JP3416332B2 - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジなどのマイク
ロ波加熱機器などに用いられるマグネトロンに関する。
さらに詳しくは、マグネトロン動作時におけるアンテナ
キャップでのマイクロ波損失を低減するとともに機械的
強度が大きく、かつ、加工性を向上させたアンテナキャ
ップを有するマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子レンジなどに用いられるマグ
ネトロンの本体部分は図2に示されるような構造になっ
ている。すなわち、陽極円筒1の内周に放射状に設けら
れた偶数枚のベイン2および大径および小径のストラッ
プリング3とから空洞共振器である陽極部6が形成さ
れ、フィラメント13および陰極リード14からなる陰
極部17とのあいだに高電圧が印加され、ポールピース
4、5を介して電界と垂直方向(陽極円筒1の軸方向)
に磁界が印加されて直交静電磁界が印加される構成にな
っている。このマグネトロンの陽極部6で発生したマイ
クロ波のエネルギーはベイン2に接続されたアンテナ1
0の先端部から外部に放射される。アンテナ10の周囲
は陽極円筒1にロウづけされたトップシェル7、アンテ
ナセラミック8およびシール部11により真空容器が構成
されている。シール部11は排気管が排気後にアンテナ
10を挟んでチップオフされたもので、ガス放出の少な
い無酸素銅からなり、チップオフ部はエッジ状になって
いて破損し易く、破損するとリークするため、アンテナ
キャップ9により被覆されている。また、陰極13に
は、陰極リード14が接続され、陰極リード14はステ
ムセラミック16を貫通して外部リード18に接続され
ている。
【0003】シール部11は前述のように、排気管をチ
ップオフしたもので、真空容器の一部をなしているとと
もに、アンテナ10の先端と接続されているため、ガス
が発生しにくく、熱や電気の伝導がよい無酸素銅が用い
られている。無酸素銅は機械的強度が弱く、またチップ
オフ部はナイフエッジ状に尖鋭になっていて破損し易い
ため、アンテナキャップ9により被覆されている。その
ため、マイクロ波電力はアンテナ10とシール部11と
を伝送してアンテナキャップ9の表面から放射され、ア
ンテナキャップ9の表面にも高周波電流が流れる。その
ため、アンテナキャップ9は抵抗の小さい材料であるこ
とが好ましいが、一般に銅、銀などの抵抗の小さい材料
は機械的強度も弱い。以前は鉄板に亜鉛メッキをしたも
のが用いられていたが、表面での抵抗が大きいと抵抗損
による発熱で温度が上昇し、マグネトロンのオンオフに
よるヒートサイクルでアンテナキャップが脱落する。そ
こで、アンテナキャップ9として、現状では、ある程度
の機械的強度がえられ、透磁率の小さい非磁性ステンレ
スが一般的に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、アンテ
ナの先端になるとともにチップオフされた部分を覆うア
ンテナキャップに非磁性ステンレスを用いると機械的強
度はある程度えられるが、銀や銅などに比べると導電率
が小さく抵抗が大きくなる。そのため、マイクロ波損失
が増大し出力が低下するという問題がある。
【0005】また、このアンテナキャップは一般に板材
からしぼり加工により形成されるが、アンテナキャップ
は直径が10〜20mm程度で高さが15〜20mm程
度となるため、深しぼりをする必要があり、前述の非磁
性ステンレスでは加工性がわるく、加工工数を多く要す
るとともに部品歩留りを上昇できないという問題があ
る。
【0006】本発明はこのような問題を解決し、マイク
ロ波損失が少なく、かつ、加工性が優れるとともに、チ
ップオフ部を保護する機械的強度が充分にえられるアン
テナキャップを有するマグネトロンを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般にマイクロ波などの
高周波帯域では、高周波電流は導体の全体を流れるので
はなく、表面の一定の深さ(表皮厚さ)だけを流れると
いう表皮効果を有することが知られている。しかし、マ
イクロ波加熱用に用いられるマグネトロンは発振周波数
が2450MHzと比較的低いため、表皮厚さ(スキン
デプス)も数μm〜10μm程度と厚く、簡単な銅メッ
キなどで表皮抵抗を下げることができず、コストダウン
が要求される従来のマイクロ波加熱用マグネトロンで
は、前述のように非磁性ステンレスが用いられていた。
しかし本発明者が鋭意検討を重ねた結果、ステンレスで
は加工性がわるく、加工時間が多くかかり、その上、マ
イクロ波損失に伴なう発振効率も低下するのに対し、鉄
系材料など加工性がよく、機械的強度の大きい材料に銅
や銀などの導電率の大きい材料を被膜した複合材料を用
いることにより大した工数の増加もなく高特性のマグネ
トロンがえられ、コスト、特性の総合面から優れること
を見出した。
【0008】本発明のマグネトロンは、陽極部と、該陽
極部の中心に設けられた陰極部と、前記陽極部に接続さ
れたアンテナと、該アンテナの周囲に設けられ真空容器
の一部となるアンテナセラミックおよびシール部と、該
シール部を覆うアンテナキャップとを有するマグネトロ
ンであって、前記アンテナキャップの素地に機械的強度
の大きい材料を用い、前記アンテナキャップの外周面に
は、高導電率、かつ、低透磁率の材料からなる表皮膜が
形成され、前記アンテナキャップの内周面には、酸化を
防止する材料からなる酸化防止皮膜が形成されたマグネ
トロンである。
【0009】前記機械的強度の大きい材料が鉄系材料
で、前記高導電率、かつ、低透磁率の材料が銀および銅
の少なくとも一方を主成分とすることが、機械的強度が
えられるとともに表皮抵抗が小さくマイクロ波損失を少
なくすることができるため好ましい。
【0010】
【0011】
【作用】本発明によれば、マグネトロンのアンテナ先端
のシール部を被覆するアンテナキャップが、機械的強度
の大きい材料を素地として、少なくともその外周面に高
導電率、かつ、低透磁率の材料が20μm以上の厚さに
被着された材料からなっているため、シール部を保護す
る機械的強度を充分に維持しながら抵抗損によるマイク
ロ波損失を充分に低減させ、発振効率の優れた高特性の
マグネトロンがえられる。
【0012】すなわち、前述のように、マイクロ波など
の高周波電流は導体の全体を流れるのではなく、導体の
表面だけを流れるという表皮効果を有している。本発明
はこの性質を利用しており、機械的強度が大きい材料の
少なくとも外周面に被着された導電率が大きく、かつ、
透磁率の小さい材料部分を高周波電流は流れる。この導
電率が大きく、かつ、透磁率の小さい材料として、たと
えば銅や銀などを用いることができマイクロ波の抵抗損
失を大幅に減少させることができ、発振効率が上昇す
る。一方、アンテナキャップの素地は、たとえば鉄や鉄
系合金などからなる機械的強度の強い材料であるため、
たとえば外部から衝撃が加わってもアンテナキャップが
変形し、シール部を破損したり、出力特性を変化させる
ことがなく、機械的強度を充分に高く維持することがで
きる。しかも、機械的強度の大きい材料は、導電率など
の電気的特性についての考慮を必要とせず、機械的特性
のみで選定されうるため、機械的強度が大きく、しかも
加工性の良い材料が選定されうる。その結果、たとえば
鉄や鉄系合金などを選定することにより、深しぼり加工
も容易に行え、深さが深いアンテナキャップでも高歩留
りで簡単に形成できる。
【0013】
【実施例】つぎに、図面を参照しながら本発明のマグネ
トロンについて説明する。
【0014】図1(a)は本発明のマグネトロンの一実
施例のアンテナキャップの一部破断説明図、図1(b)
はその底面説明図である。
【0015】マグネトロンの構造は図2に基づいて説明
したように、その本体部分が、陽極部、陰極部およびア
ンテナ部からなっており、アンテナの先端はシール部と
ともにアンテナキャップで被覆されている。この本体部
分に図2には図示されていない磁石や冷却フィンなどが
取りつけられてマグネトロンが構成されている。本発明
のマグネトロンはこの構造においてアンテナキャップ9
が図1に示されるように、機械的強度の大きい素地9a
と少なくともその外周面に設けられた高導電率、かつ、
低透磁率の材料からなる表皮膜9bからなっていること
に特徴がある。図1に示される本実施例においては、ア
ンテナキャップ9の内周面にも素地9aの酸化や腐蝕を
防止する酸化防止皮膜9cが設けられている。アンテナ
キャップ9以外の陽極部、陰極部およびアンテナ部など
の他の構造は図2と同じであり、その説明を省略する。
【0016】本実施例のアンテナキャップ9の素地9a
は銅や銀よりも機械的強度が大きくてしぼり加工の加工
性のよい材料が用いられる。たとえば、低炭素鋼などの
鉄系材料が好ましい。また、この素地9aの厚さはコス
ト、加工性、機械的強度の点から0.2〜0.5mm程
度が好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.4mm程
度である。
【0017】アンテナキャップ9の外周面に設けられる
表皮膜9bは高周波電流を抵抗損ができるだけ少ない状
態で流すため、高導電率で、かつ、低透磁率の材料が用
いられる。低透磁率の材料にするのは、表皮抵抗を減少
させるためである。このような材料としては、たとえば
銀、銅、銀と銅の合金、亜鉛、アルミニウムなどが用い
られるが、その中でもとくに銀および/または銅を主成
分とするものが、耐熱性、耐侯性の点から好ましい。表
皮膜9bの厚さは、たとえば発振周波数が2450MH
zの電子レンジ用マグネトロンのばあい、高周波電流が
流れる導体表面の深さである表皮厚さ(スキンデプス)
が約10μm程度であり、10μm以上の厚さが必要で
ある。発振周波数がたとえば915MHzであると、表
皮厚さは周波数の逆数の平方根に比例するため、おおよ
そ2450MHzのばあいの5/3倍程度の厚さが必要
となる。また、表面の凹凸などの影響をなくするため、
20μm以上の厚さに設ければ、たいがいのマグネトロ
ンに適用できる。
【0018】本実施例では表皮膜9bとして、30〜4
0μmの厚さに形成された銀と銅の合金板を用い、素地
9aの表面に表皮膜9bを重ね合わせ、800〜900
℃程度の高温焼付により被着した。しかし、この被着の
方法は高温焼付でなくても、低炭素鋼などの素地9aの
表面に表皮膜9bを圧延、溶着、点溶接などにより設け
るクラッド加工の方法またはメッキ処理などにより設け
てもよい。
【0019】アンテナキャップ9の内周面に設けられる
酸化防止皮膜9cは素地9aとして鉄系材料を用いると
酸化して腐蝕し易いため、それを防止する目的で用いる
もので、安定した酸化膜がえられ、それ以上に酸化が進
まない材料が用いられる。このような材料としては、た
とえば表皮膜9bと同じ材料が用いられうるし、その他
にニッケル、亜鉛、スズなどが用いられる。酸化防止皮
膜9cの厚さとしては、素地9aの裏面側が空気と接触
しなければよいため、2μm程度以上あればよいが、本
実施例では表皮膜9bと同じ材料である銀と銅の合金を
10μm程度の厚さで表皮膜9bと同時に被着した。
【0020】このように、素地9aの両面に表皮膜9b
と酸化防止皮膜9cが設けられた複合板を金型によりし
ぼり加工することにより、図1に示されるアンテナキャ
ップ9がえられる。この方法により製造することによ
り、素地9aと表皮膜9bとの高温焼付工程が必要とな
るが、後のしぼり加工が容易となり、歩留りも向上する
ため、コストアップにはならず、むしろコストダウンす
ることができる。
【0021】前記構造のアンテナキャップ9を用いたば
あい、非磁性ステンレスより、約10%表皮抵抗が減少
した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、マグネトロンのアンテ
ナ先端部でチップオフした部分を被覆するアンテナキャ
ップを機械的強度の大きい材料と導電率が高く、かつ、
透磁率の小さい材料との複合材料を用いてその外周面に
高導電率の表皮膜が設けられるように形成されているた
め、機械的強度がえられて外部からの衝撃に対しても変
形せず安定であるとともに、高周波電流の抵抗損を抑制
できて高い発振効率がえられる。
【0023】また、アンテナキャップの加工性を向上さ
せることができ、加工工数の減少、歩留向上が表皮膜形
成工程の増加を吸収してコストダウンを図ることがで
き、低価格で信頼性が高く、かつ、高特性のマグネトロ
ンがえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネトロンの一実施例のアンテナキ
ャップの一部破断説明図である。
【図2】マグネトロンの本体部の一部破断説明図であ
る。
【符号の説明】
9 アンテナキャップ 9a 素地 9b 表皮膜 9c 酸化防止皮膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極部と、該陽極部の中心に設けられた
    陰極部と、前記陽極部に接続されたアンテナと、該アン
    テナの周囲に設けられ真空容器の一部となるアンテナセ
    ラミックおよびシール部と、該シール部を覆うアンテナ
    キャップとを有するマグネトロンであって、 前記アンテナキャップの素地に機械的強度の大きい材料
    を用い、前記アンテナキャップの外周面には、高導電
    率、かつ、低透磁率の材料からなる表皮膜が形成され、
    前記アンテナキャップの内周面には、酸化を防止する材
    料からなる酸化防止皮膜が形成されたマグネトロン。
  2. 【請求項2】 前記機械的強度の大きい材料が鉄系材料
    で、前記高導電率、かつ、低透磁率の材料が銀および銅
    の少なくとも一方を主成分とする請求項1記載のマグネ
    トロン。
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