JP3414936B2 - アップライトピアノの減音装置 - Google Patents
アップライトピアノの減音装置Info
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- JP3414936B2 JP3414936B2 JP14992596A JP14992596A JP3414936B2 JP 3414936 B2 JP3414936 B2 JP 3414936B2 JP 14992596 A JP14992596 A JP 14992596A JP 14992596 A JP14992596 A JP 14992596A JP 3414936 B2 JP3414936 B2 JP 3414936B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピアノ音の音漏れ
を防止することによって音量を低減するアップライトピ
アノの減音装置に関する。
を防止することによって音量を低減するアップライトピ
アノの減音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、アップライトピアノが一般家庭
に普及しており、部屋の中で演奏される機会が多くなっ
ている。しかし、日本の住宅事情では、従来のピアノの
通常の音量は大き過ぎるきらいがあり、このため、ピア
ノ音が近隣への騒音にならないよう、減音しながら演奏
する場合が少なくない。
に普及しており、部屋の中で演奏される機会が多くなっ
ている。しかし、日本の住宅事情では、従来のピアノの
通常の音量は大き過ぎるきらいがあり、このため、ピア
ノ音が近隣への騒音にならないよう、減音しながら演奏
する場合が少なくない。
【0003】このような場合、従来は通常、マフラーペ
ダルが使用される。すなわち、従来のアップライトピア
ノでは、マフラーペダルを踏むと、弦とハンマーの間に
フェルトなどが下がるように構成されており、このフェ
ルトの上からハンマーが打弦することにより、演奏音量
をかなり下げて減音演奏を行うことができる。しかし、
この方法は、ハンマーがフェルトを介して打弦するた
め、タッチ感や音色が変わってしまうなどの欠点があ
り、さらに、減音効果が低音域と高音域で異なるため、
全体の音量バランスもくずれてしまうという欠点もあ
る。
ダルが使用される。すなわち、従来のアップライトピア
ノでは、マフラーペダルを踏むと、弦とハンマーの間に
フェルトなどが下がるように構成されており、このフェ
ルトの上からハンマーが打弦することにより、演奏音量
をかなり下げて減音演奏を行うことができる。しかし、
この方法は、ハンマーがフェルトを介して打弦するた
め、タッチ感や音色が変わってしまうなどの欠点があ
り、さらに、減音効果が低音域と高音域で異なるため、
全体の音量バランスもくずれてしまうという欠点もあ
る。
【0004】あるいは、ピアノの騒音を解消するものと
して、いわゆる消音ピアノが開発されている。しかし、
消音ピアノは、消音演奏時、電子音をヘッドホンで聞き
ながら演奏を行うものであり、自然なアコースティック
演奏は行えない。また、鍵盤の押鍵情報を検出するため
のセンサを鍵盤ごとに設ける必要があるため、コストが
上昇するなどの欠点を有している。
して、いわゆる消音ピアノが開発されている。しかし、
消音ピアノは、消音演奏時、電子音をヘッドホンで聞き
ながら演奏を行うものであり、自然なアコースティック
演奏は行えない。また、鍵盤の押鍵情報を検出するため
のセンサを鍵盤ごとに設ける必要があるため、コストが
上昇するなどの欠点を有している。
【0005】このような欠点を解消すべく、タッチ感や
音色を変えずに、比較的単純な構成で、減音を行うに
は、ケース部品間からの音漏れを抑制することが有効で
ある。この場合、特に問題となるのは、ピアノの可動部
とこれに対向するケース部品との間に生じる隙間からの
音漏れである。例えば、演奏時に上下動する鍵盤とその
上方の奥屋根との間には隙間が不可避的に生じるため、
この隙間からの音漏れを抑制することが重要となる。こ
のような観点から提案されたアップライトピアノの減音
装置として、例えば、実公昭58−4122号公報に開
示されたものが知られている。
音色を変えずに、比較的単純な構成で、減音を行うに
は、ケース部品間からの音漏れを抑制することが有効で
ある。この場合、特に問題となるのは、ピアノの可動部
とこれに対向するケース部品との間に生じる隙間からの
音漏れである。例えば、演奏時に上下動する鍵盤とその
上方の奥屋根との間には隙間が不可避的に生じるため、
この隙間からの音漏れを抑制することが重要となる。こ
のような観点から提案されたアップライトピアノの減音
装置として、例えば、実公昭58−4122号公報に開
示されたものが知られている。
【0006】この減音装置は、図7に示すように、3枚
のカバー板51、52、53を備えており、後カバー板
51および中カバー板52は棚板54に固定され、前カ
バー板53は奥屋根55に固定されている。これら3枚
のカバー板51、52、53は、互いに連続し、棚板5
4と奥屋根55の間の間隙を後ろ側から密閉している。
また、鍵盤56は、バランスピン57を支点として揺動
自在に支持され、その上面後部にはポストワイヤー58
が埋め込まれており、このポストワイヤー58は、後カ
バー板51と中カバー板52の間に形成されたガイド孔
59に、上下動自在に通されている。
のカバー板51、52、53を備えており、後カバー板
51および中カバー板52は棚板54に固定され、前カ
バー板53は奥屋根55に固定されている。これら3枚
のカバー板51、52、53は、互いに連続し、棚板5
4と奥屋根55の間の間隙を後ろ側から密閉している。
また、鍵盤56は、バランスピン57を支点として揺動
自在に支持され、その上面後部にはポストワイヤー58
が埋め込まれており、このポストワイヤー58は、後カ
バー板51と中カバー板52の間に形成されたガイド孔
59に、上下動自在に通されている。
【0007】この構成によれば、鍵盤56の押鍵に伴
い、ポストワイヤー58が上昇し、その上端部にねじ込
んだキャプスタンボタン60がウイッペン62を突き上
げてアクション61を駆動することにより、アクション
61のハンマー(図示せず)が打弦して、後方の響板
(図示せず)を振動させることにより、アコースティッ
クなピアノ音が発生する。そして、ピアノ音が3枚のカ
バー板51、52、53で遮断され、減音された後に、
鍵盤56側に向かうことにより、鍵盤56と奥屋根55
の間の間隙を介した音漏れを抑制して、減音を行うよう
になっている。
い、ポストワイヤー58が上昇し、その上端部にねじ込
んだキャプスタンボタン60がウイッペン62を突き上
げてアクション61を駆動することにより、アクション
61のハンマー(図示せず)が打弦して、後方の響板
(図示せず)を振動させることにより、アコースティッ
クなピアノ音が発生する。そして、ピアノ音が3枚のカ
バー板51、52、53で遮断され、減音された後に、
鍵盤56側に向かうことにより、鍵盤56と奥屋根55
の間の間隙を介した音漏れを抑制して、減音を行うよう
になっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の減音装置では、鍵盤56がバランスピン57を支点と
して揺動するのに伴い、鍵盤56の後部に埋め込まれた
ポストワイヤー58は、上下方向に大きく運動するだけ
でなく、前後方向にも運動を行う。このため、上記従来
の減音装置では、ポストワイヤー58によるアクション
61の駆動動作を確保するために、これを案内するガイ
ド孔59に、ポストワイヤー58の前後方向の運動成分
に見合った遊び(隙間)を設けなければならない。その
結果、ピアノ音が、この遊びを介して鍵盤56側に漏れ
てしまい、さらに鍵盤56と奥屋根55の間の間隙から
外部に漏れるため、十分な減音効果を得ることは不可能
となる。
の減音装置では、鍵盤56がバランスピン57を支点と
して揺動するのに伴い、鍵盤56の後部に埋め込まれた
ポストワイヤー58は、上下方向に大きく運動するだけ
でなく、前後方向にも運動を行う。このため、上記従来
の減音装置では、ポストワイヤー58によるアクション
61の駆動動作を確保するために、これを案内するガイ
ド孔59に、ポストワイヤー58の前後方向の運動成分
に見合った遊び(隙間)を設けなければならない。その
結果、ピアノ音が、この遊びを介して鍵盤56側に漏れ
てしまい、さらに鍵盤56と奥屋根55の間の間隙から
外部に漏れるため、十分な減音効果を得ることは不可能
となる。
【0009】また、ポストワイヤー58が前後方向の運
動成分をもつために、ポストワイヤー58とガイド孔5
9の壁との間の摩擦力が大きくなりやすいとともに、キ
ャプスタンボタン60がウイッペン62に摺接するの
で、これらの摩擦力によって、タッチ重さが重くなると
ともに、接触部の摩耗も大きくなるなどの不具合が生じ
る。
動成分をもつために、ポストワイヤー58とガイド孔5
9の壁との間の摩擦力が大きくなりやすいとともに、キ
ャプスタンボタン60がウイッペン62に摺接するの
で、これらの摩擦力によって、タッチ重さが重くなると
ともに、接触部の摩耗も大きくなるなどの不具合が生じ
る。
【0010】さらに、後カバー板51および中カバー板
52が棚板54に固定されるとともに、両カバー板5
1、52間に形成されるガイド孔59にポストワイヤー
58を通すように構成されているので、ポストワイヤー
58によるアクション61の駆動動作を確保しつつ、ポ
ストワイヤー58とガイド孔59の間の隙間をできるだ
け小さくするには、両カバー板51、52を高い寸法精
度で製作し、かつ高い取付け精度で取り付けることが必
要になる。
52が棚板54に固定されるとともに、両カバー板5
1、52間に形成されるガイド孔59にポストワイヤー
58を通すように構成されているので、ポストワイヤー
58によるアクション61の駆動動作を確保しつつ、ポ
ストワイヤー58とガイド孔59の間の隙間をできるだ
け小さくするには、両カバー板51、52を高い寸法精
度で製作し、かつ高い取付け精度で取り付けることが必
要になる。
【0011】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、ポストワイヤーによるアクショ
ンの円滑な駆動動作を確保しつつ、鍵盤と奥屋根の間の
隙間からの音漏れを抑制でき、それにより、良好な減音
効果を得ることができるアップライトピアノの減音装置
を提供することを目的としている。
になされたものであり、ポストワイヤーによるアクショ
ンの円滑な駆動動作を確保しつつ、鍵盤と奥屋根の間の
隙間からの音漏れを抑制でき、それにより、良好な減音
効果を得ることができるアップライトピアノの減音装置
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、棚板上に設けられた鍵盤の押鍵に伴い、
この鍵盤の後部に立設されたポストワイヤーでアクショ
ンを突き上げることにより駆動するように構成されたア
ップライトピアノの減音装置であって、ポストワイヤー
が、鍵盤に固定された下ポストワイヤー部と、この下ポ
ストワイヤー部に前後方向に回動自在に連結された上ポ
ストワイヤー部とによって構成され、上ポストワイヤー
部を案内するガイド孔を有するガイドレールと、このガ
イドレールに取り付けられ、棚板と奥屋根との間に連続
的に延びる遮音部材と、を備えていることを特徴として
いる。
め、本発明は、棚板上に設けられた鍵盤の押鍵に伴い、
この鍵盤の後部に立設されたポストワイヤーでアクショ
ンを突き上げることにより駆動するように構成されたア
ップライトピアノの減音装置であって、ポストワイヤー
が、鍵盤に固定された下ポストワイヤー部と、この下ポ
ストワイヤー部に前後方向に回動自在に連結された上ポ
ストワイヤー部とによって構成され、上ポストワイヤー
部を案内するガイド孔を有するガイドレールと、このガ
イドレールに取り付けられ、棚板と奥屋根との間に連続
的に延びる遮音部材と、を備えていることを特徴として
いる。
【0013】この減音装置では、鍵盤の後部に立設され
たポストワイヤーが、鍵盤の押鍵に伴い、ガイドレール
のガイド孔に案内されながら上昇し、アクションを突き
上げてこれを駆動する。そして、アクションの作動によ
り響板で発生したピアノ音は、棚板と奥屋根の間に連続
的に延びる遮音部材によって遮音され、十分に減音され
た後、鍵盤側に向かう。この場合、ポストワイヤーの上
ポストワイヤー部は、鍵盤に固定された下ポストワイヤ
ー部に前後方向に回動自在に連結されているため、ガイ
ドレールのガイド孔により、前後方向の運動を規制され
た状態で案内され、これに沿って上下方向にのみ運動す
る。
たポストワイヤーが、鍵盤の押鍵に伴い、ガイドレール
のガイド孔に案内されながら上昇し、アクションを突き
上げてこれを駆動する。そして、アクションの作動によ
り響板で発生したピアノ音は、棚板と奥屋根の間に連続
的に延びる遮音部材によって遮音され、十分に減音され
た後、鍵盤側に向かう。この場合、ポストワイヤーの上
ポストワイヤー部は、鍵盤に固定された下ポストワイヤ
ー部に前後方向に回動自在に連結されているため、ガイ
ドレールのガイド孔により、前後方向の運動を規制され
た状態で案内され、これに沿って上下方向にのみ運動す
る。
【0014】その結果、ガイド孔に従来のような前後方
向の遊びを設ける必要がなくなるので、ガイド孔をポス
トワイヤーと隙間のほとんどないぴったりの寸法とする
ことができ、それにより、この隙間を介した鍵盤側への
ピアノ音の音漏れがほとんどなくなる。以上のような、
遮音部材による遮音作用と、ポストワイヤーとガイド孔
の間からの音漏れ阻止とによって、鍵盤側に入るピアノ
音が非常に小さくなり、したがって、鍵盤と奥屋根の間
の間隙からのピアノ音の音漏れを十分に抑制して、良好
な減音効果を得ることができる。同様に、アクションで
発生したメカノイズが鍵盤と奥屋根の間を通って鍵盤側
へ漏れ出るのを、十分に抑制することができる。また、
上ポストワイヤー部の前後方向の運動成分がなくなるこ
とにより、ポストワイヤーとガイド孔の壁との間の摩擦
力が小さくなるとともに、キャプスタンボタンがウイッ
ペンに摺接する状態も回避できる。その結果、タッチ重
さが軽くなってタッチ感が向上するとともに、接触部の
摩耗も少なくなる。
向の遊びを設ける必要がなくなるので、ガイド孔をポス
トワイヤーと隙間のほとんどないぴったりの寸法とする
ことができ、それにより、この隙間を介した鍵盤側への
ピアノ音の音漏れがほとんどなくなる。以上のような、
遮音部材による遮音作用と、ポストワイヤーとガイド孔
の間からの音漏れ阻止とによって、鍵盤側に入るピアノ
音が非常に小さくなり、したがって、鍵盤と奥屋根の間
の間隙からのピアノ音の音漏れを十分に抑制して、良好
な減音効果を得ることができる。同様に、アクションで
発生したメカノイズが鍵盤と奥屋根の間を通って鍵盤側
へ漏れ出るのを、十分に抑制することができる。また、
上ポストワイヤー部の前後方向の運動成分がなくなるこ
とにより、ポストワイヤーとガイド孔の壁との間の摩擦
力が小さくなるとともに、キャプスタンボタンがウイッ
ペンに摺接する状態も回避できる。その結果、タッチ重
さが軽くなってタッチ感が向上するとともに、接触部の
摩耗も少なくなる。
【0015】この場合、ガイドレールが可撓性の弾性材
で構成され、ガイドレールの前面および後面の一方の面
からガイド孔にわたって、切込みが形成されていること
が好ましい。
で構成され、ガイドレールの前面および後面の一方の面
からガイド孔にわたって、切込みが形成されていること
が好ましい。
【0016】この構成によれば、並設された上ポストワ
イヤー部の各々に、ガイドレールの前面または背面に形
成した切込みをそれぞれ位置合わせした後、ガイドレー
ルの弾性を利用して切込みを押し広げながら、ガイドレ
ールを上ポストワイヤー部に向かってガイド孔の位置ま
で押し込むことによって、ガイドレールを簡単にセット
することができる。また、この押込み後、ガイドレール
の弾性により、切込みが閉じられるので、切込みの部分
から音漏れが生じることもない。
イヤー部の各々に、ガイドレールの前面または背面に形
成した切込みをそれぞれ位置合わせした後、ガイドレー
ルの弾性を利用して切込みを押し広げながら、ガイドレ
ールを上ポストワイヤー部に向かってガイド孔の位置ま
で押し込むことによって、ガイドレールを簡単にセット
することができる。また、この押込み後、ガイドレール
の弾性により、切込みが閉じられるので、切込みの部分
から音漏れが生じることもない。
【0017】あるいはまた、ガイドレールが滑性を有す
る材料で構成されていることが好ましい。
る材料で構成されていることが好ましい。
【0018】この構成によれば、上ポストワイヤー部と
ガイド孔の壁との間の摩擦力が軽減されるので、タッチ
重さが軽くなって良好なタッチ感が得られるとともに、
これらの接触部の摩耗もより少なくなる。
ガイド孔の壁との間の摩擦力が軽減されるので、タッチ
重さが軽くなって良好なタッチ感が得られるとともに、
これらの接触部の摩耗もより少なくなる。
【0019】これらの場合、遮音部材は、一端部がガイ
ドレールにそれぞれ取り付けられ、他端部が奥屋根およ
び棚板にそれぞれ取り付けられた第1および第2の可撓
性の遮音シートで構成されていることが好ましい。
ドレールにそれぞれ取り付けられ、他端部が奥屋根およ
び棚板にそれぞれ取り付けられた第1および第2の可撓
性の遮音シートで構成されていることが好ましい。
【0020】この構成によれば、遮音部材が第1および
第2の可撓性の遮音シートで構成されるので、各遮音シ
ートの寸法精度が高くなくても、各遮音シートの他端部
を棚板と奥屋根の任意の位置に自由に取り付けることに
よって、棚板と奥屋根との間の間隙を簡単に密閉するこ
とができる。
第2の可撓性の遮音シートで構成されるので、各遮音シ
ートの寸法精度が高くなくても、各遮音シートの他端部
を棚板と奥屋根の任意の位置に自由に取り付けることに
よって、棚板と奥屋根との間の間隙を簡単に密閉するこ
とができる。
【0021】また、前記目的を達成するため、本発明
は、棚板上に複数の鍵盤が設けられ、鍵盤の押鍵に伴
い、これらの鍵盤の各後部に立設されたポストワイヤー
でアクションを突き上げることによりアクションを駆動
するように構成されたアップライトピアノの減音装置で
あって、複数の鍵盤に対応するように配列され且つ各々
が前後方向に延びる複数のスリットを有し、これら複数
のスリットの各々に前記ポストワイヤーを通した状態
で、前記棚板と奥屋根との間に取り付けられた可撓性の
遮音シートを備えていることを特徴としている。
は、棚板上に複数の鍵盤が設けられ、鍵盤の押鍵に伴
い、これらの鍵盤の各後部に立設されたポストワイヤー
でアクションを突き上げることによりアクションを駆動
するように構成されたアップライトピアノの減音装置で
あって、複数の鍵盤に対応するように配列され且つ各々
が前後方向に延びる複数のスリットを有し、これら複数
のスリットの各々に前記ポストワイヤーを通した状態
で、前記棚板と奥屋根との間に取り付けられた可撓性の
遮音シートを備えていることを特徴としている。
【0022】この減音装置では、鍵盤の押鍵に伴ってポ
ストワイヤーが上昇する際、ポストワイヤーの前後方向
の運動を、遮音シートに形成された前後方向に延びるス
リットによって許容しながら、ポストワイヤーを円滑に
案内することができる。ポストワイヤーにより突き上げ
られたアクションの作動によって発生したピアノ音は、
棚板と奥屋根の間に取り付けられた遮音シートによって
遮音され、減音された後、鍵盤側に向かう。これによ
り、鍵盤と奥屋根の間の間隙からのピアノ音の音漏れを
抑制して、良好な減音効果を得ることができる。同様
に、アクションで発生したメカノイズが鍵盤と奥屋根の
間を通って鍵盤側へ漏れ出るのを、抑制することができ
る。
ストワイヤーが上昇する際、ポストワイヤーの前後方向
の運動を、遮音シートに形成された前後方向に延びるス
リットによって許容しながら、ポストワイヤーを円滑に
案内することができる。ポストワイヤーにより突き上げ
られたアクションの作動によって発生したピアノ音は、
棚板と奥屋根の間に取り付けられた遮音シートによって
遮音され、減音された後、鍵盤側に向かう。これによ
り、鍵盤と奥屋根の間の間隙からのピアノ音の音漏れを
抑制して、良好な減音効果を得ることができる。同様
に、アクションで発生したメカノイズが鍵盤と奥屋根の
間を通って鍵盤側へ漏れ出るのを、抑制することができ
る。
【0023】また、請求項1の減音装置と比較した場
合、スリットの存在により、鍵盤側への音漏れは若干大
きくなるが、ポストワイヤーを上下2分割する必要がな
くなること、およびガイドレールが不要で1枚の遮音シ
ートで済むことから、それらの分、部品点数および組立
工数を削減でき、したがって、簡便かつ安価に構成する
ことができる。
合、スリットの存在により、鍵盤側への音漏れは若干大
きくなるが、ポストワイヤーを上下2分割する必要がな
くなること、およびガイドレールが不要で1枚の遮音シ
ートで済むことから、それらの分、部品点数および組立
工数を削減でき、したがって、簡便かつ安価に構成する
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1〜図4
は、本発明の第1実施形態による減音装置を、アップラ
イトピアノの鍵盤装置とともに示している。これらの図
に示すように、鍵盤装置1は、棚板2上に取り付けられ
た筬3と、筬3の筬中4に立設されたバランスピン5を
支点として揺動自在に支持された複数の鍵盤6と、各鍵
盤6の後部上面に取り付けた先座板7に立設されたポス
トワイヤー8と、ポストワイヤー8の上端部にねじ込ま
れたキャプスタンボタン9などで構成されている。
を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1〜図4
は、本発明の第1実施形態による減音装置を、アップラ
イトピアノの鍵盤装置とともに示している。これらの図
に示すように、鍵盤装置1は、棚板2上に取り付けられ
た筬3と、筬3の筬中4に立設されたバランスピン5を
支点として揺動自在に支持された複数の鍵盤6と、各鍵
盤6の後部上面に取り付けた先座板7に立設されたポス
トワイヤー8と、ポストワイヤー8の上端部にねじ込ま
れたキャプスタンボタン9などで構成されている。
【0025】図2に示すように、鍵盤6の上方には、奥
屋根10と、奥屋根10の前端に回動自在に取り付けら
れた鍵盤蓋11とが配置されている。鍵盤6の鍵盤押え
12よりも前側の部分は、奥屋根10の前方に延びて演
奏部を構成し、この演奏部を鍵盤蓋11が開閉するよう
になっている。
屋根10と、奥屋根10の前端に回動自在に取り付けら
れた鍵盤蓋11とが配置されている。鍵盤6の鍵盤押え
12よりも前側の部分は、奥屋根10の前方に延びて演
奏部を構成し、この演奏部を鍵盤蓋11が開閉するよう
になっている。
【0026】ポストワイヤー8は、細い鉄棒などから成
り、図3に詳細に示すように、先座板7に埋め込まれた
下ポストワイヤー部8aと、この下ポストワイヤー部8
aの上端部に、鍵盤6の幅方向と平行な水平軸8cを介
して回動自在に連結された上ポストワイヤー部8bで構
成されている。
り、図3に詳細に示すように、先座板7に埋め込まれた
下ポストワイヤー部8aと、この下ポストワイヤー部8
aの上端部に、鍵盤6の幅方向と平行な水平軸8cを介
して回動自在に連結された上ポストワイヤー部8bで構
成されている。
【0027】キャプスタンボタン9は、プラスチックな
どから成る円筒状のものであり、上ポストワイヤー部8
bの上端部に形成したねじ部に、進退自在に螺合されて
いる。キャプスタンボタン9には、アクション13のウ
イッペン14が、ニードルフェルトなどから成るウイッ
ペンヒール14aが接した状態で、載置されている。ま
た、各キャプスタンボタン9の周面には、周方向に等間
隔に4つの孔が形成されており、この孔にドライバーな
どの工具を差し込んでキャプスタンボタン9を回すこと
により、キャプスタンボタン9の高さ、したがってウイ
ッペン14を含むアクション13の高さが調整可能であ
る。
どから成る円筒状のものであり、上ポストワイヤー部8
bの上端部に形成したねじ部に、進退自在に螺合されて
いる。キャプスタンボタン9には、アクション13のウ
イッペン14が、ニードルフェルトなどから成るウイッ
ペンヒール14aが接した状態で、載置されている。ま
た、各キャプスタンボタン9の周面には、周方向に等間
隔に4つの孔が形成されており、この孔にドライバーな
どの工具を差し込んでキャプスタンボタン9を回すこと
により、キャプスタンボタン9の高さ、したがってウイ
ッペン14を含むアクション13の高さが調整可能であ
る。
【0028】減音装置20は、ポストワイヤー8を案内
するガイドレール15と、棚板2と奥屋根10の間の間
隙を密閉するための2枚の遮音シート16、16を備え
ている。ガイドレール15は、可撓性の弾性材、例えば
ゴムで構成されており、ある程度の剛性を確保するため
に、比較的厚手に形成されている。また、ガイドレール
15は、1本の細長い帯状に形成されるとともに、鍵盤
6の並び方向に配置されていて、その両端部でアングル
材18を介して棚板2にねじ止めされている。
するガイドレール15と、棚板2と奥屋根10の間の間
隙を密閉するための2枚の遮音シート16、16を備え
ている。ガイドレール15は、可撓性の弾性材、例えば
ゴムで構成されており、ある程度の剛性を確保するため
に、比較的厚手に形成されている。また、ガイドレール
15は、1本の細長い帯状に形成されるとともに、鍵盤
6の並び方向に配置されていて、その両端部でアングル
材18を介して棚板2にねじ止めされている。
【0029】図4に示すように、ガイドレール15に
は、各ポストワイヤー8の上ポストワイヤー部8bを案
内するための多数のガイド孔17が上下方向に形成され
ている。ガイド孔17の径は、上ポストワイヤー部8b
を円滑に案内でき、かつ上ポストワイヤー部8bとの隙
間ができるだけ小さくなるように、設定されている。ま
た、ガイドレール15には、各ガイド孔17から背面に
わたって、多数の切込み19が形成されている。
は、各ポストワイヤー8の上ポストワイヤー部8bを案
内するための多数のガイド孔17が上下方向に形成され
ている。ガイド孔17の径は、上ポストワイヤー部8b
を円滑に案内でき、かつ上ポストワイヤー部8bとの隙
間ができるだけ小さくなるように、設定されている。ま
た、ガイドレール15には、各ガイド孔17から背面に
わたって、多数の切込み19が形成されている。
【0030】この構成によれば、同図に示すように、上
ポストワイヤー部8bの各々に、切込み19をそれぞれ
位置合わせした後、ガイドレール1の弾性を利用して切
込み19を押し広げながら、ガイドレール15を上ポス
トワイヤー部8bに向かってガイド孔17の位置まで押
し込むことによって、ガイドレール15を簡単にセット
することができる。また、この押込み後、ガイドレール
15の弾性により、切込み19が閉じられるので、切込
み19の部分から音漏れが生じることもない。さらに、
ガイドレール15の前面および背面には、遮音シート1
6を取り付けるための横切込み21がそれぞれ連続して
形成されている(図2参照)。
ポストワイヤー部8bの各々に、切込み19をそれぞれ
位置合わせした後、ガイドレール1の弾性を利用して切
込み19を押し広げながら、ガイドレール15を上ポス
トワイヤー部8bに向かってガイド孔17の位置まで押
し込むことによって、ガイドレール15を簡単にセット
することができる。また、この押込み後、ガイドレール
15の弾性により、切込み19が閉じられるので、切込
み19の部分から音漏れが生じることもない。さらに、
ガイドレール15の前面および背面には、遮音シート1
6を取り付けるための横切込み21がそれぞれ連続して
形成されている(図2参照)。
【0031】各遮音シート16は、遮音性および可撓性
を有する市販の遮音シートや制振ゴムシートなどで構成
されている。図2および図4に示すように、一方の遮音
シート16は、一端部がガイドレール15の前面の横切
込み21に差し込まれた後、スナップ止めやホッチキス
止めなどによって固定されるとともに、他端部が奥屋根
10の背面にねじ止めされている。また、他方の遮音シ
ート16は、一端部がガイドレール15の背面の横切込
み21に同様に固定されるとともに、他端部が棚板2の
背面にねじ止めされており、ガイドレール15および両
遮音シート16、16によって、棚板2と奥屋根10の
間の間隙が後ろ側から密閉される。
を有する市販の遮音シートや制振ゴムシートなどで構成
されている。図2および図4に示すように、一方の遮音
シート16は、一端部がガイドレール15の前面の横切
込み21に差し込まれた後、スナップ止めやホッチキス
止めなどによって固定されるとともに、他端部が奥屋根
10の背面にねじ止めされている。また、他方の遮音シ
ート16は、一端部がガイドレール15の背面の横切込
み21に同様に固定されるとともに、他端部が棚板2の
背面にねじ止めされており、ガイドレール15および両
遮音シート16、16によって、棚板2と奥屋根10の
間の間隙が後ろ側から密閉される。
【0032】次に、上記構成の減音装置20の動作を鍵
盤装置1の動作とともに説明する。図2に示す離鍵状態
から鍵盤6が押鍵されると、その後部に載置されたポス
トワイヤー8およびキャプスタンボタン9は、ポストワ
イヤー8の上ポストワイヤー部8bがガイドレール15
のガイド孔17に案内された状態で上昇し、ウイッペン
14を突き上げることによって、アクション13を駆動
する。この場合、上ポストワイヤー部8bは、下ポスト
ワイヤー部8aに水平軸8cを介して回動自在連結され
ているので、ガイドレール15のガイド孔17に案内さ
れて、これに沿って円滑に上下方向にのみ運動して、ア
クション17を駆動することができる。
盤装置1の動作とともに説明する。図2に示す離鍵状態
から鍵盤6が押鍵されると、その後部に載置されたポス
トワイヤー8およびキャプスタンボタン9は、ポストワ
イヤー8の上ポストワイヤー部8bがガイドレール15
のガイド孔17に案内された状態で上昇し、ウイッペン
14を突き上げることによって、アクション13を駆動
する。この場合、上ポストワイヤー部8bは、下ポスト
ワイヤー部8aに水平軸8cを介して回動自在連結され
ているので、ガイドレール15のガイド孔17に案内さ
れて、これに沿って円滑に上下方向にのみ運動して、ア
クション17を駆動することができる。
【0033】このアクション13の作動により、そのハ
ンマー(図示せず)が打弦を行うことによって、後方に
配置された響板(図示せず)が振動して、ピアノ音が発
生する。響板から前方に向かったピアノ音は、遮音シー
ト16、16の遮音機能によって遮音され、十分に減音
された後、鍵盤6側に向かう。また、ガイド孔17とポ
ストワイヤー8との間の隙間が非常に小さいので、ピア
ノ音がこの隙間から前方の鍵盤6側に漏れ出ることはほ
とんどない。したがって、遮音シート16、16による
遮音効果と、上ポストワイヤー部8bとガイド孔17の
間からの音漏れ防止とによって、鍵盤6側に入るピアノ
音を非常に小さくでき、その結果、鍵盤6と奥屋根10
の間の間隙からのピアノ音の音漏れを十分に抑制して、
良好な減音効果を得ることができる。同様に、アクショ
ン13で発生したメカノイズが鍵盤6と奥屋根10の間
を通って鍵盤6側へ漏れ出るのを、十分に抑制すること
ができる。
ンマー(図示せず)が打弦を行うことによって、後方に
配置された響板(図示せず)が振動して、ピアノ音が発
生する。響板から前方に向かったピアノ音は、遮音シー
ト16、16の遮音機能によって遮音され、十分に減音
された後、鍵盤6側に向かう。また、ガイド孔17とポ
ストワイヤー8との間の隙間が非常に小さいので、ピア
ノ音がこの隙間から前方の鍵盤6側に漏れ出ることはほ
とんどない。したがって、遮音シート16、16による
遮音効果と、上ポストワイヤー部8bとガイド孔17の
間からの音漏れ防止とによって、鍵盤6側に入るピアノ
音を非常に小さくでき、その結果、鍵盤6と奥屋根10
の間の間隙からのピアノ音の音漏れを十分に抑制して、
良好な減音効果を得ることができる。同様に、アクショ
ン13で発生したメカノイズが鍵盤6と奥屋根10の間
を通って鍵盤6側へ漏れ出るのを、十分に抑制すること
ができる。
【0034】また、上ポストワイヤー部8bの前後方向
の運動成分がなくなることにより、ポストワイヤー8と
ガイド孔17の壁との間の摩擦力が小さくなるととも
に、キャプスタンボタン9がウイッペン14に摺接する
状態も回避でき、したがって、タッチ重さが軽くなって
タッチ感が向上するとともに、接触部であるポストワイ
ヤー8、ガイド孔17の壁、キャプスタンボタン9や、
ウイッペン14のウイッペンヒール14aなどの摩耗を
少なくすることができる。
の運動成分がなくなることにより、ポストワイヤー8と
ガイド孔17の壁との間の摩擦力が小さくなるととも
に、キャプスタンボタン9がウイッペン14に摺接する
状態も回避でき、したがって、タッチ重さが軽くなって
タッチ感が向上するとともに、接触部であるポストワイ
ヤー8、ガイド孔17の壁、キャプスタンボタン9や、
ウイッペン14のウイッペンヒール14aなどの摩耗を
少なくすることができる。
【0035】図5および図6は、本発明の第2実施形態
による減音装置を示している。両図に示すように、この
減音装置30では、1枚の遮音シート32が、ポストワ
イヤー33の部分を横断するように渡され、その一端部
は棚板2の底面にL形の取付け金具35を介して、他端
部は奥屋根10の背面に、それぞれねじ止めされてい
る。
による減音装置を示している。両図に示すように、この
減音装置30では、1枚の遮音シート32が、ポストワ
イヤー33の部分を横断するように渡され、その一端部
は棚板2の底面にL形の取付け金具35を介して、他端
部は奥屋根10の背面に、それぞれねじ止めされてい
る。
【0036】遮音シート32は、第1実施形態の遮音シ
ート16と同様に、遮音性および可撓性を有する市販の
遮音シートや制振ゴムシートなどで構成されている。図
6に示すように、遮音シート32には複数のスリット3
4が形成されている。これらの複数のスリット34は、
複数の鍵盤6に対応するように配列されるとともに、各
々が前後方向に延びていて、それぞれにポストワイヤー
33が通されている。スリット34の幅は、ポストワイ
ヤー33の動作を妨げない範囲で最小に設定されてい
る。
ート16と同様に、遮音性および可撓性を有する市販の
遮音シートや制振ゴムシートなどで構成されている。図
6に示すように、遮音シート32には複数のスリット3
4が形成されている。これらの複数のスリット34は、
複数の鍵盤6に対応するように配列されるとともに、各
々が前後方向に延びていて、それぞれにポストワイヤー
33が通されている。スリット34の幅は、ポストワイ
ヤー33の動作を妨げない範囲で最小に設定されてい
る。
【0037】ポストワイヤー33は、第1実施形態のポ
ストワイヤー8が上下2分割されているのと異なり、通
常の1本の鉄棒などで構成されている。そして、各ポス
トワイヤー33を遮音シート32の対応するスリット3
4に通した後に、その上端部にキャプスタンボタン9を
螺合することによって、減音装置30が図5および図6
に示すようにセットされる。他の構成は、第1実施形態
と同様である。
ストワイヤー8が上下2分割されているのと異なり、通
常の1本の鉄棒などで構成されている。そして、各ポス
トワイヤー33を遮音シート32の対応するスリット3
4に通した後に、その上端部にキャプスタンボタン9を
螺合することによって、減音装置30が図5および図6
に示すようにセットされる。他の構成は、第1実施形態
と同様である。
【0038】したがって、この第2実施形態の減音装置
30では、鍵盤6の押鍵に伴ってポストワイヤー33が
上昇する際、ポストワイヤー33の前後方向の運動を遮
音シート32のスリット34によって許容しながら、ポ
ストワイヤー33を円滑に案内することができる。ポス
トワイヤー33により突き上げられたアクション17の
作動によって発生したピアノ音は、棚板2と奥屋根10
の間に連続する遮音シート32によって遮音され、減音
された後、鍵盤6側に向かう。これにより、鍵盤6と奥
屋根10の間の間隙からのピアノ音の音漏れを抑制し
て、良好な減音効果を得ることができる。同様に、アク
ション17で発生したメカノイズが鍵盤6と奥屋根10
の間を通って鍵盤6側へ漏れ出るのを、抑制することが
できる。
30では、鍵盤6の押鍵に伴ってポストワイヤー33が
上昇する際、ポストワイヤー33の前後方向の運動を遮
音シート32のスリット34によって許容しながら、ポ
ストワイヤー33を円滑に案内することができる。ポス
トワイヤー33により突き上げられたアクション17の
作動によって発生したピアノ音は、棚板2と奥屋根10
の間に連続する遮音シート32によって遮音され、減音
された後、鍵盤6側に向かう。これにより、鍵盤6と奥
屋根10の間の間隙からのピアノ音の音漏れを抑制し
て、良好な減音効果を得ることができる。同様に、アク
ション17で発生したメカノイズが鍵盤6と奥屋根10
の間を通って鍵盤6側へ漏れ出るのを、抑制することが
できる。
【0039】また、減音装置30は、第1実施形態の減
音装置20と比較した場合、スリット34の存在によ
り、鍵盤6側への音漏れは若干大きくなるが、ポストワ
イヤー33を連続した1本のもので構成していること、
および第1実施形態のガイドレール15が不要で1枚の
遮音シート32で済むことから、それらの分、部品点数
および組立工数を削減でき、したがって、簡便かつ安価
に構成することができる。
音装置20と比較した場合、スリット34の存在によ
り、鍵盤6側への音漏れは若干大きくなるが、ポストワ
イヤー33を連続した1本のもので構成していること、
および第1実施形態のガイドレール15が不要で1枚の
遮音シート32で済むことから、それらの分、部品点数
および組立工数を削減でき、したがって、簡便かつ安価
に構成することができる。
【0040】なお、第1実施形態では、ガイドレール
を、可撓性の弾性材であるゴムで構成しているが、これ
を他の材料で構成することが可能であり、ポストワイヤ
ーを円滑に案内し、摩耗を抑制するという観点からは、
滑性の高い材料、例えばフッ素樹脂などで構成すること
が特に好ましい。また、第1実施形態では、ガイドレー
ルを全鍵盤に共通の1本のガイドレールとしているが、
これを適当な数の複数のガイドレールに分割して設ける
ようにしてもよい。この場合は、ガイドレール間の継ぎ
目からの音漏れをを防止するために、遮音シートをこの
継ぎ目を覆うように取り付けることが好ましい。その
他、遮音シートの取付け方法として、実施形態で示した
以外の任意の方法を採用できるなど、本発明の趣旨の範
囲内で、細部の構成を変更することが可能である。
を、可撓性の弾性材であるゴムで構成しているが、これ
を他の材料で構成することが可能であり、ポストワイヤ
ーを円滑に案内し、摩耗を抑制するという観点からは、
滑性の高い材料、例えばフッ素樹脂などで構成すること
が特に好ましい。また、第1実施形態では、ガイドレー
ルを全鍵盤に共通の1本のガイドレールとしているが、
これを適当な数の複数のガイドレールに分割して設ける
ようにしてもよい。この場合は、ガイドレール間の継ぎ
目からの音漏れをを防止するために、遮音シートをこの
継ぎ目を覆うように取り付けることが好ましい。その
他、遮音シートの取付け方法として、実施形態で示した
以外の任意の方法を採用できるなど、本発明の趣旨の範
囲内で、細部の構成を変更することが可能である。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアップラ
イトピアノの減音装置は、ポストワイヤーによるアクシ
ョンの円滑な駆動動作を確保しつつ、鍵盤と奥屋根の間
の隙間からの音漏れを抑制でき、それにより、良好な減
音効果を得ることができるなどの効果を有している。
イトピアノの減音装置は、ポストワイヤーによるアクシ
ョンの円滑な駆動動作を確保しつつ、鍵盤と奥屋根の間
の隙間からの音漏れを抑制でき、それにより、良好な減
音効果を得ることができるなどの効果を有している。
【図1】本発明の一実施形態によるアップライトピアノ
の減音装置を鍵盤装置とともに示す斜視図である。
の減音装置を鍵盤装置とともに示す斜視図である。
【図2】図1に対応する側断面図である。
【図3】図1のポストワイヤーの構成を示す正面図であ
る。
る。
【図4】図1の減音装置の取付け方法を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】本発明の第2実施形態によるアップライトピア
ノの減音装置を鍵盤装置とともに示す側断面図である。
ノの減音装置を鍵盤装置とともに示す側断面図である。
【図6】図5の要部を示す斜視図である。
【図7】従来の減音装置の一例を示す側断面図である。
2 棚板
6 鍵盤
8 ポストワイヤー
8a 下ポストワイヤー部
8b 上ポストワイヤー部
10 奥屋根
13 アクション
15 ガイドレール
16 遮音シート
17 ガイド孔
19 切込み
20 減音装置
30 減音装置
32 遮音シート
33 ポストワイヤー
34 スリット
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平9−222882(JP,A)
特開 平9−158363(JP,A)
実開 昭54−6929(JP,U)
実開 昭52−68213(JP,U)
実開 昭52−36039(JP,U)
実開 昭54−6928(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G10C 1/02
G10C 3/00
G10C 3/16
Claims (5)
- 【請求項1】 棚板上に設けられた鍵盤の押鍵に伴い、
この鍵盤の後部に立設されたポストワイヤーでアクショ
ンを突き上げることにより当該アクションを駆動するよ
うに構成されたアップライトピアノの減音装置であっ
て、 前記ポストワイヤーが、前記鍵盤に固定された下ポスト
ワイヤー部と、この下ポストワイヤー部に前後方向に回
動自在に連結された上ポストワイヤー部とによって構成
され、 前記上ポストワイヤー部を案内するガイド孔を有するガ
イドレールと、 このガイドレールに取り付けられ、前記棚板と奥屋根と
の間に連続的に延びる遮音部材と、を備えていることを
特徴とするアップライトピアノの減音装置。 - 【請求項2】 前記ガイドレールが可撓性の弾性材で構
成され、当該ガイドレールの前面および背面の一方の面
から前記ガイド孔にわたって、切込みが形成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のアップライトピア
ノの減音装置。 - 【請求項3】 前記ガイドレールが滑性を有する材料で
構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のア
ップライトピアノの減音装置。 - 【請求項4】 前記遮音部材は、一端部が前記ガイドレ
ールにそれぞれ取り付けられ、他端部が前記奥屋根およ
び前記棚板にそれぞれ取り付けられた第1および第2の
可撓性の遮音シートで構成されていることを特徴とす
る、請求項1ないし3のいずれかに記載のアップライト
ピアノの減音装置。 - 【請求項5】 棚板上に複数の鍵盤が設けられ、当該鍵
盤の押鍵に伴い、これらの鍵盤の各後部に立設されたポ
ストワイヤーでアクションを突き上げることにより当該
アクションを駆動するように構成されたアップライトピ
アノの減音装置であって、 前記複数の鍵盤に対応するように配列され且つ各々が前
後方向に延びる複数のスリットを有し、これら複数のス
リットの各々に前記ポストワイヤーを通した状態で、前
記棚板と奥屋根との間に取り付けられた可撓性の遮音シ
ートを備えていることを特徴とするアップライトピアノ
の減音装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14992596A JP3414936B2 (ja) | 1996-03-04 | 1996-05-21 | アップライトピアノの減音装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7319296 | 1996-03-04 | ||
JP8-73192 | 1996-03-04 | ||
JP14992596A JP3414936B2 (ja) | 1996-03-04 | 1996-05-21 | アップライトピアノの減音装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09297571A JPH09297571A (ja) | 1997-11-18 |
JP3414936B2 true JP3414936B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=26414343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14992596A Expired - Fee Related JP3414936B2 (ja) | 1996-03-04 | 1996-05-21 | アップライトピアノの減音装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3414936B2 (ja) |
-
1996
- 1996-05-21 JP JP14992596A patent/JP3414936B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09297571A (ja) | 1997-11-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030218 |
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