JP3412006B2 - 植物油廃液の処理方法 - Google Patents

植物油廃液の処理方法

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  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物油廃液の処理
方法に関する。
【0002】より詳細には、本発明は、パームオイル廃
液のような植物油廃液を微生物により処理することによ
り有機酸を得、これを化学物質を製造するための原料と
して有効利用すると伴に、本発明の植物油廃液処理の過
程で生じる処理水を環境に悪影響を及ぼさない程度にま
で清浄化することのできる植物廃液の処理方法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】近年、環境志向の高まりから、パームオ
イルのような植物由来の油を原料とする洗剤等が多く製
造されている。例えば、パームオイルは、ヤシの実から
搾油することにより製造されているが、この製造過程で
大量の廃液が副産物として生成する。この廃液は、2万
ppm以上の極めて高いCOD値を有しているため、そ
のまま廃棄したのでは環境に重大な影響を及ぼす可能性
がある。
【0004】従来、パームオイルの廃液は、ラグーンと
呼ばれる長さ数百mから1kmもある処理池において、
自然なメタン発酵により処理された後、廃棄されてい
る。しかしながら、このような自然なメタン発酵による
処理方法では、廃液のCODを100ppm程度に下げ
るのに1〜2ヶ月の長期間を要し、また、処理能力が不
安定であるという欠点を有している。しかも、発酵によ
り生成し、大気中に放出されるメタンガスは、地球温暖
化の原因となるため、環境に十分配慮した処理方法とは
言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものであり、環境に対して悪影響を
及ぼさない植物油廃液の処理方法を提供することを目的
とする。
【0006】さらに、本発明は、植物油廃液を有効に利
用することにより、従来、廃棄されていた廃液を資源化
する手段を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次の植物油
廃液の処理方法により達成することができた。すなわ
ち、本発明は、 (1) 植物油廃液を微生物による処理に供し、有機酸
を含有する処理懸濁液を得る工程と;前記処理懸濁液を
固層および前記有機酸を含有する液層に固液分離する工
程と;前記有機酸を含有する液層を濃縮し、有機酸の濃
縮液および蒸気を得る工程と;前記有機酸を含有する濃
縮液を集積し、化学物質製造のための原料に供する工程
と;前記蒸気を凝縮させることにより、処理水を得る工
程とを具備する植物油廃液の処理方法において、前記固
液分離が、前記処理懸濁液を凍結した後、融解し、固層
と液層を分離する凍結分離法により行われることと、前
記固液分離により得られる固層の少なくとも一部分を前
記微生物による処理に再び供することを特徴とする植物
油廃液の処理方法。
【0008】(2) 前記植物油廃液が、パームオイル
廃液である上記(1)に記載の植物油廃液の処理方法。
【0009】(3) 前記有機酸を含有する濃縮液の有
機酸濃度が、5%重量以上である上記(1)または
(2)に記載の植物油廃液の処理方法。
【0010】(4) 前記集積した有機酸を含有する濃
縮液の量が、有機酸の重量に換算して、100kg以上
である上記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の植
物油廃液の処理方法。
【0011】(5) 前記有機酸が、低級脂肪酸である
上記(1)ないし(4)のいずれか1に記載の植物油廃
液の処理方法。
【0012】(6) 前記集積した濃縮液を原料として
供することにより製造される化学物質がケトン、アルデ
ヒド、アルコール、炭化水素化合物あるいはプラスチッ
ク、メタン、および水素からなる群から選択される汎用
品であることを特徴とする上記(1)ないし(5)のい
ずれか1に記載の植物油廃液の処理方法。
【0013】(7) 上記凝縮させて得た処理水のCO
Dが、100ppm以下である上記(1)ないし(6)
のいずれか1に記載の植物油廃液の処理方法。
【0014】を提供する。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明の植物油廃液の処理
方法を適用する植物油廃液として、パームオイル廃液を
例に挙げて説明するが、本発明の処理方法を適用するこ
とのできる植物油廃液はこれに限定されるものではな
く、例えば、ダイズ、ゴマ、ツバキ、オリーブ等の植物
由来の油を製造する過程で生じる廃液、さらには、家庭
や事業所からの排水であって、これらの植物油を含有す
るもの、あるいはそれら由来の炭化水素製品を含むもの
にも適用することができる。
【0016】パームオイル廃液とは、ヤシの実からヤシ
油を圧搾し、パームオイルを得る一連の工程から生成す
る副生成物をいう。具体的には、図6に示すように、パ
ームオイルは、ヤシの実の皮を剥ぎ、果実を圧搾するこ
とにより得られる。この過程からは、皮由来の副生成
物、果実圧搾後の浄化工程で得られる副生成物、果実圧
搾後の果皮由来の副生成物等が生成する。本発明の方法
で処理することのできる植物油廃液は、通常、これらの
副生成物から、房や繊維に代表される固形分を搾油工程
で物理的に除いた後の高濃度の有機分を含む廃液がパー
ムオイル廃液をいう。
【0017】本発明の植物油廃液の処理方法の各工程
を、図1に示すブロック図を参照して説明する。
【0018】植物油廃液を微生物による処理に供し、有
機酸を含有する処理懸濁液を得る。
【0019】微生物による処理は、それ自体は既知の方
法を利用することができる。微生物は、植物油廃液から
有機酸を製造することのできるものであれば特に制限は
ない。一例を挙げると、嫌気処理池底から採取できる汚
泥等を用いることができる。本発明の方法においては、
嫌気性微生物を用いることが、有機酸生産、省エネルギ
ー等の観点から好ましい。
【0020】培養温度、培地のpH、培養中の雰囲気、
培養時間、攪拌速度等の培養条件は、用いる植物油廃液
の種類および量、微生物の種類、設備の立地条件等に応
じて適宜選択することができる。
【0021】微生物による処理は、連続的に行うこと
が、効率の観点から好ましい。ここで、連続的とは、微
生物による処理に供する物質、具体的には、植物油廃液
を、発酵槽に連続的に供給し、供給流量と等しい流量で
発酵液を発酵槽から回収する方法をいう。ただし、連続
的に供給とは、一瞬たりとも供給が途絶えないことを意
味するものではなく、一定の間歇をおいて断続的に供給
することも含まれる。この場合、発酵液の回収流量は、
供給流量と等しくする。連続処理の流量は、廃液の有機
分濃度、微生物濃度等に応じて適宜設定することができ
るが、液滞留時間として1.5日〜7日の範囲にするこ
とが経済性、有機酸の安定生産の観点から好ましい。
【0022】この工程で得られる処理懸濁液には、通
常、20,000〜150,000ppmの濃度の懸濁
粒子が含まれる。
【0023】また、この処理懸濁液には、通常、0.3
〜2重量%の濃度の有機酸が含まれる。有機酸は、植物
油廃液の植物の種類、上記処理工程で用いる微生物の種
類等により異なるが、低級脂肪酸、具体的には、炭素数
2から4の、直鎖状または分岐鎖の脂肪酸であって、例
えば、水酸基のような置換基が置換していてもよい脂肪
酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び乳酸等)が
含まれる。
【0024】次に、得られた処理懸濁液を固層および有
機酸を含有する液層に固液分離する。
【0025】本発明の植物油廃液の処理方法は、この固
液分離工程において、上述した微生物により処理した懸
濁液を凍結した後、融解し、固層と液層を分離する凍結
分離法を用いることを第1の特徴とするものである。ま
た、本発明の植物油廃液の処理方法の第2の特徴は、こ
の固液分離工程により分離した固層の少なくとも一部分
を、上述した微生物による処理工程に返送することであ
る。
【0026】本発明の処理方法の第1の特徴である凍結
分離法は、凍結の際の氷の圧力(水は凍結すると密度が
変わり、膨張するため)により破砕、凝縮した固形分が
固まり、遠心分離法のような、凍結分離法以外の方法を
用いる方法と比較して、より完全な固層と液層との分離
を可能にするものである。固層と液層との分離が完全で
ないと、次の液層の濃縮工程で、汚泥等が濃縮容器に凝
固する等の問題が発生し、濃縮工程を中断せざるを得な
いことがあるので好ましくない。
【0027】また、本発明の処理方法の第2の特徴であ
る、分離した固層の少なくとも一部分を上記微生物によ
る処理工程に再び供することにより、驚くべきことに、
有機酸の生産性を高めることができることが明らかにな
った。これについては、後述する実施例1で詳細に説明
する。
【0028】以下、本発明の固液分離工程について詳細
に説明する。
【0029】まず、有機酸を含有する処理懸濁液を凍結
させる。凍結方法は、処理懸濁液を凍結状態にするため
に十分な条件であれば、特に制限はない。次に、凍結し
た懸濁液を溶融させる。溶融方法も、凍結した懸濁液を
溶融させるために十分な条件であれば、特に制限はな
い。一例をあげると、1リットル(以下、「L」とも表
記する。)程度の処理懸濁液の場合、−2℃〜−20℃
で0.5〜24時間程度冷却することにより懸濁液を凍
結させた後、10℃〜80℃で0.3〜24時間程度加
熱、あるいは放置することにより溶解させることができ
る。
【0030】凍結を終了してから溶解を開始するまでの
時間に特に制限はないし、融解させる場所も凍結させた
場所以外でもかまわない。
【0031】溶融後の懸濁液は、固層と液層とに分離す
る。
【0032】固層と液層の分離方法も特に制限はなく、
例えば、氷をネット上に乗せ、滴下した融液を回収する
ことにより行うことができる。
【0033】上述したように、本発明の処理方法は、分
離した固層の少なくとも一部分を微生物による処理工程
に返送することを特徴とする。
【0034】返送する固層の量およびその頻度に特に制
限はない。固層のすべてを返送してもよいし、一部を返
送してもよい。一日に排出した固層の量内であればそれ
をいかなる頻度で返送してもかまわない。
【0035】一方、固液分離により分離した液層には、
微生物による処理で生成した有機酸が含まれ、これを次
の濃縮工程に供する。
【0036】濃縮方法は、液層中に含有される有機酸の
濃度が濃縮前と比較して高まれば、特に制限はないが、
加熱により行うことが好ましい。
【0037】加熱は、電気エネルギー等のいかなるエネ
ルギーを用いてもよいが、ヤシの実からパームオイルを
圧搾する過程で生成した皮や果皮などを燃焼させること
により得られる熱エネルギーを、加熱のために使用する
エネルギー源の少なくとも一部分として用いることが、
本発明の実施コストを下げることができるので好まし
い。
【0038】加熱時間や加熱温度は、加熱すべき液層の
量、有機成分の濃度等に応じて適宜設定することができ
る。
【0039】濃縮後の有機酸の濃度は、この濃縮後の有
機酸の溶液を運搬等により低コストで集積することがで
きる程度であれば、特に制限はないが、好ましくは5重
量%以上、更に好ましくは10重量%以上にすることが
できる。有機酸の濃度は、有機酸が溶けている限りにお
いては特に上限ない。
【0040】有機酸を含有する濃縮液は、例えば、ケト
ン、アルデヒド、アルコール、炭化水素化合物あるいは
プラスチック、メタン、および水素のような汎用品を製
造するためのプラント、大規模工場等に集積させ、これ
らの汎用品の製造に供する。集積方法に特に制限はな
い。
【0041】集積させる有機酸濃縮液の量は、この濃縮
液を原料として製造しようとする汎用品等の種類、生産
量、経済事情、交通事情等に応じて異なるが、集積によ
るスケールメリットを享受しえる量であることが好まし
い。具体的には、有機酸の量に換算して、100kg以
上が好ましく、1t以上が更に好ましい。集積させる有
機酸の量には選べる範囲であれば特に上限はない。
【0042】一方、加熱により生成する蒸気は、これを
回収し、凝縮させることにより処理水にすることができ
る。
【0043】凝縮方法に特に制限はなく、例えば、冷却
することにより行うことができる。
【0044】本発明の処理方法を用いることにより、こ
の処理水のCODを100ppm程度以下にまで下げる
ことができるので、この処理水は、河川等にそのまま放
流することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
の処理方法は、この実施例に限定されるものではない。
【0046】(実施例1)図2に下記工程のブロック図
を示す。
【0047】図6に示す方法で製造した際に生成したパ
ームオイル廃液を480g/日の流量で嫌気処理装置内
に連続的に供給した。嫌気装置内には、パームオイル廃
液嫌気処理池から採取した汚泥を固形分30000pp
mの濃度になるように添加した。培地のpHを5〜6、
温度を25〜35℃に維持し、滞留時間3.8日で培養
した結果、酢酸、プロピオン酸および酪酸からなる有機
酸を総濃度で1%含有する処理懸濁液が680g/日の
流量で得られた。この処理懸濁液には、懸濁粒子が7
9,000ppm含有されていた。
【0048】この処理懸濁液を−15℃で12時間冷却
した後、直ちに、25℃で6時間かけて溶融させた。固
層と液層を分離した。液層は凍結体からのドリッピング
により分離できた。固層には、懸濁粒子が26%の割合
で含まれていた。この固層を200g/日の割合で上記
の嫌気装置内へ返送した。一方、480g/日で有機酸
を含む液層を排出させた。この液層の懸濁粒子濃度は、
3,500ppmであった。
【0049】この実施例で得られた処理懸濁液中の懸濁
粒子(SS)の濃度、および溶解している成分も含む水
以外の成分の濃度(TS)を発酵時間に対してプロット
したグラフを図3に示す。
【0050】図3のグラフから明らかなように、嫌気発
酵槽には、一日あたり約50gの固形分が返送されてい
るにもかかわらず、嫌気発酵槽から排出される処理懸濁
液中の懸濁粒子の濃度はわずかづつしか上昇していな
い。これは、パームオイル廃液中に含有される窒素分が
少ないため、固層の窒素分を利用しないと微生物が新た
に菌体を増殖させることができないからであると本発明
者は考えている。
【0051】図4に、凍結・融解後の液層中に含有され
るTS(溶解している成分も含む水以外の成分)の濃
度、SS(懸濁粒子)の濃度、および総有機性懸濁粒子
分(RVSS)の濃度を発酵時間に対してプロットした
グラフを示す。
【0052】図4のグラフから明らかなように、凍結・
融解後の液層中に含有されるSSおよびTVSSの濃度
は実験を通じて非常に低いレベルに維持されている。T
SがSSおよびTVSSよりも多いが、これは、液層中
に含有される有機酸の濃度が高いことを示している。
【0053】図5に凍結・融解後の液層中に含有される
有機酸の種類とその濃度変化を発酵時間に対してプロッ
トしたグラフを示す。
【0054】図5のグラフから明らかなように、液層中
に含有される有機酸は、その半分が酢酸で残りの半分づ
つがプロピオン酸と酪酸である。
【0055】図4に示したように、この液層に含有され
るSS(懸濁粒子)濃度が低いので、この液層を次の濃
縮工程に供した際、極めて容易に濃縮を行うことができ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明の方法によれば、環境に対して悪
影響を及ぼさない植物油廃液の処理方法を提供すること
ができる。
【0057】すなわち、本発明の方法は、植物油廃液か
ら得た有機酸を汎用品等の原料として有効に利用するこ
とができるとともに、固形物を燃焼エネルギー源として
利用することができるので、従来、廃棄されていた廃棄
物を資源化することができる。さらに、本発明の方法に
よれば、廃液を河川等に放流しても環境に対する影響が
少ない程度のCODにまで清浄化した排水を得ることが
できる。
【0058】本発明の方法は、植物油を比較的小規模の
プラントで製造している場合に生成する廃液に対して特
に有効に適用することができるものである。このような
小規模の植物油製造プラントでは、生成する廃液の量が
比較的少量であるため、オンサイトで廃液を処理し、こ
れを汎用品の原料として利用することは効率が悪い。し
かしながら、本発明の方法において、濃縮工程を経るこ
とにより、有機酸の濃度を高めることができるので、搬
送が容易になり、大量に集積することが可能になる。し
たがって、本発明の方法によれば、スケールメリットが
必要な汎用品を廉価に製造するための原料を提供するこ
とができる。
【0059】さらに、本発明の方法では、固液分離を凍
結法により行うので、液層中に含有される懸濁成分の濃
度を低くすることができる。これにより、濃縮工程にお
いて、濃縮釜に固形分である汚泥が付着して、操作が中
断するような不具合が起こることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の工程を説明するブロック図で
ある。
【図2】図2は、本発明の一実施例の工程を説明するブ
ロック図である。
【図3】図3は、理懸濁液中に含有される成分の濃度を
発酵時間に対してプロットしたグラフである。
【図4】図4は、凍結法により分離した液層中に含有さ
れる成分の濃度を発酵時間に対してプロットしたグラフ
である。
【図5】図5は、凍結法により分離した液層中に含有さ
れる有機酸の濃度を発酵時間に対してプロットしたグラ
フである。
【図6】図6は、パームオイルの圧搾工程およびこの工
程から得られるパームオイル廃液の処理方法の一例を説
明するブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 9/00 504 C02F 9/00 504A 504E 1/04 ZAB 1/04 ZABD 1/22 ZAB 1/22 ZABA 3/28 3/28 Z C11B 13/00 C11B 13/00 C11C 3/00 C11C 3/00 C12P 7/40 C12P 7/40 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 9/00 501 C02F 3/28 C12P 7/40

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物油廃液を微生物による処理に供し、
    有機酸を含有する処理懸濁液を得る工程と;前記処理懸
    濁液を固層および前記有機酸を含有する液層に固液分離
    する工程と;前記有機酸を含有する液層を濃縮し、有機
    酸の濃縮液および蒸気を得る工程と;前記有機酸を含有
    する濃縮液を集積し、化学物質製造のための原料に供す
    る工程と;前記蒸気を凝縮させることにより、処理水を
    得る工程とを具備する植物油廃液の処理方法において、 前記固液分離が、前記処理懸濁液を凍結した後、融解
    し、固層と液層を分離する凍結分離法により行われるこ
    とと、 前記固液分離により得られる固層の少なくとも一部分を
    前記微生物による処理に再び供することを特徴とする植
    物油廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記植物油廃液が、パームオイル廃液で
    ある請求項1に記載の植物油廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記有機酸を含有する濃縮液の有機酸濃
    度が、5重量%以上である請求項1または2に記載の植
    物油廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記集積した有機酸を含有する濃縮液の
    量が、有機酸の重量に換算して、100kg以上である
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物油廃液の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 前記有機酸が、低級脂肪酸である請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の植物油廃液の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 前記集積した濃縮液を原料として供する
    ことにより製造される化学物質がケトン、アルデヒド、
    アルコール、炭化水素化合物あるいはプラスチック、メ
    タン、および水素からなる群から選択される汎用品であ
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の植物油廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 上記凝縮させて得た処理水のCODが、
    100ppm以下である請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載の植物油廃液の処理方法。
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