JP3411746B2 - 油圧シリンダのピストン構造 - Google Patents
油圧シリンダのピストン構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧シリンダのピス
トン構造に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、振動台の油圧加振機に使用され
る従来技術による油圧シリンダとしては、図4の部分縦
断面図に示すように、水平なシリンダ03内部に直径の
大きい円筒状のピストン01を有するピストンロッド0
2を挿入したものが知られている。 【0003】この種の複動形油圧シリンダでは、シリン
ダ03内のピストン01により区分された前部と後部の
油圧室04と05にそれぞれ給油孔06と07を介して
交互に高圧の作動油を供給することにより、ピストンロ
ッド02を水平方向に往復運動させている。 【0004】また、前部油圧室04と後部油圧室05と
の間の作動油のシールを行うとともに、ピストンロッド
02の横力および自重により発生する荷重をシリンダ内
周面031と接触して支持する際の油切れを防止するた
め、ピストン01の外周面011には複数の円周溝01
2が並設されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなピストン構造では、ピストンロッド02が高速
運動をしたり、それに作用する横力が大きくなると、ピ
ストン01の外周面011とシリンダ03の内周面03
1との間で油切れの現象が生じ、焼付きによる損傷を発
生するおそれがある。 【0006】本発明は、このような問題点を解決すべく
提案されたもので、ピストンの外周面とシリンダの内周
面との間の油切れを防止し、ピストンロッドが高速運動
をしたり、大きな横力を受けたりしても、焼付きによる
損傷を発生しない耐久性に優れた油圧シリンダのピスト
ン構造を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の油圧シリンダの
ピストン構造は、ピストン(10)により前後一対的に
形成される前部油圧室(40)と後部油圧室(50)に
交互に高圧の作動油が供給される複動形油圧シリンダの
ピストン構造において、前記ピストンの外周面のピスト
ン前端面を含む前部及びピストン後端面を含む後部にそ
れぞれ円周方向に等間隔で刻設された複数の比較的浅い
凹部(13a、13b)と、前記前部油圧室と後部油圧
室からそれぞれ前記前部凹部と後部凹部に通じる該前部
凹部及び後部凹部と同数の連通油路(14a、14b)
と、前記各前部連通油路及び後部連通油路にそれぞれ嵌
設され前記前部油圧室側及び後部油圧室側からピストン
外周面に刻設された凹部に向う作動油の流動のみが許さ
れ凹部から油圧室への流動は抑止する逆止弁(15a、
15b)とを有して成ることを特徴としている。 【0008】 【作用】前述のような構成としたことにより、本発明に
よる複動形の油圧シリンダのピストン構造では次のよう
に作用する。複動形油圧シリンダはピストンの往き行
程、戻り行程とも油圧の働きによって作動させる方式の
もので、シリンダ内に流入する作動油の圧力をPH、流
出側に働く油圧(背圧)をPLとすると、ピストンは交
互にその圧力差に応じた推力を受け、作動油の流量に応
じた速度でシリンダ内を往復運動する。 【0009】ピストンがシリンダ内を摺動する際のピス
トン外周面とシリンダ内周面の間のすきまにおける作動
油の圧力分布について、図3に示すように油圧室40に
流入する作動油の圧力が高圧PHで、流出側となる油圧
室50側の背圧がPLで、ピストン10が矢印Dの方向
に摺動する場合について説明する。ピストン10を静止
させているとすると、ピストンに作用する流入圧PHと
背圧PLによって実線abcdで示されるような静圧に
よる油圧分布となる。 【0010】ピストン10が矢印Dの方向に摺動し運動
に伴う流体流れがある場合は動圧が発生することになる
が、ピストン外周面に凹部13a、13bが刻設されて
いても、連通油路14a、14bが穿設されておらず逆
止弁15a、15bも嵌設されていないとすると、ピス
トンの進行方向に対して後方となる凹部13a近傍と前
方となる凹部13b近傍での動圧分布は次のようにな
る。 【0011】凹部13aからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストン外周面11とシリンダ内周面3
1の間の狭いすきまがピストンの進行に伴い進行方向後
方の凹部13aで急に拡大するので減圧され、点線ef
gで示されるような三角形状の負の動圧分布となる。 【0012】凹部13bからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストンの進行方向の前方にある凹部1
3bよりも後方になるピストン外周面11とシリンダ内
周面31の間のほうがすきまが狭いので圧力が上昇し、
点線hijで示されるような三角形状の正の動圧分布と
なる。 【0013】従来例の構造のように連通油路、従って逆
止弁も無い場合には、前記2つの動圧と静圧分布の単純
な重畳により、一点鎖線amndで示され油圧分布とな
り、進行方向後方にある凹部13a近傍では油圧分布の
レベルが低下し、ピストン10が半径方向に押圧される
場合の油圧による支承能力が低下する。 【0014】本発明による連通油路の穿設と逆止弁の嵌
設は、ピストンの進行方向の後方に位置するピストン外
周面の凹部近傍における油圧分布のレベル低下を抑止す
るための手段で、シリンダ内に流入した作動油の圧力P
Hで逆止弁を押し開いて高圧側の油室を凹部へ連通させ
る。しかし、進行方向の前方、即ち背圧PLの作用する
側の逆止弁は、弁ばねの付勢力のほうが背圧による力よ
り大きいので弁は閉止状態を保ち、凹部側から背圧側の
油室へ動圧が抜けることはない。 【0015】前述のように、ピストン10の往き行程に
おいても戻り行程においても、連通油路14a、14b
と逆止弁15a、15bとは、負の動圧発生時には油圧
分布のレベル低下を抑止し、正の動圧発生時には動圧が
放出されてしまう不具合を防止する作用をもたらすもの
であり、集約した油圧分布は実線と鎖線によるabnd
によって示される。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る複動形
油圧シリンダのピストン構造の部分縦断面図を図1に、
正面図を図2に示した。これらの図を参照してピストン
の構造について説明する。図1、2において、10は油
圧の作用によりシリンダ30内で往き行程と戻り行程の
作動をするピストン、20はピストンロッド、40と5
0はシリンダ内のピストンの前後に形成され、それぞれ
作動油通路(図示されていない)を介して交互に高圧の
作動油が供給される油圧室、11はピストンの外周面、
31はシリンダの内周面である。12aと12bはピス
トン10の前端面及び後端面であり、13aと13bは
ピストンの前端面12aを含むピストン外周面の前部、
及びピストンの後端面12bを含むピストン外周面の後
部に、それぞれ前後一対的に円周方向に等間隔に刻設さ
れた比較的浅い凹部である。 【0017】14aと14bは、ピストン10の前端面
12a及び後端面12bの中間レベルに軸方向に穿設さ
れ、ピストン10の前後に形成された油圧室40、50
と前記ピストン外周面の前部と後部に刻設された凹部1
3a、13bの終端に近い部位とを連通する油路であ
る。15aと15bはそれぞれ前記の連通油路14a、
14b内に嵌設され、高圧の作動油が供給された際に前
記油圧室40、50側からピストン外周面に刻設された
凹部13a、13b側へ向う作動油の流動のみが許さ
れ、その逆の凹部側から油圧室側への流動は抑止される
逆止弁である。 【0018】前述のような構成としたことにより、本発
明による複動形の油圧シリンダのピストン構造では次の
ように作用する。複動形油圧シリンダはピストンの往き
行程、戻り行程とも油圧の働きによって作動させる方式
のもので、シリンダ内に流入する高圧の作動油の圧力を
PH、流出側に働く油圧(背圧)をPLとすると、ピスト
ンは交互にその圧力差に応じた推力を受け、作動油の流
量に応じた速度でシリンダ内を往復運動する。 【0019】ピストン10がシリンダ30内を摺動する
際のピストン外周面11とシリンダ内周面31の間のす
きまにおける作動油の圧力分布について、図3に示すよ
うに油圧室40に流入する作動油の圧力が高圧PHで、
流出側となる油圧室50側の背圧がPLで、ピストン1
0が矢印Dの方向に摺動する場合について説明する。ピ
ストン10を静止させているとすると、ピストンに作用
する流入圧PHと背圧PLによって実線abcdで示され
るような静圧による油圧分布となる。 【0020】ピストン10が矢印Dの方向に摺動し運動
に伴う流体流れがある場合は動圧が発生することになる
が、ピストン外周面に凹部13a、13bが刻設されて
いても、連通油路14a、14bが穿設されておらず逆
止弁15a、15bも嵌設されていないとすると、ピス
トンの進行方向に対して後方となる凹部13a近傍と前
方となる凹部13b近傍での動圧分布は次のようにな
る。 【0021】凹部13aからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストン外周面11とシリンダ内周面3
1の間の狭いすきまがピストンの進行に伴い進行方向後
方の凹部13aで急に拡大するので減圧され、点線ef
gで示されるような三角形状の負の動圧分布となる。 【0022】凹部13bからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストンの進行方向の前方にある凹部1
3bよりも後方になるピストン外周面11とシリンダ内
周面31の間のほうがすきまが狭いので圧力が上昇し、
点線hijで示されるような三角形状の正の動圧分布と
なる。 【0023】従来例の構造のように連通油路、従って逆
止弁も無い場合には、前記2つの動圧と静圧分布の単純
な重畳により、一点鎖線amndで示され油圧分布とな
り、進行方向後方にある凹部13a近傍では油圧分布の
レベルが低下し、ピストン10が半径方向に押圧される
場合の油圧による支承能力が低下する。 【0024】本発明による連通油路の穿設と逆止弁の嵌
設は、ピストンの進行方向の後方に位置するピストン外
周面の凹部近傍における油圧分布のレベル低下を抑止す
るための手段で、シリンダ内に流入した作動油の圧力P
Hで逆止弁を押し開いて高圧側の油室を凹部へ連通させ
る。しかし、進行方向の前方、即ち背圧PLの作用する
側の逆止弁は、弁ばねの付勢力のほうが背圧による力よ
り大きいので弁は閉止状態を保ち、凹部側から背圧側の
油室へ動圧が抜けることはない。 【0025】前述のように、ピストン10の往き行程に
おいても戻り行程においても、連通油路14a、14b
と逆止弁15a、15bとは、負の動圧発生時には油圧
分布のレベル低下を抑止し、正の動圧発生時には動圧が
放出されてしまう不具合を防止する作用をもたらすもの
であり、集約した油圧分布は実線と鎖線によるabnd
によって示される。 【0026】上述した作用は、一方でシリンダ30内に
流入し、他方ではシリンダ30外に押しのけられる作動
油の流動方向が方向切換弁(図示されていない)によっ
て切換えられ、油圧室40と50に作用する油圧の高低
が交互に反転し、従ってピストン10の運動する方向が
反対方向になる場合でも全く同様となる。 【0027】 【発明の効果】要するに本発明によれば、ピストン10
により前後一対的に形成される前部油圧室40と後部油
圧室50に交互に高圧の作動油が供給される複動形油圧
シリンダのピストン構造において、前記ピストンの外周
面のピストン前端面を含む前部及びピストン後端面を含
む後部にそれぞれ円周方向に等間隔で設けられた複数の
比較的浅い凹部13a、13bと、前記前部油圧室と後
部油圧室からそれぞれ前記前部凹部と後部凹部に通じる
連通油路14a、14bと、該前部連通油路と後部連通
油路に嵌設され高圧の作動油が供給された油圧室からピ
ストン外周面に刻設された凹部に向う作動油の流動のみ
が許され凹部から油圧室への流動は抑止する逆止弁15
a、15bとを有して成ることにより次のような効果が
得られる。 【0028】ピストンの外周面とシリンダの内周面との
間の油切れを防止し、ピストンロッドが高速運動をした
り、大きな横力を受けたりしても、焼付きによる損傷を
発生しない耐久性に優れた油圧シリンダのピストン構造
を得ることができる。
トン構造に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、振動台の油圧加振機に使用され
る従来技術による油圧シリンダとしては、図4の部分縦
断面図に示すように、水平なシリンダ03内部に直径の
大きい円筒状のピストン01を有するピストンロッド0
2を挿入したものが知られている。 【0003】この種の複動形油圧シリンダでは、シリン
ダ03内のピストン01により区分された前部と後部の
油圧室04と05にそれぞれ給油孔06と07を介して
交互に高圧の作動油を供給することにより、ピストンロ
ッド02を水平方向に往復運動させている。 【0004】また、前部油圧室04と後部油圧室05と
の間の作動油のシールを行うとともに、ピストンロッド
02の横力および自重により発生する荷重をシリンダ内
周面031と接触して支持する際の油切れを防止するた
め、ピストン01の外周面011には複数の円周溝01
2が並設されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなピストン構造では、ピストンロッド02が高速
運動をしたり、それに作用する横力が大きくなると、ピ
ストン01の外周面011とシリンダ03の内周面03
1との間で油切れの現象が生じ、焼付きによる損傷を発
生するおそれがある。 【0006】本発明は、このような問題点を解決すべく
提案されたもので、ピストンの外周面とシリンダの内周
面との間の油切れを防止し、ピストンロッドが高速運動
をしたり、大きな横力を受けたりしても、焼付きによる
損傷を発生しない耐久性に優れた油圧シリンダのピスト
ン構造を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の油圧シリンダの
ピストン構造は、ピストン(10)により前後一対的に
形成される前部油圧室(40)と後部油圧室(50)に
交互に高圧の作動油が供給される複動形油圧シリンダの
ピストン構造において、前記ピストンの外周面のピスト
ン前端面を含む前部及びピストン後端面を含む後部にそ
れぞれ円周方向に等間隔で刻設された複数の比較的浅い
凹部(13a、13b)と、前記前部油圧室と後部油圧
室からそれぞれ前記前部凹部と後部凹部に通じる該前部
凹部及び後部凹部と同数の連通油路(14a、14b)
と、前記各前部連通油路及び後部連通油路にそれぞれ嵌
設され前記前部油圧室側及び後部油圧室側からピストン
外周面に刻設された凹部に向う作動油の流動のみが許さ
れ凹部から油圧室への流動は抑止する逆止弁(15a、
15b)とを有して成ることを特徴としている。 【0008】 【作用】前述のような構成としたことにより、本発明に
よる複動形の油圧シリンダのピストン構造では次のよう
に作用する。複動形油圧シリンダはピストンの往き行
程、戻り行程とも油圧の働きによって作動させる方式の
もので、シリンダ内に流入する作動油の圧力をPH、流
出側に働く油圧(背圧)をPLとすると、ピストンは交
互にその圧力差に応じた推力を受け、作動油の流量に応
じた速度でシリンダ内を往復運動する。 【0009】ピストンがシリンダ内を摺動する際のピス
トン外周面とシリンダ内周面の間のすきまにおける作動
油の圧力分布について、図3に示すように油圧室40に
流入する作動油の圧力が高圧PHで、流出側となる油圧
室50側の背圧がPLで、ピストン10が矢印Dの方向
に摺動する場合について説明する。ピストン10を静止
させているとすると、ピストンに作用する流入圧PHと
背圧PLによって実線abcdで示されるような静圧に
よる油圧分布となる。 【0010】ピストン10が矢印Dの方向に摺動し運動
に伴う流体流れがある場合は動圧が発生することになる
が、ピストン外周面に凹部13a、13bが刻設されて
いても、連通油路14a、14bが穿設されておらず逆
止弁15a、15bも嵌設されていないとすると、ピス
トンの進行方向に対して後方となる凹部13a近傍と前
方となる凹部13b近傍での動圧分布は次のようにな
る。 【0011】凹部13aからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストン外周面11とシリンダ内周面3
1の間の狭いすきまがピストンの進行に伴い進行方向後
方の凹部13aで急に拡大するので減圧され、点線ef
gで示されるような三角形状の負の動圧分布となる。 【0012】凹部13bからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストンの進行方向の前方にある凹部1
3bよりも後方になるピストン外周面11とシリンダ内
周面31の間のほうがすきまが狭いので圧力が上昇し、
点線hijで示されるような三角形状の正の動圧分布と
なる。 【0013】従来例の構造のように連通油路、従って逆
止弁も無い場合には、前記2つの動圧と静圧分布の単純
な重畳により、一点鎖線amndで示され油圧分布とな
り、進行方向後方にある凹部13a近傍では油圧分布の
レベルが低下し、ピストン10が半径方向に押圧される
場合の油圧による支承能力が低下する。 【0014】本発明による連通油路の穿設と逆止弁の嵌
設は、ピストンの進行方向の後方に位置するピストン外
周面の凹部近傍における油圧分布のレベル低下を抑止す
るための手段で、シリンダ内に流入した作動油の圧力P
Hで逆止弁を押し開いて高圧側の油室を凹部へ連通させ
る。しかし、進行方向の前方、即ち背圧PLの作用する
側の逆止弁は、弁ばねの付勢力のほうが背圧による力よ
り大きいので弁は閉止状態を保ち、凹部側から背圧側の
油室へ動圧が抜けることはない。 【0015】前述のように、ピストン10の往き行程に
おいても戻り行程においても、連通油路14a、14b
と逆止弁15a、15bとは、負の動圧発生時には油圧
分布のレベル低下を抑止し、正の動圧発生時には動圧が
放出されてしまう不具合を防止する作用をもたらすもの
であり、集約した油圧分布は実線と鎖線によるabnd
によって示される。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る複動形
油圧シリンダのピストン構造の部分縦断面図を図1に、
正面図を図2に示した。これらの図を参照してピストン
の構造について説明する。図1、2において、10は油
圧の作用によりシリンダ30内で往き行程と戻り行程の
作動をするピストン、20はピストンロッド、40と5
0はシリンダ内のピストンの前後に形成され、それぞれ
作動油通路(図示されていない)を介して交互に高圧の
作動油が供給される油圧室、11はピストンの外周面、
31はシリンダの内周面である。12aと12bはピス
トン10の前端面及び後端面であり、13aと13bは
ピストンの前端面12aを含むピストン外周面の前部、
及びピストンの後端面12bを含むピストン外周面の後
部に、それぞれ前後一対的に円周方向に等間隔に刻設さ
れた比較的浅い凹部である。 【0017】14aと14bは、ピストン10の前端面
12a及び後端面12bの中間レベルに軸方向に穿設さ
れ、ピストン10の前後に形成された油圧室40、50
と前記ピストン外周面の前部と後部に刻設された凹部1
3a、13bの終端に近い部位とを連通する油路であ
る。15aと15bはそれぞれ前記の連通油路14a、
14b内に嵌設され、高圧の作動油が供給された際に前
記油圧室40、50側からピストン外周面に刻設された
凹部13a、13b側へ向う作動油の流動のみが許さ
れ、その逆の凹部側から油圧室側への流動は抑止される
逆止弁である。 【0018】前述のような構成としたことにより、本発
明による複動形の油圧シリンダのピストン構造では次の
ように作用する。複動形油圧シリンダはピストンの往き
行程、戻り行程とも油圧の働きによって作動させる方式
のもので、シリンダ内に流入する高圧の作動油の圧力を
PH、流出側に働く油圧(背圧)をPLとすると、ピスト
ンは交互にその圧力差に応じた推力を受け、作動油の流
量に応じた速度でシリンダ内を往復運動する。 【0019】ピストン10がシリンダ30内を摺動する
際のピストン外周面11とシリンダ内周面31の間のす
きまにおける作動油の圧力分布について、図3に示すよ
うに油圧室40に流入する作動油の圧力が高圧PHで、
流出側となる油圧室50側の背圧がPLで、ピストン1
0が矢印Dの方向に摺動する場合について説明する。ピ
ストン10を静止させているとすると、ピストンに作用
する流入圧PHと背圧PLによって実線abcdで示され
るような静圧による油圧分布となる。 【0020】ピストン10が矢印Dの方向に摺動し運動
に伴う流体流れがある場合は動圧が発生することになる
が、ピストン外周面に凹部13a、13bが刻設されて
いても、連通油路14a、14bが穿設されておらず逆
止弁15a、15bも嵌設されていないとすると、ピス
トンの進行方向に対して後方となる凹部13a近傍と前
方となる凹部13b近傍での動圧分布は次のようにな
る。 【0021】凹部13aからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストン外周面11とシリンダ内周面3
1の間の狭いすきまがピストンの進行に伴い進行方向後
方の凹部13aで急に拡大するので減圧され、点線ef
gで示されるような三角形状の負の動圧分布となる。 【0022】凹部13bからピストン外周面11にかけ
ての領域では、ピストンの進行方向の前方にある凹部1
3bよりも後方になるピストン外周面11とシリンダ内
周面31の間のほうがすきまが狭いので圧力が上昇し、
点線hijで示されるような三角形状の正の動圧分布と
なる。 【0023】従来例の構造のように連通油路、従って逆
止弁も無い場合には、前記2つの動圧と静圧分布の単純
な重畳により、一点鎖線amndで示され油圧分布とな
り、進行方向後方にある凹部13a近傍では油圧分布の
レベルが低下し、ピストン10が半径方向に押圧される
場合の油圧による支承能力が低下する。 【0024】本発明による連通油路の穿設と逆止弁の嵌
設は、ピストンの進行方向の後方に位置するピストン外
周面の凹部近傍における油圧分布のレベル低下を抑止す
るための手段で、シリンダ内に流入した作動油の圧力P
Hで逆止弁を押し開いて高圧側の油室を凹部へ連通させ
る。しかし、進行方向の前方、即ち背圧PLの作用する
側の逆止弁は、弁ばねの付勢力のほうが背圧による力よ
り大きいので弁は閉止状態を保ち、凹部側から背圧側の
油室へ動圧が抜けることはない。 【0025】前述のように、ピストン10の往き行程に
おいても戻り行程においても、連通油路14a、14b
と逆止弁15a、15bとは、負の動圧発生時には油圧
分布のレベル低下を抑止し、正の動圧発生時には動圧が
放出されてしまう不具合を防止する作用をもたらすもの
であり、集約した油圧分布は実線と鎖線によるabnd
によって示される。 【0026】上述した作用は、一方でシリンダ30内に
流入し、他方ではシリンダ30外に押しのけられる作動
油の流動方向が方向切換弁(図示されていない)によっ
て切換えられ、油圧室40と50に作用する油圧の高低
が交互に反転し、従ってピストン10の運動する方向が
反対方向になる場合でも全く同様となる。 【0027】 【発明の効果】要するに本発明によれば、ピストン10
により前後一対的に形成される前部油圧室40と後部油
圧室50に交互に高圧の作動油が供給される複動形油圧
シリンダのピストン構造において、前記ピストンの外周
面のピストン前端面を含む前部及びピストン後端面を含
む後部にそれぞれ円周方向に等間隔で設けられた複数の
比較的浅い凹部13a、13bと、前記前部油圧室と後
部油圧室からそれぞれ前記前部凹部と後部凹部に通じる
連通油路14a、14bと、該前部連通油路と後部連通
油路に嵌設され高圧の作動油が供給された油圧室からピ
ストン外周面に刻設された凹部に向う作動油の流動のみ
が許され凹部から油圧室への流動は抑止する逆止弁15
a、15bとを有して成ることにより次のような効果が
得られる。 【0028】ピストンの外周面とシリンダの内周面との
間の油切れを防止し、ピストンロッドが高速運動をした
り、大きな横力を受けたりしても、焼付きによる損傷を
発生しない耐久性に優れた油圧シリンダのピストン構造
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧シリンダのピス
トン構造の部分縦断面図。 【図2】図1に示した油圧シリンダのピストン構造の正
面図。 【図3】図1に示した油圧シリンダのピストン構造の作
用を説明する部分縦断面図と油圧分布線図。 【図4】従来技術による油圧シリンダのピストン構造を
示す部分縦断面図。 【符号の説明】 10…ピストン、11…ピストンの外周面、12a、1
2b…ピストンの端面、13a、13b…ピストンの側
面の凹部、14a、14b…連通油路、15a、15b
…逆止弁、20…ピストンロッド、30…シリンダ、3
1…シリンダの内周面、40、50…油圧室、PH…高
油圧、PL…低油圧、D…ピストンの運動方向。
トン構造の部分縦断面図。 【図2】図1に示した油圧シリンダのピストン構造の正
面図。 【図3】図1に示した油圧シリンダのピストン構造の作
用を説明する部分縦断面図と油圧分布線図。 【図4】従来技術による油圧シリンダのピストン構造を
示す部分縦断面図。 【符号の説明】 10…ピストン、11…ピストンの外周面、12a、1
2b…ピストンの端面、13a、13b…ピストンの側
面の凹部、14a、14b…連通油路、15a、15b
…逆止弁、20…ピストンロッド、30…シリンダ、3
1…シリンダの内周面、40、50…油圧室、PH…高
油圧、PL…低油圧、D…ピストンの運動方向。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭55−27542(JP,A)
特開 昭49−51468(JP,A)
実開 平2−145308(JP,U)
実開 昭57−49902(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16J 1/08
F15B 15/14 345
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ピストン(10)により前後一対的に形
成される前部油圧室(40)と後部油圧室(50)に交
互に高圧の作動油が供給される複動形油圧シリンダのピ
ストン構造において、前記ピストンの外周面のピストン
前端面を含む前部及びピストン後端面を含む後部にそれ
ぞれ円周方向に等間隔で刻設された複数の比較的浅い凹
部(13a、13b)と、前記前部油圧室と後部油圧室
からそれぞれ前記前部凹部と後部凹部に通じる該前部凹
部及び後部凹部と同数の連通油路(14a、14b)
と、前記各前部連通油路及び後部連通油路にそれぞれ嵌
設され前記前部油圧室側及び後部油圧室側からピストン
外周面に刻設された凹部に向う作動油の流動のみが許さ
れ凹部から油圧室への流動は抑止する逆止弁(15a、
15b)とを有して成ることを特徴とする油圧シリンダ
のピストン構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06166696A JP3411746B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 油圧シリンダのピストン構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06166696A JP3411746B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 油圧シリンダのピストン構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229018A JPH09229018A (ja) | 1997-09-02 |
JP3411746B2 true JP3411746B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=13177792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06166696A Expired - Fee Related JP3411746B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 油圧シリンダのピストン構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3411746B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP06166696A patent/JP3411746B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09229018A (ja) | 1997-09-02 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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