JP3423640B2 - 薄膜の製造方法、半導体装置の製造方法、およびマグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

薄膜の製造方法、半導体装置の製造方法、およびマグネトロンスパッタ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ショットキー接合
を有する半導体装置の製造方法、半導体装置の製造工程
において用いられる薄膜の製造方法、および半導体装置
の製造に用いられるマグネトロンスパッタ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、集積回路(IC)および大規模集
積回路(LSI)等の構成部品である半導体装置の1つ
として、ショットキーダイオードが用いられている。シ
ョットキーダイオードは、ショットキー接合を利用した
半導体装置の1種類である。ショットキーダイオードの
電極は、従来、蒸着法に用いて成膜されたアルミニウム
の薄膜をパターン形成することによって、作成されてい
た。近年、集積回路の高集積化に伴うデザインルールの
縮小に起因して、シリコンを含有するアルミニウム合金
(以後「Al−Si」と記す)から成る電極を有する構
成のショットキーダイオードが主流になりつつある。A
l−Siから成る電極は、スパッタリング法を用いて成
膜されたAl−Siの薄膜をパターン形成することによ
って、作成される。スパッタリング法を用いて成膜され
たAl−Siの薄膜は、他の方法を用いて成膜された他
の導電性材料の薄膜と比較して、段差被膜性、膜厚の均
一性、膜質の均一性に優れている。
【0003】スパッタリング法を用いた成膜装置とし
て、近年、マグネトロンスパッタ装置が多用されてい
る。マグネトロンスパッタ装置において、被成膜物であ
る基板は、Al−Siからなるターゲットと共に、収納
容器に封入される。薄膜の使用用途に合わせて、薄膜形
成に先立ち、基板の加熱および基板のクリーニングが行
われている。マグネトロンスパッタ装置は、相互に直交
する電場および磁場を用いて、高密度のプラズマをター
ゲット近傍に形成し、該プラズマによってターゲット表
面の原子をスパッタする。スパッタされた原子は、基板
表面に付着して薄膜を形成する。
【0004】Al−Siからなる電極の材料としては、
具体的には、アルミニウム中に1重量%のシリコンを含
有するAl−Siが多用されている。このようなAl−
Siの薄膜をマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜す
る場合、成膜条件は以下のとおりになる。基板は、室温
以上で200℃以下の範囲内の温度に加熱される。収納
容器内の圧力は、0.2Pa以上で0.8Pa以下の範
囲内の圧力に保たれる。電場形成のためにターゲットに
印加される電力は、2kW以上で9kW以下の範囲内の
大きさに保たれる。
【0005】スパッタリング工程の成膜条件は、成膜さ
れる薄膜の使用用途に合わせて、最適化される。成膜条
件の最適化は、試験的に設定した成膜条件の元で薄膜を
成膜し、成膜された薄膜を検査して、検査結果に基づい
て試験的な成膜条件を修正することによって、行われ
る。従来の最適な成膜条件は、試験的に成膜された薄膜
のグレインサイズ、該薄膜の膜厚、該薄膜の鏡面反射
率、および該薄膜の外観表面の検査結果を踏まえて設定
されている。Al−Siの薄膜成膜時におけるマグネト
ロンスパッタ装置の磁場は、Al−Siの成膜条件の最
適化の際に従来考慮されていないので、Al−Siの薄
膜成膜時の磁場に関する明確な最適な成膜条件は存在し
ていない。
【0006】特開平6−116725号公報は、複数の
磁石装置を備えるマグネトロンスパッタ装置において、
薄膜の膜厚分布を改善するための技術を開示している。
前記マグネトロンスパッタ装置では、磁場が形成される
ターゲット近傍空間内のターゲットと対向する位置に、
ターゲットの粒子の通過孔を有する防着板が配設されて
いる。各磁石装置が発生される磁場の干渉を防止するた
めに、防着板は磁気シールドを兼ねている。マグネトロ
ンスパッタ装置が磁石装置を1つだけ備えているなら
ば、磁場の干渉はないので、防着板は必要ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の成膜条件に基づ
いて成膜されたAl−Siの薄膜をパターン形成して電
極が作成されている場合、該電極を備えたショットキー
ダイオードの電気的特性にばらつきが生じる。特に単一
の集積回路の基板上に複数のショットキーダイオードが
設けられる場合、ショットキーダイオードの順方向電圧
の基板面内分布が、集積回路において許容される分布よ
りも悪くなる。このために、マグネトロンスパッタ装置
を用いてAl−Siの薄膜を成膜する場合の成膜条件の
改善が、望まれている。特開平6−116725号公報
では、マグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜形成時の
成膜条件、特に磁場条件は、述べられていない。
【0008】本発明の目的は、電気的特性のばらつきを
改善することができる半導体装置の製造方法、ならび
に、該半導体装置の電気的特性のばらつきの改善のため
の薄膜の製造方法およびマグネトロンスパッタ装置を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、薄膜の材
料から成るターゲット、プラズマの原料である気体とタ
ーゲットと被成膜物とを収納する収納容器、ターゲット
と被成膜物との間に電場を生じさせる電力源、および、
電場に直交する磁場を生じさせる磁力源とを含むマグネ
トロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造方法において、
磁場の放電形状径が、被成膜物の端から磁場の中心軸ま
での最大距離の等倍以上でありかつ該最大距離の1.5
倍以下の範囲内の値に選ばれていることを特徴とする薄
膜の製造方法である。
【0010】本発明に従えば、マグネトロンスパッタ装
置を用いた薄膜の製造方法では、前記磁場の放電形状径
を制御している。このような磁場の条件下で被成膜物に
薄膜を成膜し、該薄膜を加工して半導体装置の構成部品
を得るならば、薄膜に起因する半導体装置の電気的特性
のばらつきを改善することができる。
【0011】第2の発明の薄膜の製造方法は、前記磁場
の放電形状径が、前記被成膜物の端から前記磁場の中心
軸までの最大距離の1.2倍以上でありかつ該最大距離
の1.3倍以下の範囲内の値に選ばれていることを特徴
とする。
【0012】本発明に従えば、マグネトロンスパッタ装
置を用いた薄膜の製造方法では、磁場の放電形状径が、
被成膜物の端から磁場の中心軸までの最大距離の1.2
倍以上でありかつ該最大距離の1.3倍以下の範囲内の
値になっている。このような磁場の条件下で被成膜物に
薄膜を成膜し、該薄膜を加工して半導体装置の構成部品
を得るならば、薄膜に起因する半導体装置の電気的特性
のばらつきをさらに改善することができる。
【0013】第3の発明の薄膜の製造方法は、前記磁力
源は、同心円状に配置された円筒状の2つの電磁石コイ
ルからなる2重磁極型電磁石を有し、各電磁石コイルに
流れる電流は、偏心のない磁場が形成されるように、そ
れぞれ定められていることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、2重磁極型電磁石を磁力
源としたマグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造
方法では、偏心のない予め定める強さの磁場をターゲッ
ト表面近傍に形成するために、2つの電磁石コイルに流
れる電流が制御されている。このような磁場の条件下で
被成膜物に薄膜を成膜し、該薄膜を加工して半導体装置
の構成部品を得るならば、薄膜に起因する半導体装置の
電気的特性のばらつきをさらに改善することができる。
【0015】第4の発明の薄膜の製造方法は、前記磁力
源は、同心円状に配置された円筒状の2つの電磁石コイ
ルからなる2重磁極型電磁石を有し、各電磁石コイルに
それぞれ流れる電流の大きさは、スパッタが行われる
間、各電磁石コイル毎に予め定められた値に常に保持さ
れることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、2重磁極型電磁石を磁力
源としたマグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造
方法では、各電磁石コイルに流れる電流が規定値に常に
保持されているので、磁場は可変することなく所定の状
態を保つ。このような磁場の条件下で被成膜物に薄膜を
成膜し、該薄膜を加工して半導体装置の構成部品を得る
ならば、薄膜に起因する半導体装置の電気的特性のばら
つきをさらに改善することができる。
【0017】第5の発明の薄膜の製造方法は、前記磁力
源は、同心円状に配置された円筒状の2つの電磁石コイ
ルからなる2重磁極型電磁石を有し、各電磁石コイルに
流れる電流の大きさは、0A以上2A以下の範囲内の値
であることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、2重磁極型電磁石を磁力
源としたマグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造
方法では、磁場の強さを制御するために、各電磁石コイ
ルに流れる電流の大きさが制御されている。このような
磁場の条件下で被成膜物に薄膜を成膜し、該薄膜を加工
して半導体装置の構成部品を得るならば、薄膜に起因す
る半導体装置の電気的特性のばらつきをさらに改善する
ことができる。
【0019】第6の発明は、ショットキー接合を有する
半導体装置の製造方法において、請求項1〜請求項5の
うちのいずれかに記載の薄膜の製造方法を用いて、導電
性材料からなる薄膜を、半導体材料からなる基板表面に
成膜する工程と、成膜された薄膜をパターン形成して、
前記半導体装置の電極を形成する工程とを含むことを特
徴とする半導体装置の製造方法である。
【0020】本発明に従えば、ショットキー接合を有す
る半導体装置の製造方法において、半導体装置が備える
電極は、第1〜第5の発明で説明した薄膜の製造方法を
用いて成膜された薄膜を加工することによって得られ
る。このような本発明の半導体装置の製造方法は、従来
技術の半導体装置の製造方法よりも、製造される半導体
装置の電気的特性のばらつきを改善することができる。
【0021】第7の発明は、薄膜の材料からなるターゲ
ット、プラズマの原料である気体とターゲットと被成膜
物とを収納する収納容器、ターゲットと被成膜物との間
に電場を生じさせる電力源、および、電場に直交する磁
場を生じさせる磁力源とを含むマグネトロンスパッタ装
置において、磁場の放電形状径が、被成膜物の端から磁
場の中心軸までの最大距離の等倍以上でありかつ該最大
距離の1.5倍以下の範囲内の値に選ばれていることを
特徴とするマグネトロンスパッタ装置である。
【0022】本発明に従えば、マグネトロンスパッタ装
置は、磁場の放電形状径を制御している。このようなマ
グネトロンスパッタ装置を用いて被成膜物上に薄膜を成
膜し、該薄膜を加工して半導体装置の構成部品を得たな
らば、薄膜に起因する半導体装置の電気的特性のばらつ
きを改善することができる。また第7の発明のマグネト
ロンスパッタ装置は、第2〜第5の発明のうちの少なく
とも1つで説明した磁場条件をさらに満たしていてもよ
い。これによって、薄膜に起因する半導体装置の電気的
特性のばらつきをさらに改善することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある薄膜の製造方法を用いるマグネトロンスパッタ装置
1の断面図である。図2は、マグネトロンスパッタ装置
1のA−A端面図である。図1と図2とを合わせて説明
する。
【0024】マグネトロンスパッタ装置1は、ターゲッ
ト3と、収納容器4と、電力源5と、磁力源6とを少な
くとも含む。ターゲット3は、被成膜物の表面に成膜さ
れる薄膜の材料から形成されている。収納容器4は、プ
ラズマの原料である気体と、ターゲット3と、被成膜物
8とを収納する。電力源5は、ターゲット3と被成膜物
8との間に電場を生じさせる。磁力源6は、ターゲット
3と被成膜物8との間の電場と直交する磁場を生じさせ
る。マグネトロンスパッタ装置1は、被成膜物を予め定
める温度に加熱するための加熱機構15を、さらに有し
ている構成であることが好ましい。加熱機構15の加熱
方式はどのような方式であってもよく、たとえばランプ
加熱方式またはガス加熱方式が用いられる。本実施の形
態のマグネトロンスパッタ装置1では、ランプ加熱方式
が用いられている。
【0025】磁力源6は、2重磁極型電磁石11とコイ
ル電源12とを有する。ターゲット3は、2重磁極型電
磁石11と被成膜物8との間に配置される。2重磁極型
電磁石11は、同心円状に配置された円筒状の2つの電
磁石コイル13,14から構成される。コイル電源12
は、各電磁石コイル13,14に、電力をそれぞれ供給
する。2重磁極型電磁石11は、スパッタ実行時に、磁
力源11と電力源12の陰極(カソード)とを兼ねてい
る。被成膜物8が接地されているならば、電力源5とコ
イル電源12とが一体化されて、電力源5が2つの電磁
石コイル13,14に電力を供給してもよい。以後、2
重磁極電磁石11の内側の電磁石コイル13に流れる電
流を「インサイド電流Ii」と称し、2重磁極電磁石1
1の外側の電磁石コイル14に流れる電流を「アウトサ
イド電流Io」と称する。
【0026】磁力源6が発生させる磁場の放電形状径R
Bは、磁場の中心軸LBから被成膜物8の端までの最大
距離(以後「配置中心径」と記す)RWの等倍以上でか
つ配置中心径RWの1.5倍以下の範囲内の値になって
いる。磁場は、スパッタが行われる間、偏心がなくかつ
所定の強さを常に保つように、保持される。磁場の詳細
は後述する。
【0027】マグネトロンスパッタ装置1は、ショット
キー接合を用いた半導体装置の製造工程において、半導
体装置が有する電極の元となる導電性材料の薄膜の形成
工程で、用いられる。本実施の形態は、ショットキー接
合を用いた半導体装置がショットキーダイオードで実現
され、かつショットキーダイオードが集積回路の構成部
品になっている場合の例になっている。このために、被
成膜物8は、半導体材料からなる略円板状の板、具体的
にはシリコンのウエハで実現されており、ターゲット3
がシリコンを含有するアルミニウム合金(以後「Al−
Si」と記す)から形成されているものとして、以後の
説明を行う。また本実施の形態では、電力源5は、2重
磁極型電磁石11を陰極に用い、被成膜物8を陽極に用
いている。プラズマの原料となる気体としては、たとえ
ばアルゴンガスが用いられる。
【0028】図3は、マグネトロンスパッタ装置1を備
えた半導体製造装置31の平面図である。半導体製造装
置31は、ショットキー接合を有する半導体装置を製造
する。半導体製造装置31は、マグネトロンスパッタ装
置1の収納容器4で実現されるスパッタ室の他に、搬送
室32、カセット室33、加熱室34、およびホリゾン
タル型のエッチング室35を有する。ホリゾンタル型の
エッチング室35は、2重磁極型電極を有している。カ
セット室33、加熱室34、エッチング室35、および
スパッタ室は、搬送室32の周囲に配置され、搬送室3
2とそれぞれ連通可能に構成されている。なお本実施の
形態では、加熱室34およびエッチング室35は使用さ
れていない。スパッタリング工程の処理対象となる被成
膜物8は、複数枚ずつカセットに収められた状態で、カ
セット室33に搬入される。被成膜物8は、搬送室32
内に備えられる基板搬送機構によって、カセット室33
から、搬送室32を経由して、マグネトロンスパッタ装
置1の収納容器4に搬送される。
【0029】図1のマグネトロンスパッタ装置1を用い
て、ウエハ8にAl−Siの薄膜を成膜する工程は、概
略的には以下のとおりである。ターゲット3は、収納容
器4内に予め収納されている。最初に、ウエハ8とプラ
ズマの原料気体とが収納容器4内に封入され、かつ収納
容器4内の圧力が規定の圧力に調整される。ウエハ8の
中心と磁場の中心軸とが一致するように、ウエハ8の収
納容器4内の位置が調整されているので、配置中心径R
Wはウエハ8の半径と等しくなっている。封入されたウ
エハ8は、加熱機構15によって予め定める温度に加熱
され、加熱後の温度が保たれる。次いで、電力源5が2
重磁極型電磁石11と被成膜物8との間に電場を生じさ
せ、磁力源6が該電場と直交する磁場を生じさせる。こ
の結果、陰極から放出された電子は、電場と磁場が生じ
ている空間にトラップされつつ、原料気体を電離するの
で、ターゲット3の表面近傍に高密度のプラズマが形成
される。形成されたプラズマがターゲット3表面をスパ
ッタするので、ウエハ8の表面に、ターゲットの材質か
らなる薄膜が、成膜される。
【0030】このように成膜されたAl−Siの薄膜
は、ショットキーダイオードの電極に加工される。以
後、Al−Si薄膜を加工して得られる電極を有するシ
ョットキーダイオードを「Al−Siショットキーダイ
オード」と称する。Al−Si薄膜がマグネトロンスパ
ッタ装置を用いた従来技術の薄膜製造方法で成膜されて
いる場合、Al−Siショットキーダイオードの電気的
特性、特に順方向電圧は、Al−Si薄膜内のどの部分
を電極として用いたかに応じて変化する。Al−Si薄
膜内のどの部分を電極として用いたかに基づくAl−S
iショットキーダイオードの電気的特性のばらつきを、
以後「面内ばらつき」と称する。Al−Siショットキ
ーダイオードの製造工程では、1枚のAl−Si薄膜を
加工して、複数のショットキーダイオードの電極を形成
する。従来技術の薄膜製造方法を用いた半導体装置の製
造工程では、複数のAl−Siショットキーダイオード
に電気的特性の面内ばらつきが生じるので、Al−Si
ショットキーダイオードの信頼性が低下し、Al−Si
ショットキーダイオードの再現性が低下している。
【0031】Al−Si薄膜のスパッタリング工程にお
いて、スパッタが行われる間に生じている磁場は、Al
−Siショットキーダイオードの電気的特性の面内ばら
つきの改善に、大きく関与する。このために本実施の形
態では、スパッタ時の磁場の形状および磁場の大きさ
は、スパッタ時に従来技術の薄膜製造方法が用いられる
場合よりも、Al−Siショットキーダイオードの電気
的特性の面内ばらつきが少なくなるように、最適化され
ている。すなわちスパッタ時の磁場形状および磁場の強
さは、1枚のAl−Si薄膜において、薄膜の電気的特
性の分布が均一になるように最適化されている。
【0032】本実施の形態では、スパッタ時に形成され
る磁場は、ターゲット3の表面において磁場が垂直成分
と水平成分とを有しており、かつ垂直成分が零である領
域において最も強く放電集中するような条件下で、形成
されたものである。このような条件下では、磁場の強さ
が比較的弱めの状態、言換えればインピーダンス高めの
設定条件下で、Al−Siショットキーダイオードの電
気的特性の面内ばらつきが最も抑えられる。マグネトロ
ン放電は、磁場が形成された空間において、磁場の垂直
成分が零である領域で、最も強く放電集中する。磁場の
垂直成分が零である領域では、磁場の水平成分が最大に
なっている。なお本明細書では、円板状のウエハ8の表
面に平行な方向を「水平方向」とし、ウエハ8の表面に
垂直な方向を「垂直方向」としている。なお図1の2点
鎖線LLは、2重磁極型電磁石11によって発生する磁
場の任意の磁力線を示している。
【0033】Al−Siショットキーダイオードの電気
的特性の面内ばらつき改善には、スパッタ時の磁場の強
さおよび磁場の形状が最も重要であり、かつ所定の状態
の磁場は、スパッタが実行される間、常に保持されるこ
とが好ましい。つまりスパッタが行われる間、磁場は、
可変されることなく、常に所定の強さおよび形状を保持
していることが重要である。スパッタ時の磁場の条件と
して、具体的には、エロージョン径φBと、磁場の偏心
状態と、磁場の保持状態と、磁場の強さとが用いられて
いる。
【0034】エロージョン径φBは、磁場が形成されて
いる空間内のエロージョン領域の直径である。エロージ
ョン領域は、前記空間内において、垂直成分が0であり
水平成分が最大になっている領域である。磁場の形状を
規定するエロージョン径φBは、インサイド電流Iiと
アウトサイド電流Ioとの比率(以後「マグネット電流
比Ii/Io」と称する)によって定められる。マグネ
ット電流比Ii/Ioが等しくかつ2つの電流Ii,I
oの大きさが異なる複数通りの電流の組合わせがある場
合、各組合わせによって規定されるエロージョン径φB
は相互に等しい。たとえばインサイド電流Iiおよびア
ウトサイド電流Ioがどちらも2Aである組合わせと、
インサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Ioがどち
らも4Aである組合わせとを比較した場合、式1に示す
ように、これら2つの各組合わせによって規定されるエ
ロージョン径φBは相互に等しい。
【0035】
【数1】
【0036】磁場の放電形状径RBは、エロージョン径
φBの半分の値である。スパッタが行われる間、磁場の
放電形状径RBは、配置中心径RWの等倍以上でありか
つ配置中心径RWの1.5倍以下の許容範囲内の値に選
ばれている。磁場の放電形状径RBは、好ましくは、配
置中心径RWの1.2倍以上でありかつ該配置中心径R
Wの1.3倍以下の最適範囲内の値に選ばれている。
【0037】磁場の偏心状態は、インサイド電流Iiと
アウトサイド電流Ioとの組合わせによって定められ
る。インサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Io
は、偏心のない予め定める強さの磁場を2重磁極電磁石
11が発生するように、それぞれ設定されている。
【0038】磁場の強さは、インサイド電流Iiの大き
さおよびアウトサイド電流Ioの大きさによって定めら
れる。インサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Io
の大きさが大きいほど、これら2つの電流Ii,Ioの
組合わせによって規定される磁場が強くなる。たとえば
インサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Ioがどち
らも2Aである組合わせと、インサイド電流Iiおよび
アウトサイド電流Ioがどちらも4Aである組合わせと
を比較した場合、前者の組合わせによって規定される磁
場の強さは、後者の組合わせによって規定される磁場の
強さよりも弱い。スパッタ時の磁場の強さが弱いほど、
Al−Siショットキーダイオードの電気的特性の面内
ばらつきが小さくなる。インサイド電流Iiおよびアウ
トサイド電流Ioは、0A以上2A以下の許容範囲内の
大きさにそれぞれ選ばれている。
【0039】以上説明したように、磁場の形状、偏心状
態、および強さは、インサイド電流Iiとアウトサイド
電流Ioとの組合わせによって定められる。Al−Si
ショットキーダイオードの電気的特性の面内ばらつきを
改善するには、スパッタが行われる間、磁場を変化させ
ることなく、所定の状態に保持する必要がある。スパッ
タが行われる間、磁場を偏心なくかつ所定の強さに保持
するために、インサイド電流Iiとアウトサイド電流I
oとは、スパッタ実行中に変化されることなく、各電流
Ii,Io毎に定められた値にそれぞれ常に保たれる。
【0040】本実施の形態では、スパッタ実行中の磁場
の条件として、磁場の放電形状径と磁場の保持状態と磁
場の偏心状態と磁場の強さとの4つが挙げられている。
マグネトロンスパッタ装置1は、これら4つの磁場条件
のうち、少なくとも1つを満たすように磁場を発生させ
ればよい。磁場条件を多く満たすほど、ショットキーダ
イオードの電気的特性の面内ばらつきをより抑えること
ができる。4つの磁場条件をすべて満たすように磁場が
発生されている場合が最も好ましく、ショットキーダイ
オードの電気的特性の面内ばらつきを最も抑えることが
できる。
【0041】図4は、集積回路21内のショットキーダ
イオード22の拡大断面図である。図4のショットキー
ダイオード22は、図1のマグネトロンスパッタ装置を
用いた半導体装置の製造方法によって製造される。図4
のショットキーダイオード22は、集積回路21の構成
部品の1つである。集積回路21は、ショットキーダイ
オード22の他に、半導体材料の基板23と、絶縁層2
4とを有する。半導体材料の基板23は、N型の半導体
基板25にN型エピタキシャル層26を重ねて構成され
ている。絶縁層24はN型エピタキシャル層26に積層
されている。絶縁層24は、たとえば酸化シリコンの薄
膜で実現される。絶縁層24には、コンタクト開口部2
7が設けられている。ショットキーダイオード22の電
極28となる導電性材料の膜片の少なくとも1部分は、
コンタクト開口部27を介してN型エピタキシャル層2
6に接触している。電極28の残余の部分は、絶縁層2
4に積層される。電極28と半導体材料基板23とが直
接接触している部分が、ショットキーダイオード22と
して機能する。半導体材料基板25は、ショットキーダ
イオード22が有する半導体層と、集積回路21の基板
とを、兼ねている。ショットキーダイオード22の電極
28は、図1のマグネトロンスパッタ装置1によって成
膜されたAi−Si薄膜を加工して得られる。
【0042】図5は、図4の集積回路21のショットキ
ーダイオード22の製造工程を説明するための概略的な
工程図である。なお図5の工程図では、N型エピタキシ
ャル層が一方面に形成されたシリコンウエハが被成膜物
8として用いられており、該被成膜物8の一部分が半導
体材料基板23に相当する。最初に、ステップA1で、
絶縁性材料の薄膜が、被成膜物8のN型エピタキシャル
層26上に成膜される。絶縁性材料が酸化シリコンであ
る場合、絶縁性材料薄膜は、N型エピタキシャル層26
の表面を酸化することによって得られる。ステップA2
で、成膜された絶縁性材料の薄膜内の所定位置の一部分
が除去され、この結果コンタクト開口部27が形成され
る。これによって絶縁層24が被成膜物8上に形成され
る。ステップA3で、絶縁層形成後の被成膜物8に、薄
膜形成のための前処理が施される。前処理は、たとえば
プラズマを用いて行われる。
【0043】ステップA4で、前処理後の被成膜物8
は、図1のマグネトロンスパッタ装置1の収納容器4内
に搬入され、予め定める温度に加熱される。被成膜物搬
入後、収納容器4の真空引きが行われる。ステップA5
で、マグネトロンスパッタ装置1は、Ai−Siの薄膜
を、前処理後の被成膜物8の絶縁層24に重ねて成膜す
る。ステップA4およびステップA5の処理は、実際に
は、図1のマグネトロンスパッタ装置1を有する半導体
製造装置31を用いて行われる。ステップA6で、成膜
されたAi−Si薄膜がパターニングされる。薄膜のパ
ターニングには、たとえばフォトリソグラフィ法を用い
たエッチング工程が用いられる。これによってショット
キーダイオードの電極28が被成膜物8上に形成される
ので、ショットキーダイオード22が完成する。
【0044】ステップA6のパターニング時には、Al
−Si薄膜内のショットキーダイオードの電極28とな
る部分を残すだけでなく、集積回路21の他の構成部
品、たとえば配線や他の電極となる部分も残すようにし
てもよい。これによって、電極28と共に、集積回路1
の他の構成部品が得られる。集積回路21の他の構成部
品がAl−Si薄膜から形成される場合、ショットキー
ダイオード完成後の被成膜物8に対して、水素雰囲気中
でシンタリングが行われる。被成膜物8上に集積回路2
1の全構成部品が形成された後、被成膜物8の該全構成
部品が配置された部分が切出される。これによって集積
回路21が完成する。
【0045】マグネトロンスパッタ装置1におけるAi
−Si薄膜の好ましい成膜条件を以下に述べる。以下の
説明は、ターゲット3が、1重量%のシリコンを含有す
るアルミニウムから成る例になっている。
【0046】真空引き完了後の収納容器4内の圧力、す
なわち真空度は、0.2Pa以上で0.8Pa以下の許
容範囲内の圧力であることが好ましい。これは以下の理
由に基づく。真空引きの工程では、具体的には、収納容
器4内に被成膜物8が搬入された後、アルゴンガスが収
納容器4内に流込まれつつ、収納容器4内の気体が排気
される。収納容器4内の真空度は、アルゴンガスの流量
によって定まる。真空引き完了後の収納容器4内の真空
度が0.2Pa以上で0.8Pa以下の許容範囲内の圧
力であるならば、真空度を精度よく制御することができ
る。収納容器4内の真空度は、スパッタリング工程で成
膜される薄膜の膜質に影響を与える。具体的には、収納
容器4の真空度の変化は、成膜される薄膜のシート抵抗
の違い、該薄膜のエッチング速度の違いとなって現れ
る。他の構成のAl−Siスパッタ装置との整合性を考
慮すると、収納容器4内の圧力は、0.6Paに保たれ
ることが、最も好ましい。
【0047】収容容器4内に搬入された被成膜物8は、
加熱機構15によって加熱される。スパッタ時の被成膜
物8の温度、すなわちスパッタ温度は、好ましくは、7
0℃以上でかつ150℃以下の許容範囲内の温度に選ば
れる。これによって、スパッタリング工程で成膜された
薄膜の表面は、良好な鏡面状態を維持することができ
る。スパッタ温度が150℃よりも高い場合、スパッタ
リング工程の次の工程において、アライメント認識が不
良となり、薄膜の外観検査の結果が不良となる。スパッ
タ温度が70℃よりも低い場合、薄膜の量産に不適当な
程度までスパッタ速度が低下するので、量産性に劣る。
スパッタ温度は、さらに好ましくは、100℃以上でか
つ120℃以下の最適範囲内の温度に選ばれている。こ
れによって、スパッタリング工程で成膜された薄膜の表
面が非常に良好な鏡面状態を維持することができる。1
00℃以上120℃以下のスパッタ温度は、薄膜の量産
時の条件として用いられる。
【0048】被成膜物8の加熱機構の方式は、どのよう
な方式であってもよい。スパッタ時の加熱方式がAl−
Siショットキーダイオードの順方向電圧VFに影響を
及ぼすか否かを判断するために、本件出願人は、加熱機
構の方式としてランプ加熱方式とガス加熱方式とをそれ
ぞれ採用して、Al−Siショットキーダイオードを製
造したが、違いは認められなかった。
【0049】電力源5は、スパッタ時の電場形成のため
に、2重磁極型電磁石11を陰極として用い、被成膜物
8を陽極として用いている。被成膜物8が接地されてい
るならば、電力源5からの電力は2重磁極型電磁石11
の2つの電磁石コイル13,14に供給される。電力源
5が陰極と陽極との間に供給する電力、すなわちスパッ
タ時パワー値は、基本的には、2kW以上で9kW以下
の範囲内の値に設定されている。スパッタ時パワー値
は、スパッタ温度と同様に、スパッタリング工程で成膜
される薄膜の膜質に影響を与える。他の構成のAl−S
iスパッタ装置との整合性を考慮すると、スパッタ時パ
ワー値は、6kWに設定されることが最も好ましい。
【0050】図1のマグネトロンスパッタ装置1におい
て、ターゲット3と被成膜物8との間隔Dは、40mm
以上70mm以下の範囲内で調整が可能である。ターゲ
ット3と被成膜物8との間隔Dは、好ましくは、45m
m以上60mm以下の範囲内の値に設定される。これに
よって、膜厚が極めて均一な薄膜、すなわち膜厚のばら
つきが±3%以内になっている薄膜が得られる。ターゲ
ット3と被成膜物8との間隔Dは、最も好ましくは55
mmに設定される。55mmは、45mm以上60mm
以下の範囲に含まれており、かつ間隔Dの調整可能な範
囲の中央値であるので、間隔調整時の作業性に優れてい
るため、採用されている。
【0051】Al−Siショットキーダイオードの順方
向電圧は、被成膜物8に対するシンタリング処理の条件
の1つである温度の影響を受ける。シンタリング処理時
の温度は、好ましくは、380℃以上450℃以下の範
囲に設定される。これは以下の理由に基づく。Al−S
i薄膜は、Al−Siショットキーダイオードの電極だ
けでなく、集積回路の配線にも使用される。シンタリン
グ処理時の温度が450℃より高い場合、配線と半導体
とのコンタクト部において、Siノジュールの発生に起
因して、コンタクト抵抗が必要以上に増大する。シンタ
リング処理時の温度が380℃より低い場合、配線と半
導体とのコンタクト部において、充分なオーミックコン
タクトが得られない。シンタリング処理時の温度が38
0℃以上450℃以下の範囲内にあれば、Al−Si薄
膜から形成された配線は安定したコンタクト抵抗を得る
ことができる。
【0052】スパッタ時の磁場の放電形状径RBは、前
述したように、好ましくは、配置中心径RWの等倍以上
でありかつ配置中心径RWの1.5倍以下の許容範囲内
の値に選ばれている。磁場の放電形状径RBが、配置中
心径RWの1.2倍以上でありかつ該配置中心径RWの
1.3倍以下の最適範囲内の値に設定されている場合、
最大の効果が得られる。すなわち磁場の放電形状径RB
が前記最適範囲内の値である場合、Al−Siショット
キーダイオードの電気的特性の面内ばらつきを最も小さ
くすることができる。
【0053】Al−Siショットキーダイオードの電気
的特性の面内ばらつきの抑制には、前述したように、磁
場の放電形状径RBが同一であっても磁場の強弱に応じ
て有意差がある。このために、インサイド電流Iiとア
ウトサイド電流Ioとの大きさが0A以上2A以下の許
容範囲内の大きさに設定されていることが、最も好まし
い。これによって、前述のスパッタ時の成膜条件、すな
わち収納容器4内の圧力、スパッタ温度、およびスパッ
タ時パワー値の設定状態に拘わらず、被成膜物8上のA
l−Si薄膜内のどこの部分を用いて電極28を形成し
た場合でも、ショットキーダイオードの順方向電圧が、
ショットキーダイオードに要求されている規定範囲を充
分満たすような良好な値になる。
【0054】このようにインサイド電流Iiとアウトサ
イド電流Ioとを設定した場合、スパッタ時において、
2重磁極型電磁石11と被成膜物8との間の放電電圧は
480V以上500V以下の範囲内の値を示し、2重磁
極型電磁石11と被成膜物8との間の放電電流は12A
以上12.5A以下の範囲内の値を示す。ゆえに、イン
サイド電流Iiおよびアウトサイド電流Ioは、放電電
圧が480V以上500V以下の値となる条件、および
放電電流が12A以上12.5A以下の範囲内の値とな
る条件のうちの少なくとも一方を満たすように、設定さ
れてもよい。
【0055】エロージョン径φBの数値範囲、ならびに
インサイド電流およびアウトサイド電流の数値範囲は、
以下に説明する第1の実験に基づいて定められた。第1
の実験では、図3の半導体装置の製造装置31を用い、
図5で説明した半導体装置の製造工程に基づいて、ウエ
ハ表面に複数のAl−Siショットキーダイオードを形
成し、形成された各Al−Siショットキーダイオード
の順方向電圧VFを測定している。
【0056】Al−Siショットキーダイオード形成時
のインサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Ioの組
合わせは、エロージョン径変更のために、ウエハ毎に変
更した。エロージョン径φBは、90mm以上160m
m以下の範囲内で10mm刻みに変更している。さらに
マグネット電流I、すなわちインサイド電流Iiは、
1.5A、2.0A、4.0Aの3通りに設定してい
る。さらに、エロージョン径を変化させるために、アウ
トサイド電流Ioを変化させている。第1の実験におい
て、Al−Siのシリコン含有率は1重量%であり、収
納容器4内の真空度は0.6Paに設定され、スパッタ
温度は110℃に設定され、スパッタ時パワー値は6k
Wに設定され、ターゲット3とウエハ8との距離Dは5
5mmに設定され、シンタリング温度は420℃に設定
されている。被成膜物8となるウエハは4インチのシリ
コンウエハであり、直径は100mmである。
【0057】1枚のウエハにおいて、測定対象のAl−
Siショットキーダイオードは、ウエハの先端部、ウエ
ハの中央部、およびウエハのファセット部の3つの測定
部内に、それぞれ形成されている。ウエハの先端部4
1、ウエハの中央部42、およびウエハのファセット部
43は、図6に示すように、ウエハ44の中心線45に
ほぼ平行に並んでいる。中央部42はウエハ44の中心
近傍に位置し、先端部41およびファセット部43は、
ウエハ44の端と中心線45との交点近傍にそれぞれ位
置する。各測定部41,42,43内のAl−Siショ
ットキーダイオードの電極の面積は、100μm×10
0μmである。各測定部内のAl−Siショットキーダ
イオードの順方向電圧は、10μAの電流を、該Al−
Siショットキーダイオードに流した場合の電圧値によ
って、規定している。
【0058】図7は、第1の実験において測定されたA
l−Siショットキーダイオードの順方向電圧VFと、
該Al−Siショットキーダイオードの電極形成時のエ
ロージョン径φと、該電極形成時のマグネット電流との
関係を表すグラフである。図7のグラフ51は、マグネ
ット電流Iが4.0Aの場合のエロージョン径φBと順
方向電圧VFとの関係を近似する。図7のグラフ52
は、マグネット電流Iが2.0Aの場合のエロージョン
径φBと順方向電圧VFとの関係を近似する。図7のグ
ラフ53は、マグネット電流Iが1.5Aの場合のエロ
ージョン径φBと順方向電圧VFとの関係を近似する。
図7の3本のグラフ51〜53は、上述の3つの各場合
の順方向電圧VFの測定結果に基づき、最小二乗法を用
いて求められている。
【0059】なお図7には、第1の実験時に設定された
各エロージョン径φBを実現するためのマグネット電流
比Ii/Ioを併記している。また図7において、1枚
のウエハ内に形成されるAl−Siショットキーダイオ
ードの順方向電圧VFのばらつきを示すために、ウエハ
毎に、ウエハ内のAl−Siショットキーダイオードの
順方向電圧VFの最大値および最小値をプロットして線
分で結び、かつウエハ内のAl−Siショットキーダイ
オードの順方向電圧VFの平均値を黒丸でプロットして
いる。順方向電圧VFの最大値および最小値を両端とす
る線分が長いほど、1枚のウエハ内に形成されるAl−
Siショットキーダイオードの順方向電圧VFのばらつ
き、すなわち順方向電圧VFの面内ばらつきが大きい。
【0060】図7から分かるように、エロージョン径φ
Bが相互に等しいならば、マグネット電流Iが大きいほ
ど、Al−Siショットキーダイオードの順方向電圧V
Fの面内ばらつきが大きくなっている。マグネット電流
Iが2Aを越える場合、順方向電圧VFの面内ばらつき
は、ショットキーダイオードの信頼性を損なう程に増大
する。ゆえにマグネット電流Iが0A以上2A以下であ
れば、順方向電圧VFの面内ばらつきに起因する集積回
路の信頼性の低下を、防止することができる。ゆえにイ
ンサイド電流Iiおよびアウトサイド電流Ioの大きさ
は、0A以上2A以下であることが好ましい。
【0061】図7から分かるように、エロージョン径φ
Bが相互に等しいならば、マグネット電流Iが大きいほ
ど、Al−Siショットキーダイオードの順方向電圧V
Fの平均値は小さくなっている。マグネット電流Iが相
互に等しい場合、Al−Siショットキーダイオードの
順方向電圧VFとエロージョン径φBとの関係は、2次
関数のグラフで近似される。順方向電圧VFとエロージ
ョン径φBとの近似グラフにおいて、順方向電圧VFの
最下点は、マグネット電流Iにかかわらず、エロージョ
ン径φBが120mm以上130mm以下の範囲にあ
る。マグネット電流Iを小さくするほど、近似グラフの
最下点は小さくなる。これによって、エロージョン径φ
Bが120mm以上130mm以下の範囲内の値に近付
くほど、ショットキーダイオードの順方向電圧VFは小
さくなり、マグネット電流Iを小さく設定するほど、順
方向電圧VFは小さくなることが分かる。近似グラフの
順方向電圧VFの最下点は、マグネット電流Iを小さく
するほど小さくなるが、おおよそ250mV程度で落着
く。
【0062】集積回路に用いられるAl−Siショット
キーダイオードは、一般的には、0mV以上380mV
以下である要求範囲内の順方向電圧VFを有している必
要がある。図7から分かるように、マグネット電流Iが
0A以上2.0A以下であるならば、エロージョン径が
100mm以上150mm以下の範囲WE1である場
合、Al−Siショットキーダイオードの順方向電圧V
Fが380mV以下になっている。第1の実験ではウエ
ハの直径が100mmになっている。これらの結果、エ
ロージョン径がウエハ直径の等倍以上1.5倍以下であ
る場合、すなわち磁場の放射形状径RBがウエハ半径の
等倍以上1.5倍以下である場合、Al−Siショット
キーダイオードは要求される順方向電圧を有することが
できる。
【0063】図7から分かるように、マグネット電流I
が相互に等しいならば、エロージョン径φBが0mm以
上120mm未満の範囲WE2内にある場合、エロージ
ョン径φBが大きくなるほど、Al−Siショットキー
ダイオードの順方向電圧VFの面内ばらつきが小さくな
り、エロージョン径φBが120mm以上130mm以
下の範囲内の値である場合に面内ばらつきが最小にな
り、エロージョン径φBが120mmより大きい範囲内
にある場合、エロージョン径φBが大きくなるほど面内
ばらつきが大きくなる。また前述したように、エロージ
ョン径φBが相互に等しいならば、マグネット電流Iが
大きいほど、順方向電圧VFの面内ばらつきが大きくな
る。これによって、エロージョン径φBを120mm以
上130mm以下の範囲内の値に近付けるほど順方向電
圧VFの面内ばらつきは減少し、マグネット電流Iを小
さく設定するほど面内ばらつきは減少することが分か
る。ゆえにエロージョン径φBは、120mm以上13
0mm以下の範囲内の値に設定されることがより好まし
い。
【0064】以上説明した理由に基づき、マグネット電
流Iが0A以上2A以下であるならば、エロージョン径
φBが120mm以上130mm以下の範囲内の値であ
る場合、Al−Siショットキーダイオードの順方向電
圧VFが最も小さくなり、かつ順方向電圧VFの面内ば
らつきが最も少なくなる。ゆえに、マグネット電流Iを
0A以上2A以下の範囲内の値に設定し、かつエロージ
ョン径φBが120mm以上130mm以下の範囲内の
値になるようにマグネット電流比Ii/Ioを定めたな
らば、Al−Siショットキーダイオードの順方向電圧
VFが、0mV以上380mV以下である要求範囲内を
充分に満たし、かつ順方向電圧VFの面内ばらつきが極
めて少なくなる。たとえばマグネット電流Iが2Aであ
るならば、エロージョン径φBが120mm以上130
mm以下の範囲内の値である場合、Al−Siショット
キーダイオードの順方向電圧VFが300mVになり、
かつ順方向電圧VFの面内ばらつきが最少になる。マグ
ネット電流Iは小さいほど好ましい。
【0065】本実施の形態の薄膜製造方法と従来技術の
薄膜製造方法とを比較するために、以下に説明する第2
の実験を行った。第2の実験では、図3の半導体装置の
製造装置31を用い、図5で説明した半導体装置製造工
程に基づいて、ウエハ表面に複数のAl−Siショット
キーダイオードを形成し、形成された各Al−Siショ
ットキーダイオードの順方向電圧VFを測定している。
図5の工程内のAl−Si薄膜製造工程における成膜条
件としては、本実施の形態の薄膜製造方法における成膜
条件と、従来技術の薄膜製造方法における成膜条件と
が、それぞれ用いられている。
【0066】表1は、本実施の形態および従来技術の薄
膜製造方法における成膜条件を示す。表1に示す成膜条
件以外のAl−Siショットキーダイオードの形成条件
およびAl−Siショットキーダイオードの製造工程
は、第1の実験における形成条件および製造工程と等し
い。Al−Siショットキーダイオードの順方向電圧V
Fの測定方法は、第1の実験における順方向電圧VFの
測定方法と等しい。
【0067】
【表1】
【0068】表2は、第2の実験において、ウエハ内の
3カ所の測定部内のAl−Siショットキーダイオード
の順方向電圧VFを示す。表2から分かるように、本実
施の形態の薄膜成膜条件が用いられた場合のAl−Si
ショットキーダイオードの順方向電圧の面内ばらつき
は、従来技術の薄膜成膜条件が用いられた場合のAl−
Siショットキーダイオードの順方向電圧の面内ばらつ
きよりも充分小さい。前者の場合の面内ばらつきは、後
者の場合の面内ばらつきの5分の2以上7分の2以下
に、おおよそなっている。このように本実施の形態の薄
膜成膜条件が用いられる場合、従来技術の薄膜成膜条件
が用いられる場合よりも、順方向電圧の面内ばらつきを
充分に押えることができる。また表2から分かるよう
に、本実施の形態の薄膜成膜条件が用いられた場合のA
l−Siショットキーダイオードの順方向電圧は、ウエ
ハ内のどの位置でも、従来技術の薄膜成膜条件が用いら
れた場合のAl−Siショットキーダイオードの順方向
電圧よりも小さい。ゆえに本実施の形態の薄膜成膜条件
のほうが、従来技術の薄膜成膜条件よりも好ましい。
【0069】
【表2】
【0070】以上に説明した通り、本実施の形態によれ
ば、ショットキーダイオードの電気的特性、とりわけ順
方向電圧VFの面内ばらつきの改善には、スパッタリン
グ工程におけるAl−Si薄膜の成膜条件のうち、磁場
の条件を最適に設定することが、最も効果がある。本実
施の形態の半導体装置の製造方法によれば、ショットキ
ーダイオードの電極の元となる薄膜成膜時に、2重磁極
型電磁石を有するマグネトロンスパッタ装置内の磁場の
エロージョン径φBを、被成膜物の直径の等倍以上かつ
該直径の1.5倍の範囲内の値とし、2重磁極型電磁石
内の2つの各電磁石コイルに流す電流の大きさをそれぞ
れ0A以上2A以下の範囲の値とし、該2つの電磁石コ
イルにそれぞれ流れる電流を同比率とし、磁場を常に所
定の強さで偏心なく保持する。以上の半導体装置の製造
方法によって製造された半導体装置は、信頼性が高くな
る。半導体装置の製造時に、該半導体装置の再現性が高
くなる。
【0071】本発明の実施の形態の薄膜製造方法の成膜
条件のうち、ターゲット3と被成膜物8との間隔Dの条
件は、以下の第3の実験に基づいて定められた。第3の
実験では、間隔Dだけを可変とし、他の成膜条件につい
ては本実施の形態に記載した数値条件を用いて、複数枚
のAl−Si薄膜を成膜し、該Al−Si薄膜の膜厚の
面内ばらつきを算出した。単一のAl−Si薄膜におけ
る膜厚の測定点は、図7に示すように、ウエハ44の中
央部42と、ウエハ44の周辺部四方の4カ所41,4
3,46,47との計5カ所である。
【0072】図8は、第3の実験において測定されたA
l−Si薄膜の膜厚の面内ばらつきと、ターゲット3と
被成膜物8との間隔Dとの関係を示すグラフである。図
8から分かるように、間隔Dが45mm以上60mm以
下の範囲内の値に設定される場合、Al−Si薄膜の膜
厚の面内ばらつきが±3%以内になっている。Al−S
i薄膜の量産使用の目安としては、膜厚の面内ばらつき
が±5%以内に収まればよいので、間隔Dが45mm以
上60mm以下の範囲内の値に設定される場合、量産に
充分使用することができる均一性が確保されている。ま
た図8から分かるように、間隔Dが45mm以上55m
m以下の範囲内の値に設定される場合、Al−Si薄膜
の膜厚の面内ばらつきが±1%以内になっている。ゆえ
に、間隔Dが45mm以上55mm以下の範囲内の値に
設定される場合、Al−Si薄膜の膜厚の面内ばらつき
がさらに抑えられるため、膜厚がさらに均一な膜厚を得
ることができるので、好ましい。
【0073】以上説明した半導体装置の製造方法、薄膜
製造方法、およびマグネトロンスパッタ装置は、本発明
の半導体装置の製造方法、薄膜製造方法、およびマグネ
トロンスパッタ装置の例示であり、主要な構成が等しけ
れば、他の様々な形で実行することができる。特に、半
導体装置および薄膜の製造方法の詳細な処理は、薄膜成
膜時の磁場が上述説明の磁場条件を満たすならば、本実
施の形態の説明の処理に限らず、他の処理によって実現
されてもよい。またマグネトロンスパッタ装置の詳細な
構成は、磁場が上述の説明の条件を満たすように形成さ
れるならば、図1の構成に限らず他の構成によって実現
されてもよい。
【0074】磁力源は、磁場の放電形状径を所定範囲内
の径にすることができる構成であれば、2重磁極型電磁
石を備えた構成以外の他の構成、たとえば永久磁石を用
いた構成であってもよい。被成膜物8の形状が可変であ
るならば、磁力源は、磁場の強さおよび磁場の形状を可
変可能である構成であることが好ましい。被成膜物8の
形状は、略円板状の板に限らず他の形状でもよく、被成
膜物の材質もシリコンに限らない。プラズマの原料気体
は、アルゴンガスに限らない。
【0075】ターゲットの材質は、電極の材料となり、
かつスパッタリングが可能である物質であるならば、A
l−Siに限らず他の物質であってもよい。本実施の形
態で説明した磁場の条件は、Al−Siに対して最も有
効である。ショットキーダイオードの電極がスパッタ法
を用いて成膜されたAl−Si薄膜から形成される場
合、該電極が他の材質から形成される場合、および該電
極が他の薄膜形成方法を用いて成膜された薄膜から形成
される場合よりも、電極の段差被膜性、電極の膜厚の均
一性、および電極の膜質の均一性が優れているので、好
ましい。
【0076】上述の薄膜製造方法によって成膜された導
電性材料の薄膜は、ショットキーダイオードの電極に限
らず、他の部品、たとえば集積回路内の配線や電極に加
工されてもよい。また上述の薄膜製造方法を用いて成膜
された薄膜を電極としたショットキー接合を有する半導
体装置は、ショットキーダイオードに限らず、他の構成
の半導体装置でもよい。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、マグネト
ロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造方法において、磁
場の放電形状径が、被成膜物の端から磁場の中心軸まで
の最大距離の等倍以上でありかつ該最大距離の1.5倍
以下の範囲内の値になっている。このような磁場条件下
で被成膜物に成膜された薄膜を加工して半導体装置の構
成部品を得たならば、該半導体装置の電気的特性のばら
つきを改善することができる。また本発明によれば、前
記磁場の放電形状径は、被成膜物の端から磁場の中心軸
までの最大距離の1.2倍以上でありかつ該最大距離の
1.3倍以下の範囲内の値になっている。これによっ
て、半導体装置の電気的特性のばらつきを、さらに改善
することができる。
【0078】さらにまた本発明によれば、マグネトロン
スパッタ装置は、2重磁極型電磁石を磁力源として有し
ている。このようなマグネトロンスパッタ装置を用いた
薄膜の製造方法において、2つの電磁石コイルに流れる
電流は、偏心のない磁場が形成されるように、それぞれ
選ばれている。また本発明によれば、2重磁極型電磁石
を有するマグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造
方法において、各電磁石コイルにそれぞれ流れる電流
は、スパッタが行われる間、常に規定の値に保持され
る。さらにまた本発明によれば、2重磁極型電磁石を有
するマグネトロンスパッタ装置を用いた薄膜の製造方法
において、各電磁石コイルに流れる電流の大きさは、0
A以上でかつ2A以下の範囲内の値に選ばれている。薄
膜形成時に、磁場の放電形状径の条件に加えて、これら
3つの条件のうちの少なくとも1つを満たす場合、成膜
された薄膜を加工して半導体装置の構成部品を得るなら
ば、半導体装置の電気的特性のばらつきを、さらに改善
することができる。
【0079】また以上のように本発明によれば、ショッ
トキー接合を有する半導体装置の製造方法において、半
導体装置が備える電極は、上述の薄膜の製造方法を用い
て成膜された薄膜を加工することによって得られる。こ
れによって、製造された半導体装置の電気的特性のばら
つきを改善することができる。さらにまた以上のように
本発明によれば、マグネトロンスパッタ装置において、
磁場の放電形状径が、被成膜物の端から磁場の中心軸ま
での最大距離の等倍以上でありかつ該最大距離の1.5
倍以下の範囲内の値に選ばれている。このようなマグネ
トロンスパッタ装置を用いて被成膜物上に成膜された薄
膜を加工して半導体装置の構成部品を得たならば、半導
体装置の電気的特性のばらつきを改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である薄膜の製造方法を
実行するマグネトロンスパッタ装置1の断面図である。
【図2】図1のマグネトロンスパッタ装置1のA−A端
面図である。
【図3】図1のマグネトロンスパッタ装置1を備えた半
導体素子製造装置31の平面図である。
【図4】図1のマグネトロンスパッタ装置を用いて成膜
された薄膜を用いて製造されるショットキーダイオード
22を示す図である。
【図5】図1のマグネトロンスパッタ装置を使用して図
4のショットキーダイオード22を製造する工程を示す
工程図である。
【図6】単一のシリコンウエハにおいて、順方向電圧V
Fが測定されたショットキーダイオード22の位置を示
すための、シリコンウエハの平面図である。
【図7】 ショットキーダイオード22の順方向電圧V
Fと、エロージョン径φBと、2重磁極型電磁石の2つ
の電磁石コイルに供給される電流Ii,Ioとの関係を
示すグラフである。
【図8】 Al−Si薄膜の膜厚の面内ばらつきと、タ
ーゲット3と被成膜物8との間隔Dとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 マグネトロンスパッタ装置 3 ターゲット 4 収納容器 5 電力源 6 磁力源 8 被成膜物 11 2重磁極型電磁石 13,14 電磁石コイル 22 ショットキーダイオード 28 電極

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜の材料から成るターゲット、プラズ
    マの原料である気体とターゲットと被成膜物とを収納す
    る収納容器、ターゲットと被成膜物との間に電場を生じ
    させる電力源、および、電場に直交する磁場を生じさせ
    る磁力源とを含むマグネトロンスパッタ装置を用いた薄
    膜の製造方法において、 磁場の放電形状径が、被成膜物の端から磁場の中心軸ま
    での最大距離の等倍以上でありかつ該最大距離の1.5
    倍以下の範囲内の値に選ばれていることを特徴とする薄
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記磁場の放電形状径が、前記被成膜物
    の端から前記磁場の中心軸までの最大距離の1.2倍以
    上でありかつ該最大距離の1.3倍以下の範囲内の値に
    選ばれていることを特徴とする請求項1記載の薄膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記磁力源は、同心円状に配置された円
    筒状の2つの電磁石コイルからなる2重磁極型電磁石を
    有し、 各電磁石コイルに流れる電流は、偏心のない磁場が形成
    されるように、それぞれ定められていることを特徴とす
    る請求項1記載の薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記磁力源は、同心円状に配置された円
    筒状の2つの電磁石コイルからなる2重磁極型電磁石を
    有し、 各電磁石コイルにそれぞれ流れる電流の大きさは、スパ
    ッタが行われる間、各電磁石コイル毎に予め定められた
    値に常に保持されることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記磁力源は、同心円状に配置された円
    筒状の2つの電磁石コイルからなる2重磁極型電磁石を
    有し、 各電磁石コイルに流れる電流の大きさは、0A以上2A
    以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1記載
    の薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 ショットキー接合を有する半導体装置の
    製造方法において、請求項1〜請求項5のうちのいずれ
    かに記載の薄膜の製造方法を用いて、導電性材料からな
    る薄膜を、半導体材料からなる基板表面に成膜する工程
    と、 成膜された薄膜をパターン形成して、前記半導体装置の
    電極を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 薄膜の材料からなるターゲット、プラズ
    マの原料である気体とターゲットと被成膜物とを収納す
    る収納容器、ターゲットと被成膜物との間に電場を生じ
    させる電力源、および、電場に直交する磁場を生じさせ
    る磁力源とを含むマグネトロンスパッタ装置において、 磁場の放電形状径が、被成膜物の端から磁場の中心軸ま
    での最大距離の等倍以上でありかつ該最大距離の1.5
    倍以下の範囲内の値に選ばれていることを特徴とするマ
    グネトロンスパッタ装置。
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