JP3423069B2

JP3423069B2 - 口紅

Info

Publication number: JP3423069B2
Application number: JP10857694A
Authority: JP
Inventors: 雅子小池; 智佐波; 昌利牧
Original assignee: Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1994-05-23
Filing date: 1994-05-23
Publication date: 2003-07-07
Anticipated expiration: 2018-07-07
Also published as: JPH07316018A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、製品時、及び塗布後の
艶を向上させ且つ発汗を押さえ、経時安定性が高い口紅
に関する。

【０００２】

【従来の技術】口紅は、一般的に色素に固脂と液脂をバ
ランスよく配合し、塗布しやすく、また、ステック状な
どの製品形態の安定性をみて処方が決定されている。し
かしながら、口紅から経時的にその表面に液体が水滴状
に滲み出てくることがあり、これを「口紅の発汗」とい
う。この口紅の発汗は、化粧品の商品価値を減じるし、
また、発汗がひどいと使用感等にも影響し問題があっ
た。また、口紅を塗布したとき、艶がよいことはこの製
品にとって必要不可欠な品質の一つである。一方、化１
で表わされる物質は、ポリシロキサン−ポリアルキル−
ポリエーテル−コポリマーでクリームなどの乳化剤とし
てすでに化粧品への利用が計られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、製品時、及
び塗布後の艶を向上させ且つ口紅の発汗を抑え、口紅の
商品価値を高めることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するため、鋭意研究を行った結果、化１で表わさ
れるポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテル−コ
ポリマー、並びに、各特定成分を配合することによって
解決し得ることが判明した。

【０００５】さらに、口紅では必ず用いられている１価
のアルコールと１価の脂肪酸がエステル結合したもので
室温で液体である物質を除くことによっても更に発汗が
抑えられることが判明した。しかし、液体のロウを除く
と、塗布のし易さ等の面で問題が出てくる。そこで、更
に研究を進めた結果、１価のアルコールと１価の脂肪酸
がエステル結合したもので室温で液体である物質を除い
ても、それ以外の原料のバランスをとることによって塗
布のし易さ等の面も解決し得ることが実験で判明した。

【０００６】特に、水酸基価が５０以上の油脂を配合す
ると官能面で充分な結果が得られる。その配合量は、水
酸基価や粘度等の要因により変化するが、３〜１０重量
％の範囲で配合すればよい。

【０００７】１価のアルコールと１価の脂肪酸がエステ
ル結合したもので室温で液体である物質以外の原料のバ
ランスとしては、固形の炭化水素が１５重量％以上、ト
リグリセライドが２０重量％以上、スクワランが１５〜
２５重量％、１価のアルコールと１価の脂肪酸がエステ
ル結合したもので、室温で液体ではない物質が１０重量
％以下である場合に、発汗を抑制し、且つ他の口紅に必
要な製品特性が満足されることも発明者らの研究より判
明した。

【０００８】すなわち、本発明は、次の（１）及び
（２）に存する。（１）固形の炭化水素を１５重量％以上と、トリグリセ
ライドを２０重量％以上と、スクワランを１５〜２５重
量％と、１価のアルコールと１価の脂肪酸がエステル結
合したもので室温で液体ではない物質を１０重量％以下
と、下記一般式（Ｉ）で表わされる物質とを含み、かつ
水を含まない油性固形物からなる口紅。

【化２】（２）水酸基価が５０以上の油脂を含む上記（１）に記
載の口紅。

【０００９】本発明で規定する、「１価のアルコールと
１価の脂肪酸がエステル結合したもので室温で液体であ
る物質」とは、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パ
ルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、
２−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸２−エチル
ヘキシル、ステアリン酸２−エチルヘキシル、オレイン
酸オレイル等の１価のアルコールと１価カルボン酸がエ
ステル結合したもので室温で液体のものである。

【００１０】また、水酸基価が５０以上の油脂とは１２
−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、１２−ヒドロ
キシステアリン酸ジペンタエリスリット、ジイソステア
リン酸ジグリセリル、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、
ヒドロキシラノリン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジペ
ンタエリトリット脂肪酸エステル、ジオレイン酸グリセ
リル等が例示される。

【００１１】炭化水素系ワックスを例示すればパラフィ
ン、セレシンワックス、ワセリン、マイクロクリスタリ
ンワックス、オゾケライトなどがある。

【００１２】また、トリグリセライドには、トリ（カプ
ロル酸・カプリン酸）グリセリル、トリ−２−エチルヘ
キサン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセライド、ト
リイソステアリン酸硬化ヒマシ油、トリオクタン酸グリ
セリル、トリヤシ油脂肪酸グリセライド等がある。

【００１３】これらの原料に色素、酸化防止剤等必要な
原料を加えて一般の口紅製造方法で調製すればよい。

【００１４】

【実施例】以下に実施例によって、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定さ
れるものではない。

【００１５】（実施例１）セレシンワックス１０．０ポリエチレンワックス３．０ワセリン３．０オゾケライト２．０マイクロクリスタリンワックス５．０トリオクタン酸グリセリル２０．０トリ（カプロル酸・カプリン酸）グリセリル２３．０混合脂肪酸トリグリセライド（ナショナル美松製HSoilGA）１０．０スクワラン１５．０化２で表わされる物質２．０赤色２０２号３．０青色１号０．５赤色２２６号０．５二酸化チタン３．０油脂原料を計量後溶解し、三本ロールで色素を分散し
た。再溶解後、ステックの金型と金皿（３５×１５×５
ｍｍ）に流し込み冷却し成形を行った。

【００１６】（実施例２）セレシンワックス１５．０ポリエチレンワックス１．０ワセリン２．０オゾケライト１．０マイクロクリスタリンワックス１．０１２−ヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリット５．０トリ（カプロル酸・カプリン酸）グリセリル２０．０モノステアリン酸硬化ヒマシ油５．０トリイソステアリン酸硬化ヒマシ油１０．０トリオクタン酸グリセリル１５．０スクワラン１５．０化２で表わされる物質３．０赤色２０２号３．０青色１号０．５赤色２２６号０．５二酸化チタン３．０実施例１と同様な操作で作製した。

【００１７】口紅発汗テスト実施例の口紅及び比較例として市販の口紅を５０℃の恒
温器に放置し、３０分後、１時間後、２４時間後で発汗
があるか確認した。ステック形状での試験結果を表１に
示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】金皿（３５×１５×５ｍｍ）での試験結果
を表２に示す。他社の口紅は溶解後金皿に流して冷却後
試験した。

【００２０】

【表２】

【００２１】（使用テスト）女性５名に、前記実施例１の口紅と、この配合の化２で
表わされる化合物をスクワランにかえた比較例１の口紅
を比較し、前記実施例２の口紅と、この配合の化２で表
わされる化合物をスクワランにかえた比較例２の口紅を
比較してもらった。評価項目は艶と使用感で、判定基準
は下記の評点を下し、その評点の合計値を表３に示し
た。（評点）実施例の方が非常によい３実施例の方がかなりよい２実施例の方がややよい１差がない０比較例の方がややよい −１比較例の方がかなりよい −２比較例の方が非常によい −３

【００２２】

【表３】

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、製品時、及び塗布後の
艶がよく、且つ口紅の発汗を抑えると共に、経時安定性
が高く、使用感など口紅に必要な諸機能に優れた口紅が
提供される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者佐波智三重県多気郡明和町明星73−１ (72)発明者牧昌利三重県度会郡度会町立岡407−２ (56)参考文献特開平３−72942（ＪＰ，Ａ) 特開平５−70337（ＪＰ，Ａ) 特開平４−108718（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】固形の炭化水素を１５重量％以上と、ト
リグリセライドを２０重量％以上と、スクワランを１５
〜２５重量％と、１価のアルコールと１価の脂肪酸がエ
ステル結合したもので室温で液体ではない物質を１０重
量％以下と、下記一般式（Ｉ）で表わされる物質とを含
み、かつ水を含まない油性固形物からなる口紅。【化１】
【請求項２】水酸基価が５０以上の油脂を含む請求項
１に記載の口紅。