JP3419302B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
無段変速機の変速制御装置Info
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- JP3419302B2 JP3419302B2 JP6348598A JP6348598A JP3419302B2 JP 3419302 B2 JP3419302 B2 JP 3419302B2 JP 6348598 A JP6348598 A JP 6348598A JP 6348598 A JP6348598 A JP 6348598A JP 3419302 B2 JP3419302 B2 JP 3419302B2
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Description
れる無段変速機の変速制御装置の改良に関するものであ
る。
従来からベルト式やトロイダル式等があり、これら無段
変速機の変速制御装置では、車速VSPとスロットル開
度TVO(またはアクセルペダルの踏み込み量)に応じ
て目標変速比または目標入力軸回転数を決定している。
このような変速制御装置では、アクセルペダルを踏み込
んだ際の加速を円滑に行うために、過渡状態の変速比を
運転状態に応じて制御するものが知られており、例え
ば、特開昭59−144849号等がある。
は目標エンジン回転数をスロットル開度TVOに応じて
予め設定しておき、実際の目標エンジン回転数を演算す
るもので、アクセルペダルを踏み込んで加速する踏み増
し変速(またはキックダウン変速)状態では、図15に
示すように、アクセルペダルを踏み込んだ時間t0から
所定時間が経過した時間t1までは、それまでの目標エ
ンジン回転数Notを保持した後、時間t1ではスロッ
トル開度TVOに応じた目標エンジン回転数Not2と
加速を開始したときの目標エンジン回転数Not1の中
間に、ステップ的に増大する目標エンジン回転数Not
3を設定する。そして、時間t1から時間t2にかけて
は、スロットル開度TVOに応じた目標エンジン回転数
Not3まで徐々に近づけている。
から、スロットル開度TVOに応じたマップ値である目
標エンジン回転数Not2まで移行する途中で、ステッ
プ的に増大させる目標エンジン回転数Not3を、 Not3=Not1+B(Not2−Not1) ………(1) より演算し、また、時間t1から時間t2までの目標エ
ンジン回転数Notの変化速度を、 Not=Not+C1(Nos−Not)+c2 ………(2) より演算している。
は目標エンジン回転数のマップ値である。
来の無段変速機の変速制御装置にあっては、加速開始時
の目標エンジン回転数Not1から、一旦、目標エンジ
ン回転数Not3までステップ的に上昇させた後、ラン
プ関数等によってスロットル開度TVOに応じた目標エ
ンジン回転数Not2まで徐々に変化させているが、上
記目標エンジン回転数Not3は、上記(1)式より目
標エンジン回転数Not1、Not2と定数Bの割合に
よって変化するため、最終的な目標値であるNot2の
大小に応じてNot3も変化するため変速初期の変速量
も変動して、例えば、スロットル開度TVOが大きい場
合には、目標エンジン回転数Not3も増大して、変速
ショックが大きくなり、逆に、スロットル開度TVOが
小さい場合には、目標エンジン回転数Not3も低く設
定されるため、加速に要する駆動力が不足して、運転者
が期待する加速感が得られないという問題がある。
t3から目標エンジン回転数時間Not2までのランプ
速度を、変速ショックを抑制するためなどで遅く設定す
ると、アクセルペダルを踏み込んでから加速度のピーク
が現れるまでの時間が遅延して、運転者に違和感を与え
てしまうという問題があった。
t3やランプ速度の演算は、各定数を用いて行うため、
コントローラの演算付加が増大するのに加えて、車種毎
にチューニングを変更する場合には、各定数の設定を実
験などによって行うため、作業が繁雑になって多大な労
力及び時間を要するため、製造コストが増大するという
問題があった。
れたもので、アクセルペダルを踏み込んで加速する際
に、運転者が期待する加速感を確実に得るとともに、車
種毎のチューニングを容易かつ迅速に行うことを目的と
する。
に応じて目標入力軸回転数または目標変速比を設定する
とともに、実際の入力軸回転数または変速比が前記目標
値に一致するよう追従させる制御手段を備えた無段変速
機の変速制御装置において、運転状態に基づく目標入力
軸回転数未満の所定値を切り換え回転数として設定する
切り換え回転数設定手段と、実目標入力軸回転数が前記
切り換え回転数を超えると、目標変速比を前記所定値に
固定する制御切換手段とを備え、前記切り換え回転数設
定手段は、前記切り換え回転数を、前記無段変速機に連
結されたエンジンのトルク特性に基づいて、車速に応じ
たマップとして予め設定し、前記制御切換手段は、前記
実目標入力軸回転数が前記切り換え回転数以下のとき
に、切り換え回転数へ向けた変速を行う。
いて、前記制御手段は、運転状態として、少なくともア
クセルペダルの踏み込み量を検出するとともに、この踏
み込み量に基づいて踏み増し変速を判定し、前記制御切
換手段は、踏み増し変速が判定されたときに目標変速比
を所定値に固定する。
いて、前記制御切換手段は、運転状態に応じた目標変速
比に時定数処理を行って実目標回転数を演算する制御
と、目標変速比を所定値に固定する制御とを切り換え
る。
いて、前記制御手段は、運転状態として、少なくともア
クセルペダルの踏み込み量に加えて車速を検出するとと
もに、前記踏み増し変速の判定は、アクセルペダルの踏
み込み量の変化に加えて、車速が所定値以上のときに踏
み増し変速を判定する。
いて、前記制御手段は、変速レンジを切り換えるセレク
ト手段を備え、前記制御切換手段は、セレクト手段が選
択した変速レンジに応じて切り換え回転数を変更する。
回転数が増大する場合には、切り換え回転数よって変速
途中からは変速比が固定となるため、変速比が固定され
た状態では、実目標入力軸回転数の変化速度が小さくな
ってピーク加速度を得ることができ、変速ショックを抑
制しながら運転者の期待に応じた加速感を発生すること
が可能となり、例えば、アクセルペダルを踏み込んで目
標回転数を上昇させる踏み増し変速では、運転者の期待
に応じた加速感を得ることが可能となって、前記従来例
に比して、踏み増し変速の際の運転性を向上させると同
時に、実目標入力軸回転数を切り換え回転数によって制
御するようにしたため、車種毎に異なる変速特性を設定
する場合であっても、切り換え回転数の設定を変更する
だけで容易かつ迅速にマッチングさせることができ、変
速特性のチューニングに要する作業を簡易にして、製造
コストの低減を図ることが可能となる。
み込み量に基づいて踏み増し変速が判定されたときに制
御の切り換えが行われるため、変速途中からは変速比が
固定となって直線的に車速が増大することにより、従来
の遊星歯車式の自動変速機から乗り換えた運転者に対し
ても、違和感のない加速感を与えることが可能となり、
無段変速機を備えた車両の運転性を向上させることが可
能となる。
は、制御の切り換え前は時定数によって、例えば、一次
遅れの実目標入力軸回転数として演算され、制御の切り
換え後は固定した目標変速比に対応する入力軸回転数を
実目標入力軸回転数とすることで、制御の切り換え前に
は、時定数によって緩やかに変速することで、変速ショ
ックを緩和する一方、制御切換後は、固定した変速比に
よって直線的に車速を増大させることにより、運転者の
期待に応じた加速感を得ることが可能となって、無段変
速機を備えた車両の運転性を向上させることが可能とな
る。
を、アクセルペダルの踏み込み量の変化に加えて、車速
が所定値以上となったことから踏み増し変速を判定する
ため、発進加速時では、通常の変速制御によって目標入
力軸回転数を速やかに上昇させて、迅速な加速を行うこ
とができ、アクセルペダルの踏み込み量の変化が同様で
あっても、走行中の踏み増し変速と発進加速を区別して
運転者の意図に応じた変速制御を行うことができる。
した変速レンジ、例えば、Dレンジ、2レンジ、1レン
ジの変速レンジを選択可能な場合には、2レンジ、1レ
ンジについても、それぞれ異なる切り換え回転数を設定
することで、変速レンジに応じた加速処理を行うことが
でき、無段変速機を備えた車両の運転性をさらに向上さ
せることが可能となる。
図面に基づいて説明する。
ャビティのトロイダル型を採用した無段変速装置1に本
発明を適用した一例を示し、トルクコンバータ12及び
前後進切換装置40を介して、無段変速機10へエンジ
ンの駆動力が入力される。
トローラ2の指令値に応動するステップモータ61が、
油圧制御装置4を介して無段変速機10の変速比を制御
するものである。
ルの第1トロイダル変速部18と第2トロイダル変速部
20を備え、組の入出力ディスクを備えたダブルキャビ
ティ型で構成した例を示し、入出力ディスクの間に挟持
されたパワーローラの傾転角θを油圧制御装置4によっ
て変更することで、連続的な変速を行うことができる。
セルペダル(図示せず)操作に応動するスロットル開度
TVO(又はアクセルペダル開度ACS)と、エンジン
回転数Neをエンジン制御コントローラ3から読み込む
とともに、無段変速機10の入力軸回転センサ6が検出
した入力軸回転数Nt、出力軸回転センサ7が検出した
出力軸回転数No、変速レンジを切り換えるシフトレバ
ー5(セレクト手段)に応動するセレクトスイッチ(図
示せず)から、運転者が設定したシフト位置Posをそ
れぞれ読み込んで、後述するように、予め設定した変速
マップから運転状態に応じた目標入力軸回転数RREV
を求めて、アクチュエータとしてのステップモータ61
へ目標変速比RTOとPI制御等によるフィードバック
制御量に応じた制御量ASTP(ステップ数)を指令す
るものである。
変速制御の一例について、図2〜図7のフローチャート
を参照しながら以下に詳述する。
されるサブルーチンで、図2は運転状態を検出する信号
計測部、図3は検出した運転状態に応じて変速比を決定
する変速制御部、図4は変速比に応じたステップモータ
61の制御量を出力する信号出力部で、図5〜図7は、
変速制御部を構成する変速判断部、踏み込み変速処理
部、制御量演算部をそれぞれ示す。
1で、エンジンの運転状態としてエンジン制御コントロ
ーラ3よりスロットル開度TVO、エンジン回転数Ne
を読み込む一方、無段変速機10から入力軸回転数N
t、出力軸回転数Noを読み込む。
Noに変換定数Aを乗じて車速VSPを得るとともに、
入力軸回転数Ntと出力軸回転数Noの比から実変速比
RRTOをそれぞれ演算する。さらに、スロットル開度
TVOとエンジン回転数Neから、予め設定したマップ
に基づいてエンジンの出力トルクTeを求め、これに予
め設定したマップに基づいてトルクコンバータ12のト
ルク比t(Nt/Ne)を乗じたものを無段変速機10
の推定入力軸トルクTinとして演算する。
ップS1、S2で求めた運転状態に基づいて行われる変
速制御の概要を示すものである。
状態に応じて目標入力軸回転数マップ値RREV00を
演算して、1次遅れの目標入力軸回転数RREVから目
標変速比RTOを演算する。なお、アクセルペダルを踏
み込んだ状態であれば、図6の踏み込み変速処理へ進ん
で、後述するように、過渡的な目標入力軸回転数RRE
V0を求める。
記ステップS3で求めた目標変速比RTOにトロイダル
型無段変速機10のトルクシフト補償を行ってから、ス
テップモータ61の制御量ASTPの演算を行う。
のステップS5で出力され、ステップモータ61が油圧
制御装置4を駆動して、トロイダル型無段変速機10の
パワーローラの傾転角θを変更するのである。
は、図5に示すように構成され、まず、ステップS10
では、図8に示すように予め設定されたマップより、ス
ロットル開度TVOをパラメータとして、図中実線から
車速VSPに応じた目標入力軸回転数マップ値RREV
00を演算する。
度TVOの変化量が所定値を超えて増大し、かつ、車速
VSPが所定値VSPth以上であれば、踏み増し変速で
あると判定し、踏み増し変速の場合にはステップS12
の処理へ進む一方、そうでない場合には、ステップS1
3へ進んで、目標入力軸回転数マップ値RREV00を
目標入力軸回転数RREV0とする。
テップS12では、後述するような処理を行って、目標
入力軸回転数RREV0を演算する。
御時の実目標入力軸回転数RREVを前回値RREVol
dへ格納した後、ステップS15で、一次遅れの時定数
Krに所定値K1を代入してから、ステップS16で、
上記1次遅れ時定数Kr、目標入力軸回転数RREV
0、前回制御時の実目標入力軸回転数RREVoldよ
り、次式に基づいて1次遅れの実目標入力軸回転数RR
EVを演算する。
目標入力軸回転数RREVの関係は、実目標入力軸回転
数RREVがマップ値RREV0に向けて漸増し、ステ
ップモータ61を目標入力軸回転数マップ値RREV0
へ向けて徐々に追従させる。
転数RREVを出力軸回転数Noで除して実目標変速比
RTO00を求めてから、ステップS18では、この実
目標変速比RTO00が所定の最Low変速比LmtL
ow及び最Hi変速比LmtHiを超えないように、次
式によってリミッタ処理を施したものを実目標変速比R
TO0とする。
で、maxは2つの値のうち大きい方を選択する関数であ
る。
変速機10で機構的に決定される最Low変速比Lmt
Lowと最Hi変速比LmtHiの間に設定される。
み増し変速処理について、図6を参照しながら詳述す
る。
えるための切り換え回転数RREVLMTを、図8の変
速マップにおいて一点鎖線で示したtNtlimit線か
ら、検出した車速VSPに基づいて求める。
0で求めた切り換え回転数RREVLMTが、図5のス
テップS16で求めた実目標回転数RREV以上である
か否かを判定し、切り換え回転数RREVLMTが実目
標回転数RREV以上であればステップS22へ進む一
方、そうでない場合にはそのまま処理を終了する。
第1回目であるか否かを、フラグFLGkd=0である
ことより判定し、第1回目の処理あれば、ステップS2
6へ進んで、上記ステップS18で求めた実目標変速比
RTO0に、ステップS20で求めた切り換え回転数R
REVLMTに応じたホールド変速比RTOHOLDを
代入する。そして、フラグFLGkd=1にセットして
メインルーチンへ復帰する。なお。ホールド変速比RT
OHOLDは、RTOHOLD=RREVVLMT/N
oで決定される値である。
グFLGkd=1より、ステップS22の判定からステ
ップS23へ進み、前回の処理で設定したホールド変速
比RTOHOLDに出力軸回転数Noを乗じて、踏み増
し変速処理による目標入力軸回転数RREV0を逆算す
る。
3で求めた目標入力軸回転数RREV0が、上記ステッ
プS10で求めた目標入力軸回転数マップ値RREV0
0を超えたか否かを判定し、目標入力軸回転数RREV
0が目標入力軸回転数マップ値RREV00を超えてい
れば、ステップS25へ進む一方、目標入力軸回転数R
REV0が目標入力軸回転数マップ値RREV00以下
の場合には、そのまま図6の処理を終了する。
目標入力軸回転数マップ値RREV00を超えた場合に
は、ステップS25へ進んで、マップ値RREV00を
目標入力軸回転数RREV0に設定するとともに、フラ
グFLGkd=0にリセットして踏み増し変速処理を終
了する。
上記ステップS20〜S26の処理によって、目標変速
比がホールド変速比RTOHOLDに固定された状態
で、目標変速比のマップ値、すなわち、目標入力軸回転
数マップ値RREV00に移行することになる。
述する。
無段変速機10に発生するトルクシフトによる影響を排
除するため、上記図ステップS18で求めた、実目標変
速比RTO0と、図2のステップS2で求めた推定入力
軸トルクTinから、図9に示すよう予め設定したマッ
プまたは関数に基づいてトルクシフト補償変速比RTO
1を求め、実目標変速比RTO0にトルクシフトによる
変動を加味する。なお、トルクシフトの補償について
は、本願出願人が提案した特願平9−43497等と同
様である。
フト補償変速比RTO1から、ステップモータ61の目
標制御量である目標ステップ数DSRSTPを、図10
に示すように、予め設定したマップまたは関数より求め
る。
標ステップ数DSRSTPと現在の制御量ASTP(ス
テップ数)から、ステップモータ61の応答速度に応じ
て制御量ASTPの演算が行われ、目標ステップ数DS
RSTPが現在の制御量ASTPよりも大きな場合は、
制御量ASTPを予め設定した制御量DSTPずつ目標
値DSRSTPまで増大する一方、目標ステップ数DS
RSTPが現在の制御量ASTPよりも小さな場合は、
制御量ASTPから予め設定した制御量DSTPずつ減
少させて目標値DSRSTPに一致させる。ただし、制
御量DSTPは単位時間当たりのステップ数を示し、ス
テップモータ61の速度特性に応じて予め設定したもの
である。
した制御量ASTPが、目標ステップ数DSRSTPよ
りも大きい場合には、目標ステップ数DSRSTPをそ
のまま制御量ASTPとし、同様に、予め設定した制御
量DSTPを減算した制御量ASTPが、目標ステップ
数DSRSTPよりも小さい場合には、目標ステップ数
DSRSTPをそのまま制御量ASTPとする。
たステップモータ61の制御量ASTPは、図4のステ
ップS5で出力されて、油圧制御装置4を介して無段変
速機10の変速機構を駆動して変速比を変更するのであ
る。
間毎に行うことで、定常走行中には通常の変速制御が行
われる一方、アクセルペダルが踏み込まれると、変速比
が一時的に固定される踏み増し変速制御が開始される。
いま、車速VSP=VSPx、スロットル開度TVO=
0/8、目標入力軸回転数RREV00=N1で走行し
ている場合、時間taでアクセルペダルを全開位置まで
踏み込んでスロットル開度TVO=8/8になると、上
記ステップS11で踏み増し変速が判定されて、上記ス
テップS20で求めた切り換え回転数RREVLMT
は、図11において、車速VSPxに対応したN2とな
り、実目標変速比RTO0はこの切り換え回転数RRE
VLMTを出力軸回転数Noで除したホールド変速比R
TOHOLDに固定される。
は、時間taから時間tbまでの間は、時定数K1によ
って切り換え回転数N2へ向けて緩やかに上昇した後、
固定されたホールド変速比RTOHOLDによって直線
的に車速VSPを増大して、時間tcでスロットル開度
TVO=8/8に対応した最終的な目標値である実目標
回転数RREV=N3に一致する。
そのときの車速VSPと、予め設定したtNtlimit線
から切り換え回転数RREVLMTが決定され、この切
り換え回転数RREVLMTからホールド変速比RTO
HOLDが決定される。
切り換え回転数N2までは、ステップS15、S16で
決定された時定数K1による1次遅れの実目標入力軸回
転数RREVで、図12に示すように、変速初期のショ
ックを防ぎながら緩やかに切り換え回転数N2へ移行す
る(図中時間ta〜tb)。
N2まで変速が行われた後は、変速開始時に決定したホ
ールド変速比RTOHOLDを維持して、直線的に車速
VSPを増大してスロットル開度TVO(=8/8)に
応じた目標入力軸回転数N3まで増大した後(時間t
c)に、通常の変速制御へ移行するのである。
図11において、目標回転数N1から切り換え回転数N
2を経て、ホールド変速比RTOHOLDに沿って直線
的に変化するが、実目標入力軸回転数RREVは、上記
したように、時定数K1による1次遅れが設定されてい
るため、変速中は目標入力軸回転数RREV0に一致す
ることなく遅れて追従し、最終的な目標値である回転数
N3に到達する。
から決まる切り換え回転数RREVLMTによって、変
速途中からは変速比が固定となるため、変速比が固定さ
れた状態では、図12の破線示す従来制御に比して、実
目標入力軸回転数RREVの変化速度が小さくなってピ
ーク加速度を得ることができ、変速ショックを抑制しな
がら運転者の期待に応じた加速感を与えることが可能と
なって、前記従来例に比して、踏み増し変速の際の運転
性を向上させることができる。
tlimit線と車速VSPに応じて決定される切り換え回
転数RREVLMTによって制御するようにしたため、
車種毎に異なる変速特性を設定する場合であっても、t
Ntlimit線を変更するだけで容易かつ迅速にマッチン
グさせることができ、変速特性のチューニングに要する
作業を簡易にして、製造コストの低減を図ることが可能
となるのである。
て直線的に車速VSPが増大するため、従来の遊星歯車
式の自動変速機から乗り換えた運転者に対しても、違和
感のない加速感を与えることが可能となり、無段変速機
を備えた車両の運転性を向上させることが可能となるの
である。
さい踏み増し変速の場合でも、切り換え回転数RREV
LMTによって目標入力軸回転数RREV0を増大させ
ることができるため、前記従来例のように、加速に要す
る駆動力が不足するようなことがなくなって、無段変速
機を備えた車両の運転性を向上させることが可能となる
のである。
開度TVOの変化量が所定値を超えて増大し、かつ、車
速VSPが所定値VSPth以上のときに判定するように
したため、車速VSP=0Km/hからの発進加速時では、
通常の変速制御によって目標回転数を速やかに上昇させ
て、迅速な加速を行うことができ、アクセルペダルの踏
み込み量の変化が同様であっても、走行中の踏み増し変
速と発進加速を区別して運転者の意図に応じた変速制御
を行うことができる。
は、上記切り換え回転数RREVLMTを決定するtN
tlimit線の変更に加えて、図12において、時定数k
1の値を変化させることで、変速ショックとピーク加速
度のバランスを調整することができる。なお、変速特性
のチューニングを行う際、時定数または時間のみで設定
する場合では、アクセルペダルを踏み込んでから増大す
る入力軸回転数の値を、常時正確に制御するのが難しい
という問題があるのに対し、本発明では、目標入力軸回
転数RREV0(目標変速比RTO0)で制御するた
め、制御の精度が向上するため、変速特性のチューニン
グ作業を容易にすることができるのである。
0に連結されるエンジンのトルク特性に応じて設定され
るもので、その一例について説明する。
VOが全閉(TVO=0/8)で目標入力軸回転数RR
EV0が回転数N1のときに、アクセルペダルが踏み込
まれてスロットル開度TVOが全開(TVO=8/8)
となる場合を考えると、まず、ホールド変速比RTOH
OLDへ移行する目標回転数N2を、次のように設定す
る。
ルク特性が、図13に示すような特性の場合、トルクコ
ンバータ12がロックアップ状態と仮定してエンジン回
転数Ne=入力軸回転数Ntとして扱うと、スロットル
開度TVO=0/8で運転状態のエンジン回転数N1で
発生するエンジントルクTeをTe1とし、このエンジ
ンの最大トルクをTe2とすると、切り換え回転数=目
標回転数N2に必要なエンジントルクTe3は、次式で
求められる。
13の場合ではCe=0.8に設定される。なお、この
定数Ceは、エンジンの特性や車種に応じたチューニン
グによって変更されるものである。
開度TVOが全開のときにエンジントルクTe3を実現
する目標回転数N2を決定することができる。
に示した走行抵抗相当のエンジン運転線と釣り合うエン
ジントルクTe1も増大するため、上記エンジントルク
Te3も車速VSPに伴って増大するから、tNtlimi
t線は目標回転数N2に必要なエンジントルクTe3が
エンジンの最大トルクTe2よりも低く設定し、かつ、
車速VSPの増大に応じて目標回転数N2も大きくなる
ように設定すればよい。すなわち、図8において、tN
tlimit線は車速VSPの増大に比例するよう、右上が
りに傾斜するようになる。
に、入力軸回転数Nt(または目標入力軸回転数RRE
V0)の変化量がばらついてしまうと、運転者に変速の
再現性がないという印象を与えてしまう場合があるの
で、図14に示すように、変速開始時の入力軸回転数N
1と切り換え回転数N2の差である変化量ΔNが、車速
VSPが増大して入力軸回転数N1’と切り換え回転数
N2’となった場合でも変化量ΔNがほぼ一定となるよ
うに、tNtlimit線を設定することで、運転性を向上
させることができる。
機10としてトロイダル型を採用した場合について述べ
たが、図示はしないが、Vベルト式を採用しても、上記
と同様の作用効果を得ることができる。
回転数RREVLMTを決定するtNtlimit線をひと
つ設定したが、シフトレバー5がDレンジに加えて、2
レンジ、1レンジ等の変速レンジを選択可能な場合に
は、2レンジ、1レンジについても、それぞれ異なるt
Ntlimit線を設定することで、変速レンジに応じた踏
み増し加速処理を行うことができる。
回転数RREVLMTを決定するtNtlimit線を直線
としたが、曲線としてもよく、また、関数またはマップ
として設定することができる。
成図。
示すフローチャートで、信号計測部を示す。
速制御部の概要を示す。
号出力部を示す。
を示すフローチャート。
チャート。
細を示すフローチャート。
VSPに応じた目標入力軸回転数マップ値RREV00
を設定する変速マップで、図中一点鎖線は、切り換え回
転数RREVLMTを設定するtNtlimit線である。
比RTO1の関係を示すマップ。
モータの制御位置FFSTPの関係を示すマップ。
速比の変化の様子を示す変速マップ。
の様子を示すグラフで、スロットル開度TVO及び実目
標回転数RREVと時間の関係を示す。
の特性曲線で、スロットル開度TVOをパラメータとし
た、スロットル開度TVOとエンジントルクTeの関係
を示すグラフである。
プである。
転数及びスロットル開度TVOと時間の関係を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】運転状態に応じて目標入力軸回転数または
目標変速比を設定するとともに、実際の入力軸回転数ま
たは変速比が前記目標値に一致するよう追従させる制御
手段を備えた無段変速機の変速制御装置において、 運転状態に基づく目標入力軸回転数未満の所定値を切り
換え回転数として設定する切り換え回転数設定手段と、 実目標入力軸回転数が前記切り換え回転数を超えると、
目標変速比を前記所定値に固定する制御切換手段とを備
え、 前記切り換え回転数設定手段は、前記切り換え回転数
を、前記無段変速機に連結されたエンジンのトルク特性
に基づいて、車速に応じたマップとして予め設定し、 前記制御切換手段は、前記実目標入力軸回転数が前記切
り換え回転数以下のときに、切り換え回転数へ向けた変
速を行う ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】前記制御手段は、運転状態として、少なく
ともアクセルペダルの踏み込み量を検出するとともに、
この踏み込み量に基づいて踏み増し変速を判定し、前記
制御切換手段は、踏み増し変速が判定されたときに目標
変速比を所定値に固定することを特徴とする請求項1に
記載の無段変速機の変速制御装置。 - 【請求項3】 前記制御切換手段は、運転状態に応じた
目標変速比に時定数処理を行って実目標回転数を演算す
る制御と、目標変速比を所定値に固定する制御とを切り
換えることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の
変速制御装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、運転状態として、少な
くともアクセルペダルの踏み込み量に加えて車速を検出
するとともに、アクセルペダルの踏み込み量の変化に加
えて、車速が所定値以上のときに踏み増し変速を判定す
ることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の変速
制御装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、変速レンジを切り換え
るセレクト手段を備え、前記制御切換手段は、セレクト
手段が選択した変速レンジに応じて切り換え回転数を変
更することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の
変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6348598A JP3419302B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 無段変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6348598A JP3419302B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 無段変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11257481A JPH11257481A (ja) | 1999-09-21 |
JP3419302B2 true JP3419302B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=13230605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6348598A Expired - Lifetime JP3419302B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 無段変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3419302B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4376034B2 (ja) | 2003-11-04 | 2009-12-02 | 本田技研工業株式会社 | 車両用無段変速機の制御装置 |
JP4941133B2 (ja) | 2007-07-03 | 2012-05-30 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用無段変速機の変速制御装置 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP6348598A patent/JP3419302B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11257481A (ja) | 1999-09-21 |
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