JP3416547B2 - 高炭素含有ブリケット及びその製法 - Google Patents
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Description
に製鉄工程及び製鋼工程に有用なブリケット(凝塊
体)、特に高炭素含有ブリケット及びその製法に属す
る。
酸化鉄の微粒子又は粗粒子から適当な安定粒子凝塊体を
製造する技術分野は、高度に確立されかつ急速に拡大し
ている。前記粒子凝塊体は、適当な接着用粒子又は結合
材を用いて、焼結、焼成及び接合処理により粒子間を結
合することにより製造される。高温凝塊形成法(hot br
iquetting)は、圧縮成形技術と化学的還元、熱及び圧
力の適切な組み合わせによって鉄鉱石粒子を凝集させる
工程である。前記方法により製造されるブリケット(凝
塊体)は、商業上、高温凝塊鉄(hot briquetted iron,
HBI)として知られる。結合材を用いない高温凝塊
形成技術は、約0.01%から最大2%の炭素を含む金属
化鉄材料を使用して極めて良好に実施される。しかしな
がら、炭素含有量が2%を超えると、公知の成形技術で
は十分に安定な粒子凝塊体材料を製造できない。従っ
て、炭素含有量の大きい出発材料からブリケットを製造
する方法が求められている。
は、高炭素含有鉄粒子を凝集させて適当な安定ブリケッ
トを製造する方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、余分な結合材を含まずかつ溶融スラグ又はガラ
ス質相を含まない高炭素含有ブリケットの製法を提供す
ることにある。本発明の更に他の目的は、製鉄炉及び製
鋼炉の有用な供給原料として優れた物性を備える高炭素
含有ブリケットを提供することにある。その他の本発明
の目的及び利点は、下記の説明より更に明確となろう。
目的及び利点を容易に達成できる。本発明による高炭素
含有ブリケットの製法は、鉄粒子と炭素粒子とを含む粒
状材料を準備する準備工程と、粒状材料を凝塊形成温度
及び凝塊形成圧力に曝露して鉄及び酸化鉄により炭素粒
子に直接鉄粒子を結合して、粒状材料の安定粒子凝塊体
を形成する工程とを含み、鉄粒子は、粒状材料の重量基
準で、少なくとも80%の全鉄と、少なくとも4%の酸化
鉄と、2%以上の炭素とを含み、炭素粒子は、炭素粒子
の重量基準で85%〜95%のセメンタイトと、5%〜1
5%の黒鉛とを含む。
の安定粒子凝塊体を含み、鉄粒子は、金属化鉄と酸化鉄
とを含み、酸化鉄は、ブリケットの重量基準で少なくと
も4%存在し、炭素粒子は、ブリケットの重量基準で2.
1%〜6.5%存在し、ブリケットは、ブリケットの重量
基準で少なくとも80%の全鉄と、2%以上の炭素とを含
み、炭素粒子は、炭素粒子の重量基準で85%〜95%の
セメンタイトと、5%〜15%の黒鉛とを含み、鉄及び酸
化鉄は、セメンタイト粒子間の空隙及び空間内に配置さ
れかつ鉄粒子を炭素粒子に直接結合する高炭素含有ブリ
ケットを提供できる。
の供給原料に有用な高炭素含有ブリケット及びその製法
に関する。本発明によれば、結合材その他を添加せず
に、相当量の炭素を含有する鉄粒子を有用な供給原料ブ
リケットに凝集させる方法を提供できる利点がある。
炭素ブリケット(HCB)は、鉄粒子及び炭素粒子を含
む粒状材料を原料として製造され、鉄は、金属化鉄又は
還元鉄及び酸化鉄を含み、原料の粒状材料の重量基準で
約2.0%を超え、好ましくは約2.1%〜約6.5%の炭素
を含む。これは、一般に約0.01%から最大2.0%の非
常に少量の炭素を含む材料を必要とする公知の製法に比
べて優れている。本発明では、鉄粒子が特定量の金属化
鉄及び酸化鉄を含有する場合に、炭素量が増加しても安
定粒子凝塊体又はブリケットを製造できることが判明し
た。
状材料の重量に対し好適には少なくとも約80%の全
鉄、より好適には約88%〜約93%の全鉄を含み、材料
は、出発材料の重量に対し約85%〜約89%の金属化鉄
又は還元鉄と、出発材料の重量に対し約4%〜約6%の酸
化鉄とを含有することが好ましい。適当な微粒子又は粗
粒子を出発粒状材料として使用できる。特に、好適な出
発粒状材料は粒径約0.1mm〜約10mmである。粒度分
析(granulometric analysis)によって適当な出発粒状
材料を特定でき、その場合、約11.5%〜約18.62%
16メッシュ以上の粒度(+16mesh)、約32.7%〜
約36.83%100メッシュ以上の粒度(+100mes
h)及び約40%〜約57.22%100メッシュ以下の粒
度(−100mesh)が好適である。
数(binding index)又は金属化鉄に対する酸化鉄(II)
(Fe+2)の比は約0.03〜約0.05が好ましい。
出発粒状材料の炭素粒子部分はセメンタイト(Fe
3C)及び黒鉛の形態で存在することが好ましく、炭素
粒子の重量に対し約85%〜約95%のセメンタイトと、
約5%〜約15%の黒鉛とを含むことが好ましい。
に硬いため、加熱及び加圧による凝塊形成が困難である
ことが知られる。しかしながら、本発明では、好ましく
は温度約650℃〜約750℃、圧力約250kg/cm2〜
約350kg/cm2の凝塊形成温度及び凝塊形成圧力に前記
特徴の出発粒状材料を曝露して圧密化することにより、
金属化鉄及び酸化鉄又はウースタイトを高炭素含有粒
子、特にセメンタイト粒子間の空隙内及び空間内に流入
させ、炭素粒子に直接鉄粒子を結合させて所望の安定粒
子凝塊体を形成できる。
及び製鋼工程の供給原料に特に有用な凝塊粒状材料のブ
リケットを容易に形成でき、このブリケットは鉄粒子及
び炭素粒子を含む安定粒子凝塊体を有し、ブリケットに
対して全鉄は少なくとも約80重量%存在し、炭素は約
2.0重量%を超え、好ましくは約2.1重量%〜約6.5
重量%存在する。ブリケットの全鉄含有量はブリケット
の重量基準で約88%〜約93%が好ましく、鉄中の金属
化鉄部分は約85%〜約89%が好ましい。
度約4.4g/cm3〜約5.6g/cm3、破壊指数(breakdown
index)約1.4重量%〜約1.6重量%−6mmである。本
明細書中に用いる破壊指数は、ブリケットが標準破壊試
験を受けた後の所与のサイズ(ここでは6mm)より小さ
いサイズを有するブリケットに対する鉱石微粉の百分率
である。本発明のブリケットが示す破壊指数は、高炭素
含有材料を用いた場合にも、最大2%の炭素含有量を有
する出発材料を使用する従来の高温凝塊形成鉄に認めら
れる値と同程度に良好な密度及び破壊指数を示す点で有
利である。従って、本発明では、出発材料は極めて大き
い炭素含有量を許容できるにも拘わらず、所望の工程に
非常に適する供給原料となるブリケット及びその製法が
得られる。更に、本発明に用いる高炭素含有材料は、エ
ネルギ含有量が大きく、この方法で製造するエネルギ及
び関連コストを節減できて有利である。また、本発明の
ブリケットは、湿気と反応する傾向が小さく、炭化物の
対水反応傾向が小さいため、耐候性が向上する特徴があ
る。
材料は微粉に限定されず、本発明の凝塊形成工程は複数
の粒子を一体に効果的に溶着するのに粗い又は凝塊性の
材料を含んでもよく、得られるブリケットの強度は主に
粒子間の結合強度に依存する。本発明の高炭素含有ブリ
ケットは、運搬並びに製鋼所及び製鉄所での取扱いに耐
える優れた物理的強度を有し、更に遊離炭素を含む微粉
及び塵芥が低レベルであり、従ってこれらの取扱いに付
随する環境汚染を低減できる。本発明は、本発明の精神
及び本質的特徴から乖離することなく、その他の形態又
は他の方法により実施可能である。従って、本発明の前
記実施の形態は全ての点で例示であって限定ではなく、
特許請求の範囲に示す本発明の範囲及び等価の意義及び
範囲に含まれる全ての変更を包含することを意図すると
理解されたい。
鉄粒子を凝集させて安定な高炭素含有ブリケットを得る
ことができ、得られる高炭素含有ブリケットは、余分な
結合材、溶融スラグ又はガラス質相を含まず、製鉄炉及
び製鋼炉の有用な供給原料として優れた物性を備えてい
る。運搬並びに製鋼所及び製鉄所での取扱いに耐える優
れた物理的強度を有し、更に遊離炭素を含む微粉及び塵
芥が低レベルであり、取扱いに際し環境汚染を低減でき
る。
Claims (19)
- 【請求項1】 鉄粒子と炭素粒子との安定粒子凝塊体を
含み、鉄粒子は、金属化鉄と酸化鉄とを含み、酸化鉄
は、ブリケットの重量基準で少なくとも4%存在し、炭
素粒子は、ブリケットの重量基準で2.1%〜6.5%存在
し、 ブリケットは、ブリケットの重量基準で少なくとも80
%の全鉄と、2%以上の炭素とを含み、 炭素粒子は、炭素粒子の重量基準で85%〜95%のセメ
ンタイトと、5%〜15%の黒鉛とを含み、 鉄及び酸化鉄は、セメンタイト粒子間の空隙及び空間内
に配置されかつ鉄粒子を炭素粒子に直接結合することを
特徴とする高炭素含有ブリケット。 - 【請求項2】 酸化鉄は、ブリケットの重量基準で4%
〜6%存在する請求項1に記載の高炭素含有ブリケッ
ト。 - 【請求項3】 ブリケットの重量基準で88%〜93%の
鉄を含む請求項1に記載の高炭素含有ブリケット。 - 【請求項4】 ブリケットの重量基準で85%〜89%の
金属化鉄を含む請求項3に記載の高炭素含有ブリケッ
ト。 - 【請求項5】 金属化鉄に対する酸化鉄の比は0.03
〜0.05である請求項1に記載の高炭素含有ブリケッ
ト。 - 【請求項6】 4.4g/cm3〜5.6g/cm3の密度、1.4
重量%〜1.6重量%−6mmの破壊指数を有する請求項1
に記載の高炭素含有ブリケット。 - 【請求項7】 実質的に鉄粒子と炭素粒子とから成り、
鉄は、金属化鉄及び酸化鉄として存在し、酸化鉄は、ブ
リケットの重量基準で少なくとも4%存在し、炭素粒子
は、ブリケットの重量基準で2.1%〜6.5%存在し、 ブリケットは、ブリケットの重量基準で少なくとも80
%の全鉄と、2%以上の炭素とを含み、 炭素粒子は、炭素粒子の重量基準で85%〜95%のセメ
ンタイトと、5%〜15%の黒鉛とを含み、 鉄及び酸化鉄は、セメンタイト粒子間の空隙及び空間内
に配置されかつ鉄粒子を炭素粒子に直接結合することを
特徴とする高炭素含有ブリケット。 - 【請求項8】 鉄粒子及び炭素粒子は、実質上直接的に
一体に接合される請求項7に記載の高炭素含有ブリケッ
ト。 - 【請求項9】 鉄粒子と炭素粒子とを含む粒状材料を準
備する準備工程と、 粒状材料を凝塊形成温度及び凝塊形成圧力に曝露し、鉄
及び酸化鉄により炭素粒子に直接鉄粒子を結合して、粒
状材料の安定粒子凝塊体を形成する工程とを含み、 粒状材料は、粒状材料の重量基準で、少なくとも80%
の全鉄と、少なくとも4%の酸化鉄と、2%以上の炭素と
を含み、 炭素粒子は、炭素粒子の重量基準で85%〜95%のセメ
ンタイトと、炭素粒子の重量基準で5%〜15%の黒鉛と
を含むことを特徴とする高炭素含有ブリケットの製法。 - 【請求項10】 成形工程により鉄及び酸化鉄を炭素粒
子の間に流動させ、鉄粒子と炭素粒子とを直接接合する
請求項9に記載の高炭素含有ブリケットの製法。 - 【請求項11】 粒状材料の重量基準で4%〜6%の酸化
鉄を含み、炭素粒子は、2.1%〜6.5%存在する請求項
9に記載の高炭素含有ブリケットの製法。 - 【請求項12】 準備工程は、実質的に鉄粒子及び炭素
粒子から成る粒状材料を準備する工程を含み、実質的に
結合材を含まない請求項9に記載の高炭素含有ブリケッ
トの製法。 - 【請求項13】 準備工程は、粒状材料の重量基準で8
8%〜93%の全鉄を含有する粒状材料を準備する工程を
含む請求項9に記載の高炭素含有ブリケットの製法。 - 【請求項14】 準備工程は、粒状材料の重量基準で8
5%〜89%の金属化鉄を含有する粒状材料を準備する工
程を含む請求項13に記載の高炭素含有ブリケットの製
法。 - 【請求項15】 準備工程は、金属化鉄と、金属化鉄に
対する重量比0.03〜0.05の酸化鉄とを含有する粒
状材料を準備する工程を含む請求項9に記載の高炭素含
有ブリケットの製法。 - 【請求項16】 650℃〜750℃の温度及び250
kg/cm2〜350kg/cm2の圧力で粒子凝塊体を形成する請
求項9に記載の高炭素含有ブリケットの製法。 - 【請求項17】 成形工程によりブリケット全体の重量
基準で2%を超える炭素が存在する鉄及び炭素を含む粒
子凝塊体を形成する請求項9に記載の高炭素含有ブリケ
ットの製法。 - 【請求項18】 成形工程により密度4.4g/cm3〜5.
6g/cm3、破壊指数1.4重量%〜1.6重量%−6mmの粒
子凝塊体を形成する請求項9に記載の高炭素含有ブリケ
ットの製法。 - 【請求項19】 粒状材料は0.1mm〜10mmの粒径で
ある請求項9に記載の高炭素含有ブリケットの製法。
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