JP3413537B2 - 深溶込形成方法及び該方法を用いた溶接方法 - Google Patents

深溶込形成方法及び該方法を用いた溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深溶込形成方法及び該
方法を用いた溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】材料を溶接する場合、図8に示すよう
に、材料1,2の端面どうしを単純に突合せて、溶接ト
ーチ3から突合部4へ向けてアーク5を発生させること
が第一に考えられる。しかし、このようにした場合、図
9に示すような広く浅い溶込6しか得ることができない
ので、材料1,2を溶接することはできない。
【0003】そのため、図10に示すように、予め材料
1,2の突合部4を欠いて開先7を形成しておき、該開
先7に対して肉盛を行わせることにより、材料1,2を
溶接することが一般的に行われている。
【0004】尚、上記のように開先7を形成する場合、
開先7の奥部8を構成する材料1,2中に不純物として
微量に含まれるイオウ分の影響により、開先7の奥部8
が過剰に溶かされて、健全な裏波が形成されない可能性
があるため、必要に応じて、図11に示すように、開先
7の奥部8にインサート材9を介在させ、先ずインサー
ト材9を適当な溶接条件で溶融して健全な裏波を形成さ
せてから、上記と同様に、開先7を肉盛して溶接する場
合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法には、以下のような問題があった。
【0006】即ち、単純に材料1,2の端部を突き合わ
せただけでは、深い溶込6が得られないため、材料1,
2にいちいち開先7を形成しなければならず、溶接など
の場合に手間が掛かっていた。
【0007】又、深い溶込6が得られないため、溶接ト
ーチ3を用いて材料1,2の溶断や穿孔、或いは、表面
肉盛などを行う場合にも充分な作業効率が得られなかっ
た。
【0008】本発明は、上述の実情に鑑み、簡単に深溶
込が得られるようにした深溶込形成方法及び該方法を用
いた溶接方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、材料における
ビーム照射部の周囲に間隔を有して、絶縁部を形成し、
ビーム照射部へ向けて溶込形成用トーチから溶込形成用
ビームを放射することにより、絶縁部によって溶込形成
用ビームを集中させ、材料に深溶込を形成することを特
徴とする深溶込形成方法にかかるものである。
【0010】この場合において、絶縁部を、珪酸ナトリ
ウムとしても良い。
【0011】又、材料の端面どうしを直接突合せること
により、突合部に接合線を形成し、該接合線をビーム照
射部として、上記の方法を行うことにより、突合部に深
溶込を形成し、突合された材料を直接溶接することを特
徴とする溶接方法にかかるものである。
【0012】
【作用】本発明の作用は以下の通りである。
【0013】材料上で、溶込形成用トーチからの溶込形
成用ビームを集中させるようにすれば、材料に幅が狭く
て深い溶込み、即ち、深溶込を形成することが可能とな
る。
【0014】具体的には、材料におけるビーム照射部の
上に間隔を有して、絶縁部を形成し、ビーム照射部へ向
けて溶込形成用トーチから溶込形成用ビームを放射すれ
ば、絶縁部によって溶込形成用ビームの拡がりが防止さ
れるため、溶込形成用ビームが集中され、材料に深溶込
を形成することが可能となる。
【0015】この際、絶縁部はビーム照射部のエネルギ
ーにより絶縁性が破壊されて燃焼してしまうが、その直
前において溶込形成用ビームを集中させる機能を果すこ
ととなる。
【0016】この場合において、絶縁部を、珪酸ナトリ
ウムで構成するのが適している。
【0017】そして、材料の端面どうしを直接突合せる
ことにより、突合部に接合線を形成し、該接合線をビー
ム照射部として、上記の方法を行うことにより、突合部
に深溶込が形成され、突合された材料が直接溶接され
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0019】図1〜図3は、本発明の第一の実施例であ
る。
【0020】又、図中、10,11はステンレスや鋼な
どの材料、12は材料10,11の端部どうしの突合部
などのビーム照射部、13はビーム照射部12へ向けて
配置された溶接トーチなどの溶込形成用トーチ、14は
溶込形成用トーチ13から放射されるアークなどの溶込
形成用ビーム、15は溶接ワイヤ、16はビーム照射部
12に形成されたビード、17は材料10,11に形成
された深溶込である。
【0021】又、18は溶込形成用トーチ13の近傍に
配置された、図示しない吸引装置の吸引ノズルである。
【0022】20は材料10,11におけるビーム照射
部12の両側部に沿い僅かな間隔26を有して塗布形成
された珪酸ナトリウム(シリコンを主成分とするガラス
質のペースト、いわゆる水ガラス)やセラミックスや接
着剤などの絶縁部である。
【0023】そして、本発明では、先ず、材料10,1
1の端部どうしをぴったりと突合せた突合部をビーム照
射部12とし、ビーム照射部12の両側部に沿い僅かな
間隔26を有して珪酸ナトリウム(シリコンを主成分と
するガラス質のペースト、いわゆる水ガラス)やセラミ
ックスや接着剤などの絶縁部20を塗布形成する。
【0024】しかる後に、絶縁部20へ向けてTIGや
MAGなどの溶接トーチから成る溶込形成用トーチ13
や吸引ノズル18を配置し、溶込形成用トーチ13に溶
接ワイヤ15を送給しつつ、溶込形成用トーチ13から
アークなどの溶込形成用ビーム14を放射する。
【0025】すると、ビーム照射部12の両側部に沿い
僅かな間隔26を有して塗布形成された絶縁部20は、
溶込形成用ビーム14の熱でほとんどが燃焼されてしま
い、煙となって放散される。
【0026】このとき発生した煙は、必要に応じて、吸
引ノズル18から吸引される。
【0027】そして、絶縁部20の燃焼と同時に、溶込
形成用ビーム14のエネルギーにより、材料10,11
のビーム照射部12が溶融されるが、このとき、絶縁性
の珪酸ナトリウムが溶込形成用ビーム14の拡がりが押
えられるよう作用するため、溶込形成用ビーム14が集
中される結果、図3に示すように、材料10,11に幅
が狭くて深い溶込み、即ち、深溶込17が形成される。
【0028】尚、珪酸ナトリウムは絶縁性を有するが、
絶縁性が破壊される程度の高い溶接電流によって、上記
したように燃焼されてしまう。しかし、燃焼前にはその
絶縁性が有効に作用するので、溶込形成用ビーム14を
集中させる効果が確保される。
【0029】このように深溶込17が得られるようにな
ると、通常の厚さの材料10,11であれば、開先を設
けずに溶接を行うことができるようになり、又、厚い材
料10,11で開先を設けなければならない場合でも、
溶接の必要パス数を大幅に減少して作業を効率化するこ
とができるようになり、更に、図4に示すような、中程
度の厚さの材料21,22の場合には、材料21,22
を裏返して深溶込17を2度形成させることにより、開
先を設けずに溶接を行うことができるようになる。
【0030】又、溶断や穿孔,表面肉盛などに適用する
場合でも、効率的に作業を行うことが可能となる。又、
接合材料10,11を図示しないヒータなどの予熱源で
予熱することにより、より深い深溶込17を得ることが
できる。
【0031】図5は、本発明の第二の実施例であり、溶
込形成用ビーム14としてレーザービームを照射するレ
ーザートーチなどの溶込形成用トーチ13を用いた以外
は、前記実施例と同様の構成を備えており、同様の作用
・効果を得ることができる。
【0032】図6は、本発明の第三の実施例であり、溶
込形成用ビーム14として電子ビームを照射する電子ビ
ームトーチなどの溶込形成用トーチ13を用いた以外
は、前記各実施例と同様の構成を備えており、同様の作
用・効果を得ることができる。
【0033】以下に、本発明の効果を確認するために行
った実験の結果を示す。
【0034】先ず、材料10として、板厚12mmのス
テンレス鋼板(SUS304)を用意する。
【0035】又、用意した珪酸ナトリウムの成分は、S
iO2が36〜38%、Na0が17〜18%、Feが
最大0.02%、水分が最大0.01%である。
【0036】そして、図7に示すように、ステンレス鋼
板を未塗布領域27と塗布領域28に区分けし、塗布領
域28には、ビーム照射部の両側部に対する間隔26
を、7mm,15mm,20mmと変えて珪酸ナトリウ
ムを塗布し、24時間自然乾燥した後、乾燥炉で150
℃で2時間水分除去処理を行った。
【0037】そして、300Aの溶接電流、7cm/m
inの溶接速度で、未塗布領域27から塗布領域28に
かけてTIG溶接トーチを一直線上に移動させた。
【0038】上記実験の結果得られた溶込みの深さは、
未塗布領域27では5.0mm、塗布間隔7mmの場合
は10.9mm、塗布間隔15mmの場合は6.5m
m、塗布間隔20mmの場合は5.0mmとなり、珪酸
ナトリウムのみでも深溶込みが得られ、しかも、間隔2
6を狭くする程溶込みが深くなることが確認された。
【0039】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
3記載の発明によれば、簡単に深溶込を得ることがで
き、溶接などに適用することが可能となるという優れた
効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の斜視図である。
【図2】図1の概略正面図である。
【図3】図2の作動図である。
【図4】材料が厚い場合の作動図である。
【図5】本発明の第二の実施例の正面図である。
【図6】本発明の第三の実施例の正面図である。
【図7】本発明の効果を調べるために行った実験の様子
を示す平面図である。
【図8】従来の溶接を開先を形成しないで行う場合の正
面図である。
【図9】図8の作動図である。
【図10】従来の溶接を開先を形成して行う場合の正面
図である。
【図11】図10の開先にインサート材を介在させた場
合の正面図である。
【符号の説明】
10,11,21,22 材料 12 突合部(ビーム照射部,接合線) 13 溶込形成用トーチ 14 溶込形成用ビーム 17 深溶込 20 絶縁部 26 間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−93811(JP,A) 特開 昭62−61789(JP,A) 特開 平4−147771(JP,A) 特開 昭62−50095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/00 B23K 15/00 B23K 26/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料におけるビーム照射部の周囲に間隔
    を有して、絶縁部を形成し、ビーム照射部へ向けて溶込
    形成用トーチから溶込形成用ビームを放射することによ
    り、絶縁部によって溶込形成用ビームを集中させ、材料
    に深溶込を形成することを特徴とする深溶込形成方法。
  2. 【請求項2】 絶縁部が、珪酸ナトリウムである請求項
    1記載の深溶込形成方法。
  3. 【請求項3】 材料の端面どうしを直接突合せることに
    より、突合部に接合線を形成し、該接合線をビーム照射
    部として、請求項1又は2の方法を行うことにより、突
    合部に深溶込を形成し、突合された材料を直接溶接する
    ことを特徴とする溶接方法。
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