JP3424464B2 - 液圧バルジ加工用表面処理鋼管 - Google Patents

液圧バルジ加工用表面処理鋼管

Info

Publication number
JP3424464B2
JP3424464B2 JP29525396A JP29525396A JP3424464B2 JP 3424464 B2 JP3424464 B2 JP 3424464B2 JP 29525396 A JP29525396 A JP 29525396A JP 29525396 A JP29525396 A JP 29525396A JP 3424464 B2 JP3424464 B2 JP 3424464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
resin
steel pipe
pipe
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29525396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10137864A (ja
Inventor
正康 小嶋
健司 壱岐島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17818204&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3424464(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP29525396A priority Critical patent/JP3424464B2/ja
Priority to IDP973596A priority patent/ID21208A/id
Priority to CA002220192A priority patent/CA2220192A1/en
Priority to US08/964,915 priority patent/US6009913A/en
Priority to KR1019970058620A priority patent/KR100298796B1/ko
Priority to DE69710414T priority patent/DE69710414T2/de
Priority to EP97308932A priority patent/EP0841388B1/en
Priority to EP01105671A priority patent/EP1113066B1/en
Priority to DE69729592T priority patent/DE69729592T2/de
Publication of JPH10137864A publication Critical patent/JPH10137864A/ja
Publication of JP3424464B2 publication Critical patent/JP3424464B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液圧バルジ加工に供
する潤滑表面処理鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管の液圧バルジ加工は、配管の分岐部
に用いられるT型管継手(以下、T継手と記す)の代表
的な加工方法として知られている。
【0003】図1はT継手の図で、(イ)は側面図、
(ロ)はA−A中央断面図である。T継手1は母管部1
aと高さHの枝管部1bからなり、両者がスムースな曲
率(半径R)を有するクロッチ部1cで結ばれている。
【0004】図2は、T継手の液圧バルジ加工に用いら
れる金型を示し、(イ)は長手方向断面図、(ロ)は側
面図である。金型2は上型2aと下型2bからなり、上
下に分割できる構造になっている。
【0005】上型2aには半円形のダイス溝2a−1
が、下型2bには同じく半円形のダイス溝2b−1とダ
イス孔2b−2が設けられており、これらで形成される
金型内郭形状はT継手1の外郭形状と同一である。金型
2には一般に工具鋼が用いられ、熱処理あるいはクロム
メッキなどによって金型内郭部表面は硬質かつ平滑に仕
上げられている。
【0006】図3は、T継手の液圧バルジ加工工程を示
す部分断面図である。
【0007】図3(イ)は、T継手の母管部と同一の外
径D1、肉厚taの管を所定長さL0 に切断した素管3
を液圧バルジ加工機(図示せず)に取り付けた下型2b
のダイス溝2b−1にセットし、液圧バルジ加工機の上
下方向加圧装置(図示せず)に取り付けた上型2aを降
下せしめ、液圧バルジ加工の際に上型2aが浮き上らな
いように、下型2bに所定の力で押しつけた状態を示
す。
【0008】図3(ロ)は、液圧バルジ加工機の水平方
向加圧装置(図示せず)に取り付けた対向する押金4、
5を前進させて押金端面4a、5aを素管端面3aに押
し付け、ついで押金4の内部を貫通する加工液注入用管
路6を通して注入した加工液8で素管3の内部を充満さ
せた状態を示す。加工液としては、水に防錆を主目的と
した油分を混合させたエマルジョンを用いるのが一般的
である。この後、加工液8の圧力を増加させながら左右
の押金4、5を前進せしめると、下型ダイス孔2b-2
の入口R部2b−3を通過して材料がダイス孔2b-2
の中に流入していく。
【0009】図3(ハ)は、材料の長さがT継手母管部
の長さよりも僅かに長いL´まで縮むと同時に、ダイス
孔2b−2と所定位置にあらかじめセットされたストッ
パ7で規制された形状の隆起部9bが形成された状態を
示す。この後、加工液8の圧力を低下、押金4、5を後
退および上型2aを上昇させ、ストッパ7をシリンダ
(図示せず)で上昇させて半製品9を下型2bから取り
出す。
【0010】図3(ニ)は、半製品の側面図である。隆
起部9bを高さHの位置で切断し、母管部9aを長さL
に仕上げ、必要に応じて熱処理を施すことによってT継
手が得られる。
【0011】ところで、図3(ロ)〜(ハ)の加工工程
においては、材料には加工液8による数百〜千数百気圧
の内圧が作用し、これに押金4、5による軸方向圧縮が
加わるので、材料の外面と上型ダイス溝2a-1および
下型ダイス溝2b-1には大きな圧力が作用する。
【0012】また、加工硬化した材料が滑る下型ダイス
孔の入口R部2b−3にも大きな圧力が作用する。この
状態で材料をダイス溝2a-1、2b-1内で軸方向に収
縮、あるいはダイス孔2b-2に流入させる際の摩擦が
次のような問題を引き起こす。 第1は、半製品9の外
面に擦り疵が生じ、グラインダなどによる研磨手入れが
必要となることである。前述のごとく金型2の内郭部は
硬質かつ平滑に仕上げられてはいるが、摩擦条件が過酷
であるために、連続して加工を行うと金型にも擦り疵が
発生する。金型表面の研磨修正は生産の能率を低下させ
るばかりでなく、修正が度重なると製品に寸法変化をき
たしてしまう。この場合には肉盛りと仕上げ加工が必要
となるので金型の保守費用が嵩んでしまう。
【0013】第2は、材料が軸方向にすべりにくいため
に、管端部近傍での挫屈が生じ易くなり、薄肉品の加工
が困難となることである。
【0014】図4は、挫屈が発生した状態を示す図であ
る。同図に示すように挫屈10は管端部近傍で生じ易
い。
【0015】第3は、材料がダイス孔2b−2内に流入
しにくくなるために、隆起部の破断が生じ易くなること
である。
【0016】図5は、隆起部の破断状態を示す斜視図で
ある。同図に示すように、材料がダイス孔に流入しにく
くなると隆起部の頂部で割れ11が発生する。
【0017】液圧バルジ加工における上記のような諸問
題を解消するためには、材料が金型と極めて高い面圧の
もとで摺動する際の摩擦抵抗を減少させることが重要で
ある。
【0018】その対策として、素管の外表面に金型との
焼付き防止する処理が行われている。潤滑油を素管に塗
布する方法も考えられるが、金型との高面圧下での摺動
でこすり取られてしまうために効果が乏しい。金型内が
内圧付加のための水系の加工液で濡れているために潤滑
油の効果が低下することもある。
【0019】そこで最も広く採用されているのはペイン
ト塗装である。所定長さに切断された素管を脱脂洗浄
し、その外面を吹き付け、あるいははけ塗りによって塗
装し、十分に乾燥固化させた後に液圧バルジ加工が行わ
れている。
【0020】しかしながら、この方法には次のような問
題がある。
【0021】第1は、素管の脱脂洗浄および塗装乾燥に
労力と工数がかかる。また、長尺の素管を所定の長さに
切断した後でペイント塗装されるため、素管切断工程と
液圧バルジ加工工程を連続させることができない。した
がって、工程毎に材料が滞留し、材料保管のための余分
なスペースを確保する必要があるばかりでなく、工程全
体の能率が上がらないことである。
【0022】第2は、長尺の素管をほぼT継手の長さに
切断した後、1個1個人手によてペイント塗装がおこな
われているので、塗装に時間を要するばかりでなく、素
管の曲面部にペイントを均一に塗装するには熟練を必要
とすることである。薄肉の素管の場合に、不均一な膜厚
でペイント塗装されると、液圧バルジ加工の軸圧縮の際
に膜厚の段差部で挫屈が生じ易くなる。また、塗膜が厚
過ぎると金型に塗膜がこびりつき、これが次の加工で製
品に押し込み疵を発生させるので、その都度金型から塗
膜を取り除く手間がかかる。
【0023】第3は、ペイント塗装では素管端面の周方
向の一部に塗膜が厚く付着し易い。そのため、図3
(ロ)の加工で液注入に際して管端でのシーリングがで
きなくなるので、加工前に素管端面を目視検査して付着
塗膜をいちいち除去する必要があることである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものであり、ユーザーにおける加工
前の脱脂洗浄やペイント塗装、乾燥工程を省略し、素管
切断から液圧バルジ加工を連続的に行うことのできる焼
付き防止性能および潤滑性に優れた液圧バルジ加工用表
面処理鋼管を提供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長尺の素
管のままで潤滑表面処理ができ、素管を切断した後、直
ちにバルジ加工ができる表面処理鋼管の開発をすべく実
験、検討した結果、鋼管表面にガラス転移温度が40℃
以上、硬さが鉛筆硬度H以上であり、さらに膜厚が1〜
100μmである有機樹脂被膜を設けておくのがよいと
いう知見を得た。本発明の要旨は、以下の通りである。
【0026】1)鋼管の少なくとも外表面にアクリル
樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキシ
樹脂のいずれかの潤滑用の有機樹脂被膜を有し、その
機樹脂被膜はガラス転移温度が40℃以上、硬さが鉛筆
硬度H以上でありさらに膜厚が1〜100μmである
ことを特徴とする液圧バルジ加工用表面処理鋼管。
【0027】2)鋼管の少なくとも外表面に、塗装下地
処理層とその層上にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂およびエポキシ樹脂のいずれかの潤滑用の
有機樹脂被膜を有し、その有機樹脂被膜はガラス転移温
度が40℃以上、硬さが鉛筆硬度H以上でありさらに
膜厚が1〜100μmであることを特徴とする液圧バル
ジ加工用表面処理鋼管。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の液圧バルジ加工用表面処
理鋼管における限定条件について以下に詳述する。
【0029】(a)有機樹脂被膜(以下、樹脂被膜と記
す) 液圧バルジ加工時の潤滑性を確保し、焼き付き、擦り
疵、挫屈および破断等の発生を防止するために樹脂被膜
を鋼管の少なくとも外表面に設ける。
【0030】液圧バルジ加工では金型と加工材料の摺動
条件が厳しいが、このような加工に樹脂被膜が最適であ
る。この有機樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂である。さらに、これら
の樹脂を適宜硬化剤を用いて架橋されたものも使用でき
る。硬化剤の種類としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂
等が例示できる。例えば、アクリル酸やメタクリル酸を
主体として重合したアクリル樹脂をメチルアルコールや
ブチルアルコールで変性したメラミンで熱硬化させた塗
料等が挙げられる。
【0031】樹脂被膜に必要な性能としては、耐圧性と
密着性である。液圧バルジ加工では加工材料と金型の面
圧は数千気圧に達すると考えられる。被膜の耐圧性は硬
度で評価され、液圧バルジ加工における被膜の耐圧性を
確保するにはJIS K5400-6.14に規定される鉛筆硬度H
以上の硬さを有する被膜が必要となる。液圧バルジ加工
時には加工熱と摩擦熱によって加工材料の表面温度が上
昇し、通常は炭素鋼鋼管で40〜60℃、ステンレス鋼
管で70〜90℃程度になる。また、前述のように加工
液としてエマルジョンを使用するので、金型と加工材料
の間には水分が存在する。したがって、加熱湿潤状態で
の被膜密着性が必要である。
【0032】一般に、高分子を主体とする樹脂被膜は、
高温で弾性率の低下、被膜密着性の低下を生じる。特に
ガラス転移温度以上でその低下は著しいため、少なくと
も樹脂被膜のガラス転移温度は40℃以上であることが
必要である。
【0033】なお、樹脂被膜と鋼管との密着性をよくす
るためには、樹脂塗装を施す前に鋼管の表面を酸洗やブ
ラスト処理等を施しておくのが好ましい。
【0034】樹脂被膜は、バルジ加工時に潤滑性が問題
となる外表面に設けておけば充分であるが、鋼管内面に
も設けてもよい。ただし、この場合は加工前の鋼管およ
び加工製品の防錆が主目的となる。
【0035】樹脂塗装は、長尺の鋼管の状態でおこなう
ことができるので、製品長さの素管へ切断した後、ただ
ちに液圧バルジ加工を行うことができる。すなわち、従
来の素管切断後の塗装、乾燥処理工程は不要となる。ま
た、液圧バルジ加工でのシーリングのために管端に付着
したペイントを除去する手間もなくなる。
【0036】バルジ加工が厳しく、有機被膜の潤滑性が
不足する場合には、有機被膜中に、有機系潤滑剤(例え
ばポリエチレン系ワックスやフッ素系樹脂粒子等)を有
機被膜固形分重量%で0.5〜20%含有させることも
できる。また、有機被膜中に各種顔料を添加することも
被膜物性を向上させる目的であれば何ら限定されるもの
ではない。
【0037】(b)有機樹脂被膜厚 樹脂被膜の厚みが小さ過ぎるとバルジ加工時に、鋼管外
表面に庇や焼き付きが生じやすくなる。液圧バルジ加工
用の金型は複雑な曲面形状であり、人手による研磨仕上
げを入念に行っても表面粗さはRmax=2μm程度であ
る。このレベルの表面粗さに対しては、被膜厚は最小で
も1μmは必要である。また、被膜厚みが100μmを
超えると、被膜の内部応力により剥離しやすくなる。剥
離した被膜が金型表面にこびりつき、これが蓄積すると
次の加工時に材料に押し込み庇を発生させたり、挫屈の
起点になる。また経済的にも過大な被膜厚みは無駄であ
る。したがって、樹脂被膜の厚さは1〜100μmとし
た。好ましくは10〜50μmである。
【0038】樹脂被膜厚はできだけ均一にする必要があ
るので、樹脂塗装は溶剤系や水系であればスプレー塗
装、固体状の樹脂であれば静電粉体塗装等を利用するの
が好ましい。溶剤系や水系塗料の場合には、強制乾燥に
より溶剤や水を蒸発させる。鋼管の加熱方法としては、
熱風あるいは誘導加熱等が利用できる。また、放射線硬
化型塗料を利用する場合には、例えば紫外線等の利用に
より、乾燥時間を短時間化できる。
【0039】(c)塗装下地処理層 下地処理層は、必要により設けるもので、変形抵抗が大
きい鋼種や加工度が大きい場合には、樹脂被膜を鋼管に
強固に密着させておく必要がある。そのような場合に、
必要により塗装下地処理層を設けておく。
【0040】下地処理層は、燐酸系、クロメート系等通
常の塗装前におこなわれる処理により設ける。
【0041】下地処理層の厚みは、厚すぎると、被膜の
剥離が発生し易くなるため燐酸亜鉛処理であれば1g/m2
以下、燐酸鉄処理であれば0.3g/m2以下、クロメート
処理であれば金属クロム換算で500mg/m2以下が好ま
しい。
【0042】燐酸系処理や反応型クロメートの場合に
は、処理液の入った槽の中に鋼管を所定時間浸漬させた
後、水洗、乾燥処理を施す。塗布型クロメート処理の場
合には、スプレー処理やはけ塗り等を行って、100℃
程度の温度で強制乾燥を行う。なお、有機被膜を設けた
鋼管を液圧バルジ加工すると、その後の製品には被膜が
残る。この被膜は防錆機能があるので、そのまま防錆被
膜として利用してもよい。あらかじめ内面にも塗装した
鋼管であれば、加工製品の内面の防錆対策になる。この
場合には、下地処理を施したものが経時的な塗膜密着性
に優れている。もちろん、加工製品にさらに必要な上塗
り塗装を施すこともできる。
【0043】(d)鋼管 鋼管の材質は、炭素鋼、オーステナイト系ステンレス鋼
やフェライト系ステンレス鋼が一般的な材質であるが、
特にこれらに限定されなるものではい。
【0044】
【実施例】
(実施例1)板厚4.2mmの熱間圧延鋼帯(炭素鋼:
C0.05%、Si0.1%、Mn0.25% )から製造した電縫鋼管(外
径89.1mm、肉厚4.2mm、長さ5.5m)90
本の表面を酸洗した後、アクリル系熱硬化型塗料をスプ
レーで9種類の膜厚に10本づつ塗装した。 次いで、
鋼管の最高到達温度が150℃となるように約5分間で
焼き付け硬化させ、膜厚が表1に示す0.5〜137μ
mの範囲で変化した9種類の塗装鋼管を得た。
【0045】塗装被膜のガラス転移温度は、粘弾性測定
により約110℃であった。また鉛筆硬度は3Hであっ
た。
【0046】これらの塗装鋼管を図3(イ)に示す長さ
0=300mm の素管に切断した後、液圧バルジ加工
機のダイスにセットした。次いで、図3(ロ)に示すよ
うに加工液(水に防錆油を濃度3%で混合したエマルジ
ョン)を素管に注入し、図3(ハ)に示すように軸方向
圧縮と最高500kgf/cm2の内圧を付加して液圧バルジ
加工を行った。目標とする図3(ニ)に示す半製品9の
寸法は、母管部が外径D1=89.1mm、長さL´=
180mm、隆起部(9b)が外径D2=89.1m
m、高さH´=65mmである。各膜厚毎に10回連続
して液圧バルジ加工を実施した。
【0047】加工後の鋼管について、破断の有無、表面
の疵の発生状況および樹脂被膜の剥離状況を観察した。
その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】比較例の被膜厚0.5μm(No.1-1)と薄
い被膜の場合、図6(イ)に示す破断が頻発した。ま
た、加工後の鋼管の外面に顕著な擦り疵が発生したた
め、10回の加工中に3回の金型研磨手入れを要した。
【0050】一方、被膜厚100μmを超える厚い被膜
(No1-8、No1-9)の場合では被膜剥離が発生し、その都
度金型を清掃する必要があった。また、剥離物によって
鋼管外面に押し込み疵が形成されたので、半製品外面を
グラインダにより手入れする必要があった。
【0051】被膜厚1〜100μmの範囲(No1-2〜No1
-7)では全数良品となり、そのまま図3(ニ)に示す半
製品9の頭部をH=41.2mmの位置で切断し、さら
に母管端面を切削加工して図1に示すL=171.4m
mのT継手を得た。この結果から明らかなように、アク
リル系塗膜の厚みの適正範囲は1〜100μmである。
【0052】(実施例2)板厚4.2mmの熱間圧延鋼
帯(炭素鋼:C:0.05%、Si:0.1%、Mn:0.25%)から製造し
た電縫鋼管9本(外径89.1mm、肉厚4.2mm、
長さ5.5m)の表面を酸洗した後、水性のウレタン系
塗料を塗膜厚みが0.5〜50μmまで変化させてスプ
レー塗装した。鋼管を熱風乾燥により約100℃まで昇
温させ被膜を乾燥させ、表2に示す被膜厚0.3〜4
9.2の鋼管を得た。塗膜ガラス転移温度は、80℃、
鉛筆硬度はHであった。
【0053】実施例1と同様な液圧バルジ加工を施し、
成形性を評価した。結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】被膜厚みが0.3、0.8μmでは、10個
とも良好な成形を行うことはできなかった。また、被膜
厚み1.5μmでは、製品表面に若干の擦り疵が見受け
られたものの、10個とも良好に成形ができた。
【0056】このようにウレタン樹脂であっても被膜厚
みとして1μm以上であれば成形可能であることがわか
る。
【0057】(実施例3)板厚4.2mmの炭素鋼の熱
間圧延鋼帯(C:0.05%、Si:0.1%、Mn:0.25%)およびオー
ステナイト系ステンレス鋼の熱間圧延鋼帯(Cr:18%、N
i:8%) から製造した電縫鋼管(外径89.1mm、肉
厚4.2mm、長さ5.5m)各10本の外表面を酸
洗、ステンレス鋼はさらにブラスト処理した。これら鋼
管の一部は、クロメート処理を施すことなくスプレーで
樹脂塗装し、残りの鋼管はクロメート処理してから樹脂
塗装をおこなった。
【0058】使用した樹脂、樹脂被膜厚およびクロメー
ト塗布量は表3に示す通りであった。
【0059】樹脂塗装した各鋼管を図3(イ)に示す長
さL0=300mmの素管に切断し、液圧延バルジ加工機
のダイスにセットした。次いで、図3(ロ)に示すよう
に加工液(水に防錆油を濃度3%で混合したエマルシ゛ョン)
を素管に注入し、図3(ハ)に示すように軸方向圧縮と
最高700kgf/cm2の内圧を付加して液圧バルジ加工を
行った。
【0060】目標とするバルジ加工後の寸法は、母管部
が外径D1=89.1mm、長さL´=180mm、隆
起部9bが外径D2=89.1mm、高さH´=65m
mであった。
【0061】表3に示すNO.1〜10について各10回
連続して液圧バルジ加工を実施した。 加工後の鋼管に
ついて、破断の有無、表面の疵の発生状況および樹脂被
膜の剥離状況を観察した。その結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】クロメ−ト被膜なしで樹脂被膜厚さが1.
5μmの No.3−1および3−5では若干擦疵が発生し
たが、使用には耐える程度である。樹脂被膜厚さが1.
5μmでクロメート処理を施した No.3−2と3−7は
擦疵の発生がなく、クロメート処理の効果が発揮されて
いることが分かる。
【0064】
【発明の効果】本発明の予め有機被膜を施した長尺鋼管
を素材としてバルジ加工に用いることにより、所定長さ
の素管切断後ただちに液圧バルジ加工を行うことが可能
となり、さらに従来の素管切断後の脱脂洗浄、塗装乾燥
工程が省略できるので、大幅な工程短縮が図れる。しか
も、膜厚1〜100μmの有機被膜を均一かつ安定的に
形成することができるので、液圧バルジ加工時の金型と
材料の焼き付きが防止でき、破断や挫屈などの不良現象
の抑制ができる。また、金型の手入れや加工製品表面の
すり疵の手入れなどに要する工数を大幅に減少させられ
るので、生産性も向上するという大いなる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】T型管継手の図である。
【図2】T型管継手の液圧バルジ加工に用いられる金型
図である。
【図3】T型管継手の液圧バルジ加工の工程を説明する
ための図である。
【図4】挫屈が発生した状態を示す図である。
【図5】隆起部の破断状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 T型管継手 2 T型管継手の金型 4、5 押金 6 加工液注入用管路 8 加工液 11 破断部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−169990(JP,A) 特開 平9−156029(JP,A) 特開 平9−156030(JP,A) 特開 昭51−6826(JP,A) 特開 平6−212355(JP,A) 特開 昭53−45666(JP,A) 特開 昭63−97316(JP,A) 特開 平2−124997(JP,A) 特開 平8−216332(JP,A) 特表 昭57−500739(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 22/02 - 26/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管の少なくとも外表面に、アクリル樹
    脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキシ樹
    脂のいずれかの潤滑用の有機樹脂被膜を有し、その有機
    樹脂被膜はガラス転移温度が40℃以上、硬さが鉛筆硬
    度H以上でありさらに膜厚が1〜100μmであるこ
    とを特徴とする液圧バルジ加工用表面処理鋼管。
  2. 【請求項2】鋼管の少なくとも外表面に、塗装下地処理
    層とその層上にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
    テル樹脂およびエポキシ樹脂のいずれかの潤滑用の有機
    樹脂被膜を有し、その有機樹脂被膜はガラス転移温度が
    40℃以上、硬さが鉛筆硬度H以上でありさらに膜厚
    が1〜100μmであることを特徴とする液圧バルジ加
    工用表面処理鋼管。
JP29525396A 1996-11-07 1996-11-07 液圧バルジ加工用表面処理鋼管 Expired - Fee Related JP3424464B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29525396A JP3424464B2 (ja) 1996-11-07 1996-11-07 液圧バルジ加工用表面処理鋼管
IDP973596A ID21208A (id) 1996-11-07 1997-11-04 Pipa baja yang dilapisi lapisan lubrikasi untuk digunakan dalam proses hidroforming
CA002220192A CA2220192A1 (en) 1996-11-07 1997-11-04 Lubricant surface-treated steel pipe for hydroforming use
US08/964,915 US6009913A (en) 1996-11-07 1997-11-05 Lubricant surface-treated steel pipe for hydroforming use
EP97308932A EP0841388B1 (en) 1996-11-07 1997-11-06 Use of steel-pipes having an organic resin outer surface coating for improved hydroforming
DE69710414T DE69710414T2 (de) 1996-11-07 1997-11-06 Verwendung von mit organischem Harz aussenflächenbeschichteten Stahlrohren für verbesserte Innenhochdruckumformung
KR1019970058620A KR100298796B1 (ko) 1996-11-07 1997-11-06 액압벌지가공용표면처리강관
EP01105671A EP1113066B1 (en) 1996-11-07 1997-11-06 Use of steel pipes having an organic resin outer surface coating for improved hydroforming
DE69729592T DE69729592T2 (de) 1996-11-07 1997-11-06 Verwendung von mit organischem Harz aussenflächenbeschichteten Stahlrohren für verbesserte Innenhochdruckumformung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29525396A JP3424464B2 (ja) 1996-11-07 1996-11-07 液圧バルジ加工用表面処理鋼管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10137864A JPH10137864A (ja) 1998-05-26
JP3424464B2 true JP3424464B2 (ja) 2003-07-07

Family

ID=17818204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29525396A Expired - Fee Related JP3424464B2 (ja) 1996-11-07 1996-11-07 液圧バルジ加工用表面処理鋼管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3424464B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107020315B (zh) * 2017-05-24 2018-08-07 南昌航空大学 一种采用聚四氟乙烯薄膜局部润滑液压成形三通管的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10137864A (ja) 1998-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0841388B1 (en) Use of steel-pipes having an organic resin outer surface coating for improved hydroforming
KR102472493B1 (ko) 황산염의 사용 및 성형 기계에서 성형에 의한 강 부품의 제조 방법
US3826675A (en) Lubricated metallic container stocks and method of preparing the same and applying an organic coating thereto
US5348425A (en) Piston cylinder device with a protective coating and method of producing such a coating
CN1019554B (zh) 金属制品的滚轧成型设备
Kim et al. An experimental study on forming characteristics of pre-coated sheet metals
JP3424464B2 (ja) 液圧バルジ加工用表面処理鋼管
US2794448A (en) Art of spray coating of tubes
JPH10137863A (ja) 液圧バルジ加工用表面処理鋼管
Sniekers Friction in deep drawing
RU2426617C1 (ru) Способ изготовления тонкостенных оболочек
JP4392719B2 (ja) 母材表面の下地処理方法及びこの方法により下地処理された表面を持つ母材及び製品
US2223037A (en) Cold working metal
CN111593294B (zh) 一种高性能减震器钢管及其加工方法
CN113978173A (zh) 一种拉丝的uv彩涂板及其制备方法
JPH0335003B2 (ja)
JP3424463B2 (ja) 液圧バルジ加工用表面処理鋼管
JP2001009530A (ja) 良加工性内面高潤滑鋼管及びその製造方法
JP4027865B2 (ja) 潤滑処理金属材とその製造方法
JPH01120447A (ja) 熱収縮性樹脂管被覆金属コイルばね
US20060263526A1 (en) Method of protectively coating a workpiece, and product which is produced thereby
JPS61138567A (ja) 非粘着性に優れた耐熱塗装鋼板の製造方法
RU2525031C1 (ru) Способ нанесения защитного покрытия на внутреннюю поверхность магистральной трубы
JPH09285826A (ja) 絞りしごき缶の製造方法
JP4321262B2 (ja) 防食性に優れたプライマー下地樹脂被覆鋼管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090502

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100502

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees