JP3421047B2 - 非イオン性強塩基触媒によるラクタムの開環重合法 - Google Patents

非イオン性強塩基触媒によるラクタムの開環重合法

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JP3421047B2 JP51680395A JP51680395A JP3421047B2 JP 3421047 B2 JP3421047 B2 JP 3421047B2 JP 51680395 A JP51680395 A JP 51680395A JP 51680395 A JP51680395 A JP 51680395A JP 3421047 B2 JP3421047 B2 JP 3421047B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、窒素およびリン酸を含有する非イオン性強
塩基によって、高分子量ポリアミドポリマーを得る、ラ
クタムの開環重合(ROP;ring opening polymerizatio
n)法に関するものである。
発明の背景 米国特許第2,805,214号には、アルカリ金属をともに
有するアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アミドある
いはアルカリ金属水素化物からなるイオン性強塩基触媒
を用いた、ε−カプロラクタムの開環重合が、開示され
ている。
米国特許第3,236,817号には、アルカリ金属またはア
ルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属またはアル
カリ土類金属水素化物からなるイオン性強塩基触媒を用
いた、ε−カプロラクタムの開環重合が、開示されてい
る。
J−S.TangおよびJ.G.Verkade,Angew.,Chem.Int.Ed.E
ngl.,32,896(1993)には、イソシアナートをイソシア
ヌラートに転換するのにホスファゼンを使用すること
が、開示されている。
T.PietzonkaおよびD.Seebach,Angew.,Chem.Int.Ed.En
gl.,32,716(1993)には、メチルメタクリラートのアニ
オン性重合のための無金属開始剤系として、P4−ホスフ
ァゼンを使用することが、報告されている。
発明の要約 本発明は、その共役酸が30もしくはそれ以上のpKaを
もつ非イオン性重合塩基触媒をラクタムに接触させて、
ポリアミドを形成することからなる、ラクタムの開環重
合(“ROP")法を提供する。本発明は、さらに、重合触
媒として、以下の構造を有するホスファゼン塩基を用い
る方法を提供する。
ここで、R1はC1からC8の分枝または直鎖アルキルであ
り、RはCH3あるいは両Rが共に−(CH2−であり、
m,n,およびyは整数0〜3からなる群から独立に選ばれ
る。
発明の詳細な説明 本発明は、触媒として、窒素およびリンを含有する非
イオン性強塩基を用いた、ラクタムの開環重合法に関す
るものである。
ラクタムとは、アミン基とカルボン酸基との一分子脱
水反応によって生成される環状アミドを意味している。
本発明方法は、詳しくは、C4ないしC12の分子内ラクタ
ム、例えば、ε−カプロラクタム(C6)とエナントラク
タム(enantholactam)(C7)と、以下のような10ない
し26員環を有する二分子ラクタムとに適用される。すな
わち、1分子の1,4−ブタンジアミンと反応した1分子
のコハク酸から生成された10員環環状ラクタム;1分子の
ヘキサメチレンジアミンと反応した1分子のアジピン酸
から生成された14員環環状ラクタム;1分子の1,12−ドデ
カン−ジアミンと反応した1分子の1,12−ドデカン二酸
から生成された26員環環状ラクタム;1分子のヘキサメチ
レンジアミンと反応した1分子のコハク酸から生成され
た12員環環状ラクタム、および分子内ラクタムまたは二
分子ラクタムの大環状類似体。本発明方法を用いて、ε
−カプロラクタムからナイロン6が製造され、エナント
ラクタムからナイロン7が製造され、そして14員環環状
ラクタムからナイロン6,6が製造される。
本発明方法は、窒素およびリン含有非イオン性強塩基
を触媒として用いる。本発明の実施に効果的な、これら
の触媒すなわち開始剤としては、pKaが30もしくはそれ
以上である非イオン性塩基が含まれる。本発明の実施に
有効な非イオン性塩基の例には、ポリアミノ−ホスファ
ゼンと、Tang et al.,Tetrahedron Letters 34,2903−2
904(1993)およびTang et al.,J.Am.Chem.Soc.115,501
5−2020(1993)に記載されているものとが、含まれ
る。好適な非イオン性塩基は、下記構造のホスファゼン
塩基である。
ここで、R1は、C3より大きい場合は分枝または直鎖であ
る(C1〜C8)アルキルであり、Rは、Meあるいは両Rは
共に−(CH2−であり、m,n,およびyは、独立に整
数0〜3または好適には特異ホスファゼンPx(x=1か
ら7)塩基に対して以下のように定義される。好適なR1
基は、t−ブチル,t−ヘプチル(−C(CH32C(CH2
)およびt−オクチル(−C(CH32CH2C(CH2
を含む。好適なRは、メチルおよび−(CH2−であ
る。
本発明の特異ホスファゼン塩基の1分子中に存在する
リン酸原子数は、Pxと定義され、ここで、xは1から7
の整数から選ばれる(下記の表Iを参照)。
好適な塩基は、MeCNpKHB+>30を有し、P2ないしP7
である。ここで、RおよびR1は前述の定義と同様であ
る。
さらに好適な塩基は、MeCNpKHB+=または>38を有す
るP3からP7型である。
好適な塩基としては、P4−t−Bu,P4−octおよびP2−
Etが含まれ、より好適な塩基は、P4−t−Buである。
本方法の実施において、以下の温度のものを採用する
ことが好ましい:(i)環状一量体(cyclic unimer)
は、少なくとも溶融温度が通常150℃以上、好ましくは2
00〜275℃のもの;(ii)ε−カプロラクタムは、少な
くとも100℃、好ましくは200〜275℃のもの。
一旦、重合が開始すると、反応は迅速に進み、高分子
量ポリマーが数秒から数分内に形成されるが、その詳し
い説明は実施例においてなされる。分子量は、不純物の
作用または他の連鎖停止反応によって、平行モノマー濃
度が無視できる割合に到達するか、または、活性触媒濃
度が低下して無視できる割合になる時とほぼ同時に、ピ
ークに達する。次に、分子量および粘度の増加が緩くな
り、徐々に低下する。より高い温度、240℃〜270℃で
は、ピーク分子量への到達は、迅速であり、30秒でほと
んど完了してしまうが、180℃〜230℃のようなより低い
温度では、かなり遅いので、分子量の制御が比較的容易
である。実際では、前述のように、粘度がピークに達す
る時点において、平衡抽出物(equilibrium extractabl
es;例えば、開始材料または低MW中間体)濃度は、まだ
限界値に達していない。この場合、前記抽出物濃度がそ
の平衡値に近づくまで、重合を続けることが必要であ
り、その使用手順は、その特定用途においてより重要で
あるのは、分子量であるのか、抽出物濃度であるのか
に、依存する。
触媒濃度は、重要ではないが、高分子量生成物を得る
ためには、得るポリアミドに合致したできるだけ少ない
濃度を用いることが、一般的に、より必要である。
反応は、約1atmから約100atm(4psiから1400psi)の
圧力下で実施される。しかし、圧力は重要因子ではな
い。
本発明によれば、溶媒は必要ないが、中性溶媒は許容
できる。好適な中性溶媒としては、N−メチル−2−ピ
ロリジノン(N−methyl−2−pyrollidinone)、N−
アセチルモルホリンおよびジメチルスルフォキシドが含
まれる。
本発明によれば、雰囲気は、好ましくは無酸素で、水
分を含まないことが必要であり、したがって、本方法
は、窒素またはアルゴンなどの乾燥不活性ガス中で、実
行することが、望ましい。水分は、本反応を遅らせやす
い。
本発明のより本質的でない実施例としては、N−アセ
チル−ε−カプロラクタムなどの共触媒すなわち促進剤
の使用を含む。この共触媒は、反応速度を増加させる役
目を果たす。
本発明方法は、共重合体を調製するために用いること
ができる。これは、開始材料として、ラクタムの混合物
を用いることにより、達成される。
本方法で生成されるポリアミドは、ファイバ、フィル
ム、成型物、発泡体(foams)、および複合体に有用で
ある。
本発明の記載および実施例において、以下の略語を用
いる: PMT=ポリマーの溶融温度(Sorenson et al.,Prepara
tive Methods of Polymer Chemistry,2nd Ed.,Intersci
ence,New York,1963,pp.49−50を参照) DBU=1,8−ジアザビジクロ[5.4.0]ウンデク−7−
エン(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene) ηinh=固有粘度(Sorenson et al.,Preparative Met
hods of Polymer Chemistry,2nd Ed.,Interscience,New
York,1963,pp.34−35を参照) 本発明により調製されたナイロン6およびナイロン66
両ポリマーは、[PMT]またはそれ以上の温度にある傾
斜加熱バー(gradient hot bar)上の該ポリマーのメル
ト溜まりから引き出すことによって、ファイバを産出す
る。実施例5からのナイロン6ポリマーを、直径1.91cm
のロッドに、温度190℃、圧力19.5MPaで、成形した。該
ロッドを、加圧回転装置(press spinning apparatus)
上に、ラム圧力7.9MPa、溶融温度298度で、312℃に維持
した直径380μm×長さ1140μmの紡糸口金を通して、
押し出した。押出物は、ボビンに5m/minで巻き上げた。
前記紡いだフィラメントの長さ(8から10cm)のもの
を、下記のファイバ特性を持つように、加熱ピン(2cm
直径の加熱シリンダの表面)上に手作業で引き出した。
上記に例示した引っ張り特性は、ナイロン6における
典型的な特性を示している。
実施例 ポリマーの調製 表IV(a)およびIV(b)は、触媒としてP4−t−Bu
を用いると同時に共触媒としてN−アセチル−ε−カプ
ロラクタムを用いたε−カプロラクタムの開環重合の実
施例1〜8を示す。実施例1に2を加えたものの比較例
は、導入時間は、比較的に高い温度で比較的短いが(低
温度で重合を実施した場合の実施例4を参照)、反応
は、N−アセチル−ε−カプロラクタムが添加される
と、かなり加速されることを、示している。これは、安
定化されたカプロラクタムの生成に一致しており、アニ
オン性触媒メカニズムによるものである。
ポリマーの特性 構造。 このポリマーの1Hおよび13C NMRスペクトル
は、ヘキサフルオロプロパン−2−オル−d2中で測定さ
れ、ε−カプロラクタムの加水分解重合経由のナイロン
6と、塩ストライク(塩水溶液)の無触媒縮合経由のナ
イロン66の実際のサンプルと同じであることが判明し
た。
固有粘度。 固有粘度[(“ηinh")=In(ηrel)/
c]値は、文献5に記載されている手順にしたがって、
m−クレゾールおよび/またはヘキサフルオロプロパン
−2−オル(HFIP)中に0.5wt/v%の濃度で、30℃で、
測定された。
実施例1 ホスファゼンP4−t−BU触媒によるε−カプロラクタム
の開環重合 内径2cmの15mLの丸底フラスコに、2.26gのε−カプロ
ラクタムと0.05mLの1M(=0.05mモル)ホスファゼンP4
−t−BU(Fluka catalog no.79421)を添加した。この
容器を、25.4cmHg圧で、10分間、真空排気して、ヘキサ
ンを除去した。このフラスコに、3つ首アダプタ、パド
ル撹拌刃を有するガラス棒、および乾燥管を取り付け、
次に、窒素ラインと機械的コントローラに接続した。反
応器を、270℃のウッズ金属浴(Woods metal bath)中
に下げた。撹拌を始め、1分以内に、透明なメルトが得
られ、このメルトは5分以内に非常に粘稠になり、撹拌
棒にまとわりついた。合計で20分後、浴を上げて、反応
生成物を冷やした。撹拌棒をフラスコから引き抜き、収
量1.95gの硬い重合生成物をカミソリ刃を用いて切り離
した。他の0.25gの重合生成物を、反応フラスコの底部
から硬いフィルムとして、回収した。撹拌棒から得たサ
ンプル(1.9g)部分を、ウィリーミル(Wiley mill)を
用いて、20メッシュのふるいを通過する程度に粉砕し
た。このように回収した1.89gの生成物を、100mLのMeOH
を用いて、ソックスレー抽出し、1.65gの不溶性ポリマ
ー画分と、主にカプロラクタムからなる0.19gの溶液画
分とを得た。分離したポリマーの収量は、合計サンプル
を抽出した時の85%に換算される。固有粘度は、1.89
(30℃のm−クレゾール中に0.5%);ヘキサフルオロ
イソプロピルアルコール中で2.57であった。
比較例1A ε−カプロラクタムの加熱開環重合 内径2cmの15mLの丸底フラスコに、2.26gのε−カプロ
ラクタムを添加した。このフラスコに、3つ首アダプ
タ、パドル撹拌刃を有するガラス棒、および乾燥管を取
り付け、次に、窒素ラインと機械的コントローラに接続
した。反応器を、270℃のウッズ金属浴中に下げた。撹
拌を始め、1分以内に、透明なメルトが得られた。つづ
く2時間の加熱を過ぎても、粘度に変化は認められなか
った。カプロラクタム(1.6g)が変化せずに回収され
た。開始剤用の残部は、蒸発により損失した。
実施例2 ホスファゼンP4−t−BU/N−アセチル−ε−カプロラク
タム触媒によるε−カプロラクタムの開環重合 内径2cmの15mLの丸底フラスコに、2.26gのε−カプロ
ラクタムと、0.05mLの1M(=0.05mモル)ホスファゼンP
4−t−BU(Fluka catalog no.79421)と、0.01gのN−
アセチル−ε−カプロラクタムとを添加した。この容器
を、25.4cmHg圧で、10分間、真空排気して、ヘキサンを
除去した。このフラスコに、3つ首アダプタ、パドル撹
拌刃を有するガラス棒、および乾燥管を取り付け、次
に、窒素ラインと機械的コントローラに接続した。反応
器を、270℃のウッズ金属浴(Woods metal bath)中に
下げた。撹拌を始め、1分以内に、透明なメルトが得ら
れ、このメルトは2分以内に非常に粘稠になり、撹拌棒
にまとわりついた。冷やした後、撹拌棒を非常に粘稠な
メルトから硬いファイバを引き出しながら引き抜いた。
分離したポリマーの固有粘度は、1.63(30℃のm−クレ
ゾール中に0.5%);ヘキサフルオロイソプロピルアル
コール中で1.74であった。
比較例 両実施例1および2において、高分子量ポリマーが、
ηinhで測定されたように、得られた。実施例1のポリ
マーでは、Mw/Mnが99,600/25,500のものが得られた。
比較例1Aは、触媒なしで、ε−カプロラクタムの開環
重合を試みた例を示しており、この例では、ポリマーの
生成はなかった。比較例1Bおよび1Cは、触媒として、DB
UおよびDBU/N−アセチル−ε−カプロラクタムを、それ
ぞれ用いた例を、示している。これらの例では、極く少
量のポリマーが生成されただけであった(1Cでは、ε−
カプロラクタムの4%が転換されていた)。比較例1Dで
は、DBUの濃度が、実施例1Cで使用した濃度の2倍に増
やしたが、やはり、ポリマーはほとんど生成しなかっ
た。
実施例9〜14 表Vには、触媒として、P4−t−BUの他のホスファゼ
ン塩基類似体を用いた、ε−カプロラクタムの開環重合
を実施した実施例9〜14が示されている。P4−t−Oct
およびP2−Etの両方とも、ポリマを生成し、前者ではP4
−t−BUと同じ範囲の活性を有し、後者では反応性がよ
り低かった。
実施例15〜18 表VIには、触媒として、少量の環状二量体を含むナイ
ロン66環状一量体(unimer)の開環重合を実施した実施
例15〜18が示されている。このより大きな大環状ラクタ
ムにおける本開環重合でのホスファゼン塩基P4−t−BU
およびP4−t−Octの触媒活性は、ε−カプロラクタム
における触媒活性と同等であった。
実施例15 ホスファゼンP4−t−BU触媒によるナイロン66環状一量
体/二量体(94/6)の開環重合 内径2cmの15mLの丸底フラスコに、2.26gのナイロン66
一量体/二量体(94/6モル比)と0.05mLの1M(=0.05m
モル)ホスファゼンP4−t−BU(Fluka catalog no.794
21)を添加した。この容器を、25.4cmHg圧で、10分間、
真空排気して、ヘキサンを除去した。このフラスコに、
3つ首アダプタ、パドル撹拌刃を有するガラス棒、およ
び乾燥管を取り付け、次に、窒素ラインと機械的コント
ローラに接続した。この混合物を有する撹拌反応器を、
270℃のウッズ金属浴中に下げた。1分以内に、透明希
薄な白っぽいメルトが得られ、このメルトは続く10分以
内に粘度がかなり上昇した。[注:このメルトの上方の
反応器壁に幾つかの黒っぽいパッチ(patches)が出現
した。]続く30分間に、メルトの粘度はさらに上昇し
た。2時間後、撹拌棒を青みがかった黄色の粘稠な反応
混合物から引き抜き、浴から上げて、放冷したところ、
30〜60秒内に固化した。反応器をハンマで叩き割って、
1.91gの青っぽい黄色の内容物(plug)を回収した。他
の0.34gの物質をスパチラを用いて攪拌棒から回収し
た。262℃の加熱フィンガー(hot finger)上においた
前記内容物のメルト溜まりからファイバを引き出すこと
ができた。前記内容物の1.87gを、粉砕し、MeOHを用い
て抽出したところ、1.38gのポリマーが得られた。これ
は、反応器から得られた合計サンプルを抽出した場合の
転換率73%に換算される。固有粘度は、0.70(30℃のm
−クレゾール稠に0.5%);ヘキサフルオロイソプロピ
ルアルコール中で1.05であった。PMT250℃。傾斜加熱バ
ー上の256から272℃のメルト溜まりから長いファイバが
引き出された。
実施例19 ホスファゼンP4−t−BU触媒によるエナントラクタムの
開環重合 内径2cmの15mLの丸底フラスコに、2.54gのエナントラ
クタム(D.D.Coffman et al.,J.Polymer Science,3,85
−94(1948)におけると同様に調製)と、0.032g(0.05
mモル)のホスファゼンP4−t−BU(市販品を使用。Flu
ka catalog no.79421。ただし、反応混合物に添加する
前にヘキサンを除去することが異なる)と、0.01gのN
−アセチル−ε−カプロラクタムを添加した。このフラ
スコに、3つ首アダプタ、パドル撹拌刃を有するガラス
棒、および乾燥管を取り付け、次に、窒素ラインと機械
的コントローラに接続した。この反応器を、270℃のウ
ッズ金属浴中に下げた。撹拌を始め、1分以内に、透明
なメルトが得られ、このメルトは粘稠になり、撹拌棒を
這い上がり始めた。さらに1から2分たった後、メルト
は撹拌棒にまとわりついた。この時点では、粘度はかな
り高く、メルトの流れを明白に確認できない。6分後、
前記ウッズ金属浴を下げ、ポリマーがしっかり固着した
撹拌棒を取り去った。フラスコに付着しているポリマー
もまた、しっかり固着していた。ポリマーを、ウィリー
ミル(Wiley mill)を用いて、20メッシュのふるいを通
過する程度に粉砕した後、MeOHを用いて、ソックスレー
抽出し、乾燥して、2.17gのポリマーを得た。少量の
(0.04g)エナントラクタムがMeOH抽出液からロータリ
ー蒸発により回収された。得られたポリマーは、243℃
のPMTを示し、249℃の傾斜加熱バーうえのメルト溜まり
から引き出し可能なファイバを得た。固有粘度は、2.07
(30℃のm−クレゾール中に0.5重量%)であった。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 WPI/L(QUESTEL)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素およびリンを含有する30もしくはそれ
    以上のpKaを有する非イオン性重合塩基触媒にラクタム
    を接触させてポリアミドを生成することを特徴とするラ
    クタムの開環重合法。
  2. 【請求項2】前記重合触媒が下記構造のホスファゼン塩
    基であることを特徴とする請求項1に記載のラクタムの
    開環重合法。 ここで、 R1は、C1からC8の分枝または直鎖アルキルからなる群か
    ら選ばれ; RはCH3から選ばれるか、あるいは両Rが共に−(CH2
    −であり;そして m,n,およびyは、それぞれ独立に0〜3であり、m,n,お
    よびyの合計は,0〜6である。
  3. 【請求項3】mが2、nが2、そしてyが0であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  4. 【請求項4】mが3、nが3、そしてyが0であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  5. 【請求項5】mが3、nが2、そしてyが1であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  6. 【請求項6】mが3、nが1、そしてyが2であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  7. 【請求項7】mが1、nが1、そしてyが0であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  8. 【請求項8】R1がエチルであり、Rがメチルであること
    を特徴とする請求項7に記載のラクタムの開環重合法。
  9. 【請求項9】mが3、nが0、そしてyが3であること
    を特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合法。
  10. 【請求項10】R1がt−オクチルまたはt−ブチルであ
    り、Rがメチルであることを特徴とする請求項4に記載
    のラクタムの開環重合法。
  11. 【請求項11】R1がt−ブチルであり、Rがメチルであ
    ることを特徴とする請求項9に記載のラクタムの開環重
    合法。
  12. 【請求項12】前記ラクタムが、ε−カプロラクタム、
    エナントラクタムおよびナイロン66環状一量体からなる
    群から選ばれることを特徴とする請求項2に記載のラク
    タムの開環重合法。
  13. 【請求項13】前記ラクタムが、ε−カプロラクタムで
    あることを特徴とする請求項12に記載のラクタムの開環
    重合法。
  14. 【請求項14】前記ラクタムが、ナイロン66環状一量体
    であることを特徴とする請求項12に記載のラクタムの開
    環重合法。
  15. 【請求項15】前記ラクタムが、エナントラクタムであ
    ることを特徴とする請求項12に記載のラクタムの開環重
    合法。
  16. 【請求項16】前記重合が少なくとも150℃の温度で実
    施されることを特徴とする請求項2に記載のラクタムの
    開環重合法。
  17. 【請求項17】前記重合が200℃から275℃の温度で実施
    されることを特徴とする請求項16に記載のラクタムの開
    環重合法。
  18. 【請求項18】前記重合が1〜100ATMの圧力下で行われ
    ることを特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重
    合法。
  19. 【請求項19】雰囲気が無酸素で本質的に無水分である
    ことを特徴とする請求項2に記載のラクタムの開環重合
    法。
  20. 【請求項20】共触媒、N−アセチル−ε−カプロラク
    タムの有効量がさらに含まれることを特徴とする請求項
    2に記載のラクタムの開環重合法。
  21. 【請求項21】窒素およびリンを含有する30もしくはそ
    れ以上のpKaを有する非イオン性重合塩基触媒にラクタ
    ムの混合物を接触させて共重合ポリアミドを生成するこ
    とを特徴とするラクタムの開環重合法。
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