JP3413948B2 - 給湯器 - Google Patents

給湯器

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JP3413948B2
JP3413948B2 JP09146194A JP9146194A JP3413948B2 JP 3413948 B2 JP3413948 B2 JP 3413948B2 JP 09146194 A JP09146194 A JP 09146194A JP 9146194 A JP9146194 A JP 9146194A JP 3413948 B2 JP3413948 B2 JP 3413948B2
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
  • Control Of Temperature (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、バイパスミキシング方
式の給湯器に係り、特には給湯温度の制御技術に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来のバイパスミキシング方式の給湯器
には、図6に示す構成のものがある。 【0003】この給湯器は、熱交換器6に対して、その
一方側に水道管等に連通された入水路10が、他方側に
カランやシャワー等に連通された出湯路12がそれぞれ
接続され、入水路10と出湯路12との間は熱交換器6
をバイパスするためのバイパス路14で短絡されてい
る。 【0004】そして、熱交換器6には、これを加熱する
ためのガスバーナ8が配置され、このガスバーナ8に
は、ガス燃焼量を調整するためのガス比例弁20が設け
られ、また、入水路10の途中には、バイパス路14と
の接続点よりも下流側に、熱交換器6の通水量(以下、
缶体流量という)QKを検出する缶体流量センサ18が設
けられ、さらに、バイパス路14の途中には、このバイ
パス路14を流れる水量(以下、バイパス流量という)Q
Bを調整して上記の缶体流量QKとの間で決まる湯水混合
の分配比率ρ(=QB/QK)を変化させるためのバイパス
弁28が設けられている。 【0005】なお、16は入水温度TCを検出する入水
温度センサ、22は熱交換器6で加熱された後の湯温
(以下、缶体湯温度という)THを検出する缶体湯温度セ
ンサ、24は湯水の混合後の湯温(以下、給湯温度とい
う)TMを検出する給湯温度センサ、26は缶体流量QK
がガスバーナ8の最大加熱能力を越えた場合に湯水の吐
出水量を制限する過流出サーボ弁、30'は給湯温度制
御を行うコントローラである。 【0006】上記構成のバイパスミキシング方式の給湯
器は、ガス比例弁20の操作によってガス燃焼量を制御
するだけでなく、バイパス路14に設けたバイパス弁2
8を操作して湯水の分配比率ρを変化させて温度制御を
行うため、ガス燃焼量のみを変化させて給湯温度を制御
する場合に比較して、温度制御の応答性が速く、しか
も、給湯温度を比較的広い範囲にわたって制御できると
いう利点を有する。 【0007】このような、バイパスミキシング方式の給
湯器において、従来、ガスバーナ8の着火、消火の判断
は、次のようにして行われている。 【0008】まず、給湯器の使用、不使用の状態を判断
する上で全体流量QTを知る必要がある。 【0009】湯水混合の分配比率ρは、前述のように、 ρ=QB/QK (1) であり、よって、入水路10を介して給湯器に供給され
る全体流量QTは、缶体流量QKと分配比率ρが分かれ
ば、次式で与えられる。 【0010】 QT=QK+QB =QK・(1+ρ) (2) そこで、(2)式で求まる全体流量QTに対して、消火時
のしきい値(以下、全体必要流量という)QT-MOQと、着
火時のしきい値QT-MOQ+ΔTTは増分)を設定する。 【0011】たとえば、QT-MOQ=2.0リッタ/分、Q
T-MOQ+ΔT=2.0+0.5=2.5リッタ/分。 【0012】また、熱交換器6内で湯が沸騰する可能性
の有無を判断するために、缶体流量センサ18で検出さ
れる缶体流量QKに対して、消火時のしきい値(以下、缶
体必要流量という)QK-MOQと,着火時のしきい値Q
K-MOQ+ΔKKは増分)を設定する。 【0013】たとえば、QK-MOQ=1.25リッタ/分、
K-MOQ+ΔK=1.25+0.35=1.6リッタ/分。 【0014】なお、着火時のしきい値が、消火時のしき
い値QT-MOQ,QK-MOQよりそれぞれΔT(上記の例では
0.5リッタ/分),ΔK(上記の例では0.35リッタ/
分)だけ大きくなるように設定しているのは、着火継続
を安定化させるためである。 【0015】この条件下で、コントローラ30'は、全
体流量QTがQT-MOQ+ΔT(2.5リッタ/分)よりも大き
く、かつ、缶体流量QKがQK-MOQ+ΔK(1.6リッタ/
分)よりも大きい場合には、給湯器が使用状態にあり、
かつ、熱交換器6内で湯が沸騰する可能性はないものと
判断して、ガス比例弁20を開いてガスバーナ8を着火
する。 【0016】一方、コントローラ30'は、全体流量QT
が全体必要流量QT-MOQ(2.0リッタ/分)以下となった
とき、あるいは、缶体流量QKが缶体必要流量Q
K-MOQ(1.25リッタ/分)以下となったときには、給湯
器の使用が停止されたか、または、熱交換器6内で湯が
沸騰する可能性があるものと判断して、ガス比例弁20
を閉じてガスバーナ8を消火する。 【0017】このように、ガスバーナ8の着火は、Q
T-MOQ+ΔTとQK-MOQ+ΔKの両判定結果のAND条件に
より、ガスバーナ8の消火は、QT-MOQとQK-MOQの両判
定結果のOR条件により、それぞれ制御されている。 【0018】ところで、前記(1)式と(2)式の関係か
ら、分配比率ρを全体流量QTを含んだ式で記述する
と、次のようになる。 【0019】 ρ=(QT−QK)/QK (3) 従来、ガスバーナ8の消火の判断となる上記の全体必要
流量QT-MOQと缶体必要流量QK-MOQとは、いずれも一定
値であり、これを分配比率の観点から見ると、上記(3)
式により、 ρMOQ=(QT-MOQ−QK-MOQ)/QK-MOQ (3)' となり、その分配比率ρMOQ(以下、必要分配比率とい
う)も一定である。 【0020】たとえば、上記の例でQT-MOQ=2.0、Q
K-MOQ=1.25のとき、 ρMOQ=(2.0−1.25)/1.25=6/10 となっている。 【0021】 【発明が解決しようとする課題】従来のバイパスミキシ
ング方式の給湯器において、給湯制御が定常状態にある
ときには、バイパス流量QBが缶体流量QKよりも幾分多
くなるように、つまり、上記(1)式で与えられる分配比
率ρが1以上となるように設定している。 【0022】それは、燃焼制御の定常状態において、缶
体流量QKよりもバイパス流量QBの方が多くなるように
しておけば、同一の給湯設定温度TSの湯を得る場合で
も全体的な湯量の確保が容易であることや、熱交換器6
からの出湯される湯温が極度に低くなるのを回避できる
等の理由による。 【0023】このように、バイパス流量QBが缶体流量
Kよりも幾分多くなるように分配比率ρが設定されて
燃焼制御が実行されている途中で、カラン側で湯量が絞
られたり、入水路10側の水圧低下が発生したような場
合には、全体流量QTは全体必要流量QT-MOQ以上(QT
T-MOQ)であるにもかかわらず、缶体流量QKが缶体必
要流量QK-MOQよりも小さくなる(QK≦QK-MOQ)事態が
生じ得る。このときは、コントローラ30'は、熱交換
器6内で湯が沸騰するおそれがあるものと判断し、ガス
バーナ8を消火する。 【0024】たとえば、前記の例と同様に、全体必要流
量QT-MOQ=2.0リッタ/分、缶体必要流量QK-MOQ
1.25リッタ/分にそれぞれ設定され、また、定常時
の分配比率ρがρ=12/10に固定されているとした
とき、全体流量QTが低下してQT=2.5リッタ/分と
なったときは、QT(=2.5)>QT-MOQ(=2.0)である
が、QKは(2)式の関係から、QK=2.5/(1+12/
10)≒1.14リッタ/分となる。すなわち、QK(=
1.14)<QK-MOQ(=1.25)であるため、ガスバーナ
8は不意に消火される。 【0025】また、上記のように、定常時の分配比率ρ
を一定に保ったままで全体流量QTが減少すると、これ
に応じてバイパス流量QBも缶体流量QKも共に減少する
とともに、缶体流量QKの減少によって熱交換器6から
出湯される缶体湯温度THは高くなるので、給湯温度TM
が一時的に上昇する、いわゆるオーバーシュートが生じ
る。 【0026】コントローラ30'は、このオーバーシュ
ートを解消するするために、分配比率ρが大きくなるよ
うに制御する(つまり(1)式の関係からバイパス流量QB
を増加させて缶体流量QKを減少させるように制御す
る)。その結果、缶体流量QKの減少傾向が一層加速され
て缶体必要流量QK-MOQを急速に下回り、ガスバーナ8
が消火される事態となる。 【0027】このように、コントローラ30'によっ
て、全体必要流量QT-MOQと缶体必要流量QK-MOQの両判
定結果のOR条件によってガスバーナ8を消火する制御
を行うことは、熱交換器6の湯が沸騰するのを回避する
上では有効であるが、給湯器の使用中に、全体流量QT
が変動したときには、これに応じてガスバーナ8の着火
や消火が頻繁に繰り返され、このため、湯と冷水とが交
互に出るなどの現象が生じて使い勝手が悪くなる。 【0028】そこで、上記の問題を解消するために、本
発明者らは、図7に示すように、全体流量QTが減少し
て、あるしきい値QT-CRI以下となった場合には、缶体
必要流量QK-MOQを下回らない程度の一定の缶体流量QK
が熱交換器6を流れるように、バイパス弁28の開度を
調整する一方、所望の給湯設定温度TSの湯を得るため
の温度制御は、専らガス燃焼量を調整することで対処す
るようにした給湯器を提供した(特願平4−13443
7号参照)。 【0029】たとえば、図7(b)に示すように、缶体必
要流量QK-MOQが1.25リッタ/分、しきい値QT-CRI
が4リッタ/分としたとき、全体流量QTが4リッタ/
分以下になれば、缶体流量QKが常に1.5リッタ/分と
なるように、同図(a)に示すように、分配比率ρを全体
流量QTの低下に応じて連続的に小さくする。 【0030】このようにすれば、全体流量QTが減少し
た場合でも、全体必要流量QT-MOQ以上流れている限り
は、缶体流量QKが缶体必要流量QK-MOQを下回ることが
ないので、ガスバーナ8が不意に消火されることはな
い。 【0031】しかし、このようなバイパス弁28の開度
調整は、単に、缶体流量QKが缶体必要流量QK-MOQを下
回るのを回避するためものものであるから、全体流量Q
Tがしきい値QT-CRIと全体必要流量QT-MOQとの間にあ
るときには、オーバーシュート対策のために幾分でも缶
体流量QKを変えるといったことはできない。 【0032】そして、所望の給湯設定温度TSの湯を得
るための温度制御は、専らガス燃焼量を調整することで
行われるが、このようにすると、熱交換器6の熱容量な
どの関係で、湯水の分配比率ρを変えて温度制御を行う
場合に比較して応答性に欠け、短時間の内にオーバーシ
ュートを抑制する上で不十分となる。つまり、バイパス
ミキシング方式の利点が生かせず、出湯特性に不満を残
すものとなる。 【0033】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、熱交換器内での湯の沸騰を防止するの
は勿論のこと、給湯器に供給される全体流量が変動した
場合でも、熱交換器を加熱するガスバーナが頻繁にオン
・オフを繰り返すのが回避され、しかも、オーバーシュ
ートを短時間の内に抑制することができて、バイパスミ
キシング方式の利点を生かした、使い勝手の良い給湯器
が得られるようにすることを課題とする。 【0034】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、熱交換器の前後にそれぞれ連通された
入水路と出湯路との間がバイパス路で短絡され、このバ
イパス路の途中には、このバイパス路を流れるバイパス
流量QBと熱交換器を流れる缶体流量QKとの分配比率
(=QB/QK)を変更するためのバイパス弁が設けられる
一方、入水温度TSや所望の給湯設定温度TS等に基づい
て分配比率の制御目標となる目標値ρOを算出するとと
もに、この目標値ρOや測定される給湯温度TM等に基づ
いて実際の分配比率の操作量となる操作値ρMを決定
し、この操作値ρMによってバイパス弁の開度を調整し
て給湯温度制御を行うコントローラを有するバイパスミ
キシング方式の給湯器において、次の構成を採る。 【0035】すなわち、本発明に係る給湯器において、
コントローラは、缶体流量QKとバイパス流量QBとを合
算した全体流量QT(=QK+QB)、または缶体流量QK
少なくとも一方が、予め設定された必要流量QT-MOQ
K-MOQを下回った場合(QT≦QT-MOQまたはQK≦Q
K-MOQの場合)には前記熱交換器の加熱を停止する沸騰防
止手段を備えるとともに、全体流量QTを予め設定され
たしきい値QT-CRI1(ただし、QT-CRI1>QT-MOQ)と比
較し、全体流量QTがしきい値QT-CRI1を下回った場合
には、前記目標値ρOの設定可能範囲の上限を決める目
標上限値ρO-MAXを、全体流量QTの減少割合に応じて小
さくなるように修正する目標上限値可変手段と、全体流
量QTを予め設定されたしきい値QT-CRI2(ただし、Q
T-CRI2>QT-MOQ)と比較し、全体流量QTがしきい値Q
T-CRI2を下回った場合には、前記操作値ρMの制御可能
範囲の上限を決める操作上限値ρM-LIMを、全体流量QT
の減少割合に応じて小さくなるように修正する操作上限
値可変手段と、前記目標値ρOが、前記目標上限値可変
手段で決定される目標上限値ρO-MAXを越えないように
規制する目標値規制手段と、前記操作値ρMが、前記操
作上限値可変手段で決定される操作上限値ρM-LIMを越
えないように規制する操作値規制手段とを含む。 【0036】 【作用】上記構成において、コントローラは、入水温度
Sや所望の給湯設定温度TS等に基づいて分配比率の制
御目標(フィードフォワード量)となる目標値ρOを算出
するとともに、この目標値ρOや測定される給湯温度TM
等に基づいて実際の分配比率の操作量(フィードフォワ
ード量とフィードバック量の合算量)となる操作値ρM
決定し、この操作値ρMによってバイパス弁の開度を調
整して給湯温度制御を行う。 【0037】その際、カラン側で湯量が絞られるなどし
て、給湯器に供給される全体流量QTが予め設定された
しきい値QT-CRI1を下回った場合には、目標上限値可変
手段は、目標値ρOの設定可能範囲の上限を決める目標
上限値ρO-MAXを、全体流量QTの減少割合に応じて小さ
くなるように修正する。 【0038】さらに、全体流量QTが予め設定されたし
きい値QT-CRI2を下回った場合には、操作上限値可変手
段は、操作値ρMの制御可能範囲の上限を決める操作上
限値ρM -LIMを、全体流量QTの減少割合に応じて小さく
なるように修正する。 【0039】そして、全体流量QTの減少に伴って、目
標上限値可変手段によって目標上限値が減少される結
果、この目標上限値ρO-MAXよりも目標値ρOの方が相対
的に大きな値となる場合には、目標値規制手段によっ
て、目標値ρOが目標上限値ρO-MAXを越えないように規
制される。 【0040】さらに、コントローラは、オーバーシュー
トを解消するために、上記の操作値ρMを増加させる。
つまり、缶体流量QKを小さくしてバイパス流量QBを増
加させる。しかし、操作上限値ρM-LIMよりも操作値ρM
の方が相対的に大きな値となる場合には、操作値規制手
段によって、操作値ρMが操作上限値ρM-LIMを越えない
ように規制される。 【0041】したがって、オーバーシュートが生じた場
合でも、缶体流量QKが缶体必要流量QK-MOQ以下になら
ないように制限されるため、熱交換器の湯の沸騰が回避
されるとともに、ガスバーナが不意に消火されることも
ない。 【0042】しかも、分配比率の操作値ρMは、目標上
限値ρO-MAXを越えても操作上限値ρM-LIMまでの範囲内
であれば可変できるため、ガス燃焼量のみでオーバーシ
ュートを解消する従来の場合に比較して、応答性が高
く、短時間の内にオーバーシュートを抑制することがで
きる。 【0043】 【実施例】図1は本発明の実施例に係るバイパスミキシ
ング方式の給湯器の概略構成図である。 【0044】この実施例の給湯器は、熱交換器6に対し
て、その一方側に水道管等に連通された入水路10が、
他方側にカランやシャワー等に連通された出湯路12が
それぞれ接続され、入水路10と出湯路12との間は熱
交換器6をバイパスするためのバイパス路14で短絡さ
れている。 【0045】そして、熱交換器6には、これを加熱する
ためのガスバーナ8が配置され、このガスバーナ8には
ガス比例弁20が設けられている。 【0046】また、入水路10の途中には、バイパス路
14との接続点よりも上流側に入水温度TCを検出する
入水温度センサ16が設けられ、また、バイパス路14
との接続点よりも下流側に熱交換器6への缶体流量QK
を検出する缶体流量センサ18が設けられている。 【0047】一方、出湯路12の途中には、バイパス路
14との接続点よりも上流側に、熱交換器6で加熱され
た後の缶体湯温度THを検出する缶体湯温度センサ22
が設けられ、また、バイパス路14との接続点よりも下
流側に、湯水の混合後の給湯温度TMを検出する給湯温
度センサ24、および缶体流量QKがガスバーナ8の最
大加熱能力を越えた場合に湯水の吐出水量を制限する過
流出サーボ弁26が設けられている。 【0048】さらに、バイパス路14の途中には、この
バイパス路14を流れるバイパス流量QBを調整して缶
体流量QKとの分配比率(=QB/QK)を変化させるバイ
パス弁28が設けられている。 【0049】このバイパス弁28は、図示しないステッ
ピングモータによって、その弁開度が調整される構成を
有する。 【0050】さらに、この給湯器1は、給湯温度制御を
行うコントローラ30を備える。 【0051】このコントローラ30は、ガス燃焼制御部
32と、湯水分配制御部34とからなる。 【0052】ガス燃焼制御部32は、ガス比例弁20の
開度を調整して、ガスバーナ8による熱交換器8の加熱
量をフィードフォワードおよびフィードバック制御する
ものであって、目標値算出手段36、全体流量算出手段
38、目標上限値可変手段40、目標値規制手段42、
沸騰防止手段44、ガス燃焼量算出手段46、および弁
駆動手段48からなる。 【0053】目標値算出手段36は、図示しない操作部
等からの指令によって予め決められる所望の給湯設定温
度TS、および入水温度センサ16で検出される入水温
度TCを取り込み、これらの値に基づいて、次式によっ
て、分配比率の制御目標(フィードフォワード量)となる
目標値ρOを算出するものである。 【0054】 ρO=QB/QK=β/(TS−TC) (ただし、βは定数) (4) 全体流量算出手段38は、缶体流量センサ18で検出さ
れる缶体流量Qと、目標値算出手段36で算出される
分配比率の目標値ρOとを取り込み、これらの値に基づ
いて、次式によって、入水路10から給湯器1に供給さ
れる全体流量QTを算出するものである。 【0055】 QT=QK・(1+ρO) (5) 目標上限値可変手段40には、図示しない操作部等から
の指令によって、予め、全体流量QTと比較するための
しきい値QT-CRI1、および目標値ρOの設定可能範囲の
上限を決めるための目標上限値QO-MAXがそれぞれ設定
されている。 【0056】そして、目標上限値可変手段40は、これ
らの値を取り込み、全体流量算出手段38で算出された
全体流量QTをしきい値QT-CRI1(ただし、QT-CRI1>Q
T-MOQ)と比較し、全体流量QTがしきい値QT-CRI1以上
(QT≧QT-CRI1)の場合には、目標上限値QO-MAXを何等
変更しないが、全体流量QTがしきい値QT-CRI1を下回
った(QT<QT-CRI1)場合には、目標上限値ρO-MAXが全
体流量QTの減少割合に応じて小さくなるように修正す
るようになっている。 【0057】すなわち、目標上限値可変手段40は、Q
T<QT-CRI1のときは、目標上限値ρO-MAXに修正係数kO
を掛けて得られる値を、修正後の新たな目標上限値ρ
O-MAXとして出力するようになっている。 【0058】ここに、上記の修正係数kOは、次式で与え
られる。 【0059】 kO=[{ρO-MAX−(ρMOQ−α)}/{QT-CRI1−QT-MOQ}]・QT −[{ρO-MAX・QT-MOQ−(ρMOQ−α)・QT-CRI1}/{QT-CRI1−QT-MOQ}] (ただし、αは定数) (6) 目標値規制手段42は、目標値算出手段36で算出され
る目標値ρOが、目標上限値可変手段40によって決定
される目標上限値ρO-MAXを越えないように規制するも
のであって、目標値ρOが目標上限値ρO-MAXを越える場
合(ρO>ρO-MA X)には、この目標上限値ρO-MAXを目標
値ρOとして置換(ρO-MAX→ρO)するようになってい
る。 【0060】沸騰防止手段44は、全体流量算出手段3
8で算出される全体流量QTと缶体流量センサ18で検
出される缶体流量QKの値を取り込み、全体流量QTと缶
体流量QKの少なくとも一方が、予め設定された必要流
量QT-MOQ,QK-MOQを下回った場合(QT≦QT-MOQまた
はQK≦QK-MOQの場合)には弁駆動手段48を制御して
ガス比例弁20を全閉にし、ガスバーナ8による熱交換
器6の加熱を停止するものである。 【0061】ガス燃焼量算出手段46には、入水温度セ
ンサ16で検出される入水温度TC、水量センサ18で
検出される缶体流量QK、缶体湯温度センサ22で検出
される実際の缶体湯温度TH、予め設定される所望の給
湯設定温度TS、前述の目標値規制手段42から出力さ
れる規制された目標値ρOがそれぞれ入力されるように
なっている。 【0062】そして、ガス燃焼量算出手段46は、これ
らの入力された値に基づいて、所定周期Δts(たとえば
0.1秒)ごとに、次式によってガス燃焼量Gを求めるよ
うになっている。 【0063】 G=GFF+GFB (7) ここに、GFFはフィードフォワード制御量、GFBはフィ
ードバック制御量で、それぞれ次式で与えられる。 【0064】 GFF=NFF・(THS−TC)・QK (8) GFB=NFB・(THS−TH) (9) ただし、NFF,NFBは共に定数、THSは熱交換器6で所
望の缶体湯温度THを得るための制御目標となる缶体設
定温度であって、この缶体設定温度THSは、次式によっ
て与えられる。 【0065】ρMOQ≦ρ0≦ρO-MAXのとき、 THS=TS+β (ただし、βは定数) (10) ρO<ρMOQ、またはρO>ρO-MAXのとき、 THS=ρO・(TS−TC)+TS ただし、ρO=ρMOQO<ρMOQ)、ρO=ρO-MOQO>ρO-MOQ) (11) 弁駆動手段48は、ガス燃焼量算出手段46によって算
出されたガス燃焼量Gの下でガスバーナ8が燃焼される
ように、ガス比例弁20をこのガス燃焼量Gに対応した
開度となるように駆動するものである。 【0066】一方、湯水分配制御部34は、バイパス弁
28の開度を調整して、缶体流量QKとバイパス流量QB
の分配比率が変わるようにフィードフォワードおよびフ
ィードバック制御するものであって、操作値算出手段5
0、操作上限値可変手段52、操作値規制手段54、お
よびステップ数換算手段56からなる。 【0067】そして、操作値算出手段50は、目標値規
制手段42で規制された目標値ρO、入水温度センサ1
6で検出される入水温度TC、缶体湯温度センサ22で
検出される缶体湯温度TH、および給湯温度センサ24
で検出される給湯温度TMがそれぞれ入力されるように
なっている。 【0068】そして、操作値算出手段50は、これらの
値に基づいて、所定周期Δts(たとえば0.1秒)ごと
に、実際にバイパス弁28を駆動するための操作量とな
る分配比率の操作値ρMを、次式によって算出するよう
になっている。 【0069】 ρM=ρFF+(200+ρFB)/200 (12) ここに、ρFFはフィードフォワード制御量、ρFBはフィ
ードバック制御量であり、両者ρFF,ρFBは、それぞれ
次式で与えられる。 【0070】 ρFF=ρO (13) ρFB=MP・(ρFF−ρA)+MI・Σ(ρFF−ρA) (14) ただし、MPは比例係数、MIは積分係数、ρAは缶体流
量QKとバイパス流量QBの実際の分配率であり、次式で
与えられる。 【0071】 ρA=(TH−TM)/(TM−TC) (15) 操作上限値可変手段52には、図示しない操作部等から
の指令によって、予め、全体流量QTと比較するための
しきい値QT-CRI2、および操作値ρMの制御可能範囲の
上限を決めるための操作上限値QM-LIMがそれぞれ入力
されている。 【0072】そして、操作上限値可変手段52は、これ
らの値をそれぞれ取り込み、全体流量QTをしきい値Q
T-CRI2(ただし、QT-CRI2>QT-MOQ)と比較して、全体
流量QTがしきい値QT-CRI2以上(QT≧QT-CRI2)の場合
には、操作上限値QM-LIMは何等変更しないが、全体流
量QTがしきい値QT-CRI2を下回った(QT<QT-CRI2)場
合には、操作上限値ρM-LIMが、全体流量QTの減少割合
に応じて小さくなるように修正するようになっている。 【0073】すなわち、操作上限値可変手段52は、Q
T<QT-CRI2のときは、操作上限値ρM-LIMに修正係数kM
を掛けて得られる値を、修正後の新たな操作上限値ρ
M-LIMとして出力するようになっている。 【0074】ここに、上記の修正係数kMは、次式で与え
られる。 【0075】 kM=[{ρM-LIM−ρMOQ)}/{QT-CRI2−QT-MOQ}]・QT −[{ρM-LIM・QT-MOQ−ρMOQ・QT-CRI2}/{QT-CRI2−QT-MOQ}] (16) 操作値規制手段54は、操作値算出手段50で算出され
る操作値ρMが、操作上限値可変手段52で決定される
操作上限値ρM-LIMを越えないように規制するものであ
って、操作値ρMが操作上限値ρM-LIMを越える場合(ρM
>ρM-LIM)には、この操作上限値ρM-LIMを操作値ρM
して置換(ρM-LIM→ρM)するようになっている。 【0076】ステップ数換算手段56は、給湯器の機種
に応じて、バイパス弁28の弁開度を決めるステッピン
グモータのステップ数とこれに対応する分配比率の操作
値ρMとの関係を決めるデータが予め記憶されたメモリ
(図示省略)を備えており、操作値規制手段54から与え
られる操作値ρMをステップ数SMに換算して、そのステ
ップ数SM分だけバイパス弁28のステッピングモータ
を駆動して弁開度を調整するようになっている。 【0077】次に、上記構成の給湯器1における給湯温
度の制御動作について、図2に示すフローチャート、お
よび図3に示す説明図を参照して説明する。 【0078】なお、本例では、目標上限値可変手段40
において全体流量QTが比較されるしきい値Q
T-CRI1と、操作上限値可変手段52において全体流量Q
Tが比較されるしきい値QT-CRI2とは、共に同一の値が
設定されているものとする。したがって、ここでは、Q
T-CRI1=T-CRI2=QT-CRI(本例では4リッタ/分)とす
る。 【0079】コントローラ30は、まず、図外の操作部
で設定される所望の給湯設定温度TSが60℃以上か否
かを判断する(ステップ1)。 【0080】給湯設定温度TSが60℃以上の場合に
は、高温出湯であるので、ステップ数換算手段56は、
分配比率の操作値ρMを“0”にしてステップ数を最低
値に強制的に設定する(ステップ2)。これにより、バイ
パス弁28が全閉状態の位置まで駆動される(ステップ
3)。その結果、入水路10からの水は、バイパス路1
4を流れることなく全て熱交換器6に供給される。 【0081】さらに、ガス燃焼量算出手段46は、缶体
設定温度THSが給湯設定温度TSになるように強制的に
設定する(ステップ4)。つまり、(8),(9)式における
HS=TSとし、ガス燃焼量Gを算出する(ステップ
5)。 【0082】そして、弁駆動手段48は、このガス燃焼
量Gに対応した開度となるようにガス比例弁20を駆動
する(ステップ6)。 【0083】これにより、熱交換器6からは所望の給湯
設定温度TSの湯が出て、出湯路12を経由して図示し
ないカラン等に給湯されることになる。 【0084】一方、ステップ1において、給湯設定温度
Sが60℃未満の場合、目標値算出手段36は、所望
の給湯設定温度TS、および入水温度センサ16で検出
される入水温度TCに基づいて、前記(4)式によって、
分配比率の制御目標(フィードフォワード量)となる目標
値ρOを算出する(ステップ10)。 【0085】続いて、全体流量算出手段38は、缶体流
量センサ18で検出される缶体流量QKと目標値算出手
段36で算出される分配比率の目標値ρOに基づいて、
前記(5)式によって、入水路10から給湯器1に供給さ
れる全体流量QTを算出する(ステップ11)。 【0086】そして、この全体流量QTの値が目標上限
値可変手段40と操作上限値可変手段52にそれぞれ送
出される。 【0087】目標上限値可変手段40は、全体流量算出
手段38によって算出された全体流量QTを予め設定さ
れたしきい値QT-CRIと比較する(ステップ12)。 【0088】そして、全体流量QTがしきい値QT-CRI
上(QT≧QT-CRI)の場合には、目標値ρOの設定可能範
囲の上限を決める目標上限値ρO-MAX(本例では12/1
0)は何等変更しない(ステップ13)。 【0089】同様に、操作上限値可変手段52は、全体
流量算出手段38によって算出された全体流量QTを予
め設定されたしきい値QT-CRIと比較する(ステップ1
2)。 【0090】そして、全体流量QTがしきい値QT-CRI
上(QT≧QT-CRI)の場合には、操作値ρMの制御可能範
囲の上限を決める操作上限値ρM-LIM(本例では15/1
0)は何等変更しない(ステップ14)。 【0091】これに対して、目標上限値可変手段40
は、全体流量QTがしきい値QT-CRIを下回った(QT<Q
T-CRI)場合には、目標上限値ρO-MAXに前述の(6)式で
与えられる修正係数kOを掛け、これにより得られる値
(=kO・ρO-MAX)を修正後の新たな目標上限値ρO-MAX
して目標値規制手段42に出力する(ステップ18)。 【0092】上記の修正係数kOは、全体流量QTに比例
する関数であるため、図3(a)のQT-MOQとQT-CRIで挟
まれた区間において示されるように、全体流量QTの減
少割合に応じて目標上限値ρO-MAXが小さくなる。そし
て、全体流量QTが全体必要流量QT-MOQ(本例では2.0
リッタ/分)にまで低下した場合には、修正係数kOの影
響で、目標上限値ρO-MAXは必要分配比率ρMOQ(本例で
は6/10)からα(ただし、αは(6)式における定数)
分だけ小さな値になる。 【0093】同様に、操作上限値可変手段52は、全体
流量QTがしきい値QT-CRIを下回った(QT<QT-CRI)場
合には、操作上限値ρM-LIMに前述の(16)式で与えら
れる修正係数kMを掛け、これにより得られる値を修正後
の新たな操作上限値ρM-LIMとして操作値規制手段54
に出力する(ステップ20)。 【0094】上記の修正係数kMは、全体流量QTに比例
する関数であるため、図3(a)のQT-MOQとQT-CRIで挟
まれた区間において示されるように、全体流量QTの減
少割合に応じて操作上限値ρM-LIMが小さくなる。そし
て、全体流量QTが全体必要流量QT-MOQにまで低下した
場合には、修正係数kMの影響で、操作上限値ρM-LIM
必要分配比率ρMOQに一致する。 【0095】目標値規制手段42は、目標値算出手段3
6で前述の(4)式によって算出された目標値ρOを、目
標上限値可変手段40によって決定される目標上限値ρ
O-MAXおよび前述の(3)'式に基づいて予め設定された必
要分配比率ρMOQと比較する(ステップ24)。 【0096】前述のように、目標上限値可変手段40か
ら与えられる目標上限値ρO-MAXは、全体流量QTがしき
い値QT-CRI以上では一定で、しきい値QT-CRI以下にな
ると全体流量QTの減少に応じて目標上限値ρO-MAXも小
さくなるが、このような目標上限値ρO-MAXと必要分配
比率ρMOQとの間に目標値ρOがあるとき(ρMOQ≦ρO
ρO-MAX)、つまり、図3(a)において、全体流量QTと目
標値ρOとの関係で決まる位置が、図3(a)のA1で示す
領域内にあるときには、目標値規制手段42は、目標値
ρOを何等変更することなくそのまま出力する。 【0097】たとえば、全体流量QTが図3(a)の符号c1
で示す位置に対応する流量QT1以上の場合には、その目
標値ρOは変更されることなく一定である。 【0098】これに対して、全体流量QTがしきい値Q
T-CRI以下になると、目標上限値可変手段40によって
目標上限値ρO-MAXが減少されるので、その結果、相対
的に目標値ρOが目標上限値ρO-MAXを越える(ρO>ρ
O-MAX)ようになる。 【0099】目標値規制手段42は、ρO>ρO-MAXと判
断した場合(ステップ28)には、目標上限値ρO-MAX
新たな目標値ρOとして出力する。つまり、目標値算出
手段36で算出される目標値は捨て、その代わりに、目
標上限値ρO-MAXを目標値ρOに置換して(ρO-MAX→ρO)
出力する(ステップ29)。 【0100】たとえば、全体流量QTが図3(a)の符号c1
で示す位置に対応する流量QT1未満となった場合には、
目標値ρOは、目標上限値ρO-MAXの値となる。 【0101】また、目標値規制手段42は、目標値算出
手段36で算出される目標値ρOが、必要分配比率ρMOQ
未満(ρO<ρMOQ)となると判断した場合(ステップ30)
には、この必要分配比率ρMOQを目標値ρOに置換して
MOQ→ρO)出力する(ステップ31)。 【0102】このようにして、目標値規制手段42によ
って規制された目標値ρOがガス燃焼量算出手段46と
操作値算出手段50にそれぞれ送出される。 【0103】ガス燃焼量算出手段46は、所定周期Δts
(たとえば0.1秒)ごとに、前述の(7)〜(11)式によ
ってガス燃焼量Gを算出する(ステップ35)。 【0104】すなわち、ガス燃焼量算出手段46は、目
標値規制手段42から与えられる目標値ρOが、必要分
配比率ρMOQと目標上限値ρO-MAXの間にある場合(ρMOQ
≦ρO≦ρO-MAX)には(10)式に基づいて、また、目標
値ρOが両者ρMOQ,ρO-MAXの間にない場合(ρO<ρMOQ
またはρO>ρO-MAX)には(11)式に基づいて、それぞ
れ缶体設定温度THSを決定した後、(7)式〜(9)式によ
ってガス燃焼量Gを算出する。 【0105】そして、このガス燃焼量Gの値が弁駆動手
段48に与えられるので、弁駆動手段48は、ガス比例
弁20をこのガス燃焼量Gに対応した開度となるように
駆動し(ステップ36)、これによってガス燃焼量が制御
される。 【0106】一方、操作値算出手段50は、目標値規制
手段42で規制された目標値ρO、入水温度センサ16
で検出される入水温度TC、缶体湯温度センサ22で検
出される缶体湯温度TH、および給湯温度センサ24で
検出される給湯温度TMの各値に基づいて、所定周期Δt
s(たとえば0.1秒)ごとに、実際にバイパス弁28を駆
動するための操作量となる分配比率の操作値ρMを、前
述の(12)〜(15)式に基づいて算出する(ステップ3
7)。 【0107】そして、この操作値ρMが次段の操作値規
制手段54に送出される。 【0108】操作値規制手段54は、操作値算出手段5
0で算出された操作値ρMを、操作上限値可変手段52
によって決定された操作上限値ρM-LIMと比較する(ステ
ップ38)。 【0109】いま、カラン側で湯量が絞られるなどし
て、全体流量QTが減少した場合には、缶体湯温度TH
高くなる結果、給湯温度TMも高くなってオーバーシュ
ートが生じる。 【0110】このオーバーシュートを解消するため、操
作値算出手段50によって算出される操作値ρMが増加
する。これは、換言すれば、バイパス流量QBを増加さ
せて缶体流量QKを減少させるような制御となる。 【0111】オーバーシュートの抑制のために、操作値
ρMが増加して目標上限値ρO-MAXを越えても、操作上限
値ρM-LIM以下であれば(ρM≦ρM-LIM)、缶体流量QK
缶体必要流量QK-MO以下に低下することはないから、操
作値規制手段54は、操作値ρMを何等変更することな
くそのまま出力する。 【0112】これを、図3によって説明すると、操作値
ρMが増加されて、同図(a)のA1で示す領域を越えて
も、A2で示す領域内に留どまっている限り、缶体流量
Kは、同図(b)のB1で示す領域を越えてもB2で示す領
域内にあるため、缶体必要流量QK-MOQ以上に保持され
ている。 【0113】したがって、図3(a)のA1+A2の領域内
では、オーバーシュート対策のために、操作値ρMを変
化させることができることになる。 【0114】これに対して、オーバーシュートを抑制す
るために操作値算出手段50から出力される操作値ρO
が増加されて操作上限値ρO-MAXを越えるような(ρO
ρO-MAX)場合には、缶体流量QKが缶体必要流量QK-MO
以下に低下する恐れがあるため、操作値規制手段54
は、操作上限値可変手段52で決定される操作上限値ρ
M-LIMを操作値ρMとして設定し直して(ρM-LIM→ρM)出
力する(ステップ39)。 【0115】これを、同様に図3によって説明すると、
操作値ρMが増加されて、同図(a)のA2で示す領域を越
えるのを放置しておくと、缶体流量QKは、同図(b)のB
2で示す領域を越えて小さくなる。そして、缶体流量QK
が缶体必要流量QK-MOQ以下まで低下すると、沸騰防止
手段44は、弁駆動手段48を制御してガス比例弁20
を全閉にし、ガスバーナ8による熱交換器6の加熱を停
止する。 【0116】このような事態が生じないように、全体流
量QTが全体必要流量QT-MOQ以上確保されているときに
は、操作値規制手段54は、操作値ρMの変化が図3(a)
のA1+A2の領域に留どまるようにして(つまり、缶体
流量QKが図3(b)のB2の領域以下にならないようにし
て)、全体流量QTが低下したときに、沸騰防止手段44
によって不意にガスバーナ8が消火されるのを防いでい
る。 【0117】このようにして、操作値規制手段54によ
って規制された操作値ρMがステップ数換算手段56に
送られる。 【0118】ステップ数換算手段56は、この操作値規
制手段54から与えられる操作値ρMをステップ数SM
換算し(ステップ40)、そのステップ数SM分だけバイ
パス弁28のステッピングモータを駆動して弁開度を調
整する(ステップ41)。 【0119】なお、全体流量QTが缶体必要流量QT-MOQ
を下回った場合(QT≦QT-MOQ)や、熱交換器6の詰まり
等によって缶体流量QKが缶体必要流量QK-MOQを下回っ
た場合(QK≦QK-MOQの場合)には、沸騰防止手段60
は、弁駆動手段48を制御してガス比例弁20を全閉に
し、ガスバーナ8による熱交換器6の加熱を停止する。
これによって、熱交換器6での沸騰が確実に回避され
る。 【0120】上記の実施例では、目標値算出手段36で
算出される分配比率の目標値がρOの場合に、図3(a)の
符号c1で示す位置に対応する流量QT1以下となったとき
に始めて目標値ρOが目標上限値ρO-MAXを越えないよう
に規制される。 【0121】しかし、図4に示すように、目標値算出手
段36で算出される目標値ρOが目標上限値ρM-LIMと必
要分配比率ρMOQとの間にある場合、全体流量QTが低下
してしきい値QT-CRIよりも少なくなったとき(図4の符
号c2で示す位置を越えた場合)には、目標値規制手段4
2において、直ちに目標値ρOを、全体流量QTの減少割
合に応じて小さくなるように修正してもよい。 【0122】このような制御を行う場合のフローチャー
トを図5に示す。 【0123】図5において、ステップ50〜ステップ5
4までは、目標値算出手段36で算出される目標値ρO
が、目標上限値ρO-MAXと必要分配比率ρMOQから一定値
αだけ小さい値の範囲内にあるか否かを判別して、目標
値ρOがその範囲を越えないように規制するための処理
である。 【0124】目標値規制手段42は、全体流量QTがし
きい値QT-CRI以下となったか否かを判別し(ステップ5
5)、全体流量QTがしきい値QT-CRIよりも大きい場合
(図4参照)には、目標値ρOを何等変更することなく、
そのまま出力する(ステップ56)。これに対して、全体
流量QTがしきい値QT-CRIよりも小さくなったときに
は、目標値ρOに修正係数kLを掛け、これにより得られ
る値を修正後の新たな目標値ρOとする(ステップ5
7)。 【0125】また、従来と同様に、目標上限値ρO-MAX
も全体流量QTがしきい値QT-CRIより小さくなった場合
には、全体流量QTの減少に応じて小さくする(ステップ
58)。 【0126】その他の制御動作は、図2に示すフローチ
ャートの場合と同じである。 【0127】なお、ステップ57において、目標値ρO
を修正するために用いられる修正係数kLは、次式で与え
られる。 【0128】 kL=[{ρO−(ρMOQ−α)}/{QT-CRI1−QT-MOQ}]・QT −[{ρO・QT-MOQ−(ρMOQ−α)・QT-CRI1}/{QT-CRI1−QT-MOQ}] (ただし、αは定数) (17) このようにすれば、全体流量QTが低下してしきい値Q
T-CRIよりも少なくなった状態で、オーバーシュートを
抑制するために分配比率を変更する際、目標値ρOから
操作上限値ρM-LIMまでの制御範囲の余裕度(マージン)
が比較的大きくとれるので、オーバーシュートを抑制す
る上で都合が良い。 【0129】上記の例では、説明の簡略化のために、目
標上限値可変手段40および操作上限値可変手段52に
それぞれ設定される各しきい値を、QT-CRI1=QT-CRI2
=QT-CRIとしたが、各しきい値QT-CRI1,QT-CRI2
それぞれ異なる値(ただし、QT-CRI1>QT-CRI2>Q
T-MOQ)に設定することも可能である。 【0130】 【発明の効果】本発明によれば、熱交換器内で湯が沸騰
するのが防止できるのみならず、給湯器に供給される全
体流量が変動した場合でも、熱交換器を加熱するガスバ
ーナが頻繁にオン・オフを繰り返すことが回避され、し
かも、オーバーシュートを短時間の内に抑制することが
できるため、バイパスミキシング方式の利点を生かし
た、使い勝手の良い給湯器を得ることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係るバイパスミキシング方式
の給湯器の概略構成図である。 【図2】図1の給湯器の給湯温度制御動作のフローチャ
ートである。 【図3】図1の給湯器の給湯温度制御動作の説明図であ
り、同図(a)は全体流量と分配比率の関係を示す特性
図、同図(b)は全体流量と缶体流量の関係を示す特性図
である。 【図4】図1の給湯器において、温度制御動作を一部変
更する場合の説明図である。 【図5】図1の給湯器において、温度制御動作を一部変
更する場合のフローチャートである。 【図6】従来のバイパスミキシング方式の給湯器の概略
構成図である。 【図7】従来の給湯器の給湯温度制御動作の説明図であ
り、同図(a)は全体流量と分配比率の関係を示す特性
図、同図(b)は全体流量と缶体流量の関係を示す特性図
である。 【符号の説明】 1…給湯器、6…熱交換器、10…入水路、12…出湯
路、14…バイパス路、22…加熱湯温度センサ、24
…給湯温度センサ、28…バイパス弁、30…コントロ
ーラ、32…ガス燃焼制御部、34…湯水分配制御部、
36…目標値算出手段、40…目標上限値可変手段、4
2…目標値規制手段、44…沸騰防止手段、46…ガス
燃焼量算出手段、48…弁駆動手段、50…操作値算出
手段、52…操作上限値可変手段、54…操作値規制手
段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 23/00 - 23/32 F24H 1/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱交換器の前後にそれぞれ連通された入
    水路と出湯路との間がバイパス路で短絡され、このバイ
    パス路の途中には、このバイパス路を流れるバイパス流
    量QBと熱交換器を流れる缶体流量QKとの分配比率(=
    B/QK)を変更するためのバイパス弁が設けられる一
    方、入水温度TSや所望の給湯設定温度TS等に基づいて
    分配比率の制御目標となる目標値ρOを算出するととも
    に、この目標値ρOや測定される給湯温度TM等に基づい
    て実際の分配比率の操作量となる操作値ρMを決定し、
    この操作値ρMによってバイパス弁の開度を調整して給
    湯温度制御を行うコントローラを有するバイパスミキシ
    ング方式の給湯器において、 前記コントローラは、 前記缶体流量QKとバイパス流量QBとを合算した全体流
    量QT(=QK+QB)、または缶体流量QKの少なくとも一
    方が、予め設定された必要流量QT-MOQ,QK-MOQを下回
    った場合(QT≦QT-MOQまたはQK≦QK-MOQの場合)には
    前記熱交換器の加熱を停止する沸騰防止手段を備えると
    ともに、 前記全体流量QTを予め設定されたしきい値QT-CRI1(た
    だし、QT-CRI1>QT-MOQ)と比較し、全体流量QTがし
    きい値QT-CRI1を下回った場合には、前記目標値ρO
    設定可能範囲の上限を決める目標上限値ρO-MAXを、全
    体流量QTの減少割合に応じて小さくなるように修正す
    る目標上限値可変手段と、 前記全体流量QTを予め設定されたしきい値QT-CRI2(た
    だし、QT-CRI2>QT-MOQ)と比較し、全体流量QTがし
    きい値QT-CRI2を下回った場合には、前記操作値ρM
    制御可能範囲の上限を決める操作上限値ρM-LIMを、全
    体流量QTの減少割合に応じて小さくなるように修正す
    る操作上限値可変手段と、 前記目標値ρOが、前記目標上限値可変手段で決定され
    る目標上限値ρO-MAXを越えないように規制する目標値
    規制手段と、 前記操作値ρMが、前記操作上限値可変手段で決定され
    る操作上限値ρM-LIMを越えないように規制する操作値
    規制手段と、 を含むことを特徴とする給湯器。
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