JP3417212B2 - 電子写真用トナー、その製造方法、電子写真用現像剤および画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、その製造方法、電子写真用現像剤および画像形成方法

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JP3417212B2
JP3417212B2 JP13459396A JP13459396A JP3417212B2 JP 3417212 B2 JP3417212 B2 JP 3417212B2 JP 13459396 A JP13459396 A JP 13459396A JP 13459396 A JP13459396 A JP 13459396A JP 3417212 B2 JP3417212 B2 JP 3417212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法で用い
られる電子写真用トナーおよびその製造方法、それを用
いた電子写真用現像剤、および画像形成方法に関し、特
にカラー画像(フルカラー画像)を形成するのに好適な
カラートナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法を用いた複写機および
プリンターは、デジタル化およびカラー化に関して著し
い進歩を遂げている。デジタルカラー複写機およびプリ
ンターにおいては、カラーの発色性およびOHP透明性
を良好にするために、比較的低分子量の樹脂を用いてト
ナー同士の融着性および画像表面の平滑性を向上させる
ことが行われている。さらにデジタル化により感光体の
静電潜像がより微細化されたため、それを再現するトナ
ーも小径化することが行われている。
【0003】しかしながら、低分子量の樹脂を用いたカ
ラートナーは、定着部材(定着ロール、定着ベルト)表
面との親和性が高いためオフセット現象が発生しやすい
傾向にある。従来、定着部材表面からのトナーの剥離性
を向上させ、オフセット現象の発生を防止させる手段と
して、シリコーンオイル等のフューザーオイルを使用す
る方式が採用されているが、この方式は記録媒体である
紙やOHP(オーバーヘッドプロジェクター)シートに
フューザーオイルが付着し、複写画像やプリント画像の
筆記性が低下したり、或いはOHPシートに粘着感が生
じたりする等の問題があった。
【0004】これらの問題に対して、定着機の定着部材
表面へのオイル塗布を必要としない定着システム、或い
はいわゆるオイルレストナーに関する研究開発の成果が
大いに期待されている。白黒画像再現においては、従来
からオイルレストナーが使用されている。例えば、トナ
ー中に低分子量ポリオレフィン等のワックス類を離型剤
として添加する方法が、特開昭52−3304号公報、
特開昭57−52574号公報、特開昭58−2156
59号公報、特開昭60−217366号公報等に開示
されている。
【0005】これらの方法によればトナーの剥離性は向
上するが、カラートナーとして用いた場合、発色性、O
HP透過性が低下する等の問題がある。また、ワックス
等の離型剤がトナー表面にも存在するため、微粒トナー
の製造性、粉体流動性が極端に悪化し、トナーの均一な
帯電を阻害し、カブリ画像欠陥を引き起こす場合があ
る。さらにキャリア、感光体等を汚染する原因にもな
る。
【0006】また、例えば、特開昭56−16144号
公報、特開昭63−127254号公報等には、耐オフ
セット性能の改良のために、トナー結着樹脂として2ピ
ーク分子量分布を有するものを用いる方法が開示されて
いる。これらの方法においても、カラートナーとして用
いる場合は、複写画像の表面を平滑にすることが難し
く、発色性、OHP透明性が低下する。
【0007】また、特開平5−341573号公報に
は、特公平1−53786号公報等に記載の、いわゆる
疑似カプセルに対して、十分な機械的強度の表面樹脂層
を形成した構造のトナーが提案されている。このトナー
は、トナー中心部に離型剤が含まれ、表面部に画像強度
を持たせるための結着樹脂層が存在する構造を有してい
る。この構造のトナーは、中心部に低軟化点物質を用い
ており、低温定着性を有し、また、ブロッキングや現像
機の撹拌に対して、強い抵抗性を有している。しかしな
がら、離型剤がトナー表面からトナー粒径の0.15倍
の深さまで存在しないことから、定着時にトナー表面へ
の離型剤のにじみ出しが悪く、十分なオフセット防止機
能を発現できないという問題があるのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決した電子写真用トナーを提供する
ことにある。すなわち、本発明の目的は、十分な機械的
強度を有し、現像機内のストレスに耐え、かつ十分なト
ナー保存安定性を有するオフセット現象の発生しないト
ナーおよびその製造方法を提供することにある。さら
に、本発明の他の目的は、離型剤を用いているにも拘ら
ず、発色性、OHP透明性の良好な、いわゆるオイルレ
スカラートナーを提供することにある。ここで言う「オ
イルレスカラートナー」とは、定着機の定着部材(定着
ロール、定着ベルト)表面にシリコーンオイル等のフュ
ザーオイルを実質的に塗布しない、或いはオイルタンク
を有しない定着装置を用いてトナー像の定着が可能なト
ナーをいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、少なくとも、有機溶媒、着色剤、結着樹脂、
離型剤を含有する油性相を、水性相中に油性液滴として
分散させ、該有機溶媒を取り除いた後、水性相を除去す
ることにより、実質的に離型剤がトナー表面に存在しな
いトナー粒子を得ることができることを見出だし、特
に、離型剤の酸価が20mg/g以下のものを使用する
ことにより、実質的に離型剤がトナー表面に存在しない
ことを見出した点にある。
【0010】本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
予め、酸価が20mg/g以下であり、100℃におけ
る粘度が100mPa・s以下の離型剤を油性媒体中に
最大粒子径1μm以下の微粒子状に分散させ、得られた
離型剤分散物を、結着樹脂および着色剤を含有する油性
媒体中に添加して油性分散混合物を得る工程、該油性分
散混合物(油性相)を水性媒体(水性相)中に分散させ
て油性液滴を形成する工程、および油性液滴中から油性
媒体を除去してトナー粒子を形成する工程よりなり、表
面における離型剤の露出量が0ないし1%のトナー粒子
を得ることを特徴とする。本発明において、結着樹脂と
しては、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
また、本発明において、予め離型剤を油性媒体中に微粒
子状に分散させた後、結着樹脂および着色剤と混合する
のが好ましい。
【0011】本発明の電子写真用トナーは、上記の方法
によって得られたものであって、トナー粒子表面におけ
る離型剤の露出量が0ないし1%であることを特徴とす
る。また、本発明の電子写真用現像剤は、上記のトナー
と、芯材上に樹脂被覆層を有するキャリアとから構成さ
れることを特徴とする。この場合、トナーの結着樹脂が
ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。更に、本
発明の画像形成方法は、現像剤担持体上の現像剤層を用
いて、静電潜像保持体上の静電潜像を現像し、形成され
たトナー像を転写材上に転写、定着するするものであっ
て、現像剤として、芯材上に樹脂被覆層を有するキャリ
アと上記の電子写真用トナーとからなる現像剤を用いる
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳記する。本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
まず、第1の工程において、予め、酸価が20mg/g
以下であり、100℃における粘度が100mPa・s
以下の離型剤を油性媒体中に最大粒子径1μm以下の微
粒子状に分散させ、得られた離型剤分散物を、結着樹脂
および着色剤を含有する油性媒体中に添加して油性分散
混合物を作製する。すなわち、予め微粒子状に分散した
離型剤、およびサンドミル等で微分散された顔料および
結着樹脂を、結着樹脂が溶解する有機溶媒中で、溶解お
よび混合し、油性相を作製する。必要に応じ、顔料分散
剤、帯電制御剤等を混合してもよい。
【0013】この場合、定着時に離型剤の溶融物がトナ
ーと定着部材との間にしみ出しやすくするために、離型
剤としては、融点が結着樹脂の軟化点より低いものであ
るのが好ましい。離型剤のしみ出しやすさは、溶融した
離型剤の粘着性が低いものほどよく、結果として、耐オ
フセット性を向上させることができるという利点があ
る。また、フルカラーオイルレス適性を持たせるため
に、離型剤として、100℃における粘度が100mP
a・s以下のものが使される。本発明において使用で
きる離型剤としては、カルナバワックス、モンタンワッ
クス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワック
ス等の天然あるいは合成ワックス等をあげることができ
る。
【0014】また、離型剤は、酸価が20mg/g以下
であることが必要である。酸価が20mg/g以上の場
合には、離型剤と水性相の親和性が増大し、形成される
トナー表面に離型剤が引き寄せられ、離型剤がトナー表
面に露出するようになる。ここでいう酸価とは、離型剤
1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数であ
り、一般的に用いられる値である。したがって、離型剤
の酸価は、水への親和性を表わす尺度として理解される
値である。
【0015】結着樹脂および着色剤としては、公知のも
のなら如何なるものでも使用することができる。定着成
分である結着樹脂は、有機溶剤に可溶なものが好ましく
使用できる。例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポ
キシ樹脂、ポリウレア、メラミン樹脂等のアミノ樹脂、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと
アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、スチレン
系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルビニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体、クマロン−イン
デン共重合樹脂、ゴム類等をあげることができる。これ
らの結着樹脂の中でも、定着性および発色性の点で、特
にポリエステル樹脂が好ましい。
【0016】また、着色剤としては、染料または顔料が
使用される。例えば、カーボンブラック、ベンガラ、紺
青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジス
アゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブ
リリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ染料、銅フ
タロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニ
ン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロン
オレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオ
キサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられ
る。また、分散染料、油溶性染料等を用いることもでき
る。さらに、磁性粉を着色剤として使用してもよい。磁
性粉としては、マグネタイト、フェライト、鉄、コバル
ト、ニッケル等の金属単体およびこれらの合金を用いる
ことができる。
【0017】上記各成分を溶解、分散させるための油性
媒体としては、水と混和しない有機溶剤、すなわち、常
温で水に対する溶解度が30%以下のものが使用され、
具体的には、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル
等のエーテル系溶剤、ジクロルメタン、クロロホルム、
四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸n−プロピル等のエステル系溶
剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
系溶剤、またはそれらを混合したものなどをあげること
ができる。
【0018】本発明においては、予め離型剤を油性媒体
中に微粒子状に分散させておく。離型剤を微粒子状に分
散する方法としては、公知の方法が使用できる。例え
ば、離型剤が不溶の有機溶剤中に離型剤を添加し、離型
剤の融点以上に加熱し、離型剤が溶融した段階で高剪断
力を加え、離型剤を微粒子状に分散した後、急冷するこ
とにより微分散することができる。本願発明において
は、離型剤を、最大粒子径1μm以下の微粒子の状態で
微分散させる。それにより、トナー中の分散単位を制御
することが可能であって、最終的に形成されるトナー中
の離型剤の分散単位として、1μm以下の大きさで分散
させることができる。その結果、トナーの発色性あるい
はOHP透明性の改善がはかられ、従来の離型剤含有ト
ナーにおける問題点が解消される。すなわち、離型剤が
本来結着樹脂と非相溶性であるために、定着時にトナー
が加熱される結果、画像構造が不均一となり、乱反射が
発生して、発色性の低下あるいはOHP像が暗くなると
いう問題が解消される。
【0019】油性相を形成するための油性分散混合物
は、上記のようにして作製された離型剤分散物を、結着
樹脂および着色剤を含有する油性媒体中に添加すること
により得ることができる。
【0020】得られた油性分散混合物は、次の工程にお
いて水性媒体中に分散させて油性相を形成させる。すな
わち、油性分散混合物を水性媒体中に添加し、例えば、
ディパーサー、ホモジナイザー、コロイドミル等の分散
機、乳化機等によって分散させる。本発明において、分
散は、形成される油性液滴が、平均粒子3〜9μmの範
囲になるように行うのが好ましい。水性媒体としては、
水が使用されるが、水と混和する溶剤を加えてもよい。
水と混和する溶剤としては、メタノール、エタノール等
のアルコール、アセトン等のケトン類があげられる。ま
た、必要に応じ、油性分散混合物を液滴化するために界
面活性剤、あるいは無機分散剤を添加してもよい。界面
活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系
等の界面活性剤が使用され、また、無機分散剤として
は、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、炭
酸マグネシウム、燐酸三カルシウム、クレイ、ケイソウ
土、ベントナイト等が使用される。
【0021】最後の工程において、油性液滴中から油性
媒体を除去してトナー粒子を形成する。すなわち、水性
媒体に分散した油性混合物に含まれる有機溶剤を加熱あ
るいは減圧により除去し、次いで分散物を濾過して、水
性媒体を除去し、得られたトナーを必要に応じて洗浄
し、乾燥して、表面における離型剤の露出量が0ないし
1%のトナー粒子を得ることができる。
【0022】なお、本発明において、形成されるトナー
の形状は、有機溶剤の量、無機分散剤の種類、界面活性
剤の種類により、不定形から球形までの種々の形状に制
御することができる。また、油性相と水性相の界面で反
応を起こさせてシェル・コアからなる界面重合トナーを
得る場合についても、同様に離型剤の酸価を制御するこ
とにより、トナー表面に実質的に離型剤が存在しない構
造のトナーを得ることができる。
【0023】図1は、本発明によって得られた離型剤入
りのトナーの断面の模式図であり、図2は、溶融混練法
によって得られたトナーの断面の模式図である。図中、
1は結着樹脂、2は着色剤、3は離型剤である。これら
の模式図から明らかなように、溶融混練法によるトナー
においては、表面に離型剤が露出しているが、本発明の
方法によるトナーにおいては、トナー表面に離型剤の露
出は観察されない。本発明においては、結着樹脂中に離
型剤がわずかに相溶する場合も考えられるが、トナー断
面の観察により、離型剤がトナー表面では観察されない
という特徴を有している。なお、表面の離型剤量はX線
光電子分光法で定量することができる。
【0024】本発明の電子写真用現像剤は、上記のトナ
ーに、芯材上に樹脂被覆層を有するキャリアを混合する
ことによって作製される。キャリアの芯材としては、平
均粒子径30〜100μmのフェライト、マグネタイ
ト、鉄粉等の金属粉等が使用される。樹脂被覆層を形成
する樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
メラミン系樹脂、フッ素含有樹脂、シリコーン系樹脂、
ポリアミド等が使用され、それらは芯材に対して0.1
〜5重量%の被覆量になるように処理される。また、ト
ナーはキャリア100重量部に対して、1ないし20重
量部の範囲で用いることができる。
【0025】本発明の画像形成方法は、潜像保持体と接
触または非接触の状態で対向している現像剤担持体上に
上記の電子写真用現像剤を用いて公知の方法によって現
像剤層を形成し、静電潜像保持体上に形成された静電潜
像を現像し、形成されたトナー像を転写材上に転写、定
着することによって実施される。さらに詳細に説明する
と、有機感光体或いはアモルファスシリコン等の潜像保
持体を帯電させ、レーザー光等で露光して、潜像を形成
する。潜像を形成した後、現像担持体上の現像剤を用
い、磁気ブラシで摺擦もしくは非接触のままで現像する
ことにより、トナー画像を形成する。形成されたトナー
画像を紙等の転写材上に転写し、定着装置により加熱定
着することにより、画像を得ることができる。定着装置
としては、シリコーンゴム、フッ素系ゴム等のゴム或い
はシリコーン系樹脂やフッ素系樹脂で被覆した定着ロー
ルを用いて、定着温度を80ないし170℃の範囲で加
熱して定着する。また、定着ロールには、必要に応じて
少量の離型オイルを塗布してもよい。
【0026】
【実施例】
実施例1 (顔料分散液の調製)ビスフェノールAプロピレンオキ
サイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付
加物およびコハク酸誘導体からなるポリエステル樹脂
(ガラス転移点:Tg=66℃、軟化点:Tm=105
℃)20部、フタロシアニン顔料20部、および酢酸エ
チル200部を1mmφのガラスビーズと共にサンドミ
ルに入れ、3時間分散処理した後、ガラスビーズを取り
除き、顔料分散液を得た。 (離型剤分散液の調製)融点89℃、100℃における
粘度15.0mPa.s、酸価5mg/gのパラフィン
ワックス(HNPO190、日本精蝋社製)15部を、
酢酸エチル85部中に添加し、撹拌装置付き耐圧容器に
充填して100℃に加温し、高剪断撹拌を行った。その
後、急冷却して離型剤分散物を得た。分散粒子の平均粒
子径は0.5μm、最大粒子径は1μm程度であった。
【0027】(カラートナーの調製)上記顔料分散液1
5部、上記離型剤分散物10部、酢酸エチル10部、上
記と同様のポリエステル樹脂28部を混合し、混合物を
撹拌して油性分散混合物を調製した。他方、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム(セロゲンBS−H、第一
工業製薬社製)2%水溶液を用意した。この中に、分散
安定剤として炭酸カルシウム(ルミナス、丸尾カルシウ
ム社製)を5重量%の濃度になるように加えた。得られ
た水溶液の中に、上記の油性分散混合物を入れて撹拌
し、微粒子化した油性液滴を形成した。その後40℃に
2時間加温撹拌して、油性液滴から溶媒を除去した。さ
らに濾過、乾燥を行って、平均粒子径7.5μmの球状
のシアントナーを得た。トナー断面構造を観察したとこ
ろ、トナー表面に離型剤が露出していないことを確認し
た。また、X線光電子分光法で離型剤露出量を定量した
ところ、0.1%であることが確認された。
【0028】(評価)得られたシアントナーに、平均粒
子径16nmのシリカ(R972、日本エアロジル社
製)を1重量%添加し、混合した。得られたトナーを、
平均粒子径50μmのCu−Znフェライトコアをスチ
レン−アクリル系樹脂で0.5重量%被覆したキャリア
に、6重量%の割合で混合し、複写機(Acolor6
35、富士ゼロックス社製)に導入し、画像形成を行っ
て未定着画像を得た。次いで、上記複写機の定着機(フ
ューザーオイル未使用のもの)によって未定着画像を定
着したところ、定着像は発色性が良好であり、OHP透
明性も良好であった。さらに、10万枚のコピーテスト
を行ったところ、画質劣化もなくトナー帯電量も安定し
ていることが確認された。
【0029】実施例2 実施例1同様にして顔料分散液を調製した。離型剤とし
て、融点85℃、100℃における粘度15.0mP
a.s、酸価8mg/gのカルナバワックスを用いて実
施例1と同様にして離型剤分散物を調製した。これらの
ものを用いて実施例1と同様にして、平均粒子径7.7
μmの球状のシアントナーを得た。このトナーの断面構
造を観察したところ、トナー表面に離型剤が露出してい
ないことを確認した。また、X線光電子分光法で離型剤
露出量を定量したところ、0.3%であることが確認さ
れた。 (評価)実施例1と同様にして評価を行った。すなわ
ち、得られたトナーを複写機(Acolor635、富
士ゼロックス社製)に導入し、画像形成を行って未定着
画像を得た後、定着機(フューザーオイル未使用のも
の)によって定着したところ、定着像は発色性が良好で
あり、OHP透明性も良好であった。さらに、15万枚
のコピーテストを行ったところ、画質劣化もなくトナー
帯電量も安定していることが確認された。
【0030】実施例3 実施例1同様にして顔料分散液を調製した。離型剤とし
て、融点70℃、100℃における粘度10.0mP
a.s、酸価17mg/gの蜜ロウを用いて実施例1と
同様にして離型剤分散物を調製した。これらのものを用
いて実施例1と同様の方法で、平均粒子径7.0μmの
じゃがいも型に近い形状のシアントナーを得た。このト
ナーについてX線光電子分光法で離型剤露出量を定量し
たところ、0.6%であることが確認された。 (評価)実施例1と同様にして評価を行った。すなわ
ち、得られたトナーを複写機(Acolor635、富
士ゼロックス社製)に導入して未定着画像を得た後、定
着機(フューザーオイル未使用のもの)によって定着し
たところ、定着像は発色性が良好であり、OHP透明性
も良好であった。さらに、15万枚のコピーテストを行
ったところ、画質劣化もなくトナー帯電量も安定してい
ることが確認された 比較例1 実施例1同様にして顔料分散液を調製した。離型剤とし
て、融点85℃、100℃における粘度15.0mP
a.s、酸価25mg/gのモンタンワックスを用いて
実施例1と同様にして離型剤分散物を調製したところ、
平均粒子径0.45μm、最大粒子径1.1μmの離型
剤分散物が得られた。これらのものを用いて実施例1と
同様の方法で、平均粒子径8.0μmのじゃがいも型に
近い形状のシアントナーを得た。このトナーについてX
線光電子分光法で離型剤露出量を定量したところ、2.
5%であることが確認された。 (評価)実施例1と同様にして評価を行った。すなわ
ち、得られたトナーを複写機(Acolor635、富
士ゼロックス社製)に導入して未定着画像を得た後、定
着機(フューザーオイル未使用のもの)によって定着し
たところ、定着像は発色性が著しく低下し、OHP透明
性も低下した。さらに、1000枚のコピーテストを行
ったところ、トナー帯電量が低下して地かぶりが発生し
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーの製造方法に
よれば、離型剤が微粒子化されて含有されるため、トナ
ー表面における離型剤の露出量が0ないし1%のトナー
粒子を得ることができる。したがって、それを用いた現
像剤は、十分な機械的強度を有し、現像機内のストレス
に耐え、かつ十分なトナー保存安定性を有するととも
に、カラートナーに適用した場合、発色性およびOHP
透明性も優れたものとなる。さらに本発明の電子写真ト
ナーを含有する現像剤は、いわゆるオイルレストナーで
あって、定着機の定着部材表面にシリコーンオイル等の
離型オイルを塗布せずにトナー像の定着を行うことが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって得られたトナーの断面の模式
図である。
【図2】 溶融混練法によって得られたトナーの断面の
模式図である。
【符号の説明】
1…結着樹脂、2…着色剤、3…離型剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/08 507L (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め、酸価が20mg/g以下であり、
    100℃における粘度が100mPa・s以下の離型剤
    を油性媒体中に最大粒子径1μm以下の微粒子状に分散
    させ、得られた離型剤分散物を、結着樹脂および着色剤
    を含有する油性媒体中に添加して油性分散混合物を得る
    工程、該油性分散混合物を水性媒体中に分散させて油性
    液滴を形成する工程、および油性液滴中から油性媒体を
    除去してトナー粒子を形成する工程よりなり、表面にお
    ける離型剤の露出量が0ないし1%のトナー粒子を得る
    ことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 予め、酸価が20mg/g以下であり、
    100℃における粘度が100mPa・s以下の離型剤
    を油性媒体中に最大粒子径1μm以下の微粒子状に分散
    させ、得られた離型剤分散物を、結着樹脂および着色剤
    を含有する油性媒体中に添加して油性分散混合物を得、
    該油性分散混合物を水性媒体中に分散させて油性液滴を
    形成し、油性液滴中から油性媒体を除去してトナー粒子
    を形成することによって得られたトナー粒子であって、
    表面における離型剤の露出量が0ないし1%であること
    を特徴とする電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 芯材上に樹脂被覆層を有するキャリア
    と、請求項3に記載の電子写真用トナーからなることを
    特徴とする電子写真用現像剤。
  5. 【請求項5】 トナーにおける結着樹脂がポリエステル
    樹脂を含有することを特徴とする請求項4に記載の電子
    写真用現像剤。
  6. 【請求項6】 現像剤担持体上の現像剤層を用いて、静
    電潜像保持体上の静電潜像を現像し、形成されたトナー
    像を転写材上に転写、定着する画像形成方法において、
    現像剤として、芯材上に樹脂被覆層を有するキャリアと
    請求項3に記載の電子写真用トナーとからなる現像剤を
    用いることを特徴とする画像形成方法。
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