JP3415939B2 - 重合体非球形粒子及びその製造方法 - Google Patents

重合体非球形粒子及びその製造方法

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非球形粒子及び非球形
粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、電子写真、静
電記録、静電印刷などにおける静電画像を現像するため
のトナーの製造、生理活性物質固定化用担体に用いるに
適した非球形粒子及び非球形粒子の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、電子写真、静電記録、静電印刷な
どにおける静電画像を現像するためのトナーは、一般的
には、各種重合法で得られる樹脂にカーボンブラック等
の着色剤、帯電制御剤、磁性体等を乾式で混合し、押し
出し機等により溶融混練し、次いで粉砕、分級すること
により製造されている。
【0003】また、トナーを、カーボンブラック等の着
色剤、帯電制御剤、及び/又は磁性体を適宜モノマー中
へ分散混合したものを水相中に分散し、懸濁重合するこ
とにより直接トナーを製造する方法、乳化重合により生
成した重合体粒子を用いる方法(特開昭60−2203
58号公報、特開平4−284461号公報)も提案さ
れている。
【0004】しかしながら、樹脂等を溶融混練し、粉砕
してトナーを得る方法は、トナー粒子の粒径の制御に限
界があり、小粒径のトナーを収率良く製造することが困
難であるばかりでなく、顔料、帯電制御剤、定着性改良
剤等の添加剤の分散が不均一となり、トナー粒子の帯電
分布がブロードになり易いという欠点を有していた。そ
の結果、解像度が低く、カブリ、飛散等が生じ易かっ
た。また、懸濁重合法によりトナー粒子を直接製造する
方法も、小粒径の粒子を得ることが困難であるばかりで
なく、その粒度分布は非常に広いものとなる欠点を有し
ていた。更に、懸濁重合法で製造されるトナーは基本的
に真球状になるため、電子写真プロセスにおいてクリー
ニングが困難であった。
【0005】一方、特開昭60−220358号公報及
び特開平4−284461号公報に開示された方法は、
真球状ではない非球形粒子を得ることが可能であるが、
粒径、粒度分布を制御することが困難で、反応終了後、
所望の粒径、粒度分布にするために分級をする必要があ
った。更に、特開平4−284461号公報に開示され
た方法は、顔料分散粒子と重合体粒子のゼータ電位を調
整し、顔料分散粒子と重合体粒子を電気的に凝集させ、
非球形粒子を得るものであるが、これらは各分散粒子の
ゼータ電位を厳密に調節すること、顔料分散粒子と重合
体粒子の平均粒径には大きな差があり、これら大粒子と
小粒子の比率を厳密に定めないと平均粒径、粒度分布の
制御が困難となってしまう。また、これら方法では強固
に一体化した非球形粒子が得難く、充分な機械的強度を
有していない。
【0006】また、特願平5−115572号明細書に
は、重合体粒子分散液に、この重合体粒子分散液の臨界
凝集濃度以上の凝集剤を加え、更に水に無限溶解する有
機溶媒を加え、重合体のガラス転移温度以上の温度で加
熱融着し非球形粒子を得ることが提案されている。この
方法によると上記の欠点を改善することができ、粒径、
粒度分布の制御が容易で、しかも、充分な機械的強度を
有する粒子を得ることができるが、重合体粒子が反応容
器の器壁や撹拌翼に凝集し易く、収率の低下をもたらし
てしまう。
【0007】生理活性物質を固定化する担体には、通
常、球状重合体ビーズが用いられている。これら生理活
性物質固定用担体において、生理活性物質の固定化量を
増やすためには担体の表面積を大きくする必要がある。
担体の表面積を大きくするには、球状重合体ビーズの粒
径を小さくすればよいが、球状重合体ビーズの粒径を小
さくすると、担体をカラム等の反応容器に充填し、反応
液を通液した際、圧損失が大きくなってしまう。反応液
を通液した際の圧損失を小さくするには、球状重合体ビ
ーズの粒径を大きくすればよいが、それでは生理活性物
質の固定化量が少なくなり、反応性の低下をもたらして
しまう。従って、表面積が大きく、かつ、反応液を通液
した際の圧損失が小さい生理活性物質固定用担体の出現
が求められていた。
【0008】
【発明の目的】従って、本発明の第1の目的は、小粒径
であり、粒度分布が狭く、かつ、充分な機械的強度を有
する非球形粒子を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、小粒径であり、粒
度分布が狭く、かつ、充分な機械的強度を有する非球形
粒子を高収率で製造できる製造方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第3の目的は、顔料、帯電制御
剤、定着性改良剤等の添加剤を均一に分散でき、帯電分
布が優れ、解像度が高く、カブリ、飛散等が生じにくい
電子写真用トナーを提供することにある。
【0011】本発明の第4の目的は、生理活性物質を固
定する表面積が大きく、かつ、反応液を通液した際の圧
損失が小さい生理活性物質固定用担体を提供することに
ある。
【0012】
【発明の構成】本発明の上記目的は、 (1)イオン性解離基を有する重合体粒子を、重合体粒
子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質、水に無限溶解す
る有機溶媒及びノニオン界面活性剤で処理し、複数個の
重合体粒子が会合した凝集粒子を形成し、次いで、凝集
粒子を構成する重合体粒子間を加熱融着することを特徴
とする非球形粒子の製造方法。 (2)ノニオン界面活性剤を、該ノニオン界面活性剤の
臨界ミセル形成濃度の1/2以上の濃度になるよう用い
ることを特徴とする上記(1)記載の非球形粒子の製造
方法。 (3)イオン解離基を有する重合体粒子が、顔料,染
料、定着性改良剤、帯電制御剤の中から選択される少な
くとも一種の成分を有する重合体粒子であることを特徴
とする上記(1)〜(2)記載の非球形粒子の製造方
法。 (4)イオン解離基を有する重合体粒子のイオン解離基
が、カルボキシル基、スルホキシル基、ホスホシル基、
第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第
四級アンモニウム塩基から選択される少なくとも一種の
イオン解離基であることを特徴とする上記(1)〜
(3)記載の非球形粒子の製造方法。 (5)イオン解離基を有する重合体粒子のイオン解離基
の一部又は全部を解離状態にすることを特徴とする上記
(1)〜(4)記載の非球形粒子の製造方法。 (6)加熱融着を、重合体粒子のガラス転移温度(T
g)−5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+
50℃の温度範囲で行うことを特徴とする上記(1)〜
(5)記載の非球形粒子の製造方法。 (7)水に無限溶解する有機溶媒が、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノールから選択
される少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とす
る上記(1)〜(6)記載の非球形粒子の製造方法。 (8)上記(1)〜(7)記載の製造方法で得られた非
球形粒子。 (9)上記(8)記載の非球形粒子を有することを特徴
とする電子写真用トナー。 (10)上記(8)記載の非球形粒子よりなることを特
徴とする生理活性物質固定用担体。 (11)生理活性物質が、酵素、抗原、抗体、リセプタ
ー、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択された少なく
とも一種の生理活性物質であることを特徴とする上記
(10)記載の生理活性物質固定用担体。 によって達成された。
【0013】以下、本発明について詳しく説明する。
【0014】先ず、本発明に用いられるイオン性解離基
を有する重合体粒子、重合体粒子を凝集させる電解質、
水に無限溶解する有機溶媒、ノニオン界面活性剤につい
て順次説明する。
【0015】本発明においては、重合体粒子はイオン性
解離基を有している。
【0016】イオン性解離基とは、例えば、カルボキシ
ル基、スルホキシル基、ホスホシル基、第一級アミノ
基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニ
ウム塩基等のイオンに解離することができる基をいい、
本発明においては、カルボキシル基、スルホキシル基、
第一級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム
塩基が好ましい。
【0017】重合体粒子へのこれらイオン性解離基の導
入は、例えば、イオン性解離基を有する単量体に、必要
に応じて他の単量体を添加し、重合することによって得
ることができる。また、イオン性解離基を有する単量体
のエステル等に、必要に応じて他の単量体を添加し、重
合し、得られた重合体を加水分解することによっても得
ることができる。
【0018】イオン性解離性基を有する単量体とは、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基(第
一級アミン、第二級アミン、第三級アミン等を含む)、
第四級アンモニウム塩等の基が単量体構造中に含まれる
単量体をいう。
【0019】具体例としては、例えば、カルボキシル基
を含む単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マ
イレン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステル等が挙げられ、スルホン酸基を有する単量体とし
ては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2
−スルホエチルメタクリレート及びこれらの塩等が挙げ
られ、リン酸基を有する単量体としては、アシッドホス
ホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシ
プロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホ
スホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0020】更に、アミノ基を有するアクリル(メタク
リル)酸エステル又はアクリル(メタクリル)酸アミド
あるいは任意N上で炭素原子数1〜18のアルキル基で
モノ又はジ置換されたアクリル(メタクリル)酸アミ
ド、又はNを環員として有する複素環で置換されたビニ
ル化合物及びN,N−ジアリルアルキルアミン或いはそ
の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0021】これらアクリル(メタクリル)酸エステル
の具体例として、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート(例えば、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチル
アミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート等)及びこれらの酸塩又は第四級アンモニウ
ム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−
ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチル
アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0022】Nを環員として有する複素環で置換された
ビニル化合物及びN,N−ジアリルアルキルアミン或い
はその第四級アンモニウム塩の具体例として、例えば、
ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾー
ル及びこれらの第四級アンモニウム塩、更に、N,N−
ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリ
ルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができ
る。
【0023】更に、ビニルベンジルクロライド、ビニル
フェネチルクロライド等の活性ハロゲンを有する単量体
も用いることが可能である。例えば、このまま共重合成
分として、共重合を行った後に適当なアミンを用い、3
級アミン又は第四級アンモニウム塩にすることも可能で
ある。又、ジアルキルアミン或いは第四級アンモニウム
塩として共重合することもできる。例えば、ビニルベン
ジルクロライドにジアルキルアミンをモノマーに反応或
いは高分子反応で導入することができる。
【0024】また、他の単量体の例としては、スチレン
誘導体、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチ
レン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、
p−エトキシスチレン、p−ブトキシスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,4−ジクロルスチレン、p−
クロルメチルスチレン、o−クロルメチルスチレン、p
−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン等が挙
げられる。また、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等
の(メタ)アクリル酸エステル類も挙げられる。また、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル
系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル等のビニルエーテル系単量体、酢酸ビニルや酪酸ビニ
ル等のビニルエステル系単量体、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン系単量体、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、ジメチルブタジエン等
の共役ジエン類等も挙げられる。これらは必要に応じて
単独又は二種以上で用いられる。
【0025】これら上記各種単量体は、目的に応じ、例
えば、所望のガラス転移温度、溶融温度等が得られるよ
うに選択される。
【0026】本発明に係る重合体は、従来公知の、例え
ば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈殿重合
法、界面重合法によって得ることができる。
【0027】得られた重合体が重合体粒子でない場合、
得られた重合体を微粉化することによって、重合体粒子
を得ることができる。
【0028】本発明においては、乳化重合法により合成
されたイオン性解離基を有する重合体粒子が好ましい。
【0029】重合体粒子には、顔料,染料、定着性改良
剤、帯電制御剤等の種々の添加剤を混入することができ
る。
【0030】本発明の非球形粒子を電子写真用トナーと
して用いる場合には、重合体粒子として、特願平5−4
7142号明細書、同5−149186号明細書等に記
載された、着色剤等を含有する重合体粒子を好ましく用
いることができる。
【0031】これら重合体粒子は、臨界ミセル形成濃度
(CMC)以上の濃度で界面活性剤を含有する水相に着
色剤等を分散し、水を添加して界面活性剤の濃度を該界
面活性剤の臨界ミセル形成濃度(CMC)以下になるよ
うに希釈し、所望のイオン性解離基を有する単量体及び
他の単量体を添加し、一定速度で撹拌しつつ重合温度ま
で温度を昇温し、重合開始剤を添加し、必要な時間重合
を行うことによって得ることができる。
【0032】重合体粒子を凝集させる電解質としては、
一価の金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム
等のアルカリ金属の塩、二価の金属、例えば、カルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガ
ン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価
の金属の塩が挙げられる。具体的な例としては、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウ
ム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガ
ン、塩化アルミニウム、塩化鉄等を挙げることができ
る。特に一価の金属塩は、凝集をコントロールするのに
好ましい。
【0033】水に無限溶解する有機溶媒としては、重合
体粒子を溶解しないものの中から選択される。具体例と
して、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、tert-ブタノール、メトキシエタノール、
エトキシエタノール、ブトキシエタノール等の水溶性ア
ルコール類、アセトニトリル、ジオキサン等が挙げられ
る。これらのうち、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノールから選択される有機溶媒が
好ましい。
【0034】本発明に用いるノニオン界面活性剤は、特
に限定されるものではなく、水溶性で且つ水に無限溶解
する有機溶媒が混和された水溶液に溶解するものであれ
ばいずれでもよい。
【0035】本発明においてノニオン界面活性剤は、臨
界凝集濃度以上の電解質及び水に無限溶解する有機溶媒
の添加によって生起される凝集が過度に進行し、重合体
粒子が反応容器の壁、撹拌機等に付着し、非球形粒子の
収率が低下するのを防止する。この効果は、本発明に係
るノニオン界面活性剤以外の界面活性剤、例えば、アニ
オン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活
性剤では得ることができない。
【0036】また、固体分散粒子の分散安定化には高分
子分散剤が多用されているが、一般的用いられている高
分子分散剤は水溶性重合体であり、これら水溶性重合体
は、本発明の重合体粒子表面への吸着能が大きく、ま
た、粒子表面への吸着された水溶性重合体を洗浄によっ
て除去することは困難である。非球形粒子に残存した高
分子分散剤は、湿度環境の変化により空気中の水分を吸
収するので、非球形粒子を電子写真用トナーに用いる場
合、トナーの帯電性能が環境によって大きく変動してし
まう。
【0037】ノニオン界面活性剤は、これら欠点が無く
過度の凝集生起を防止し、高収率で非球形粒子を得るこ
とが可能である。
【0038】ノニオン界面活性剤は、一般的に、ポリエ
チレングリコール型、多価アルコール脂肪酸エステル
型、多価アルコール脂肪酸部分エステル型に大別され
る。
【0039】これらのノニオン界面活性剤は、疎水性成
分と親水性成分とを有しており、疎水性成分と親水性成
分の組み合わせによって、ノニオン界面活性剤が規定さ
れる。
【0040】親水性成分としては、例えば、ポリエチレ
ングリコール[HO(C24O)n-124OH]、ポ
リエチレンオキシド(EO)[−(C24О)n−、n
>0]、ポリプロピレンオキシド(PO)[−(C36
O)n−、n>0]、グリセリン、ソルビタン、ジエタ
ノールアミンに由来する成分が挙げられ、また、疎水性
成分としては、例えば、高級アルコール、高級チオアル
コール、アルキルフェノール、ポリプロピレングリコー
ル、高級脂肪酸、高級アミン、高級脂肪族アミド、油脂
に由来する成分が挙げられる。
【0041】本発明に用いられるノニオン界面活性剤に
おける親水性成分と疎水性成分の組合わせとしては、下
記のものを挙げることができる。 ・ポリエチレングリコールと高級脂肪酸の組合わせ
【0042】
【化1】 ・高級アルコールまたはチオアルコールとポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシドの組合わせ
【0043】
【化2】 ・アルキルフェノールとポリエチレンオキシド、ポリプ
ロピレンオキシドの組合わせ
【0044】
【化3】 ・ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの組
合わせ
【0045】
【化4】 ・高級脂肪酸とエチレンオキシド、ソルビタンエステル
の組み合わせ
【0046】
【化5】 ・高級アミンとエチレンオキシドの組み合わせ
【0047】
【化6】 ・高級脂肪酸アミドとエチレンオキシドの組み合わせ
【0048】
【化7】 ・油脂とエチレンオキシドの組み合わせ
【0049】
【化8】 ・高級脂肪酸とグリセリンエステルの組み合わせ
【0050】
【化9】 ・高級脂肪酸とソルビタンエステルとの組み合わせ
【0051】
【化10】 ・高級脂肪酸とジエタノールアミンの組み合わせ
【0052】
【化11】 上記一般式中のRは、動植物油脂類に由来するものを除
き合成品は一般的に分子量分布を持った分岐状または直
鎖状の高級アルキル基である。また、高級アミン及び油
脂におけるRは炭素数6〜22の飽和、不飽和アルキル
基を示す。
【0053】本発明における、ノニオン界面活性剤の臨
界ミセル形成濃度(以下、CMCと略記する。)は常法
に従い測定することが可能である。例えば、光散乱法、
蒸気圧降下法、表面張力法、色素滴定法、屈折率法、伝
導度法等により求めることができる。これら測定法は、
「改訂三版 油脂化学便覧」(編者 日本油化学協会、
1990年、九善(株)発行、東京)に記述されてい
る。本発明において、CMCは、重合体水性分散液に添
加したときの室温における濃度を基準としている。ま
た、界面活性剤のCMCは温度、共存イオン、共存有機
溶媒等によって異なることが知られているが、本発明に
おいては、添加される水性分散系を基準にして求めた値
である。
【0054】以下に、本発明に用いることができるノニ
オン界面活性剤の具体例を示す。なお、参考のために、
CMCの値を記載する。 (a)アルキルポリオキシエチレンエーテル類 (a−1) C49O−(CH2CH2O)6H [CMC=760ミリモル/l] (a−2) CH3CH(CH3)CHО−(CH2CH2O)
6H [CMC=880ミリモル/l] (a−3) n−C613O−(CH2CH2O)nH [n=3:CMC=100ミリモル/l] [n=4,5:CMC=90ミリモル/l] [n=6:CMC=74ミリモル/l] (a−4) n−C817O−(CH2CH2O)nH [n=1:CMC=4.9ミリモル/l] [n=3:CMC=7.5ミリモル/l] [n=6:CMC=9.9ミリモル/l] [n=9:CMC=13ミリモル/l] (a−5) n−C1021O−(CH2CH2O)nH [n=3:CMC=0.6ミリモル/l] [n=4:CMC=0.64ミリモル/l] [n=5:CMC=0.9ミリモル/l] [n=9:CMC=1.3ミリモル/l] (a−6) n−C1225O−(CH2CH2O)nH [n=5:CMC=0.04ミリモル/l] [n=6:CMC=0.082ミリモル/l] [n=7:CMC=0.08ミリモル/l] [n=9:CMC=0.1ミリモル/l] [n=12:CMC=0.14モル/l] 本発明の非球形粒子は、イオン性解離基を有する重合体
粒子を、重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解
質、水に無限溶解する有機溶媒及びノニオン界面活性剤
で処理し、複数個の重合体粒子が会合した凝集粒子を形
成し、次いで、凝集粒子を構成する重合体粒子間を加熱
融着することにより形成されるが、イオン性解離基を有
する重合体粒子、重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上
の電解質、水に無限溶解する有機溶媒及びノニオン界面
活性剤の添加順序は特に限定されない。
【0055】以下に、本発明の非球形粒子の製造方法の
具体的に示すが、本発明の非球形粒子の製造方法は下記
の具体例によって限定されるものではない。
【0056】製造方法〔1〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質または電
解質の水溶液を添加する。 上記電解質が添加されたイオン性解離基を有する重合
体粒子の水性分散液に、水に無限溶解する有機溶媒を添
加する。 上記混合液に、ノニオン界面活性剤またはノニオン界
面活性剤の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0057】製造方法〔2〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質または電
解質の水溶液を添加する。 上記電解質が添加されたイオン性解離基を有する重合
体粒子の水性分散液に、ノニオン界面活性剤またはノニ
オン界面活性剤の水溶液を添加する。 上記混合液に、水に無限溶解する有機溶媒を添加す
る。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0058】製造方法〔3〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
水に無限溶解する有機溶媒を添加する。 上記水に無限溶解する有機溶媒が添加されたイオン性
解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、重合体粒子
分散液の臨界凝集濃度以上の電解質または電解質の水溶
液を添加混合する。 上記混合液に、ノニオン界面活性剤またはノニオン界
面活性剤の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0059】製造方法〔4〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
水に無限溶解する有機溶媒を添加する。 上記水に無限溶解する有機溶媒が添加されたイオン性
解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、ノニオン界
面活性剤またはノニオン界面活性剤の水溶液を添加混合
する。 上記混合液に、重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上
の電解質または電解質の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0060】製造方法〔5〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
ノニオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤の水溶液
を添加する。 上記ノニオン界面活性剤が添加されたイオン性解離基
を有する重合体粒子の水性分散液に、重合体粒子分散液
の臨界凝集濃度以上の電解質または電解質の水溶液を添
加混合する。 上記混合液に、水に無限溶解する有機溶媒を添加す
る。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0061】製造方法〔6〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
ノニオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤の水溶液
を添加する。 上記ノニオン界面活性剤が添加されたイオン性解離基
を有する重合体粒子の水性分散液に、水に無限溶解する
有機溶媒を添加混合する。 上記混合液に、重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上
の電解質または電解質の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0062】製造方法〔7〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質と水に対
して無限溶解する有機溶媒の混合物又は該混合物の水溶
液を添加する。 上記混合液に、ノニオン界面活性剤またはノニオン界
面活性剤の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0063】製造方法〔8〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質とノニオ
ン界面活性剤の混合物又は該混合物の水溶液を添加す
る。 上記混合液に、水に対して無限溶解する有機溶媒を添
加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0064】製造方法
〔9〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
水に対して無限溶解する有機溶媒とノニオン界面活性剤
の混合物又は該混合物の水溶液を添加する。 上記混合液に、重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上
の電解質または該電解質の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0065】製造方法〔10〕 イオン性解離基を有する重合体粒子の水性分散液に、
重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質、水に対
して無限溶解する有機溶媒及びノニオン界面活性剤の混
合物又は該混合物の水溶液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0066】製造方法〔11〕 重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質、水に
対して無限溶解する有機溶媒及びノニオン界面活性剤の
混合物又は該混合物の水溶液に、イオン性解離基を有す
る重合体粒子の水性分散液を添加する。 上記混合液を重合体粒子のガラス転移温度(Tg)−
5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(Tg)+50℃
の温度範囲に加熱し、凝集粒子の重合体粒子間を加熱融
着させ、非球状粒子を得る。
【0067】以上の操作は全て撹拌操作の下に行われ
る。
【0068】非球形粒子の形成にあたって、重合体粒子
は水性分散液の形で用いられる。
【0069】この場合、重合体粒子のイオン解離基の一
部又は全部を解離状態にしておくことが好ましい。
【0070】ノニオン界面活性剤は、該ノニオン界面活
性剤の臨界ミセル形成濃度の1/2以上の濃度になるよ
う添加することが好ましい。
【0071】凝集粒子の重合体粒子間の加熱融着は、重
合体粒子のガラス転移温度(Tg)−5℃乃至重合体粒
子のガラス転移温度(Tg)+50℃の温度範囲で行う
ことが好ましい。
【0072】上記のようにして得られた非粒径粒子は、
濾過・洗浄を繰り返し、夾雑物、即ち、電解質、有機溶
媒、界面活性剤等を除去し、非球形粒子が融着を起さな
い温度で乾燥することにより粉末として取り出すことが
できる。
【0073】電子写真用トナーとして本発明の非球形粒
子を用いる場合、電子写真用トナーとして必要な無機微
粒子、有機微粒子等が混合される。
【0074】生理活性物質固定化用担体として本発明の
非球形粒子を用いる場合、前述の如く精製し、乾燥した
非球形粒子を緩衝剤水溶液中に再分散させ用いることが
できる。また、さらに洗浄を繰り返し、爽雑物を除去し
た後に、緩衝剤水溶液中に再分散させもよい。
【0075】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0076】先ず、以下の実施例で使用した重合体粒子
水性分散液を説明する。
【0077】[重合体粒子水性分散液(PD−1)の作
成]冷却管、温度計、撹拌装置、窒素導入管をつけた内
容量500ミリリットルの4頭セパラブルフラスコに、
脱気したイオン交換水250ミリリットルを入れ、ドデ
シル硫酸ナトリウム0.345g(1.196×10-3
モル)を溶解した。更に、スチレン24.23g、アク
リル酸n−ブチル4.60g、メタクリル酸1.84
g、tert−ドデシルメルカプタン0.6gを添加し、窒
素気流下、500rpmの撹拌速度で撹拌を行いつつ、
内温を70℃に昇温した。このままの状態で、過硫酸カ
リウム1.0137gを脱気したイオン交換水50ミリ
リットルに溶解した重合開始剤水溶液を添加した。(こ
の時のドデシル硫酸ナトリウム濃度は、3.99×10
-3モル/lであり、ドデシル硫酸ナトリウムのCMCは
8×10-3モル/lである。) この状態で7時間重合を行った後、室温まで冷却し、N
o.3ガラスフィルターで濾過を行い重合体粒子水性分散
液(PD−1)を得た。
【0078】光散乱電気泳動粒径測定装置ELS−80
0(大塚電子工業(株)製)を用いこの重合体粒子水性
分散液(PD−1)の粒径を測定したところ平均粒径
0.23μmであった。更に重量平均分子量(Mw)及
び分子量分布(Mw/Mn)を高速GPC装置HLC−
8020(東ソー(株)製)を用い、また、ガラス転移
温度を熱分析装置TA−50((株)島津製作所製)を
用いて測定した。
【0079】得られた結果を、表1に示す。
【0080】[重合体粒子水性分散液(PD−2)の作
成]冷却管、温度計、撹拌装置、窒素導入管をつけた内
容量500ミリリットルの4頭セパラブルフラスコに、
脱気したイオン交換蒸留水50ミリリットルにドデシル
硫酸ナトリウム0.345gを溶解し、更にアルミニウ
ムカップリング剤(プレンアクトRAL−M、味の素
(株)製)0.053gで処理したカーボンブラック
(リーガル330R、キャボット社製)2.67gを添
加し、超音波分散を行って得たカーボンブラック分散液
を添加した。これに、脱気したイオン交換蒸留水200
ミリリットルを加え希釈を行い、次いで、スチレン2
4.23g、アクリル酸n−ブチル4.60g、メタク
リル酸1.84g、tert−ドデシルメルカプタン0.6
gを添加し、窒素気流下、500rpmの撹拌速度で撹
拌を行いつつ、内温を70℃に昇温した。このままの状
態で、過硫酸カリウム1.0137gを脱気したイオン
交換水50ミリリットルに溶解した重合開始剤水溶液を
添加した。(この時のドデシル硫酸ナトリウム濃度は、
3.99×10-3モル/lであり、ドデシル硫酸ナトリ
ウムのCMCは8×10-3モル/lである。) この状態で7時間重合を行った後、室温まで冷却し、N
o.3ガラスフィルターで濾過を行い重合体粒子水性分散
液(PD−2)を得た。
【0081】光散乱電気泳動粒径測定装置ELS−80
0(大塚電子工業(株)製)を用いこの重合体粒子水性
分散液(PD−2)の粒径を測定したところ平均粒径
0.19μmであった。更に重量平均分子量(Mw)及
び分子量分布(Mw/Mn)を高速GPC装置HLC−
8020(東ソー(株)製)を用い、また、ガラス転移
温度を熱分析装置TA−50((株)島津製作所製)を
用い測定した。
【0082】得られた結果を、表1に示す。
【0083】[重合体粒子水性分散液(PD−3)、
(PD−4)、(PD−5)の作成]重合体粒子水性分
散液(PD−2)の作成において、カーボンブラックに
変えて、シアン顔料(KET Blue 104、大日
本インキ化学工業(株)製)、マゼンタ顔料(PINK
E02 Toner Grade、ヘキスト社製)、
イエロー顔料(KET Yellow 403、大日本
インキ化学工業(株)製)を用いた他は重合体粒子水性
分散液(PD−2)の作成と同様にして重合体粒子水性
分散液(PD−3)、(PD−4)、(PD−5)を作
成した。
【0084】光散乱電気泳動粒径測定装置ELS−80
0(大塚電子工業(株)製)を用いこの重合体粒子水性
分散液(PD−3)、(PD−4)、(PD−5)の粒
径を測定したところ、それぞれ平均粒径0.24μm、
0.28μm、0.30μmであった。更に重量平均分
子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を高速GP
C装置HLC−8020(東ソー(株)製)を用い、ま
た、ガラス転移温度を熱分析装置TA−50((株)島
津製作所製)を用い測定した。
【0085】得られた結果を、表1に示す。
【0086】
【表1】 実施例1 重合体粒子水性分散液(PD−1)250ミリリットル
に、5規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH=
9.0に調整し、重合体中のイオン性解離基を有するメ
タクリル酸ユニットを、ナトリウム塩の形にし、解離状
態にした。これを冷却管、撹拌装置、温度計付き500
ミリリットルの4頭セパラブルフラスコに入れ、室温下
250rpmで撹拌した。
【0087】ここに、塩化カリウム10.25gを50
ミリリットルの蒸留水に溶解した凝集剤水溶液を添加し
た。この状態での、凝集剤濃度は0.5モル/lであ
る。
【0088】なお、光散乱電気泳動粒径測定装置ELS
−800(大塚電子工業(株)製)を用い、塩化カリウ
ムの濃度を変化させゼータ電位を測定し、ゼータ電位が
低下しだす変曲点から凝集剤に塩化カリウムを用いた場
合の重合体粒子水性分散液(PD−1)における臨界凝
集濃度を求めたところ、0.12モル/lであった。
【0089】更に、2−プロパノールを42.5ミリリ
ットル添加し、次いで、ポリオキシエチレン(10)オ
クチルフェニルエーテル(和光純薬工業(株)製)2.
00gを蒸留水10ミリリットルに溶解した水溶液を添
加した。
【0090】なお、ポリオキシエチレン(10)オクチ
ルフェニルエーテルのCMCは0.7g/100ミリリ
ットルであり、この状態でほぼ臨界ミセル形成濃度にな
っている。
【0091】更に、撹拌しつつ内温を85℃まで昇温
し、そのまま6時間反応を続け、次いで、室温まで下
げ、非球形粒子分散液を取り出した。
【0092】レーザー回折粒度測定装置SALD−11
00((株)島津製作所製)を用い、得られた非球形粒
子(1)の体積平均粒径(d50)及び粒度分布(σ50
50)の測定を行った。
【0093】更に、フラスコ壁及び撹拌翼に固着した重
合体を回収し、先に取り出した非球形粒子分散液中の粒
子重量とから収率を算出した。
【0094】更に、ポリオキシエチレン(10)オクチ
ルフェニルエーテル(和光純薬工業(株)製)の添加量
を1.50g、1.00g、0.50gと変更し、ま
た、添加しなかった以外は上記と同様にして非球形粒子
(2)、(3)、(4)、(5)作成し、それぞれにつ
いて、上記と同様にして体積平均粒径及び粒度分布の測
定し、また、収率の測定を行った。
【0095】得られた結果を表2に示す。
【0096】
【表2】 表2の結果から、本発明の方法に従って作成した非球形
粒子(1)〜(4)は粒度分布が非常に狭く、更に、収
率が良好なことが分かる。一方、比較の非球形粒子
(5)は、粒度分布は本発明と同等に狭いものである
が、収率が落ちることが分かる。
【0097】実施例2 実施例1において、重合体粒子水性分散液(PD−1)
に代え、表3に示す重合体粒子水性分散液(PD−2)
〜(PD−5)を用い、また、使用するノニオン界面活
性剤を表3に示すノニオン界面活性剤に代え、ノニオン
界面活性剤の使用量を表3に示すようにした以外は実施
例1と同様にして非球形粒子(6)〜(21)を作成し
た。
【0098】なお、塩化カリウムを用いた場合の、重合
体粒子水性分散液(PD−2)〜(PD−5)における
臨界凝集濃度は、それぞれ0.10モル/リットル、
0.11モル/リットル、0.09モル/リットル、
0.13モル/リットルであった。
【0099】
【表3】 得られた非球形粒子(6)〜(21)について、実施例
1と同様にして体積平均粒径及び粒度分布の測定し、ま
た、収率の測定を行った。得られた結果を表4に示す。
【0100】
【表4】 表4の結果から、本発明の方法に従って作成した非球形
粒子(6)〜(17)は残渣が少なく、収率が高いが、
比較の非球形粒子(18)〜(21)は、収率が低いこ
とが分かる。
【0101】実施例3 実施例2で得られた本発明の非球形粒子(6)〜(9)
及び比較の非球形粒子(21)を濾過した後、純水を用
い何度も洗浄を繰り返し、各重合体のガラス転移温度
(Tg)以下の温度で乾燥し、トナー粒子とした。更
に、平均粒径60μmのフェライトコアをスチレン−ア
クリル酸メチル共重合体でコーティングしたコーティン
グキャリアを用意し、前記トナーとトナー濃度が8%に
なるよう混合し、現像剤(1)〜(5)を作製した。
【0102】得られた現像剤(1)〜(5)の帯電量
を、低温・低湿度(10℃、20RH%)及び高温・高
湿度(40℃、80RH%)の条件において測定した。
結果を以下の表5に示す。
【0103】
【表5】 表5の結果から、本発明の現像剤(1)〜(4)は、低
温・低湿度の条件下での帯電量と高温高湿度の条件下で
の帯電量との間の差が非常に小さいことが分かる。一方
比較の現像剤(5)では帯電量の差は大きく、実際の環
境下で、電子写真方式の複写機、プリンターのトナーと
して用いるには問題がある。
【0104】実施例4 実施例3で得られた現像剤(1)〜(4)を用い、コニ
カU−Bix 9028(コニカ株式会社製)でテスト
チャートを常温・常湿(25℃、55%RH)、低温・
低湿(10℃、20%RH)、高温・高湿(40℃、8
0%RH)の条件下で各1000プリントづつコピーを
行い、最大濃度の変化を調べた。得られた結果を表6に
示す。
【0105】
【表6】 表6に示されているように、本発明の現像剤は安定した
性能を示す。
【0106】実施例5 実施例1で得られた非球形粒子(1)〜(5)を濾過、
洗浄し、乾燥した。得られた粒子を、0.5モル/リッ
トルのリン酸塩緩衝液(pH=7.2)に再分散し、D
CC及びグルコアミラーゼを添加し、5℃で24時間反
応を行った後、濾過し、0.5モル/リットルのリン酸
塩緩衝液(pH=7.2)で洗浄を行った。得られたグ
ルコアミラーゼ固定化粒子を同重量で、恒温ジャケット
付きカラムに充填し、37℃に保温しつつ、オリゴサッ
カライド水溶液[0.5モル/リットルリン酸塩緩衝液
(pH=7.5)]を通液した。5時間後にオリゴサッ
カライド水溶液を分取し、高速液体クロマトグラフィを
用い、生成したグルコースを定量したところ、本発明の
非球形粒子を担体として用いた場合、圧損失もなく、グ
ルコースへの転化率も98%と良好であった。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、粒径が制御され、粒度
分布が狭く、機械的強度が高い粒子会合型非球形粒子を
高い収率で合成でき、また、得られた非球形粒子を含有
する電子写真用トナーは、帯電分布が優れ、解像度が高
く、カブリ、飛散等が生じにくく、得られた非球形粒子
よりなる生理活性物質固定化用担体は、生理活性物質の
担持量が多く、通液の際の圧損失が小さい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−252430(JP,A) 特開 平6−145366(JP,A) 特開 平4−337332(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/12 - 3/16 G03G 9/087

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性解離基を有する重合体粒子を、
    重合体粒子分散液の臨界凝集濃度以上の電解質、水に無
    限溶解する有機溶媒及びノニオン界面活性剤で処理し、
    複数個の重合体粒子が会合した凝集粒子を形成し、次い
    で、凝集粒子を構成する重合体粒子間を加熱融着するこ
    とを特徴とする非球形粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ノニオン界面活性剤を、該ノニオン界面
    活性剤の臨界ミセル形成濃度の1/2以上の濃度になる
    よう用いることを特徴とする請求項1記載の非球形粒子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 イオン解離基を有する重合体粒子が、顔
    料,染料、定着性改良剤、帯電制御剤の中から選択され
    る少なくとも一種の成分を有する重合体粒子であること
    を特徴とする請求項1〜2記載の非球形粒子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 イオン解離基を有する重合体粒子のイオ
    ン解離基が、カルボキシル基、スルホキシル基、ホスホ
    シル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミ
    ノ基、第四級アンモニウム塩基から選択される少なくと
    も一種のイオン解離基であることを特徴とする請求項1
    〜3記載の非球形粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 イオン解離基を有する重合体粒子のイオ
    ン解離基の一部又は全部を解離状態にすることを特徴と
    する請求項1〜4記載の非球形粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱融着を、重合体粒子のガラス転移温
    度(Tg)−5℃乃至重合体粒子のガラス転移温度(T
    g)+50℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項
    1〜5記載の非球形粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 水に無限溶解する有機溶媒が、メタノー
    ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール
    から選択される少なくとも一種の有機溶媒であることを
    特徴とする請求項1〜6記載の非球形粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の製造方法で得られた
    非球形粒子。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の非球形粒子を有すること
    を特徴とする電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の非球形粒子よりなるこ
    とを特徴とする生理活性物質固定用担体。
  11. 【請求項11】 生理活性物質が、酵素、抗原、抗体、
    リセプター、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択され
    た少なくとも一種の生理活性物質であることを特徴とす
    る請求項10記載の生理活性物質固定用担体。
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