JP3422293B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
- Publication number
- JP3422293B2 JP3422293B2 JP23269699A JP23269699A JP3422293B2 JP 3422293 B2 JP3422293 B2 JP 3422293B2 JP 23269699 A JP23269699 A JP 23269699A JP 23269699 A JP23269699 A JP 23269699A JP 3422293 B2 JP3422293 B2 JP 3422293B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- retardation film
- value
- crystal display
- retardation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
る。
モードを用いた液晶表示素子(LCD)は、明るい白/
黒表示が可能であるため、時計、電卓、計測機、電話
機、家電製品等に広く採用されている。しかしながらT
N−LCDには、電気光学特性のしきい値特性が急峻で
ないために、表示容量が増大するとコントラストが悪く
なるという本質的な問題があった。
モードよりも大きくしたスーパーツイステッドネマチッ
ク(STN)モードが提案され、大表示容量でも高いコ
ントラストが得られるようになった。しかしながら、こ
のSTN−LCDは液晶の複屈折効果を利用しているた
めに、黄/黒あるいは青/白といった表示の着色が避け
られず、人間工学的認識性からみて好ましくなかった。
STNモードの着色を補償する手段が工夫するされ、F
TNモード、FSTNモード等と呼ばれている。FTN
−LCDは、近年ノートパソコン等の個人向け情報機器
に広く採用されつつある。
TNモードを利用した液晶表示素子は、コントラスト、
着色といった表示性能の面で必ずしも十分ではなかっ
た。特に高速タイプの液晶を用いたときに、非選択時の
黒が青味がかるという問題があった。
で、その目的とするところは、位相差フィルムのΔnの
波長分散を最適化することによって、高コントラスト
で、かつ白/黒性の良い液晶表示素子を提供するところ
にある。
に本発明の液晶表示素子は、第1の位相差フィルム及び
第2の位相差フィルムを具備する液晶表示素子におい
て、前記第1の位相差フィルム及び前記第2の位相差フ
ィルムは各々異なる複屈折率の波長分散値を有するとと
もにそれらの延伸方向が互いに交差し、前記第1の位相
差フィルムと前記第2の位相差フィルムとの間には液晶
が配置され、前記第1の位相差フィルムと前記第2の位
相差フィルムとの組み合わせによる複屈折率の波長分散
値が、前記第1の位相差フィルムにおける複屈折率の波
長分散値と前記第2の位相差フィルムにおける複屈折率
の波長分散値との間の値となることを特徴とする。第1
の位相差フィルムとしては、ポリビニルアルコールやポ
リカーボネートを使用することができ、第2の位相差フ
ィルムとしてポリエステルナフタレートを使用すること
ができる。
素子の光学特性は、常光と異常光の光路長差Δn×d/
λで決定される。この式の中に光の波長λが入っている
ために、液晶表示素子は光の色によって特性が異なり、
表示が色付いたりコントラストが低下したりする。一方
Δnの値も光の波長によって変化するが、ここでΔnの
波長分散値νを、波長450nmの光に対するΔn値と
波長590nmの光に対するΔn値を用いて、次式で定
義する。
みる。液晶のν値を1.12として、2枚の位相差フィ
ルムのν値をそれぞれ1.0から1.2まで独立に変化
させて透過率特性を調べ、図7、図8の結果を得た。図
7は選択電圧印加時の透過率、図8は非選択電圧印加時
の透過率である。
性に影響しているのは、2枚の位相差フィルムのν値の
平均であると考えられる。これは、現在位相差フィルム
を作る高分子材料の種類が限られており、そのν値を自
由に選択できないという状況を考えると、複数のフィル
ムを組み合わせて望みのν値が得られるということで、
実用上極めて重要な結果である。
相差フィルムのν値の平均が小さいほど高く、非選択時
の透過率は位相差フィルムのν値の平均が液晶のν値よ
りも0.01から0.05小さいとき、さらに望ましく
は液晶のν値よりも約0.03小さいときに最も小さく
なることも明らかになった。以上の結果は液晶のν値が
どのような値であっても同様である。
を1.0から1.2まで変化させたときの表示色の移り
変わりを図9、図10に示す。図9は選択電圧印加時の
表示色を、また図10は非選択電圧印加時の表示色を、
CIE1931XYZ表色系の色度座標上に示したもの
である。選択電圧印加時の表示色はν値の平均が小さい
ほど白色に近く、非選択電圧印加時の表示色はν値の平
均が液晶のν値よりも0.01から0.05小さいとき
に白色に近いことが明らかになった。これらの結果も、
液晶のν値にかかわらず常に成り立つことが確かめられ
ている。
の良い表示を得るためには、液晶のν値よりも0.01
から0.05、望ましくは約0.03小さいν値を有す
る位相差フィルムを採用すればよい。但し単一のフィル
ムで前記ν値を得られない場合には、複数の種類のフィ
ルムを組み合わせてその平均が上記ν値になればほぼ同
様の効果が得られる。
ける液晶表示素子の断面図である。図中、1は上側偏光
板、2は第一の位相差フィルム、3は液晶セル、4は第
二の位相差フィルム、5は下側偏光板である。また、6
は液晶セルの上基板、7は下基板、8は透明電極、9は
液晶である。
293(Δn=0.1322、ν=1.119)を用
い、セルギャップdが6.9μmのセルにツイスト配向
させた。第一の位相差フィルムにはポリビニルアルコー
ル(PVA)の一軸延伸フィルムを、第二の位相差フィ
ルムにはポリエステルナフタレート(PEN)の一軸延
伸フィルムを用いた。リターデーションはそれぞれ0.
42μmである。また位相差フィルムのν値は、PVA
が1.014、PENが1.152で、平均値が1.0
83、液晶のν値との差が0.036である。
各軸の関係図である。ここで、上側偏光板の偏光軸方向
11が第一の位相差フィルムの延伸方向12となす角度
21を右60度、12が上基板のラビング方向13とな
す角度22を左100度、13と下基板のラビング方向
14により決まる液晶のツイスト角23を左240度、
第二の位相差フィルムの延伸方向15が14となす角度
24を左80度、下側偏光板の偏光軸方向16が15と
なす角度25を右30度とした。
分光特性を示す図である。31が実効値1.96Vの非
選択電圧印加時、32が実効値2.20Vの選択電圧印
加時の特性である。表示コントラストは1:116で、
背景の表示色は前記色度座標上でx=0.351、y=
0.312と無彩色に極めて近い。
造および軸関係は、実施例1と同様である。ただし、液
晶セルにはメルク社製の液晶ZLI−4151−100
(Δn=0.1804、ν=1.161)を用い、セル
ギャップdが5.0μmのセルにツイスト配向させた。
高速応答タイプの液晶は、△nが大きいためν値も大き
くなりやすい。ところがこのような液晶に適するν=
1.13程度の分散値を持つ実用的なフィルムは手に入
りにくかった。そこで2種類の高分子を用いてそのν値
の平均値が適当な値になるように調整する。実施例2に
おいては、第一の位相差フィルムにポリカーボネート
(PC)の一軸延伸フィルムを、第二の位相差フィルム
にPENの一軸延伸フィルムを用いた。リターデーショ
ンはそれぞれ0.42μmである。またν値は、PCが
1.094、PENが1.152で、平均値が1.12
3、液晶のν値との差が0.038である。
分光特性を示す図である。31が実効値2.04Vの非
選択電圧印加時、32が実効値2.25Vの選択電圧印
加時の特性である。表示コントラストは1:83で、背
景の表示色は前記色度座標上でx=0.346、y=
0.303と無彩色に比較的近い。
の位相差フィルムには、もちろん同一の高分子材料を用
いても良い。実施例3の液晶表示素子の構造、軸関係お
よび液晶は、実施例1と同様である。ただし、第一の位
相差フィルム、第二の位相差フィルムにはいずれもリタ
ーデーションはそれぞれ0.42μmのPCの一軸延伸
フィルムを用いた。そのν値は1.094で、平均値も
もちろん1.094、液晶のν値との差が0.025で
ある。
分光特性を示す図である。31が実効値1.96Vの非
選択電圧印加時、32が実効値2.20Vの選択電圧印
加時の特性である。表示コントラストは1:105で、
背景の表示色は前記色度座標上でx=0.356、y=
0.384と無彩色に極めて近い。
にメルク社製の液晶ZLI−4151−100(Δn=
0.1804、ν=1.161)を用い、セルギャップ
dが5.0μmのセルにツイスト配向させた他は、実施
例3と同様にした。位相差フィルムの材質はPCである
から、液晶のν値との差は0.067と大きい。
分光特性を示す図である。31が実効値2.04Vの非
選択電圧印加時、32が実効値2.25Vの選択電圧印
加時の特性である。表示コントラストは1:37で、背
景の表示色は前記色度座標上でx=0.283、y=
0.170と青っぽい色付きを示す。
トラスト、色、明るさともに本発明の液晶表示素子に比
べて満足できるものではない。
差フィルムをセルの両側におく配置についてのみ記した
が、本発明は上記構成にとらわれず、位相差フィルムの
枚数、配置には関係なく効果がある。
差フィルム及び第2の位相差フィルムを具備する液晶表
示素子において、前記第1の位相差フィルム及び前記第
2の位相差フィルムは各々異なる複屈折率の波長分散値
を有するとともにそれらの延伸方向が互いに交差し、前
記第1の位相差フィルムと前記第2の位相差フィルムと
の間には液晶が配置され、前記第1の位相差フィルムと
前記第2の位相差フィルムとの組み合わせによる複屈折
率の波長分散値が、前記第1の位相差フィルムにおける
複屈折率の波長分散値と前記第2の位相差フィルムにお
ける複屈折率の波長分散値との間の値となる。したがっ
て、第1及び第2の位相差フィルムの組み合わせによっ
て得られる複屈折率の波長分散値を最適化することが可
能となり、その結果、高コントラストの液晶表示素子を
提供することができる。
子の断面図である。
子の各軸の関係図である。
特性を示す図である。
特性を示す図である。
特性を示す図である。
図である。
時の透過率に及ぼす影響を示す図である。
加時の透過率に及ぼす影響を示す図である。
圧印加時の表示色に及ぼす影響を示す図である。
択電圧印加時の表示色に及ぼす影響を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】第1の位相差フィルム及び第2の位相差フ
ィルムを具備する液晶表示素子において、 前記第1の位相差フィルム及び前記第2の位相差フィル
ムは各々異なる複屈折率の波長分散値を有するととも
に、それらの延伸方向が互いに交差し、 前記第1の位相差フィルムと前記第2の位相差フィルム
との間には液晶が配置され、 前記第1の位相差フィルムと前記第2の位相差フィルム
との組み合わせによる複屈折率の波長分散値が、前記第
1の位相差フィルムにおける複屈折率の波長分散値と前
記第2の位相差フィルムにおける複屈折率の波長分散値
との間の値となることを特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項2】請求項1に記載の液晶表示素子において、 前記第1の位相差フィルムは、ポリビニルアルコール及
びポリカーボネートから選ばれ、前記第2の位相差フィ
ルムはポリエステルナフタレートであることを特徴とす
る液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23269699A JP3422293B2 (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23269699A JP3422293B2 (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | 液晶表示素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03210996A Division JP3077286B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 液晶表示素子 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003032785A Division JP3508770B2 (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000056134A JP2000056134A (ja) | 2000-02-25 |
JP3422293B2 true JP3422293B2 (ja) | 2003-06-30 |
Family
ID=16943349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23269699A Expired - Lifetime JP3422293B2 (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3422293B2 (ja) |
-
1999
- 1999-08-19 JP JP23269699A patent/JP3422293B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000056134A (ja) | 2000-02-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3321559B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
KR100386042B1 (ko) | 액정 표시 장치 | |
JPH0797189B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH01147432A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP4332515B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
US6351299B2 (en) | Liquid crystal display device | |
US8085370B2 (en) | Single-polarizer reflective bistable twisted nematic (BTN) liquid crystal display device | |
WO2003085949A2 (en) | Liquid crystal display provided with compensation film | |
JP3041169B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
US20080002107A1 (en) | Transflective liquid crystal display | |
JP3018603B2 (ja) | 反射型液晶表示素子 | |
JP3508770B2 (ja) | 液晶表示素子 | |
JP3422293B2 (ja) | 液晶表示素子 | |
JP4566526B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2892101B2 (ja) | フルカラー液晶表示装置 | |
JP2968152B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP3077286B2 (ja) | 液晶表示素子 | |
JP3206177B2 (ja) | 位相差板およびこれを用いた液晶表示装置 | |
JPH0659258A (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH04289818A (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH10104654A (ja) | 反射型白黒液晶表示装置 | |
JP2000231100A (ja) | 双安定ツイステッドネマチック液晶表示装置 | |
JP2753035B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH0566400A (ja) | 液晶表示素子 | |
JPH01188828A (ja) | 液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021210 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030325 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080425 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425 Year of fee payment: 9 |