を直接的に
圧抜きする圧抜用電磁弁と、(e)前記副シリンダ室と
前記型開シリンダ室に対して油圧源とドレン流路を接続
制御するサーボ弁と、(f)前記主シリンダ室の圧抜用
電磁弁を開くと共に、前記第一,第二及び第三の圧力セ
ンサの検出値に基づいて、前記主シリンダ室と前記副シ
リンダ室の圧力による型締方向力が前記型開シリンダ室
の圧力による型開方向力よりも大きく維持されるように
該サーボ弁で圧力制御して、該副シリンダ室と該型開室
を圧抜きする圧抜コントローラとを、設けたことにあ
る。
【0014】このような本発明に従う構造とされた型締
装置においては、第一〜三の圧力センサによって検出さ
れる各シリンダ室の実測圧力値と、それら各シリンダ室
の有効ピストン面積とに基づいて、主シリンダ室による
駆動力と副シンリダ室による駆動力の合力となる型締力
と、型開シリンダ室による駆動力である型開力との差分
を求めて、かかる差分が正値(0以上)となるように、
圧抜コントローラでサーボ弁を制御することによって、
圧抜作動を行うことが出来る。それ故、かかる型締装置
によれば、意図しない型開きを防止しつつ、各シリンダ
室の圧抜きを速やかに行うことが出来るのであり、作動
の安定性とサイクルタイムの短縮が両立して達成され得
るのである。また、このような本発明に従う構造とされ
た型締装置によれば、上述の如き本発明に従う圧抜制御
方法が、有利に実施可能となるのである。
【0015】なお、本発明に従う構造とされた型締装置
において、圧抜用電磁弁は、主シリンダ室から排出され
る作動油を、サーボ弁を経ることなく、直接的に油タン
クに導き得るものをいう。また、かかる圧抜用電磁弁と
しては、ショックレス弁を採用することが望ましく、そ
れによって、主シリンダ室の圧抜作動の開始に際して、
かかる圧抜用電磁弁を開いた際の衝撃が軽減されること
となり、その衝撃で金型が意図せずに開くことも防止さ
れ得る。なお、ショックレス弁の具体的構造は特に限定
されるものでなく、例えば、弾性材を組み込むことによ
って切換作動時の衝撃を吸収緩和するようにした、従来
から公知のショックレス型の電磁切換弁などが、好適に
採用され得る。
【0016】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の一実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0017】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
たブースタラム式の型締装置10の概略構成が示されて
いる。本実施形態のブースタラム式型締装置は、主ラム
12が滑動可能に嵌合された主シリンダ14を備えてお
り、主シリンダ14の中空内部が主ラム12で仕切られ
ることによって、主シリンダ14内の軸方向両側に、主
ラム12を型締方向(図中の右方向)に押圧駆動する主
シリンダ室としての型締シリンダ室16と、主ラム12
を型開方向(図中の左方向)に押圧駆動する型開シリン
ダ室18が形成されて、複動式のピストン機構が構成さ
れている。また、主ラム12には、型締シリンダ室16
側に開口して中心軸上を所定深さで直線的に延びる副シ
リンダ室としてのブースタシリンダ室20が、型締シリ
ンダ室16よりも小さい断面積で形成されており、この
ブースタシリンダ室20に対して、主シリンダ14に固
定されて型締シリンダ室16を貫通して延びる中空ロッ
ド状のブースタラム22が挿入されて、型締シリンダ室
16から独立したブースタシリンダ室20を有するピス
トン機構が構成されている。なお、本実施形態の型締装
置10においては、型開シリンダ室18の有効ピストン
断面積と、ブースタシリンダ室20の有効ピストン断面
積が、略同じに設定されている。
【0018】また、主ラム12の突出方向先端部には、
可動盤26が固着されていると共に、この可動盤26の
前方(図中の右方)には、固定盤24が配設されてい
る。そして、図面上に明示はされていないが、固定盤2
4が、図示しない複数本のタイバーにより、主シリンダ
14に対して固定的に位置決め支持されていると共に、
かかる固定盤24に対して、可動盤26が接近/離隔方
向に移動可能に配設指示されている。更に、これら固定
盤24と可動盤26の対向面には、互いに型合わせされ
ることによって所定の成形キャビティを形成する固定金
型28と可動金型30が装着されており、主ラム12が
油圧駆動されることにより、可動盤26が固定盤24に
対して接近・離隔移動せしめられて、固定金型28と可
動金型30が、型開閉されるようになっている。
【0019】ここにおいて、主ラム12の油圧駆動機構
は、油圧管路上に配設されたサーボ弁34や第一乃至第
三の電磁切換弁36,38,40を切換作動せしめるこ
とにより、図示しないポンプ手段に接続された油圧源と
してのアキュムレータ32から供給される作動油を、型
締シリンダ室16やブースタシリンダ室20、型開シリ
ンダ室18に対して給排することによって、可動盤26
に対して、型閉方向および型開方向の駆動力を及ぼすよ
うになっている。
【0020】より詳細には、サーボ弁34は、クローズ
ドセンタ型の4ポート3位置の絞り切換弁構造を有する
電気油圧式サーボ弁が採用されており、かかるサーボ弁
34の圧力口(Pポート)には、アキュムレータ32か
らの圧力油の供給路46が接続されている。なお、かか
る供給路46上には、カートリッジ弁42が配設されて
おり、パイロット圧切換用電磁弁45でカートリッジ弁
42を閉じることにより、アキュムレータ32を遮断す
ることが出来るようになっている。また、かかる供給路
46は、カートリッジ弁42とサーボ弁34の間で、第
一の電磁切換弁36を介して、油タンク44に接続され
ている。また、サーボ弁34のAポートには、ブースタ
シリンダ室20への給排路48が接続されていると共
に、かかる給排路48が、2ポート2位置の第二の電磁
切換弁38を介して、型締シリンダ室16への給排路5
2に接続されており、更に、かかる給排路52が、2ポ
ート2位置の第三の電磁切換弁40を介して、油タンク
44に接続されている。また、サーボ弁34のBポート
には、型開シリンダ室18への給排路50が接続されて
いる。なお、型締シリンダ室16には、第二及び第三の
電磁切換弁38,40に接続された給排路52から独立
した給排路58が接続されており、型締シリンダ室16
が、かかる給排路58上に配設されたパイロット式逆止
弁60を通じて油タンク44に接続されている。
【0021】また、本実施形態では、型締シリンダ室1
6への給排路52上に第一の圧力センサ62が設置され
ていると共に、ブースタシリンダ室20への給排路48
上に第二の圧力センサ64が設置されており、更に、型
開シリンダ室18への給排路50上に第三の圧力センサ
66が設置されている。即ち、これら第一〜三の圧力セ
ンサ62,64,66によって、型締シリンダ室16,
ブースタシリンダ室20および型開シリンダ室18にお
けるそれぞれの圧力値が、直接的に実測されて検出され
るようになっている。なお、これらの圧力センサ62,
64,66としては、圧力を電気信号として検出し得る
歪ゲージ式の圧力センサ等、従来から公知のものが採用
され得る。
【0022】そして、このようなブースタラム式型締装
置10により、成形作動時の型開閉作動を行うに際し
て、先ず、高速型閉作動せしめるには、第一〜三の電磁
仕切弁36,38,40のソレノイドを何れもOFFと
すると共に、パイロット圧切換用電磁弁45をONして
カートリッジ弁42を開いた状態下で、サーボ弁34を
オフセット位置にしてA−P,B−T接続状態とし、ア
キュムレータ32から供給される圧力油をブースタシリ
ンダ室20に導く。なお、かかる高速型閉作動に際し
て、型締シリンダ室16には、供給路58を通じて作動
油が供給されることにより負圧発生が回避されるように
なっていると共に、型開シリンダ室18から、給排路5
0を通じて作動油が排出されることにより正圧発生が回
避されるようになっている。
【0023】また、可動盤26を所定の型閉完了位置ま
で移動せしめた後、型締作動せしめるには、図2に示さ
れているように、第二の電磁切換弁38のソレノイドを
ONして、アキュムレータ32から供給される圧力油を
ブースタシリンダ室20と同時に、型締シリンダ室16
にも導く。
【0024】なお、上述の型閉作動および型締作動に際
しては、必要に応じて、図示しないリミットスイッチや
位置センサで検出される可動盤26の位置や、第一〜三
の圧力センサ62,64,66で検出される各シリンダ
室16,18,20の圧力値に基づいて、可動盤26の
移動速度や型締力を、フィードバック制御やオープンル
ープ制御によって、多段階に或いは連続的に変化させる
ことによって調節することが出来る。
【0025】さらに、型締作動による金型28,30の
圧締状態下で、成形キャビティに樹脂材料を射出充填し
て冷却,固化せしめた後には、圧抜作動を実施して各シ
リンダ室16,18,20の圧力を略0とした後、型開
作動を行って金型28,30を開き、成形品を取り出
す。
【0026】そこにおいて、かかる圧抜作動に際して
は、図2に示されているように、パイロット圧切換用電
磁弁45をONに維持してアキュムレータ32からの圧
力油を、常時、サーボ弁34に導いた状態下で、第二の
電磁切換弁38をOFFする一方、第三の電磁切換弁4
0をONする。これにより、容積の大きい型締シリンダ
室16だけを、型開シリンダ室18とブースタシリンダ
室20から独立せしめて、かかる型締シリンダ室16の
圧力を、サーボ弁34を介することなく、給排路52を
通じて、油タンク44に直接に抜く。なお、このことか
ら明らかなように、本実施形態では、第三の切換弁40
によって、主シリンダ室の圧抜用電磁弁が構成されてお
り、かかる第三の切換弁40としては、例えば弾性材を
組み込んだ従来から公知のショックレス弁が好適に採用
される。
【0027】また、同時に、サーボ弁34を制御して、
型締シリンダ室16の圧力とブースタシリンダ室20の
圧力に基づく型締力の値が、型開シリンダ室18の圧力
に基づく型開力の値よりも、差圧:αだけ大きくなるよ
うに圧力コントロールする。これにより、型締力と型開
力の差圧:αを維持しつつ、ブースタシリンダ室20と
型開シリンダ室18の圧力を抜く。
【0028】なお、かかる圧力コントロールは、具体的
には、第一〜三の圧力センサ62,64,66によって
実測した型締シリンダ室16の圧力:Pa,ブースタシ
リンダ室20の圧力:Pb,型開シリンダ室18の圧
力:Pcを用いて、型締シリンダ室16の有効ピストン
面積:Sa,ブースタシリンダ室20の有効ピストン面
積:Sb,型開シリンダ室18の有効ピストン面積:S
cによって表される下式を満足するように、サーボ弁3
4を制御して、ブースタシリンダ室20の圧力:Pbと
型開シリンダ室18の圧力:Pcをコントロールするこ
とによって、実施する。
【0029】α =(Pa・Sa + Pb・Sb)−
Pc・Sc 但し、 α>0
【0030】また、上式におけるαの値は、固定値とす
ることなく、調節変更可能とすることが望ましい。より
好適には、かかるαの値を、圧抜開始時における型締圧
力の大きさに応じて、初期型締圧力:Pa′が高い程α
の値が小さく、反対に初期型締圧力:Pa′が低い程α
の値が大きくなるように、多段階に設定する。具体的な
一手法を例示すると、図3に示されているように、ステ
ップ:Q1で圧抜開始信号が入力されると、先ず、ステ
ップ:Q2で、圧抜開始時の型締圧力:Pa′の値が5
Mpaより低いか否かを判断し、Pa′<5Mpaであ
れば、ステップ:Q3において、αの値を、基準値:K
(例えば、0.1Mpa)の3倍の大きさに設定する。
また、Pa′≧5Mpaであれば、続くステップ:Q4
で、圧抜開始時の型締圧力:Pa′の値が10Mpaよ
り低いか否かを判断し、Pa′<10Mpaであれば、
ステップ:Q5において、αの値を、基準値:Kの2倍
の大きさに設定する。また、Pa′≧10Mpaであれ
ば、続くステップ:Q6において、αの値を、基準値:
Kの1倍の大きさに設定する。
【0031】そして、このようなサーボ弁34による圧
力制御の下で各シリンダ室16,18,20の圧抜きを
完了した後、図2に示されているように、第一〜三の電
磁切換弁36,38,40およびパイロット圧切換用電
磁弁45の各ソレノイドを、圧抜作動の状態に維持した
まま、サーボ弁34を切り換えて、オフセット位置にし
てA−T,B−P接続状態とし、アキュムレータ32か
ら供給される圧力油を型開シリンダ室18に導く。これ
により、主ラム12を型締シリンダ室16側に移動せし
めて高速型開作動を実施する。なお、かかる高速型開作
動に際して、型締シリンダ室16とブースタシリンダ室
20は、給排管路52,48を通じて作動油が排出され
ることにより、正圧発生が回避されるようになってい
る。
【0032】なお、圧抜作動の完了は、例えば、予め設
定された一定時間(具体的には、例えば圧抜開始から
0.2秒)の経過によって、或いは、第一〜三の圧力セ
ンサ62,64,66の少なくとも一つによる検出圧が
所定値(具体的には、例えば0)となることによって、
行うことが出来る。また、圧抜作動の完了と同時に、型
締方向にα(>0)の圧力を残留させたまま、直ちに型
開作動を行う他、圧抜作動の完了時点で、α=0とする
こと等によって、各シリンダ室16,18,20の圧力
を完全に抜いて0とし、その後、型開作動を実施しても
良い。
【0033】上述の如き型締装置10による型締作動後
の圧抜工程においては、最も有効ピストン面積が大きい
型締シリンダ室16を、サーボ弁34を介することな
く、第三の電磁切換弁40を通じて、直接に圧抜きされ
ることから、速やかな圧抜作動が実現され得る。しか
も、有効ピストン面積が小さいブースタシリンダ室20
と型開シリンダ室18圧力をサーボ弁34で制御して、
型締力が型開力を下回らないように維持されることか
ら、圧抜工程中における意図しない型開きが防止され
て、安定した作動が実現される。
【0034】特に、本実施形態では、圧抜工程におい
て、型締力が型開力よりも、差圧:α(>0)だけ大き
く設定されることから、外乱等に起因する意図しない型
開きも防止されて、一層安定した作動が実現される。
【0035】さらに、本実施形態では、かかる差圧:α
の大きさが初期型締圧力:Pa′の大きさに応じて調節
されるようになっており、初期型締圧力:Pa′が低い
場合には、型開シリンダ室18に高圧がかかっているこ
とから、差圧:αの値を大きくして、サーボ弁34の応
答性、ひいては型開シリンダ室18のドレン側となる給
排路50の開口度を上げて、型開シリンダ室18からよ
り高速で圧力油を抜くことが出来て、圧抜作動の更なる
高速化と、外乱等に起因する意図しない型開作動の防止
効果の向上が図られ得る。また一方、初期型締圧力:P
a′が高い場合には、型開きシリンダ室18にかかって
いる圧力が低いことから、差圧:αの値を小さくしても
意図しない型開作動を有効に防止することが出来るので
あり、差圧:αを小さくすることによってブースタシリ
ンダ室20のドレン側となる給排路48の開口度を上げ
て、ブースタシリンダ室20からより高速で圧力油を抜
くことが出来て、圧抜作動の高速化が図られ得るのであ
る。
【0036】また、本実施形態においては、型締作動か
ら圧抜作動を経て型開き作動に至る一連の成形作動を、
アキュムレータ32の供給路46上に配設されたカート
リッジ弁42を、常時、開状態に維持したままで行うこ
とが出来ることから、カートリッジ弁42の開閉作動に
要する時間の短縮によるサイクルタイムアップが図られ
得ると共に、カートリッジ弁42の作動音が回避される
という効果がある。
【0037】以上、本発明の実施形態について詳述のし
てきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0038】例えば、前記実施形態では、ブースタラム
式の型締機構を備えた直圧式型締装置に対して本発明を
適用したものの具体例を示したが、その他、本発明は、
例えば、サイドシリンダ式型締機構を備え、かかるサイ
ドシリンダによって高速型開閉を行うようにしたサイド
シリンダ式の型締装置とその圧抜制御方向に対しても、
同様に適用可能であることは、言うまでもない。
【0039】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う圧抜き制御方法においては、型締作動後の圧抜工
程において、受圧面積の大きい主シリンダ室が直接圧抜
きされると共に、主シリンダ室,副シンリダ室および型
開シリンダ室の全ての圧力に基づく型締方向力と型開方
向力を考慮して、サーボ弁による圧力制御のもとに、受
圧面積の小さい副シリンダ室と型開シリンダ室が圧抜き
されることから、型締方向力と型開方向力の不安定を変
動に起因する意図しない型開きを防止しつつ、高速で圧
抜きを完了することが可能となるのである。
【0041】また、本発明に従う構造とされた型締装置
においては、本発明方法に従う圧抜制御方法を有利に実
施することが出来る。即ち、かかる型締装置において
は、主シリンダ室の型締圧力を圧抜用電磁弁によって速
やかに落とすことが出来るのであり、また、それと同時
に、ブースタシリンダ室と型開シリンダ室の圧抜きを、
サーボ弁によって、第一〜三の圧力センサの検出値に基
づいて圧力制御しつつ行うことにより、意図しない型開
きも防止することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての型締装置の要部構
造を概略的に示すモデル図である。
【図2】図1に示された型締装置を用いた本発明方法に
従う圧抜作動を説明するための電磁切換弁の切換作動の
タイムチャート図である。
【図3】図1に示された型締装置を用いた本発明方法に
従う圧抜作動に際しての差圧の設定手法を説明するため
のフローチャートである。
【符号の説明】
10 型締装置。 16 型締シリンダ室 18 型開シリンダ室 20 ブースタシリンダ室 24 固定盤 26 可動盤 32 油圧源 34 サーボ弁 36 第一の電磁切換弁 38 第二の電磁切換弁 40 第三の電磁切換弁 44 油タンク 62 第一の圧力センサ 64 第二の圧力センサ 66 第三の圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/20 - 33/28 B29C 45/64 - 45/68 B29C 45/82 B22D 17/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動盤を固定盤に対して接近移動させる
    主シリンダ室および副シリンダ室と、可動盤を固定盤に
    対して離隔移動させる型開シリンダ室が、それぞれ独立
    して制御可能に設けられた型締装置において、前記主シ
    リンダ室および前記副シリンダ室を昇圧して型締作動を
    行った後、それら主シンリダ室および副シリンダ室と前
    記型開シリンダ室を圧抜きするに際して、 前記主シリンダ室を圧抜用電磁弁を通じて圧抜きすると
    共に、前記副シリンダ室と前記型開シリンダ室に対して
    油圧源とドレン流路をサーボ弁で接続制御することによ
    り、該主シリンダ室と該副シリンダ室の圧力による型締
    方向力が該型開シリンダ室の圧力による型開方向力より
    も大きく維持されるように、かかるサーボ弁で圧力制御
    して、それら副シリンダ室と型開シリンダ室を圧抜きす
    ることを特徴とする型締装置における圧抜制御方法。
  2. 【請求項2】 前記サーボ弁によって、前記主シリンダ
    室と前記副シリンダ室の圧力による型締方向力が、前記
    型開シリンダ室の圧力による型開方向力よりも、予め設
    定された差圧:αだけ大きくなるように圧力制御すると
    共に、かかる差圧:αの値を、圧抜開始時の型締圧力の
    大きさに応じて、該型締圧力が小さい程大きくなるよう
    に複数段階に調節設定することを特徴とする請求項1に
    記載の型締装置における圧抜制御方法。
  3. 【請求項3】 可動盤を固定盤に対して接近移動させる
    主シリンダ室および副シリンダ室と、可動盤を固定盤に
    対して離隔移動させる型開シリンダ室が、それぞれ独立
    して制御可能に設けられた型締装置において、 前記主シリンダ室の圧力を検出する第一の圧力センサ
    と、 前記副シリンダ室の圧力を検出する第二の圧力センサ
    と、 前記型開シリンダ室の圧力を検出する第三の圧力センサ
    と、 前記主シリンダ室を直接的に圧抜きする圧抜用電磁弁
    と、 前記副シリンダ室と前記型開シリンダ室に対して油圧源
    とドレン流路を接続制御するサーボ弁と、 前記主シリンダ室の圧抜用電磁弁を開くと共に、前記第
    一,第二及び第三の圧力センサの検出値に基づいて、前
    記主シリンダ室と前記副シリンダ室の圧力による型締方
    向力が前記型開シリンダ室の圧力による型開方向力より
    も大きく維持されるように該サーボ弁で圧力制御して、
    該副シリンダ室と該型開室を圧抜きする圧抜コントロー
    ラとを、設けたことを特徴とする型締装置。
  4. 【請求項4】 前記主シリンダ室の圧抜用電磁弁とし
    て、ショックレス弁を採用した請求項3に記載の型締装
    置。
JP2000038963A 2000-02-17 2000-02-17 型締装置および型締装置における圧抜制御方法 Expired - Fee Related JP3425549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000038963A JP3425549B2 (ja) 2000-02-17 2000-02-17 型締装置および型締装置における圧抜制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000038963A JP3425549B2 (ja) 2000-02-17 2000-02-17 型締装置および型締装置における圧抜制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001225331A JP2001225331A (ja) 2001-08-21
JP3425549B2 true JP3425549B2 (ja) 2003-07-14

Family

ID=18562609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000038963A Expired - Fee Related JP3425549B2 (ja) 2000-02-17 2000-02-17 型締装置および型締装置における圧抜制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3425549B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102001168B (zh) * 2010-09-08 2012-12-05 宁波伊士通技术股份有限公司 新型液压伺服泄压模式控制系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001225331A (ja) 2001-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02198818A (ja) 射出成型機及びその型締力を調整する方法
CN109909476B (zh) 挤压销控制装置以及具有该挤压销控制装置的压铸机
JP3247319B2 (ja) 直圧式型締装置における型締圧力の制御方法および制御装置
CA2582178A1 (en) Multiple-slide die-casting system
JP3847524B2 (ja) ダイカスト装置
WO2020179209A1 (ja) 射出装置及び成形機
JP5147120B2 (ja) 射出成形機
US20030151166A1 (en) Injection compression molding method and machine for carrying out the same
JP3425549B2 (ja) 型締装置および型締装置における圧抜制御方法
JP5477972B2 (ja) 射出圧縮成形機の型締制御方法および型締装置
JP4619561B2 (ja) 射出発泡成形機の型開閉装置
JP3895511B2 (ja) 射出成形機の型締装置
JP4436104B2 (ja) ダイカストマシン
JP7102088B2 (ja) 成形機の制御方法および成形機
JP2001315177A (ja) 射出成形機の型締油圧装置
JPS6327228A (ja) 射出圧縮成形機の型締装置
JP3224579B2 (ja) 射出成形機の型締制御方法および装置
JP2804096B2 (ja) 型締装置における油圧回路
JP2674512B2 (ja) 射出圧縮成形機
JPWO2004111465A1 (ja) 成形機及び成形方法
JP2010234584A (ja) 射出成形機
JP3234471B2 (ja) 型締め装置の制御装置
JP3297343B2 (ja) 射出圧縮成形方法
JP2001269975A (ja) 射出成形機の型開制御方法
JPH0750186Y2 (ja) 射出成形機の型開閉用油圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080502

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090502

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100502

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees