JP3421929B2 - フリクショントルク伝達機構 - Google Patents

フリクショントルク伝達機構

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JP3421929B2
JP3421929B2 JP27027392A JP27027392A JP3421929B2 JP 3421929 B2 JP3421929 B2 JP 3421929B2 JP 27027392 A JP27027392 A JP 27027392A JP 27027392 A JP27027392 A JP 27027392A JP 3421929 B2 JP3421929 B2 JP 3421929B2
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茂 吉田
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はフリクショントルク伝達
機構に係り、特にカメラのズームレンズ駆動装置等に適
用されるフリクショントルク伝達機構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、カメラのズームレンズ装置を
駆動するモータには、フリクショントルク伝達機構が設
けられており、従動物に過大な負荷が加わったり、従動
物が機械的ストッパに当たったりした時に、フリクショ
ントルク伝達機構によってモータの回転力を逃がし、そ
の衝撃がモータに直接加わるのを防止してモータを保護
している。 【0003】図5には、従来のフリクショントルク伝達
機構を示す。駆動モータ1のスピンドル2にはギヤ取付
用軸3が固着され、このギヤ取付用軸3には駆動力伝達
用ギヤ4が遊嵌されている。駆動力伝達用ギヤ4は、ギ
ヤ取付用軸3の先端部に固着されたスプリング支持板5
とギヤ取付用軸3に回転不能に遊嵌された押さえ板6と
の間に挿通配置されたスプリング7の付勢力によってギ
ヤ取付用軸4のフランジ部8に押圧当接されて、フラン
ジ部8及び押さえ板6との摩擦力で回転するようになっ
ている。 【0004】従って、前記駆動力伝達用ギヤ4に前記摩
擦力以上の負荷が加わった時には、フランジ部8及び押
さえ板6が駆動力伝達用ギヤ4に対して空転するので、
駆動モータ1に過大な負荷が伝わらず駆動モータ1を保
護することができる。また、このフリクショントルク伝
達機構では、スプリング7と押さえ板6との間に複数枚
のワッシャを入れ、そのワッシャの枚数を増減すること
によってスプリング付勢力の調整を行う。 【0005】図6には、別の従来のフリクショントルク
伝達機構を示す。このタイプのフリクショントルク伝達
機構は、ギヤ取付用軸10に螺合されたダブルナット1
2、12の締め込み量を調整してスプリング14の付勢
力を調整し、フランジ部16及び押さえ板24に対する
駆動力伝達用ギヤ18の摩擦力を調整するものである。
また、前記ギヤ取付用軸10は駆動モータ20のスピン
ドル22に固着されており、前記駆動力伝達用ギヤ18
は押さえ板24を介してスプリング14により付勢され
ている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示したフリクショントルク伝達機構でフリクショントル
クを調整するには、スプリング8と押さえ板7との間に
複数枚のワッシャを入れ、そのワッシャの枚数を増減す
ることによって調整しなければならないので、手間がか
かるという欠点がある。 【0007】また、図6に示したフリクショントルク伝
達機構でフリクショントルクを調整するには、ダブルナ
ット12、12の締め込み量を調整して行わなければな
らないので手間がかかり、またダブルナット12、12
を使用しているのでコストが高くなるという欠点もあ
る。本発明は、このような事情に鑑みて成されたもの
で、フリクショントルクを手間をかけずに容易に調整す
ることができるフリクショントルク伝達機構を提供する
ことを目的とする。 【0008】 【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、モータの駆動軸に遊嵌された駆動力伝達用ギ
ヤと、駆動軸に挿通配置されたスプリングと、駆動軸の
先端部に設けられ、スプリングに付勢力を発生させてこ
の付勢力で前記駆動力伝達用ギヤを前記駆動軸に押圧当
接させるフリクション調整手段と、から成り、駆動力伝
達用ギヤと駆動軸との摩擦力で駆動力伝達用ギヤに駆動
軸の回転力を伝達するフリクショントルク伝達機構であ
って、前記フリクション調整手段は、前記駆動軸の先端
部に固定され、そのスプリング側の側面に深さの異なる
凹部、又は係合部材が複数形成された固定部材と、駆動
軸に対して移動可能に設けられ、その一方側面に前記ス
プリングの支持面が形成されると共にその他方側面に前
記固定部材の凹部に係合される係合部材、又は前記固定
部材の係合部材に係合される深さの異なる凹部が形成さ
れたばね受け部材と、から成り、前記固定部材とばね受
け部材間で、係合部材を前記複数の凹部のうち選択され
た深さの凹部に係合させて固定部材とばね受け部材との
間隔を変えることにより、スプリングの付勢力調整
れ、前記固定部材には、前記ばね受け部材に当接されて
該ばね受け部材を移動させることにより前記固定部材に
対する前記ばね受け部材の位置を変更するための治具を
挿入する長孔が形成されていることを特徴としている。 【0009】 【作用】本発明によれば、固定部材に形成した深さの異
なる複数の凹部のうち選択された深さの凹部に、ばね受
け部材に突設形成した係合部材を係合させ、固定部材と
ばね受け部材との間隔を変えてスプリングの収縮量を変
える。これにより、スプリングの付勢力を容易に調整で
きるので、駆動力伝達用ギヤのフリクショントルクを手
間をかけずに容易に調整することができる。 【0010】また、前記固定部材に係合部材を形成する
と共に、ばね受け部材に深さの異なる複数の凹部を形成
し、ばね受け部材の複数の凹部のうち選択された深さの
凹部に、固定部材の係合部材を係合させ、固定部材とば
ね受け部材との間隔を変えるようにしても良い。 【0011】 【実施例】以下添付図面に従って本発明に係るフリクシ
ョントルク伝達機構の好ましい実施例について詳説す
る。図1は本発明に係るフリクショントルク伝達機構3
0の実施例を示す断面図である。駆動モータ32のスピ
ンドル34には、その基部にフランジ部36が形成され
たギヤ取付用軸38が同心軸上に固着されている。前記
ギヤ取付用軸38には、駆動力伝達用ギヤ40が遊嵌さ
れており、この駆動力伝達用ギヤ40は図示しないズー
ムレンズ駆動装置の従動ギヤに噛合されている。また、
前記ギヤ取付用軸38には、押さえ板42とスプリング
44とが挿通配置され、更に、前記ギヤ取付用軸38の
図中左端部には、フリクショントルク調整手段46が取
り付けられている。 【0012】前記フリクショントルク調整手段46は、
固定板48とばね受け板50とから構成される。固定板
48の側面48aの中央部には、軸52が突設形成さ
れ、この軸52は前記ばね受け板50の中央に形成され
た開口部54を介してギヤ取付用軸38の丸穴56に固
着される。前記固定板48には図2に示すように、弓形
の長孔58、58、58が同心円上で120°の間隔を
持って形成されている。また、固定板48の側面48a
には、深さの異なる丸形凹部60、62、64が前記長
孔58と同心円上で、且つ長孔64と隣接する長孔58
との間に120°の間隔を持って3個ずつ形成されてい
る。その深さは、凹部60=深い、凹部62=中、凹部
64=浅い、となっている。 【0013】前記ばね受け板50は図1に示すように、
前記軸52に沿って移動自在に配置される。ばね受け板
50の図中右側面50aは、前記スプリング44の支持
面となっており、また、その左側面には図3に示すよう
に3本のピン66、66、66が同心円上で、且つ12
0°の間隔で突設形成されている。これらのピン66、
66、66は、前記固定板48の凹部60、62、64
のうち選択された同じ深さの3箇所の凹部に係合される
位置に形成されている。また、ピン66と隣接するピン
66との間には丸形の凹部68、68、68が同心円上
に形成される。この凹部68、68、68はフリクショ
ントルク調整時に、フリクショントルク調整手段46の
外部から固定板48の長孔58、58、58を介して挿
入される移動治具70(図4参照)の三脚ピン72と係
合される。 【0014】次に、前記の如く構成されたフリクション
トルク伝達機構30の作用について説明する。駆動モー
タ32を駆動してギヤ取付用軸36を回転させると、駆
動力伝達用ギヤ40がフランジ部36及び押さえ板42
との摩擦力によって回転し、駆動力伝達用ギヤ40に噛
合されているズームレンズ装置の従動ギヤを回転させ
る。また、従動ギヤの回転中に、従動ギヤ側に前記摩擦
力以上の負荷が加わった時、即ち駆動力伝達用ギヤ40
が急停止した時には、フランジ部36及び押さえ板42
が駆動力伝達用ギヤ40に対して摺動するので、駆動モ
ータ32を保護することができる。 【0015】次に、前記フリクショントルク伝達機構3
0のフリクショントルク調整方法について説明する。図
1に示したフリクショントルク調整手段46は、ばね受
け板50のピン66、66、66が固定板48の凹部6
0、60、60に、即ち他の凹部62、64よりも深い
凹部60に係合されているので、固定板48とばね受け
板50との間隔が狭くなっている。これにより、スプリ
ング44の収縮量が小さいので、駆動力伝達用ギヤ40
をフランジ部36に押圧する付勢力が弱い。従って、ピ
ン66を凹部60に係合することによって、フリクショ
ントルクを小さくできる。 【0016】次に、フリクショントルクを大きくする場
合について説明する。図4に示した移動治具70の三脚
ピン72を、フリクショントルク調整手段46の外部か
ら固定板48の長孔58、58、58を介してばね受け
板50の凹部68、68、68に係合する。そして、移
動治具70を押し込んで、ばね受け板50をスプリング
44の付勢力に抗して駆動力伝達用ギヤ40方向にスラ
イド移動させ、ばね受け板50のピン66、66、66
と固定板48の凹部60、60、60との係合を解除す
る。そして、この状態で移動治具70を回動させてばね
受け板50を所定角度回動させることにより、前記ピン
66、66、66を固定板48の凹部62、62、6
2、若しくは凹部64、64、64に係合させる。 【0017】これにより、固定板48とばね受け板50
との間隔が、前記凹部60との係合時よりも広くなるの
で、スプリング44の収縮量が大きくなる。従って、駆
動力伝達用ギヤ40をフランジ部36に押圧する付勢力
が強くなるので、フリクショントルクを大きくできる。
このように、本実施例では、ばね受け板50のピン66
を、固定板48の凹部60、62、64のうち選択した
凹部60、(62、64)に係合させるだけで、フリク
ショントルクを調整できるので、駆動力伝達用ギヤ40
のフリクショントルクを手間をかけずに容易に調整する
ことができる。 【0018】尚、本実施例では、固定板48に凹部6
0、62、64を形成し、ばね受け板50にピン66、
66、66を突設形成したが、これに限られるものでは
なく、固定板48にピン66、66、66を突設形成
し、ばね受け板50に凹部60、62、64を形成して
も良い。また、本実施例では、ばね受け板50を固定板
48の軸52に沿って摺動させるとしたが、これに限ら
れるものではなく、前記軸52を短くしてギヤ取付用軸
38の丸穴56に全て嵌入し、前記ばね受け板50をギ
ヤ取付用軸38に沿って摺動させるようにしても良い。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係るフリク
ショントルク伝達機構によれば、固定部材に形成した深
さの異なる複数の凹部のうち選択された深さの凹部に、
ばね受け部材に突設形成した係合部材を係合させてスプ
リングの付勢力を調整するようにしたので、駆動力伝達
用ギヤのフリクショントルクを手間をかけずに容易に調
整することができる。 【0020】また、前記固定部材に係合部材を形成する
と共に、ばね受け部材に深さの異なる複数の凹部を形成
し、ばね受け部材の凹部のうち選択された深さの凹部
に、固定部材の係合部材を係合させ、固定部材とばね受
け部材との間隔を変えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るフリクショントルク伝達機構の実
施例を示す断面図 【図2】図1に於ける2−2線矢視図 【図3】図1に於ける3−3線矢視図 【図4】本発明に係るフリクショントルク伝達機構に適
用された移動治具の実施例を示す斜視図 【図5】従来のフリクショントルク伝達機構の第1実施
例を示す断面図 【図6】従来のフリクショントルク伝達機構の第2実施
例を示す断面図 【符号の説明】 30…フリクショントルク伝達機構 32…駆動モータ 36…フランジ部 38…ギヤ取付用軸 40…動力伝達用ギヤ 44…スプリング 46…フリクショントルク調整手段 48…固定板 50…ばね受け板 60、62、64…凹部 66…ピン 70…移動治具 72…三脚ピン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−283535(JP,A) 特開 平4−236824(JP,A) 実開 昭49−107305(JP,U) 実開 昭53−66903(JP,U) 実開 昭53−66904(JP,U) 実開 昭53−114215(JP,U) 実開 昭59−71452(JP,U) 実開 平1−132818(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 1/04 F16D 7/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 モータの駆動軸に遊嵌された駆動力伝達
    用ギヤと、駆動軸に挿通配置されたスプリングと、駆動
    軸の先端部に設けられ、スプリングに付勢力を発生させ
    てこの付勢力で前記駆動力伝達用ギヤを前記駆動軸に押
    圧当接させるフリクション調整手段と、から成り、駆動
    力伝達用ギヤと駆動軸との摩擦力で駆動力伝達用ギヤに
    駆動軸の回転力を伝達するフリクショントルク伝達機構
    であって、 前記フリクション調整手段は、 前記駆動軸の先端部に固定され、そのスプリング側の側
    面に深さの異なる凹部、又は係合部材が複数形成された
    固定部材と、 駆動軸に対して移動可能に設けられ、その一方側面に前
    記スプリングの支持面が形成されると共にその他方側面
    に前記固定部材の凹部に係合される係合部材、又は前記
    固定部材の係合部材に係合される深さの異なる凹部が形
    成されたばね受け部材と、 から成り、前記固定部材とばね受け部材間で、係合部材
    を前記複数の凹部のうち選択された深さの凹部に係合さ
    せて固定部材とばね受け部材との間隔を変えることによ
    り、スプリングの付勢力調整され、 前記固定部材には、前記ばね受け部材に当接されて該ば
    ね受け部材を移動させることにより前記固定部材に対す
    る前記ばね受け部材の位置を変更するための治具を挿入
    する長孔が形成されている ことを特徴とするフリクショ
    ントルク伝達機構。
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