JP3420609B2 - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置

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JP3420609B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は眼科装置に係り、さらに
詳細に述べると、被検眼と眼科装置とのアライメント機
構、殊にハンドヘルドタイプの装置の作動距離を調整す
るのに好適な機構に関する。 【0002】 【従来の技術】眼科装置は据え置きタイプのものが多
く、このタイプのもののアライメント機構としては、検
者が接眼鏡筒を通して被検眼を直接観察する伝統的な方
式が知られている。この方式の装置では、所定の距離に
被検眼が置かれたときに像が1つに合致するように指標
を被検眼に投影させたりして、その作動距離の適否の判
断が行われる。この方式の利点は、比較的安価にできる
こと、純光学式であるため眼の解像力が許す範囲で精緻
な像観察が可能なことにある。 【0003】比較的最近においては、被検眼を赤外光で
撮像してTVモニタ上で可視像として表示する方式のも
のも普及している。この装置では、被検眼像、被検眼像
に重畳して映出されたアライメントマ−クおよび角膜反
射光により形成される第1プルキンエ像を所定の位置関
係に置くことにより光軸調整が行われ、第1プルキンエ
像の形成位置にピント調整することによって作動距離の
調整が行われる。この方式の利点は、検者の視度の影響
を受けないこと、被検眼と離れた距離で楽な姿勢で照準
が可能なこと等である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の伝統的
な方式の装置には、被検者と検者が接近するので、被検
者に不快感、検者に無理な姿勢を強いるという問題点が
ある。また、後者の方式の装置は、テレビカメラやテレ
ビモニタが必要である等高価でかつ大型な装置となって
しまうという問題点がある。前者の方式と比較して画質
も劣るという問題点もある。虹彩を位置合わせの基準に
した場合、虹彩の色により瞳孔と区別しずらいことがあ
る。本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、簡単な構成
でしかも適正な照準機構をもつ眼科装置を提供すること
を技術課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明は次のような構成を持つことを特徴とす
る。 (1) 被検眼に対して装置を所定の位置に位置合わせ
することを要する眼科装置において、単一の凸レンズか
らなる拡大レンズを通して検者が被検眼角膜を含む前眼
部を両眼視できる観察光学系と、観察光学系の光路中で
かつ前記拡大レンズの被検眼側に斜設されたビームスプ
リッタと、該ビームスプリッタからの光路長が角膜輪部
までの光路長と等しい位置にありかつ被検眼角膜輪部の
径とほぼ同じ大きさの径を持つ円環状マークを有し、円
環状マークの可視光束を前記ビームスプリッタで反射し
て検者眼に向わせ、前記拡大レンズにより検者眼の眼底
に円環状マーク像を形成する照準マーク形成手段と、
備え、被検眼角膜と照準用マークの大きさを比較するこ
とにより光軸方向のアライメントの適否を判断すること
を特徴とする。 【0006】 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は1実施例の装置の光学系を側面から見た
図である。1は被検眼、2は検者眼、3は装置の筐体を
示す。検者眼2が被検眼1を観察するために、筐体3に
は貫通口4が設けられており、検者眼2は観察レンズ5
を介して被検眼1を両眼視する。観察レンズ5は被検眼
1を拡大観察するためのものであり、観察レンズ5から
被検眼間での距離を75mm、観察レンズ5から検者眼
2までの距離を200mm、観察レンズ5の焦点距離を
250mmとすれば、1.28倍の拡大像が得られる。 【0012】6は照明光源であり、照準用マ−ク板7を
照明する。照準用マ−ク板7には図2のように照準用マ
−クが形成されている。7aは角膜輪部とほぼ同じ大き
さの直径約11mmの円環上に配置された点状のマ−ク
であり、日本人の角膜の水平方向の径11.5mmよりや
や小さくしている(角膜径は瞳孔径と比べて個人差は小
さい)。7bは測定系の乱視軸が0度方向を示すライン
であってもよい。更に90度方向のラインを設けても良
い。照準用マーク板7を通過した光は観察光路中に配置
されたビ−ムスプリッタ8で反射されて検者眼2に向か
う。なお、光分割部材の光学特性は、照準用マ−クの波
長、測定光の波長やその配置位置等を考慮して、種々の
透過・反射特性を選択することができる。 【0013】10は角膜形状測定用の指標投影光学系で
あり、光軸を中心とする同一円周上に90度間隔に配置
されている。指標投影光学系10a〜10d(10c,
10dは図示せず)は、近赤外域の光を発するLED1
1、スポット絞り12及びコリメータレンズ13から形
成される。指標投影光学系10aのコリメータレンズ
は、作動距離検出時には有限指標とするために光路外に
脱出させる。 【0014】14は結像レンズであり、結像レンズの1
4の焦点位置にはテレセントリック絞り15が配置され
ている。16は光を2分割するビ−ムスプリッタであ
り、分割された各光路には検出方向が互いに交差するよ
うに一次元位置検出素子17a,17bが配置されてい
る。テレセントリック絞り15と一次元位置検出素子1
7a,17bの間には、円筒レンズ18a,18bがそ
の軸と検出方向とが一致するように配置されている。結
像レンズ14から被検眼が所定の設計距離にあるとき
に、ビ−ムスプリッタ8から照準用マ−ク板7および被
検眼1の角膜輪部までの各光路長が等しくなるように設
計され、被検眼の角膜輪部と照準用マ−クの大きさがほ
ぼ一致する時に測定光学系と被検眼との作動距離が適正
になるように配置されている。角膜と強膜の境界である
角膜輪部を基準にすれば、被検眼を直接観察する装置に
おいても明瞭に視認できる。 【0015】以上のような構成の装置において、そのワ
ーキングディスタンスの調整について説明する。検者は
その両眼にて、観察レンズ5およびビ−ムスプリッタ8
を介して、被検眼1の前眼部を観察する。検者は、ビ−
ムスプリッタ8を介して照準用マ−クを被検眼1の前眼
部像に重ねて観察できる。上下左右のアライメントは照
準用マークと角膜輪部が同心円になるように装置を移動
させて行う。 【0016】更に、被検眼1の角膜と照準用マ−クとの
大きさを比較することによって作動距離の適否をラフに
判断する。被検眼1の前眼部と照準用マークとを重ねた
場合、装置が適正な距離より離れているときは、図3の
aに示すように角膜輪部は照準用マークより小さくな
る。装置が近過ぎるときは、bに示すように角膜は照準
用マークより大きく視認される。角膜の水平方向の径と
照準用マ−クの径がほぼ同一サイズに観察されるように
装置を移動することによって、作動距離のラフな調整が
行われる。 【0017】このような作動距離のラフな調整と並行し
て、装置は作動距離の適否を測定光学系を用いて検出し
ている。作動距離を検出する場合には、指標投影光学系
10aのコリメータレンズは光路外に脱出させて、指標
投影光学系10a及び10bにより形成される角膜反射
像の像高を比較する。これは、無限遠光源と有限遠光源
とにより角膜反射像を形成した場合、作動距離が変化し
ても無限遠光源による角膜反射像の像高は変化しない
が、有限遠光源による角膜反射像の像高は変化するとい
う特性を利用するものである。この詳細は本出願人によ
る特願平4−224896号(発明の名称「アライメン
ト検出装置」)に記されているので、これを参照された
い。一次元位置検出素子17a,17bによる検出結果
に基づいて、有限遠光源の角膜反射像の像高を無限遠光
源の角膜反射像の像高とを比較して、マイクロコンピュ
−タ(図示せず)は作動距離の適否を判断する。像高が
一致する位置が適正な位置である。所定の基準に照らし
て像高が一致すると判断されると、マイクロコンピュ−
タはトリガ−信号を発し角膜形状の測定を開始する。 【0018】角膜形状の測定には特願昭59−2075
39号(発明の名称 角膜形状測定装置 特公平1−1
9896号)に記載されるように3点の指標像が検出さ
れれば、角膜形状を算出できる。したがって、指標投影
光学系10aのコリメータレンズは光路から脱出させた
ままで測定することは可能であるが、本実施例では精度
の高いデ−タを得るために、アライメント完了信号を得
てコリメータレンズを光路内にモ−タにて移動し、4点
の座標位置に基づいて角膜形状を測定する。 【0019】以上の説明では、被検眼に対して装置を移
動する機構についてはその具体的な機構については言及
していないが、これはハンドヘルドタイプの装置を念頭
に置いているためである。しかし、本願発明の応用はこ
のタイプの装置に限られるものではなく、周知の据え置
き式のジョイスティックタイプの装置にも利用すること
ができる。また、眼屈折計のように、測定に必要な最小
瞳孔径が決められている装置では、照準用マークとして
は図4のように最小瞳孔径に相当するリングまたはリン
グ上に位置に配された点を設けると良い。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、被検眼角膜の大きさは
瞳孔等の大きさに比較して個人差が小さいという点に着
目し極めて簡単な構成により、かつ両眼視という安定し
た観察の下で作動距離の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】装置の光学系を側面から見た図である。 【図2】照準用マーク板を示す図である。 【図3】照準用マーク像を含む前眼部の観撮像を示す図
である。 【図4】照準用マーク板の別の態様を示す図である。 【符号の説明】 1 被検眼 2 検者眼 3 角膜形状測定装置 4 貫通口 5 対物レンズ 6 照明光源 7 照準用マーク板 8 ビームスプリッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−288120(JP,A) 特開 平3−97434(JP,A) 特開 平1−238821(JP,A) 特開 平2−7935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/00 - 3/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 被検眼に対して装置を所定の位置に位置
    合わせすることを要する眼科装置において、単一の凸レ
    ンズからなる拡大レンズを通して検者が被検眼角膜を含
    む前眼部を両眼視できる観察光学系と、観察光学系の光
    路中でかつ前記拡大レンズの被検眼側に斜設されたビー
    ムスプリッタと、該ビームスプリッタからの光路長が角
    膜輪部までの光路長と等しい位置にありかつ被検眼角膜
    輪部の径とほぼ同じ大きさの径を持つ円環状マークを有
    し、円環状マークの可視光束を前記ビームスプリッタで
    反射して検者眼に向わせ、前記拡大レンズにより検者眼
    の眼底に円環状マーク像を形成する照準マーク形成手段
    と、を備え、被検眼角膜と照準用マークの大きさを比較
    することにより光軸方向のアライメントの適否を判断す
    ることを特徴とする眼科装置。
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