JP3416103B2 - X線検査装置における実効焦点寸法の決定方法 - Google Patents

X線検査装置における実効焦点寸法の決定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線検査装置にお
ける実効焦点寸法の決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス工業界における実装技
術は日進月歩の勢いで、その高性能化と高密度化が進展
している。これに呼応してエックス線透視法による非破
壊検査技術も、ミクロン・レベルの実効焦点寸法を有す
るX線管の登場により、とりわけX線画像が格段に改善
されてきている。
【0003】しかしながら従来より工業用X線装置の分
野では、「マイクロフォーカスX線管」に対しては、単
に「100μm以下の焦点寸法をもつX線管」とのみ定
義されているのが実情である(JIS Z 230
0)。ましてや微小焦点ターゲットの実効焦点寸法に対
する統一的測定方法、すなわち標準化はまったくなされ
ていない。たとえばJIS Z 4615における標準
化は、焦点の呼び寸法が300μm以上のX線管を対象
としたものである。
【0004】そのため、真に微小な実効焦点寸法をもつ
X線管を、他のより大きい実効焦点寸法をもつX線管と
差別化しうる呼称がない。その上、はなはだしい場合に
は、真に1−2μm級の微小な焦点を有していないX線
管であるにも拘わらず、製品仕様の実効焦点寸法の項目
に「1μm」、又は「2μm」と記載されたり、あるい
は営業活動にてデタラメが語られることもしばしばであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、その問題点を明快に解決するために、業界の技術標
準ともなりうる発明を、ここに提唱する。これによっ
て、X線検査機器メーカのみならず、それらのユーザ各
社で本技術を自由に活用し、その基準に沿い標記した
り、あるいは評価することにより、今後、無駄な技術的
混乱を回避でき、かつ、またX線製造機器工業界全体の
健全な発展を図ることが大いに可能となり得る。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、マイクロフォーカスX線管などを用いたX線検査装
置において、その実効焦点寸法を、簡便かつ客観的に測
定することができる実効焦点寸法の決定方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係るX線検査装置における実
効焦点寸法の決定方法は、X線発生面の実質的に点状の
X線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX
線発生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検
出するX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、
前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線
像センサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸
法の決定方法において、前記被検査対象物として、第1
方向に沿って配置された第1線幅(S)の第1パタ
ーンと、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置
された前記第1線幅と異なる第2線幅(S)の第2
パターンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、
前記X線像センサにおける前記X線検出面での前記試料
の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第
1線幅を拡大後第1線幅(L)とし、拡大された前
記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L
とする工程と、下記の式から、前記X線源における実効
焦点寸法(F)を求める工程とを有する。
【0008】F=(L・S−L・S
/(L−L) 本発明の第2の観点に係るX線検査装置における実効焦
点寸法の決定方法は、X線発生面の実質的に点状のX線
源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発
生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検出す
るX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記
被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像セ
ンサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸法の
決定方法において、前記被検査対象物として、第1方向
に沿って配置された第1線幅(S)の第1パターン
と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置され
た前記第1線幅と異なる第2線幅(S)の第2パタ
ーンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、前記
X線像センサにより、前記試料の拡大画像を検出し、拡
大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅
(L)とし、拡大された前記第2パターンの第2線
幅を拡大後第2線幅(L)とし、r=L/L
を求める工程と、下記の式から、前記X線源におけ
る実効焦点寸法(F)を求める工程とを有する。
【0009】F=(r・S−S)/(1−r)
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
るX線検査装置の概略図、図2は実効焦点寸法の測定原
理を説明するための概略図、図3(A)は検査装置で用
いられる試料の平面図、図3(B)は試料のX線画像を
示す平面図である。
【0010】[第1実施形態]X線検査装置の全体構成 まず、図1に示す本発明の1実施形態に係るX線検査装
置10について説明する。図1に示すように、本実施形
態に係るX線検査装置10は、X線発生器3を有する。
X線発生器3は、電子線を発生するカソード6と、電子
線を加速するアノード8と、電子線を集束させるコンデ
ンサレンズ12と、電子線をターゲット4上に焦点を結
ばせる対物レンズ13と、集束された電子線が照射され
てX線を発生するターゲット4とを有する。
【0011】ターゲット4は、たとえばタングステン膜
と、タングステン膜を保持するベリリウム膜とで構成し
てあり、タングステン膜に対して、集束された電子線が
照射されることにより、その焦点位置に対応するX線発
生面4bの実質的に点状のX線源4aから所定の広がり
角度θ1を持ってX線を発生する。X線発生器3におけ
る電子線の通路は密閉され、図示省略してある真空ポン
プなどで真空に保たれている。所定の広がり角度θ1
は、特に限定されないが、本実施形態に係る装置10で
は、通常の装置よりも広いことが好ましく、たとえば4
5度〜150度、好ましくは100度〜140度程度が
好ましい。
【0012】ターゲット4のX線源4aから所定の広が
り角度θ1を持って出射されたX線は、被検査対象物2
を照射し、その拡大透視画像がX線像センサ15の画像
増幅器14のX線検出面14aへと入射する。画像増幅
器14は、X線を可視光に変換すると共に、被検査対象
物2を透過して拡大されたX線透視画像の輝度を増幅
し、より高輝度の画像を再生するための装置である。画
像増幅器14により増幅された高輝度の透視画像は、C
CDカメラや撮像管などの撮像装置16で撮像し、モニ
タ18に表示される。撮像装置16で撮像された透視画
像データは、モニタ18に表示されるのみでなく、プリ
ンタなどに出力することも可能であり、さらに、半導体
メモリ、ハードディスク、光磁気記憶装置などの記憶手
段に記憶される。さらにまた、専用回線または公衆回線
を通して、透視画像データを他の装置へ送信することも
できる。
【0013】なお、画像増幅器14のX線検出面14a
にて検出される被検査対象物2の透視画像の幾何学的拡
大率mは、X線源4aからX線検出面14aの中心まで
のFDD距離と、X線源4aから被検査対象物2までの
FOD距離との比により規定される。すなわち、幾何学
的拡大率m=FDD/FODである。なお、X線画像の
総合拡大倍率は、この幾何学的拡大倍率mに、X線像セ
ンサ15およびモニタ18などの画像出力装置における
信号拡大倍率kを掛け算したものである。たとえばX線
画像が最終的にビデオプリンターにより出力されるとす
ると、X線画像の総合拡大倍率=幾何学的拡大倍率m×
信号拡大倍率kである。信号拡大倍率kは、X線検査装
置に依存する既知の係数(たとえば1.5)である。
【0014】一般に、FDD値は、装置定数として固有
の値をとる。したがって、X線発生器3の焦点位置であ
るX線源4aからX線検出面14aの中心までの距離で
あるFDD値は、予め精度良く実測しておくことが可能
である。たとえばFDD値として、500mmまたは60
0mmの値と成るように設定することができる。
【0015】ところが、FOD値は、装置機構上、可変
の値をとる。なぜなら、このFODを変化させることに
より、X線画像の拡大および縮小を調節するからであ
る。したがって、X線画像は、常にある特定の拡大倍率
で撮影されるが、その都度FOD値をリアルタイムで測
定しているわけではないため、正確な拡大倍率を求める
ことができず、必ず測定誤差を多分に有している。な
お、FOD値をリアルタイムで高精度に検出する技術は
現在のところ確立されていない。
【0016】したがって、現在の技術では拡大倍率を正
確に測定することは困難であり、その正確でない拡大倍
率値を根拠にして、X線源4aにおける実効焦点寸法を
評価することは好ましくない。本発明の実施形態では、
以下の手法を用いることにより、拡大倍率を実測するこ
となく、X線源4aにおける実効焦点寸法を容易に求め
ることができる。
【0017】原理の説明 マイクロフォーカスX線管ターゲットの実効焦点寸法の
測定原理を以下に述べる。図2に示すように、図1に示
す被検査対象物2の代わりに、X線源4aと検出面14
aとの間に、標準試験片2aを配置する。標準試験片2
aの直径寸法をSとし、検出面14a上の寸法をKとす
ると、Kは、次式(1)で示される。
【0018】 K=S・(FDD/FOD) … (1) ただし、上記(A)式は、X線発生源4aにおける実効
焦点寸法Fを点光源とみなした場合の理想的な理論式で
ある。しかし、実際には、実効焦点寸法は、ある有限の
大きさ、Fを有しているため、現実に映し出される実X
線画像Lは、理想値Kの外側に必ずボケ量を含んでい
る。すなわち、理想値Kの両端外側で合わせて2Mのボ
ケ総量となる。ここでは、理想寸法Kの両外側に結像さ
れる2Mの成分量をボケ量と定義する。この実X線画像
寸法Lを数式で表すと、下記の式(2)となる。
【0019】L=K+2M … (2) なお、この実X線画像寸法Lは、検出面14aにおける
幾何学的拡大寸法である。一方、このボケ量Mも、X線
像の理想値Kと同様な拡大倍率で、比例して大きくな
る。すなわち、ボケ量Mは、下記の(3−1)式で表さ
れる。
【0020】 M=F・(FDD−FOD)/2・FOD …(3−1) ここで、FDDがFODに比較して可成り大きい場合
(FDD>>FOD)、上記式(3−1)は、近似的に
下記式(3−2)のように変形ができる。
【0021】 M=F・(FDD/2・FOD) … (3−2) したがって、X線画像の寸法Lを実測することにより、
上記の3式(1)、(2)および(3−2)を連立させ、実効
焦点寸法Fを次式(4)により求めることができる。
【0022】 F=(FOD/FDD)・L−S … (4) なお、上記式(4)は、次の式(5)のように変形する
こともできる。
【0023】L=m・(S+F) … (5) ただし、FOD、FDD、mを、それぞれ次の量とす
る。 FOD:焦点と試料との距離 FDD:焦点とX線画像との距離 m:幾何学的拡大倍率(FDD/FOD)原理の応用 上記の原理の欄では、直径Sの試料に対する「一般的原
理」を述べたが、本発明の実施形態の方法は、巧みにこ
れらの原理を応用するものである。すなわち、図2に示
す試験片2aとして、図3(A)に示す試料2bを用い
る。試料2bは、第1方向Xに沿って配置された第1線
幅Sの第1パターン20と、前記第1方向Xと直交
する第2方向Yに沿って配置された第1線幅20と異な
る第2線幅S2の第2パターン22とを少なくとも有す
る試料である。具体的には、試料2bは、十文字形に置
かれた異なる線径の細線で構成してある。細線の材質
は、特に限定されず、タングステン、金、白金などが例
示される。
【0024】なお、本実施形態では、パターン20およ
び22を構成する細線として、断面円形のタングステン
細線を用いている。断面円形のタングステン細線は、市
販製品で容易に入手できるメリットはあるが、より高精
度な線幅測定を行うには、線幅SおよびSを持
つ長方形断面形状の細線が好ましい。最終的に出力され
るX線画像の輪郭がよりシャープであることが肝要であ
るが、円形断面形状の場合には、厳密にいえば、図説す
るまでもなく既知の直径寸法よりも短い寸法の物体とし
て、X線像が形成されてしまう。この影響は高倍率ほど
大きくなる。
【0025】一方、長方形断面形状の場合には、このよ
うな「エッジ効果」は発生しない。この現象は、X線画
像の周辺に伴うボケ領域の広がり、およびコントラスト
の不規則性(イレギュラリティ)に直接関与する。従っ
て、標準試料2bの断面形状としては、長方形断面形状
の細線の方が優れている。
【0026】十文字型に置かれた2本の細線の直径寸法
を、それぞれS,S (S<S )とすると、
前述した式(4)により、次の2式が誘導される。
【0027】 F=L/m−S … (6−1) F=L/m−S … (6−2) ただし、L、Lを、2本の細線の(検出面14
a上に投影される)X線画像の線幅とする(当然、L
<Lとなる)。
【0028】上記の式(6−1)および(6−2)を連
立させ、幾何学的拡大倍率mが決定される。すなわち、
幾何学的拡大倍率mは、下記の式で表せる。
【0029】 m=(L−L)/(S−S) … (7) 上記式(7)を式(6−1)(または、式(6−2))
へ代入して、次式(8)を得る。
【0030】 F=(L・S−L・S)/(L−L) … ( 8) 上記式(8)に、検出面14a以降の画像出力装置にお
ける信号拡大倍率を考慮して、図3(B)に示す最終出
力されたX線画像より評価された2つの値L ,L
および、図3(A)に示す2つの既知の直径寸法値(S
,S)を代入することにより、実効焦点寸法Fを
決定することができる。
【0031】[第2実施形態]前記第1実施形態におい
て、「原理の応用」の欄では、簡略のため、式(8)ま
での誘導に止めたが、線幅比率rの概念を用いて、より
単純化することができる。すなわち、L/L
rとおくことにより、実効焦点寸法[F]は、下記の式
(9)の通り、S,Sを2つの助変数として、
rの関数として表わされる。
【0032】 F=(r・S−S)/(1−r) …(9) 上式(9)において、たとえば、既に計測済の試料にお
ける線幅S=5μm、S=3μmに適用する
と、下記の式となる。
【0033】 F=(5・r−3)/(1−r) …(10) ここで、F=F(r)とおき、式(10)を変形すれ
ば、下記の式(11)を得る。
【0034】 F(r)=−2/(r−1)−5 …(11) よって、F、rの両者は、r=1,F(r)=−5を2
本の漸近線とする双曲線関数を保つことが明らかであ
る。ただし、この例の場合、S,S(したがっ
てL,L)の大小関係を考慮し、また焦点寸法
の物理的意味より、r値は、0.6より大、1.0より
小の範囲をとり得る。
【0035】以上述べた「線幅比率(r)」を用いれ
ば、1検出面14a上に幾何学的拡大倍率で結像された
像−線幅(L)と、2さらにその像がX線像センサ15
およびモニタ18などの画像出力装置を経て総合倍率で
結像された像−線幅(L’)の両者の像に対して、統一
的な解釈を行い、取り扱うことができる。言い換えれ
ば、最終出力されたX線画像のクロスライン同士の「線
幅比率」を直接、この一般式(9)に代入し、実効焦点
寸法[F]を簡単に決定することができる。当然なが
ら、F値の単位も自動的に標準試験片のそれとなる。
【0036】なお、上記一般式(9)の定性的解釈を次
に要約する。上記一般式(9)は、以下のように定性的
に解釈することができる。 1.線幅比率(r)は、常にS/S比率よりも
大きい値となること。 2.線幅比率(r)が、S/S比率に漸近する
程、実効焦点寸法(F)は小さくなり、理想的な点状焦
点となること。 3.線幅比率(r)が、S/S比率より大きくなれ
ばなる程、実効焦点寸法(F)は大きくなること。
【0037】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0038】たとえば、上述した実施形態では、2本の
タングステン細線を直交せしめ、ベースに固定したもの
を用いているが、リソグラフィー技術、タングステン成
膜技術等を応用して、一個のテスト・ピース中に、縦幅
(S=W)、横幅(S=W)の絶対寸
法のペアを変えた複数種のクロス・パターンを作製して
おくと、さらに便利に応用できる。その一つ一つの線幅
に対しては、測長SEM等により計測された認証データ
付き標準パターン(公的認証機関等によるもの)を応用
することが望ましい。このような標準試験片は矩形の断
面形状を有する上、縦・横のライン・パターンが同一平
面内に置かれているので、細線の十字状重ね合わせによ
る方法に比べ、厳密には測定精度が向上する。これはク
ロス・ポイント近傍の縦・横ライン表面とX線管焦点中
心との距離(FOD値)が一定になるためである。
【0039】また、上記実施形態では、図1に示す透過
型X線発生器(透過型X線管)3を用いているが、本発
明の方法は、透過型X線管/反射型X線管を問わず、そ
れらの実効焦点寸法の評価に適用することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0041】実施例1 2本の既知の直径寸法をもつ細線を準備した。細線の材
質は、使用するX線管(図1に示すX線発生器3)の管
電圧等により適正に選択しなければならない。以下に述
べる実施例では、2本のタングステン線を用いた。ま
た、その直径を、それぞれS=3μmとS=5
μm(寸法公差:±0.05μm)のペアとした。ただ
し、実効焦点寸法Fの絶対値の予測レンジ、例えば、1
〜2μm、5〜10μm、10〜20μm・・・に応じ
て、標準試験片の寸法ペアを選択することが肝要であ
る。
【0042】上記の材質・寸法の標準試験片を、図1に
示すX線検査装置10に取り付け、撮影されたX線画像
(最終出力データ)を、図3(B)に示す。2本のタン
グステン細線(それぞれ直径3μm、5μm)のX線画
像のクロス・ポイント付近(半径15mm内)の線幅を
3回実測した。管電圧、管電流の条件組合せを変えて得
られた測定結果(X線画像(1)とX線画像(2))の
一例と、それらのデータより求めた実質的な幾何学的拡
大倍率mと、実効焦点寸法Fとを、表1に一覧表示す
る。
【0043】
【表1】
【0044】表1の内容を要約すると次の通りである。 1]2つの既知寸法の試験片に対するX線画像が「同時
撮影」されること。このことは、全ての撮影条件が同一
となること、とくに幾何学的拡大倍率(m)が同一であ
ることを意味する。 2]2つの試験片のX線画像は、実効焦点寸法(F)が
−仕様値や公称値ではない−真に等しい条件下で撮像さ
れること。 3]これらの状態下で、S,S値および、実験
値L,Lを介して、2個の未知数(m、F)に
関する2元連立1次方程式を解くこと。
【0045】なお、2本の線幅の実測方法に関しては、
さまざまな方法が考えられる。例えば、従来から行われ
ているが、フォト・デンシトメータにより白黒コントラ
ストの黒化度曲線より、1−3σ法の所定の手続きを経
て実効線幅を評価する方法、あるいは、ノギス等を用い
て読み取る方法等々である。いずれにせよ、個人差や系
統的な測定誤差を平滑化するため、あるn数の測定値を
算術平均すればよい。
【0046】表2は、本実施例の場合(S=3μm、
=5μm)につき、前述した一般式(9)に基づ
き、F=F(r):0.6≦r≦0.8の特性状態をま
とめたものである。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、X線検査装置において、微小焦点寸法を有するX線
発生器(X線管)の実効焦点寸法を、能率よく測定・評
価することができ、極めて実用性が高い。X線検査機器
製造業界の仕様決めの標準として、さらにX線発生装置
の性能評価の基準として広範に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るX線検査装
置の概略図である。
【図2】 図2は実効焦点寸法の測定原理を説明するた
めの概略図である。
【図3】 図3(A)は検査装置で用いられる試料の平
面図、図3(B)は試料のX線画像を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
2… 被検査対象物 2a… 標準試験片 2b… 試料 3… X線発生器(X線管) 4… ターゲット 4a… X線源 4b… X線発生面 10… X線検査装置 14… 画像増幅器 15… X線像センサ 16… 撮像装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 5/02 G01N 23/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生面の実質的に点状のX線源から
    所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器
    と、 被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検
    出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対
    象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
    を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法
    において、 前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された
    第1線幅(S)の第1パターンと、前記第1方向と
    直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異
    なる第2線幅(S)の第2パターンとを少なくとも
    有する試料を配置する工程と、 前記X線像センサにおける前記X線検出面での前記試料
    の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第
    1線幅を拡大後第1線幅(L)とし、拡大された前
    記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L
    とする工程と、 下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)
    を求める工程とを有するX線検査装置における実効焦点
    寸法の決定方法。 F=(L・S−L・S)/(L
  2. 【請求項2】 X線発生面の実質的に点状のX線源から
    所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器
    と、 被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検
    出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対
    象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
    を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法
    において、 前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された
    第1線幅(S)の第1パターンと、前記第1方向と
    直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異
    なる第2線幅(S)の第2パターンとを少なくとも
    有する試料を配置する工程と、 前記X線像センサにより、前記試料の拡大画像を検出
    し、拡大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第
    1線幅(L)とし、拡大された前記第2パターンの
    第2線幅を拡大後第2線幅(L)とし、r=L
    /Lを求める工程と、 下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)
    を求める工程とを有するX線検査装置における実効焦点
    寸法の決定方法。 F=(r・S−S)/(1−r)
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