JP3414104B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP3414104B2
JP3414104B2 JP02821196A JP2821196A JP3414104B2 JP 3414104 B2 JP3414104 B2 JP 3414104B2 JP 02821196 A JP02821196 A JP 02821196A JP 2821196 A JP2821196 A JP 2821196A JP 3414104 B2 JP3414104 B2 JP 3414104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車体及び各車輪
間に各別に介挿された流体圧シリンダの作動流体圧を、
各車輪位置におけるバネ下部材の上下振動に応じて制御
することにより、バネ下側からバネ上側への振動入力を
低減して車体姿勢を良好に保つようにした能動型サスペ
ンションに関し、特に、大きな制御力を発生しなくても
十分な制振効果が得られるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型サスペンションとしては、
例えば本出願人が先に提案した特開昭63−25820
7号公報に開示されたものがある。この従来の能動型サ
スペンションにあっては、バネ上の上下加速度及びバネ
下の上下加速度を検出し、それら両方の加速度検出値に
基づき上下振動の上下速度に相当する指令値を演算し、
その指令値を各圧力制御弁に供給して流体圧シリンダに
制御力を発生するようにしている。即ち、この能動型サ
スペンションでは、バネ上の上下振動の他にバネ下の上
下振動をも検出するようになっていて、そのバネ下振動
にも応じて指令値を生成し出力することにより、バネ下
の制振をも良好に行うことができる、というものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上述したよう
な従来の能動型サスペンションによれば、バネ上振動や
バネ下振動に応じた制御力が発生するから制振効果を得
ることはできるが、十分な制振効果を得るためには各車
輪位置のバネ下振動を相殺し得る制御力を各車輪位置に
配設された個々の流体圧シリンダで発生させる必要があ
り、振動入力が大きい場合にはそれに対応した大きな制
御力を発生させなければならない。このため、想定され
る振動入力に対応できるように大制御力の発生が可能な
流体圧シリンダや油圧源を用いなければならないから、
装置の大型化や消費エネルギの増大を招き、燃費悪化等
に繋がってしまうという未解決の課題を有していた。
【0004】この発明は、このような従来の技術におけ
る未解決の課題に着目してなされたものであって、大き
な制御力を発生しなくても十分な制振効果が得られる能
動型サスペンションを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、車体及び各車輪間に各別に
介挿された流体圧シリンダと、これら流体圧シリンダの
各々の作動流体圧を指令値のみに応じて制御する圧力制
御弁と、車体の各車輪位置におけるバネ下部材の上下振
動を検出するバネ下振動検出手段と、このバネ下振動検
出手段が検出したバネ下振動検出値に応じて前記指令値
を生成し前記圧力制御弁に供給する制御手段と、を備え
た能動型サスペンションにおいて、車速を検出する車速
検出手段と、この車速検出手段が検出した車速検出値に
応じて前記バネ下振動検出値に対する前記指令値の位相
特性を前後輪独立に制御する位相特性制御手段と、を備
、前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に基づき
バネ上にピッチ共振が生じ易い状況であるか否かを判定
するピッチ共振判定手段を有し、このピッチ共振判定手
段が前記ピッチ共振が生じ易い状況であると判定した場
合に、前輪側の前記位相特性を進める処理及び後輪側の
前記位相特性を遅らせる処理の内の少なくとも一方の処
理を実行することにより、前輪側のバネ上部材への伝達
力と後輪側のバネ上部材への伝達力との位相差が、バネ
上共振を生じ易い位相差から離れるように、前記位相特
性を前後輪独立に制御する手段であり、前記バネ下振動
検出手段は、前記バネ下部材の上下振動としてバネ下上
下速度を検出するバネ下上下速度検出手段と、前記バネ
下部材の上下振動としてバネ下上下変位を検出するバネ
下上下変位検出手段と、を有し、前記位相特性制御手段
における前記前輪側の前記位相特性を進める処理は前記
バネ下上下速度の逆相成分を主成分として前輪側の前記
指令値を生成する処理であり、前記位相特性制御手段に
おける前記後輪側の前記位相特性を遅らせる処理は前記
バネ下上下変位の逆相成分を主成分として後輪側の前記
指令値を生成する処理とした。
【0006】
【0007】また、請求項に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である能動型サスペンションにおいて、前
記ピッチ共振判定手段は、前記車速検出値をホイールベ
ースの2倍で除した値がバネ上ピッチ共振周波数に等し
い若しくは略等しい場合に、バネ上にピッチ共振が生じ
易いと判定するようにした。
【0008】一方、請求項に係る発明は、上記請求項
1、2に係る発明である能動型サスペンションにおい
て、前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に基づき
バネ上にバウンス共振が生じ易い状況であるか否かを判
定するバウンス共振判定手段を有し、このバウンス共振
判定手段が前記バウンス共振が生じ易い状況であると判
定した場合に、前輪側の前記位相特性を遅らせる処理及
び後輪側の前記位相特性を進める処理の内の少なくとも
一方の処理を実行するようにした。
【0009】そして、請求項に係る発明は、上記請求
に係る発明である能動型サスペンションにおいて、
前記バウンス共振判定手段は、前記車速検出値をホイー
ルベースで除した値がバネ上バウンス共振周波数に対し
て十分に大きい場合に、バネ上にバウンス共振が生じ易
いと判定するようにした。さらに、請求項に係る発明
は、上記請求項又はに係る発明である能動型サスペ
ンションにおいて、前記バネ下振動検出手段は、前記バ
ネ下部材の上下振動としてバネ下上下速度を検出するバ
ネ下上下速度検出手段と、前記バネ下部材の上下振動と
してバネ下上下変位を検出するバネ下上下変位検出手段
と、を有し、前記位相特性制御手段における前記前輪側
の前記位相特性を遅らせる処理は前記バネ下上下変位の
逆相成分を主成分として前輪側の前記指令値を生成する
処理とし、前記位相特性制御手段における前記後輪側の
前記位相特性を進める処理は前記バネ下上下速度の逆相
成分を主成分として後輪側の前記指令値を生成する処理
とした。一方、上記目的を達成するために、請求項6に
係る発明は、車体及び各車輪間に各別に介挿された流体
圧シリンダと、これら流体圧シリンダの各々の作動流体
圧を指令値のみに応じて制御する圧力制御弁と、車体の
各車輪位置におけるバネ下部材の上下振動を検出するバ
ネ下振動検出手段と、このバネ下振動検出手段が検出し
たバネ下振動検出値に応じて前記指令値を生成し前記圧
力制御弁に供給する制御手段と、を備えた能動型サスペ
ンションにおいて、車速を検出する車速検出手段と、こ
の車速検出手段が検出した車速検出値に応じて前記バネ
下振動検出値に対する前記指令値の位相特性を前後輪独
立に制御する位相特性制御手段と、を備え、前記位相特
性制御手段は、前記車速検出値に基づきバネ上にバウン
ス共振が生じ易い状況であるか否かを判定するバウンス
共振判定手段を有し、このバウンス共振判定手段が前記
バウンス共振が生じ易い状況であると判定した場合に、
前輪側の前記位相特性を遅らせる処理及び後輪側の前記
位相特性を進める処理の内の少なくとも一方の処理を実
行することにより、前輪側のバネ上部材への伝達力と後
輪側のバネ上部材への伝達力との位相差が、バネ上共振
を生じ易い位相差から離れるように、前記位相特性を前
後輪独立に制御するようになっており、 前記バネ下振動
検出手段は、前記バネ下部材の上下振動としてバネ下上
下速度を検出するバネ下上下速度検出手段と、前記バネ
下部材の上下振動としてバネ下上下変位を検出するバネ
下上下変位検出手段と、を有し、前記位相特性制御手段
における前記前輪側の前記位相特性を遅らせる処理は前
記バネ下上下変位の逆相成分を主成分として前輪側の前
記指令値を生成する処理であり、前記位相特性制御手段
における前記後輪側の前記位相特性を進める処理は前記
バネ下上下速度の逆相成分を主成分として後輪側の前記
指令値を生成する処理とした。 また、請求項7に係る発
明は、上記請求項6に係る発明である能動型サスペンシ
ョンにおいて、前記バウンス共振判定手段は、前記車速
検出値をホイールベースで除した値がバネ上バウンス共
振周波数に対して十分に大きい場合に、バネ上にバウン
ス共振が生じ易いと判定するようにした。
【0010】また、請求項に係る発明は、上記請求項
1〜に係る発明である能動型サスペンションにおい
て、前記制御手段は、前記バネ下振動検出値に基づき所
定の関数に従って前記指令値を演算するようになってお
り、前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に応じて
前記関数を前後輪独立に設定することにより前記位相特
性を前後輪独立に制御するようにした。
【0011】そして、請求項に係る発明は、上記請求
項1〜に係る発明である能動型サスペンションにおい
て、前記制御手段は、前記バネ下振動検出値に基づき所
定のテーブルを参照して前記指令値を演算するようにな
っており、前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に
応じて前記テーブルを前後輪独立に選択することにより
前記位相特性を前後輪独立に制御するようにした。
【0012】さらに、請求項10に係る発明は、上記請
求項1〜に係る発明である能動型サスペンションにお
いて、前記制御手段は、前記バネ下振動検出値をフィル
タ処理して前記指令値を演算するようになっており、前
記位相特性制御手段は、前記フィルタ処理におけるフィ
ルタ係数を前後輪独立に設定することにより前記位相特
性を前後輪独立に制御するようにした。
【0013】また、請求項11に係る発明は、上記請求
項1〜10に係る発明である能動型サスペンションにお
いて、前記バネ下振動検出手段は、前輪側のバネ下振動
検出値を遅延処理して後輪側のバネ下振動を推定する後
輪側バネ下振動推定手段を有し、前記後輪側のバネ下振
動の推定値を後輪側の前記バネ下振動検出値とするよう
にした。
【0014】そして、請求項12に係る発明は、上記請
求項1〜10に係る発明である能動型サスペンションに
おいて、前記バネ下振動検出手段は、車両前方の走行路
面の凹凸を検出する路面凹凸検出手段と、この路面凹凸
検出手段が検出した路面凹凸検出値に基づいて車輪位置
のバネ下振動を推定するバネ下振動推定手段と、を有
し、前記バネ下振動の推定値を前記バネ下振動検出値と
するようにした。
【0015】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
バネ下振動検出手段が各車輪位置におけるバネ下部材の
上下振動を検出すると、そのバネ下振動検出値に応じて
制御手段が指令値を生成し圧力制御弁に出力するから、
車体及び各車輪間に各別に介挿された流体圧シリンダの
各々には、各バネ下部材の上下振動に応じた制御力が発
生することになる。一方、車速が車速検出手段によって
検出されると、位相特性制御手段が、その車速検出値に
応じて、バネ下振動検出値に対する指令値の位相特性を
前後輪独立に制御する。なお、位相特性を前後輪独立に
制御する態様としては、前輪側の位相特性及び後輪側の
位相特性の両方を変化させる態様のみならず、前輪側の
位相特性は固定で後輪側の位相特性のみを変化させる態
様や、逆に後輪側の位相特性は固定で前輪側の位相特性
のみを変化させる態様等も含んでいる。
【0016】そして、位相特性制御手段がバネ下振動検
出値に対する指令値の位相特性を前後輪独立に制御すれ
ば、流体圧シリンダで発生した制御力では打ち消し切れ
ずにバネ上に入力される伝達力の前輪側及び後輪側の位
相差を、任意に変化させることが可能となる。これに対
し、バネ下振動検出値に対する指令値の位相特性が前輪
側と後輪側とで等しいと、前輪側のバネ上部材に伝達さ
れる力と後輪側のバネ上部材に伝達される力との位相差
はホイールベースと路面不整周期とによって決まる一定
の値になる。例えば、路面不整の半周期がホイールベー
スに一致又は略一致すると、前輪側の伝達力と後輪側の
伝達力とは逆相になるし、路面不整の周期がホイールベ
ースに比べて十分に長いと、前輪側の伝達力と後輪側の
伝達力とは同相になる。そして、逆相入力であれば車体
にはピッチが生じ易くなるし、同相入力であれば車体に
はバウンスが生じ易くなるから、前輪側及び後輪側の伝
達力が逆相に入力される状況において車速が特定の車速
域になるとバネ上ピッチ共振が発生し、前輪側及び後輪
側の伝達力が同相に入力される状況において車速が他の
特定の車速域になるとバネ上バウンス共振が発生するよ
うになる。このため、位相特性が固定の場合にそのよう
な共振を発生させないためには、流体圧シリンダで発生
する制御力によってバネ下部材からバネ上部材への振動
入力を完全に打ち消す必要があるから、大きな制御力が
必要になるのである。
【0017】しかし、この請求項1に係る発明であれ
ば、バネ下振動に対する指令値の位相特性を車速に応じ
て前後輪独立に制御できるから、上述したようにバネ上
共振の原因となる前輪側及び後輪側の伝達力の位相差を
任意に調整して、バネ上共振を発生し易い伝達力の位相
差となることを避けることができるのである。そして、
請求項に係る発明であれば、位相特性制御手段がバネ
下振動に対する指令値の位相特性を車速に応じて前後輪
独立に制御すると、前輪側及び後輪側の伝達力の位相差
がバネ上共振を発生し易い位相差から離れるようにな
り、バネ上共振が発生し難くなる。
【0018】しかも、請求項に係る発明であれば、ピ
ッチ共振判定手段が車速に基づいてバネ上にピッチ共振
が発生し易い状況であると判定すると、位相特性制御手
段は、前輪側の位相特性を進める処理及び後輪側の位相
特性を遅らせる処理の内の少なくとも一方を実行する。
そして、前者の処理が実行されると前輪側の伝達力には
遅れが生じるし、後者の処理が実行されると後輪側の伝
達力には進みが生じるし、両方の処理が実行されるとそ
の遅れ及び進みの両方が生じるから、逆相であった伝達
力は同相に近づくようになる。このため、仮に路面不整
がピッチ共振を発生し易い形状であっても、車体にピッ
チ共振は発生し難くなる。さらに、請求項1に係る発明
であれば、バネ下上下速度検出手段によってバネ下上下
速度が検出され、バネ下上下変位検出手段によってバネ
下上下変位が検出されると、位相特性制御手段は、バネ
下上下速度の逆相成分を主成分として前輪側の指令値を
生成する処理及びバネ下上下変位の逆相成分を主成分と
して後輪側の指令値を生成する処理の少なくとも一方を
実行するが、速度は変位に対して90度位相が進んでい
るから、前者の処理が実行されると前輪側の指令値は進
み、後者の処理が実行されると後輪側の指令値は遅れる
ことになる。よって、所望の作用が確実に発揮されるよ
うになる。
【0019】また、請求項に係る発明では、ピッチ共
振判定手段は、車速検出値VをホイールベースLの2倍
で除した値(V/2L)が、バネ上ピッチ共振周波数
(通常は1〜2Hz程度)に等しい若しくは略等しい場合
に、バネ上にピッチ共振が発生し易いと判定する。そし
て、ホイールベースLは車両毎に一定値であり、変数は
車速検出値Vだけであるから、その車速検出値Vのみに
基づいて、ピッチ共振が発生し易いか否かを判定するこ
とができる。
【0020】そして、請求項3に係る発明では、バウン
ス共振判定手段が車速に基づいてバネ上にバウンス共振
が発生し易い状況であると判定すると、位相特性制御手
段は、前輪側の位相特性を遅らせる処理及び後輪側の位
相特性を進める処理の内の少なくとも一方をも実行す
る。そして、前者の処理が実行されると前輪側の伝達力
には進みが生じるし、後者の処理が実行されると後輪側
の伝達力には遅れが生じるし、両方の処理が実行される
とその進み及び遅れの両方が生じるから、同相に近かっ
た伝達力の位相差は大きくなる。このため、仮に路面不
整がバウンス共振を発生し易い形状であっても、車体に
バウンス共振は発生し難くなる。 また、請求項4に係る
発明では、バウンス共振判定手段は、車速検出値Vをホ
イールベースLで除した値(V/L)が、バネ上バウン
ス共振周波数(通常は1〜2Hz程度)に対して十分大き
い(例えば、10〜15倍以上)場合に、バネ上にバウ
ンス共振が発生し易いと判定する。そして、ホイールベ
ースLは車両毎に一定値であり、変数は車速検出値Vだ
けであるから、その車速検出値Vのみに基づいて、バウ
ンス共振が発生し易いか否かを判定することができる。
そして、請求項5に係る発明では、バネ下上下速度検出
手段によってバネ下上下速度が検出され、バネ下上下変
位検出手段によってバネ下上下変位が検出されると、位
相特性制御手段は、バネ下上下変位の逆相成分を主成分
として前輪側の指令値を生成する処理及びバネ下上下
の逆相成分を主成分として後輪側の指令値を生成する
処理の少なくとも一方を実行するが、変位は速度に対し
て90度位相が遅れているから、前者の処理が実行され
ると前輪側の指令値は遅れ、後者の処理が実行されると
後輪側の指令値は進むことになる。よって、上記請求項
3に係る発明の作用が確実に発揮されるようになる。
【0021】一方、請求項6に係る発明にあっては、バ
ウンス共振判定手段が車速に基づいてバネ上にバウンス
共振が発生し易い状況であると判定すると、位相特性制
御手段は、前輪側の位相特性を遅らせる処理及び後輪側
の位相特性を進める処理の内の少なくとも一方を実行す
る。そして、前者の処理が実行されると前輪側の伝達力
には進みが生じるし、後者の処理が実行されると後輪側
の伝達力には遅れが生じるし、両方の処理が実行される
とその進み及び遅れの両方が生じるから、同相に近かっ
た伝達力の位相差は大きくなる。このため、仮に路面不
整がバウンス共振を発生し易い形状であっても、車体に
バウンス共振は発生し難くなる。しかも、請求項6に係
る発明では、バネ下上下速度検出手段によってバネ下上
下速度が検出され、バネ下上下変位検出手段によってバ
ネ下上下変位が検出されると、位相特性制御手段は、バ
ネ下上下変位の逆相成分を主成分として前輪側の指令値
を生成する処理及びバネ下上下速度の逆相成分を主成分
として後輪側の指令値を生成する処理の少なくとも一方
を実行するが、変位は速度に対して90度位相が遅れて
いるから、前者の処理が実行されると前輪側の指令値は
遅れ、後者の処理が実行されると後輪側の指令値は進む
ことになる。よって、所望の作用が確実に発揮されるよ
うになる。
【0022】また、請求項7に係る発明では、バウンス
共振判定手段は、車速検出値VをホイールベースLで除
した値(V/L)が、バネ上バウンス共振周波数(通常
は1〜2Hz程度)に対して十分大きい(例えば、10〜
15倍以上)場合に、バネ上にバウンス共振が発生し易
いと判定する。そして、ホイールベースLは車両毎に一
定値であり、変数は車速検出値Vだけであるから、その
車速検出値Vのみに基づいて、バウンス共振が発生し易
いか否かを判定することができる。
【0023】
【0024】さらに、制御手段における指令値の演算態
様としては、バネ下振動検出値を所定の関数に取り込む
ことにより指令値を演算する(請求項)、バネ下振動
検出値に基づいてテーブルを参照して指令値を演算する
(請求項)、バネ下振動検出値をフィルタ処理して指
令値を演算する(請求項10)等の各態様が考えられ
る。そして、バネ下振動検出値に対する指令値の位相特
性は、関数を用いる演算態様であればその関数を変更す
ることにより可変であるし、テーブルを用いる演算態様
であればそのテーブルの内容を変更することにより可変
であるし、フィルタを用いる態様であればそのフィルタ
係数を変更することにより可変である。よって、請求項
に係る発明であれば、位相特性制御手段が車速検出値
に応じて前後輪独立に関数を設定するし、請求項に係
る発明であれば、位相特性制御手段が車速検出値に応じ
て前後輪独立にテーブルを選択するし、請求項10に係
る発明であれば、位相特性制御手段が車速検出値に応じ
て前後輪独立にフィルタ係数を設定するため、いずれの
発明であっても、バネ下振動検出値に対する指令値の位
相特性が、前後輪独立に制御される。
【0025】また、請求項11に係る発明にあっては、
後輪側バネ下振動推定手段が、前輪側のバネ下振動検出
値を遅延処理して後輪側のバネ下振動の推定値を求める
と、その後輪側のバネ下振動の推定値が、後輪側のバネ
下振動検出値として用いられるようになる。つまり、バ
ネ下に発生する振動は主として路面不整により生じるも
のであり、しかも前輪の軌跡と後輪の軌跡とは略同一で
あると考えることができるから、前輪側のバネ下振動と
後輪側のバネ下振動とは、車速及びホイールベースで決
まる位相差があることを除いては略同一の振動であると
見なせる。よって、後輪側バネ下振動推定手段において
前輪側のバネ下振動検出値を遅延処理すれば、後輪側の
バネ下振動を求めることができるのである。
【0026】さらに、請求項12に係る発明にあって
は、路面凹凸検出手段が車両前方の走行路面の凹凸を検
出すると、バネ下振動推定手段は、その路面凹凸検出値
に基づいて車輪位置のバネ下振動を推定し、そのバネ下
振動の推定値が、バネ下振動検出値として用いられるこ
とになる。つまり、上述したように、バネ下に発生する
振動は主として路面不整により生じるものであるから、
これから車輪が通過する路面の凹凸が検出されれば、そ
の路面凹凸検出値に対して例えば適宜遅延処理すること
により車輪が通過中の走行路面の凹凸情報が得られるか
ら、各車輪位置におけるバネ下振動を求めることができ
るのである。
【0027】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、位相特性
制御手段によってバネ下振動検出値に対する指令値の位
相特性を車速検出値に応じて前後輪独立に制御するよう
にしたため、流体圧シリンダで発生した制御力では打ち
消し切れずにバネ上に入力される伝達力の前輪側及び後
輪側の位相差を、車速に応じて任意に変化させることが
可能となるから、バネ上全体での振動を所望の状態に制
御できるという効果がある。特に、請求項1に係る発明
にあっては、路面不整がピッチ共振を発生し易い形状で
あっても車体にピッチ共振は発生し難くなるから、大き
な制御力を流体圧で発生しなくてもピッチ共振を回避し
て良好なバネ上姿勢を保持できるという効果がある。
【0028】
【0029】そして、請求項に係る発明によれば、車
速検出値Vのみに基づいてピッチ共振が発生し易いか否
かを判定できるから、位相特性制御手段における処理を
確実にリアルタイムで行えるという効果がある。 さら
に、請求項3に係る発明によれば、路面不整がバウンス
共振を発生し易い形状であっても車体にバウンス共振は
発生し難くなるから、大きな制御力を流体圧で発生しな
くてもバウンス共振を回避して良好なバネ上姿勢を保持
できるという効果もある。 そして、請求項4に係る発明
によれば、その車速検出値Vのみに基づいてバウンス共
振が発生し易いか否かを判定できるから、位相特性制御
手段における処理を確実にリアルタイムで行えるという
効果がある。 また、請求項5に係る発明によれば、前輪
側の指令値を遅らせる処理及び後輪側の指令値を進める
処理の少なくとも一方を確実に実行できるから、請求項
3係る発明の効果を確実に得ることができる。
【0030】一方、請求項6に係る発明によれば、路面
不整がバウンス共振を発生し易い形状であっても車体に
バウンス共振は発生し難くなるから、大きな制御力を流
体圧で発生しなくてもバウンス共振を回避して良好なバ
ネ上姿勢を保持できるという効果がある。特に、請求項
6に係る発明によれば、前輪側の指令値を遅らせる処理
及び後輪側の指令値を進める処理の少なくとも一方を確
実に実行できるから、所望の効果を確実に得ることがで
きる。そして、請求項7に係る発明によれば、その車速
検出値Vのみに基づいてバウンス共振が発生し易いか否
かを判定できるから、位相特性制御手段における処理を
確実にリアルタイムで行えるという効果がある。
【0031】さらに、請求項8〜10に係る発明によれ
ば、制御手段における指令値の演算態様に対応して、バ
ネ下振動検出値に対する指令値の位相特性を前後輪独立
に確実に制御できる。しかも、請求項に係る発明によ
れば、テーブルを利用して指令値を求めているため、関
数では困難な細かな設定が可能であるという効果もある
し、請求項10に係る発明によれば、フィルタを利用し
て指令値を演算するため、制御の最適化が容易に行える
という効果もある。
【0032】また、請求項11に係る発明によれば、後
輪側のバネ下振動を直接検出する手段が不要となるから
コスト的に有利であるし、しかも遅延時間を適宜設定す
ることにより後輪側のバネ下振動を予め求めることがで
きるから、制御手段における演算時間や流体圧シリンダ
の応答特性等に起因する制御遅れを補償することがで
き、後輪側におけるバネ上振動の低減制御をより高精度
に行うことができる。
【0033】そして、請求項12に係る発明によれば、
各車輪位置のバネ下振動を予め求めることができるか
ら、制御手段における演算時間や流体圧シリンダの応答
特性等に起因する制御遅れを補償することができ、各車
輪位置におけるバネ上振動の低減制御をより高精度に行
うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図9は本発明の第1の
実施の形態を示す図である。先ず、構成を説明すると、
図1において、10FL〜10RRは前左〜後右車輪,12
はバネ下部材としての車輪側部材,14はバネ上部材と
しての車体側部材を各々示し、16は能動型サスペンシ
ョンを示す。
【0035】能動型サスペンション16は、車体側部材
14と各車輪側部材12との間に各別に装備された流体
圧シリンダとしての油圧シリンダ18FL〜18RRと、こ
の油圧シリンダ18FL〜18RRの作動油圧を各々調整す
る圧力制御弁20FL〜20RRと、本油圧系の油圧源22
と、この油圧源22及び圧力制御弁20FL〜20RR間に
介挿された蓄圧用のアキュムレータ24,24と、圧力
制御弁20FL〜20RRの出力圧を個別に制御するコント
ローラ30とを有している。また、この能動型サスペン
ション16は、油圧シリンダ18FL〜18RRに対して車
輪側部材12及び車体部材14間に個別に並列装備され
たコイルスプリング36,…,36と、油圧シリンダ1
8FL〜18RRの後述する圧力室Lに個別に連通した絞り
弁32及び振動吸収用のアキュムレータ34とを含む。
ここで、各コイルスプリング36は、比較的低いバネ定
数であって車体の静荷重を支持するようになっている。
【0036】油圧シリンダ18FL〜18RRの各々はシリ
ンダチューブ18aを有し、このシリンダチューブ18
aには、ピストン18cにより閉塞された下側の圧力室
Lが形成されている。そして、シリンダチューブ18a
の下端が車輪側部材12に取り付けられ、ピストンロッ
ド18bの上端が車体側部材14に取り付けられてい
る。
【0037】さらに、この能動型サスペンション16
は、各車輪10FL〜10RR位置に対応したバネ下振動を
検出するための上下加速度センサ28FL〜28RRと、車
速を検出する車速センサ29とを有している。また、圧
力制御弁20FL〜20RRの各々は、円筒状の挿通孔内に
摺動可能に収容されたスプールを有する弁ハウジング
と、この弁ハウジングに一体に設けられた比例ソレノイ
ドとを有するパイロット操作形に形成されている。この
圧力制御弁20FL〜20RRの作動油に対する供給ポート
及び戻りポートが油圧配管38,39と、マルチバルブ
ユニット22Aとを介して油圧源22の作動油供給側及
び作動油戻り側に連通され、出力ポートが油圧配管40
を介して油圧シリンダ18FL〜18RRの圧力室Lの各々
に連通されている。なお、マルチバルブユニット22A
は、ライン圧を設定するためのリリーフ弁や、エンジン
停止時に圧力制御弁20FL〜20RR側の油圧配管38,
39内の圧油を保持するための逆止弁等を含んで構成さ
れている。
【0038】そして、各圧力制御弁20FL〜20RRの比
例ソレノイドの励磁コイルに供給する指令値としての指
令電流I(IFL〜IRR)の値を制御することにより、こ
の指令電流Iによる推力と出力ポート側の出力圧に基づ
き形成されたパイロット圧とを平衡させて調圧し、結
局、指令電流Iに応じた制御圧力Pを出力ポートから油
圧シリンダ18FL(〜18RR)の圧力室Lに供給できる
ようになっている。
【0039】つまり、図2に示すように、指令電流Iと
制御圧力Pとは正比例の関係となっており、指令電流I
が零であるときに制御圧力Pは所定のオフセット圧P0
となり、この状態から指令電流Iが正方向に増加すると
制御圧力Pは所定の比例ゲインをもって増加し、ライン
圧に達すると飽和し、逆に指令電流Iが負方向に増加す
ると、これに比例して減少するようになっている。
【0040】一方、各上下加速度センサ28FL〜28RR
は、各バネ下位置における上下加速度を感知し、図3に
示すように、感知した上下加速度に応じた電圧信号でな
る上下加速度検出値Xg FL〜Xg RRを、コントローラ3
0に供給するようになっている。ここでは、上向き(車
輪側部材12を持ち上げる方向)に発生する上下加速度
の値を正、下向きに発生する上下加速度の値を負として
いる。
【0041】また、車速センサ29は、車輪10FL〜1
0RRの回転数或いは変速機,終減速装置等の駆動系の回
転数に基づいて車速を検出するようになっていて、その
車速に比例して増大する車速検出値Vをコントローラ3
0に供給するようになっている。そして、各検出値が供
給されるコントローラ30は、実際にはマイクロコンピ
ュータ、A/D変換器,D/A変換器等のインタフェー
ス回路、ドライバ回路等を含んで構成されており、その
機能構成は、図4に示すようになっている。
【0042】即ち、コントローラ30は、供給される上
下加速度検出値Xg FL〜Xg RRを積分して各バネ下位置
における上下速度Xr FL〜Xr RRを演算する積分器50
と、この積分器50が演算した各上下速度Xr FL〜Xr
RRをさらに積分して各バネ下位置における上下変位Xd
FL〜Xd RRを演算する積分器52と、これら積分器50
及び52が演算した各上下速度Xr FL〜Xr RR及び各上
下変位Xd FL〜Xd RRに基づき下記の(1)式に従って
油圧シリンダ18FL〜18RRで発生する目標制御力FFL
〜FRRを演算する制御力演算部54と、この制御力演算
部54が演算した目標制御力FFL〜FRRを各圧力制御弁
20FL〜20RRに対する指令電流IFL〜IRRに変換して
出力するドライバ回路56と、を備えている。
【0043】 Fi=−(Ci・Xr i+Ki・Xd i) ……(1) 但し、i=FL〜RRであり、Ci は減衰力に対応する制御
係数、Ki はバネ力に対応する制御係数である。なお、
各積分器50及び52における積分演算は、例えば下記
の(2)で表されるような一次フィルタを用いることが
できるし、或いは公知の種々の数値積分アルゴリズムを
用いてもよい。
【0044】T/(1+Ts) ……(2) 但し、Tはフィルタ時定数であり、この場合には0.1
以上の大きい値に設定する。sはラプラス演算子であ
る。さらに、コントローラ30は、供給される車速検出
値Vに基づき各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRを設
定して制御力演算部54に供給する制御係数設定部58
を有している。但し、この制御係数設定部58における
制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRの設定並びに制御力
演算部54への供給は、制御力演算部54における目標
制御力FFL〜FRRの演算に先駆けて行われるようになっ
ている。
【0045】ここで、制御係数設定部58は、原理的に
は、車速検出値VをホイールベースLの2倍で除した値
(V/2L)を求め、その値(V/2L)がこの車両の
バネ上ピッチ共振周波数に一致又は略一致する場合にバ
ネ上にピッチ共振が発生し易い状況であると判定するピ
ッチ共振判定処理と、車速検出値VをホイールベースL
で除した値(V/L)を求め、その値(V/L)がこの
車両のバネ上バウンス共振周波数に対して十分に大きい
(例えば10〜15倍以上である)場合にバネ上にバウ
ンス共振が発生し易い状況であると判定するバウンス共
振判定処理とを実行するようになっているが、実際に
は、各処理における変数は車速検出値Vだけであるか
ら、その車速検出値Vの大きさのみに基づいて、バネ上
にピッチ共振が発生し易い状況と、バネ上にバウンス共
振が発生し易い状況とを、判別するようになっている。
【0046】例えば、平均的な車両の値として、バネ上
ピッチ共振周波数及びバネ上バウンス共振周波数をいず
れも1.4Hzとし、ホイールベースを2.7mとすれ
ば、ピッチ共振が発生し易い車速域(第1の車速域)は
約27km/h前後となり、バウンス共振が発生し易い
車速域(第2の車速域)は100km/hを超えるよう
になる。
【0047】つまり、そのような第1の車速域及び第2
の車速域を車両諸元に基づいて予め求めておけば、車速
検出値Vがいずれの車速域の内にあるか、或いはいずれ
の車速域に近いかを判定するだけで、バネ上に発生し易
い共振の種類を判別することができるのである。そし
て、制御係数設定部58は、車速検出値Vに基づいてバ
ネ上にピッチ共振が発生し易い状況であると判定した場
合には、上記(1)式で求められる目標制御力FFL〜F
RRのうち、前輪側の目標制御力FFL,FFRの位相は遅れ
るとともに、後輪側の目標制御力FRL,FRRの位相は進
むように、各制御係数CFL〜CFR及びKFL〜KRRを設定
するようになっている。
【0048】これに対し、制御係数設定部58は、車速
検出値Vに基づいてバネ上にバウンス共振が発生し易い
状況であると判定した場合には、上記(1)式で求めら
れる目標制御力FFL〜FRRのうち、前輪側の目標制御力
FFL,FFRの位相は進むとともに、後輪側の目標制御力
FRL,FRRの位相は遅れるように、各制御係数CFL〜C
RR及びKFL〜KRRを設定するようになっている。
【0049】より具体的には、上下速度Xr FL〜Xr RR
は上下変位Xd FL〜Xd RRに対して90度位相が進んで
いる物理量であるから、上記(1)式において、速度に
関係する制御係数CFL〜CRRを変位に関係する制御係数
KFL〜KRRに比べて大きめにすると、目標制御力FFL〜
FRRにおいては上下速度Xr FL〜Xr RRの逆相成分が支
配的となるから、その目標制御力FFL〜FRRは進み傾向
となる。逆に、制御係数KFL〜KRRを制御係数CFL〜C
RRに比べて大きめにすると、目標制御力FFL〜FRRにお
いては上下変位Xd FL〜Xd RRの逆相成分が支配的とな
るから、その目標制御力FFL〜FRRは遅れ傾向となる。
【0050】なお、位相が進む,位相が遅れるという概
念は、上下速度Xr FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜X
d RRの両方の物理量で表される現在発生中のバネ下振動
に対して丁度逆相の制御力を発生した場合を基準として
いて、速度の逆相成分が支配的となれば早めの制御力と
なり、変位の逆相成分が支配的となれば遅れ気味の制御
力となる。
【0051】制御力の位相と各制御係数CFL〜CRR,K
FL〜KRRとの関係が上述のようになっていることから、
この実施の形態における制御係数設定部58は、図5
(a)及び(b)に示すような傾向で各制御係数CFL〜
CRR及びKFL〜KRRを設定するようになっている。
【0052】この図5(a)及び(b)に示す関係を場
合分けして式で表すと、下記の各式のようになる。 0<V<25km/h: CFL,CFR=C0 (V/50+0.5) CRL,CRR=C0 (−V/50+0.5) KFL,KFR=K0 (−V/50+0.5) KRL,KRR=K0 (V/50+0.5) 25<V<50km/h: CFL,CFR=C0 CRL,CRR=0 KFL,KFR=0 KRL,KRR=K0 50<V<100km/h: CFL,CFR=C0 (−V/50+2) CRL,CRR=C0 (V/50−1) KFL,KFR=K0 (V/50−1) KRL,KRR=K0 (V/50+2) V>100km/h: CFL,CFR=0 CRL,CRR=C0 KFL,KFR=K0 KRL,KRR=0 なお、これら各式におけるC0 ,K0 は、それぞれ能動
型サスペンション16の各車輪10FL〜10RR位置にお
ける実際の減衰定数〔N/m/s〕及びバネ定数〔N/
m〕である。
【0053】ここで、コントローラ30内で実行される
処理を纏めると、図6に示すフローチャートのようにな
る。即ち、先ずステップ101において上下加速度検出
値Xg FL〜Xg RR及び車速検出値Vが読み込まれ、次い
でステップ102に移行し、上下加速度検出値XgFL〜
g RRが積分器50においてそれぞれ積分されて上下速
度Xr FL〜Xr RRが演算される。さらに、ステップ10
3に移行し、上下速度Xr FL〜Xr RRが積分器52にお
いてそれぞれ積分されて上下変位Xd FL〜Xd RRが演算
される。
【0054】これら各値が演算されたら、ステップ10
4に移行し、車速検出値Vに基づいて図5(a)及び
(b)に示したような関数に従って、制御係数設定部5
8において各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRが設定
される。そして、ステップ105に移行し、ステップ1
02,103で演算された上下速度Xr FL〜Xr RR,上
下変位Xd FL〜Xd RRと、ステップ104で設定された
各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRとに基づき、制御
力演算部54において上記(1)式に従って目標制御力
FFL〜FRRを演算する。これら目標制御力FFL〜FRRが
演算されたら、ステップ106に移行し、目標制御力F
FL〜FRRに対応する指令電流IFL〜IRRがドライバ回路
56から各圧力制御弁20FL〜20RRに出力する。ステ
ップ106の処理を終えたら、上記ステップ101に戻
り上述した処理が繰り返し実行される。
【0055】次に、本実施の形態の全体的な動作を説明
する。今、車両が平坦な良路を直進走行しているものと
すると、各車輪側部材12には上下振動は入力されない
から、上下加速度センサ28FL〜28RRが出力する上下
加速度検出値Xg FL〜Xg RRは零となる。このため、コ
ントローラ30における積分器50及び52の出力も零
となるから、制御力演算部54で演算される各目標制御
力FFL〜FRRは、制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRの
値に関係なく、零となる。すると、図2に示した特性か
ら、各油圧シリンダ18FL〜18RRの制御圧力Pは所定
のオフセット圧P0 となる。
【0056】一方、コントローラ30の制御係数設定部
58は、供給される車速検出値Vに基づき、図5(a)
及び(b)に示したような関係式に従って各制御係数C
FL〜CRR及びKFL〜KRRを設定し、これを制御力演算部
54に供給する。すると、現時点の車速がバネ上にピッ
チ共振が発生し易い車速域にあるとすると、制御係数設
定部58による各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRの
設定により、前輪側の目標制御力FFL,FFRは進み傾向
なり、後輪側の目標制御力FRL,FRRは遅れ傾向となる
が、そもそもの上下加速度検出値Xg FL〜Xg RRは零で
あるから、能動型サスペンション16には制御力は発生
しない。
【0057】このような状態から、図7(a)に示すよ
うに、走行路面上の凹凸の半周期がホイールベースに一
致又は略一致するようになると、前輪10F及び後輪1
0Rには互いに逆相の上下振動が入力されるため、これ
がそのままバネ上に伝達されてしまうとバネ上のピッチ
振動となってピッチ共振が生じてしまう。しかし、本実
施の形態にあっては、車速検出値Vに基づきピッチ共振
が発生し易い車速域であると判定された場合には、ピッ
チ共振の発生の有無に関係なく各制御係数CFL〜CRR及
びKFL〜KRRが上述のように設定される。
【0058】よって、走行路面の凹凸に応じて各車輪側
部材に上下振動が生じ、その上下振動が上下加速度検出
値Xg FL〜Xg RRとしてコントローラ30に供給され、
積分器50及び52によって上下速度Xr FL〜Xr RR及
び上下変位Xd FL〜Xd RRが演算され、それら上下速度
r FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRに応じて制
御力演算部58によって目標制御力FFL〜FRRが演算さ
れると、前輪側では制御係数CFL,CFRは大きめに制御
係数KFL,KFRは小さめに設定され、後輪側では制御係
数CRL,CRRは小さめに制御係数KRL,KRRは大きめに
設定されているから、前輪側の油圧シリンダ18FL,1
8FRには図8(a)に示すような制御力Fが発生し、後
輪側の油圧シリンダ18RL,18RRには図8(b)に示
すような制御力Fが発生することになる。なお、図8
(a),(b)の横軸はバネ下の上下変位Xd 、縦軸は
バネ下の上下速度Xr であって、各矢印のうち、FL
路面からバネ下に入力されるバネ下振動のベクトル、F
U はバネ下からバネ上に伝達される伝達力のベクトルで
あり、Fu =FL +Fである。
【0059】そして、前輪側の制御力Fは、上下速度X
r FL,Xr FRの逆相成分が主成分となっているため、そ
の位相は進み傾向となる。すると、バネ下振動FL から
制御力Fを差し引いた前輪側の伝達力FU は、バネ下振
動FL に対して遅れることになる。逆に、後輪側の制御
力Fは、上下変位Xd FL,Xd FRの逆相成分が主成分と
なっているため、その位相は遅れ傾向となる。すると、
バネ下振動FL から制御力Fを差し引いた後輪側の伝達
力FU は、バネ下振動FL に対して進むことになる。
【0060】その結果、図7(a)に示したように路面
凹凸に従えば逆相であった前輪側及び後輪側の伝達力の
位相差が減少し、それら伝達力は同相入力に近づき、バ
ネ上のピッチ振動自体が抑制されてピッチ共振が発生し
難くなるのである。次に、図7(b)に示すように、走
行路面上の凹凸の周期がホイールベースに比べて十分長
くなり、しかも高速走行状態となると、前輪10F及び
後輪10Rには略同相の上下振動が入力されるようにな
るため、これがそのままバネ上に伝達されてしまうとバ
ネ上のバウンス振動となりバウンス共振が生じてしま
う。
【0061】しかし、本実施の形態にあっては、車速検
出値Vに基づきバウンス共振が発生し易い車速域である
と判定された場合には、バウンス共振の発生の有無に関
係なく各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRが上述のよ
うに設定される。よって、走行路面の凹凸に応じて各車
輪側部材に上下振動が生じ、その上下振動が上下加速度
検出値Xg FL〜Xg RRとしてコントローラ30に供給さ
れ、積分器50及び52によって上下速度Xr FL〜Xr
RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRが演算され、それら上下
速度Xr FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRに応じ
て制御力演算部58によって目標制御力FFL〜FRRが演
算されると、前輪側では制御係数CFL,CFRは小さめに
制御係数KFL,KFRは大きめに設定され、後輪側では制
御係数CRL,CRRは大きめに制御係数KRL,KRRは小さ
めに設定されているから、前輪側の油圧シリンダ18F
L,18FRには図9(a)に示すような制御力Fが発生
し、後輪側の油圧シリンダ18RL,18RRには図9
(b)に示すような制御力Fが発生することになる。な
お、図9(a),(b)の各符号の意味は、図8
(a),(b)の場合と同様である。
【0062】そして、前輪側の制御力Fは、上下変位X
d FL,Xd FRの逆相成分が主成分となっているため、そ
の位相は遅れ傾向となる。すると、前輪側の伝達力FU
は、バネ下振動FL に対して進むことになる。逆に、後
輪側の制御力Fは、上下速度Xr FL,Xr FRの逆相成分
が主成分となっているため、その位相は進み傾向とな
る。すると、後輪側の伝達力FU は、バネ下振動FL
対して遅れることになる。
【0063】その結果、図7(b)に示したように路面
凹凸に従えば同相であった前輪側及び後輪側の伝達力の
位相差が拡大して、それら伝達力は逆相入力に近づき、
バネ上のバウンス振動自体が抑制されてバウンス共振が
発生し難くなるのである。なお、実際には、制御力Fで
は打ち消し切れずに残ってしまう伝達力FU のうち、比
較的低周波の振動入力の一部は圧力制御弁20FL〜20
RRによる圧力室Lの圧力調整によって吸収されるし、比
較的高周波の振動入力の一部は絞り弁32を通じて圧力
室L及びアキュムレータ34間での作動油の往来によっ
て吸収されるから、伝達力FU の全てがバネ上に伝達さ
れる訳ではない。
【0064】このように、本実施の形態にあっては、バ
ネ上にピッチ共振が発生し易い低速域では、路面からバ
ネ上への伝達力の前後輪間の位相を減少させてピッチ振
動自体がバネ上に発生しないようにする一方、バネ上に
バウンス共振が発生し易い高速域では、路面からバネ上
への伝達力の前後輪間の位相を拡大させてバウンス振動
自体がバネ上に発生しないようにしているため、バネ下
振動FL を完全に打ち消すことができる大きな制御力F
を発生する必要がなく、消費エネルギの低減が図られて
燃費向上に繋がるのである。
【0065】ここで、本実施の形態では、上下加速度セ
ンサ28FL〜28RR,積分器50及び52がバネ下振動
検出手段に対応し、制御力演算部54及びドライバ回路
56が制御手段に対応し、車速センサ29が車速検出手
段に対応し、制御係数設定部58が位相特性制御手段に
対応し、制御係数設定部58における車速検出値Vに応
じて制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRR用の関数を選択
する処理がピッチ共振判定手段及びバウンス共振判定手
段に対応し、上下加速度センサ28FL〜28RR及び積分
器50がバネ下上下速度検出手段に対応し、上下加速度
センサ28FL〜28RR,積分器50及び52がバネ下上
下変位検出手段に対応する。
【0066】なお、この第1の実施の形態では、制御係
数設定部58において図6(a),(b)に示したよう
な関数に車速検出値Vを取り込んで各制御係数CFL〜C
RR及びKFL〜KRRを求めるようにしているが、これに限
らず、例えば図10に示すような車速検出値Vと各制御
係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRとの関係を予めテーブル
として定義しておけば、車速検出値Vに応じてそのよう
なテーブルを参照して各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜
KRRを設定するようにしてもよい。但し、図10に示す
各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRは、これに能動型
サスペンション16の各車輪10FL〜10RR位置におけ
る実際の減衰定数C0 ,バネ定数K0 を乗じることによ
り制御力演算部54での演算に用いられる値となるよう
になっている。また、各制御係数CFL〜CRR及びKFL〜
KRRの値は本実施の形態で示した値に限定されるもので
はなく、能動型サスペンション16のバネ定数、減衰定
数、油圧シリンダ18FL〜18RRの容量、制御系全体の
応答特性、必要とする制振効果等に応じて適宜選定され
るものである。
【0067】図11及び図12は本発明の第2の実施の
形態の要部を示す図である。なお、本実施の形態の全体
構成は上記第1の実施の形態と同様であるため、その図
示及び詳細な説明は省略する。即ち、この第2の実施の
形態にあっても、上記第1の実施の形態と同様に上下加
速度検出値Xg FL〜Xg RRが検出され、その上下加速度
検出値Xg FL〜Xg RRが適宜積分されて上下速度Xr FL
〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRが求められるよう
になっている。そして、上記第1の実施の形態では、そ
れらバネ下振動としての上下速度Xr FL〜Xr RR及び上
下変位Xd FL〜Xd RRを上記(1)式のような関数に取
り込むことにより目標制御力FFL〜FRRを求めるように
なっていたが、この第2の実施の形態では、上下速度X
r FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRに基づき所定
のテーブルを参照して目標制御力FFL〜FRRを求めるよ
うになっている。
【0068】つまり、関数を用いた場合と同様の目標制
御力FFL〜FRRが得られるようなテーブルを予め作成し
ておき、上下速度Xr FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜
dRRに基いてテーブルを参照して目標制御力FFL〜FR
Rを求め、その目標制御力FFL〜FRRに対応した指令電
流IFL〜IRRを各圧力制御弁20FL〜20RRに出力する
ようになっている。
【0069】そして、目標制御力FFL〜FRRを求めるテ
ーブルは、少なくとも前後輪独立に作成されるととも
に、車速毎に全車速域に渡って作成されている。例え
ば、図10(a)に示す例は、車速が40km/hの場
合における前左輪対応の目標制御力FFLを求めるための
テーブルの一部であり、図10(b)に示す例は、車速
が60km/hの場合における前左輪対応の目標制御力
FFLを求めるためのテーブルの一部である。なお、図1
0(a),(b)に示す目標制御力FFLは、減衰定数C
0 =2000〔N/m/s〕、バネ定数K0 =2000
0〔N/m〕として求た値である。
【0070】図12は本実施の形態におけるコントロー
ラ30の処理の概要を示すフローチャートであり、上記
第1の実施の形態と同様にステップ101〜103の処
理が行われた後に、ステップ201に移行し、上下速度
r FL〜Xr RR及び上下変位Xd FL〜Xd RRに基いてテ
ーブルを参照して目標制御力FFL〜FRRを読み出す処理
が実行される。そして、ステップ106に移行して、指
令電流IFL〜IRRが各圧力制御弁20FL〜20RRに出力
される。
【0071】このような構成であると、コントローラ3
0は、車速検出値Vに対応したテーブルを各輪独立又は
前後輪独立に選択するようになっており、コントローラ
30の制御力演算部54は、その選択された各テーブル
から目標制御力FFL〜FRRを読み出すことになる。従っ
て、本実施の形態であっても、上記第1の実施の形態と
同様の作用効果が得られる。
【0072】しかも、本実施の形態にあっては、目標制
御力FFL〜FRRをテーブルに記憶させているため、上記
第1の実施の形態のような関数としては定義が困難な細
かな制御係数CFL〜CRR及びKFL〜KRRであっても、不
具合なく設定できるという利点がある。ここで、本実施
の形態では、コントローラ30における車速検出値Vに
基づいてテーブルを選択するステップ201の処理が位
相特性制御手段に対応する。
【0073】図13は、本発明の第3の実施の形態を示
す図であって、コントローラ30の機能構成を示すブロ
ック図である。なお、本実施の形態の全体構成は、上記
第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び詳細
な説明は省略する。また、上記第1の実施の形態と同様
の構成には、同じ符号を付し、その重複する説明は省略
する。
【0074】即ち、本実施の形態のコントローラ30
は、上下加速度検出値Xg FL〜Xg RRのそれぞれをフィ
ルタ処理することにより目標制御力FFL〜FRRを演算す
るフィルタ係数可変のフィルタ60を有していて、その
フィルタ60が演算した各目標制御力FFL〜FRRがドラ
イバ回路56に供給され、そのドライバ回路56で指令
電流IFL〜IRRが生成されて各圧力制御弁20FL〜20
RRに供給されるようになっている。フィルタ60として
は、例えば下記の(3)で表される二次フィルタが適用
される。
【0075】 −AiTi/{s(1+Tis)} ……(3) なお、i=FL〜RRであり、Ai,Tiはフィルタ係数、
sはラプラス演算子であり、フィルタ係数Ti に応じて
この二次フィルタの位相特性は図14に示すようにな
る。因みに、バネ下の上下加速度に対する上下速度の位
相は−90度であり、バネ下の上下加速度に対する上下
変位の位相は−180度であるから、その位相を考慮し
つつ目標制御力FFL〜FRRの望ましい位相特性が得られ
るように、フィルタ係数Ti を決定すればよいのであ
る。
【0076】そして、コントローラ30は、車速検出値
Vに基づいてフィルタ60で使用するフィルタ係数AFL
〜ARR及びTFL〜TRRを少なくとも前後輪独立に設定す
るフィルタ係数設定部62を有している。但し、このフ
ィルタ係数設定部62におけるフィルタ係数AFL〜ARR
及びTFL〜TRRの設定並びにフィルタ60への供給は、
フィルタ60における目標制御力FFL〜FRRの演算に先
駆けて行われるようになっている。
【0077】ここで、フィルタ係数設定部62は、原理
的には、車速検出値VをホイールベースLの2倍で除し
た値(V/2L)がこの車両のバネ上ピッチ共振周波数
に一致又は略一致する場合には、バネ上にピッチ共振が
発生し易いと判定して、フィルタ60のうち前輪側の目
標制御力FFL,FFRを演算するフィルタの位相特性は進
み、後輪側の目標制御力FRL,FRRを演算するフィルタ
の位相特性は遅れるようなフィルタ係数AFL〜ARR及び
TFL〜TRRを設定してフィルタ60に供給する一方、車
速検出値VをホイールベースLで除した値(V/L)が
この車両のバネ上バウンス共振周波数に対して十分に大
きい(例えば10〜15倍以上である)場合には、バネ
上にバウンス共振が発生し易い状況であると判定して、
フィルタ60のうち前輪側の目標制御力FFL,FFRを演
算するフィルタの位相特性は遅れ、後輪側の目標制御力
FRL,FRRを演算するフィルタの位相特性は進むような
フィルタ係数AFL〜ARR及びTFL〜TRRを設定してフィ
ルタ60に供給するようになっている。
【0078】具体的には、車両諸元が上記第1の実施の
形態の場合と同様であるとして、フィルタ係数設定部6
2は、図15(a)及び(b)に示すような傾向で各フ
ィルタ係数AFL〜ARR及びTFL〜TRRを設定するように
なっている。この図15(a)及び(b)に示す関係を
場合分けして式で表すと、下記の各式のようになる。
【0079】0<V<25km/h: AFL,AFR=−(K0 −C0 )V/50+(K0
0 )/2 ARL,ARR=(K0 −C0 )V/50+(K0 +C0
/2 TFL,TFR=−0.12V/25+0.15 TRL,TRR=0.15V/25+0.15 25<V<50km/h: AFL,AFR=C0 ARL,ARR=K0 TFL,TFR=0.03 TRL,TRR=0.3 50<V<100km/h: AFL,AFR=(K0 −C0 )V/50−K0 +2C0 ARL,ARR=−(K0 −C0 )V/50+2K0 −C0 TFL,TFR=0.27V/50−0.24 TRL,TRR=−0.27V/50+0.57 V>100km/h: AFL,AFR=K0 ARL,ARR=C0 TFL,TFR=0.3 TRL,TRR=0.03 そして、本実施の形態におけるコントローラ30の処理
の概要をフローチャートに纏めると、図16に示すよう
になる。即ち、上記第1の実施の形態と同様にステップ
101の処理が行われた後に、ステップ301に移行
し、フィルタ係数設定部62が車速検出値Vに基づき上
記の場合分けに従って各フィルタ係数AFL〜ARR,TFL
〜TRRを設定し、次いでステップ302に移行し、フィ
ルタ60が、ステップ301で設定された各フィルタ係
数AFL〜ARR,TFL〜TRR及び上記(3)のフィルタを
用いて上下加速度検出値Xg FL〜Xg RRのそれぞれをフ
ィルタ処理して、目標制御力FFL〜FRRを算出する。そ
して、ステップ106に移行して、ドライバ回路56が
指令電流IFL〜IRRを各圧力制御弁20FL〜20RRに出
力する。
【0080】このような構成であっても、バネ上にピッ
チ共振が発生し易い低速域では、前輪側の目標制御力F
FL,FFRの位相は進むとともに、後輪側の目標制御力F
RL,FRRの位相は遅れる一方、バネ上にバウンス共振が
発生し易い高速域では、前輪側の目標制御力FFL,FFR
の位相は遅れるとともに、後輪側の目標制御力FRL,F
RRの位相は進むようになるから、上記第1の実施の形態
と同様の作用効果が得られる。
【0081】しかも、本実施の形態では、フィルタ60
を用いて目標制御力FFL〜FRRを演算するようにしてお
り、そのフィルタ60の特性は、例えばコントローラ3
0全体の演算時間や油圧シリンダ18FL〜18RRの応答
特性等の制御系の特性に応じて容易に設定することがで
きるから、装置構成に対応して制御を最適化することが
比較的容易に行えるという利点もある。
【0082】ここで、本実施の形態では、上下加速度セ
ンサ28FL〜28RRがバネ下振動検出手段に対応し、フ
ィルタ60及びドライバ回路56が制御手段に対応し、
フィルタ係数設定部62が位相特性制御手段に対応し、
フィルタ係数設定部62における車速検出値Vに応じて
フィルタ係数AFL〜ARR及びTFL〜TRR用の関数を選択
する処理がピッチ共振判定手段及びバウンス共振判定手
段に対応する。
【0083】なお、この第3の実施の形態では、フィル
タ60として上記(3)で表されるような二次フィルタ
を用いているが、より高次のフィルタを用いてもよい。
また、この第3の実施の形態では、バネ下の上下振動と
して上下加速度検出値Xg FL〜Xg RRを用いているが、
これに限定されるものではなく、例えば上下加速度検出
値Xg FL〜Xg RRを積分してなる上下速度Xr FL〜Xr
RRを上下振動として用い、その上下速度Xr FL〜Xr RR
を適宜フィルタ処理して目標制御力FFL〜FRRを演算す
るようにしてもよい。但し、その場合には、上記(3)
に示したような二次フィルタに代えて、例えば下記の
(4)で表されるような一次フィルタが用いられる。
【0084】 −AiTi/(1+Tis) ……(4) そして、この第3の実施の形態では、図15(a),
(b)に示したような関数に車速検出値Vを取り込んで
各フィルタ係数AFL〜ARR及びTFL〜TRRを求めるよう
にしているが、これに限らず、例えば上記第1の実施の
形態の最後に図10を伴って説明したのと同様に、車速
検出値Vに応じてテーブルを参照して各フィルタ係数A
FL〜ARR及びTFL〜TRRを設定するようにしてもよい。
【0085】図17は、本発明の第4の実施の形態を示
す図であって、コントローラ30の機能構成を示すブロ
ック図である。なお、本実施の形態の全体構成は、上記
第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び詳細
な説明は省略する。また、上記第1の実施の形態と同様
の構成には、同じ符号を付し、その重複する説明は省略
する。
【0086】即ち、本実施の形態のコントローラ30に
は、前輪側の上下加速度センサ28FL,28FRが検出し
た上下加速度検出値Xg FL,Xg FRと、車速センサ29
が検出した車速検出値Vとが供給されるようになってい
るが、上記第1の実施の形態とは異なり、後輪側の上下
加速度センサ28RL,28RRは省略されていて、従って
後輪側の上下加速度検出値Xg RL,Xg RRはコントロー
ラ30には供給されるようにはなっていない。
【0087】そして、コントローラ30は、車速検出値
Vと車両のホイールベースLとに応じた遅延時間が設定
される遅延回路64を有している。この遅延回路64
は、前輪側の上下加速度検出値Xg FL,Xg FRを、車速
検出値V及びホイールベースLから判る前輪及び後輪の
走行路面上の任意の点の通過時間差に対応する遅延時間
τ(=L/V)だけ遅延させることにより、後輪側のバ
ネ下の上下加速度を推定し、その推定値を後輪側の上下
加速度検出値Xg RL,Xg RRとして積分器50に供給す
るようになっている。つまり、車両が概ね直進走行して
いる場合には、前輪の軌跡と後輪の軌跡とは略一致する
から、前輪側のバネ下振動と後輪側のバネ下振動とは時
間差があることを除いては略同一の見なすことができ
る。よって、前輪側の上下加速度検出値Xg FL,Xg FR
を遅延処理すれば、後輪側の上下加速度検出値Xg RL,
g RRを略正確に推定することができるのである。
【0088】ここで、本実施の形態におけるコントロー
ラ30の処理の概要をフローチャートに纏めると、図1
8に示すようになる。即ち、ステップ401において、
上下加速度検出値Xg FL,Xg FR及び車速検出値Vが読
み込まれ、次いでステップ402に移行し、遅延回路6
4が車速検出値V及びホイールベースLに基づいて遅延
時間τを設定し、そして、ステップ403に移行し、遅
延回路64が、上下加速度検出値Xg FL,Xg FRを遅延
時間τだけ遅延処理することにより、上下加速度検出値
g RL,Xg RRを推定演算する。その後は、上記第1の
実施の形態におけるステップ102〜106と同様の処
理が実行される。
【0089】よって、この第4実施の形態であっても、
上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。し
かも、後輪側の上下加速度センサ28RL,28RRが省略
できる分、コスト的に有利であるという利点もある。さ
らには、後輪側の上下加速度検出値Xg RL,Xg RRを予
め求めることができるから、コントローラ30における
演算時間や油圧シリンダ18RL,18RRの応答特性等に
起因する時間遅れの補償が行え、後輪側における制振制
御をより高精度に行えるという利点もある。つまり、例
えば本出願人が先に提案した特開平5−319067号
等に開示されるように、コントローラ30における演算
時間や油圧シリンダ18RL,18RRの応答遅れ時間等を
むだ時間τ' として近似し、遅延回路64における遅延
時間τを、 τ=L/V−τ' とすれば、その応答遅れ時間等が補償されるようにな
る。
【0090】ここで、本実施の形態では、上下加速度セ
ンサ28FL,28FR、積分器50,52及び遅延回路6
4が上下振動検出手段に対応し、遅延回路64が後輪側
バネ下振動推定手段に対応する。図19は、本発明の第
5の実施の形態を示す図であって、コントローラ30の
機能構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態
の全体構成は、上記第1の実施の形態と同様であるた
め、その図示及び詳細な説明は省略する。また、上記第
1の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付し、そ
の重複する説明は省略する。
【0091】即ち、本実施の形態では、バネ下の上下加
速度を検出する上下加速度センサ28FL〜28RRは省略
されており、従ってコントローラ30には上下加速度検
出値Xg FL〜Xg RRは供給されるようにはなっていな
い。これに対し、本実施の形態では、車体側部材14の
各油圧シリンダ18FL〜18RRの配設位置の上下加速度
を検出するバネ上用の上下加速度センサ66FL〜66RR
と、各車輪10FL〜10RR位置におけるサスペンション
ストロークを検出するストロークセンサ68FL〜68RR
とが別途設けられている。
【0092】上下加速度センサ66FL〜66RRは各配設
位置における上下加速度を検出し、上下加速度センサ2
8FL〜28RRと同様に上向きの加速度の場合には正の、
下向きの加速度の場合には負の上下加速度検出値Bg FL
〜Bg RRを生成しコントローラ30に供給するようにな
っている。また、各ストロークセンサ68FL〜68RRは
各配設位置におけるサスペンションストロークを検出
し、サスペンションストロークが中立位置から縮む方向
に変化した場合には正の、伸びる方向に変化した場合に
は負のストローク検出値SFL〜SRRを生成しコントロー
ラ30に供給されるようになっている。なお、コントロ
ーラ30には、車速検出値Vも供給されるようになって
いる。
【0093】そして、コントローラ30は、供給される
上下加速度検出値Bg FL〜Bg RRを積分してバネ上の上
下速度Br FL〜Br RRを演算する積分器70と、供給さ
れるストローク検出値SFL〜SRRを微分してストローク
速度Sr FL〜Sr RRを演算する微分器72と、積分器7
0が演算したバネ上の上下速度Br FL〜Br RRと微分器
72が演算したストローク速度Sr FL〜Sr RRとを加算
して各車輪位置におけるバネ下の上下速度Xr FL〜Xr
RRを演算する加算器74と、を有している。
【0094】つまり、本出願人が先に提案した特開平5
−319067号公報に詳細に開示されているように、
バネ上の上下速度Br FL〜Br RRと、ストローク変位S
r FL〜Sr RRと、バネ下の上下速度Xr FL〜Xr RRとの
間には、 Xr i=Br i+Sr i という関係が成り立つから、加算器74の出力はそのま
まバネ下の上下速度XrFL〜Xr RRとして用いることが
できるのである。
【0095】そこで、その加算器74が求めた上下速度
r FL〜Xr RRを制御力演算部54に供給するととも
に、その上下速度Xr FL〜Xr RRを積分器52で積分し
て求められる上下変位Xd FL〜Xd RRを制御力演算部5
4に供給すれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効
果が得られるのである。ここで、本実施の形態における
コントローラ30の処理の概要をフローチャートに纏め
ると、図20に示すようになる。即ち、ステップ501
において、上下加速度検出値Bg FL〜Bg RR,ストロー
ク検出値SFL〜SRR及び車速検出値Vを読み込み、次い
でステップ502に移行し、積分器70が上下加速度検
出値BgFL〜Bg RRのそれぞれを積分して上下速度Br F
L〜Br RRを演算し、ステップ503に移行し、微分器
72がストローク検出値SFL〜SRRをそれぞれ微分して
ストローク速度Sr FL〜Sr RRを演算し、そして、ステ
ップ504に移行し、加算器74が上下速度Br FL〜B
r RRとストローク速度Sr FL〜Sr RRとを加算して上下
速度Xr FL〜Xr RRを演算する。その後は、上記第1の
実施の形態のステップ103〜106と同様の処理が実
行される。
【0096】しかも、本実施の形態では、路面から振動
入力が殆ど低減されずに伝達される使用環境の厳しい車
輪10FL〜10RRに近い車輪側部材12に加速度センサ
を設ける必要がなくなり、バネ上に取り付ける上下加速
度センサ66FL〜66RRはバネ下に取り付ける上下加速
度センサ28FL〜28RRに比べて安価で済むから、信頼
性や耐久性を損なうことなく、コストが削減できるとい
う利点もある。
【0097】ここで、本実施の形態では、上下加速度セ
ンサ66FL〜66RR、ストロークセンサ68FL〜68R
R、積分器70、微分器72、加算器74及び積分器5
2がバネ下振動検出手段に対応する。なお、この実施の
形態では、各油圧シリンダ18FL〜18RRに対応して四
箇所に上下加速度センサ66FL〜66RRを配設している
が、車体側部材14を剛体であると見なせば、その車体
側部材14の任意の三箇所に上下加速度センサを配設
し、その三つの上下加速度センサの出力を適宜補間演算
して各油圧シリンダ18FL〜18RRの配設位置に対応し
たバネ上の上下加速度検出値を求めるようにしてもよ
い。また、後輪側の上下加速度センサ66FL,66FR及
びストロークセンサ68FL,68FRを省略し、上記第4
の実施の形態の場合と同様の遅延回路を設け、その遅延
回路で前輪側の上下速度Xr FL,Xr FRを遅延処理し
て、後輪側の上下速度Xr RL,Xr RRを求めるようにし
てもよい。さらには、ストロークセンサ68FL〜68RR
に代えてストローク速度センサを設けてもよく、その場
合には微分器72が不要となる。
【0098】図21は、本発明の第6の実施の形態を示
す図であって、コントローラ30の機能構成を示すブロ
ック図である。なお、本実施の形態の全体構成は、上記
第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び詳細
な説明は省略する。また、上記各実施の形態と同様の構
成には、同じ符号を付し、その重複する説明は省略す
る。
【0099】即ち、本実施の形態では、上記第1の実施
の形態で設けていた上下加速度センサ28FL〜28RRや
上記第5の実施の形態で設けていた上下加速度センサ6
6FL〜66RR,ストロークセンサ68FL〜68RRは省略
されている。これに対し、本実施の形態では、車両の概
略側面図である図22(a)に示すように、各前輪10
FL,10FRのそれぞれよりも前方における車体(バネ
下)及び路面間の距離を検出する路面センサ76L及び
76Rと、それら路面センサ76L,76Rの配設位置
における上下加速度を検出する上下加速度センサ78L
及び78Rとが別途設けられている。
【0100】各路面センサ76L,76Rは、例えば超
音波を利用した距離センサであり、それぞれの配設位置
における車体及び路面間の距離を検出し、その距離に応
じた電圧値でなる距離検出値HL 及びHR を生成しコン
トローラ30に供給するようになっている。また、各上
下加速度センサ78L,78Rは、各配設位置における
上下加速度を検出し、上下加速度センサ28FL〜28RR
と同様に上向きの加速度の場合には正の、下向きの加速
度の場合には負の上下加速度検出値Bg L 及びBg R を
生成しコントローラ30に供給するようになっている。
なお、コントローラ30には、車速検出値Vも供給され
るようになっている。
【0101】ここで、各路面センサ76L,76R及び
上下加速度センサ78L,78Rの配設位置と、前輪1
0FL,10FR,後輪10RL,10RRの路面接地点との間
の距離を、それぞれL1 ,L2 とする。これら距離
1 ,L2 を図示すると、車両の左半分の底面図である
図22(b)のようになる。そして、コントローラ30
は、供給される上下加速度検出値Bg L 及びBg Rを積
分して上下速度Br L 及びBr R を演算する積分器70
と、供給される距離検出値HL 及びHR を微分して車体
路面間相対速度Hr L 及びHr R を演算する微分器72
と、上下速度Bg L ,Bg R 及び車体路面間相対速度H
r L ,Hr Rを加算して路面センサ76L,76Rの配
設位置における路面変位速度Zr L ,Zr R を演算する
加算器74と、を有している。
【0102】さらに、コントローラ30は、路面変位速
度Zr L ,Zr R を、距離L1 と車速検出値Vとに応じ
た遅延時間τ1 (=L1 /V)だけ遅延させることによ
り、前輪10FL,10FR位置における路面変位速度を求
め、その求められた路面変位速度を前輪側のバネ下の上
下速度Xr FL,Xr FRとして出力する遅延回路80F
と、路面変位速度Zr L ,Zr R を、距離L2 と車速検
出値Vとに応じた遅延時間τ2 (=L2 /V)だけ遅延
させることにより、後輪10RL,10RR位置における路
面変位速度を求め、その求められた路面変位速度を後輪
側のバネ下の上下速度Xr RL,Xr RRとして出力する遅
延回路80Rと、を有している。
【0103】そして、遅延回路80F,80Rで求めら
れた上下速度Xr FL〜Xr RRは制御力演算部54に供給
されるとともに、その上下速度Xr FL〜Xr RRを積分器
52で積分して求められる上下変位Xd FL〜Xd RRも制
御力演算部54に供給させるようになっている。つま
り、前輪10FL,10FRよりも前方の走行路面の凹凸
は、路面センサ76L,76Rの出力及び上下加速度セ
ンサ78L,78Rの出力から求めることができ、車速
検出値V及び距離L1 に基づいた遅延時間τ1 だけ遅れ
て前輪10FL,10FRはその凹凸上を通過し、車速検出
値V及び距離L2 に基づいた遅延時間τ2 だけ遅れて後
輪10RL,10RRはその凹凸上を通過し、しかも走行路
面の凹凸によって各車輪側部材12は上下動するのであ
るから、遅延回路80F,80Rが演算する各車輪10
FL〜10RR位置における走行路面の凹凸の推定値を、バ
ネ下振動としての上下速度Xr FL〜Xr RRとすることが
できるのである。
【0104】ここで、本実施の形態におけるコントロー
ラ30の処理の概要をフローチャートに纏めると、図2
3に示すようになる。即ち、ステップ601において上
下加速度検出値Bg L ,Bg R 、距離検出値HL ,HR
及び車速検出値Vが読み込まれ、次いでステップ602
に移行し、積分器70が上下加速度検出値Bg L 及びB
g R をそれぞれ積分して上下速度Br L 及びBr R を演
算し、次いでステップ603に移行し、微分器72が距
離検出値HL 及びHR をそれぞれ微分して車体路面間相
対速度Hr L 及びHr R をそれぞれ演算し、次いで、ス
テップ604に移行し、加算器74が上下速度Bg L ,
g R 及び車体路面間相対速度Hr L ,Hr R を加算し
て路面変位速度Zr L ,Zr R を演算する。
【0105】そして、ステップ605に移行し、遅延回
路80F,80Rが車速検出値V及び距離L1 ,L2
基づいて遅延時間τ1 ,τ2 を演算し、次いでステップ
606に移行し、遅延回路80F,80Rが、路面変位
速度Zr L ,Zr R を遅延時間τ1 ,τ2 だけ遅延処理
することにより、上下速度Xr FL〜Xr RRが演算され
る。その後は、上記第1の実施の形態におけるステップ
103〜106と同様の処理が実行される。
【0106】よってこの第6の実施の形態であっても、
上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。ま
た、本実施の形態でも、使用環境の厳しい車輪10FL〜
10RRに近い車輪側部材12に加速度センサを設ける必
要がないから、信頼性や耐久性を損なうことなくコスト
が削減できるという利点もある。さらに、各車輪位置に
おける上下速度Xr FL〜Xr RRを予め求めることができ
るから、コントローラ30における演算時間や油圧シリ
ンダ18FL〜18RRの応答特性等に起因する時間遅れの
補償が行え、各輪位置における制振制御をより高精度に
行えるという利点もある。つまり、上記第4の実施の形
態と同様にむだ時間τ' を求め、遅延回路80F,80
Rにおける遅延時間τ1 ,τ2 を、 τ1 =L1 /V−τ' τ2 =L2 /V−τ' とすれば、その応答遅れ時間等が補償されるようにな
る。
【0107】ここで、本実施の形態では、路面センサ7
6L,76R、上下加速度センサ78L,78R、積分
器70、微分器72、加算器74、遅延回路80F,8
0R及び積分器52がバネ下振動検出手段に対応し、路
面センサ76L,76R、上下加速度センサ78L,7
8R、積分器70、微分器72及び加算器74が路面凹
凸検出手段に対応し、遅延回路80F,80R及び積分
器52がバネ下振動推定手段に対応する。
【0108】なお、この第6の実施の形態では、各路面
センサ76L,76Rに対応した二箇所に上下加速度セ
ンサ68L,68Rを配設しているが、それら上下加速
度センサ68L,68Rを路面センサ76L,76Rと
同一位置に取付られないような場合には、路面センサ7
6L,76Rが固定される部材であって同一平面上の任
意の三箇所に上下加速度センサを配設し、その三つの上
下加速度センサの出力を適宜補間演算して各路面センサ
76L,76Rの配設位置に対応した上下加速度検出値
を求めるようにしてもよい。
【0109】図24乃至図26は本発明に関して行った
シミュレーションを示す図であり、図24はシミュレー
ションに用いた車両モデルの概念図、図25及び図26
はシミュレーション結果を示す波形図である。なお、シ
ミュレーションに用いたモデルは、車両のロール方向の
運動を除外し、バウンス方向及びピッチ方向の振動のみ
を考慮している。
【0110】そして、図25は車体にピッチ共振が生じ
易い車速域で車両が走行しているものと仮定しており、
図26は車体にバウンス共振が生じ易い車速域で車両が
走行しているものと仮定している。また、図25(a)
は路面変位を、同(b)はピッチ角加速度を、同(c)
は前輪制御力を、同(d)は後輪制御力をそれぞれ示し
ている。同様に、図26(a)は路面変位を、同(b)
はバウンス加速度を、同(c)は前輪制御力を、同
(d)は後輪制御力をそれぞれ示している。
【0111】さらに、制御係数CFL〜CRR及びKFL〜K
RRをサスペンションの減衰定数C0及びバネ定数K0
固定した場合(比較例)のシミュレーション結果は図2
5及び図26に実線で示し、制御係数CFL〜CRR及びK
FL〜KRRを本発明の要旨に基づいて設定した場合(制御
例)のシミュレーション結果は図25及び図26に破線
で示している。但し、制御例における各制御係数は、前
後輪それぞれの制御力の二乗積分値(=∫(FFL+FFR
+FRL+FRR)2 dt)が、従来例と同等となるように
定めている。つまり、比較例と制御例とにおける消費エ
ネルギを同等とした上で両者を比較している。
【0112】このシミュレーション結果によれば、同等
の消費エネルギであるにも関わらず、本発明を採用した
場合にはピッチ振動及びバウンス振動のいずれも大幅に
低減できることが判る(図25(b),図26(b)参
照)。換言すれば、本発明を採用した場合には、従来と
同じ制振効果でよいのならば、消費エネルギを大幅に低
減できることになる。
【0113】なお、上記各実施の形態では、バネ下振動
に基づき油圧シリンダ18FL〜18RRで発生する力を制
御することにより、走行路面からバネ下に入力された振
動がバネ上に伝達されることを防止して車体姿勢を良好
に保つようにしているが、かかる構成に加えて、例えば
車両に発生する横加速度や前後加速度を検出し、それら
加速度検出値に基づきバネ上のロール変位やピッチ変位
に対する効力を各油圧シリンダ18FL〜18RRに発生さ
せることにより、路面凹凸以外の要因でバネ上姿勢が変
化することを防止して、さらに良好な乗り心地を確保で
きるようにしてもよい。
【0114】また、上記各実施の形態では、車速検出値
Vに応じて前輪側及び後輪側の両方の位相特性を制御す
るようにしているが、その一方の位相特性は固定とし、
他方の位相特性のみを適宜制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の全体構成を示す概略構成図
である。
【図2】指令電流と制御圧力との関係を示すグラフであ
る。
【図3】上下加速度と上下加速度検出値との関係を示す
グラフである。
【図4】コントローラの機能構成を示すブロック図であ
る。
【図5】車速検出値と各制御係数との関係を示すグラフ
である。
【図6】第1の実施の形態の処理の概要を示すフローチ
ャートである。
【図7】路面形状と車両への入力との関係を説明する側
面図である。
【図8】バネ下振動と制御力との関係を示すベクトル図
である。
【図9】バネ下振動と制御力との関係を示すベクトル図
である。
【図10】制御係数を設定するためのテーブルの説明図
である。
【図11】第2の実施の形態におけるテーブルの説明図
である。
【図12】第2の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。
【図13】第3の実施の形態のコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図14】フィルタの位相特性を示す周波数特性図であ
る。
【図15】車速検出値とフィルタ係数との関係を示すグ
ラフである。
【図16】第3の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。
【図17】第4の実施の形態のコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図18】第4の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。
【図19】第5の実施の形態のコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図20】第5の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。
【図21】第6の実施の形態のコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図22】センサの配設位置の説明図である。
【図23】第6の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。
【図24】シミュレーションに用いたモデルの概念図で
ある。
【図25】シミュレーション結果を示す波形図である。
【図26】シミュレーション結果を示す波形図である。
【符号の説明】
10FL〜10RR 車輪 12 車輪側部材(バネ下部材) 14 車体側部材(バネ上部材) 18FL〜18RR 油圧シリンダ(流体圧シリンダ) 20FL〜20RR 圧力制御弁 22 油圧源 28FL〜28RR 上下加速度センサ 29 車速センサ(車速検出手段) 30 コントローラ 50,52 積分器 54 制御力演算部 56 ドライバ回路 58 制御係数設定部 60 フィルタ 62 フィルタ係数設定部 64 遅延回路 66FL〜66RR 上下加速度センサ 68FL〜68RR ストロークセンサ 70 積分器 72 微分器 74 加算器 80F,80R 遅延回路

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体及び各車輪間に各別に介挿された流
    体圧シリンダと、これら流体圧シリンダの各々の作動流
    体圧を指令値のみに応じて制御する圧力制御弁と、車体
    の各車輪位置におけるバネ下部材の上下振動を検出する
    バネ下振動検出手段と、このバネ下振動検出手段が検出
    したバネ下振動検出値に応じて前記指令値を生成し前記
    圧力制御弁に供給する制御手段と、を備えた能動型サス
    ペンションにおいて、 車速を検出する車速検出手段と、この車速検出手段が検
    出した車速検出値に応じて前記バネ下振動検出値に対す
    る前記指令値の位相特性を前後輪独立に制御する位相特
    性制御手段と、を備え 前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に基づきバネ
    上にピッチ共振が生じ易い状況であるか否かを判定する
    ピッチ共振判定手段を有し、このピッチ共振判定手段が
    前記ピッチ共振が生じ易い状況であると判定した場合
    に、前輪側の前記位相特性を進める処理及び後輪側の前
    記位相特性を遅らせる処理の内の少なくとも一方の処理
    を実行することにより、前輪側のバネ上部材への伝達力
    と後輪側のバネ上部材への伝達力との位相差が、バネ上
    共振を生じ易い位相差から離れるように、前記位相特性
    を前後輪独立に制御する手段であり、 前記バネ下振動検出手段は、前記バネ下部材の上下振動
    としてバネ下上下速度を検出するバネ下上下速度検出手
    段と、前記バネ下部材の上下振動としてバネ下上下変位
    を検出するバネ下上下変位検出手段と、を有し、 前記位相特性制御手段における前記前輪側の前記位相特
    性を進める処理は前記バネ下上下速度の逆相成分を主成
    分として前輪側の前記指令値を生成する処理であり、前
    記位相特性制御手段における前記後輪側の前記位相特性
    を遅らせる処理は前記バネ下上下変位の逆相成分を主成
    分として後輪側の前記指令値を生成する処理である こと
    を特徴とする能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ共振判定手段は、前記車速検
    出値をホイールベースの2倍で除した値がバネ上ピッチ
    共振周波数に等しい若しくは略等しい場合に、バネ上に
    ピッチ共振が生じ易いと判定する請求項1記載の能動型
    サスペンション。
  3. 【請求項3】 前記位相特性制御手段は、前記車速検出
    値に基づきバネ上にバウンス共振が生じ易い状況である
    か否かを判定するバウンス共振判定手段を有し、この
    ウンス共振判定手段が前記バウンス共振が生じ易い状況
    であると判定した場合に、前輪側の前記位相特性を遅ら
    せる処理及び後輪側の前記位相特性を進める処理の内の
    少なくとも一方の処理を実行することにより、前輪側の
    バネ上部材への伝達力と後輪側のバネ上部材への伝達力
    との位相差が、バネ上共振を生じ易い位相差から離れる
    ように、前記位相特性を前後輪独立に制御するように
    なっている請求項1又は請求項2記載の能動型サスペン
    ション。
  4. 【請求項4】 前記バウンス共振判定手段は、前記車速
    検出値をホイールベースで除した値がバネ上バウンス共
    振周波数に対して十分に大きい場合に、バネ上にバウン
    共振が生じ易いと判定する請求項3記載の能動型サス
    ペンション。
  5. 【請求項5】 前記バネ下振動検出手段は、前記バネ下
    部材の上下振動としてバネ下上下速度を検出するバネ下
    上下速度検出手段と、前記バネ下部材の上下振動として
    バネ下上下変位を検出するバネ下上下変位検出手段と、
    を有し、前記位相特性制御手段における前記前輪側の前
    記位相特性を遅らせる処理は前記バネ下上下変位の逆相
    成分を主成分として前輪側の前記指令値を生成する処理
    であり、前記位相特性制御手段における前記後輪側の前
    記位相特性を進める処理は前記バネ下上下速度の逆相成
    分を主成分として後輪側の前記指令値を生成する処理で
    ある請求項3又は請求項4に記載の能動型サスペンショ
    ン。
  6. 【請求項6】 車体及び各車輪間に各別に介挿された流
    体圧シリンダと、これら流体圧シリンダの各々の作動流
    体圧を指令値のみに応じて制御する圧力制御弁と、車体
    の各車輪位置におけるバネ下部材の上下振動を検出する
    バネ下振動検出手段と、このバネ下振動検出手段が検出
    したバネ下振動検出値に応じて前記指令値を生成し前記
    圧力制御弁に供給する制御手段と、を備えた能動型サス
    ペンションにおいて、 車速を検出する車速検出手段と、この車速検出手段が検
    出した車速検出値に応じて前記バネ下振動検出値に対す
    る前記指令値の位相特性を前後輪独立に制御する位相特
    性制御手段と、を備え、 前記位相特性制御手段は、前記車速検出値に基づきバネ
    上にバウンス共振が生じ易い状況であるか否かを判定す
    るバウンス共振判定手段を有し、このバウンス共振判定
    手段が前記バウンス共振が生じ易い状況であると判定し
    た場合に、前輪側の前記位相特性を遅らせる処理及び後
    輪側の前記位相特性を進める処理の内の少なくとも一方
    の処理を実行することにより、前輪側のバネ上部材への
    伝達力と後輪側のバネ上部材への伝達力との位相差が、
    バネ上共振を生じ易い位相差から離れるように、前記位
    相特性を前後輪独立に制御するようになっており、 前記バネ下振動検出手段は、前記バネ下部材の上下振動
    としてバネ下上下速度を検出するバネ下上下速度検出手
    段と、前記バネ下部材の上下振動としてバネ下上下変位
    を検出するバネ下上下変位検出手段と、を有し、前記位
    相特性制御手段における前記前輪側の前記位相特性を遅
    らせる処理は前記バネ下上下変位の逆相成分を主成分と
    して前輪側の前記指令値を生成する処理であり、前記位
    相特性制御手段における前記後輪側の前記位相特性を進
    める処理は前記バネ下上下速度の逆相成分を主成分とし
    て後輪側の前記指令値を生成する処理であることを特徴
    とする 能動型サスペンション。
  7. 【請求項7】 前記バウンス共振判定手段は、前記車速
    検出値をホイールベースで除した値がバネ上バウンス共
    振周波数に対して十分に大きい場合に、バネ上にバウン
    ス共振が生じ易いと判定する請求項6記載の能動型サス
    ペンション。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記バネ下振動検出値
    に基づき所定の関数に従って前記指令値を演算するよう
    になっており、前記位相特性制御手段は、前記車速検出
    値に応じて前記関数を前後輪独立に設定することにより
    前記位相特性を前後輪独立に制御する請求項1乃至請求
    のいずれか一項に記載の能動型サスペンション。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記バネ下振動検出値
    に基づき所定のテーブルを参照して前記指令値を演算す
    るようになっており、前記位相特性制御手段は、前記車
    速検出値に応じて前記テーブルを前後輪独立に選択する
    ことにより前記位相特性を前後輪独立に制御する請求項
    1乃至請求項のいずれか一項に記載の能動型サスペン
    ション。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記バネ下振動検出
    値をフィルタ処理して前記指令値を演算するようになっ
    ており、前記位相特性制御手段は、前記フィルタ処理に
    おけるフィルタ係数を前後輪独立に設定することにより
    前記位相特性を前後輪独立に制御する請求項1乃至請求
    のいずれか一項に記載の能動型サスペンション。
  11. 【請求項11】 前記バネ下振動検出手段は、前輪側の
    バネ下振動検出値を遅延処理して後輪側のバネ下振動を
    推定する後輪側バネ下振動推定手段を有し、前記後輪側
    のバネ下振動の推定値を後輪側の前記バネ下振動検出値
    とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の
    能動型サスペンション。
  12. 【請求項12】 前記バネ下振動検出手段は、車両前方
    の走行路面の凹凸を検出する路面凹凸検出手段と、この
    路面凹凸検出手段が検出した路面凹凸検出値に基づいて
    車輪位置のバネ下振動を推定するバネ下振動推定手段
    と、を有し、前記バネ下振動の推定値を前記バネ下振動
    検出値とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項
    記載の能動型サスペンション。
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