JPH09285826A - 絞りしごき缶の製造方法 - Google Patents

絞りしごき缶の製造方法

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JPH09285826A
JPH09285826A JP8126488A JP12648896A JPH09285826A JP H09285826 A JPH09285826 A JP H09285826A JP 8126488 A JP8126488 A JP 8126488A JP 12648896 A JP12648896 A JP 12648896A JP H09285826 A JPH09285826 A JP H09285826A
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ironing
die
half angle
coating film
angle
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JP8126488A
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English (en)
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Akira Tajiri
彰 田尻
Michio Kobayashi
美智男 小林
Toshiaki Kobayashi
敏明 小林
Kenji Sudo
建次 須藤
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Sky Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属素板に塗料を塗布したプレコート板を用
いて、しごき加工率30%以上でDI缶を実際的に製造
し得るようにする。これにより成形後の塗装を不要とす
るとともに洗浄も簡略化し、さらにはAl合金として3
000番系以外の合金も使用し得るようにする。 【解決手段】 DI加工におけるしごき加工用ダイスと
して、入口半角3°〜20°、出口半角1°〜20°
で、入口半角と出口半角の交点が曲率半径0.1mm以
上の滑らかな曲面を有するものを用いる。また前記の入
口半角と出口半角との間にベアリング部が存在する場
合、入口半角とベアリング部との交点、ベアリング部と
出口半角との交点がそれぞれ曲率半径0.1mm以上の
滑らかな形状のしごき加工用ダイスを用いる。さらには
第1段目の絞り加工において揮発性の潤滑油を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は絞りしごき加工
(DI加工)によって絞りしごき缶を製造する方法に関
し、特にDI加工前に予め塗装処理が施された金属素板
を用いて絞りしごき缶を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にビール缶や炭酸飲料缶の用途に
は、錫メッキ鋼板(ブリキ)やアルミニウム合金板を用
いて絞りしごき加工(DI加工)により成形した絞りし
ごき缶(以下DI缶と記す)が広く使用されている。こ
のようなDI缶は、金属素板を比較的大径のカップに絞
り加工(カップ成形)した後、そのカップを小径のカッ
プに再絞り加工し、次いでカップの側壁部に2回あるい
は3回のしごき加工を加えることによって製造される。
得られたDI缶に対しては、通常は缶開口端のトリミン
グ、洗浄、内面塗装、外面塗装を施した後、必要に応じ
て開口部を小径に絞る1段または2段以上のネッキング
加工を行ない、さらにフランジ加工を行なって缶胴体と
する。
【0003】図3に、従来から錫メッキ鋼板やアルミニ
ウム合金板を用いたDI缶の製造に使用されているしご
き加工用ダイスを示し、またその要部の詳細な形状を図
4に示す。図3、図4において、ダイス1のダイス穴2
は、右側が素材の入口側、左側が出口側とする。ダイス
穴2における入口から出口までの間における最小内径の
部分は中心軸線と平行なベアリング部(平行部)3とさ
れており、ダイス穴2の主要部分は、入口側から前記ベ
アリング部3に向ってテーパー状に内径が縮小されるア
プローチ部4と、ベアリング部3から出口側へ向ってテ
ーパー状に内径が拡大するリリース部5とに区分され
る。アプローチ部4のテーパー角度θ1 は入口半角と称
され、リリース部5のテーパ角度θ2 は出口半角と称さ
れ、またベアリング3の軸線方向長さLはベアリング長
さと称される。なお通常の絞りしごき缶の製造において
は、2回以上のしごき加工を施すが、その2回以上のし
ごき加工では、同一形状で内径寸法の異なるダイスを用
いるのが通常である。
【0004】ところで錫メッキ鋼板やアルミニウム合金
板を用いた従来の一般的なDI缶の製造においては、し
ごき加工用ダイスにおけるアプローチ部4とベアリング
部3との境界部分6、すなわち入口半角θ1 をなす面と
ベアリング面との交点6、およびベアリング部3とリリ
ース部5との境界部分7、すなわちベアリング面と出口
半角θ2 をなす面との交点7は、いずれもDI缶の表面
品質や形状精度などを考慮して、シャープな形状、すな
わち実質的に滑らかに連続しないシャープエッジ形状と
するのが一般的である。このように交点6,7をシャー
プな形状とすることは、しごき加工において極めて重要
であり、磨耗等によりダレが生じた形状となれば、黒筋
と称される表面欠陥が生じたり、ビルドアップによる縦
傷の発生や缶切れの原因となることが知られている。な
おベアリング部3のベアリング面は、前述のように軸線
と平行な直線状とするのが通常であるが、場合によって
はわずかなテーパーを与えることもある。
【0005】上述のようにしごき加工用ダイスの形状を
定めておくことは、金属素板を直接DI加工する場合、
すなわち金属素板表面とダイス内面とが潤滑油を介して
境界潤滑状態となる場合において欠かせない重要な技術
とされている。なおここで絞りしごき加工における潤滑
油としては、鉱物油やエステル等の合成油を主成分とす
る粘度20〜150cst程度の油が予め金属素板に塗
油され、1段目のカップ成形(絞り加工)において同様
に鉱物油や合成油を主成分とした水溶性のクーラントが
使用され、その後の再絞り加工、しごき加工においても
同様のクーラントが使用されるのが通常である。
【0006】ところで上述のような従来のDI缶の製造
においては、DI加工後に潤滑油を洗い落とすために充
分な脱脂洗浄が必要であり、またDI加工、洗浄後に内
面、外面の塗装処理が必要であるが、これらの洗浄工程
や塗装工程で排出される熱や排気ガスは、環境衛生上好
ましくないため、改善が望まれている。
【0007】またアルミニウム合金製のDI缶の場合、
使用可能なアルミニウム合金としては、3004合金も
しくは3104合金で代表されるAl−Mn−Mg系合
金(3000番系合金)に限られており、合金選択の自
由度が制約されているのが実情である。すなわち、これ
らのAl−Mn−Mg系合金は、しごき加工性に優れて
いるが、それ以外のアルミニウム合金は、一般にしごき
加工性が劣っているため、しごき加工においてゴーリン
グが発生しやすく、連続的に安定して高品質のDI缶を
製造することが困難であった。そのためしごき加工性以
外の成形性や強度が優れているアルミニウム合金であっ
てもDI缶には不適当とされ、これがアルミニウム合金
製DI缶のより一層の高強度化、薄肉化のネックとなっ
ていたのである。
【0008】この点をより詳細に説明すれば、3000
番系のAl−Mn−Mg系合金を用いてビール缶などの
DI缶を製造する場合、一般に板厚減少率60%程度の
しごき加工が行なわれており、他の系のアルミニウム合
金を用いてビール缶などのDI缶を製造する場合もしご
き加工で60%程度の板厚減少率が望まれるが、例えば
強度が3000番系合金より格段に高くかつしごき加工
性以外の成形加工性が優れている5182合金などのA
l−Mg系合金(5000番系合金)にDI加工を施し
た場合、30%程度以上の板厚減少率のしごき加工では
破断(缶切れ)が生じてしまい、したがって実際上50
00番系合金をDI缶に使用することは困難であった。
したがって従来のDI缶に使用されている3000番系
合金よりも高強度を有する他のアルミニウム合金、例え
ば5000番系合金を用いてDI缶のより一層の高強度
化、薄肉化を図ることは、従来は困難とされていたので
ある。
【0009】一方、しごき加工を伴なわないDR缶やD
RD缶などの深絞り缶の製造においては、成形後に塗装
を施す代りに、予め成形前の平板状の金属素板に対して
有機樹脂を塗布(プレコート)しておいたり、あるいは
有機樹脂フィルムを被覆(ラミネート)しておき、その
プレコート板もしくはラミネート板について深絞り加工
などの製缶加工を行なうことが、従来から一部で実用化
されている。そしてDI缶の製造についても、同様にプ
レコート板やラミネート板を用いてDI加工を行なうこ
とによって、DI加工後の塗装処理を省くことが考えら
れており、例えば特開昭56−10451号あるいは特
開昭60−170532号等においてラミネート板を用
いたDI缶の製造方法が提案されている。
【0010】前述のようにプレコート板を用いてDI加
工を行なう場合、DI加工前に金属素板に対して塗装を
行なう必要があるが、DI加工された深い缶形状を有す
るDI缶胴に対して塗装処理を行なう場合と比較すれ
ば、平板状の金属素板に対しての塗装処理は格段に簡単
かつ容易に行なうことができ、これに伴なって塗装処理
における排出熱や排出ガスをDI加工後の塗装処理の場
合と比較して格段に少なくすることが可能となる。また
DI加工後の潤滑剤の洗浄除去に関しても、プレコート
板に対するしごき加工では金属素板に対する直接的なし
ごき加工の場合とは異なる除去容易な潤滑剤を使用し得
る可能性があり、したがって洗浄工程の簡略化も図り得
ると考えられる。したがってトータル的に生産性の向上
を図り得るとともに、環境衛生面での問題も少なくなる
と考えられる。
【0011】さらに、プレコート板に対してDI加工を
行なう場合、しごき加工時において金属素板表面が塗膜
によって覆われているため、金属素板と金型との直接的
な摩擦がなく、そのため金属素板自体には、それを直接
しごき加工する場合のような高いしごき加工性が要求さ
れなくなり、その結果、アルミニウム合金製DI缶を製
造する場合でも、使用するアルミニウム合金がしごき加
工性に優れたAl−Mn−Mg系合金(3000番系合
金)に制限されなくなって、強度等がより優れた他のア
ルミニウム合金をDI缶に使用し得るようになり、それ
によりDI缶のより薄肉化、高強度化を図り得るように
なると考えられる。
【0012】例えば5000番系合金は、既に述べたよ
うに3000番系合金より格段に高強度を有し、かつし
ごき加工性以外の成形性は優れており、このような50
00番系合金をDI缶用の金属素板として用いた場合で
も、前述の如くプレコート板としておけば、金属素板自
体には優れたしごき加工性が特に要求されないため、板
厚減少率60%程度のしごき加工も可能となり、安定し
てDI缶を製造し得るようになり、またこのように従来
の3000番系合金よりも高強度のアルミニウム合金を
DI缶に適用することによって、DI缶のより一層の高
強度化、薄肉化を図ることができると考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにプレコー
ト板に対して実際にDI加工を施す場合、現実には次の
ような問題があり、そのため実際の量産規模での製缶に
はほとんど適用されていなかったのが実情である。
【0014】すなわち、板厚減少率が30%未満程度の
軽度のしごき加工では大きな問題はないが、板厚減少率
30%以上のしごき加工を行なう場合、カップの側壁部
の塗膜の密着性が著しく低下し、この塗膜に擦り傷や亀
裂が生じたり、剥離が発生することが多く、製品外観を
損なって商品価値が低下してしまう。もちろん板厚減少
率30%以上のしごき加工でも、加工後の目視による外
観では何ら問題がないように見える場合もあるが、その
場合でもエナメルレーター値(ERV)として測定され
る金属露出量が異常に高くなっているのが通常である。
そしてビール缶や飲料缶のような深い缶胴体を成形する
場合、板厚減少率30%以上の苛酷なしごき加工、一般
には60%程度のしごき加工が要求されるのが通常であ
り、そのため前述のように板厚減少率30%以上のしご
き加工で製品不良が生じることは、実際にプレコート板
をDI加工に適用しようとする上において大きな障害と
なっている。
【0015】前述のように板厚減少率30%以上のしご
き加工で製品不良が生じる原因としては、先ず塗料の性
能不足が考えられる。すなわち、塗膜の伸びや強度がD
I加工に耐えられる充分な性能を有していないことが考
えられる。また別の原因として、しごき加工のダイス形
状に問題があり、従来の金属素板に対する直接的なしご
き加工に使用されていたダイスの形状が、塗装処理を施
したプレコート板のしごき加工に不適当であったことが
考えられる。
【0016】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、前述のようなプレコート板をDI加工するに
あたって、30%以上の板厚減少率のしごき加工を施し
ても塗膜の損傷や亀裂、剥離が生じることがなく、これ
によりプレコート板を用いてのDI缶の製造を実際的に
可能とし、またこれに伴ってAl−Mn−Mg系合金以
外のアルミニウム合金板をDI缶に適用し得るようにし
たDI缶の製造方法を提供し、またそのDI缶の製造に
適したしごき加工用ダイスを提供することを目的とする
ものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者が鋭意実験・検討を重ねた結果、絞
り加工用ダイスの形状を従来の通常の金属素板のDI加
工に使用されていたものとは異なる特定の形状とし、併
せて塗膜の特性を適切に選定することによって、前述の
問題を解決し得ることを見出し、この発明をなすに至っ
た。
【0018】具体的には、請求項1の発明は、塗料をプ
レコートして表面に塗膜が形成された金属素板に対し、
絞り加工を施した後、再絞り加工およびしごき加工を施
して、絞りしごき缶を製造する方法において、前記塗料
として塗膜単体での伸びが2.5%以上のものを用い、
かつ塗膜の膜厚を3μm以上とし、前記しごき加工にお
けるダイスとして、ダイス入口半角が3°〜20°の範
囲内、ダイス出口半角が1°〜20°の範囲内で、しか
も入口半角をなす面と出口半角をなす面との交点が曲率
半径0.1mm以上の湾曲面で形成されているダイスを
用い、板厚減少率30%以上のしごき加工を施すことを
特徴とするものである。
【0019】また請求項2の発明は、塗料をプレコート
して表面に塗膜が形成された金属素板に対し、絞り加工
を施した後、再絞り加工およびしごき加工を施して、絞
りしごき缶を製造する方法において、前記塗料として塗
膜単体での伸びが2.5%以上のものを用い、かつ塗膜
の膜厚を3μm以上とし、前記しごき加工におけるダイ
スとして、ダイス入口半角が3°〜20°の範囲内、ダ
イス出口半角が1°〜20°の範囲内で、しかも入口半
角をなす面と出口半角をなす面との間にダイス中心軸線
と実質的に平行なベアリング部を有し、かつ入口半角を
なす面とベアリング部との交点、および出口半角をなす
面とベアリング部との交点がそれぞれ曲率半径0.1m
m以上の湾曲面で形成されているダイスを用い、板厚減
少率30%以上のしごき加工を施すことを特徴とするも
のである。
【0020】さらに請求項3の発明は、請求項1、請求
項2のいずれかに記載の絞りしごき缶の製造方法におい
て、第1段階の絞り加工で揮発性の潤滑油を使用して絞
り加工を行なうことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明のDI缶の製造方法にお
いては、DI加工前の素材として予め塗料をプレコート
した金属素板(以下これをプレコート板と記す)を用い
る。そしてDI缶の製造のための絞り加工、再絞り加
工、しごき加工のうち、特にしごき加工において板厚減
少率30%以上のしごきを加える場合を対象としてい
る。
【0022】ここで板厚減少率は、DI加工前の素材
(プレコート板)の板厚をt0 とし、DI加工後の缶胴
側壁の板厚をt1 としたとき、(t0 −t1 )/t0 ×
100%で規定される。絞り加工、再絞り加工では缶胴
側壁の板厚は実質的に減少しないから、上記の板厚減少
率でしごき加工の加工度が表わされる。但し一般にDI
缶の製造では2回以上のしごき加工を行なうのが通常で
あり、上記の板厚減少率は、複数回のしごき加工を通じ
てのトータルのしごき加工率に相当する。
【0023】しごき加工の板厚減少率は少ない方が塗膜
の傷付きや剥離が少ないことはもちろんであるが、板厚
減少率が30%未満ではDI加工の最大のメリットであ
る薄肉化、軽量化が充分に達成されない。またこの発明
では、従来の方法では塗膜に傷付きや剥離が生じやすか
った板厚減少率30%以上のしごき加工でもこれらの傷
付きや剥離が生じないようにすることを目的としてお
り、さらにアルミニウム合金を金属素板として用いる場
合に、従来DI缶に使用されているAl−Mn−Mg系
(3000番系)の合金以外の系のしごき加工性に劣る
アルミニウム合金でも30%以上の板厚減少率のDI加
工を可能とすることを目的としている。したがってこれ
らの観点から、この発明では板厚減少率30%以上と規
定している。なお板厚減少率の上限は特に規定しない
が、80%程度以下とするのが通常である。
【0024】次にこの発明で用いるプレコート板につい
て説明する。
【0025】この発明で用いるプレコート板の塗膜とし
ては、板厚減少率30%以上のしごき加工に耐え得るよ
うに、基本性能として伸びが2.5%以上の塗膜性能を
有し、また塗膜厚みが3μm以上であることが必要であ
る。塗膜性能として伸びが2.5%に満たなければ、D
I加工、特に苛酷なしごき加工に追随できず、塗膜に亀
裂や剥離が生じることがある。また特に限定はしない
が、塗膜は2×108 dyn/cm2 以上の破壊強度を
有することが望ましい。破壊強度が2×108 dyn/
cm2 に満たなければ、DI加工やストリッピング(D
I加工された缶をパンチから抜き取る工程)あるいはカ
ップや缶の搬送工程で塗膜に傷が入りやすくなる。した
がって基本性能として、塗膜の状態で伸び2.5%以
上、望ましくは破壊強度2×108 dyn/cm2 以上
の塗膜性能を有する塗料を選択する必要がある。伸び
2.5%という値は塗膜単体での伸び値であり、30%
以上という実際の絞りしごき加工の加工度に比べれば極
めて小さい値であるが、塗装された状態では充分加工に
耐えられる値である。
【0026】また塗膜厚は3μm以上必要である。3μ
m未満ではDI加工時に塗膜剥離や金属素板の露出が生
じやすく、露出した部分にはゴーリングが発生する。塗
膜厚の上限については特に規定しないが、必要に応じて
決めれば良く、一般には50μm以下が適当であり、ま
たこれ以上厚く塗装することは不経済である。なお耐食
性等も考慮すれば、塗膜厚みは4μm以上が最も望まし
い。
【0027】プレコート板として予め金属素板に塗布さ
れる塗料の具体的種類としては、前述の塗膜伸びを満た
すものであれば、熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂からな
る任意の塗料から選択できる。例えばエポキシ系塗料、
ビニル系塗料、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、ポリ
エステル系塗料、合成ゴム系塗料等の単独または2以上
の組合わせが使用される。これらの塗料は、エナメル或
いはラッカー等の有機溶媒溶液あるいは水性分散液また
は水溶液の形で、ローラー塗装、スプレー塗装、あるい
は静電塗装等によって金属素板に塗布処理すれば良く、
また必要により焼付け処理を行っても良い。
【0028】前述のような塗料が塗布される金属素板は
特に限定されるものではなく、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金あるいは冷延鋼板を使用することができ
る。特にこの発明の場合、プレコート板としてDI加工
に供されるため、金属素板表面と金型とが直接接触する
ことがないから、金属素板自体の潤滑性は考慮しなくて
良い。したがってアルミニウム合金を用いる場合、従来
使用されていた3004合金、3104合金で代表され
るAl−Mn−Mg系の3000番系合金以外の合金、
すなわちしごき加工性が劣っていてDI缶に不適当とさ
れていたアルミニウム合金も用いることができる。例え
ばAl−Cu系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、
Al−Zn−Mg系等のアルミニウム合金を用いること
ができ、またDC鋳造鋳塊を用いたアルミニウム合金圧
延板に限らず、連続鋳造圧延を適用して得られた圧延板
を用いることもできる。このように3000番系以外の
アルミニウム合金を使用可能とすることにより、DI缶
に使用するアルミニウム合金の選択の幅が著しく拡が
り、強度を重視してDI缶の薄肉化、軽量化を図った
り、低コスト化を図ったりすることができる。特に51
82合金で代表されるAl−Mg系(すなわち5000
番系)の合金は高強度を有していて、しごき加工性以外
の成形加工性が優れていることから、DI缶の高強度
化、薄肉化に最適である。
【0029】なお金属素板に対しては、塗料の塗布前
に、塗膜の密着性、あるいは耐食性、加工性を向上させ
るために表面処理を施しておくことが望ましい。例えば
アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理として
は、クロム酸処理あるいは燐酸/クロム酸処理が好適に
適用される。この場合、金属クロム換算で10〜300
mg/m2 の処理が行われることが望ましい。一方鋼板
の表面処理としては、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケル
メッキ、クロム酸処理、電解クロム酸処理等が適用され
る。例えば電解クロム酸処理鋼板の場合には、10〜2
00mg/m2 の金属クロム層と金属クロム換算で1〜
50mg/m2 のクロム酸化物を備えたものが適当であ
る。また0.5〜11.5mg/m2 の錫メッキ量の硬
質ブリキ板の場合は、金属クロム換算で1〜30mg/
2 となるようなクロム酸処理あるいは燐酸/クロム処
理が行われることが望ましい。
【0030】なお金属素板の板厚は特に限定せず、金属
の種類、容器の用途あるいはサイズにより適切に定めれ
ば良いが、一般には0.15mm〜0.5mm程度の板
厚とする。
【0031】次にこの発明において重要な絞り加工用ダ
イスの形状について説明する。
【0032】図1に請求項1の方法で使用される絞り加
工用ダイスの要部を拡大して示し、また図2に請求項2
の方法で使用される絞り加工用ダイスの要部を拡大して
示す。
【0033】図1のダイスの場合、アプローチ部4のテ
ーパー角、すなわち入口半角θ1 は3〜20°の範囲内
とされ、リリース部5のテーパー角すなわち出口半角θ
2 は1〜20°の範囲内とされる。そしてアプローチ部
4とリリース部5との間にベアリング部は形成されてお
らず、これらのアプローチ部4とリリース部5との境界
位置P1 、すなわち入口半角θ1 をなす面と出口半角θ
2 をなす面との交点P1 は、シャープなエッジを持たな
い曲面、すなわち曲率半径R1 が0.1mm以上の滑ら
かな湾曲面となるように作られている。
【0034】一方図2のダイスの場合、アプローチ部4
とリリース部5との間に、軸線方向と実質的に平行なベ
アリング部3が形成されており、アプローチ部4の入口
半角θ1 、リリース部5の出口半角θ2 は、それぞれ図
1のダイスの場合と同様に3〜20°の範囲内、1〜2
0°の範囲内とされる。そしてアプローチ部4とベアリ
ング部3との境界位置P2 、すなわち入口半角θ1 をな
す面とベアリング面との交点P2 、およびベアリング部
3とリリース部5との境界位置P3 、すなわちベアリン
グ面と出口半角θ2 をなす面との交点P3 は、それぞれ
シャープエッジを持たない曲面、すなわち曲率半径
2 ,R3 がそれぞれ0.1mm以上の滑らかな湾曲面
となるように作られている。
【0035】ここで、アプローチ部4はしごき加工すべ
き材料(プレコート板)に対して塑性変形を与える部分
であり、そのアプローチ部4の入口半角については、金
型(ダイスおよびパンチ)と材料、特にパンチと材料と
の摩擦状態により大きな影響を受けるが、3°未満ある
いは20°を越えれば、軸方向荷重が高くなり、破断
(缶切れ)が発生しやすくなる。そこで入口半角の角度
は3〜20°の範囲内とした。なお摩擦条件としては、
ダイスと材料との摩擦係数をμ1 、パンチと材料との摩
擦系数をμ2 とすれば、μ1 <μ2 として、μ1 をでき
るだけ小さくすることが望ましい。なおまた、入口半角
の最も望ましい範囲は、5°〜15°である。
【0036】一方ダイス出口側のリリース部5は、しご
き加工された材料と金型とが必要以上に接触することを
防ぐために材料を逃す部分である。このリリース部5の
出口半角θ2 が1°未満では接触長さが長くなってDI
缶側壁部に傷が生じやすくなり、また20°を越えれば
接触長さは短くなるが、しごき加工が不安定となって、
偏肉などの形状不良が発生しやすくなる。そこで出口半
角θ2 は1°〜20°の範囲内とした。
【0037】さらに図1のダイスにおける入口半角θ1
をなす面と出口半角θ2 をなす面との交点P1 、図2の
ダイスにおける入口半角θ1 をなす面とベアリング面と
の交点P2 、ベアリング面と出口半角θ2 をなす面との
交点P3 は、前述のようにシャープな形状とせず、曲率
半径R1 ,R2 ,R3 がそれぞれ0.1mm以上の滑ら
かな曲面とする必要がある。従来の一般的な場合のプレ
コートされていない金属素板に対して潤滑油を介して直
接的にしごき加工を施す場合には、このような交点をシ
ャープエッジ形状とすることが表面欠陥や缶切れの発生
を防ぐための重要な要件となっていたが、この発明のよ
うに予め塗装処理を施したプレコート板についてしごき
加工を施す場合、これらの交点がシャープな形状では逆
に塗膜の剥離や傷付きの原因となって、製品不良を招い
てしまう。このような塗膜の剥離や傷付きを防止するた
めには、これらの交点を曲率半径R1 〜R3 が0.1m
m以上の滑らかな曲面とすることが必要不可欠であり、
曲率半径R1 〜R3 が0.1mm未満ではその効果が充
分に得られない。なおこれらの交点の曲率半径R1〜R
3 の上限は特に規定しないが、金型全体の寸法から考え
て常識的な範囲内であれば良い。例えば入口半角10
°、出口半角5°でベアリング長さLが0.5mmの場
合、交点P2 ,P3 に10mmのRを設けようとしても
幾何学的に不可能である。
【0038】なお図2のようにベアリング部3を設ける
場合のベアリング長さLは0.25〜1mmの範囲内と
することが望ましい。このようにベアリング部3を設け
るのは、しごき加工をより安定化するためであるが、ベ
アリング長さLが0.25mm未満ではその効果が少な
く、1mmを越えればDI缶と金型との接触長さが長く
なって、DI缶側壁部に傷が生じやすくなる。
【0039】さらにこの発明の方法によりDI缶を製造
する場合のDI加工における潤滑方法について説明す
る。
【0040】1段目のカップ成形(絞り加工)において
は、請求項3において規定したように揮発性の潤滑油を
使用する。プレコート板に対する絞り加工においては塗
膜の保護のために潤滑油を使用する必要があり、この場
合従来と同様な鉱物油や合成油あるいはこれらを水中に
分散させた水溶性の潤滑油を用いることもできるが、そ
の場合にはこの発明の1つの目的である、洗浄工程のコ
スト削減効果が得られない。そこで請求項3の発明にお
いては、1段目のカップ成形のための絞り加工において
揮発性の潤滑油を使用することとした。揮発性の潤滑油
としては、例えばα−オレフィンを主成分とした粘度2
cst以下の潤滑油がある。このような潤滑油を用いる
ことにより、1段目のカップ成形において潤滑効果が得
られるだけでなく、その後の再絞り、しごき加工におい
ても若干の潤滑効果が期待され、一方揮発性の潤滑油を
用いているため、DI加工終了後の残存油はほとんどな
く、したがって洗浄が不要となり、また簡単な洗浄を行
うにしても、洗浄工程の充分なコスト削減を図ることが
できる。
【0041】2段目の再絞り加工およびその後のしごき
加工においては、冷却と潤滑を目的としてソリューショ
ンタイプの水溶性潤滑剤を使用することが望ましい。ソ
リューションタイプの水溶性潤滑剤としては、例えば水
に若干の脂肪酸石鹸や界面活性剤、防錆剤等を添加した
ものが適当である。この場合も、1段目のカップ成形と
同様に、鉱物油や合成油あるいはこれらを水中に分散さ
せた水性潤滑油の使用は、洗浄工程の充分な削減効果が
得られなくなるから、避けることが望ましい。
【0042】
【実施例】
実施例1 DC鋳造法により得られた鋳塊を用いて得られた300
4合金からなる板厚0.3mmのアルミニウム合金素板
と、同じくDC鋳造法により得られた鋳塊を用いて得ら
れた板厚0.3mmの5182合金からなるアルミニウ
ム合金素板、および連続鋳造圧延法(CC)として双ロ
ール法を適用して得られた3004合金からなる板厚
0.3mmのアルミニウム合金素板に対し、それぞれ常
法により20mg/mm2 のクロメート処理を施した
後、塗料として、エポキシフェノール、エポキシユリ
ア、塩ビオルガノゾル、水性エポキシアクリルのいずれ
かを常法により塗装し、DI加工用素板(プレコート
板)とした。同時に比較サンプルとしてこれらのアルミ
ニウム合金素板の無処理材(クロメート処理および塗装
を行なわなかったもの)も用意した。これらのDI加工
用素板を用いて、絞り加工によりブランク径145mm
φ、カップ径87mmφのカップ成形を行なった。この
カップ成形における潤滑油としては、粘度2cstのα
−オレフィン系揮発油を用いた。続いてこのカップに、
トータル板厚減少率63%の再絞り加工−しごき加工を
行なった。再絞り加工−しごき加工のクーラントとして
は、純水に対して脂肪酸石鹸、界面活性剤、防錆剤等か
らなる原液を濃度2%で添加したノニオン系ソリューシ
ョンクーラントを使用した。しごき加工に用いたダイス
の形状は、図2に示すようにベアリング部を有するもの
で、入口半角θ1 =8°、出口半角θ2 =5°、ベアリ
ング長さL=0.5mm、入口半角および出口半角とベ
アリング部との交点P2 ,P3 はそれぞれ曲率半径R2
=1mm、R3 =1mmの滑らかな形状とした。比較の
潤滑方法として、下記の潤滑方法Bとして示すように合
成エステル系エマルションも使用した。
【0043】使用した各塗料の特性および成形結果を表
1に示す。なお表1中において潤滑方法A,Bはそれぞ
れ次の通りである。 潤滑方法A: カップ成形(絞り加工);粘度2cstのα−オレフィ
ン系揮発油 再絞り−しごき加工;濃度2%ノニオン系ソリューショ
ンクーラント 潤滑方法B: カップ成形(絞り加工);濃度30%の合成エステル系
エマルション 再絞り−しごき加工;濃度4%合成エステル系エマルシ
ョン
【0044】
【表1】
【0045】No.1,2,3は無処理材の比較例であ
り、DI缶に従来から使用されている3004合金−D
C材では特に問題ないが、5182合金−DC材や30
04合金−CC材では、しごき加工においてゴーリング
が発生した。一方、塗膜を形成した素板(プレコート
板)を用いた場合、塗料として塗膜伸びが2.5%以上
のエポキシフェノールや塩ビオルガノゾル、エポキシア
クリルを使用した場合には良好なDI加工性を示し、外
観品質が良好なDI缶を得ることができた。これに対し
塗膜伸びが2.5%未満のエポキシユリアを用いた場合
(No.6,7)は、塗膜の剥離や亀裂が発生した。ま
た加工性の良い塗料でも塗膜厚3μm未満の場合(N
o.5,11)は、一部塗膜剥離が発生した。
【0046】実施例2 実施例1のNo.10の条件でしごき加工用のダイスの
条件のみを変更して加工性の評価を行なった。ダイス条
件を表2に、DI試験の結果を表3に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】No.10,12,16,17は本発明例
であり、これらのうちNo.12はベアリング長さが0
mmで請求項1の発明に対応する例、その他は請求項2
の発明に対応する例である。これらの本発明では、いず
れも良好なDI加工性を示した。一方No.13,14
はダイス形状をシャープエッジとした例であり、この場
合はDI加工後の塗膜に弱い擦り傷が発生した。またN
o.15はダイス入口半角、出口半角が小さ過ぎた比較
例であり、No.18はダイス半角が大き過ぎた例であ
るが、いずれの場合も缶切れが発生した。
【0050】実施例3 実施例1において加工性が良好であったNo.8および
No.10の条件で潤滑方法を変えてDI加工を行な
い、その後の洗浄性の評価を行なった。すなわち、DI
加工後の缶を湯温70℃で30秒間スプレー洗浄し、引
続き200℃で3分間の熱風乾燥を行なった後、インク
テストにより濡れ性の評価を行なった。比較サンプルと
して、No.1の条件でも同様の評価を行なった。結果
を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】いずれの潤滑方法でもDI加工性は良好で
あるが、潤滑方法Bを適用してDI加工を行なったN
o.1,19,20では洗浄性が悪く、インクテストで
はじきを生じた。一方本発明例の潤滑方法Aを適用して
DI加工を行なったNo.8,10は良好な洗浄性を示
した。
【0053】
【発明の効果】この発明の絞りしごき缶の製造方法によ
れば、金属素板に予め塗料をプレコートしたプレコート
板に対して、板厚減少率30%以上のしごき加工を含む
DI缶加工を施しても、塗膜の亀裂発生や傷付き、剥離
が生じることがなく、外観品質の良好なDI缶を得るこ
とができ、そのためプレコート板を用いてのDI缶の製
造を実際の量産的規模の製造工程で実用化することが可
能となった。そしてこのようにプレコート板を用いるこ
とから、成形後のDI缶の塗装が不要となって、塗装工
程のコスト削減を図ることができ、また潤滑油として除
去が容易な揮発性のものを使用可能となって、洗浄工程
のコスト削減を図ることができ、またそれに伴ない、こ
れらの工程で排出される熱や排気ガスの減少を図って安
全衛生上も有利とすることができる。さらに、プレコー
ト板に対してDI加工を施すことから、金属素板自体に
対しては優れたしごき加工性が要求されなくなり、その
ため金属素板としてアルミニウム合金を用いる場合で
も、従来の3004合金や3104合金で代表されるA
l−Mn−Mg系合金(3000番系合金)に限定され
ることなく、他のアルミニウム合金も使用し得るように
なってアルミニウム合金選択の自由度が拡大され、例え
ば5182合金などのしごき加工性は低いが高強度を有
するアルミニウム合金をDI缶に使用することが可能と
なり、その結果DI缶の一層の高強度化、薄肉化を図る
ことができ、また製造コストが低コストではあるが従来
はDI加工性が悪いためDI缶に用いられていなかった
連続鋳造圧延材も適用可能となり、このような連続鋳造
圧延材の適用によるコスト低減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で使用される絞り加工用ダイスの一例
の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】この発明で使用される絞り加工用ダイスの他の
例の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】従来の一般的な絞り加工用ダイスを全体的に示
す断面図である。
【図4】図3に示される従来の絞り加工用ダイスの要部
を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 ダイス 3 ベアリング部 4 アプローチ部 5 リリース部 θ1 入口半角 θ2 出口半角 P1 ,P2 ,P3 交点 L ベアリング長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 建次 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料をプレコートして表面に塗膜が形成
    された金属素板に対し、絞り加工を施した後、再絞り加
    工およびしごき加工を施して、絞りしごき缶を製造する
    方法において、 前記塗料として塗膜単体での伸びが2.5%以上のもの
    を用い、かつ塗膜の膜厚を3μm以上とし、前記しごき
    加工におけるダイスとして、ダイス入口半角が3°〜2
    0°の範囲内、ダイス出口半角が1°〜20°の範囲内
    で、しかも入口半角をなす面と出口半角をなす面との交
    点が曲率半径0.1mm以上の湾曲面で形成されている
    ダイスを用い、板厚減少率30%以上のしごき加工を施
    すことを特徴とする、絞りしごき缶の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗料をプレコートして表面に塗膜が形成
    された金属素板に対し、絞り加工を施した後、再絞り加
    工およびしごき加工を施して、絞りしごき缶を製造する
    方法において、 前記塗料として塗膜単体での伸びが2.5%以上のもの
    を用い、かつ塗膜の膜厚を3μm以上とし、前記しごき
    加工におけるダイスとして、ダイス入口半角が3°〜2
    0°の範囲内、ダイス出口半角が1°〜20°の範囲内
    で、しかも入口半角をなす面と出口半角をなす面との間
    にダイス中心軸線と実質的に平行なベアリング部を有
    し、かつ入口半角をなす面とベアリング部との交点、お
    よび出口半角をなす面とベアリング部との交点がそれぞ
    れ曲率半径0.1mm以上の湾曲面で形成されているダ
    イスを用い、板厚減少率30%以上のしごき加工を施す
    ことを特徴とする、絞りしごき缶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、請求項2のいずれかに記載の
    絞りしごき缶の製造方法において、 第1段階の絞り加工で揮発性の潤滑油を使用して絞り加
    工を行なうことを特徴とする、絞りしごき缶の製造方
    法。
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