JP3415324B2 - 炭素クラスターを溶解させた液体中における不溶すす成分の固定化方法 - Google Patents
炭素クラスターを溶解させた液体中における不溶すす成分の固定化方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素クラスターを溶解
させた液体中における不溶すす成分の固定化方法に係
り、詳述すれば、C60、C70等のフラーレン類に代
表される炭素クラスターを含有しているすすを炭素クラ
スター用溶媒に収容して炭素クラスターを溶解し、この
液体中に存在している不溶のすす成分を、効率良く短時
間で簡単に固定化できる方法に関する。 【0002】 【従来の技術】C60、C70、C84等のフラーレン
類、その中に金属原子や金属クラスターが入った金属内
包フラーレン類及び炭素クラスターを構成する炭素原子
が異種原子に置換されたヘテロフラーレン類に代表され
る各種の炭素クラスターは、化学的、物理的な観点か
ら、半導体材料、導電材料、磁性材料、非線形光学材料
等に利用できる次世代の材料として期待されている。 【0003】このような炭素クラスターの製造方法とし
ては、炭素質材料から成る電極を原料としてこの電極間
にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放
電方式)、炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させ
る方法(抵抗加熱方式)、レーザー照射によって炭素質
原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発方式)などが広く
利用されている。このような炭素クラスターの製造方法
では、所望の炭素クラスターだけを製造することはでき
ないので、炭素クラスターを含有するすす(原料すす)
を製造した後、炭素クラスターとすす等の不純物成分と
を分離しなければならない。この際、原料すす中の炭素
クラスター含有量はわずかなので、多量の炭素クラスタ
ーを得るためには、多量の原料すすを製造した後、すす
等の不純物成分と分離する必要がある。 【0004】分離する方法として、炭素クラスターはベ
ンゼン、トルエン、二硫化炭素等の有機溶媒に溶解し、
すす等の不純物成分は溶解しないという性質を利用し
て、このような有機溶媒を抽出溶媒とし、溶媒に不溶で
あるすす等の不純物成分(不溶すす成分)をろ過により
分離していた。例えば、ソックスレー抽出器を用いて、
有機溶媒を還流させ、ろ紙中の原料すすから炭素クラス
ターを抽出していた。また、別な分離方法として、ビー
カー等の容器に原料すすと有機溶媒を入れ、必要に応じ
て煮沸するなどして炭素クラスターを有機溶媒へ溶出さ
せて、ろ過することにより、原料すすから炭素クラスタ
ーを抽出していた。次いで、得られた炭素クラスター抽
出液を蒸発乾燥させて炭素クラスターを得ていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で原料すすから炭素クラスターを抽出分離する
と、抽出器の容量に制限があるため、一度に多量の原料
すすを処理できなかった。さらに、溶媒に不溶のすす成
分は微細なため、抽出を十分に行いたい場合には、通常
約一昼夜という非常に長い時間をろ過に費やしたり、す
ぐにろ紙が目詰まりを起こすため、頻繁にろ紙を交換し
たりしなければならなかった。 【0006】このように従来の方法で炭素クラスターと
不溶すす成分を分離するには、多大な労力や手間が必要
であり、このことは炭素クラスターの物性研究やこれを
用いた材料開発を阻害する大きな要因になっていた。こ
のような欠点は、全て、溶媒中に存在する不溶すす成分
の大部分は、沈殿しないで浮遊しているために生じるも
のであり、この不溶すす成分を溶媒中で固定化できれ
ば、炭素クラスターが溶解した溶液(炭素クラスター溶
液)を簡単に取り出すことができる。そのため、不溶す
す成分を簡単に短時間で大量に固定化できる方法の開発
が切望されていた。 【0007】そこで本発明は、炭素クラスターを溶解さ
せた液体から不溶すす成分を短時間でしかも簡単に固定
化できる経済的な方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る不溶すす成
分の固定化方法は、炭素クラスターを含有するすすを炭
素クラスター用溶媒に収容して該炭素クラスターを溶解
し、前記溶媒に不溶のすす成分を無機固体粒子に付着さ
せることを特徴とする。この方法により、上記目的を達
成することができる。 【0009】原料すすは、例えば、アーク放電方式、抵
抗加熱方式、レーザー蒸発方式、プラズマや内燃機関等
を利用して炭素原子を含む粉末状又はガス状の原料によ
り発生させる方法などのように、通常行われている炭素
クラスターを生成する方法によって得られたものであれ
ば良い。すなわち、すすの中に炭素クラスターが含有し
ていれば、本発明に係る方法に適用することができる。 【0010】ここで、これらの製造方法で得られる原料
すすの中には、炭素クラスター及び不溶すす成分の他
に、不純物として例えば製造用原料中に含まれている製
造上不可避の固体不純物(例えば、Si、Fe、V、N
a、Al、Ni、Pb、Cr、Mg、Ti、S、P、
B、Ca、N等)などを含んでいる場合があるが、これ
らの原料不純物なども溶媒に不溶のすす成分となる。 【0011】ところで、炭素クラスターには各種のもの
があり、C60、C70、C76、C82、C84等に
代表される各種のフラーレン類やC28の他に、これら
の炭素クラスターにSc、Y、La、Ce、Pr、N
d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、L
u、U等の3A族、Ti、Zr、Hrの4A族、Ca等
の2A族などの元素を内包した金属内包炭素クラスタ
ー、及び炭素クラスターを構成する炭素原子がB、N等
の異種原子に置換されたヘテロ炭素クラスターを例示で
きる。本発明はこれらのいわゆる炭素クラスターであれ
ば良く、炭素クラスターの種類に制約を受けるものでは
ない。 【0012】前記した製造方法などで得られる原料すす
を、炭素クラスター用溶媒に収容して、炭素クラスター
を溶解させる。炭素クラスター用溶媒としては、有機溶
媒を例示することができ、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族化合物やこれらのハロゲン化物、
シクロヘキサン等の炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等のパラフィン系炭化水素化合物、二硫化
炭素、ビリジン、キノリン、ビコリンなどの溶媒を挙げ
ることができる。これらの溶媒のうち一種類又は二種類
以上を混合するなどして炭素クラスター用溶媒として使
用する。原料すすのうち、炭素クラスターはこれらの溶
媒に溶出するが、すす等の不純物成分、すなわち不溶す
す成分は溶出せずに浮遊するため、かくして得られた炭
素クラスターを溶解させた液体は、不溶すす成分がほぼ
均一に分散した懸濁液になる。 【0013】このような懸濁液の製造は公知の方法で良
く、例えば原料すすを前記溶媒と共に容器に入れ、炭素
クラスターを溶媒に良く溶けるようにするため、かく拌
したり、使用する溶媒の沸点程度で煮沸したりすれば製
造できる。 【0014】このようにして得られた懸濁液中に存在す
る不溶すす成分を、無機固体粒子に付着させて、固定化
する。不溶すす成分を付着する物体である無機固体粒子
は、通常、石英粉末、アルミナ粉末、ガラスビーズ、ガ
ラスウールに代表される酸化物やケイ酸塩などの無機質
の物体や、無機質の被膜を有する物体であり、このよう
な無機固体粒子を1種類又は2種類以上を混合するなど
して使用する。無機固体粒子は、各種の大きさのものが
使用できるが、特に粒径1〜1000μmのものが好ま
しい。その理由は、粒径1μm未満の無機固体粒子は、
不溶すす成分を固定化しても懸濁液中で浮遊する時間が
長過ぎるため、この固定化した物体の除去、分離又は回
収が困難になるからである。また、1000μmを超え
ると不溶すす成分との接触面積が小さくなり過ぎるた
め、不溶すす成分を付着する効率が低下するからであ
る。特に最適な無機固体粒子の粒径は5〜100μmで
ある。 【0015】ここで、活性炭は比重が小さ過ぎてしま
い、また粉体状の活性炭は飛散し易く、顆粒状等の成形
体もハンドリングの際の摩擦で粉塵が発生し易いため、
本発明には適していない。さらに、活性炭は吸着ヒステ
リシスを生ずるため、その回収が困難であり、一度処理
に供した活性炭から不純物を除去し、再利用することは
非常に困難である。これに対して、本発明のように、不
溶すす成分が無機固体粒子に付着する現象は可逆現象で
あり、不溶すす成分が付着した無機固体粒子を例えば水
中に投入すれば、不溶すす成分と無機固体粒子の疎水性
の違いにより、不溶すす成分は速やかに無機固体粒子か
ら離れて水の上部に移行し、無機固体粒子は水中に沈殿
するため、容易に無機固体粒子を回収することができ、
再使用も可能になる。 【0016】不溶すす成分を付着させるときには、室温
乃至溶媒の沸点程度の温度で行うのが通常である。ま
た、懸濁液を作製した後、この中に無機固体粒子を入れ
て不溶すす成分を付着させたり、あるいは、予め原料す
すに無機固体粒子を混合しておき、その後、炭素クラス
ター用溶媒に収容して、炭素クラスターを溶解させると
共に不溶すす成分を付着させる。 【0017】無機固体粒子に不溶すす成分を付着させる
際には、両者が接触し易いように、ある程度かく拌しな
がら付着させた方が良い。しかし、かく拌が強すぎる
と、付着した不溶すす成分がその回りのせん断力により
再分散する場合があるため、注意を要する。また、付着
させる際には常圧で行うのが通常であるが、加圧下や減
圧下で行っても良い。 【0018】無機固体粒子を添加する量は、懸濁液に存
在する不溶すす成分の量や無機固体粒子の種類や粒径に
よって異なり、一意的に決定できないが、通常、懸濁液
100質量部に対して1〜10質量部を添加する。1質
量部未満では十分に不溶すす成分を付着させることが困
難であり、付着していない不溶すす成分が炭素クラスタ
ー溶液中に残存する場合がある。一方、10質量部を超
えると、不溶すす成分を付着させることは十分できる
が、固定化した物体の除去、分離又は回収が面倒にな
る。ただし、本発明は無機固体粒子の添加量に制約はな
い。 【0019】無機固体粒子を懸濁液に入れると、懸濁液
の下方に沈みながら無機固体粒子に不溶すす成分が付着
し、沈殿する。付着する不溶すす成分は、炭素クラスタ
ー用溶媒に溶けなかった固体物質、すなわち炭素クラス
ターにとっては不純物となる固体物質、例えば無定形炭
素類いわゆるカーボンブラック類等の固体粒子、製造用
原料に不純物として存在する固体粒子又はこれらのコロ
イド粒子などである。なお、炭素クラスターの一部も無
機固体粒子に付着することもあるが、その量は極めてわ
ずかな量なので、炭素クラスター溶液の濃度に大きな損
失を与えることはない。 【0020】付着後の無機固体粒子は通常沈殿している
ため、懸濁液の下方には付着した物体を主体とする層
と、その上方には炭素クラスター溶液の層とに分離す
る。このように分離に要する時間は、5秒〜3分程度で
あり、この程度の短時間でも十分に不溶すす成分を固定
化することができる。もちろん、分離に要する時間を長
くすれば、より完全に不溶すす成分の固定化を行うこと
ができる。 【0021】以上のようにして不溶すす成分を固定化し
た後は、炭素クラスター溶液から成る層をデカンテーシ
ョン等の公知の万法により取り出せば良い。これとは逆
に、分液ろうと等のように構成した容器で懸濁液を作製
し、下方に沈降した付着した物体をその容器の下部から
取り出し、炭素クラスター溶液のみを残しても良い。ま
た、より完全に炭素クラスター溶液と付着した物体とを
分離させるためには、遠心分離器等の常法により分離し
ても良い。 【0022】また、不溶すす成分を無機固体粒子に付着
させる別の方法として、無機固体粒子の集合体を固定層
として用い、この層に懸濁液を流通・循環させるなどの
手段により、懸濁液を無機固体粒子に接触させて不溶す
す成分を付着させる方法も例示できる。この方法による
と、炭素クラスター溶液と不溶すす成分が付着した物体
との分離は、この固定層を回収すれば良く、簡単に炭素
クラスター溶液のみを得ることができる。また、工業的
な観点から、汚水等の懸濁液処理分野で通常知られてい
るろ過分離装置を用いて、懸濁液と無機固体粒子とを接
触処理しても構わない。本発明においては、懸濁液に存
在する不溶すす成分を無機固体粒子に付着させること
で、不溶すす成分の固定化を行うことに特徴があり、接
触方式やその装置等には限定されない。 【0023】分離した炭素クラスター溶液はろ過する必
要はなく、そのまま常法に従って、蒸発乾燥すれば炭素
クラスターを得ることができる。当然のことながら、一
度分離した炭素クラスター溶液を、再度、無機固体粒子
と接触させて、より純度の高い炭素クラスター溶液を得
ても良い。 【0024】本発明では、不溶すす成分が付着した物体
を回収して、無機固体粒子と不溶すす成分に分離し、無
機固体粒子を再使用することもできる。この分離は、媒
体を変えることにより容易に行うことができる。通常、
この媒体として、取扱いが簡単で安価でもある水を用い
る。例えば、不溶すす成分が付着した物体に水を加える
と、疎水性の違いにより無機固体粒子から不溶すす成分
が離れて水に分散し、不溶すす成分は一般に水よりも比
重が小さいので水面付近に集めることができる。一方、
無機固体粒子は収容した容器の底部に集まる。このよう
にして容器底部に残った無機固体粒子を公知の方法で取
り出して、再使用に供すれば良い。また、不溶すす成分
の大部分は、無定形炭素類、いわゆるカーボンブラック
類なので、水面付近に集まった不溶すす成分を取り出し
て、炭素クラスター製造用原料としても再利用すること
もできる。また、浮遊選鉱法や沈降分離法などの各種の
方法により、付着した物体から不溶すす成分と無機固体
粒子とに分離しても良い。また、前述したように固定層
に不溶すす成分を付着させる方法によると、付着は固定
層で行われるため、この固定層を取り出して水等の分離
できる媒体により、逆流洗浄、表面洗浄又はこれらを併
用するなどして、不溶すす成分と無機固体粒子を分離す
れば良い。 【0025】本発明に係る方法の固定化機構は、不溶す
す成分と無機固体粒子との静電気的相互作用やファンデ
ルワールス相互作用等による付着により、不溶すす成分
を固定化することができる。 【0026】なお、特聞平5−85711号に記載され
ているように、汚水等の溶液を精製する物質として良く
知られている活性炭は、ろ紙を通過した抽出液中に分散
している極めて微細な溶存不純物を対象不純物として、
吸着により精製するものであり、その精製機構は、活性
炭が有する細孔への毛管凝縮によるものである。そのた
め、本発明で対象としている不溶すす成分(無定形炭素
類、いわゆるカーボンブラック類)のような巨大不純物
を吸着することはできず、活性炭ではほとんど固定化す
ることができない。 【0027】 【実施例】本発明を実施例によって具体的に示すが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0028】実施例1 アーク放電により製造した原料すす0.1gを容器に入
れ、次いでトルエン100cm3を入れてかく拌し、炭
素クラスターを溶解させ、懸濁液を作製した。これに、
平均粒径20μmの石英粉末3gを入れたところ、不溶
すす成分は石英粉末に付着しながら共に容器底部に沈殿
し、1分後には懸濁液は赤褐色の透明な液に完全に変化
した。この容器からデカンテーションにより赤褐色透明
液のみを取り出し、トルエンを蒸発させて乾燥したとこ
ろ、得られた乾燥物はC60を主体とした炭素クラスタ
ーであることが判明した。 【0029】実施例2 実施例1と同様に懸濁液を作製し、この中に平均粒径1
0μmのアルミナ粉末を3g入れたところ、不溶すす成
分はアルミナ粉末に付着しながら共に容器底部に沈殿
し、30秒後には懸濁液は赤褐色の透明な液に完全に変
化した。この容器からデカンテーションにより赤褐色透
明液のみを取り出し、トルエンを蒸発させて乾燥したと
ころ、得られた乾燥物はC60を主体とした炭素クラス
ターであることが分かった。 【0030】参考例1 実施例1において、沈殿した付着物体を取り出し、別の
容器に移して水を入れたところ、付着物体からすぐに不
溶すす成分が離れて水面付近に集まり、これとは反対
に、容器底部には石英粉末が残った。この石英粉末を用
いて、新たに作成した懸濁液中に入れたところ、実施例
1と同様の結果が得られた。この工程を10回繰り返し
ても実施例1と同様な結果が得られた。このことから、
無機固体粒子である石英粉末を再利用しても、不溶すす
成分の付着性を損なわないことが分かった。 【0031】参考例2 参考例1と同様に、実施例2においても、付着物体から
アルミナ粉末を簡単に分離することができ、10回再使
用しても、不溶すす成分の付着性を損なわないことが分
かった。 【0032】 【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、炭素クラ
スターを溶解させた液体中における不溶すす成分を、極
めて簡単な方法により固定化することができる。したが
って、ソックスレー抽出器を用いる必要がなくなり、多
量にしかも短時間に炭素クラスター溶液を得ることがで
きる。また、一度固定化処理に供した無機固体粒子は、
簡単な処理により何度も再利用することができるため、
経済的な固定化媒体でもある。さらに、この媒体は固体
であるため回収も簡単であり、また炭素クラスター溶液
に悪影響を及ぼすこともない。本発明により、炭素クラ
スターを大量製造できる工業化への道が開発され、炭素
クラスターの物性研究やこれを用いた材料開発の分野に
果たす寄与は極めて大きい。
させた液体中における不溶すす成分の固定化方法に係
り、詳述すれば、C60、C70等のフラーレン類に代
表される炭素クラスターを含有しているすすを炭素クラ
スター用溶媒に収容して炭素クラスターを溶解し、この
液体中に存在している不溶のすす成分を、効率良く短時
間で簡単に固定化できる方法に関する。 【0002】 【従来の技術】C60、C70、C84等のフラーレン
類、その中に金属原子や金属クラスターが入った金属内
包フラーレン類及び炭素クラスターを構成する炭素原子
が異種原子に置換されたヘテロフラーレン類に代表され
る各種の炭素クラスターは、化学的、物理的な観点か
ら、半導体材料、導電材料、磁性材料、非線形光学材料
等に利用できる次世代の材料として期待されている。 【0003】このような炭素クラスターの製造方法とし
ては、炭素質材料から成る電極を原料としてこの電極間
にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放
電方式)、炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させ
る方法(抵抗加熱方式)、レーザー照射によって炭素質
原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発方式)などが広く
利用されている。このような炭素クラスターの製造方法
では、所望の炭素クラスターだけを製造することはでき
ないので、炭素クラスターを含有するすす(原料すす)
を製造した後、炭素クラスターとすす等の不純物成分と
を分離しなければならない。この際、原料すす中の炭素
クラスター含有量はわずかなので、多量の炭素クラスタ
ーを得るためには、多量の原料すすを製造した後、すす
等の不純物成分と分離する必要がある。 【0004】分離する方法として、炭素クラスターはベ
ンゼン、トルエン、二硫化炭素等の有機溶媒に溶解し、
すす等の不純物成分は溶解しないという性質を利用し
て、このような有機溶媒を抽出溶媒とし、溶媒に不溶で
あるすす等の不純物成分(不溶すす成分)をろ過により
分離していた。例えば、ソックスレー抽出器を用いて、
有機溶媒を還流させ、ろ紙中の原料すすから炭素クラス
ターを抽出していた。また、別な分離方法として、ビー
カー等の容器に原料すすと有機溶媒を入れ、必要に応じ
て煮沸するなどして炭素クラスターを有機溶媒へ溶出さ
せて、ろ過することにより、原料すすから炭素クラスタ
ーを抽出していた。次いで、得られた炭素クラスター抽
出液を蒸発乾燥させて炭素クラスターを得ていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で原料すすから炭素クラスターを抽出分離する
と、抽出器の容量に制限があるため、一度に多量の原料
すすを処理できなかった。さらに、溶媒に不溶のすす成
分は微細なため、抽出を十分に行いたい場合には、通常
約一昼夜という非常に長い時間をろ過に費やしたり、す
ぐにろ紙が目詰まりを起こすため、頻繁にろ紙を交換し
たりしなければならなかった。 【0006】このように従来の方法で炭素クラスターと
不溶すす成分を分離するには、多大な労力や手間が必要
であり、このことは炭素クラスターの物性研究やこれを
用いた材料開発を阻害する大きな要因になっていた。こ
のような欠点は、全て、溶媒中に存在する不溶すす成分
の大部分は、沈殿しないで浮遊しているために生じるも
のであり、この不溶すす成分を溶媒中で固定化できれ
ば、炭素クラスターが溶解した溶液(炭素クラスター溶
液)を簡単に取り出すことができる。そのため、不溶す
す成分を簡単に短時間で大量に固定化できる方法の開発
が切望されていた。 【0007】そこで本発明は、炭素クラスターを溶解さ
せた液体から不溶すす成分を短時間でしかも簡単に固定
化できる経済的な方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る不溶すす成
分の固定化方法は、炭素クラスターを含有するすすを炭
素クラスター用溶媒に収容して該炭素クラスターを溶解
し、前記溶媒に不溶のすす成分を無機固体粒子に付着さ
せることを特徴とする。この方法により、上記目的を達
成することができる。 【0009】原料すすは、例えば、アーク放電方式、抵
抗加熱方式、レーザー蒸発方式、プラズマや内燃機関等
を利用して炭素原子を含む粉末状又はガス状の原料によ
り発生させる方法などのように、通常行われている炭素
クラスターを生成する方法によって得られたものであれ
ば良い。すなわち、すすの中に炭素クラスターが含有し
ていれば、本発明に係る方法に適用することができる。 【0010】ここで、これらの製造方法で得られる原料
すすの中には、炭素クラスター及び不溶すす成分の他
に、不純物として例えば製造用原料中に含まれている製
造上不可避の固体不純物(例えば、Si、Fe、V、N
a、Al、Ni、Pb、Cr、Mg、Ti、S、P、
B、Ca、N等)などを含んでいる場合があるが、これ
らの原料不純物なども溶媒に不溶のすす成分となる。 【0011】ところで、炭素クラスターには各種のもの
があり、C60、C70、C76、C82、C84等に
代表される各種のフラーレン類やC28の他に、これら
の炭素クラスターにSc、Y、La、Ce、Pr、N
d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、L
u、U等の3A族、Ti、Zr、Hrの4A族、Ca等
の2A族などの元素を内包した金属内包炭素クラスタ
ー、及び炭素クラスターを構成する炭素原子がB、N等
の異種原子に置換されたヘテロ炭素クラスターを例示で
きる。本発明はこれらのいわゆる炭素クラスターであれ
ば良く、炭素クラスターの種類に制約を受けるものでは
ない。 【0012】前記した製造方法などで得られる原料すす
を、炭素クラスター用溶媒に収容して、炭素クラスター
を溶解させる。炭素クラスター用溶媒としては、有機溶
媒を例示することができ、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族化合物やこれらのハロゲン化物、
シクロヘキサン等の炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等のパラフィン系炭化水素化合物、二硫化
炭素、ビリジン、キノリン、ビコリンなどの溶媒を挙げ
ることができる。これらの溶媒のうち一種類又は二種類
以上を混合するなどして炭素クラスター用溶媒として使
用する。原料すすのうち、炭素クラスターはこれらの溶
媒に溶出するが、すす等の不純物成分、すなわち不溶す
す成分は溶出せずに浮遊するため、かくして得られた炭
素クラスターを溶解させた液体は、不溶すす成分がほぼ
均一に分散した懸濁液になる。 【0013】このような懸濁液の製造は公知の方法で良
く、例えば原料すすを前記溶媒と共に容器に入れ、炭素
クラスターを溶媒に良く溶けるようにするため、かく拌
したり、使用する溶媒の沸点程度で煮沸したりすれば製
造できる。 【0014】このようにして得られた懸濁液中に存在す
る不溶すす成分を、無機固体粒子に付着させて、固定化
する。不溶すす成分を付着する物体である無機固体粒子
は、通常、石英粉末、アルミナ粉末、ガラスビーズ、ガ
ラスウールに代表される酸化物やケイ酸塩などの無機質
の物体や、無機質の被膜を有する物体であり、このよう
な無機固体粒子を1種類又は2種類以上を混合するなど
して使用する。無機固体粒子は、各種の大きさのものが
使用できるが、特に粒径1〜1000μmのものが好ま
しい。その理由は、粒径1μm未満の無機固体粒子は、
不溶すす成分を固定化しても懸濁液中で浮遊する時間が
長過ぎるため、この固定化した物体の除去、分離又は回
収が困難になるからである。また、1000μmを超え
ると不溶すす成分との接触面積が小さくなり過ぎるた
め、不溶すす成分を付着する効率が低下するからであ
る。特に最適な無機固体粒子の粒径は5〜100μmで
ある。 【0015】ここで、活性炭は比重が小さ過ぎてしま
い、また粉体状の活性炭は飛散し易く、顆粒状等の成形
体もハンドリングの際の摩擦で粉塵が発生し易いため、
本発明には適していない。さらに、活性炭は吸着ヒステ
リシスを生ずるため、その回収が困難であり、一度処理
に供した活性炭から不純物を除去し、再利用することは
非常に困難である。これに対して、本発明のように、不
溶すす成分が無機固体粒子に付着する現象は可逆現象で
あり、不溶すす成分が付着した無機固体粒子を例えば水
中に投入すれば、不溶すす成分と無機固体粒子の疎水性
の違いにより、不溶すす成分は速やかに無機固体粒子か
ら離れて水の上部に移行し、無機固体粒子は水中に沈殿
するため、容易に無機固体粒子を回収することができ、
再使用も可能になる。 【0016】不溶すす成分を付着させるときには、室温
乃至溶媒の沸点程度の温度で行うのが通常である。ま
た、懸濁液を作製した後、この中に無機固体粒子を入れ
て不溶すす成分を付着させたり、あるいは、予め原料す
すに無機固体粒子を混合しておき、その後、炭素クラス
ター用溶媒に収容して、炭素クラスターを溶解させると
共に不溶すす成分を付着させる。 【0017】無機固体粒子に不溶すす成分を付着させる
際には、両者が接触し易いように、ある程度かく拌しな
がら付着させた方が良い。しかし、かく拌が強すぎる
と、付着した不溶すす成分がその回りのせん断力により
再分散する場合があるため、注意を要する。また、付着
させる際には常圧で行うのが通常であるが、加圧下や減
圧下で行っても良い。 【0018】無機固体粒子を添加する量は、懸濁液に存
在する不溶すす成分の量や無機固体粒子の種類や粒径に
よって異なり、一意的に決定できないが、通常、懸濁液
100質量部に対して1〜10質量部を添加する。1質
量部未満では十分に不溶すす成分を付着させることが困
難であり、付着していない不溶すす成分が炭素クラスタ
ー溶液中に残存する場合がある。一方、10質量部を超
えると、不溶すす成分を付着させることは十分できる
が、固定化した物体の除去、分離又は回収が面倒にな
る。ただし、本発明は無機固体粒子の添加量に制約はな
い。 【0019】無機固体粒子を懸濁液に入れると、懸濁液
の下方に沈みながら無機固体粒子に不溶すす成分が付着
し、沈殿する。付着する不溶すす成分は、炭素クラスタ
ー用溶媒に溶けなかった固体物質、すなわち炭素クラス
ターにとっては不純物となる固体物質、例えば無定形炭
素類いわゆるカーボンブラック類等の固体粒子、製造用
原料に不純物として存在する固体粒子又はこれらのコロ
イド粒子などである。なお、炭素クラスターの一部も無
機固体粒子に付着することもあるが、その量は極めてわ
ずかな量なので、炭素クラスター溶液の濃度に大きな損
失を与えることはない。 【0020】付着後の無機固体粒子は通常沈殿している
ため、懸濁液の下方には付着した物体を主体とする層
と、その上方には炭素クラスター溶液の層とに分離す
る。このように分離に要する時間は、5秒〜3分程度で
あり、この程度の短時間でも十分に不溶すす成分を固定
化することができる。もちろん、分離に要する時間を長
くすれば、より完全に不溶すす成分の固定化を行うこと
ができる。 【0021】以上のようにして不溶すす成分を固定化し
た後は、炭素クラスター溶液から成る層をデカンテーシ
ョン等の公知の万法により取り出せば良い。これとは逆
に、分液ろうと等のように構成した容器で懸濁液を作製
し、下方に沈降した付着した物体をその容器の下部から
取り出し、炭素クラスター溶液のみを残しても良い。ま
た、より完全に炭素クラスター溶液と付着した物体とを
分離させるためには、遠心分離器等の常法により分離し
ても良い。 【0022】また、不溶すす成分を無機固体粒子に付着
させる別の方法として、無機固体粒子の集合体を固定層
として用い、この層に懸濁液を流通・循環させるなどの
手段により、懸濁液を無機固体粒子に接触させて不溶す
す成分を付着させる方法も例示できる。この方法による
と、炭素クラスター溶液と不溶すす成分が付着した物体
との分離は、この固定層を回収すれば良く、簡単に炭素
クラスター溶液のみを得ることができる。また、工業的
な観点から、汚水等の懸濁液処理分野で通常知られてい
るろ過分離装置を用いて、懸濁液と無機固体粒子とを接
触処理しても構わない。本発明においては、懸濁液に存
在する不溶すす成分を無機固体粒子に付着させること
で、不溶すす成分の固定化を行うことに特徴があり、接
触方式やその装置等には限定されない。 【0023】分離した炭素クラスター溶液はろ過する必
要はなく、そのまま常法に従って、蒸発乾燥すれば炭素
クラスターを得ることができる。当然のことながら、一
度分離した炭素クラスター溶液を、再度、無機固体粒子
と接触させて、より純度の高い炭素クラスター溶液を得
ても良い。 【0024】本発明では、不溶すす成分が付着した物体
を回収して、無機固体粒子と不溶すす成分に分離し、無
機固体粒子を再使用することもできる。この分離は、媒
体を変えることにより容易に行うことができる。通常、
この媒体として、取扱いが簡単で安価でもある水を用い
る。例えば、不溶すす成分が付着した物体に水を加える
と、疎水性の違いにより無機固体粒子から不溶すす成分
が離れて水に分散し、不溶すす成分は一般に水よりも比
重が小さいので水面付近に集めることができる。一方、
無機固体粒子は収容した容器の底部に集まる。このよう
にして容器底部に残った無機固体粒子を公知の方法で取
り出して、再使用に供すれば良い。また、不溶すす成分
の大部分は、無定形炭素類、いわゆるカーボンブラック
類なので、水面付近に集まった不溶すす成分を取り出し
て、炭素クラスター製造用原料としても再利用すること
もできる。また、浮遊選鉱法や沈降分離法などの各種の
方法により、付着した物体から不溶すす成分と無機固体
粒子とに分離しても良い。また、前述したように固定層
に不溶すす成分を付着させる方法によると、付着は固定
層で行われるため、この固定層を取り出して水等の分離
できる媒体により、逆流洗浄、表面洗浄又はこれらを併
用するなどして、不溶すす成分と無機固体粒子を分離す
れば良い。 【0025】本発明に係る方法の固定化機構は、不溶す
す成分と無機固体粒子との静電気的相互作用やファンデ
ルワールス相互作用等による付着により、不溶すす成分
を固定化することができる。 【0026】なお、特聞平5−85711号に記載され
ているように、汚水等の溶液を精製する物質として良く
知られている活性炭は、ろ紙を通過した抽出液中に分散
している極めて微細な溶存不純物を対象不純物として、
吸着により精製するものであり、その精製機構は、活性
炭が有する細孔への毛管凝縮によるものである。そのた
め、本発明で対象としている不溶すす成分(無定形炭素
類、いわゆるカーボンブラック類)のような巨大不純物
を吸着することはできず、活性炭ではほとんど固定化す
ることができない。 【0027】 【実施例】本発明を実施例によって具体的に示すが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0028】実施例1 アーク放電により製造した原料すす0.1gを容器に入
れ、次いでトルエン100cm3を入れてかく拌し、炭
素クラスターを溶解させ、懸濁液を作製した。これに、
平均粒径20μmの石英粉末3gを入れたところ、不溶
すす成分は石英粉末に付着しながら共に容器底部に沈殿
し、1分後には懸濁液は赤褐色の透明な液に完全に変化
した。この容器からデカンテーションにより赤褐色透明
液のみを取り出し、トルエンを蒸発させて乾燥したとこ
ろ、得られた乾燥物はC60を主体とした炭素クラスタ
ーであることが判明した。 【0029】実施例2 実施例1と同様に懸濁液を作製し、この中に平均粒径1
0μmのアルミナ粉末を3g入れたところ、不溶すす成
分はアルミナ粉末に付着しながら共に容器底部に沈殿
し、30秒後には懸濁液は赤褐色の透明な液に完全に変
化した。この容器からデカンテーションにより赤褐色透
明液のみを取り出し、トルエンを蒸発させて乾燥したと
ころ、得られた乾燥物はC60を主体とした炭素クラス
ターであることが分かった。 【0030】参考例1 実施例1において、沈殿した付着物体を取り出し、別の
容器に移して水を入れたところ、付着物体からすぐに不
溶すす成分が離れて水面付近に集まり、これとは反対
に、容器底部には石英粉末が残った。この石英粉末を用
いて、新たに作成した懸濁液中に入れたところ、実施例
1と同様の結果が得られた。この工程を10回繰り返し
ても実施例1と同様な結果が得られた。このことから、
無機固体粒子である石英粉末を再利用しても、不溶すす
成分の付着性を損なわないことが分かった。 【0031】参考例2 参考例1と同様に、実施例2においても、付着物体から
アルミナ粉末を簡単に分離することができ、10回再使
用しても、不溶すす成分の付着性を損なわないことが分
かった。 【0032】 【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、炭素クラ
スターを溶解させた液体中における不溶すす成分を、極
めて簡単な方法により固定化することができる。したが
って、ソックスレー抽出器を用いる必要がなくなり、多
量にしかも短時間に炭素クラスター溶液を得ることがで
きる。また、一度固定化処理に供した無機固体粒子は、
簡単な処理により何度も再利用することができるため、
経済的な固定化媒体でもある。さらに、この媒体は固体
であるため回収も簡単であり、また炭素クラスター溶液
に悪影響を及ぼすこともない。本発明により、炭素クラ
スターを大量製造できる工業化への道が開発され、炭素
クラスターの物性研究やこれを用いた材料開発の分野に
果たす寄与は極めて大きい。
フロントページの続き
(72)発明者 松岡 功
宮城県仙台市太白区郡山1−19−1−
710
(72)発明者 野澤 美樹
宮城県仙台市青葉区川内山屋敷24−5
ティエラサクセス5−205
(72)発明者 曽我部 敏明
香川県三豊郡大野原町大字中姫2181−2
東洋炭素株式会社内
(72)発明者 浮田 茂幸
香川県三豊郡大野原町大字中姫2181−2
東洋炭素株式会社内
(56)参考文献 特開 平3−152196(JP,A)
W.Kratschmer et a
l,Solid C60:a new f
orm of carbon,NATU
RE,1990年 9月27日,Vol.347,
p.354−357
F.WUDL et al,A Si
mple Soxhlet Chrom
atographic Method
for the Isolation
of Pure C60 and C70,
J.Org.Chem.,1992年,Vo
l.57,p.3254−3256
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C01B 31/00 - 31/36
INSPEC(DIALOG)
JICSTファイル(JOIS)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 炭素クラスターを含有するすすを炭素ク
ラスター用溶媒に収容して該炭素クラスターを溶解し、
前記溶媒に不溶のすす成分を活性炭を除く無機固体粒子
(強塩基が組み込まれた無機固体粒子を除く)に付着さ
せることを特徴とする、炭素クラスターを溶解させた液
体中における不溶すす成分の固定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09739195A JP3415324B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 炭素クラスターを溶解させた液体中における不溶すす成分の固定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09739195A JP3415324B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 炭素クラスターを溶解させた液体中における不溶すす成分の固定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08290908A JPH08290908A (ja) | 1996-11-05 |
JP3415324B2 true JP3415324B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=14191227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09739195A Expired - Fee Related JP3415324B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 炭素クラスターを溶解させた液体中における不溶すす成分の固定化方法 |
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JP (1) | JP3415324B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
US6896864B2 (en) | 2001-07-10 | 2005-05-24 | Battelle Memorial Institute | Spatial localization of dispersed single walled carbon nanotubes into useful structures |
US6878361B2 (en) | 2001-07-10 | 2005-04-12 | Battelle Memorial Institute | Production of stable aqueous dispersions of carbon nanotubes |
JP2005150410A (ja) * | 2003-11-17 | 2005-06-09 | Japan Science & Technology Agency | 薄膜トランジスタ |
-
1995
- 1995-03-17 JP JP09739195A patent/JP3415324B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
F.WUDL et al,A Simple Soxhlet Chromatographic Method for the Isolation of Pure C60 and C70,J.Org.Chem.,1992年,Vol.57,p.3254−3256 |
W.Kratschmer et al,Solid C60:a new form of carbon,NATURE,1990年 9月27日,Vol.347,p.354−357 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08290908A (ja) | 1996-11-05 |
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