JP3420506B2 - 立体映像入力装置 - Google Patents

立体映像入力装置

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JP3420506B2
JP3420506B2 JP22930998A JP22930998A JP3420506B2 JP 3420506 B2 JP3420506 B2 JP 3420506B2 JP 22930998 A JP22930998 A JP 22930998A JP 22930998 A JP22930998 A JP 22930998A JP 3420506 B2 JP3420506 B2 JP 3420506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、被写体の立体映
像を得るための立体映像入力装置に関し、たとえば、市
販のビデオカメラに取り付けることによって立体映像を
得ることを可能とした立体映像入力装置に関する
【0002】
【従来の技術】最近、撮像装置を用いて立体映像を得る
ことが様々な分野で広く行われている。この立体映像を
得る手段としては、従来、2眼式立体映像撮像方式と単
眼式立体映像撮像方式がある。
【0003】2眼式立体映像撮像方式は、図3に示すよ
うに、右眼と左眼に対応する2台の撮像装置71,72
によって被写体73を撮影し、信号切り替え器74によ
って映像信号を交互に切り替えて合成し、立体映像信号
を得るものとなっている。この方式は、2台の撮像装置
71,72を用いることから、解像度の高い映像が得ら
れるとともに、立体映像効果の大きいマクロ撮影が可能
となるという長所がある。しかし、2台の撮像装置を必
要とすることから、装置自体が大型化し、重量も重くな
り高価なものとなる問題があり、さらに、それぞれの撮
像装置における撮像系の信号の同期や色合わせ、ピント
合わせ、さらには、ズームの連動など制御が複雑なもの
となるなど問題点も多い。
【0004】一方、単眼式立体映像撮像方式は、1台の
撮像装置によって立体映像を得ようとするものであり、
2眼式立体映像撮像方式に比べると、装置自体が小型、
軽量、安価なものとなり、かつ、様々な制御を容易なも
のとすることができ、解像度も実用的には十分なものが
得られるので、最近では、この単眼式立体映像撮像方式
が主流となってきている。
【0005】この単眼式立体映像撮像方式は、1台の撮
像装置によって、人間の右眼用と左眼用に対応する映像
信号を得るための2つの光学系を有した映像入力装置が
必要となってくる。これを実現するための光学系として
は、主として、同光路長方式と呼べるものと、異光路長
方式と呼べる2種類のものが知られている。
【0006】同光路長方式の例としては、特開昭58−
84589等が知られている。この方式は、図4に示す
ように、左眼と右眼に対応する被写体1の映像をミラー
82a,82bによって反射させたのち、プリズム83
を用いて撮像装置84に入力させ、レンズ群85を通し
てCCD撮像素子86に入るようにしている。
【0007】また、異光路長方式としては、特開昭62
−291292や特開平1−147444等が知られて
いる。この方式は、図5に示すように、左眼に対応する
被写体1の映像は、半透過ミラー87を直進させて撮像
装置84に入力させるが、右眼に対応する被写体1の映
像は、全反射ミラー88によって反射させたのち、半透
過ミラー87で反射させて撮像装置84に入力させる。
この場合も図4と同様、撮像装置84内に入った映像
は、レンズ群85を通してCCD撮像素子86に入るよ
うになっている。
【0008】図4に示す同光路長方式は、右眼に対応す
る映像入力光学系の光路長と左眼に対応する映像入力光
学系の光路長が、それぞれ同じ長さとなる。なお、光路
長は、被写体1から撮像装置84のCCD撮像素子86
までの距離であるが、プリズム83からCCD撮像素子
86までの間は共通の光路であるので、光路長の比較を
行う場合、被写体1からプリズム83までの距離の比較
で考えることができる。
【0009】この図4の場合は、左眼に対応する映像入
力光学系における被写体1からプリズム83までの光路
長と、右眼に対応する映像入力光学系における被写体1
からプリズム83までの光路長が、それぞれ同じ長さと
なる。このためこの方式を、ここでは、上述のように同
光路長方式と呼ぶことにする。
【0010】これに対して、図5に示す方式では、右眼
に対応する映像入力光学系の光路長と左眼に対応する映
像入力光学系の光路長が異なっている。なお、この場合
も、実際には、光路長は、被写体1からCCD撮像素子
86までの距離であるが、半透過ミラー87からCCD
撮像素子86までの間は共通の光路であるので、光路長
の比較を行う場合、被写体1から半透過ミラー87まで
の距離の比較で考えることができる。
【0011】この図5における右眼に対応する映像入力
光学系の光路長と、左眼に対応する映像入力光学系の光
路長の差は、主には、全反射ミラー88と半透過ミラー
87との間の距離L0であるが、厳密には、この図5の
場合、右眼に対応する映像入力光学系は、左眼に対応す
る映像入力光学系に対して斜め方向となっているので、
その分も差に含まれることになる。
【0012】ここで、被写体1から全反射ミラー88ま
での光路長をL1、被写体1から半透過ミラー87まで
の光路長をL2とし、右眼に対応する映像入力光学系の
光路長と左眼に対応する映像入力光学系の光路長との差
をδで表せば、δは、 δ=(L0+L1)−L2 (1) で求められる。
【0013】このように、図5で示される方式は、右眼
に対応する映像入力光学系の光路長と、左眼に対応する
映像入力光学系の光路長が異なっていることから、この
方式を、ここでは、上述のように、異光路長方式と呼ぶ
ことにする。
【0014】これら同光路長方式あるいは異光路長方式
のいずれにおいても、前述したように、2眼式立体映像
撮像方式に比べれば、装置自体が小型、軽量、安価なも
のとなり、かつ、様々な制御を容易なものとすることが
できる特徴がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
同光路長方式は、光路長を右眼に対応する映像入力光学
系の光路長と、左眼に対応する映像入力光学系の光路長
とで同じ長さとするために、プリズム83などの光路分
割手段を用いている。このため、その光路分割部分が大
型化するという問題がある。これにより、その光路分割
部分における人間の両眼間隔に相当する光軸長間距離d
が人間の両眼間隔に比べて大きくなりすぎる傾向にある
ため、得られた映像が不自然な映像となる問題がある。
【0016】これに対して、異光路長方式は、プリズム
83などを用いることなく半透過ミラー87や全反射ミ
ラー88だけの単純な構成で済むため、半透過ミラー8
7と全反射ミラー88部分の光軸間距離d’を小さく抑
えることができ、人間の両眼間隔に近い距離を設定する
ことが可能となる。これにより、人間の両眼の視差に近
づけることができるので、この異光路長方式を採用すれ
ば、装置の小型、軽量化、低価格化が図れるだけではな
く、人間の視差に近い立体画像を得ることができること
から、より一層有利なものとなる。
【0017】しかし、この異光路長方式は、光路長が右
眼に対応する映像入力光学系の光路長と、左眼に対応す
る映像入力光学系の光路長とで異なるため、撮像装置8
4における撮像面(CCD撮像素子86の入力部)にお
いて、焦点のずれが生じる。つまり、図5の例では、右
眼に対応する映像入力光学系の光路長が、左眼に対応す
る映像入力光学系の光路長に比べて、前述の(1)式で
求められた光路長差δだけ長いため、CCD撮像素子6
の入力部において、右眼と左眼に対応する各映像間で焦
点ずれが生じることになり、その結果、解像度の劣化が
生じることになる。
【0018】被写体1までの光路長が十分長い遠距離撮
影においては、光路長差δは無視できるため、焦点ずれ
による解像度の劣化は問題視されない。しかし、最近で
は、立体映像の分野でもマクロ撮影の要求が高まってき
ている。このため、マクロ撮影など高解像度が要求され
る近距離撮影に対処するためには光路長差δによる焦点
ずれは無視できず、その光路長差δに対する対処を施す
必要が生じてきている。
【0019】そこで、本発明は、単眼式立体映像撮像方
式の中で前述した異光路長方式の長所をそのまま生か
し、かつ、撮像装置における撮像面での焦点ずれを発生
しないようにして、マクロ撮影による良好な立体映像を
得ることを可能とした立体映像入力装置を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成する
ため、請求項1記載の立体映像入力装置は、人間の右眼
に対応する第1の映像入力光学系と左眼に対応する第2
の映像入力光学系を有し、これら第1および第2の映像
入力光学系を通る被写体に対する映像を1台の撮像手段
に入力させ、かつ、被写体から撮像手段までのそれぞれ
の光路長が第1および第2の映像入力光学系で差を有す
る立体映像入力装置において、撮像手段に着脱自在とす
ると共に第1および第2の映像入力光学系の少なくとも
一方の映像入力光学系側に着脱可能な光路長変換手段を
設け、この光路長変換手段によって、第1および第2の
映像入力光学系のそれぞれの光路長を等価とするべく補
正を行うようにしている。
【0021】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の立体映像入力装置において、第1および第2の映像
入力光学系のうち、一方の映像入力光学系における光路
上には、少なくとも、被写体に対する映像の通過・遮断
を行うシャッタと、当該映像を撮像手段まで直進させる
半透過ミラーとを有し、他方の映像入力光学系における
光路上には、少なくとも、被写体に対する映像の通過・
遮断を行うシャッタと、当該映像を一方の映像入力光学
系の光路上に設けられた上述の半透過ミラーの反射面上
の当該光路上に投影させる全反射ミラーとを有し、第1
および第2の映像入力光学系のそれぞれの光路長の差
は、一方の映像入力光学系における被写体から半透過ミ
ラーに至るまでの光路長と、他方の映像入力光学系にお
ける被写体から全反射ミラーにより反射され半透過ミラ
ーに至るまでの光路長との差としている。
【0022】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の立体映像入力装置において、全反射ミラーは、被写
体に対する映像の反射角度を可変可能とし、被写体に対
する映像を、半透過ミラーの反射面上でこの半透過ミラ
ーが設けられた映像入力光学系の光路上に一致させるこ
とを可能としている。
【0023】そして、請求項4記載の発明は、請求項
1、2または3記載の立体映像入力装置において、光路
長変換手段は、凸レンズまたは凹レンズの少なくとも一
方のレンズであって、凸レンズの場合は光路長の長い方
の映像入力光学系の光路上に設け、凹レンズの場合は光
路長の短い方の映像入力光学系の光路上に設けるように
している。さらに、請求項5記載の発明は、請求項1、
2または3記載の立体映像入力装置において、光路長変
換手段は、平行平面板であって、その平行平面板を光路
長の長い方の映像入力光学系の光路上に設けるようにし
ている。
【0024】 また、請求項6記載の発明は、人間の右
眼に対応する第1の映像入力光学系と左眼に対応する第
2の映像入力光学系を有し、これら第1および第2の映
像入力光学系を通る被写体に対する映像を1台の撮像手
段に入力させ、かつ、被写体から撮像手段までのそれぞ
れの光路長が第1および第2の映像入力光学系で差を有
する立体映像入力装置において、第1および第2の映像
入力光学系の少なくとも一方の映像入力光学系側に光路
長変換手段を設け、この光路長変換手段によって、第1
および第2の映像入力光学系のそれぞれの光路長を等価
とするべく補正を行うと共に、撮像手段に回転可能に設
置され、もとの光路長が短い側の映像入力光学系を、人
間の効き目に対応させ、もとの光路長が長い側の映像入
力光学系を、人間の効き目でない側の目に対応させるこ
とを可能にしている。
【0025】本発明は、1台の撮像手段を用いた、いわ
ゆる単眼式立体映像撮像装置の映像入力部として用いら
れるものである。特に、右眼に対応する映像入力光学系
と左眼に対応する映像入力光学系のそれぞれの光路長が
異なる異光路長方式において、光路長の差を無くすよう
な補正を行い、2つの映像入力光学系の光路長を等価な
ものとするものである。
【0026】これを実現するために、2つの映像入力光
学系の少なくとも一方の映像入力光学系側に光路長変換
手段を設け、光路長差を無くすような補正を行うように
している。具体的には、たとえば、光路長の長い方の映
像入力光学系に凸レンズを設けることによって、光路長
を短くする。この場合、被写体の光路長差が無くなるよ
うな最適な曲率を持った凸レンズを選ぶ。これにより、
2つの映像入力光学系のそれぞれの光路長をほぼ等価な
ものとすることができる。
【0027】また、逆に、光路長の短い方の映像入力光
学系側に凹レンズを設けることによっても同等の結果が
得られる。加えて、光路長の長い方に凸レンズを設ける
とともに、光路長の短い方に凹レンズを設けるというよ
うに、両方の映像入力光学系にそれぞれ凸レンズと凹レ
ンズを設けるようにしてもよく、この場合は、凸レンズ
の曲率と凹レンズの曲率をそれぞれ適正なものを選ぶこ
とによって、2つの映像入力光学系のそれぞれの光路長
を等価なものとすることができる。
【0028】さらに、光路長変換手段としてはレンズ以
外であってもよく、たとえば、平行平面板を用いてもよ
い。この平行平面板を光路長の長い方に設けることによ
って凸レンズと同様の効果が得られる。
【0029】このような手段を用いることで、2つの映
像入力光学系における光路長差をきわめて微少に抑える
ことができる。これによって、異光路長方式の利点、つ
まり、2つの映像入力光学系の光軸間距離を人間の両眼
の間隔と同じように設定でき、さらには、小型、軽量、
安価なものとすることができるといった利点はそのまま
生かされ、しかも、2つの映像入力光学系の光路長差を
殆どなくすことができるので、異光路長方式では従来難
しかったマクロ撮影も可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図1および図2に基づき説明する。
【0031】図1は、本発明の立体映像入力装置10を
撮像手段として市販のビデオカメラ20に取り付けた例
を概略的に示すもので、立体映像入力装置10はビデオ
カメラ20の被写体1側に着脱自在に取り付けられてい
る。
【0032】図2は、立体映像入力装置10における光
学系の実施の形態を示す構成図である。図2において、
人間の左眼に対応する映像入力光学系30(以下では左
眼用入力光学系30という)は、その光路31上に、シ
ャッタとしての液晶シャッタ32、半透過ミラー33、
これら液晶シャッタ32や半透過ミラー33を保護する
とともに内部に埃などの侵入を防止するアクリル製など
の防塵カバー34などが設けられている。
【0033】一方、人間の右眼に対応する映像入力光学
系40(以下では右眼用入力光学系40という)は、そ
の光路41上に、光路長変換手段となる凸レンズ42、
全反射ミラー43、シャッタとしての液晶シャッタ4
4、これら全反射ミラー43や液晶シャッタ44を保護
するとともに内部に埃などが侵入するのを防止するアク
リル製などの防塵カバー45などが設けられている。な
お、凸レンズ42は、ワンタッチで着脱可能となってい
る。
【0034】また、この例では、右眼用入力光学系40
の場合、防塵カバー45は、凸レンズ42の内側(ビデ
オカメラ20側)に設けられている。これは、防塵カバ
ー45よりも内側は埃の侵入などを防ぐため密封構造と
する場合が多く、一般には、その内部に存在する部品に
手を触れにくい構造となっているためである。すなわ
ち、凸レンズ42の着脱操作を行い易くするためには、
凸レンズ42は防塵カバー45よりも外側(被写体1
側)とした方が操作性に優れたものとなる。しかし、防
塵の効果に支障を生じないように凸レンズ42の着脱操
作を可能とする機構とすれば、防塵カバー45は、凸レ
ンズ42の外側(被写体1側)に配置してもよい。
【0035】なお、液晶シャッタ32、44は、ビデオ
カメラ20のフィールドごとに交互に開閉して映像信号
を取り込むようになっている。また、全反射ミラー43
は反射角度が変えられるようになっている。これは、全
反射ミラー43で反射させた被写体1の映像を半透過ミ
ラー33のp点(左眼用入力光学系の光路31と半透過
ミラー33の反射面の交点)に一致させるためである。
【0036】つまり、マクロ撮影など近距離の撮影を行
う際、半透過ミラー33上に投影される被写体1の映像
の位置は、全反射ミラー43の角度を固定すると、被写
体1の距離によって大きく変動し、P点に一致しなくな
るためである。このため、被写体1の距離変動があって
も、常にP点に映像をもたらすように、全反射ミラー4
3の角度を変えられるようにしている。
【0037】これによって、マクロ撮影を行う場合、全
反射ミラー43の角度を微調整することにより、被写体
1の映像を常に半透過ミラー33のp点に結ばせるよう
にすることができる。なお、この全反射ミラー43の適
正な角度設定は、手動で行うようにしてもよいが自動的
に行わせるようにすることもできる。
【0038】なお、この全反射ミラー45を可動させる
ための手段や、液晶シャッタ32と液晶シャッタ44を
交互に開閉させる手段などについての説明は省略する。
また、ビデオカメラ20の内部構成についても、レンズ
群21とCCD撮像素子22のみを図示し、他の構成要
素については図示を省略している。
【0039】ところで、図2に示される光学系の場合、
左眼用入力光学系30は、右眼用入力光学系40に比べ
て、その光路長は、図4によって説明したと同様に、光
路長差δを有することになる。つまり、全反射ミラー4
3と半透過ミラー33との間の距離をL0、被写体1か
ら全反射ミラー43までの光路長をL1、被写体1から
半透過ミラー33までの光路長をL2とすれば、光路長
差δは前述の(1)式で表される。
【0040】本発明は、この光路長差δを0に近づける
ような補正を行うるものである。この実施の形態におい
ては、右眼用入力光学系40側に凸レンズ42を挿入
し、この凸レンズ42によって光路長差δを0に近づけ
るような補正を行う。
【0041】つまり、凸レンズ42を挿入することによ
って、CCD撮像素子22から見ると、被写体1が拡
大、すなわち近づくこととなり、実質的に光路長が短く
なったのと同じことになる。したがって、光路長差δを
解消できる最適な曲率を持った凸レンズ42を選ぶこと
により、右眼用光学系40の光路長を左眼用光学系30
の光路長と等価なものとすることができる。ただし、光
路長差δは、被写体1の距離によって変動する値である
ので、凸レンズ42の位置を固定すると、すべての距離
に対し両光路長を等価なものとすることはできない。な
お、凸レンズ42の位置を被写体1の距離に合わせ変動
させるようにすれば、両光路長を常に等価なものとする
ことができる。
【0042】実験によれば、最適な曲率を有する凸レン
ズ42を図2のように設けることによって、凸レンズ4
2を用いない場合の光路長差δを数10分の1程度まで
小さくすることが可能であることが確かめられた。ま
た、光路長差δがこの程度まで小さくなれば、きわめて
良好な立体画像が得られることも確かめられた。ただ
し、この光路長差δを0に近づける補正は、マクロ撮影
など近距離撮影において必要となるものであり、遠距離
撮影においては、光路長差δは無視できるので補正は行
わない。したがって、近距離撮影以外では、凸レンズ4
2は外すようにすることが好ましい。
【0043】また、人の多くは、左眼が効き目になって
おり、もともとの光路長が短い側の映像入力光学系30
を左眼に対応する映像入力光学系とするのが、実験的に
好ましいのが確認された。なお、右眼が効き目となる人
用の画像を得ようとすれば、左眼用光学系30と右眼用
光学系40からなる立体映像入力装置10を180度回
転させて、その位置関係を反対となるようにする。すな
わち、この立体映像入力装置10は、ビデオカメラ20
に対し回転可能に設置される。
【0044】このように、この実施の形態では、異光路
長方式の光学系において、光路長の長い方の光学系(こ
こでは、右眼用入力光学系40)側に凸レンズ42を配
置することで、光路長を短い方の光学系(この場合は、
左眼用入力光学系30)の光路長と等価なものとするよ
うにしている。これにより、異光路長方式の持つ様々な
利点、つまり、2つの映像入力光学系の光軸間距離を人
間の両眼の間隔と同じように設定でき、さらには、小
型、軽量、安価なものとすることができるといった利点
はそのまま生かすことができ、しかも、光路長を左眼用
入力光学系30と右眼用入力光学系40とで殆ど同じく
することができる。これにより、異光路長方式では従来
難しかったマクロ撮影など近距離撮影において、特に良
好な立体映像を得ることができる。
【0045】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変
形実施可能である。たとえば、前述の実施の形態では、
光路長を補正する手段としての光路長変換手段は、凸レ
ンズ42を用い、光路長の長い方の映像入力光学系の光
路上にに凸レンズ42を配置して、その映像入力光学系
の光路長を実質的に短くする例を示したが、これとは逆
に、光路長の短い映像入力光学系側の光路上に凹レンズ
を配置して、その光入力光学系の光路長を長くするよう
にしても同等の結果が得られる。
【0046】さらに、光路長の長い方に凸レンズを設け
るとともに、光路長の短い方に凹レンズを設けるという
ように、両方の映像入力光学系にそれぞれ凸レンズと凹
レンズを設けるようにしてもよく、この場合は、凸レン
ズの曲率と凹レンズの曲率をそれぞれ適正なものを選ぶ
ことによって、両者の光路長の差を無くすような補正が
可能となる。
【0047】また、光路長変換手段としては、凸レンズ
や凹レンズといったレンズではなく、他の手段によって
光路長を変更することによって、右眼用入力光学系と左
眼用入力光学系のそれぞれの光路長を等価なものとする
ことも考えられる。たとえば、その一例としては、平行
平面板が考えられ、この平行平面板により、入力する光
を屈折させることによって光路長を変換するようにして
もよい。ただし、この平行平面板の場合は、凸レンズと
同様に光路長を短くする場合に用いられるもので、凸レ
ンズを設けたのと同等の効果が得られる。
【0048】なお、凸レンズ以外に、凹レンズや平行平
面板等の光路長変換手段を使用した場合も、もとの光路
長が短い側の映像入力光学系を、人間の効き目に対応さ
せるのが好ましい。このようにすることによって、人間
が見やすく、疲れにくい画像を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】 以上説明したように、請求項1記載の
立体映像入力装置では、光路長の異なる2つの映像入力
光学系の少なくとも一方の映像入力光学系側に着脱可能
光路長変換手段を設け、この光路長変換手段によっ
て、2つの映像入力光学系の光路長の差を0とするよう
な補正を行うようにしている。このため、右眼に対応す
る映像入力光学系と左眼に対応する映像入力光学系のそ
れぞれの光路長が異なる前述した異光路長方式におい
て、光路長差を無くすような補正が可能となり、これに
よって、異光路長方式の持つ利点、つまり、2つの映像
入力光路の光軸間距離を小さくでき、人間の視差に近づ
けることができる点、さらには、小型、軽量、安価なも
のとすることができる点などの多くの利点はそのまま生
かすことができ、しかも、2つの映像入力光路長の差を
殆ど無くすことができることから、異光路長方式では従
来難しかったマクロ撮影も可能となる。また、光路長変
換手段を着脱可能としているので、より適切な立体画像
を得ることができる。
【0050】また、請求項2記載の発明では、一方の映
像入力光学系における被写体から半透過ミラーに至るま
での光路長と、他方の映像入力光学系における被写体か
ら全反射ミラーにより反射され上述の半透過ミラーに至
るまでの光路長との差を、2つの映像入力光学系におけ
るそれぞれの光路長の差として求め、これを0とするよ
うな補正を行うようにしているので、2つの映像入力光
学系におけるそれぞれの光路長差を的確に0に近づける
補正が可能となり、両者の光路長を殆ど等価なものとす
ることができる。
【0051】また、請求項3記載の発明は、光路長の長
い方の映像入力光路側に設けられる全反射ミラーの反射
角度を可変可能としたので、被写体に対する映像を、他
方の映像入力光学系に設けられた半透過ミラー上の適正
な位置に投影させるせるための調整が可能となり、特に
マクロ撮影などの近距離撮影において、ずれの少ない良
好な立体映像を入力することができる。
【0052】また、請求項4記載の発明は、光路長変換
手段として、凸レンズと凹レンズの少なくとも一方を用
いるもので、凸レンズのみを用いる場合は、光路長の長
い方の映像入力光学系に凸レンズを設けることによっ
て、その光路長を短くすることができる。これにより、
2つの映像入力光学系のそれぞれの光路長をほぼ等価な
ものとすることができる。また、逆に、光路長の短い方
の映像入力光学系側に凹レンズを設けることによっても
同等の結果が得られる。これによっても、2つの映像入
力光学系のそれぞれの光路長をほぼ等価なものとするこ
とができる。
【0053】加えて、光路長の長い方に凸レンズを設け
るとともに、光路長の短い方に凹レンズを設けるという
ように、両方の映像入力光学系にそれぞれ凸レンズと凹
レンズを設けるようにしてもよく、この場合は、凸レン
ズの曲率と凹レンズの曲率をそれぞれ適正なものを選ぶ
ことによって、2つの映像入力光学系のそれぞれの光路
長を等価なものとすることができる。このように、映像
入力光学系に凸レンズや凹レンズを設けるだけの簡単な
構成で、両者の光路長差の補正が可能となる。
【0054】さらに、請求項5記載の発明は、光路長変
換手段としては平行平面板を用いるものであり、この平
行平面板を光路長の長い方に設けることによって凸レン
ズを設けたのと同等の効果が得られる。
【0055】 また、請求項6記載の発明は、人間の効
き目側を、もとの光路長が短い側の映像入力光学系に対
応させることができるので、できあがった画像は、人間
にとって見やすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体映像入力装置をビデオカメラに装
着した例を示す図である。
【図2】本発明の立体映像入力装置の実施の形態を説明
する構成図である。
【図3】従来の2眼式立体映像撮像方式を説明する図で
ある。
【図4】従来の単眼式立体映像入力方式における同光路
長方式を説明する図である。
【図5】従来の単眼式立体映像入力方式における異光路
長方式を説明する図である。
【符号の説明】
1 被写体 10 立体映像入力装置 20 撮像手段(ビデオカメラ) 21 レンズ群 22 CCD撮像素子 30 左眼用入力光学系 31 左眼用入力光学系の光路 32 左眼用入力光学系の液晶シャッタ 33 半透過ミラー 34 左眼用入力光学系の防塵カバー 40 右眼用入力光学系 41 右眼用入力光学系の光路 42 凸レンズ(光路長変換手段) 43 全反射ミラー 44 右眼用入力光学系の液晶シャッタ 45 右眼用入力光学系の防塵カバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−250351(JP,A) 特開 平8−234338(JP,A) 特開 平11−205818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 13/00 G03B 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間の右眼に対応する第1の映像入力光
    学系と左眼に対応する第2の映像入力光学系を有し、こ
    れら第1および第2の映像入力光学系を通る被写体に対
    する映像を1台の撮像手段に入力させ、かつ、上記被写
    体から上記撮像手段までのそれぞれの光路長が上記第1
    および第2の映像入力光学系で差を有する立体映像入力
    装置において、上記撮像手段に着脱自在とすると共に、 上記第1および第2の映像入力光学系の少なくとも一方
    の映像入力光学系側に着脱可能な光路長変換手段を設
    け、この光路長変換手段によって、上記第1および第2
    の映像入力光学系のそれぞれの光路長を等価とするべく
    補正を行うことを特徴とする立体映像入力装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の映像入力光学系の
    うち、一方の映像入力光学系における光路上には、少な
    くとも、前記被写体に対する映像の通過・遮断を行うシ
    ャッタと、当該映像を前記撮像手段まで直進させる半透
    過ミラーとを有し、他方の映像入力光学系における光路
    上には、少なくとも、前記被写体に対する映像の通過・
    遮断を行うシャッタと、当該映像を上記一方の映像入力
    光学系の光路上に設けられた上記半透過ミラーの反射面
    上の当該光路上に投影させる全反射ミラーとを有し、前
    記第1および第2の映像入力光学系のそれぞれの光路長
    の差は、上記一方の映像入力光学系における前記被写体
    から上記半透過ミラーに至るまでの光路長と、上記他方
    の映像入力光学系における前記被写体から上記全反射ミ
    ラーにより反射され上記半透過ミラーに至るまでの光路
    長との差であることを特徴とする請求項1記載の立体映
    像入力装置。
  3. 【請求項3】 前記全反射ミラーは、前記被写体に対す
    る映像の反射角度を可変可能とし、前記被写体に対する
    映像を、前記半透過ミラーの反射面上でこの半透過ミラ
    ーが設けられた映像入力光学系の光路上に一致させるこ
    とを可能としたことを特徴とする請求項2記載の立体映
    像入力装置。
  4. 【請求項4】 前記光路長変換手段は、凸レンズまたは
    凹レンズの少なくとも一方のレンズであって、凸レンズ
    の場合は光路長の長い方の映像入力光学系の光路上に設
    け、凹レンズの場合は光路長の短い方の映像入力光学系
    の光路上に設けることを特徴とする請求項1、2または
    3記載の立体映像入力装置。
  5. 【請求項5】 前記光路長変換手段は、平行平面板であ
    って、その平行平面板を光路長の長い方の映像入力光学
    系の光路上に設けたことを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の立体映像入力装置。
  6. 【請求項6】 人間の右眼に対応する第1の映像入力光
    学系と左眼に対応する第2の映像入力光学系を有し、こ
    れら第1および第2の映像入力光学系を通る被写体に対
    する映像を1台の撮像手段に入力させ、かつ、上記被写
    体から上記撮像手段までのそれぞれの光路長が上記第1
    および第2の映像入力光学系で差を有する立体映像入力
    装置において、 上記第1および第2の映像入力光学系の少なくとも一方
    の映像入力光学系側に光路長変換手段を設け、この光路
    長変換手段によって、上記第1および第2の映像入力光
    学系のそれぞれの光路長を等価とするべく補正を行うと
    共に、 上記撮像手段に回転可能に設置され、 もとの光路長が短
    い側の映像入力光学系を、人間の効き目に対応させ、も
    との光路長が長い側の映像入力光学系を、人間の効き目
    でない側の目に対応させることを可能にしたことを特徴
    とする立体映像入力装置。
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