JP3419582B2 - 高強度アルミニウム基複合材料の製造方法 - Google Patents

高強度アルミニウム基複合材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金の切削粉末を用いた高強度アルミニウム基
複合材料の製造方法に関し、さらに詳しくは、車両用の
エンジン部品、ネジ、リベット類、その他機械部品等に
使用される高強度、高弾性、耐摩耗性、低熱膨張等の特
性を有するアルミニウム基複合材料の製造方法であっ
て、メカニカルアロイング処理を利用し、アルミニウム
又はアルミニウム合金の切削粉末をリサイクル使用可能
なアルミニウム基複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】粒子分散
型複合材料の特性を向上させるためには、分散相として
の強化粒子がマトリックス中に均一に分散していること
が何より重要である。従来、粒子分散型複合材料の製造
においては一般に鋳造法が用いられているが、アルミニ
ウム及びアルミナをそれぞれマトリックス及び分散相の
原料として用いる場合、アルミナとアルミニウム溶湯と
は濡れ性が悪く、他の高弾性セラミックに比べて安価な
アルミナ粒子を均一に分散させることが困難である。
【0003】近年、メカニカルアロイングの技術を用い
て合金を製造する方法が検討されており、上記粒子分散
型複合材料の製造にもメカニカルアロイングが応用され
ている。例えば、特開昭60−9837号には、メカニ
カルアロイングを利用した金属マトリックスと補強相粒
子とからなる複合材料の製造について開示されており、
ここでは予めメカニカルアロイングにより補強相粒子と
しての炭化ケイ素又は炭化ホウ素等の硬い粒子をマトリ
ックスにより被覆した複合粉を作製し、この複合粉を2
次的材料として用いて通常の粉末治金の技術に従って複
合材料を製造することが提案されている。また特開昭6
0−131943号及び特開平6−93361号には、
同様にメカニカルアロイングによって製造される耐熱
性、耐摩耗性アルミニウム合金について開示されてい
る。しかしながら、これらのメカニカルアロイングの技
術を用いて製造された複合材料においては、概して延性
が低下し、脆くなる傾向を示していた。
【0004】また、アルミニウムマトリックス中に分散
材が均一に分散した複合粉末を得るためには、一般的に
平均粒径が20μm程度のアルミニウム粉末が用いられ
ている。しかし、その粉末を作製するために、ガスアト
マイズ、エアアトマイズ、水アトマイズ等の粉末製造プ
ロセスが必要となるため、メカニカルアロイングと併せ
ての複合粉末製造コストが高くなるという欠点があり、
より低コストでアルミニウム基複合材料を製造できる方
法が求められている。
【0005】従って、本発明の目的は、メカニカルアロ
イング処理を利用して、アルミ建材の製造工程で多量に
発生するアルミニウム又はアルミニウム合金の切削粉末
をリサイクル使用でき、微細な強化粒子がアルミニウム
又はアルミニウム合金マトリックス中に均一に分散さ
れ、高強度、高弾性、耐摩耗性、低熱膨張等の特性を有
し、しかも従来のメカニカルアロイングによって製造さ
れた複合材料に比べて延性や靭性に優れたアルミニウム
基複合材料を安価に製造できる方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、前記のような高強度アルミニウム
基複合材料を製造する方法が提供され、その方法は、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金の切削粉末、又は該粉
末とアルミナ粒子の混合粉を、炭素含有化合物の助剤の
存在下にメカニカルアロイング処理を施した後、加熱下
加圧加工する、例えば圧粉成形後、熱間押出、鍛造、圧
延又は連続摩擦圧接等の加工を行うことを特徴とする。
上記炭素含有化合物の助剤としては、有機溶剤や切削油
等を用いることができる。 特に、前記アルミニウム又は
アルミニウム合金の切削粉末が、切削油が付着している
5mm以下の切削粉末の場合、他の助剤を添加すること
なくそのままメカニカルアロイング処理することができ
る。 このような本発明の方法の第1の態様によれば、
ルミニウム又はアルミニウム合金マトリックス中に、酸
化アルミニウム粒子及び炭化アルミニウム粒子が分散し
てなり、マトリックスの平均粒径が5μm以下であり、
分散する酸化アルミニウム粒子及び炭化アルミニウム粒
子の平均粒径が共に100nm以下であることを特徴と
する高強度アルミニウム基複合材料が提供される。好適
な態様においては、分散する酸化アルミニウム粒子の体
積率Vfm1及び炭化アルミニウム粒子の体積率Vfm
2が共に5%未満であることが望ましい。
【0007】さらに本発明の第2の態様(アルミナ粒子
を添加した場合)によれば、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金マトリックス中に、第1酸化アルミニウム粒
子、炭化アルミニウム粒子及び該第1酸化アルミニウム
粒子より大きい平均粒径を有する第2酸化アルミニウム
粒子が分散してなり、マトリックスの平均粒径が5μm
以下であり、分散する第1酸化アルミニウム粒子及び炭
化アルミニウム粒子の平均粒径が共に100nm以下で
あり、第2酸化アルミニウム粒子の平均粒径が5μm以
下であることを特徴とする高強度アルミニウム基複合材
料が提供される。この場合にも、好適には、分散する第
1酸化アルミニウム粒子の体積率Vfm1及び炭化アル
ミニウム粒子の体積率Vfm2が共に5%未満であり、
さらに第2酸化アルミニウム粒子の体積率Vfsが30
%未満であることが望ましい。前記いずれの態様の場合
にも、Vfm1+Vfm2が0.5%より大きく、8%
未満であることが望ましい。
【0008】
【発明の作用及び態様】本発明の方法によれば、前記の
ように、アルミニウム又はアルミニウム合金の切削粉末
マトリックス粉末を炭素含有化合物の助剤の存在下
にメカニカルアロイング処理を施すものであるため、上
記マトリックス粉末が機械的に摩砕され、生成したより
微細なアルミニウム粒子が大気中の酸素によって酸化さ
れて酸化アルミニウム(Al23)粒子(以下、第1酸
化アルミニウム粒子という)を生成すると共に、一部は
上記炭素含有化合物の炭素と化合して炭化アルミニウム
(Al43)粒子を生成し、図1に概略的に示すよう
に、摩砕された微細なマトリックス粒子中に、これら生
成したより微細な第1酸化アルミニウム粒子及び炭化ア
ルミニウム粒子が均一に分散した複合粉末が得られる。
なお、生成した第1酸化アルミニウム粒子及び炭化アル
ミニウム粒子は、メカニカルアロイング処理によってマ
トリックス結晶粒中に練り込まれるものと考えられる。
また、マトリックス粉末に予め強化粒子としてアルミナ
粒子(以下、第2酸化アルミニウム粒子という)を添加
した混合粉を上記と同様にメカニカルアロイング処理す
ることにより、図2に概略的に示すように、摩砕された
微細なマトリックス粒子間に摩砕された微細な上記第2
酸化アルミニウム粒子が分散すると共に、上記と同様に
メカニカルアロイング処理によって生成したより微細な
第1酸化アルミニウム粒子及び炭化アルミニウム粒子が
マトリックス粒子中に均一に分散した複合粉末が得られ
る。
【0009】従って、前記のような複合粉末を、例えば
圧粉成形後、熱間押出、鍛造、圧延、連続摩擦圧接(押
出)等の加工を行うことにより、高強度、高弾性、耐摩
耗性、低熱膨張等の特性を有し、しかも従来のメカニカ
ルアロイングによって製造された複合材料に比べて延性
や靭性に優れ、室温での伸びが3%以上のアルミニウム
基複合材料が得られる。特に、メカニカルアロイング処
理に先立ってマトリックス粉末に強化粒子としてのアル
ミナ粒子を添加しておくことによって、得られるアルミ
ニウム基複合材料の特性をさらに向上させることができ
る。なお、炭素含有化合物の助剤は、前記のように炭化
アルミニウム粒子生成のための炭素源として供されるほ
か、焼付き防止剤として機能し、メカニカルアロイング
処理において良好な機械的摩砕作用を確保できる。
【0010】前記したように、本発明に係るアルミニウ
ム基複合材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金粒
子から成るマトリックスと、第1の態様においては、メ
カニカルアロイング処理の際に生成された第1酸化アル
ミニウム(Al23)粒子及び炭化アルミニウム(Al
43)粒子から成る分散強化材、第2の態様においては
これらの粒子に加えてさらにメカニカルアロイング処理
に先立ってマトリックス粉末に予備混合された第2酸化
アルミニウム粒子から成る分散強化材で構成されてい
る。複合材料中のマトリックス粒子の平均粒径は5μm
以下とする必要があり、より好ましくは1μm以下であ
る。
【0011】一方、メカニカルアロイング工程で生成さ
れる上記第1酸化アルミニウム(Al23)粒子及び炭
化アルミニウム(Al43)粒子はマトリックス中に均
一に分散し、強化材の役目を果たす。これら生成される
第1酸化アルミニウム粒子の体積率Vfm1及び炭化ア
ルミニウム粒子の体積率Vfm2は共に5%未満であ
り、しかもその平均粒径は100nm以下、好ましくは
50nm以下であることが望ましい。Vfm1又はVf
m2が5%以上になると、過度の微細分散により、得ら
れる複合材料の延性が低下してしまい、所期の特性が達
成でき難くなる。また、それらの平均粒径は細かい方が
望ましく、100nmを超えると強度上昇に効果が無く
なる。前記体積率に関しては、さらに0.5%<Vfm
1+Vfm2<8%の範囲内にあることが望ましい。生
成した強化粒子の全体の体積率が0.5%以下では、得
られる複合材料の強度が不充分となり、逆に8%以上で
は延性が低下する恐れがある。
【0012】前述したように、粒子分散型複合材料にお
いては、マトリックス中に強化粒子が均一に分散してい
ることが強度上昇にとって重要となる。本発明における
アルミニウム基複合材料においては、アルミニウム又は
アルミニウム合金マトリックス粒子中に前記したような
平均粒径の第1酸化アルミニウム粒子及び炭化アルミニ
ウム粒子が前記した体積率で均一に分散されるが、これ
らの生成粒子の平均粒子間距離は0.02〜1.5μm
の範囲内にあることが望ましい。特に0.02〜0.2
μmの範囲が好ましい。この平均粒子間距離が0.02
μm未満であると、得られる複合材料の延性の低下、脆
化を招き、一方、1.5μmより大きくなると、逆に機
械的強度の上昇が不充分となり、極端な場合は靭性が著
しく低下してしまう。
【0013】本発明の第2の態様においては、マトリッ
クスとなる前記アルミニウム又はアルミニウム合金の切
粉末のほかに、強化材としてアルミナ粉末が添加さ
れ、一緒にメカニカルアロイング処理され、複合粉末が
製造される。添加された第2酸化アルミニウム粒子は、
最終的に5μm以下、好適には1μm以下の平均粒径を
有してマトリックス中に分散されるように調整される。
第2酸化アルミニウム粒子の平均粒径が5μmを超える
と、マトリックスの微細化とヤング率の向上には寄与す
るが、分散強化機構による強度向上効果に乏しくなる。
また、得られる複合材料の延性、靭性、加工性が低下す
るという問題も生じる。複合材料中の第2酸化アルミニ
ウム粒子の体積率Vfsは30%未満であることが望ま
しい。Vfsが30%以上になると、複合材料の脆化を
招き、所期の機械的強度と弾性特性を得ることが困難と
なる。
【0014】上記第2の態様においても、メカニカルア
ロイング工程で第1酸化アルミニウム(Al23)粒子
及び炭化アルミニウム(Al43)粒子が生じるが、複
合材料中のこれらの粒径、体積率は前記第1の態様の場
合と同様である。また、これら第1酸化アルミニウム粒
子及び炭化アルミニウム粒子並びにメカニカルアロイン
グ処理に先立って添加された第2酸化アルミニウム粒子
の間の各々の平均粒子間距離も、前記したところと同じ
理由により、0.02〜1.5μmに調整されているこ
とが望ましい。特に、生成粒子の平均粒子間距離は0.
02〜0.2μm、生成粒子と添加された粒子の間の平
均粒子間距離は0.05〜1.5μmが好ましい。すな
わち、各強化粒子間の平均粒子間距離が0.02μmの
場合には複合材料の延性の低下、脆化を生じ易く、一
方、1.5μmを超えると逆に機械的強度の向上が不充
分となり、極端な場合は靭性が著しく低下してしまう。
【0015】前記したような複合材料中のマトリックス
粒子や強化粒子の平均粒径、強化粒子の体積率や平均粒
子間距離は、メカニカルアロイングの処理条件、特に処
理時間によって適宜制御できる。以下、本発明のアルミ
ニウム基複合材料の製造方法について説明すると、ま
ず、アルミニウム又はアルミニウム合金の切削粉末或い
はその混合粉末に、必要に応じて助剤及びアルミナ粉末
を予備混合した後、該粉末を所定条件の下でメカニカル
アロイング処理し、複合粉末とする。次に、得られた複
合粉末を、圧粉容器に充填、脱ガス後、又はそのまま、
従来公知の熱間押出、鍛造、圧延等の加工を施して目的
とするアルミニウム基複合材料を製造する。バッチ処理
以外にも、連続摩擦圧接(押出)法により連続的にも製
造可能である。上記製造工程において、脱ガスや圧粉工
程等は大気中、真空中或いは非酸化性雰囲気に制御され
るが、メカニカルアロイング処理においては雰囲気制御
は必須では無く、処理時間とアロイング条件を選択する
ことにより、生成する第1酸化アルミニウム粒子及び炭
化アルミニウム粒子の粒径並びにそれらの体積率Vfm
1、Vfm2を制御することができる。
【0016】マトリックスの素材としては、アルミニウ
又はアルミニウム合金の切削粉末或いはそれらの混合
物等が用いられる。特に、アルミ建材の製造工程で多量
に発生する再溶解に不適な5mm以下のサイズの切削粉
を用いることができる。メカニカルアロイング処理の
助剤としては、エタノール、ヘプタン、その他の各種有
機溶剤が使用できる。特に本発明においては、水溶性の
切削油が付着した切削粉末を用いることができる。この
ような切削粉末は、それに付着している切削油を助剤と
して活用でき、メカニカルアロイング工程において適量
の焼付き防止剤として働くため、助剤の添加が不要であ
り、製造上極めて有利であり、複合材料を安価に製造で
きる。また、本発明の方法は、再溶解に不適な切削粉末
を利用できるため、資源のリサイクル使用の観点からも
有利である。なお、処理する混合粉に助剤を添加する場
合の使用量は、メカニカルアロイング処理によって生成
する炭化アルミニウム粒子の複合材料中の所望の体積率
に応じて適宜設定することができる。所望の体積率に応
じた助剤の使用量は、助剤中の炭素量から計算によって
概略値を求めることもでき、また予め予備実験によって
求めておくこともできる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0018】実施例1 水溶性切削油(コスモ石油社製、商品名パイオーカット
A−15)を用いて切削された6063アルミ合金切削
チップ、又は純アルミニウム粉末と、アルミナ粉末を全
体で1kgとなるよう秤量し、共にSUS304製の鋼
球とミル用ポットを用いて回転式ボールミルによって大
気雰囲気中で100rpm×24時間のメカニカルアロ
イング処理を施し、複合粉末を製造した。なお、純アル
ミニウム粉末を用いてメカニカルアロイング処理する場
合には、処理前に混合物中に助剤としてヘプタンを20
cc添加した。この量は導入される炭素量を0.4重量
%として計算した。次に、製造された複合粉末を回収
し、熱間押出機により500℃で圧粉成形を行い、続い
て押出比10:1、押出温度500℃で熱間押出を行
い、各種の複合材料を得た。以上の操作によって得られ
た複合材料についての材料構成を表1に示すが、No.
8及び9の試料はアルミニウム粉末又は6063合金粉
末と、アルミナ粉末を混合した後、メカニカルアロイン
グ処理を行わずに鋳造法によって製造されたものであ
る。
【表1】
【0019】表2は、メカニカルアロイング工程中に生
じたAl23粒子及びAl43粒子の複合材料中におけ
るそれぞれの体積率Vfm1、Vfm2、及び平均粒子
間距離、並びにメカニカルアロイング処理前に添加した
アルミナ粒子の平均粒子間距離を示したものである。な
お、No.1〜7の試料において生成されたAl23
子及びAl43粒子の平均粒径は、電子顕微鏡写真によ
る観察の結果、いずれも約30nmであった。表2から
明らかなように、メカニカルアロイングによって生成す
るAl23粒子及びAl43粒子の体積率(生成量)
は、添加したアルミナ粒子の体積率Vfsには影響を受
けず、マトリックスとなる材料に一義的に依存している
ことがわかる。
【表2】
【0020】表3は、製造された複合材料の室温におけ
るそれぞれの引張強度、ヤング率及び延びの測定結果を
示したものである。
【表3】 表3から明らかなように、鋳造法により製造されたN
o.8及び9の試料は引張強度が著しく劣り、またヤン
グ率も本発明の方法によって製造された試料と比べて低
い。本来、アルミニウム又はアルミニウム合金とアルミ
ナとの濡れ性は悪く、鋳造法のみで製造されたそれらの
複合材料ではアルミナ粒子が均一に分散されず、またメ
カニカルアロイング処理を施していないため、強化材と
してのAl23粒子及びAl43粒子が生成されないこ
とにより、このような脆い複合材料となってしまったと
思われる。No.の試料に関しては、ヤング率は向上
したものの、引張強度が劣っており、伸び率も悪い。こ
れは、予備混合したアルミナ粒子の体積率が本発明で規
定する好適な量(30%未満)を超える35%であるた
め、複合材料の脆化が起きたためと考えられる。一方、
No.の試料が引張強度、ヤング率、伸びの全ての測
定結果に関して同様な材料構成のNo.及びの試料
の測定値に比べていずれもやや劣る理由としては、表2
から明らかなように、製造された複合材料中のアルミナ
粒子が大き過ぎてしまい、材料を脆弱にしてしまったた
めと考えられる。
【0021】また、表3に示す結果から明らかなよう
に、同じような条件のメカニカルアロイング処理によっ
て生成するAl23粒子及びAl43粒子の粒径及び体
積率を同じように調整しても、マトリックス素材として
6063合金切削粉末を用いた場合、純アルミ粉末を用
いた場合に比べてより高強度の複合材料が得られた。以
上の通り、強化材としてのAl23粒子やAl43粒子
の粒径、粒子間距離、及びそれらの体積率によって、製
造される複合材料の強度、弾性等が大きな影響を受け、
従って、それらの値をメカニカルアロイング処理により
前記所望の範囲になるように調整することによって、強
度、弾性等の機械的性質に優れた高性能な複合材料が得
られることが確認された。
【0022】実施例2 前記試料No.の材料構成の混合粉と、アルミナ粉末
を添加しない6063アルミ合金切削チップをそれぞれ
用い、前記実施例1と同様にして種々の時間メカニカル
アロイング処理を行った後、前記実施例1と同じ条件で
圧粉成形及び熱間押出を行ってアルミニウム基複合材料
を製造した。製造されたアルミニウム基複合材料の、引
張強度とメカニカルアロイング処理時間との関係を図3
に示す。図3から明らかなように、メカニカルアロイン
グ処理時間が6時間、特に10時間を超えると、製造さ
れる複合材料の引張強度が急激に増大し、また24時間
を超えるとほぼ飽和状態に達することがわかる。従っ
て、メカニカルアロイング処理時間は6時間以上、好ま
しくは10時間以上であることが望ましく、特に好まし
くは24時間あるいはそれ以上である。また、アルミナ
粉末を添加しないで6063合金切削チップのみを用い
て24時間メカニカルアロイング処理を行い、前記実施
例1と同じ条件で圧粉成形及び熱間押出を行って製造し
たアルミニウム基複合材料について、生成Al23粒子
及びAl43粒子の複合材料中におけるそれぞれの体積
率Vfm1、Vfm2、及び平均粒子間距離並びに複合
材料の機械的性質を表4に示す。
【表4】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によって得
られるアルミニウム基複合材料は、微細な酸化アルミニ
ウム及び炭化アルミニウム強化粒子をアルミニウム又は
アルミニウム合金マトリックス中に均一に分散させたも
のであり、高強度、高弾性、耐摩耗、低熱膨張等の特性
に優れ、室温での伸びが3%以上にもなる。また、本発
明に係る複合材料は、従来のメカニカルアロイングによ
って製造される複合材料に比べ、格段に延性、靭性に優
れており、しかも安価に提供される。特に、アルミニウ
ム建材の製造において生じる切削粉末をマトリックス材
料として用いる場合、切削粉末に付着している切削油が
適量の焼付き防止剤として働くので、該切削粉末をその
ままメカニカルアロイング処理に用いることができる。
その結果、アルミニウム基複合材料を低コストで製造で
きる。さらに、本発明による複合材料を、アルミニウム
建材において現在使用されているアルミニウム又はアル
ミニウム合金以外の部品、例えばアルミサッシにおける
クレセント、ビス等のステンレス製部品の製造に用い、
このような建材を完全アルミ化することにより、不用と
なったアルミニウム建材を解体する際、部品の取外しを
行わずにそのまま再加工し、また発生する切削粉末は再
び本発明に係るアルミニウム合金マトリックスとして再
利用することもできる。従って、アルミニウム建材を有
効にリサイクル使用できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミニウム基複合材料の一つの態様
の組織を概略的に示す模式図である。
【図2】本発明のアルミニウム基複合材料の別の態様の
組織を概略的に示す模式図である。
【図3】実施例2において製造されたアルミニウム基複
合材料の引張強度とメカニカルアロイング処理時間との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/10 B22F 1/00 C22C 1/05 C22C 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金の
    粉末、又は該粉末とアルミナ粒子の混合粉を、炭素含
    有化合物の助剤の存在下にメカニカルアロイング処理を
    施した後、加熱下加圧加工することを特徴とする高強度
    アルミニウム基複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記助剤が有機溶剤又は切削油である請
    求項に記載の方法。
  3. 【請求項3】 メカニカルアロイング処理によって得ら
    れた複合粉末を、大気中、真空中あるいは非酸化性雰囲
    気中で圧粉成形した後、熱間押出、鍛造、圧延又は連続
    摩擦圧接の加工を行う請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム又はアルミニウム合金
    の切削粉末が5mm以下のサイズの切削粉末であり、か
    つ、前記助剤が該切削粉末に付着している切削油である
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
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