JP3416777B1 - キラル化合物の絶対配置決定試薬および決定方法 - Google Patents

キラル化合物の絶対配置決定試薬および決定方法

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Abstract

【要約】 【課題】冷却などの煩雑な操作をすることなく簡便に、
しかも高い感度で精度よくモノアルコールなどのキラル
化合物の絶対配置を決定できる試薬および該試薬を用い
た決定方法を提供する。 【解決手段】炭素鎖で架橋された金属ポルフィリン2量
体であり、前記2量体の少なくとも一方のポルフィリン
環において、架橋炭素鎖に結合した炭素からポルフィリ
ン環の外周に沿って二つめの炭素の少なくとも一方にメ
チル基以上にバルキーな置換基を有し、且つ中心金属
が、アルカリ土類金属イオンである金属ポルフィリン2
量体を有効成分として含むキラル化合物の絶対配置決定
試薬および該試薬を用いたキラル化合物の不斉炭素の絶
対配置を決定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キラル化合物の絶
対配置を決定する試薬および該試薬を用いるキラル化合
物の絶対配置決定方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、キラル化合物の絶対配置を決定
する方法として、キラル化合物と特定の化合物との複合
体(例えば錯体)について、円二色性(CD)分光光度分析
を行い、コットン効果の符号とキラル化合物の絶対配置
との相関関係を利用してキラル化合物の絶対配置を決定
する方法が用いられている。例えば、以下のような報告
がなされている。
【0003】(1) J. Am. Chem. Soc., 1998, 120, 6185
-6186, X. Huang, B. H. Rickmann,B. Borhan, N. Bero
va, K. Nakanishiには、長い架橋鎖で架橋されたポルフ
ィリン二量体にキラル化合物が配位することによって円
二色性が誘起され、コットン効果の符号とキラル化合物
の絶対配置の間に相関がある旨報告されている。
【0004】しかしながら、この系は、一分子のキラル
化合物が同時に二つのポルフィリンユニットに配位する
ことによって初めて円二色性が誘起されるので、ジアミ
ン、アミノアルコールなどの二官能性のキラル化合物に
しか適用できない。
【0005】(2) Bull. Chem. Soc. Jpn., 1998, 71, 1
117-1123, M. Takeuchi, T. Imada,S. Shinkaiには、フ
ェニルボロン酸ユニットを有するポルフィリン二量体
が、各種の糖の存在下において円二色性を示すことが報
告されている。
【0006】この系は、ボロン酸との間に結合を作る糖
にしか適用できない。しかも、糖が有する多数の不斉中
心のうち特定の不斉中心について絶対配置を直接決める
ことができない。
【0007】以上のように、モノアルコールなどの様々
なキラル化合物に対して適用できるような絶対配置の決
定方法は報告されていなかった。
【0008】一方、キラル化合物の絶対配置の決定方法
として、X線回折法が知られている。しかしながら、こ
の方法には、結晶性の化合物にしか適用できないという
制限がある。
【0009】そこで、本発明者は、様々なキラル化合物
の絶対配置を精度良く、簡便に決定することのできるキ
ラル化合物の絶対配置の決定方法を研究した。近年、金
属中心として、Zn、Fe、MnまたはRuを含む金属
ポルフィリン二量体にキラル化合物が配位することによ
って円二色性が誘起され、コットン効果の符号とキラル
化合物の絶対配置の間に相関があることを見出し、新た
なキラル化合物の絶対配置の決定方法を完成した(特開2
001-220392)。
【0010】しかしながら、この方法であっても、キラ
ル化合物がモノアルコールなどの場合には、試料溶液を
-80℃程度に冷却しないと誘起コットン効果を検知する
ことができないという問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を鑑みなされたものであって、冷却などの煩雑な
操作をすることなく簡便に、しかも高い感度で精度よく
モノアルコールなどのキラル化合物の絶対配置を決定で
きる試薬および該試薬を用いた決定方法を提供すること
を主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、特定の金属ポルフィリン2量体を有効成分
として含む試薬および該試薬を用いる方法が、上記目的
を達成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】即ち、本発明は、下記のキラル化合物の絶
対配置決定試薬および決定方法に係るものである。 1.炭素鎖で架橋された金属ポルフィリン2量体であ
り、前記2量体の少なくとも一方のポルフィリン環にお
いて、架橋炭素鎖に結合した炭素からポルフィリン環の
外周に沿って二つめの炭素の少なくとも一方にメチル基
以上にバルキーな置換基を有し、且つ中心金属が、アル
カリ土類金属イオンである金属ポルフィリン2量体を有
効成分として含むキラル化合物の絶対配置決定試薬。 2.炭素鎖で架橋された金属ポルフィリン2量体が、以
下の式(1)に示す金属ポルフィリン2量体である上記1
に記載のキラル化合物の絶対配置決定試薬。
【0014】
【化2】
【0015】[式中、M2+およびM'2+は、同一または相異
なってアルカリ土類金属イオンを示し、nは、2または
3を示し、Ra〜Rdは、同一または相異なって、水素原子
またはメチル基以上にバルキーな置換基を示し、但し、
Ra〜Rdのうち少なくとも1つは、メチル基以上にバルキ
ーな置換基を示し、R1〜R12は、同一または相異なっ
て、水素原子または炭化水素基を示す。] 3.式(1)におけるRa〜Rdの少なくとも1つが、1)炭
素数1〜8の炭化水素基、2)含酸素置換基、3)含窒
素置換基、4)ハロゲン原子および5)ハロゲン化炭化
水素基からなる群から選択される1種である上記2に記
載の試薬。 4.上記1〜3のいずれかに記載の試薬と、以下の特性
を有するキラル化合物とを含む試料溶液について、円二
色性分光光度分析を行い、コットン効果の符号から前記
キラル化合物の不斉炭素の絶対配置を決定する方法。 (i)有効成分である金属ポルフィリン2量体に配位可能
なキラル化合物であり、且つ(ii) 金属ポルフィリン2
量体に配位可能な基と不斉炭素が直接結合しているキラ
ル化合物、または前記配位可能な基と不斉炭素との間に
炭素原子が1原子介在しているキラル化合物 5.キラル化合物が、1)一級モノアミン、2)二級モ
ノアミン、3)モノアルコールおよび4)アミノアルコ
ールからなる群から選択される1種である上記4に記載
の方法。 6.-10〜30℃において円二色性分光光度分析を行う上
記4または5に記載の方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、炭素鎖で架橋された金
属ポルフィリン2量体であり、前記2量体の少なくとも
一方のポルフィリン環において、架橋炭素鎖に結合した
炭素からポルフィリン環の外周に沿って二つめの炭素の
少なくとも一方にメチル基以上にバルキーな置換基を有
し、中心金属がアルカリ土類金属イオンである金属ポル
フィリン2量体を有効成分として含むキラル化合物の絶
対配置決定試薬に係る。
【0017】有効成分として含まれる金属ポルフィリン
2量体は、上記の条件を満たす限り特に制限されない
が、例えば、以下の式(1)で示される化合物を例示する
ことができる。
【0018】
【化3】
【0019】式(1)において、M2+およびM'2+は、金属中
心を示す。M2+およびM'2+は、同一または相異なってMg
2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+などのアルカリ土類金属イオンを
示し、これらの中ではMg2+、Ca2+が好ましく、Mg2+が特
に好ましい。
【0020】本発明において用いる金属ポルフィリン2
量体は、二つの金属ポルフィリンユニットが、炭素鎖に
よって架橋されている。例えば、式(1)では、-(CH2)n-
により二つの金属ポルフィリンユニットが架橋されてい
る。架橋炭素鎖の炭素数は、特に制限されず、通常2〜
3程度であり、好ましくは2である。例えば、式(1)で
は、nは2または3であり、2が好ましい。
【0021】式(1)においてRa〜Rdは、いずれも架橋炭
素鎖に結合した炭素からポルフィリン環の外周に沿って
二つめの炭素に結合した置換基である。本発明において
用いる金属ポルフィリン2量体においては、架橋炭素鎖
に結合した炭素からポルフィリン環の外周に沿って二つ
めの炭素のうち少なくとも一つが、メチル基以上にバル
キーな置換基によって置換されている。
【0022】式(1)においては、Ra〜Rdは、同一または
相異なって、水素原子またはメチル基以上にバルキーな
置換基を示す。但し、Ra〜Rdのうち少なくとも1つは、
メチル基以上にバルキーな置換基を示す。
【0023】メチル基以上にバルキーな置換基とは、メ
チル基と同等またはそれ以上に嵩の大きな置換基を意味
する。メチル基以上にバルキーな置換基としては、例え
ば、1)炭素数1〜8の炭化水素基、2)含酸素置換
基、3)含窒素置換基、4)ハロゲン原子、5)ハロゲ
ン化炭化水素基などを例示することができる。
【0024】1)炭素数1〜8の炭化水素基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基などの直鎖または分枝状アルキル基を
例示することができる。この炭化水素基の炭素数は、好
ましくは1〜4程度である。
【0025】2)含酸素置換基としては、例えば、エス
テル基、カルボキシルアルキル基などを例示することが
できる。エステル基としては、例えば、メチルエステル
基、エチルエステル基などを例示することができる。カ
ルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチ
ル基などを例示することができる。
【0026】3)含窒素置換基としては、例えば、アミ
ノ基、アミド基、2−アミノエチル基などを例示するこ
とができる。
【0027】4)ハロゲン原子としては、例えば、C
l、Br、Fなどを例示することができる。
【0028】5)ハロゲン化炭化水素基としては、例え
ば、塩化メチル基、塩化エチル基、塩化プロピル基、塩
化ブチル基などを例示することができる。
【0029】式(1)において、R1〜R12は、同一または相
異なって、水素原子、炭化水素基などを示す。炭化水素
基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基などの直鎖または分枝状アル
キル基などを例示することができる。R1〜R12で示され
る炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、通常1
〜10程度であり、好ましくは1〜4程度である。
【0030】本発明で用いる金属ポルフィリン2量体と
して、例えば、以下の式(2)で示す化合物を好適に用い
ることができる。以下、式(2)の化合物を「化合物1」と
いうことがある。
【0031】
【化4】
【0032】本発明の試薬には、所望の効果が得られる
範囲内において添加成分が含まれていてもよい。
【0033】本発明において用いる金属ポルフィリン2
量体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法に従っ
て合成することができる。例えば、金属中心が導入され
ていないポルフィリン2量体(以下「フリーのポルフィリ
ン2量体」ということがある)と、アルカリ土類金属のハ
ロゲン化物(例えば、MgBr2・Et2Oなど)とを、トリエチル
アミン、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルピリジ
ン、ジアジン、メチルジアジン、ピラジン、エチルピラ
ジン、ピリミジン、ピペラジン、モルホリンなどの塩基
性化合物の存在下において反応させることにより、フリ
ーのポルフィリン2量体に金属中心であるアルカリ土類
金属イオンを導入する方法などにより製造することがで
きる。
【0034】フリーのポルフィリン2量体は、公知の方
法により製造することができる。例えば、V. V. Borovk
ov, J. M. Lintuluoto and Y. Inoue, Helv. Chem. Act
a, 1999, 82, 919-934, V. V. Borovkov, J. M. Lintul
uoto and Y. Inoue, Synlett, 1998, 768などに記載さ
れている方法を例示することができる。
【0035】フリーのポルフィリン2量体へのアルカリ
土類金属イオンの導入方法として、例えば、J. S. Lind
sey and J. N. Woodford, Inorg. Chem. 1995, 34, 106
3-1069に記載されている方法などの公知の方法を適用す
ることができる。
【0036】本発明の試薬と、以下の1〜2の特性を有
するキラル化合物について、円二色性分光光度分析を行
うと、コットン効果の符号から前記キラル化合物の不斉
炭素の絶対配置を決定することができる。 (i)有効成分である金属ポルフィリン2量体に配位可能
なキラル化合物であり、且つ(ii)金属ポルフィリン2量
体に配位可能な基と不斉炭素が直接結合しているキラル
化合物、または前記配位可能な基と不斉炭素との間に炭
素原子が1原子介在しているキラル化合物。
【0037】本発明は、上述の試薬と、以下の特性を有
するキラル化合物とを含む試料溶液について円二色性分
光光度分析を行い、コットン効果の符号から前記キラル
化合物の不斉炭素の絶対配置を決定する方法を含む。 (i)有効成分である金属ポルフィリン2量体に配位可能
なキラル化合物であり、且つ(ii)金属ポルフィリン2量
体に配位可能な基と不斉炭素が結合しているキラル化合
物、または前記配位可能な基と不斉炭素との間に炭素原
子が1原子介在しているキラル化合物。
【0038】金属ポルフィリン2量体に配位できる化合
物として、例えば、金属ポルフィリン2量体に配位可能
な基として、アミノ基、水酸基などの塩基性基を有する
化合物を例示できる。より具体的には、たとえば、1)
一級モノアミン、2)二級モノアミン、3)モノアルコ
ール、4)アミノアルコールなどを例示できる。アミノ
アルコールの場合には、一般にアミノ基の方が金属ポル
フィリン2量体に配位しやすいので、通常はアミノ基に
直接結合している不斉炭素またはアミノ基との間に炭素
元素が1原子介在している不斉炭素について絶対配置を
決定することができる。
【0039】本発明の方法により絶対配置を決定できる
キラル化合物は、有効成分である金属ポルフィリン2量
体の中心金属に配位可能な基と不斉炭素が結合している
キラル化合物、または前記配位可能な基と不斉炭素との
間に炭素原子が1原子介在しているキラル化合物であ
る。例えば、2−ブタノール、1-フェニルエタノール、
1−フェニルエチルアミンなどは、金属ポルフィリン2
量体の中心金属に配位可能な基と不斉炭素が直接結合し
ているキラル化合物に相当する。一方、2−メチル−1
−ブチルアミンなどは、前記配位可能な基と不斉炭素と
の間に炭素原子が1原子介在するキラル化合物に相当す
る。
【0040】ボルネオール、メントールなどのように不
斉炭素を複数有するキラル化合物の場合には、ポルフィ
リン2量体の金属中心に配位可能な基に直接結合してい
る不斉炭素、または前記配位可能な基と1原子の炭素原
子を介して結合している不斉炭素について絶対配置を決
定することができる。
【0041】円二色性分光光度分析に用いる試料溶液
は、上記試薬とキラル化合物を含んでいる。試料溶液の
調製は特に限定されず、例えば、有効成分である金属ポ
ルフィリン2量体、キラル化合物などを溶媒に溶解する
方法などにより調製することができる。
【0042】試料溶液を調製する時に使用する溶媒とし
ては、金属ポルフィリン2量体に配位しない溶媒が好ま
しい。金属ポルフィリン2量体に配位しない溶媒として
は、例えばクロロホルム(CHCl)、二塩化メタン
(CHCl)、二塩化エタン(CHClCH
l)、四塩化エタン(CHClCHCl)、四塩化
炭素(CCl)などのハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素などを例示する
ことができる。
【0043】試料溶液中のキラル化合物および金属ポル
フィリン2量体の濃度は、限定的ではない。これらの濃
度の下限は、第1または第2コットン効果を検知できる
限り特に制限されず、用いる金属ポルフィリン2量体の
種類、キラル化合物の種類、溶媒の種類などに応じて適
宜設定することができる。試料溶液中のキラル化合物の
濃度の上限および金属ポルフィリン2量体の濃度の上限
は、例えば円二色性スペクトル(CDスペクトル)におい
て第1または第2コットン効果の楕円率の値が、ノイズ
レベルの2倍以上程度(例えば1mdeg以上程度)となり、
光電子増倍管の電圧が-700kV以内で第1または第2コッ
トン効果の楕円率ができるだけ大きくなるよう設定する
のが好ましく、第1または第2コットン効果の楕円率
が、10mdeg〜50mdeg程度となるよう設定するのがより好
ましい。
【0044】試料溶液中におけるキラル化合物の濃度
は、キラル化合物の種類などに応じて適宜設定すること
ができるが、通常10−4mol/l以上程度であり、好ま
しくは10-5〜10-1mol/l程度であり、より好ましくは10
-4〜10-3mol/l程度である。
【0045】試料溶液中における金属ポルフィリン2量
体の濃度は、キラル化合物の種類などに応じて適宜設定
することができるが、通常10−7mol/l以上程度であ
り、好ましくは10-6 mol/l以上程度である。試料溶液中
における金属ポルフィリン2量体の濃度の上限は、特に
制限されず、キラル化合物の種類などに応じて適宜設定
することができるが、通常5x10-5mol/l以下程度であ
り、好ましくは5x10-6mol/l以下程度である。
【0046】充分にコットン効果を検知するために必要
な試料溶液中のキラル化合物の最低濃度は、試薬として
前記式(2)で示される化合物1を用いる場合などには、
1級非環状モノアミンで約10-6mol/l、芳香族環状モ
ノアミンで約10-5mol/l、2級モノアミンで約10-6
mol/l、アミノアルコールで約10-4mol/lであり、モノ
アルコールでは10-1〜10-2mol/l程度である。前記
濃度の金属ポルフィリン2量体を使用すれば、モノアル
コールを用いる場合であっても-10〜30℃程度において
充分なコットン効果を得ることができる。
【0047】円二色性分光光度分析を行う温度は、コッ
トン効果を検知できる限り特に制限されない。低温であ
るほど高感度で分析を行うことができるが、試料溶液を
冷却しなくとも充分にコットン効果を検知することがで
きる。
【0048】より具体的な分析条件の例として、次のケ
ース1〜4を例示することができる。
【0049】<ケース1>1級モノアミンの絶対配置を
決定する場合について 溶媒としては、例えば、クロロホルム、二塩化メタン、
四塩化炭素、四塩化エタン、ヘキサン、へプタン、二塩
化エタンなどが好ましい。試料溶液中での1級非環状モ
ノアミンの濃度は、10-6mol/l以上が好ましく、芳香
族環状モノアミンの濃度は約10-5mol/l以上が好まし
い。前記の式(2)のマグネシウムポルフィリン2量体な
どを用いる場合、その試料溶液中における濃度は、10
-6mol/l以上程度であることが好ましい。測定対象とな
る1級モノアミンとしては、たとえば、2−ブチルアミ
ン、1−フェニルエチルアミン、1−(1−ナフチル)
エチルアミン、1−シクロヘキシルエチルアミン、2−
メチル−1−ブチルアミン、〔エンド−(1R)−1,
7,7−トリメチルビシクロ〔2,2,1〕へプタン−
2−アミン〕などが挙げられる。
【0050】<ケース2>2級モノアミンの絶対配置を
決定する場合について 溶媒としては、例えば、クロロホルム、二塩化メタン、
四塩化炭素、四塩化エタン、ヘキサン、ヘプタン、二塩
化エタンなどが好ましい。試料溶液中での第2級モノア
ミンの濃度は、10-6mol/l以上程度が好ましい。前記
の式(2)のマグネシウムポルフィリン2量体(化合物1)
などを用いる場合、その試料溶液中における濃度は、1
−6mol/l以上程度であることが好ましい。測定対象
となる2級モノアミンとしては、たとえばN−メチル−
1−フェニルエチルアミンなどが挙げられる。
【0051】<ケース3>アミノアルコールの絶対配置
を決定する場合について 溶媒としては、例えば、クロロホルム、二塩化メタン、
四塩化炭素、四塩化エタン、ヘキサン、ヘプタン、二塩
化エタンなどが好ましい。試料溶液中でのアミノアルコ
ールの濃度は、10−4mol/l以上程度が好ましい。化
合物1などを用いる場合、その試料溶液中における濃度
は、10-6mol/l以上程度であることが好ましい。測定
対象となるアミノアルコールとしては、たとえば1−ア
ミノ−2−プロパノール、2−アミノ−4−メチル−1
−ペンタノールなどが挙げられる。
【0052】<ケース4>モノアルコールの絶対配置を
決定する場合について 溶媒としては、二塩化メタンまたはへキサンが好まし
い。試料溶液中でのモノアルコールの濃度は、10−2
mol/l以上程度であることが好ましい。前記の式(2)で示
される化合物1などを用いる場合、その試料溶液中にお
ける濃度は、10-6mol/l以上程度であることが好まし
い。測定温度は、-10〜30℃程度でよく、試料溶液を冷
却せずともコットン効果を検知することができる。測定
対象となるモノアルコールとして、たとえば、ボルネオ
ール、2−ブタノール、1−フェニルエタノールなどが
挙げられる。
【0053】試料溶液の円偏光二色性スペクトルは、二
つのピーク(一つの極大値と一つの極小値)を示す。以
下、より長波長側のピークを「第1コットン効果」とい
い、より短波長側のピークを「第2コットン効果」という
ことがある。それぞれのピークの符号は、正の場合と負
の場合があり、第1コットン効果の符号と第2コットン
効果の符号とは相異なる。例えば、図5に示す(S)-(-)-
1-フェニルエタノールのCDスペクトルを例にとると、第
1コットン効果の符号は正(プラス)であり、第2コット
ン効果の符号は負(マイナス)である。また、光学異性体
同士(例えばR体とS体)では、それぞれのコットン効果
の符号が逆になる。例えば、(S)-(+)-1-フェニルエタノ
ールを用いた場合には、図1とは符号が逆となり、第1
コットン効果の符号は負となり、第2コットン効果の符
号は正となる。絶対配置の決定には、いずれのピークの
符号を用いてもよいが、第1コットン効果の方が検知し
やすいのでより好適に用いることができる。
【0054】試料溶液における各コットン効果の符号と
キラル化合物の不斉炭素の絶対配置(R体かS体か)と
の間に一定の対応関係が成立することを明らかにするた
めに、絶対配置が既知の様々なキラル化合物と本発明の
試薬を含む試料溶液についてCDスペクトルを測定した。
以下の表1に、様々なキラル化合物の絶対配置および符
号と試料溶液における各コットン効果の符号とを示す。
なお、金属ポルフィリン2量体としては、前記式(2)で
示したMgを金属中心とする金属ポルフィリン(化合物1)
を使用し、試料溶液中における濃度は、10-6mol/lとし
た。また、試料溶液における各キラル化合物の濃度は、
アミンおよびアミノアルコールの場合には10-4mol/lと
し、アルコールの場合には、10-2mol/lとした。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、アミノ基または
ヒドロキシ基のα位またはβ位にある不斉炭素の立体配
置と各コットン効果の符号の間には、一定の対応関係が
成立している。即ち、第1コットン効果の符号が正の場
合には、上記α位またはβ位の不斉炭素の絶対配置は
(S)となる。一方、第1コットン効果の符号が負の場
合には、上記α位またはβ位の不斉炭素の絶対配置は
(R)となる。この相関関係と未知試料溶液のコットン
効果の符号とを利用することによって、未知試料溶液中
のキラル化合物について、絶対配置を決定することがで
きる。
【0057】なお、表1において、B遷移とは、吸収
帯がBバンド(ソーレー帯)となる二つのポルフィリン環
のモーメントが共にポルフィリン環を結合する方向にあ
る場合の遷移であり、B遷移とは、前記モーメントが
共にポルフィリン環を結合する方向とは垂直の方向にあ
る場合の遷移である。図2に、キラル化合物が配位する
前のアキラルな金属ポルフィリン2量体におけるモーメ
ントの方向を実線で示す。
【0058】一方、キラル化合物が配位した金属ポルフ
ィリンでは、図2において点線で示すように、B遷移
及びB遷移のいずれの場合も、アキラルな金属ポルフ
ィリン2量体の場合に比べて、一方の環のモーメントの
方向が他方のモーメントの方向に対して若干ずれる。
【0059】以下、本発明において、誘導コットン効果
が生じる機構を説明する。2つのポルフィリン環の両方
が所定の位置にメチル基以上にバルキーな置換基を有す
る金属ポルフィリン2量体とキラル化合物とを含む溶液
を調製すると、キラル化合物は金属ポルフィリン2量体
の一方の金属中心へ配位する。キラル化合物は、二つの
金属中心のうちいずれに配位してもよい。いずれか一方
のポルフィリン環のみがメチル基以上にバルキーな置換
基を有する場合には、キラル化合物は、このような置換
基を有するポルフィリン環とは他方のポルフィリン環の
金属中心に結合する。より具体的には、上述の式(1)に
おいて、Raのみがメチル基以上にバルキーな置換基であ
る場合には、M'2+にキラル化合物は配位する。このよう
なキラル化合物の配位に伴って、金属ポルフィリン2量
体は、syn型からanti型へコンホメーション変化
を示すと同時に、anti型のコンホーマーに不斉が誘
起され、図1に示すような円二色性を示す。以下に上述
の式(2)に示した化合物1について、Syn型のコンホーマ
ーを示す。
【0060】
【化5】
【0061】不斉誘起の機構は、図3に示すようなポル
フィリン環同士のねじれにより説明される。図3には、
キラル化合物としてS体のアミンを用いた場合について
図示されている。配位子であるキラル化合物のαまたは
β炭素(図3ではα炭素)に結合している最も大きな置換
基(X)と、キラル化合物が配位していないポルフィリ
ン環に結合したメチル基以上にバルキーな置換基(図3
ではEt:エチル基)との間に立体障害が生じることに
より、ポルフィリンの配向にねじれが生じ、ポルフィリ
ン間の励起子相互作用(エキシトンインターラクション)
に基づく円二色性があらわれるものと理解できる。
【0062】CDエキシトン・キラリテイー法による
と、二つの相互に作用する電子遷移モーメントが手前か
ら奥側に向かって時計回りに並ぶと正のキラリティーを
創出し、反時計回りに並ぶと負のキラリティーを創出す
る(Harada,N., Nakanishi,K.,"Circular Dichroic Spec
troscopy-Excition coupling in Organic Stereochemis
try, University Science Books, Mill Valley,1983.、
Nakanishi,K., Berova,N., "In Circular Dichroism;Pr
inciples and Applications", Woody,R.,Ed, VCH Publi
shers; New York,1994; pp361-398)。
【0063】例えば、絶対配置がSであるキラル化合物
が金属ポルフィリン2量体に配位すると、手前から奥側
に向かって時計回りにねじれるので(図3参照)、第1コ
ットン効果の符号は「正」となる。一方、絶対配置がRで
あるキラル化合物が金属ポルフィリン2量体に配位する
と、手前から奥側に向かって反時計回りにねじれるの
で、第1コットン効果の符号は「負」となる。
【0064】本発明の方法では、円二色性(CD)分光
光度分析法を用いて、キラル化合物、金属ポルフィリン
などを含む試料溶液について分析する。即ち、本発明の
方法では、金属ポルフィリン2量体に測定対象であるキ
ラル化合物を配位させたときに得られる円二色性スペク
トルのコットン効果の符号によって、前記キラル化合物
の絶対配置を決定することができる。本発明の方法によ
ると、キラル化合物に特殊な修飾基を誘導することなし
に、直接的に絶対配置を決定することが可能である。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、金属ポルフィリン2量
体に配位しうるキラル化合物について、金属ポルフィリ
ン2量体に配位可能な基に直接結合している不斉炭素ま
たは前記の配位可能な基との間に炭素原子が1原子介在
する不斉炭素の絶対配置を直接決定することができる。
メントールのように不斉炭素を2以上有する化合物の場
合には、金属ポルフィリン2量体に配位する基が結合し
ている不斉炭素または前記基との間に炭素原子が1原子
介在している不斉炭素について、その絶対配置を決定す
ることができる。
【0066】本発明によると、試料溶液を冷却するよう
な煩雑な操作をすることなく、キラル化合物の絶対配置
を決定することができる。
【0067】本発明の方法は、非常に感度の高い方法で
あるので、ごく少量のキラル化合物があれば、絶対配置
を決定することができる。特開2001-220392の方法で
は、例えば一級非環式モノアミンの場合、10-3mol/l以
上のアミンが必要であるが、本発明の方法では10-6 mol
/l以上のアミンがあれば絶対配置を決定することができ
る。また、本発明の方法は、用いる金属ポルフィリン2
量体もごく少量である。
【0068】本発明によると、測定する際にキラル化合
物に特殊な修飾基を導入する必要がない。従って、キラ
ル化合物を必要に応じて容易に回収できる。例えば測定
後の試料溶液と2 mol/l程度の塩酸水溶液とを撹拌する
と、金属ポルフィリン2量体とキラル化合物からなる錯
体は、フリーのポルフィリン2量体とキラルアミンの塩
酸塩に分解するので、キラル化合物を分離回収できる。
分離回収したフリーのポルフィリン2量体は、もう一度
アルカリ土類金属イオンを導入することにより、再度使
用することができる。
【0069】本発明によると、非常に迅速にキラル化合
物の絶対配置を決定することができる。試料調製とCD
スペクトル測定に要する時間は、条件によっては10分
以内である。
【0070】コットン効果の検出、即ちCDスペクトル
測定は、通常400〜450nmでなされる。大抵のキ
ラル化合物の吸収は、400nm以下であるので、コッ
トン効果を示すピークとキラル化合物自身の示すピーク
とは重ならない。従って、本発明によると、非常に広範
囲のキラル化合物について、絶対配置を決定することが
可能である。
【0071】本発明によると、非結晶性の化合物につい
てその絶対配置を決定することができる。
【0072】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をより
具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限
定されるものではない。
【0073】CDスペクトル測定には、JASCO J-720WI
スペクトロポーラリメーターを使用した。
【0074】製造例1 以下のスキームに従って、マグネシウムポルフィリン2
量体を製造した。
【0075】
【化6】
【0076】フリーのポルフィリン2量体(化合物2、
1.9mg、1.73μmol)を無水CH2Cl2(1ml)に溶解し、これに
トリエチルアミン(9.5μl、68μmol)を加え、更に (CH2
H5)2O・MgBr2(10mg、35μmol)を加えた。得られた混合
物を室温において1時間混合した。この混合物に10mlの
CH2Cl2を添加し、反応混合物を希釈した後、5mlの水で
洗浄した。無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濾
過し、濾液を1mlまで濃縮した。活性アルミナ(メルク
製、aluminium oxide 90 active)を充填した塩基性カラ
ムを使用して、カラムクロマトグラフィーにより精製し
た。最初の溶出液として、CH2Cl2(未反応のフリーの塩
基は検出されず)を使用し、二番目の溶出液として、CH2
Cl2とアセトンの1:1混合溶媒を用いた。二番目の溶出
液を蒸発乾固することにより、1.95mg(フリーのポルフ
ィリン2量体である化合物2を基準として収率98%)の化
合物1を得た。得られた化合物のCH2Cl2中における紫外
−可視吸収スペクトルを図4に示す(aで示される太
線)。吸収極大:λmaxは、以下の通りであった。なお、
かっこ中の値は、各吸収極大におけるモル級吸光係数の
対数:logεを示す。λmax/nm:601(3.83)、557(4.1
8)、416(5.22)、404(5.29)。
【0077】図4には、紫外−可視吸収スペクトルに使
用した化合物1のCH2Cl2溶液に、更に(R)-2-ブチルアミ
ンを添加した溶液に関する紫外−可視吸収スペクトルを
同時に示す(bで示される細線)。
【0078】実施例1 3ml(光路長:1cm)のセルに、約10−6mol/lの化合
物1と約10-1mol/lの(1S,2R)-(-)-ボルネオールのCH
Cl溶液を調製し、22〜23℃において、350〜5
00nmの円二色性スペクトルを測定した。結果を図1
に示す。
【0079】図1から明らかなように、より長波側にあ
る第1コットン効果の符号が負であることから、ボルネ
オールの水酸基に結合している不斉炭素の絶対配置はR
であることが確認された。
【0080】実施例2 ボルネオールの代わりに10-2mol/lの(S)-(−)-1-フェニ
ルエタノールを用いた以外は実施例1と同様にして、円
二色性スペクトルを測定した。その結果を図5に実線で
示す。
【0081】この場合は、第1コットン効果の符号が正
であることから、絶対配置は(S)であることが確認で
きた。
【0082】実施例3 ボルネオールの代わりに10-4mol/lのフェニルエチルア
ミンを用いた以外は実施例1と同様にして、円二色性ス
ペクトルを測定した。その結果を図6に実線で示す。第
1コットン効果の符号が負であることから、絶対配置は
(R)であることが確認できた。
【0083】比較例1 キラル化合物の絶対配置決定試薬として、化合物1の代
わりに以下の亜鉛ポルフィリン2量体(約10−6mol/
l)を用いた以外は、実施例2と同様にして1-フェニルエ
タノールを含む試料溶液のCDスペクトルを測定した。
【0084】結果を図5に点線で示す。コットン効果を
検知できなかったので、1-フェニルエタノールの絶対配
置を決定することができなかった。試料溶液の温度を-8
0℃程度まで冷却すると、コットン効果を検知すること
ができた。
【0085】
【化7】
【0086】比較例2 キラル化合物の絶対配置決定試薬として、化合物1の代
わりに比較例1において用いた亜鉛ポルフィリン2量体
(約10−6mol/l)を用いた以外は、実施例3と同様に
して1-フェニルエチルアミンを含む試料溶液のCDスペク
トルを測定した。
【0087】結果を図6に点線で示す。コットン効果を
検知できなかったので、1-フェニルエチルアミンの絶対
配置を決定することができなかった。1-フェニルエチル
アミンの濃度を1×10-3mol/l程度にするとコットン効果
を検知できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の結果を示す。ボルネオールを含む
試料溶液のCDスペクトルである。
【図2】 ポルフィリン2量体の最大吸収バンドである
Bバンドに関するモーメントの方向を示す図である。ポ
ルフィリン環を楕円として、架橋炭素鎖を直線として、
金属ポルフィリン2量体を概略的に示す。二つの楕円
(ポルフィリン環)は、同一平面上には存在せず、前後に
位置する。二つの楕円の前後関係を図示ために、手前に
ある楕円を太線で示す。キラルな構造は右回りのキラリ
ティを有する。
【図3】 マグネシウムポルフィリンダイマーにおける
不斉誘起の機構を示した概要図である。二つのポルフィ
リン環のうち、手前にあるポルフィリン環を太線で示し
ている。
【図4】 製造例1において調製した化合物1の紫外−
可視吸収スペクトルを示す(aで示される太線)。この溶
液に(R)-2-ブチルアミンを加えると、スペクトルが変
化する(bで示される細線)。このことから、化合物1と
(R)-2-ブチルアミンとの間には、何らかの相互作用があ
ることが判った。
【図5】実施例2において測定した(S)-(-)-1-フェニル
エタノール含有試料溶液のCDスペクトルを示す(実線)。
同時に比較例1において測定した(S)-(-)-1-フェニルエ
タノール含有試料溶液のCDスペクトルを示す(点線)。
【図6】実施例2において測定した(S)-(-)-1-フェニル
エチルアミン含有試料溶液のCDスペクトルを示す(実
線)。同時に比較例1において測定した(S)-(-)-1-フェ
ニルエチルアミン含有試料溶液のCDスペクトルを示す
(点線)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−220392(JP,A) 特開 平10−29993(JP,A) TETRAHEDRON,1998年,54 (1998),p5041−5064 TETRAHEDRON LETTE RS,1997年,Vol.38,No.9 (1997),p1603−1606 CHEM.COMMUN.,1997年, p1575−1576 CHEM.COMMUN.,1996年, p1867−1868 J.AM.CHEM.SOC.,2000 年,122(18),p4403−4407 BULL.CHEM.SOC.JA P.,1997年,70(5),p1115−1123 BULL.CHEM.SOC.JA P.,1997年,70(8),p1923−1933 CHIRALITY,2001年,13 (6),329−335 JOURNAL OF THE AM ERICAN CHEMICAL SO CIETY,2001年,123(13),2979 −2989 JOURNAL OF PHYSIC AL CHEMISTRY A,2000 年,104(40),9213−9219 BULLETIN OF THE C HEMICAL SOCIETY OF JAPAN,2000年,73(5),1259 −1275 ORGANIC LETTERS, 2000年,2(11),1565−1568 JOURNAL OF THE AM ERICAN CHEMICAL SO CIETY,2000年,122(18),4403 −4407 BULLETIN OF THE C HEMICAL SOCIETY OF JAPAN,1999年,72(8),1887 −1898 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 G01N 21/62 - 21/74 C07D 487/22 C07F 3/02 G01N 21/75 - 21/83 CA(STN) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素鎖で架橋された金属ポルフィリン2量
    体であり、前記2量体の少なくとも一方のポルフィリン
    環において、架橋炭素鎖に結合した炭素からポルフィリ
    ン環の外周に沿って二つめの炭素の少なくとも一方にメ
    チル基以上にバルキーな置換基を有し、且つ中心金属
    が、アルカリ土類金属イオンである金属ポルフィリン2
    量体を有効成分として含むキラル化合物の絶対配置決定
    試薬。
  2. 【請求項2】炭素鎖で架橋された金属ポルフィリン2量
    体が、以下の式(1)に示す金属ポルフィリン2量体であ
    る請求項1に記載のキラル化合物の絶対配置決定試薬。 【化1】 [式中、M2+およびM'2+は、同一または相異なってアルカ
    リ土類金属イオンを示し、nは、2または3を示し、Ra
    〜Rdは、同一または相異なって、水素原子またはメチル
    基以上にバルキーな置換基を示し、但し、Ra〜Rdのうち
    少なくとも1つは、メチル基以上にバルキーな置換基を
    示し、R1〜R12は、同一または相異なって、水素原子ま
    たは炭化水素基を示す。]
  3. 【請求項3】式(1)におけるRa〜Rdの少なくとも1つ
    が、1)炭素数1〜8の炭化水素基、2)含酸素置換
    基、3)含窒素置換基、4)ハロゲン原子および5)ハ
    ロゲン化炭化水素基からなる群から選択される1種であ
    る請求項2に記載の試薬。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の試薬と、
    以下の特性を有するキラル化合物とを含む試料溶液につ
    いて、円二色性分光光度分析を行い、コットン効果の符
    号から前記キラル化合物の不斉炭素の絶対配置を決定す
    る方法:(i)有効成分である金属ポルフィリン2量体に配
    位可能なキラル化合物であり、且つ(ii) 金属ポルフィ
    リン2量体に配位可能な基と不斉炭素が直接結合してい
    るキラル化合物、または前記配位可能な基と不斉炭素と
    の間に炭素原子が1原子介在しているキラル化合物。
  5. 【請求項5】キラル化合物が、1)一級モノアミン、
    2)二級モノアミン、3)モノアルコールおよび4)ア
    ミノアルコールからなる群から選択される1種である請
    求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】-10〜30℃において円二色性分光光度分析
    を行う請求項4または5に記載の方法。
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