JP3425216B2 - 半導体基板の研磨方法 - Google Patents

半導体基板の研磨方法

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JP3425216B2 JP10174994A JP10174994A JP3425216B2 JP 3425216 B2 JP3425216 B2 JP 3425216B2 JP 10174994 A JP10174994 A JP 10174994A JP 10174994 A JP10174994 A JP 10174994A JP 3425216 B2 JP3425216 B2 JP 3425216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に半導体デバイスの
分野に関し、さらに詳しくは半導体基板の化学・機械研
磨に使用する研磨パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板の平坦化は、半導体デバイス
を形成するのに使用する層の数が増加するにつれ、次第
に重要になりつつある。平坦化されていない半導体基板
は、フォトレジスト層のパターン化が難しいこと、膜の
デポジション(deposition)中に膜内に空隙が形成され
ること、およびエッチング工程中の層の除去が不完全で
層の残余部分が残ること(ストリンガともいう)を含
め、多くの問題を有する。
【0003】図1および図2は、半導体基板を研磨する
のに用いられる化学・機械ポリッシャの一部を示す。図
1は、化学・機械ポリッシャ10の断面図である。ポリ
ッシャ10は、プラテン14、およびプラテン14に接
着剤(図示せず)で付着された研磨パッド11を有す
る。研磨パッド11の上には、基板ホルダ12があり、
基板ホルダ12はそれぞれ半導体基板13を有する。ポ
リッシャ10は、研磨スラリおよびスラリ・フィードを
含む(ともに図示せず)。研磨パッド11は、約1から
2ミリメートルの比較的均一な厚さを有する多孔性ポリ
ウレタン材料で作ることができる。図2は、研磨パッド
11と基板13の間の動きの関係を示す上面図である。
研磨中、研磨パッド11は反時計回りまたは時計回りに
回転するが、基板13は通常、研磨パッド11と同じ方
向に回転する。基板13および研磨パッド11が回転す
る間、基板13は研磨パッドの前後に連続往復運動す
る。この連続往復運動は、連続往復運動レンジと呼ばれ
る距離をカバーし、ある連続往復速度で行われる。研磨
が実施される間、研磨スラリは循環使用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化学・機械研磨を実際
使用する場合は通常、基板表面全体の研磨速度が均一で
はない。多くの場合、基板の端部付近の研磨速度の方
が、基板中央付近の研磨速度よりも早くなる。これは、
研磨パッドと基板との相対速度が、基板中央に比べて基
板の端部近くの方が高速だからである。したがって、基
板の中央付近の一部領域は研磨が不足し、端部付近の領
域の一部が研磨されすぎる場合がある。
【0005】このような不均一性は研磨パッドに起因す
る可能性がある。ここでポリウレタン研磨パッドの形成
の概略を説明する。ポリウレタン研磨パッドは通常、円
筒形容器内にポリウレタンを形成する薬剤を反応させる
ことによって形成される。円筒形状のポリウレタンを形
成した後、これをスライスして、後に研磨パッドとして
使用する。研磨パッドは通常、約100から200ミク
ロンのサイズの細孔(ポア)を有する。この細孔のサイ
ズはさまざまであるが、研磨パッドの一部領域における
細孔の平均サイズは通常、研磨パッドの他の領域と同じ
である。後述するように、この種の先行技術の研磨パッ
ドを従来型研磨パッドという。不均一性が生じるのは、
基板の端部が、基板中央に比べて、研磨パッドに対して
高速に動くためであり、従来型研磨パッドには、研磨の
不均一性を補正する機能はない。先行技術は、研磨パッ
ド内にパターンを形成することによって、従来型研磨パ
ッドを修正して、不均一な研磨の問題に対処してきた。
これらの研磨パッドは、開口部を含む種々の幾何学パタ
ーンの形成を含む。研磨パッドは通常多孔性であり、細
孔は研磨パッド材料を形成する反応の間に形成されるこ
とを認識すべきである。本明細書では、開口部は細孔と
区別される。なぜなら、開口部は、研磨パッド材料を形
成する反応が生じた後にパッド内に形成されるからであ
る。従来型研磨パッドは細孔を有するが、開口部は持た
ない。開口部を有する先行技術の研磨パッドは通常、セ
ンチメートルのオーダーの幅を有するか、または先行技
術の研磨パッドは、研磨パッドの端部から遠ざかるにつ
れて開口部の密度が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板全体にわ
たる研磨の均一性を改善するための研磨パッド、および
この研磨パッドを使用する方法を含む。研磨パッドは、
研磨パッドの端部に隣接する第1領域、および第1領域
に隣接し、さらに研磨パッドの端部から遠くにある第2
領域を有する。研磨パッドは、第2領域が複数の開口部
を有するか、または第1領域の平均細孔サイズよりも大
きな平均細孔サイズを有するように構成される。本発明
はまた、第1領域内の開口部を含み、第1領域内の開口
部の幅もしくは密度は、第2領域内の開口部の幅もしく
は密度よりも小さい。研磨パッドは、装置に対し、また
は連続往復運動レンジ以外のポリッシャの動作パラメー
タに実質的な変更を加える必要なしに、化学・機械研磨
に使用できる。
【0007】本発明のその他の特性ならびに利点は、添
付図面および以下の詳細な説明からより明確になろう。
【0008】
【実施例】本発明は、基板全体にわたる研磨の不均一性
を改善する研磨パッド、およびこの研磨パッドを使用す
る方法を含む。研磨パッドは、研磨パッドの端部に隣接
する第1領域、および第1領域に隣接し、さらに第1領
域と比較して研磨パッドの端部から遠くにある第2領域
を有する。以下に詳述するように、第2領域は複数の開
口部を有するか、または第1領域と比較して、平均細孔
サイズが大きい。本発明の研磨パッドを使用する場合、
装置の変更は不要であり、連続往復運動レンジ以外には
研磨パラメータも実質的に影響を受けない。
【0009】図3から図7の研磨パッドはすべて、平均
細孔サイズが約100から200ミクロンの多孔性ポリ
ウレタン材料を含む。図3は、本発明の一実施例による
複数の開口部を有する研磨パッド81の図を含む。研磨
パッド81は、第1領域83および第2領域82を有す
る。研磨パッド81の厚さは表面全域にわたり実質的に
均一である。第2領域82は複数の開口部84を有す
る。各開口部84は、範囲1)約250から1000ミ
クロン、または範囲2)平均細孔サイズよりも約25か
ら1000パーセント大きい、のいずれかの範囲を有す
る。累加すると、開口部84は、領域82内の研磨表面
積の約5から50パーセントの範囲を占める。たとえ
ば、領域82は、それぞれ約500ミクロンの複数の開
口部84を有し、領域82の全表面積に占める開口部8
4の面積は約30パーセントに及ぶ可能性がある。研磨
パッド81および基板13の回転方向および連続往復運
動方向を図3に示す。第2領域82内の開口部84は、
開口部のない従来型研磨パッドに比べて第2領域82内
の研磨速度を高めるのに役立つ。基板13は研磨中回転
しているため、基板の端部は、ほんのわずかな時間しか
開口部84に露出されず、基板13の中央は、開口部8
4を含む第2領域82の上にほとんど常に位置する。第
1領域83では、基板13と研磨パッド81との間の相
対速度が高いために研磨速度が高速化する一方、開口部
84への露出時間が短いことによって研磨速度が低下す
る。第2領域82では、基板13とパッド81との間の
相対速度が低いために研磨速度が低下する一方、開口部
84への露出時間が長いことによって研磨速度が上昇す
る。このようにして、基板13の研磨速度は、先行技術
の研磨パッド11と比較して、基板13の主表面全体で
より均一化できる。
【0010】図4は、研磨パッド81を有するポリッシ
ャ10の断面図を含む。研磨パッド81は接着剤(図示
せず)によってプラテン14に付着される。基板13
は、基板ホルダ12によって保持される。基板の中心点
は常に研磨パッド81の領域82の上に位置するように
する。領域82が大きすぎる場合には、基板全体の研磨
速度が十分に均一でなくなる可能性がある。平均する
と、各基板の主表面の約20から80パーセントが、研
磨中、領域82と接する。そのため領域82は、研磨パ
ッドの中央から研磨パッドの端部までの距離の約50か
ら80パーセントの距離に及ぶ。開口部84は、研磨パ
ッド81を貫通して伸びる形で示される。開口部84
は、研磨スラリが研磨パッド81を通して移動するのを
助ける。
【0011】図5は、本発明の別の実施例を示す。研磨
パッド101は、第1領域104,第2領域102およ
び第3領域103を含む3つの領域を有する。第2領域
102は、研磨パッド81の第2領域82の中の開口部
84と、形状および密度が同様の開口部帯84を有す
る。図5は、開口部84のない第1領域104と第3領
域103とを示すが、その一方または両方が開口部を有
することもできる。領域104内の開口部の幅は、領域
103内の開口部の幅より広くなく、或いは領域104
内の開口部の密度は、領域103内の開口部の密度より
高くすべきではない。領域103内の開口部の幅は、領
域102内の開口部84の幅より広くなく、或いは領域
103内の開口部の密度は、領域102内の開口部84
の密度より高くすべきでない。
【0012】図6は研磨パッド101および基板13の
断面図を示す。第2領域102の幅は、基板13の主表
面の寸法の約20から80パーセントを占める。基板1
3が直径約200ミリメートルのウエハである場合、主
表面の寸法は約200ミリメートルになる。第2領域1
02の幅がウエハの主表面の寸法の約50パーセントで
ある場合には、第2領域102の幅は約100ミリメー
トルになる。この例は分かりやすく示すためのものであ
って、本発明を限定するものではない。
【0013】図7は、本発明の別の実施例の図を示す。
図7は、図5および図6の研磨パッド101と同様の研
磨パッド71を含む。研磨パッド71は第1領域74,
第2領域72および第3領域73を含む。図5および図
6と異なり、開口部75は研磨パッドの一部分にしか及
んでいない。一般に、開口部75の深さは、基板13の
表面に沿った微細構成の差と少なくとも同じ大きさにす
べきである。たとえば、基板13の一つの表面に沿った
微細構成の差が約2ミクロンの場合には、開口部84の
深さは少なくとも約2ミクロンにすべきである。すなわ
ち、開口部75は、研磨パッド71の表面から少なくと
も約2ミクロン下まで達しなければならない。図7で
は、開口部75は、研磨パッド71の厚さの約半分に達
している。開口部75は、研磨パッド74の厚さに応じ
て、約0.5から1.0ミリメートルの深さをとる。
【0014】研磨パッドの製造は難しいとは予想され
ず、異なるやり方で実施できる。開口部75または84
はレーザー・アブレーション(laser ablation)によっ
て形成でき、或いはドリル加工によって研磨パッドを機
械加工することもできる。レーザー・アブレーション
は、シリコン基板に識別マークを描記(scribe)するの
に用いられ、レーザー・アブレーションには、YAGま
たはエキシマ・レーザーを使用できる。レーザー・アブ
レーションによって開口部を形成する方法は、ウエハを
描記するのに用いる方法と同様のものになる。開口部7
5,84にはドリル加工を実施できるが、さん孔機(dr
illing machine)は、小さい幅の開口部を形成できて、
開口部の密度を制御できるような高い精度を有する必要
がある。現在、コンピュータ制御の工作機械が、ドリル
加工により開口部を形成できると予想される。
【0015】図8に示す実施例において、研磨パッド1
21は平均的細孔サイズを有して形成され、この細孔サ
イズは研磨パッドの表面全体にわたり変化する。領域1
22は、平均細孔サイズが、研磨パッド121の中央か
ら離れるにしたがって小さくなる細孔を有する。領域1
23は、従来型研磨パッドの平均細孔サイズにほぼ等し
い平均細孔サイズを有する。そのため、領域123は幅
約100から200ミクロンの平均細孔サイズを有し、
領域122は、範囲1)約250から1000ミクロ
ン、または範囲2)領域123の平均細孔サイズより約
25から1000パーセント大きい、のいずれかの範囲
の平均細孔サイズを有する。大きな平均細孔サイズは、
研磨パッドを形成する反応が生じる間、研磨パッドの一
部を局所的に加熱することによって形成できる。研磨パ
ッドを形成する一つの方法では、ポリウレタンの円筒形
ブロックを形成するのに用いられる反応シリンダ内に、
熱プローブを置く。熱プローブは半径方向の中心線に沿
って円筒を移動し、化学薬剤が反応してポリウレタンを
形成する間、プローブが当てられる。シリンダの中央付
近の局所的な高温によって、シリンダの端部と比較し
て、シリンダ中央付近に、より大きな細孔が形成され
る。さらに別の実施例では、マイクロ波などの電磁放射
線を集中的に当て、大きな細孔を形成するところに放射
線による局所的加熱が生じるようにできる。放射線が集
中的に当てられ、ポリウレタンの反応の間、シリンダが
回転する場合には、図5および図6の研磨パッド101
の開口部84と同様の位置に、大きな細孔帯を形成でき
る。どの工程も破壊的ではなく、これは、ポリウレタン
研磨パッドが、細孔サイズが異なることを除いて、従来
型研磨パッドと実質的に同じ特性を有することを意味す
る。上に記載したポリウレタン・パッド形成方法は分か
りやすく示すためのものであって、限定することを意図
するものではない。
【0016】本発明の研磨パッドは、半導体基板の化学
・機械研磨のほとんどあらゆる用途に使用できる。特別
な装置の変更も必要としない。この研磨パッドの任意の
一つを使用する場合、動作パラメータの多くは、従来型
研磨パッドを使用する動作パラメータと同様にすべきで
ある。図3から図9に示す研磨パッドはいずれも、従来
型研磨パッドと同様に、ポリッシャ10のプラテン14
に付着される。基板ホルダ12および基板13を処理も
しくは変更する必要はない。スラリの組成,プラテンの
回転速度および基板の回転速度はすべて、従来型研磨パ
ッドが有するような、ポリッシャの通常の動作パラメー
タの範囲内にあると予想される。連続往復運動レンジ
は、先行技術で通常使用される範囲を上回る場合があ
る。研磨性能を最適化するため、他の動作パラメータを
若干変更する必要があるかもしれない。
【0017】連続往復運動は、連続往復運動レンジおよ
び連続往復運動速度を含む。連続往復運動レンジは、研
磨すべき基板の主表面の寸法、研磨パッドの第2領域の
寸法および半導体基板のサイズによって異なる。通常、
半導体基板は、主表面の寸法の約40パーセントを超え
ない範囲で両方向に連続往復運動する。連続往復運動レ
ンジは通常、半導体基板の主表面の寸法の80パーセン
トを超えない距離である。連続往復運動レンジの制限
は、半導体基板の中心点が、研磨工程の間、常に研磨パ
ッドの第2領域の上に位置するようにすることである。
連続往復運動レンジのもう一つの制限は、半導体基板の
端部が研磨中、研磨パッドの端部を超えないことであ
る。半導体基板は、半導体基板の最も外側の点が、研磨
工程の間、研磨パッドの第2領域の最も外側のポイント
の位置にくるように動くべきである。「最も外側」を決
定する基準点は、研磨パッドの中心である。そのため、
半導体基板の最も外側の点は、研磨パッドの中心から最
も遠い距離にある点であり、第2領域の最も外側の点
は、研磨パッドの中心から最も遠い距離にある点であ
る。大半の用途において、連続往復運動レンジは、半導
体基板の主表面の寸法の5から50パーセントの範囲内
にある距離である。
【0018】たとえば、半導体基板が、約150ミリメ
ートルの直径を有するウエハであり、図5および図6の
研磨パッドが使用されると想定しよう。第1のケースで
は、領域102の幅はウエハの直径の約33パーセン
ト、すなわち約50ミリメートルと想定する。ウエハが
図6と同様に領域102の中央にある場合には、半導体
基板は、領域102の各端部から約50ミリメートル超
えたところまで達する。そのため、半導体基板13は右
に約25ミリメートル、左に約25ミリメートル連続往
復運動する。連続往復運動レンジは約50ミリメートル
である。このケースで、連続往復運動レンジが小さくな
る場合には、ウエハの最も外側の点は領域102の最も
外側の点の位置にこない。このケースで連続往復運動レ
ンジが増加する場合には、研磨工程の少なくとも一部の
期間、ウエハの中心点が領域102の上に位置しない。
【0019】第2のケースでは、領域102の幅がウエ
ハの直径の約80パーセント、すなわち約120ミリメ
ートルと想定する。半導体基板13は、研磨工程中、ウ
エハの最も外側の点が、領域102の最も外側の部分の
位置にくるように、それぞれの方向に少なくとも約15
ミリメートルのところまで連続往復運動する。連続往復
運動レンジは少なくとも約30ミリメートルである。半
導体基板13は、研磨工程の間、ウエハの中心点が常に
領域102の上に位置するように、それぞれの方向に6
0ミリメートルを超えない範囲で連続往復運動する。連
続往復運動レンジは約120ミリメートルを超えない。
このケースで、半導体基板13は、それぞれの方向に、
約15から60ミリメートルの範囲で連続往復運動す
る。連続往復運動レンジは約30から120ミリメート
ルである。連続往復運動速度は、上記2つのケースのい
ずれの場合も、秒速約1から10ミリメートルの範囲を
とる。
【0020】本発明は多くの利点を含む。本発明の研磨
パッドは、装置に対して大きな変更を加えずに、多くの
商業的な化学・機械ポリッシャに使用できる。側方前後
運動以外の研磨パラメータには大きな変更は予想されな
い。側方運動は変更する可能性があるが、半導体基板の
最適な研磨を達成するために、他の加工パラメータを調
整する必要はほとんどないであろう。
【0021】本発明の研磨パッドは、より均一な研磨特
性を有すると予想される。先行技術の研磨パッドの多く
は、研磨速度を高め、均一性を増すと思われる幾何学形
状を有する。具体的には、一つの先行技術の研磨パッド
では、研磨パッドの端部の方に行くと開口部の密度が高
くなる。先行技術の考え方とは逆に、端部の方に行くと
開口部の密度が高くなっているパッドは、研磨の不均一
性にいっそう寄与すると考えられる。プラテンおよび半
導体基板は通常、同一方向に回転することを認識すべき
である。そのため、研磨パッドに対する半導体基板の相
対速度は、半導体基板の端部が研磨パッドの端部に最も
近づいたときに、最高速になる。先行技術と違い、本発
明は、基板の端部付近の研磨速度を高めるのに寄与する
よりも、基板中央の研磨速度を高めるのに寄与する。研
磨速度は、基板の主表面全体でより均一化する。なぜな
ら、第2領域72,82,102からのスラリ運搬およ
び研磨生成物の除去が促進されるからである。
【0022】開口部またはより大きな平均細孔サイズに
よって、従来型パッドに比べて第2領域72,82,1
02内の細孔74、または開口部84に近接する細孔
が、目詰まり状態になる確率を低下させる。細孔が目詰
まりになる場合には、その細孔が位置する場所の研磨速
度が一般に低下する。そのため、本発明の研磨パッド
は、より均一な研磨速度を持つと予想される。なぜな
ら、細孔74に近接する細孔および開口部84が目詰ま
りする可能性が低いからである。
【0023】本発明の研磨パッドは、細孔が目詰まり状
態になる可能性が低いので、寿命が長くなると予想され
る。細孔が目詰まりした後、研磨パッドは、交換もしく
は「再生」する必要がある。再生は、ダイヤモンド・デ
ィスクなどの摩擦工具を用いて実施する。再生では、研
磨パッドの表面付近の研磨パッド材料内の細孔がほとん
ど切り開かれるので、通常破壊的な工程となる。この破
壊的な作業により、通常、研磨パッドの寿命は短くな
る。細孔または開口部が大きいと、細孔が目詰まりする
可能性が低下するので、本発明は研磨パッドの寿命を伸
ばすであろう。本発明のパッドは再生の必要があるとは
思われない。
【0024】細孔74もしくは開口部84は数百ミクロ
ンのオーダーである。細孔もしくは開口部が、センチメ
ートルのオーダーのように大きすぎる場合には、基板の
中央は、これらの超大開口部の上で多くの時間を消費す
る。一般に、基板上のある点の局所的な研磨速度は、そ
の点が開口部の上に位置する時には、開口部の上にない
点と比較して低いかまたはゼロに近くなる。開口部が大
きすぎる場合には、基板の一部が開口部上で時間を消費
しすぎ、これが研磨速度を低下させる。加えてそのよう
な各開口部は、その開口部に近接する限定された領域上
における細孔の目詰まりを減らすことができるだけであ
る。超大開口部を使用する場合には、研磨パッドは、そ
の上に超大開口部から十分遠くにある点を有する場合が
あり、この箇所では依然細孔の目詰まりを起こす可能性
がある。細孔もしくは開口部のサイズを数百ミクロンの
オーダーに維持することにより、これらの細孔もしくは
開口部の密度を調整して、細孔の目詰まりを起こす確率
を低下させることができる。
【0025】本発明の研磨パッドは、使用に先立って調
整する必要はない。この「調整」には、摩擦工具を用い
た研磨またはダミー・ウエハの処理が含まれる。摩擦工
具は研磨パッドに対して本来破壊的である。研磨パッド
は一般に、交換までに、有られた個数の基板しか加工で
きない。ダミー・ウエハを処理する場合には、研磨パッ
ド上で処理できる基板数は、ダミー・ウエハを処理しな
い場合より少なくなるであろう。パッドを調整しないこ
とによって、研磨パッドはより多くの基板を処理でき
る。
【0026】本発明は、ここに示す実施例もしくは材料
に限定されない。本発明の研磨パッドは、同一研磨工程
の間に、一定数の半導体基板を研磨できるポリッシャで
使用できる。
【0027】上述の明細書では、本発明を具体的実施例
を参照して説明してきた。しかしながら、添付請求の範
囲に定める本発明の広範な意図もしくは範囲から逸脱せ
ずに、これに対して種々の変形および変更がなされるこ
とは明かである。したがって、本明細書および図面は、
限定的な意義よりも、むしろ分かりやすく説明すること
を意図するものである。
【図面の簡単な説明】
本発明は、例示目的で図解するのであって、添付図面の
図には限定されない。図中の同一参照番号は同様の素子
を示す。
【図1】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含む(先行技術)。
【図2】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含む(先行技術)。
【図3】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは、本発明の一実施例による複数の開
口部を有する。
【図4】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは、本発明の一実施例による複数の開
口部を有する。
【図5】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは本発明の別の実施例による複数の開
口部を有する。
【図6】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは本発明の別の実施例による複数の開
口部を有する。
【図7】研磨パッドおよび基板の断面図を含み、研磨パ
ッドは、本発明の別の実施例による複数の開口部を有す
る。
【図8】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは、本発明の別の実施例により、より
大きな平均細孔サイズを持つ領域を有する。
【図9】研磨パッドおよび基板の断面図および上面図を
含み、研磨パッドは、本発明の別の実施例により、より
大きな平均細孔サイズを持つ領域を有する。
【符号の説明】
10 化学・機械ポリッシャ 11 研磨パッド 12 基板ホルダ 13 基板 14 プラテン 71 研磨パッド 72 第2領域 73 第3領域 74 第1領域 75 開口部 81 研磨パッド 82 第2領域 83 第1領域 84 開口部 101 研磨パッド 102 第2領域 103 第3領域 104 第1領域 121 研磨パッド 122 第2領域 123 第1領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 B24B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板(13)を研磨する方法であ
    って: ポリッシャ(10)の中に前記基板(13)を置く段
    階;および 研磨パッド(81,101,71,121)を用いて前
    記基板(13)を研磨する研磨段階; から成り、 前記研磨パッド(81,101,71,121)は、 端部; 第1平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記端
    部に隣接して位置する第1領域(83,104,74,
    123);および 第2平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記第
    1領域に隣接し、かつ前記第1領域に比較して前記端部
    からより遠くに位置する第2領域(82,102,7
    2,122);を含み、かつ、 前記第2領域が複数の開口部(84,75)を有し、該
    複数の開口部(84,75)の各々が約250から10
    00ミクロンの幅を有するか或いは前記第1領域の前記
    平均細孔サイズよりも約25から1000パーセント大
    きい範囲にある幅を有し、或いは前記第2平均細孔サイ
    ズが前記第1平均細孔サイズよりも大きくなるように構
    成されている; ことを特徴とする研磨方法。
  2. 【請求項2】 中心点および主表面を有する半導体基板
    (13)を研磨する方法であって: ポリッシャ(10)の中に前記基板(13)を置く段
    階;および 研磨パッド(81,101,71,121)を用いて前
    記基板(13)を研磨する研磨段階; から成り、 前記研磨パッド(81,101,71,121)は、 端部; 第1平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記端
    部に隣接して位置する第1領域(83,104,74,
    123);および 第2平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記第
    1領域に隣接し、かつ前記第1領域に比較して前記端部
    からより遠くに位置する第2領域(82,102,7
    2,122);を含み、かつ、 前記第2領域が複数の開口部(84,75)を有し、該
    複数の開口部(84,75)の各々が約250から10
    00ミクロンの幅を有するか或いは前記第1領域の前記
    平均細孔サイズよりも約25から1000パーセント大
    きい範囲にある幅を有し、或いは前記第2平均細孔サイ
    ズが前記第1平均細孔サイズよりも大きくなるように構
    成され; 研磨段階中に前記基板の中心点が前記第2領域の上にあ
    るように、当該研磨方法が実行され、 当該研磨方法はさらに前記研磨パッドの一部にわたり前
    記半導体基板を振動させる段階を含み、該振動運動は前
    記主表面の寸法の約5から50パーセントの範囲にある
    距離の振動を含む; ことを特徴とする研磨方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板(13)を研磨する研磨パッ
    ド(81,101,71,121)であって: 端部; 第1平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記端
    部に隣接して位置する第1領域(83,104,74,
    123);および 第2平均細孔サイズを有する複数の細孔を含み、前記第
    1領域に隣接し、かつ前記第1領域に比較して前記端部
    からより遠くに位置する第2領域(82,102,7
    2,122);を含み、かつ、 前記第2領域が複数の開口部(84,75)を有し、該
    複数の開口部(84,75)の各々が約250から10
    00ミクロンの幅を有するか或いは前記第1領域の前記
    平均細孔サイズよりも約25から1000パーセント大
    きい範囲にある幅を有し、或いは前記第2平均細孔サイ
    ズが前記第1平均細孔サイズよりも大きくなるように構
    成されている; ことを特徴とする研磨パッド。
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