JP3417248B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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JP3417248B2
JP3417248B2 JP06730297A JP6730297A JP3417248B2 JP 3417248 B2 JP3417248 B2 JP 3417248B2 JP 06730297 A JP06730297 A JP 06730297A JP 6730297 A JP6730297 A JP 6730297A JP 3417248 B2 JP3417248 B2 JP 3417248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工用レーザ光の
集光装置に係り、特に2種類以上のレーザ光を合成する
と共に集光し、加工面に当該レーザ光を照射する集光装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、加工用レーザ光を用いた金属
加工(溶接、溶断、溶着等)が行われている。具体的な
レーザ光の種類としては、例えば炭酸ガスレーザやYA
Gレーザ等が使用されている。使用される技術分野とし
ては、例えば二輪車用アルミフレームの溶接や四輪車用
アルミ板金部品の溶接等である。そして、複数種類のそ
れぞれのレーザ光の特徴を生かすべく、2種類のレーザ
光を混合して加工に用いることが考えられている。
【0003】ここで、異なる種類の加工用レーザ光を加
工面に照射する場合には、所定の光学系でレーザ光を加
工面に導くと共に、当該加工面で焦点を結ばせる必要が
ある。このため、従来の発明では、光学系の途中に炭酸
ガスレーザとYAGレーザの内、いずれか一方を透過
し、他方を反射するようないわゆるハーフミラー等が用
いられている(図4参照)。具体的には、一方のレーザ
光をハーフミラーの背面側から照射し、他方のレーザ光
をハーフミラーの側方側から照射するものである(第1
の従来例)。
【0004】また、その他異なる種類のレーザ光を混合
するための光学系としては、図5に示すように、反射ミ
ラーに所定の貫通穴を形成し、この貫通穴を通して一方
のレーザ光を照射し、他方のレーザ光を反射ミラーの側
方から照射するものがある(第2の従来例)。更に、他
の光学系としては、図6に示すものも提案されている
(第3の従来例)。これは、基本的な構成を図5のもの
と共通としているが、反射ミラーの貫通穴の近傍で、一
方のレーザ光が焦点を結んでいる点が異なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例には以下のような不都合があった。即ち、第1の
従来例のように、炭酸ガスレーザとYAGレーザの内、
いずれか一方を透過し、他方を反射するようなハーフミ
ラーの製造は、現実には技術的に非常に困難である。ま
た、加工面におけるレーザ光は、光学系の屈折,反射に
よって導かれているので、異なるレーザ光が完全には混
合されておらず、レーザ光の照射範囲内でレーザ光の分
布が一様でない、という不都合を生じていた。特に、加
工面の位置が僅かに焦点位置からずれて、加工面に対す
るレーザ光の照射範囲が広がると、その影響は増大す
る。
【0006】また、第2の従来例にかかる光学系におい
ては、一方のレーザ光を反射ミラーの貫通穴に通す構造
であるために、きわめて精密な光軸調整が必要となり、
余り実用的とはいえない。また、加工面がレーザ光の焦
点位置から上下にずれると、各レーザ光はそれぞれ混合
されず、異種レーザ光を組み合わせて使用する効果が薄
れてしまう、という不都合を生じていた。
【0007】加えて、第3の従来例では、反射ミラーの
貫通穴近傍において一方のレーザ光の焦点を結ばせてい
るので、何らかの原因でレーザ光が反射ミラーの貫通穴
の周縁付近に照射されると、場合によっては反射ミラー
を破損することも考えられる。また、上記した第2の従
来例と同様に、反射ミラーの製造、調整や管理の困難性
の点からも実用的ではない、という不都合を生じてい
た。
【0008】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に異なるレーザ光を均一に混合し、レーザ
光による効率的な加工を可能とするレーザ加工装置を提
供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、異なる種類のレーザ光を送出する
レーザ光源と、各レーザ光に対応する少なくとも2つの
レンズ部材と備え、これら各レンズ部材として同一焦点
距離のものを用い、これら各レンズ部材を所定点で焦点
を結ぶように相互に組み合わせ集光レンズとし、この集
光レンズの下流側に、カライドスコープを備える、とい
う構成を採っている。
【0010】以上のように構成されたことで、各レーザ
光源から送り出されたレーザ光は各レンズ部材からなる
集光レンズに入射される。そして、集光レンズに入射さ
れた各レーザ光は、一点に集光される。そして、集光さ
れた点にはカライドスコープが配設されており、レーザ
光がカライドスコープ内を通過することによって均一に
混合される。そして、カライドスコープから放射された
レーザ光は、所定の光学系によって加工面に導かれ、加
工が行われる。このとき、各レーザ光は均一に混合され
ているので、それぞれのレーザ光の特性に基づいて適切
な加工がなされる。
【0011】また、各レーザ光源は、発振形態が相互に
異なるレーザ光を送出するものであり、一方が連続一定
出力のレーザ光を送出し、他方がパルス状のレーザ光を
送出するものである、としてもよい。連続一定出力のレ
ーザ光とパルス状のレーザ光とを組み合わせて用いる場
合には、低い出力で加工面を溶融させることができる。
即ち、瞬間的に高出力のレーザ光が加工面に照射される
と、加工面の表面が一部溶融する。すると、加工面は溶
融する前と比較して、レーザ光の吸収効率が向上する。
このため、出力の低い連続一定出力のレーザ光を照射し
た場合でも、加工面にレーザ光が効率的に吸収されるの
で、加工面の溶融領域が拡大する。
【0012】又は、カライドスコープの下流側には、カ
ライドスコープから放射された混合レーザ光を反射する
と同時に収束させる凹面鏡が配置された、としてもよ
い。ここで、カライドスコープの下流側で凹面鏡を用い
たのは、異なる波長のレーザ光を使用しているからであ
る。即ち、拡散するレーザ光を通常のレンズで集光しよ
うとする場合には、波長の異なるレーザ光を透過させる
と、同じ焦点距離を有するレンズを使用しても、色収差
に基づいて焦点が相互にずれるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。
【0014】本発明のレーザ加工装置1は、図1に示す
ように、異なる種類のレーザ光3L,5Lを送出するレ
ーザ光源3,5と、各レーザ光3L,5Lに対応する少
なくとも2つのレンズ部材7,9と備え、各レンズ部材
7,9を同一焦点距離で構成すると共に、これら各レン
ズ部材を所定点で焦点を結ぶように一体的に相互に組み
合わせて集光レンズ11とし、各レーザ光3L,5Lが
通過する集光レンズ11の下流側に、カライドスコープ
13を備える、という特徴を有している。尚、図1はレ
ーザ加工装置1の断面図を示しているが、レーザ光源
3,5及びカライドスコープ13については断面図とし
ていない。
【0015】以下これを詳述すると、レーザ光源3,5
は、相互に異なる種類のレーザ光3L,5Lを送出する
ものが装備されている(図1参照)。ここで、加工用に
一般的に用いられるレーザの種類としては、例えば、炭
酸ガスレーザ,YAGレーザなどがある。また、出力形
態としても種類があり、出力一定で連続的に送出される
ものやパルス状に送出されるものがある。本実施形態で
は、一例として、一方のレーザ光源3として炭酸ガスレ
ーザを用い、他方のレーザ光源5としてパルス状のYA
Gレーザを用いている。
【0016】次に、レーザ光源3,5の下流側に装備さ
れている集光レンズ11について説明する。集光レンズ
11は、レーザ光源3,5の平行なレーザ光3L,5L
を集光するものである。集光レンズ11の具体的構成
は、図2に示すようになっている。即ち、集光レンズ1
1は、一方のレーザ光3Lに対応する一方のレンズ部材
7と、他方のレーザ光5Lに対応する他方のレンズ部材
9からなる。各レンズ部材7,9は、半円状の凸レンズ
であり、一体的に組み合わせられると円形の凸状レンズ
となる。
【0017】各レンズ部材7,9の相互間には、所定の
仕切板15が設けられている。この仕切板15は、両レ
ンズ部材7,9を相互に結合する役割を有すると共に、
各レンズ7,9に入射されるレーザ光3L,5Lが乱反
射等して混じり合わないようにする役割をも有してい
る。従って、仕切板15の上端と下端は、集光レンズ1
1の表面中央部から突出している。また、各レンズ7,
9の焦点距離は同一に設定されている。これは、レンズ
7,9に入射されたレーザ光3L,5Lが所定の同一点
で焦点を結ぶようにするためである。例えば、本実施形
態では、焦点距離が約100〔mm〕のレンズ部材7,
9が用いられている。
【0018】また、各レンズ部材7,9の材質は、透過
するレーザ光3L,5Lの種類によって相互に異なって
いる。これは、例えばレーザ光源3,5として炭酸ガス
レーザとYAGレーザを用いる場合には、これらは相互
に波長が異なるために、同じ材質で同じ形状のレンズ部
材を用いると、いわゆる色収差の影響でこれらのレーザ
光3L,5Lの焦点を結ぶ位置が相互にずれてしまうか
らである。尚、同一種類のレーザ光を用いる場合には、
同一の材質で集光レンズを構成してもよい。即ち、レー
ザ光源3,5としてどちらもYAGレーザを用いる場合
には、パルス状のレーザ光と一定出力の連続的レーザ光
を照射しても、色収差の影響は生じないからである。
【0019】また、集光レンズ11は、円筒状のレンズ
支持部材17の内部に配置されている。このレンズ支持
部材17は、内周面の一方端が集光レンズ11の直径よ
り大きく形成されると共に、内周面の他方端は、集光レ
ンズ11の直径より小さく形成され、内周壁に棚状のレ
ンズ支持部19が形成されている。従って、レンズ支持
部材17の一方端から集光レンズ11を挿入すると、レ
ンズ支持部19に集光レンズ11の周囲部が担持され
る。これにより、集光レンズ11の光軸とレンズ支持部
材17の中心軸とがほぼ一致する。また、レンズ支持部
材17の内周面の一方端には、所定の雌ネジ構造21が
形成されている。
【0020】集光レンズ11がレンズ支持部19に担持
された後は、レンズ支持部材17の一方端から円筒状の
レンズ固定部材23が挿入される。このレンズ固定部材
23は、外周面に所定の雄ネジ構造25が形成されてお
り、上記したレンズ支持部材17の内周面の雌ネジ構造
21と相互に嵌合するようになっている。
【0021】次に、集光レンズ11の下流側に設けられ
ているカライドスコープ13について説明する。このカ
ライドスコープ13は、外形が円筒状であり、一方の端
部からレーザ光5L,5Lを入射して他方の端部から混
合レーザ光Lを放射する構造のものである。より具体的
には、図3に示すように、カライドスコープ13の内部
には、円形(楕円形の場合もある)断面を有する貫通孔
27が形成されている。そしてこの貫通孔27は所定の
鏡面となっている。即ち、この貫通孔27の断面の中心
を通るレーザ光は、全てその中心に戻るような形状とな
っている。そして、この貫通孔27に入射されたレーザ
光は、カライドスコープ13内で拡散と集光を繰り返
す。これによって、カライドスコープ13を通過した混
合レーザ光Lは断面方向に均一なエネルギ分布となるこ
とが知られている。
【0022】次に、カライドスコープ13の下流側の光
学系について説明する。カライドスコープ13の下流側
には、所定の凹面鏡29が配設されている。即ち、カラ
イドスコープ13から放射される混合レーザ光Lは、一
定の角度を持って広がるものであり、当該凹面鏡29は
これを反射すると同時に収束させるためのものである。
そして、この凹面鏡29は、混合レーザ光Lの進行方向
に対して約45度傾いている。従って、カライドスコー
プ13側から入射した混合レーザ光Lは、この凹面鏡2
9によって略直角に曲げられる。
【0023】次に、上記した凹面鏡29の下流側には、
所定の反射ミラー31が配設されている。この反射ミラ
ー31は、凹面鏡29側から入射された混合レーザ光L
を、更に所定の方向に曲げるためのものである。ここ
で、反射ミラー31は、凹面鏡29の方向に対して略4
5度の角度で傾いているので、混合レーザ光Lを直角に
反射させる。これと同時に、反射ミラー31は平面状で
あるので、上記した凹面鏡29で収束するように反射さ
れた混合レーザ光Lは、反射ミラー31でそのまま反射
され、更に下流側で完全に焦点を結ぶようになってい
る。
【0024】ここで、カライドスコープ13の下流側
で、凹面鏡29と反射ミラー31を用いたのは、異なる
波長のレーザ光3L,5Lを使用しているからである。
即ち、拡散するレーザ光を通常のレンズで集光しようと
する場合には、上記したように波長の異なるレーザ光を
透過させると、同じ焦点距離を有するレンズを使用して
も、色収差に基づいて焦点が相互にずれるからである。
但し、これは異なる波長を有する異種のレーザ光を使用
する場合である。例えば、異種レーザ光として、連続的
出力及びパルス的出力の2種類のYAGレーザを使用す
る場合には、発振形態は異なるが波長が同じであるの
で、この場合には、一般的な凸レンズで集光するように
してもよい。
【0025】次に、本発明にかかるレーザ加工装置1の
動作及び作用について説明する。
【0026】先ず、本発明では、異種レーザとして、Y
AGレーザと炭酸ガスレーザを用いる。YAGレーザ
は、パルス状の出力形態のものを用いる。具体的には、
いわゆるQスイッチ(図示略)を装備したレーザ光源5
であり、瞬間的なレーザ光5Lの出力は10KW相当に
達する場合がある。但し、このYAGレーザはパルス状
であるので、平均化した場合の消費電力自体は100W
程度に抑えられている。
【0027】一方、炭酸ガスレーザは連続的にレーザ光
3Lを放射するものであり、出力は約400W程度であ
る。そして、この炭酸ガスレーザとYAGレーザとが同
時に照射され、上記した集光レンズ11に入射される。
このとき、各レーザ光3L,5Lは、それぞれ別個に入
射される。この集光レンズ11に入射されたレーザ光3
L,5Lは、カライドスコープ13の一方の端部に集光
され、カライドスコープ13の貫通孔27内に導入され
る。
【0028】カライドスコープ27内では、レーザ光3
L,5Lはそれぞれ拡散,集光を繰り返しYAGレーザ
及び炭酸ガスレーザのレーザ光は均一に混同される。そ
して、カライドスコープ13の他方の端部から均一化さ
れた混合レーザ光Lが放射される。ここで、カライドス
コープ13の外部に放射された混合レーザ光Lは、所定
の角度をもって拡散するものであるが、カライドスコー
プ13の下流側に設けられている凹面鏡29に入射され
て、集光方向に偏向される。このとき、凹面鏡29はカ
ライドスコープ13からの混合レーザ光Lの方向に対し
て略45度傾いているので、混合レーザ光Lの全体が略
直角に曲げられる。
【0029】そして、曲げられた混合レーザ光Lは、更
に下流側に設けられている反射ミラー31に入射され、
ここでも略直角に曲げられる。反射ミラー31によって
反射された混合レーザ光Lは、レーザ加工装置1の外部
に放射されて、加工面33に照射される。
【0030】加工面31に混合レーザ光Lが照射される
と、加工面33の表面が溶融する。本発明のレーザ加工
装置1は、特にアルミニウムなどのように、レーザ光を
反射し易く、また熱伝導率が高く、溶接、溶断或いは溶
着等の加工が困難な材料の加工を容易にするものであ
る。即ち、パルス状のYAGレーザは瞬間の最大出力は
大きいものであるが、レーザ光5Lの照射自体は非連続
であるため、これだけでは継続的に加工面33を溶融さ
せることができない。一方、連続的な炭酸ガスレーザの
みを用いる場合にも、レーザの平均出力が低く設定され
ている場合には、加工面33を溶融させることは困難で
あり、実際に加工をするためには高出力の炭酸ガスレー
ザを用いなければならない。
【0031】しかし、連続的な炭酸ガスレーザとパルス
状のYAGレーザを組み合わせて用いる場合には、低い
出力で加工面33を溶融させることができる。即ち、瞬
間的に高出力のYAGレーザのレーザ光5Lが加工面3
3に照射されると、加工面33の表面が一部溶融する。
すると、加工面33は溶融する前と比較して、レーザ光
の吸収効率が向上する。このため、YAGレーザと組み
合わせて用いれば、出力の低い炭酸ガスレーザのレーザ
光3Lを照射した場合でも、この炭酸ガスレーザが加工
面33に効率的に吸収され、加工面33の溶融領域が拡
大する。
【0032】以上のように、連続的に照射される炭酸ガ
スレーザの出力は低く設定でき、またパルス状のYAG
レーザの出力も低く設定できるので、全体としては低い
消費電力でアルミニウム等の加工をすることができるこ
ととなる。ここで、実際の加工に際しては、加工面33
に対してレーザ加工装置1を移動させるか、またはレー
ザ加工装置1を固定して加工面33を移動する等の方策
をとる必要がある。
【0033】また、本発明では、加工面33の位置が混
合レーザ光Lの焦点位置から多少ずれた場合でも、適切
に加工をすることができる。即ち、本発明のレーザ加工
装置1では、連続的な炭酸ガスレーザとパルス状のYA
Gレーザとを組み合わせて照射する必要があるが、集光
レンズ11によって集光されたレーザ光3L,5Lと
は、カライドスコープ13を用いて均一に混合されてい
る。このため、加工面33が焦点位置からずれて加工面
33上の混合レーザ光Lの直径が肥大した場合でも、混
合レーザ光Lの各部は炭酸ガスレーザとYAGレーザと
が均一に混合されている。このことは、特に製造ライン
の自動化等を図る場合に有利となる。即ち、自動化の過
程においては、被加工物の位置決めが問題となるが、上
記のように加工面のズレ等が本発明によって許容される
からである。
【0034】以上は、異種レーザとして、連続的な炭酸
ガスレーザとパルス状のYAGレーザを用いる場合を説
明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即
ち、同じYAGレーザのレーザ光源を用い、一方のYA
Gレーザを連続的に照射し、他方のYAGレーザをパル
ス状に照射するようにしてもよい。この場合にも、連続
的なYAGレーザは、一旦溶融した加工面を継続的に溶
融させることができる出力のものであればよく、また、
パルス状のYAGレーザは、最高出力が加工面を溶融す
るのに充分な出力であれば、平均化した全体的な出力は
低いものであってもよい。また、パルス状のレーザ光を
送出するためには、上記したQスイッチを用いるものの
他、周波数変調によるものもある。即ち、レーザ光源の
発振器(図示略)の電流に対して所定の周波数変調を加
え、レーザ光をパルス状にするものである。周波数変調
を加えたパルス状のレーザ光の瞬間最高出力は、レーザ
光源の平均出力の数倍程度であるが、一定出力のレーザ
光と併用することにより、適切な加工は可能である。
【0035】また、両レーザ光源として、YAGレーザ
を用いる場合には、上記したように波長の違いによる色
収差の作用を考慮する必要はないので、集光レンズは一
般的な凸レンズを使用することができ、また、カライド
スコープから放射された光を集光するのも一般的な凸レ
ンズであってもよい。加えて、一つのYAGレーザのレ
ーザ光源を用いて、いわゆるシャッタ機構等を装備し
て、連続的なレーザ光とパルス状のレーザ光を同時に送
出するように構成することも考えられる。
【0036】以上説明したように、本発明は、異種レー
ザ光として、波長が相互に異なるものが同時に使用でき
ることに加え、連続的レーザ光とパルス状レーザ光の組
み合わせ,連続的レーザ光と変調パルス状レーザ光の組
み合わせや、場合によってはパルス状レーザ光と変調パ
ルス状レーザ光を組み合わせることも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上のように異なる種類のレ
ーザ光源を均一に混合して加工面を加工するので、それ
ぞれのレーザ光の特性を併せ持ったレーザ光を生み出す
ことができる。このため、従来加工が困難であった材料
に対しても容易に加工をすることができる、という優れ
た効果を生じる。また、本発明はカライドスコープを用
いて均一は混合レーザ光を作り出しているので、加工面
の位置がレーザ光の焦点位置から多少ずれても、加工性
に大きな変化は生じない、という優れた効果を生じる。
【0038】また、連続一定出力のレーザ光とパルス状
のレーザ光とを適切に組み合わせることによって、従来
加工が困難であった材料に対しても、低い平均出力(少
ない消費電力)で容易に加工をすることができるように
なる、という優れた効果を生じる。
【0039】 更に、カライドスコープから放射された混
合レーザ光を反射すると同時に収束させる凹面鏡を用い
た場合は、レンズを用いた場合と異なり、色収差に基づ
いて焦点が相互にずれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に開示したレーザ加工装置の集光レンズを
示す断面図である。
【図3】図1に開示したレーザ加工装置のカライドスコ
ープを示す図であり、図3(A)は平面図を示し、図3
(B)は正面断面図を示し、図3(C)は底面図を示
す。
【図4】第1の従来例を示す断面図である。
【図5】第2の従来例を示す断面図である。
【図6】第3の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ加工装置 3 レーザ光源 3L レーザ光 5 レーザ光源 5L レーザ光 7 レンズ部材 9 レンズ部材 11 集光レンズ 13 カライドスコープ29 凹面鏡

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる種類のレーザ光を送出するレーザ
    光源と、前記各レーザ光に対応する少なくとも2つのレ
    ンズ部材と備え、 前記各レンズ部材を同一焦点距離となるように構成する
    と共に、これら各レンズ部材を前記各レーザ光が所定点
    で焦点を結ぶように相互に組み合わせ集光レンズとし、 前記レーザ光が通過する集光レンズの下流側に、カライ
    ドスコープを備え 前記各レーザ光源は、発振形態が相互に異なるレーザ光
    を送出するものであり、一方が連続一定出力のレーザ光
    を送出し、他方がパルス状のレーザ光を送出するもので
    ある、 ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 前記カライドスコープの下流側には、当
    該カライドスコープから放射された混合レーザ光を反射
    すると同時に収束させる凹面鏡が配置された、 ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 異なる種類のレーザ光を送出するレーザ
    光源と、前記各レーザ光に対応する少なくとも2つのレ
    ンズ部材と備え、 前記各レンズ部材を同一焦点距離となるように構成する
    と共に、これら各レンズ部材を前記各レーザ光が所定点
    で焦点を結ぶように相互に組み合わせ集光レンズとし、 前記レーザ光が通過する集光レンズの下流側に、カライ
    ドスコープを備え、 このカライドスコープの下流側には、当該カライドスコ
    ープから放射された混合レーザ光を反射すると同時に収
    束させる凹面鏡が配置された、 ことを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 前記各レーザ光源は、発振形態が相互に
    異なるレーザ光を送出するものであることを特徴とする
    請求項3記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 前記各レーザ光源は、一方が連続一定出
    力のレーザ光 を送出し、他方がパルス状のレーザ光を送
    出するものであることを特徴とする請求項4記載のレー
    ザ加工装置。
  6. 【請求項6】 前記各レーザ光源は、一方が炭酸ガスレ
    ーザであり、他方がYAGレーザであることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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