JP3420161B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3420161B2 JP2000082419A JP2000082419A JP3420161B2 JP 3420161 B2 JP3420161 B2 JP 3420161B2 JP 2000082419 A JP2000082419 A JP 2000082419A JP 2000082419 A JP2000082419 A JP 2000082419A JP 3420161 B2 JP3420161 B2 JP 3420161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともドレイ
ン領域にシリサイド層を有するトランジスタを備える半
導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】半導体装置の技術分野では、半導体装置
を微細化、高性能化、高密度化するためにトランジスタ
の拡散層をシリサイド化することが重要な要素の一つと
なっている。
【0003】
【従来の技術】この目的のために用いられる半導体装置
でNMOSトランジスタの形成部分を説明しているのが
図19である。図19は、従来の一半導体装置(従来例
1)のNMOSトランジスタの形成部分を、シリサイド
層に対して垂直方向から視た平面図(但し、層間絶縁膜
22及び配線24を除く)である。図20は、図19の
A−A’線に沿った矢視方向の断面図(但し、層間絶縁
膜22及び配線24を含む。)である。また、特許第2
773220号公報や特許第2773221号公報に記
載の半導体装置がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
〜20に示された半導体装置では、NMOSトランジス
タのドレイン領域の高濃度n+拡散層の全面がシリサイ
ド化され低抵抗となり、ESD(Electro St
atic Discharge)による静電破壊に弱い
という欠点がある。静電破壊耐性は、配線からゲート電
極のドレイン端までの抵抗値が支配的な要素であり、抵
抗値が小さいほど静電破壊耐性が低いことが分かってい
る。
【0005】そこで、例えば特許第2773220号公
報や第2773221号公報に示されているように、半
導体装置の入出力回路部のトランジスタのソースやドレ
インを構成する高濃度n+拡散層領域にシリサイドを形
成しない高抵抗の領域を設け、静電破壊耐性を向上させ
る必要が出てくる。この様な半導体装置のNMOSトラ
ンジスタ部分を説明しているのが、図21である。図2
1は、従来の他の一半導体装置(従来例2)のNMOS
トランジスタ部分を、シリサイド層に対して垂直方向か
ら視た平面図(但し、層間絶縁膜22及び配線24を除
く)である。図22は、図21のA−A’線による矢視
断面図(但し、層間絶縁膜22及び配線24を含む。)
である。この様な半導体装置の製造方法には、高濃度n
+拡散層の形成後にシリサイドの形成を阻害する絶縁膜
の堆積とリソグラフィーによるマスキングとエッチング
処理が加わる。
【0006】しかし、この様な製造方法では、シリサイ
ド形成を阻害する絶縁膜の形成時に加わる熱によってト
ランジスタ特性が変化することが懸念され、また、シリ
サイド形成を阻害する絶縁膜のエッチング処理時のオー
バーエッチングによる高濃度n+拡散層の削れに伴うジ
ャンクションリークやサイドウォールの後退によるトラ
ンジスタ特性の変化が懸念される。特に、近年の微細化
された半導体装置では、ソースやドレインを形成する高
濃度n+拡散層を浅く造り込む必要があるため、形成さ
れた高濃度n+拡散層がオーバーエッチングにより削ら
れることは、ジャンクションリークを増大させ、歩留ま
りの低下を招く。
【0007】本発明の第1の目的は、少なくとも静電破
壊耐性の強い高品質な半導体装置を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的は、前記第1の目的に加
えて、さらに、(a)トランジスタ特性を変化させる熱
処理を必須とすることなく製造することができる構成を
有すること、及び、(b)高濃度n+拡散層等のような
ソースやドレインを構成する層の形成後にエッチング工
程を追加することを必須とすることなく製造することが
できる構成を有すること、のうちの少なくとも1以上を
満足することができる半導体装置を提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の第3の目的は、少なくとも
静電破壊耐性の強い高品質な半導体装置を製造すること
ができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、前記第3の目的に加え
て、さらに、(a)トランジスタ特性を変化させる熱処
理を必須とすることなく製造することができること、及
び、(b)高濃度n+拡散層等のようなソースやドレイ
ンを構成する層の形成後にエッチング工程を追加するこ
とを必須とすることなく製造することができること、の
うちの少なくとも1以上を満足することができる半導体
装置の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
第1の視点において、少なくともドレイン領域にシリサ
イド層を有するトランジスタを備える半導体装置であっ
て、前記トランジスタのドレイン側サイドウォール絶
縁層は2層以上の絶縁層の積層体層であり、前記積層体
層のうちの少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られ
.2μm以上の幅で形成されており、かつ、前記少な
くとも一層の絶縁層下に、高濃度拡散層が形成されてい
ことを特徴とする。また、本発明の半導体装置は、第
2の視点において、少なくともドレイン領域にシリサイ
ド層を有するトランジスタを備える半導体装置であっ
て、前記トランジスタのドレイン側サイドウォール絶
縁層は2層以上の絶縁層の積層体層であり、前記積層体
層のうちの少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られ
記トランジスタのソース側サイドウォール絶縁層の幅
の2倍以上の幅で形成されており、かつ、前記少なくと
も一層の絶縁層下に、高濃度拡散層が形成されている
とを特徴とする。
【0010】本発明の半導体装置は、前記トランジスタ
が、ドレイン側に高抵抗の内部抵抗を有するので、静電
破壊耐性が高い。また、本発明におけるドレイン側サイ
ドウォール絶縁層は、従来のサイドウォール絶縁層の形
成工程において、ドレイン側サイドウォール絶縁層の形
成領域をドレイン側に拡張すれば形成することができ
る。従って、本発明におけるドレイン側サイドウォール
絶縁層は、熱処理やエッチングを必要とする特別な工程
を新たに設けることなく形成することができるので、ト
ランジスタ特性を変化させる熱処理を必須とすることな
く製造することができ、また、高濃度n+拡散層等のよ
うなソースやドレインを構成する層の形成後にエッチン
グ工程を追加することを必須とすることなく製造するこ
とができる。
【0011】本発明の半導体装置の製造方法は、第3の
視点において、少なくともドレイン領域にシリサイド層
を有するトランジスタを形成するトランジスタ形成工程
を有する半導体装置の製造方法であって、前記トランジ
スタのドレイン側サイドウォール絶縁層を2層以上の
絶縁層の積層体層で形成し、前記2層以上の絶縁体層の
うち最下層側の少なくとも一層は、静電破壊耐性が得ら
る0.2μm以上の幅で形成し、かつ、前記少なくと
も一層の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成することを特
徴とする。また、本発明の半導体装置の製造方法は、第
4の視点において、少なくともドレイン領域にシリサイ
ド層を有するトランジスタを形成するトランジスタ形成
工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記トラ
ンジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層を2層以
上の絶縁層の積層体層で形成し、前記2層以上の絶縁体
層のうち最下層側の少なくとも一層は、静電破壊耐性が
得られる前記トランジスタのソース側サイドウォール絶
縁層の幅の2倍以上の幅で形成し、かつ、前記少なくと
も一層の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成することを特
徴とする。なお、ドレイン側サイドウォール絶縁層の幅
とは、ドレイン側サイドウォール絶縁層の長手方向に対
して直角方向の長さである。また、ソース側サイドウォ
ール絶縁層の幅とは、ソース側サイドウォール絶縁層の
長手方向に対して直角方向の長さである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の半導体装置及びその製造
方法の実施の形態について、以下に説明する。
【0013】〔半導体装置〕本発明の半導体装置は、少
なくともドレイン領域にシリサイド層を有するトランジ
スタを備える。前記トランジスタは、好ましくは、入出
力回路を構成するトランジスタであり、ソース領域にも
シリサイド層を有することができる。前記トランジスタ
のドレイン側サイドウォール絶縁層は、ドレインを構成
する層に接触して(例えば、前記層の表面に積層して)
設けることができる。ドレインを構成する層は、例えば
拡散層にすることができる。
【0014】前記トランジスタのドレイン側サイドウォ
ール絶縁層の幅は、所要ニーズに応じて十分な静電破壊
耐性が得られる程度に設定する。例えば0.3μm以上
(好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以
上、さらに好ましくは1〜2μm)の幅で設けることが
できる。また、例えば、前記トランジスタのソース側サ
イドウォール絶縁層の幅の3倍以上(好ましくは5倍以
上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは10
〜20倍)の幅で設けることができる。
【0015】シリサイド層は、ドレイン側サイドウォー
ル絶縁層の上層側及び下層側以外のドレイン領域に設け
る。シリサイド層は、好ましくは、ドレインを構成する
層に対して垂直方向において、ドレイン側サイドウォー
ル絶縁層と重ならないように、ドレインを構成する層に
接触して(例えば、ドレインを構成する層の表面に積層
して)設けることができる。
【0016】前記トランジスタは、ドレイン領域にドレ
イン側サイドウォール絶縁層とは別の第2の絶縁層を1
層以上有することができる。第2の絶縁層は、ドレイン
を構成する層に接触して(例えば、前記層の表面に積層
して)設けることができる。この場合には、シリサイド
層を、ドレイン側サイドウォール絶縁層と前記第2の絶
縁層の上層側及び下層側以外のドレイン領域に設けるこ
とができる。シリサイド層は、好ましくは、ドレインを
構成する層に対して垂直方向において、ドレイン側サイ
ドウォール絶縁層及び第2の絶縁層の両方と重ならない
ように、ドレインを構成する層に接触して(例えば、ド
レインを構成する層の表面に積層して)設けることがで
きる。第2の絶縁層の材質は、ドレイン側サイドウォー
ル絶縁層の材質と同じにすることができ、また異なるよ
うにすることができる。
【0017】ドレイン側サイドウォール絶縁層及び前記
第2の絶縁層のうちの少なくとも1は、2層以上の絶縁
層の積層体層にすることができる。ソース側サイドウォ
ール絶縁層は、2層以上の絶縁層の積層体層(好ましく
は、ドレイン側サイドウォール絶縁層と同様の材質の積
層体層)にすることができる。
【0018】ドレイン側サイドウォール絶縁層は、2層
以上の絶縁層の積層体層である。前記積層体層のうちの
少なくとも1層(好ましくは、最下層を含む少なくとも
1層)の幅を、所要ニーズに応じて、十分な静電破壊耐
性が得られる0.2μm以上(好ましくは0.3μm以
上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは
1μm以上、特に好ましくは1〜2μm)の幅で設ける
ことができる。
【0019】また、ドレイン側サイドウォール絶縁層
は、2層以上の絶縁層の積層体層である。前記積層体層
のうちの少なくとも1層(好ましくは、最下層を含む少
なくとも1層)の幅は、所要ニーズに応じて、十分な静
電破壊耐性が得られる、前記トランジスタのソース側サ
イドウォール絶縁層の幅の2倍以上(好ましくは3倍以
上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍
以上、特に好ましくは10〜20倍)の幅で設けること
ができる。
【0020】〔半導体装置の製造方法〕本発明の半導体
装置の製造方法は、少なくともドレイン領域にシリサイ
ド層を有するトランジスタを形成するトランジスタ形成
工程を有する。前記トランジスタ形成工程は、サイドウ
ォール絶縁層形成工程とシリサイド層形成工程を少なく
とも有することができる。
【0021】サイドウォール絶縁層形成工程では、トラ
ンジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層を、十分な
静電破壊耐性が得られる程度の0.2μm以上(好まし
くは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、
さらに好ましくは1μm以上、特に好ましくは1〜2μ
m)の幅で、ドレイン領域(例えば、ドレインを構成す
る層の表面)に形成することができる。
【0022】サイドウォール絶縁層形成工程では、ま
た、トランジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層
を、十分な静電破壊耐性が得られる程度の、トランジス
タのソース側サイドウォール絶縁層の幅の2倍以上(好
ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好
ましくは10倍以上、特に好ましくは10〜20倍)の
幅で形成することができる。ドレイン側サイドウォール
絶縁層は、ドレインを構成する層に接触して(例えば、
前記層の表面に積層して)形成することができる。サイ
ドウォール絶縁層形成工程では、ドレイン側サイドウォ
ール絶縁層と同時にソース側サイドウォール絶縁層を形
成することができる。
【0023】本発明の半導体装置の製造方法は、前記ド
レイン領域に前記サイドウォール絶縁層以外の第2の絶
縁層を形成する第2絶縁層形成工程を有することができ
る。前記第2の絶縁層は、好ましくは、サイドウォール
絶縁層形成工程又はこれ以外の絶縁層(例えば、ゲート
絶縁層)を形成する工程に便乗して、ドレイン側サイド
ウォール絶縁層等の絶縁層と共に形成する。第2の絶縁
層を形成した場合は、シリサイド層形成工程において、
ドレイン側サイドウォール絶縁層と前記第2の絶縁層の
上層側及び下層側以外のドレイン領域にシリサイド層を
形成する。
【0024】ドレイン側サイドウォール絶縁層と前記第
2の絶縁層の1以上の絶縁層は、好ましくは、シリサイ
ド層の形成を阻害する材料で形成することができ、ま
た、2層以上の絶縁層の積層体層として形成することが
できる。
【0025】サイドウォール絶縁層形成工程では、2層
以上の絶縁層の積層体から成ると共に、前記2層以上の
絶縁層のうちの最下層側の少なくとも1層は十分な静電
破壊耐性が得られる程度の0.2μm以上(好ましくは
0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さら
に好ましくは1μm以上、特に好ましくは1〜2μm)
の幅のサイドウォール絶縁層をドレイン領域に形成する
ことができる。
【0026】また、サイドウォール絶縁層形成工程で
は、2層以上の絶縁層の積層体から成ると共に、前記2
層以上の絶縁層のうちの最下層側の少なくとも1層は十
分な静電破壊耐性が得られる程度の、トランジスタのソ
ース側サイドウォール絶縁層の幅の2倍以上(好ましく
は3倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましく
は10倍以上、特に好ましくは10〜20倍)の幅のサ
イドウォール絶縁層をドレイン領域に形成することがで
きる。
【0027】シリサイド層形成工程では、前記サイドウ
ォール絶縁層形成工程で形成されたサイドウォール絶縁
層の上層側及び下層側以外の前記ドレイン領域にシリサ
イド層を形成することができる。シリサイド層は、好ま
しくは、ドレインを構成する層に対して垂直方向におい
て、ドレイン側サイドウォール絶縁層と重ならないよう
に、ドレインを構成する層に接触して(例えば、ドレイ
ンを構成する層の表面に積層して)形成することができ
る。
【0028】ドレイン側サイドウォール絶縁層と前記第
2の絶縁層の1以上の絶縁層を、シリサイド層の形成を
阻害する材料で形成した場合は、このような絶縁層をマ
スクとして、前記絶縁層の形成面以外のドレイン領域に
シリサイド層を形成することができる。
【0029】本発明の概要を本発明の一例の半導体装置
で説明すれば、高濃度拡散層等の拡散層のシリサイド化
処理を行っている半導体装置において、入出力回路を構
成するトランジスタのドレイン側サイドウォールを構成
する絶縁層をドレイン領域側に延伸して形成し、トラン
ジスタのドレイン側内部抵抗を高くしたことにある。本
発明の概要を図1112に基づいて説明すると次のと
おりである。
【0030】図11は、本発明の半導体装置の一実施例
の、シリサイド層に対して垂直方向から視た入出力回路
部のNMOSトランジスタ部分の平面図(但し、層間絶
縁膜22及び配線24を除く。)である。図12は、図
11のA−A’線矢視断面図(但し、層間絶縁膜22及
び配線24を含む。)である。
【0031】半導体基板11上に、素子分離絶縁膜1
2、Pウェル13、ゲート絶縁膜14、ゲート電極1
5、低濃度n-拡散層16、サイドウォール19、高濃
度n+拡散層20、シリサイド21、層間絶縁膜22、
コンタクトプラグ23、配線24が形成されている。こ
のうち、トランジスタのドレイン領域のドレイン側第1
絶縁膜の幅が、内部回路のソース領域のサイドウォール
の幅よりも長い構造となっており、シリサイドを被覆し
ていない低濃度n-拡散層の領域が拡張されている。
【0032】従って、前記半導体装置のトランジスタ
は、ドレイン領域において、シリサイドを被覆していな
高濃度n 拡散層を造り込んだ分だけより大きな内部
抵抗が得られ、高い静電破壊耐性の半導体装置が得られ
るという効果が得られる。
【0033】また、本発明による製造方法では、製造過
程に加わる熱履歴が従来技術の製造方法と何ら変わらな
いようにできるため、製造後のトランジスタ特性の変化
をもたらさないようにして製造することができ、また、
浅い高濃度n+拡散層等のドレインを構成する層の形成
後にエッチング処理を行うことを必須としないため、ジ
ャンクションリークによる歩留まり低下を引き起こすこ
とがないようにして製造することができる。
【0034】
【実施例】[第1の参考例] 図1〜2を参照して、第1の参考例の半導体装置を説明
する。図1〜2は、上記説明のとおりであるが、より詳
細には、次のとおりである。
【0035】素子分離絶縁膜12及びPウェル13が半
導体基板11に直接形成されている。ゲート絶縁膜1
4、低濃度n-拡散層16及び高濃度n+拡散層20は、
それぞれ、Pウェル13の表面に直接積層して形成され
ている。ゲート電極15は、ゲート絶縁膜14の表面に
直接積層して形成されている。層状のシリサイド21
は、高濃度n+拡散層20の表面に直接積層して形成さ
れている。サイドウォール19は、低濃度n-拡散層1
6の表面に直接積層して形成されている。層間絶縁膜2
2は、素子分離絶縁膜12、ゲート電極15、サイドウ
ォール19、シリサイド21を被覆するように形成され
ている。コンタクトプラグ23は、層間絶縁膜22の厚
さ方向に層間絶縁膜22を貫くと共に、シリサイド21
に直接接触して形成されている。配線24は、層間絶縁
膜22の表面に露出したコンタクトプラグ23に直接接
触すると共に層間絶縁膜22の表面に形成されている。
【0036】次に、図3〜8を参照して、本参考例の半
導体装置の製造方法を説明する。なお、以下の製造方法
においては、製造途中の未完成の半導体装置(半導体装
置前駆体)であっても、上記完成後の半導体装置で用い
ている名称を用いて説明する場合がある。図3〜8は、
本参考例の半導体装置を製造する工程における半導体装
置前駆体のトランジスタ前駆体部分ないし半導体装置の
トランジスタ部分の、半導体基板に対して垂直方向の断
面図である。
【0037】まず図3に示すように、半導体基板11上
に選択的に素子分離絶縁膜12が形成され、次にPウェ
ル13を形成するためのイオン注入が行われ、ゲート絶
縁膜14とゲート電極15を形成する。素子分離絶縁膜
12は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon:シ
リコンの局所酸化)法やSTI(Shallow Trench Isolati
on)法によって形成され、ゲート絶縁膜は、例えば、W
ET酸化法により40オングストローム(4nm)の厚
さで形成され、ゲート電極には、リンをドーピングした
多結晶シリコン、あるいは、リンをドーピングした多結
晶シリコン上にタングステンシリサイド(WSi)が形
成されたポリサイドが用いられる。そして低濃度n-
散層16を形成するためのイオン注入を、例えばヒ素を
10keVのエネルギーで1×1014/cm2のドーズ
量で行う。また、短チャネル効果を抑制する為に、逆導
電型イオンを用いたポケット注入が、例えばBF2を3
0keVで1×1013/cm2のドーズ量で行われる。
【0038】次に、図4に示すように、素子分離絶縁膜
12、低濃度n-拡散層16及びゲート電極15を被覆
するように絶縁膜17を堆積させる。この絶縁膜は、例
えば酸化膜を用い、1000オングストローム(0.1
μm)の厚さで形成される。
【0039】この後、図5に示すように、リソグラフィ
ー技術を用い、入出力回路部のNMOSトランジスタの
ドレイン側にレジストマスク18を形成する。このレジ
ストマスク幅は、例えば、0.05μmの重ね合わせ精
度に対して、1.0μmのレジストマスク幅というよう
に、リソグラフィー時の重ね合わせ精度に対して十分に
大きくとる必要がある。
【0040】そのようにしないと、レジストマスク幅に
対してリソグラフィーの重ね合わせ精度が大きい場合、
図1の様に1つのドレイン領域に対して2つのトランジ
スタを設置した時、片方のトランジスタに電流が集中し
やすくなり、静電破壊耐性の低下を招くおそれがある。
【0041】この後、図6に示すように全面をエッチバ
ックすることにより、ゲート電極側壁にサイドウォール
19が形成される。この時、図5で示したようなレジス
トマスクを設置しないで全面をエッチバックした場合に
製造されるトランジスタは、ドレイン側のサイドウォー
ルの幅とゲート側のサイドウォールの幅が同じであり、
従来技術の製造方法で形成されたサイドウォールと何ら
変わらないサイドウォールが形成される。しかし、図5
で示したようなレジストマスクを設置して全面をエッチ
バックした場合に製造されるトランジスタは、ドレイン
側のサイドウォールの幅がゲート側のサイドウォールの
幅よりも長く形成されている。
【0042】この後は、従来技術の製造方法と同様の製
造方法によって、図7に示すようにイオン注入が行われ
高濃度n+拡散層20が形成される。このイオン注入
は、例えば、ヒ素を40keVで5×1015/cm2
ドーズ量で行われる。その後、シリサイド化処理が行わ
れ、高濃度n+拡散層20とゲート電極15上に層状の
シリサイド21が形成される。このシリサイド化処理
は、チタンやコバルト等の金属を成膜し、ハロゲンラン
プを用いたアニールを行い、未反応金属の除去を行うこ
とにより形成される。上述のように、シリサイド化処理
が行われた後に、図8に示すように層間絶縁膜22が形
成され、さらにコンタクトプラグ23及び配線24が形
成される。
【0043】以上述べたように、本参考例の製造方法に
よれば、半導体装置の入出力回路部のNMOSトランジ
スタのドレイン側サイドウォールの幅を内部回路のNM
OSトランジスタのソース側サイドウォールの幅に比べ
て長く形成することが可能である。上記本参考例の製造
方法により製造されたトランジスタは、図5で示したよ
うなレジストマスクを設置しないで全面をエッチバック
した場合に製造されるトランジスタよりも、ドレイン側
低濃度n-拡散層が長く形成されている分大きな内部抵
抗が得られるので、上記本参考例の製造方法により静電
破壊耐性の強い半導体装置を提供することができる。
【0044】また、この製造方法では、製造過程に加わ
る熱履歴が従来技術の製造方法と何ら変わらないため、
トランジスタ特性の変化をもたらさず、また、浅い高濃
度n +拡散層の形成後にエッチング処理を行わないた
め、ジャンクションリークによる歩留まり低下を引き起
こすことがない。上記では、本発明をNMOSトランジ
スタに適用した場合について説明を行ったが、PMOS
に対しても同様に適用が可能である。
【0045】[第2の参考例] 前記第1の参考例では、入出力回路のNMOSトランジ
スタのドレイン側サイドウォールをドレイン領域側に延
伸して形成した場合について述べたが、入出力回路部の
NMOSトランジスタのドレイン側サイドウォールをド
レイン領域側に延伸して形成すると同時にドレイン領域
にシリサイド化されない領域を形成することも可能であ
る。
【0046】図9は、第2の参考例の半導体装置の、シ
リサイド層に対して垂直方向から視た入出力回路部のN
MOSトランジスタ部分の平面図(但し、層間絶縁膜2
2及び配線24を除く。)である。図10は、図9のA
−A’線矢視断面図(但し、層間絶縁膜22及び配線2
4を含む。)である。
【0047】半導体基板11上に、素子分離絶縁膜1
2、Pウェル13、ゲート絶縁膜14、ゲート電極1
5、低濃度n-拡散層16、絶縁膜17、サイドウォー
ル19、高濃度n+拡散層20、シリサイド21、層間
絶縁膜22、コンタクトプラグ23、配線24が形成さ
れている。このうち、トランジスタのドレイン領域にお
けるドレイン側サイドウォールの幅が、内部回路のソー
ス領域のサイドウォールの幅より長い構造となっている
と共に、ドレイン領域にシリサイド化を行わない領域が
形成されている。
【0048】即ち、第1の参考例の半導体装置におい
て、ドレイン領域には、Pウェル13の表面に高濃度n
+拡散層が積層され、この高濃度n+拡散層の表面に層状
のシリサイドが形成されていたが、本参考例では、高濃
度n+拡散層の一部の代わりに低濃度n-拡散層が積層さ
れ、この低濃度n-拡散層の表面に絶縁膜17が積層さ
れている。そして、絶縁膜17は、層間絶縁膜で被覆さ
れるように形成されている。
【0049】なお、シリサイド化を行った高濃度n+
散層の層抵抗は、10Ω/□程度であるが、シリサイド
化を行わない高濃度n+拡散層の層抵抗は、100Ω/
□程度となり、高抵抗が得られる。
【0050】本参考例の半導体装置は、第1の参考例の
半導体装置の製造方法の、絶縁層17を形成した後にレ
ジストマスク18をドレイン側に形成する工程におい
て、レジストマスクをドレイン領域にも設けること以外
は、第1の参考例の半導体装置の製造方法と同様の製造
方法によって製造することが可能となる。よって、これ
以上の詳細な製造方法の説明は省略する。このような第
2の参考例の半導体装置の製造方法によれば、シリサイ
ド化を行わない高濃度n+拡散層を用いた高抵抗素子を
内部回路にも配置が可能である。
【0051】また、ゲート電極の形成に多結晶シリコン
を用いている場合、ゲート電極を形成するための層であ
る多結晶シリコン層上の所定の位置(ドレイン領域に相
当する領域の一部)にレジストマスクを形成することに
より、ゲート電極の形成に便乗して、前記ゲート電極を
形成するための層の一部をドレイン領域の一部にも残存
させた高抵抗素子の形成も可能となっている。
【0052】本参考例の製造方法では、第1の参考例の
効果に加え、各々のトランジスタに外部抵抗を付加する
ことが可能となり、静電破壊耐性がさらに強い半導体装
置を提供することができる。
【0053】[第の実施例] 図11〜12を参照して、第の実施例の半導体装置に
ついて説明する。図11は、本発明の第の実施例の半
導体装置の、シリサイド層に対して垂直方向から視た入
出力回路部のNMOSトランジスタ部分の平面図(但
し、層間絶縁膜22及び配線24を除く。)である。図
12は、図11のA−A’線矢視断面図(但し、層間絶
縁膜22及び配線24を含む。)である。
【0054】半導体基板11上に、素子分離絶縁膜1
2、Pウェル13、ゲート絶縁膜14、ゲート電極1
5、低濃度n-拡散層16、サイドウォール19、高濃
度n+拡散層20、シリサイド21、層間絶縁膜22、
コンタクトプラグ23、配線24が形成されている。こ
のうち、サイドウォール19は、第1絶縁膜17aと第
2絶縁膜17bの多層膜からなり、トランジスタのドレ
イン側サイドウォールを形成する第1絶縁膜17aの幅
(ドレイン側サイドウォールの長手方向に対して直角方
向の長さ)が、内部回路の(ソース領域側の)サイドウ
ォールの幅よりも長い構造となっている。なお、より詳
細には、次のとおりである。
【0055】素子分離絶縁膜12及びPウェル13が半
導体基板11に直接形成されている。ゲート絶縁膜1
4、低濃度n-拡散層16及び高濃度n+拡散層20は、
それぞれ、Pウェル13の表面に直接積層して形成され
ている。ゲート電極15は、ゲート絶縁膜14の表面に
直接積層して形成されている。高濃度n+拡散層20の
表面には、膜状のシリサイド21とサイドウォールの一
部(最下層)を構成する第1絶縁膜17aが直接積層し
て形成されている。第1絶縁膜17aは、また、低濃度
-拡散層16の表面にも直接積層して形成されてい
る。
【0056】ドレイン側サイドウォールの一部(最上
層)を構成する第2絶縁膜17bの幅(第2絶縁膜17
bの長手方向に対して直角方向の長さ)は、低濃度n-
拡散層16の幅(低濃度n-拡散層16の長手方向に対
して直角方向の長さ)とほぼ同じ長さである。層間絶縁
膜22は、素子分離絶縁膜12、ゲート電極15、サイ
ドウォール19、シリサイド21を被覆するように形成
されている。コンタクトプラグ23は、層間絶縁膜22
の厚さ方向に層間絶縁膜22を貫くと共に、シリサイド
21に直接接触して形成されている。配線24は、層間
絶縁膜22の表面に露出したコンタクトプラグ23の露
出面に直接接触すると共に層間絶縁膜22の表面に形成
されている。
【0057】次に、本実施例の半導体装置の製造方法を
図13〜18を用いて説明する。図13〜18は、本発
明の一実施例の半導体装置を製造する工程における半導
体装置前駆体ないし半導体装置のトランジスタ部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【0058】まず図13に示すように、半導体基板11
上に選択的に素子分離絶縁膜12が形成され、次にPウ
ェル13を形成するためのイオン注入が行われ、ゲート
絶縁膜14とゲート電極15を形成する。素子分離絶縁
膜12は、LOCOS(LocalOxidation of Silicon)法
やSTI(Shallow Trench Isolation)法によって形成さ
れ、ゲート絶縁膜は、例えば、WET酸化法により40
オングストローム(4nm)の厚さで形成され、ゲート
電極には、リンをドーピングした多結晶シリコン、ある
いは、リンをドーピングした多結晶シリコン上にタング
ステンシリサイド(WSi)が形成されたポリサイドが
用いられる。
【0059】そして低濃度n-拡散層16を形成するた
めのイオン注入を、例えばヒ素を10keVのエネルギ
ーで1014/cm2のドーズ量で行う。また、短チャネ
ル効果を抑制する為に、逆導電型イオンを用いたポケッ
ト注入が、例えばBF2を30keVで1013/cm2
ドーズ量で行われる。
【0060】次に、図14に示すように、ゲート電極を
被覆するように第1絶縁膜17aを堆積させ、第1絶縁
膜17aを被覆するように第2絶縁膜17bを堆積させ
る。この第1絶縁膜は、例えば窒化膜を用い50オング
ストローム(5nm)の厚さで形成され、また、第2絶
縁膜は、例えば、酸化膜を用い、950オングストロー
ム(95nm)の厚さで形成される。
【0061】この後、図15に示すように第2絶縁膜1
7bをエッチバックしてサイドウォールの一部(第2絶
縁膜の残存部)を形成すると共に第1絶縁膜17aを露
出させる。露出させた第1絶縁膜の表面の一部分であっ
て、入出力回路部のNMOSトランジスタのドレイン側
に相当する領域に、リソグラフィー技術を用いてレジス
トマスク18を形成する。
【0062】前記レジストマスク幅は、例えば、0.0
5μmの重ね合わせ精度に対して、1.0μmのレジス
トマスク幅というように、リソグラフィー時の重ね合わ
せ精度に対して十分に大きくとる必要がある。そのよう
にしないと、レジストマスク幅に対してリソグラフィー
の重ね合わせ精度が大きい場合、図11の様に1つのド
レイン領域に対して2つのトランジスタを設置した時、
片方のトランジスタに電流が集中しやすくなり、静電破
壊耐性の低下を招くおそれがある。
【0063】この後、レジストマスク18を設けた第1
絶縁膜をエッチングすることにより、図16に示すよう
にゲート電極のソース側及びドレイン側の両方の側壁に
サイドウォール19の一部(最下層部)が形成される。
即ち、図15で示したようなレジストマスク18を設け
て第1絶縁膜をエッチングして、図16に示すようにソ
ース側のサイドウォールの幅よりもかなり長い幅でドレ
イン側に第1絶縁膜を残存させる。この残存した第1絶
縁膜は、ドレイン側に残存している第2絶縁膜と共にド
レイン側サイドウォールを構成する。
【0064】ソース側サイドウォールとドレイン側サイ
ドウォールは、それぞれ、低濃度n -拡散層16の表面
に直接積層する第1絶縁膜の残存部分と、前記第1絶縁
膜の残存部分の表面に直接積層する第2絶縁膜の残存部
分から成る。そして、ドレイン側サイドウォールの第1
絶縁膜の残存部分の幅は、ソース側サイドウォールの第
1絶縁膜の残存部分の幅よりもかなり長い。
【0065】なお、第1絶縁膜のエッチング時に図15
で示したようなレジストマスクが設置されない場合は、
従来技術の製造方法で形成されたサイドウォールと何ら
変わらないサイドウォールが形成される。即ち、ソース
側サイドウォールの幅とドレイン側サイドウォールの幅
がほぼ等しく形成される。しかし、レジストマスク18
が設置された場合には、ドレイン側のレジストマスク1
8が設置された領域の分だけ第1絶縁膜が余分に残存す
る。
【0066】この後は、従来技術の製造方法と同様に、
図17に示すようにイオン注入が行われ高濃度n+拡散
層20が形成される。なお、ドレイン側サイドウォール
を形成した領域のうちで、前記ドレイン側サイドウォー
ルの厚さが厚い部分の下層側には、低濃度n-拡散層が
残存した。
【0067】前記イオン注入は、例えば、ヒ素を40k
eVで5×1015/cm2のドーズ量で行う。この後、
シリサイド化処理が行われ、高濃度n+拡散層20の露
出面とゲート電極15の露出面上にシリサイド21が形
成される。このシリサイド化処理は、チタンやコバルト
等の金属を成膜し、ハロゲンランプを用いたアニールを
行い、未反応金属の除去を行うことにより形成される。
第1絶縁膜のエッチング工程でレジストマスク18を設
置したことにより、ドレイン側の第1絶縁膜が残存する
領域では、第1絶縁膜の残存部分が存在するため、シリ
サイド化反応は起こらない。その後、図18に示すよう
に、層間膜絶縁膜22が形成され、さらにコンタクトプ
ラグ23及び配線24が形成される。
【0068】以上述べたように、本実施例の製造方法に
よれば、半導体装置の入出力回路部のNMOSトランジ
スタのドレイン側サイドウォールを構成する第1絶縁膜
を内部回路のNMOSトランジスタのサイドウォールに
比べて長く形成することが可能であり、この様なトラン
ジスタは、延伸された第1絶縁膜下に形成されシリサイ
ドが形成されていない高濃度n+拡散層が長く形成され
ている分大きな内部抵抗が得られる。
【0069】第1、第2の参考例では、増加したトラン
ジスタの内部抵抗は、伸延されたサイドウォール下の低
濃度n-拡散層抵抗であり、この低濃度n-拡散層は、非
常に浅く、高抵抗にできているので、高電流が流れた際
の発熱による接合破壊が懸念されるが、本実施例では、
増加したトランジスタの内部抵抗は、延伸された第1絶
縁膜下に形成される高濃度n+拡散層であり、高濃度n+
拡散層は、低濃度n-拡散層に比べて、接合深さが深
く、抵抗も低いため、高電流が流れた際の発熱による接
合破壊の可能性を低くすることが出来、静電破壊耐性の
強い半導体装置を提供することができる。
【0070】この製造方法では、製造過程に加わる熱履
歴が従来技術の製造方法と何ら変わらないため、トラン
ジスタ特性の変化をもたらさず、また、極めて浅い高濃
度n +拡散層の形成後にエッチング処理を行わないた
め、ジャンクションリークによる歩留まり低下を引き起
こすことがない。
【0071】上記では、NMOSトランジスタに適用し
た場合について説明を行ったが、PMOSに対しても同
時に適用が可能である。また、本実施例では、サイドウ
ォールを形成する絶縁膜が2層からなる場合について説
明したが、3層以上の場合についても適用が可能であ
る。
【0072】更に、第1絶縁膜をエッチングする際にド
レイン領域にレジストマスクを配置することにより、第
2の参考例のようにトランジスタの内部抵抗の増加とド
レイン領域への抵抗素子の配置が同時に可能となる。上
記各参考例及び実施例の製造方法によれば、製造工程の
熱履歴を変えることなく、また、高濃度n+拡散層の形
成後にエッチング工程を追加することなく静電破壊耐性
の強い高品質な半導体装置を製造することができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下記記載の効果を奏する。
【0074】即ち、本発明の半導体装置の第1の効果
は、静電破壊耐性が強く高品質であるということにあ
る。本発明の半導体装置の第2の効果は、前記第1の効
果に加えて、さらに、(a)トランジスタ特性を変化さ
せる熱処理を必須とすることなく製造することができる
構成を有すること、及び、(b)高濃度n+拡散層等の
ようなソースやドレインを構成する層の形成後にエッチ
ング工程を追加することを必須とすることなく製造する
ことができる構成を有すること、のうちの少なくとも1
以上を満足することができるということにある。
【0075】その第1の理由は、本発明の半導体装置
が、少なくともドレイン領域にシリサイド層を有するト
ランジスタを備える半導体装置であって、前記トランジ
スタのドレイン側サイドウォール絶縁層は2層以上の
絶縁層の積層体層であり、前記積層体層のうちの少なく
とも一層は、静電破壊耐性が得られる0.2μm以上の
幅で形成されており、かつ、前記少なくとも一層の絶縁
層下に、高濃度拡散層が形成されているようにしている
からである。
【0076】その第2の理由は、本発明の半導体装置
が、少なくともドレイン領域にシリサイド層を有するト
ランジスタを備える半導体装置であって、前記トランジ
スタのドレイン側サイドウォール絶縁層は2層以上の
絶縁層の積層体層であり、前記積層体層のうちの少なく
とも一層は、静電破壊耐性が得られる前記トランジスタ
のソース側サイドウォール絶縁層の幅の2倍以上の幅で
形成されており、かつ、前記少なくとも一層の絶縁層下
に、高濃度拡散層が形成されているようにしているから
である。
【0077】本発明の半導体装置の製造方法の第1の効
果は、静電破壊耐性の強い高品質な半導体装置を製造す
ることができるということにある。また、本発明の半導
体装置の製造方法の第2の効果は、前記第1の効果に加
えて、さらに、(a)トランジスタ特性を変化させる熱
処理を必須とすることなく製造することができること、
及び、(b)高濃度n+拡散層等のようなソースやドレ
インを構成する層の形成後にエッチング工程を追加する
ことを必須とすることなく製造することができること、
のうちの少なくとも1以上を満足して半導体装置を製造
することができるということにある。
【0078】その第1の理由は、本発明の半導体装置の
製造方法が、少なくともドレイン領域にシリサイド層を
有するトランジスタを形成するトランジスタ形成工程を
有する半導体装置の製造方法であって、前記トランジス
タのドレイン側サイドウォール絶縁層を2層以上の絶
縁層の積層体層で形成し、前記2層以上の絶縁体層のう
ち最下層側の少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られ
る0.2μm以上の幅で形成し、かつ、前記少なくとも
一層の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成するようにして
いるからである。
【0079】その第2の理由は、本発明の半導体装置の
製造方法が、少なくともドレイン領域にシリサイド層を
有するトランジスタを形成するトランジスタ形成工程を
有する半導体装置の製造方法であって、前記トランジス
タのドレイン側サイドウォール絶縁層を2層以上の絶
縁層の積層体層で形成し、前記2層以上の絶縁体層のう
ち最下層側の少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られ
る前記トランジスタのソース側サイドウォール絶縁層の
幅の2倍以上の幅で形成し、かつ、前記少なくとも一層
の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成するようにしている
からである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、参考例の半導体装置の、シリサイド層
に対して垂直方向から視た入出力回路部のNMOSトラ
ンジスタ部分の平面図(但し、層間絶縁膜22及び配線
24を除く。)である。
【図2】図2は、図1のA−A’線矢視断面図(但し、
層間絶縁膜22及び配線24を含む。)である。
【図3】図3は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置前駆体のトランジスタ前駆体部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図4】図4は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置前駆体のトランジスタ前駆体部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図5】図5は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置前駆体のトランジスタ前駆体部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図6】図6は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置前駆体のトランジスタ前駆体部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図7】図7は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置前駆体のトランジスタ前駆体部分の、
半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図8】図8は、参考例の半導体装置を製造する工程に
おける半導体装置のトランジスタ部分の、半導体基板に
対して垂直方向の断面図である。
【図9】図9は、第2の参考例の半導体装置の、シリサ
イド層に対して垂直方向から視た入出力回路部のNMO
Sトランジスタ部分の平面図(但し、層間絶縁膜22及
び配線24を除く。)である。
【図10】図10は、図9のA−A’線矢視断面図(但
し、層間絶縁膜22及び配線24を含む。)である。
【図11】図11は、本発明の第の実施例の半導体装
置の、シリサイド層に対して垂直方向から視た入出力回
路部のNMOSトランジスタ部分の平面図(但し、層間
絶縁膜22及び配線24を除く。)である。
【図12】図12は、図11のA−A’線矢視断面図
(但し、層間絶縁膜22及び配線24を含む。)であ
る。
【図13】図13は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置前駆体のトランジスタ
前駆体部分の、半導体基板に対して垂直方向の断面図で
ある。
【図14】図14は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置前駆体のトランジスタ
前駆体部分の、半導体基板に対して垂直方向の断面図で
ある。
【図15】図15は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置前駆体のトランジスタ
前駆体部分の、半導体基板に対して垂直方向の断面図で
ある。
【図16】図16は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置前駆体のトランジスタ
前駆体部分の、半導体基板に対して垂直方向の断面図で
ある。
【図17】図17は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置前駆体のトランジスタ
前駆体部分の、半導体基板に対して垂直方向の断面図で
ある。
【図18】図18は、本発明の一実施例の半導体装置を
製造する工程における半導体装置のトランジスタ部分
の、半導体基板に対して垂直方向の断面図である。
【図19】図19は、従来の半導体装置(従来例1)の
NMOSトランジスタの形成部分を、シリサイド層に対
して垂直方向から視た平面図(但し、層間絶縁膜22及
び配線24を除く)である。
【図20】図20は、図19のA−A’線に沿った矢視
方向の断面図(但し、層間絶縁膜22及び配線24を含
む。)である。
【図21】図21は、従来の半導体装置(従来例2)の
NMOSトランジスタの形成部分を、シリサイド層に対
して垂直方向から視た平面図(但し、層間絶縁膜22及
び配線24を除く)である。
【図22】図22は、図21のA−A’線による矢視断
面図(但し、層間絶縁膜22及び配線24を含む。)で
ある。
【符号の説明】
19 サイドウォール 21 シリサイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8234 - 21/8238 H01L 21/336 H01L 27/085 - 27/092 H01L 29/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともドレイン領域にシリサイド層を
    有するトランジスタを備える半導体装置であって、 前記トランジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層
    2層以上の絶縁層の積層体層であり、前記積層体層の
    うちの少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られる0
    2μm以上の幅で形成されており、かつ、前記少なくと
    も一層の絶縁層下に、高濃度拡散層が形成されている
    とを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】少なくともドレイン領域にシリサイド層を
    有するトランジスタを備える半導体装置であって、 前記トランジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層
    2層以上の絶縁層の積層体層であり、前記積層体層の
    うちの少なくとも一層は、静電破壊耐性が得られる前
    トランジスタのソース側サイドウォール絶縁層の幅の2
    倍以上の幅で形成されており、かつ、前記少なくとも一
    層の絶縁層下に、高濃度拡散層が形成されていることを
    特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】少なくともドレイン領域にシリサイド層を
    有するトランジスタを形成するトランジスタ形成工程を
    有する半導体装置の製造方法であって、前記 トランジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層
    2層以上の絶縁層の積層体層で形成し、前記2層以上
    の絶縁体層のうち最下層側の少なくとも一層は、静電破
    壊耐性が得られる0.2μm以上の幅で形成し、かつ、
    前記少なくとも一層の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくともドレイン領域にシリサイド層を
    有するトランジスタを形成するトランジスタ形成工程を
    有する半導体装置の製造方法であって、前記 トランジスタのドレイン側サイドウォール絶縁層
    2層以上の絶縁層の積層体層で形成し、前記2層以上
    の絶縁体層のうち最下層側の少なくとも一層は 、静電破
    壊耐性が得られる前記トランジスタのソース側サイドウ
    ォール絶縁層の幅の2倍以上の幅で形成し、かつ、前記
    少なくとも一層の絶縁層下に、高濃度拡散層を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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