JP3422523B2 - 歯牙の被覆用組成物およびその製造方法 - Google Patents

歯牙の被覆用組成物およびその製造方法

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虎男 深山
崇 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変色した歯牙に塗布し
て保健上または美容上の効果を高めるための、歯牙の被
覆用組成物またはその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯牙の被覆用組成物は本発明者によって
開発され、現在市販されている。その内容は特公昭41
−11000号公報に記載されているごとく、合成樹脂
や合成ゴム等よりなる塗膜構成材料にシアノアクリレー
トを添加したもの、または特公昭45−27225号公
報に記載されているごとく、ビニル樹脂系被覆用組成物
にシアノアクリレートまたはその誘導体のモノマーを添
加したものである。シアノアクリレートは水分の存在で
硬化するので、生きている歯牙のように湿った材料に対
しても極めて強固に接着し、しかも剥げにくくなり、こ
れを含有する組成物は歯牙の被覆用組成物としては最適
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしシアノアクリレ
ートを含む上記公知の組成物は溶剤としてトルエン系、
ケトン系、酢酸エステル系等の有機溶剤を使用するの
で、保健衛生上あまり好ましくないという欠点がある。
本発明は生きている歯牙、すなわち、咀嚼、歯磨き等の
機械的摩擦や唾液、温度差という化学的、物理的環境の
変化に対する剥離抵抗性に優れ、掩蔽効果が高く、光沢
に優れ、長時間白濁化せず、しかも人体に対する毒性が
なく、塗布しやすい歯牙の被覆用組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明者は、シアノアクリレートに替わるべき接塗
膜構成材料としてセラックに着目し、その実用化の試験
を繰り返してきた。セラックは動物性天然樹脂でアルコ
ールに可溶であるので、その溶液を使用しても人体に対
する毒性はなく、保健衛生上問題がない。ところが、セ
ラックのアルコール溶液のみを使用すると、直ちに白濁
し、皮膜が柔らかく、しかも光沢がないので到底歯牙の
被覆用組成物としては商品にはならない。
【0005】そこで、これに酸化チタンを添加してみた
が、歯牙に塗布後直ちに白濁し、しかも光沢がなく、や
はり、歯牙の被覆用組成物としては不適当であった。さ
らに、上記の混合物に魚鱗箔ペーストを添加すると、皮
膜の硬さと耐久力が増加すると共に、光沢が与えられ
て、歯牙の被覆用組成物としては使用できるものが得ら
れた。しかし、これも歯牙に塗布後時間が経つにつれ、
白濁化することが分かった。
【0006】そこで本発明者はこの白濁化を防止する試
薬について種々研究した結果、サリチル酸メチル、酢酸
ベンジル、酢酸イソアミル、レモン油、メロン油等のア
ルコールに可溶であって水に不溶な香料がセラックの白
濁化防止上有効であることを突き止め、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明の歯牙の被覆用組成物
は、請求項1記載のごとく、セラックのアルコール溶
液、魚鱗箔ペースト等の基質改善剤、酸化チタン等の顔
料およびサリチル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イソア
ミル、レモン油、メロン油よりなる群より選ばれた1種
または2種以上よりなる白濁防止剤を主成分とすること
を特徴とするものである。
【0007】セラックは本被覆組成物の基剤となるもの
で、アルコール溶液として用いる。すなわち、セラック
をメチルアルコールまたはエチルアルコール等の無水ア
ルコールに対して10〜50%好ましくは20〜40%
溶解したものを用いる。魚鱗箔ペーストは魚鱗箔を無水
アルコールで練ってペースト状にしたものであるが、こ
れを、セラックと共存させると皮膜の硬さ、耐剥離力、
光沢が改善され、白濁化を遅くする相乗効果があるので
基質改善剤として加える。魚鱗箔ペーストはセラックの
アルコール溶液100重量部に対して0.5〜20重量
部、好ましくは2〜10重量部用いる。魚鱗箔ペースト
が0.5重量部より少ないと皮膜の光沢、硬さおよび剥
離抵抗性を向上させることができない。20重量部より
多いと接着力が落ち、また剥離しやすくなる。
【0008】酸化チタンは顔料として添加するもので、
セラックのアルコール溶液100重量部に対して、0.
1〜10重量部、好ましくは0.3〜4重量部用いる。
酸化チタンが0.1重量部より少ないと、皮膜としての
遮蔽効果が少なく下の歯牙の色を隠すことができない。
また、10重量部より多いと白くなりすぎて不自然な色
となり好ましくない。
【0009】サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イ
ソアミル、レモン油、メロン油はいずれも、アルコール
には極めてよく溶けるが水に不溶性で、人体に対して無
害であるので食品等の香料として用いられている。しか
も、これらの物質はいずれも塗布されたセラックの皮膜
の白濁化を押さえる効果と共に皮膜の剥離を防止する効
果を増進する性質があることが判明した。もしも、セラ
ックにこれらの物質を添加しないときは歯牙に塗布して
形成した皮膜は数十分で白濁してくる。しかし、セラッ
クにこれらの物質の1種または2種以上加えれば白濁化
を数日間以上延ばすことができる。なお、食品に使用さ
れる香料のなかでも、水溶性のものや、水に不溶性でも
アルコールに対する溶解度の低いものは、このような白
濁防止効果をほとんど発揮しないことが実験的に確かめ
られた。
【0010】サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イ
ソアミル、レモン油、メロン油のこのような性質は単独
でも発揮されるが2種以上混合使用してもほぼ同様な効
果を発揮する。しかし、いずれも香料として用いられる
物質で、特有な匂いを持っているので、いずれか1種類
だけを大量に使用すると、匂いが強烈になるので2種類
以上混用するのが好ましい。サリチル酸メチル、酢酸ベ
ンジル、酢酸イソアミル、レモン油、メロン油はセラッ
クのアルコール溶液100重量部に対していずれか1種
または2種以上合わせて5〜20重量部、好ましくは1
0〜15重量部用いる。これらの白濁防止剤が5重量部
よりも少ないときは、白濁化防止効果が十分でなく、2
0重量部より多いときは接着力が弱くなり、皮膜が柔ら
かくしかも剥離しやすくなる。
【0011】本発明の歯牙の被覆用組成物には、上記主
成分以外に、小量の顔料、染料、光沢剤、分散剤、弗化
物等を添加することができる。特に、顔料、染料は、美
容的効果を狙ったり、演劇のメーキャップ上必要な色の
歯を作るために用いられる。また、弗化物は虫歯予防の
ために通常、弗化錫や弗化ナトリウムとして添加され
る。
【0012】本発明の歯牙の被覆用組成物を製造するに
は、請求項3記載のごとく、セラックの10〜50%ア
ルコール溶液100重量部に対して、サリチル酸メチ
ル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、レモン油、メロン
油の1種または2種以上よりなる白濁防止剤を5〜20
重量部、魚鱗箔ペースト等の基質改善剤を0.5〜20
重量部、酸化チタン等の顔料を0.1〜10重量部、必
要に応じて小量のその他の顔料、染料、光沢剤、分散
剤、弗化物等を添加して、混合、攪拌して、均一な懸濁
液とする。特に、酸化チタンは沈殿しやすいのでなるべ
く微粉末のものを使用する。魚鱗箔ペーストは魚鱗箔を
無水アルコールで練ったものを使用することが好まし
い。
【0013】
【作用】セラックのアルコール溶液に魚鱗箔ペースト、
酸化チタン等を加えてなる歯牙用被覆組成物にサリチル
酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、レモン油、
メロン油の1種または2種以上を添加すれば、この組成
物を歯牙に塗布して形成した皮膜の白濁化を防止すると
共に剥離抵抗性を増大させることができる。
【0014】
【実施例】
(実施例1) セラック粉末27gを無水エタノール5
6gに溶解する。この溶液にサリチル酸メチル12.6
gを加えて均一に攪拌混合する。この混合液に酸化チタ
ン0.4g、魚鱗箔ペースト(魚鱗箔25部を無水アル
コール75部で練ったもの)4gを添加して攪拌機で攪
拌混合する。このようにして得られた歯牙用被覆組成物
は、やや薄茶色をした流動性に富む懸濁液で、これを刷
毛で生きている歯牙に塗布すると約3分間で乾燥硬化す
る。塗膜は歯の琺瑯質によく似た色合と光沢を有し、し
かも色遮蔽性に優れているので黒ずんだ歯に塗布すれば
下の歯の色を隠蔽することができる。極めて黒い色をし
た歯の場合は2度塗りをすれば完全にそれを隠蔽するこ
とができる。また、この皮膜は剥離抵抗性に優れ、通常
の食生活をしても数日間剥離することはない。ただし、
サリチル酸メチルの臭いが強いので、人によっては多少
不快感を感じる。
【0015】(実施例2)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合する。 セラック 27.0g 無水エタノール 56.0g サルチル酸メチル 7.0g 酢酸イソアミル 6.4g 酸化チタン(微粉末) 0.6g 魚鱗箔ペースト 2.0g 白濁防止効果、色隠蔽性、剥離抵抗性は実施例1のもの
と略同じ。サルチル酸メチルの臭いを酢酸イソアミルで
押さえることができ、使用時不快な臭いはほとんど感じ
られなくなる。
【0016】(実施例3)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合する。 セラック 27.0g 無水エタノール 56.0g サルチル酸メチル 6.0g 酢酸イソアミル 3.0g レモン油 3.6g 酸化チタン(微粉末) 0.4g 魚鱗箔ペースト 4.0g 白濁防止効果、色隠蔽性、剥離抵抗性は実施例1のもの
と略同じ。三種の香料が互いに匂いを消しあい程よい香
となる。注:レモン油は株式会社永廣堂販売(S/H
Lemon Oil Selected)
【0017】(実施例4)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合する。 セラック 30.0g 無水エタノール 56.0g 酢酸ベンジル 6.0g メロン油 5.2g 酸化チタン(微粉末) 0.8g 魚鱗箔ペースト 2.0g 白濁防止効果、色隠蔽性、剥離抵抗性は実施例1のもの
と略同じ。酢酸ベンジルの臭いをメロン油が消して使用
可能になる。注:メロン油は株式会社永廣堂販売(Me
lonNo.1833)
【0018】(実施例5)実施例1と同様の方法で下記
材料を配合する。 セラック 27.0g 無水エタノール 56.0g レモン油 11.2g 酸化チタン(微粉末) 0.8g 魚鱗箔ペースト 2.0g 香の点では問題ない。白濁防止効果は上記のものに比較
してやや劣るが実用には差し支えない。
【0019】
【発明の効果】セラックのアルコール溶液、魚鱗箔ペー
スト等の基質改善剤、酸化チタン等の顔料およびサリチ
ル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、レモン
油、メロン油よりなる群より選ばれた1種または2種以
上よりなる白濁防止剤を主成分としてなる歯牙の被覆用
組成物は、保険衛生上人体に対して全く無害であり、し
かもこの組成物を歯牙に塗布して形成された皮膜は、歯
の琺瑯質によく似た色合と光沢を有し、しかも剥離抵抗
性、色遮蔽性に優れているので、特に、変色した歯牙、
汚れて汚くなった歯牙を白く美しくみせるための被覆用
組成物として好適である。
【0020】また、適宜顔料、染料をこの組成物に添加
して着色すれば美容的効果を増進し、また、演劇等のメ
ーキャップ用として使用することができる。さらに、こ
の被覆組成物は知覚過敏な歯牙に対する包帯剤としての
機能や、弗化物を添加することによる虫歯予防的な医療
補助剤としての機能を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/08 A61K 7/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラックのアルコール溶液、魚鱗箔ペー
    スト等の基質改善剤、酸化チタン等の顔料およびサリチ
    ル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、レモン
    油、メロン油よりなる群より選ばれた1種または2種以
    上よりなる白濁防止剤を主成分としてなる歯牙の被覆用
    組成物。
  2. 【請求項2】 セラックの10〜50%アルコール溶液
    100重量部に対して、魚鱗箔ペースト等の基質改善剤
    を0.5〜20重量部、酸化チタンの顔料を0.1〜1
    0重量部、サリチル酸メチル、酢酸ベンジル、酢酸イソ
    アミル、レモン油、メロン油よりなる群より選ばれた1
    種または2種以上よりなる白濁防止剤を5〜20重量部
    を含有してなる請求項1記載の歯牙の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 セラックの10〜50%アルコール溶液
    100重量部に対して、サリチル酸メチル、酢酸ベンジ
    ル、酢酸イソアミル、レモン油、メロン油よりなる群よ
    り選ばれた1種または2種以上よりなる白濁防止剤を5
    〜20重量部、魚鱗箔ペースト等の基質改善剤を0.5
    〜20重量部、酸化チタン等の顔料を0.1〜10重量
    部、必要に応じて小量のその他の顔料、染料、光沢剤、
    分散剤、弗化物等を添加、混合することを特徴とする歯
    牙の被覆用組成物の製造方法。
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JP2002187809A (ja) 2000-12-21 2002-07-05 Hanix:Kk 歯牙コーティング剤
GB0222090D0 (en) * 2002-09-24 2002-10-30 Boots Co Plc Dental methods

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