JP2000266046A - 軸受予圧用油圧回路及び主軸装置並びにころがり軸受の予圧方法 - Google Patents

軸受予圧用油圧回路及び主軸装置並びにころがり軸受の予圧方法

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JP2000266046A
JP2000266046A JP7103399A JP7103399A JP2000266046A JP 2000266046 A JP2000266046 A JP 2000266046A JP 7103399 A JP7103399 A JP 7103399A JP 7103399 A JP7103399 A JP 7103399A JP 2000266046 A JP2000266046 A JP 2000266046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予圧性能を高める。 【解決手段】 戻し用油圧室Raを脱圧し、予圧用後側
油圧室Rbと予圧用前側油圧室Rcに作動油を供給する
と(図1)、定位置の重予圧となり、油圧室Ra,Rb
を脱圧し、油圧室Rcに作動油を供給すると、定位置の
中予圧となり、油圧室Ra,Rcを脱圧し、油圧室Rb
に作動油を供給すると(Δ2 >Δ1 )、定位置の低予圧
となる。また、油圧室Ra,Rbに作動油を供給して油
圧室Rcを脱圧すると定圧予圧となる。この場合は、予
圧ばね17の力を含めた設定油圧力PD よりも軸受内部
の予圧が高くなると、後側ピストン部材9が前側に移動
し外輪スパンLを短くして予圧の上昇を抑える。なお、
油圧室Raの受圧面積A1 よりも油圧室Rbの受圧面積
A2 が大きくされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸等
のころがり軸受に予圧をかける軸受予圧用油圧回路及び
主軸装置並びにころがり軸受の予圧方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、ハウジング61内
に、主軸62をタンデム配置の前後2組のころがり軸受
63,64で回転自在に支持した工作機械の主軸装置に
おいては、一般に、ころがり軸受63,64の外輪の間
にそれらに予圧を付加して間座65を組み込むことが行
われている。
【0003】この予圧方式はシンプルであるが、図8の
ように、高速回転で軸受予圧が急上昇して焼付きに至る
ため(予圧A曲線)、回転数nB まで運転するには組込
み時に停止時予圧PA が与えられず、組込み時に予圧が
抜けてガタになる予圧PB の予圧B曲線を取らなければ
ならない。このため、低速回転時に主軸剛性がなく、切
削能力が劣ってしまうことになる。
【0004】そこで、実公平4−53457号公報と特
許第2528236号公報において、次のような主軸装
置が提案されている。
【0005】(実公平4−53457号公報)この主軸
装置は、図9に示すように、ハウジング61内に、主軸
62を、前後2組のころがり軸受63,64で回転自在
に支持した主軸装置であって、ころがり軸受63の外輪
に嵌着されてハウジング61の後端部に主軸62の軸方
向に移動自在に嵌挿された可動スリーブ部材66と、ハ
ウジング61に形成された油圧室Rr内に軸方向に移動
自在に装入され、介在部材67を介して可動スリーブ部
材66を後側(図9で右側)に移動させてころがり軸受
63の外輪に予圧をかけるピストン部材68と、可動ス
リーブ部材66を後側に付勢してころがり軸受63の外
輪に予圧をかける予圧ばね69と、介在部材67を介し
てピストン部材68を前側に押し戻す戻しばね70とを
備え、図10に示すように、主軸62の低速回転時に
は、油圧回路(図示せず)から油圧室Rrに作動油を供
給してピストン部材68と予圧ばね69とで可動スリー
ブ部材66を後側に押して定位置予圧を行い、また高速
回転時には、予圧ばね69のみで可動スリーブ部材66
を押して定圧予圧を行うことができる構造となってい
る。
【0006】(特許第2528236号公報)この主軸
装置は、図11に示すように、ハウジング61内に、主
軸62を、前後2組のころがり軸受63(前側のころが
り軸受は図示されていない。)で回転自在に支持した主
軸装置であって、ころがり軸受63の外輪に嵌着されて
ハウジング61の後端部に主軸62の軸方向に移動自在
に嵌挿された可動スリーブ部材66と、油圧室Rs,R
t内に軸方向に移動自在に装入され、可動スリーブ部材
66を後側(図11で右側)に移動させてころがり軸受
63の外輪に予圧をかけるピストン部材68と、ハウジ
ング61に取り付けられ、可動スリーブ部材66とピス
トン部材68の移動量を制限する調整部材72とを備
え、図12のように、定位置予圧を3段に切り換え、低
速時の予圧を高めて焼付き限界内に推移させることがで
きるようになっている。符号73は、油圧室Rs,Rt
に作動油を供給する油圧回路であり、油圧ポンプ74を
主体とする。
【0007】なお、図12において、δ1 はころがり軸
受63の初期隙間(初期隙間の総和)、δ2 は調整部材
72と可動スリーブ部材66の間に形成される隙間、δ
3 は調整部材72とピストン部材68の間に形成される
隙間である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の主軸装
置には次のような問題点がある。 (実公平4−53457号公報) (イ) 高速回転設定の定圧予圧時に、切削力により主
軸62が予圧ばね69のばね力よりも大きい力で引っ張
られると、主軸62が動き、振れ回ることでころがり軸
受に損傷を与える。
【0009】(ロ) 定圧予圧量を定位置予圧量よりも
大きく設定できない。小さなばね力の定圧予圧時は切削
能力が低下してしまう。 (ハ) プッシュロッドを主軸62の後部から前に押し
て工具の把持を解く構造の主軸装置の場合、プッシュロ
ッドの操作時に主軸62が前に出てしまう。 (ニ) 高速(定圧予圧)と低速(定位置予圧)の2段
しか切り換えられない。
【0010】(特許第2528236号公報) (ホ) 全域定位置予圧方式であるため、回転数を高く
するほど高速回転側の予圧設定「予圧C曲線」になる
が、組込み時に予圧抜けする量が増える。 (ヘ) 高速回転設定で回転指令を与えると、低速回転
時に予圧抜けしているため、加速・減速時にころがり軸
受63のボールがスリップを起こして発熱を生じたり、
回転がガタつくなどの現象を生じる。
【0011】(ト) 高速回転側では停止時に予圧抜け
で主軸62がガタつき、振れ精度がでない。 (チ) 予圧を高めた後に、予圧を下げる操作を行って
も可動スリーブ部材66のOリングが抵抗となり動きが
悪い。 (リ) 予圧切換えの段数を多くするほど組込みスペー
スが長く必要になる。
【0012】また、いずれかの主軸装置も、油圧ポンプ
74(図11)で作動油を油圧室に供給する構造となっ
ているが、油流量が非常に少なく、油圧の圧力調整弁で
は、油の流れがある程度生じないと圧力が変化しにくい
ため、幾つかの圧力調整弁をセットして切り換えて圧力
制御することになり、連続可変にできない。
【0013】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
性能の良い軸受予圧用油圧回路と主軸装置、及び合理的
なころがり軸受の予圧方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、油圧室に作動油を供給し
てピストン部材でころがり軸受の外輪を押圧する軸受予
圧用油圧回路であって、空圧源と、該空圧源の空気圧を
油圧に変換して作動油を油管路を通じて油圧室に供給す
るエアオイルブースタと、上記空圧源に上記エアオイル
ブースタを連絡した空気管路に設けられ、空圧源による
エアオイルブースタの加圧と脱圧を切り換える電磁方向
切換弁とを具備した構成とした。
【0015】上記の手段では、電磁方向切換弁を加圧状
態にすると、空圧源の空気圧によってエアオイルブース
タが作動し、作動油を油圧室に供給する。また、電磁方
向切換弁を脱圧に切り換えると、エアオイルブースタの
脱圧によって油圧室が脱圧状態となる。エアオイルブー
スタは、空気の受圧面積と作動油の加圧面積の差によ
り、空気源から与えられた空気圧を油圧に変換(通常は
増圧)するが、作動油の使用流量が微量(例えば、0.
005〜1.5cc)でも圧力を確実に調整できるた
め、無段階の連続的な圧力調整を可能とする上、油圧室
の圧力が異常に上昇したような場合、空気のクッション
作用によって上昇圧力を吸収する。
【0016】上記の軸受予圧油用圧回路において、空気
管路に電空レギュレータを設けることが好ましい(請求
項2)。この構成では、電空レギュレータは、NC装置
等からの電圧式や電流式等の外部指令によって作動し、
空気圧を調整して油圧室の作動油圧力を制御する。この
場合、使用空気流量が少なくても確実に圧力が調整され
るので、圧力制御が連続して迅速にかつ容易にできるよ
うになる。
【0017】また、油管路に電磁比例流量制御弁を設け
ることが好ましい(請求項3)。この構成では、電磁比
例流量制御弁で作動油の流量を制御する。この場合、通
常は、電磁比例流量制御弁を開くことにより、作動油の
流量を多くして短時間で作動油を油圧室に供給し、その
後は、電磁比例流量制御弁を絞って作動油の流動抵抗を
大きくすることにより、例えば、断続切削力のピークが
油圧力により大きくなった時に生じる主軸の振動を軽減
させる。主軸の振動量と周波数は切削条件によって異な
るため、電磁比例流量制御弁の開度を幾つか設定して使
い分けることで減衰特性を変えて最良の切削を選定でき
る。
【0018】また、油管路にノンリーク形切換弁を設け
ることが好ましい(請求項4)。この構成では、ノンリ
ーク形切換弁で油管路を開閉する。油管路を閉じて、例
えば、可動スリーブ部材を固定することにより、工具交
換時における主軸の変位を抑えてガタつきを防ぐことが
可能になる。
【0019】請求項5記載の発明は、ハウジング内に、
主軸が、ころがり軸受で回転自在に支持された主軸装置
において、上記ころがり軸受の外輪に嵌着されるととも
に戻し用油圧室を形成して上記ハウジングに主軸の軸方
向に移動自在に嵌挿された可動スリーブ部材と、予圧用
後側油圧室を有し、上記可動スリーブ部材の前端部に一
体に固定された押圧部材と、上記予圧用後側油圧室内に
軸方向に移動自在に装入され、上記押圧部材を後側に移
動させて上記ころがり軸受の外輪に予圧をかける後側ピ
ストン部材と、上記押圧部材の前端部に固定され、上記
後側ピストン部材の前側への移動を阻止する後側ストッ
パ部材と、予圧用前側油圧室を有し、該予圧用前側油圧
室を上記予圧用後側油圧室に向き合わせてハウジングに
一体に固定された固定スリーブ部材と、上記予圧用前側
油圧室内に軸方向に移動自在に装入された前側ピストン
部材と、上記固定スリーブ部材の後端部に上記後側スト
ッパ部材に向き合わせて設けられ、上記前側ピストン部
材の後側への移動を阻止する前側ストッパ部材と、上記
後側ピストン部材と前側ピストン部材との間及び上記押
圧部材と固定スリーブ部材との間に軸方向に移動自在に
設けられた中間部材と、上記後側ストッパ部材と前側ス
トッパ部材の部分にそれらの間隔が大きくなるように付
勢して設けられた予圧ばねとを具備した構成とした。
【0020】この手段では、戻し用油圧室を脱圧状態に
して予圧用後側油圧室と予圧用前側油圧室に油圧回路か
ら作動油を供給すると、後側ピストン部材と前側ピスト
ン部材とが油圧力により後側ストッパ部材と前側ストッ
パ部材とにそれぞれ強く押し付けられ、中間部材を介し
て可動スリーブ部材と固定スリーブ部材を突っ張る。油
圧力を最大切削スラスト力よりも充分大きくすること
で、切削力が主軸に作用しても両ピストン部材が動くこ
とはなく、定位置の重予圧に相当する性能が得られる。
【0021】また、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室を
脱圧状態にし、予圧用前側油圧室に作動油を供給して前
側ピストン部材に最大切削スラスト力以上の油圧力を作
用させると、前側ピストン部材が中間部材を介し押圧部
材を強く押して前側ストッパ部材に押し付けられ、ころ
がり軸受に予圧を付加する。この場合は、中間部材が押
圧部材に当接してそれらの間の隙間をなくしており、タ
ンデム配置のころがり軸受の外輪スパンが上記の隙間分
短くなっている結果、定位置の中予圧となる。
【0022】また、戻し用油圧室と予圧用前側油圧室を
脱圧状態にし、予圧用後側油圧室に作動油を供給して後
側ピストン部材に最大切削スラスト力以上の油圧力を作
用させると、後側ピストン部材が中間部材を固定スリー
ブ部材に押し付けて後側ストッパ部材に押し付けられ、
押圧部材を可動スリーブ部材側に動かしてころがり軸受
に定位置の予圧を加える。また、予圧用前側油圧室を脱
圧状態にし、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室に油圧回
路から作動油を供給した状態では、油圧力と予圧ばねの
ばね力がころがり軸受の予圧に働く。この場合は、定圧
予圧となる。
【0023】なお、前側ピストン部材等の「前側」は、
通常、工具が装着される主軸の先端側であり、「後側」
はその反対側であるが、絶対的なものではなく、見る方
向によって変わるので、上記の逆に解釈することもでき
る。
【0024】上記の主軸装置において、戻し用油圧室の
受圧面積よりも予圧用後側油圧室の受圧面積を大きくす
ることができる(請求項6)。この構成では、戻し用油
圧室と予圧用後側油圧室に同一圧力の作動油を供給した
場合、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室の受圧面積差に
対応した力が働いて予圧を高める。したがって、戻し用
油圧室と予圧用後側油圧室の油圧回路を同一にすること
が可能となる。
【0025】また、後側ピストン部材が後側ストッパ部
材と中間部材とに当接するとともに、前側ピストン部材
が前側ストッパ部材と中間部材とに当接した状態におけ
る、押圧部材と中間部材との間の隙間よりも固定スリー
ブ部材と中間部材との間の隙間を大きくした構成とする
ことができる(請求項7)。この構成では、戻し用油圧
室と予圧用前側油圧室を脱圧状態にして予圧用後側油圧
室に作動油を供給した場合、中間部材が固定スリーブ部
材に隙間を無くして当接し、タンデム配置のころがり軸
受の外輪スパンが、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室と
を脱圧状態にして予圧用前側油圧室に作動油を供給した
時の外輪スパンよりも小さくなっているので、最低の定
位置予圧となる。
【0026】また、請求項5ないし7のいずれか1つに
記載の主軸装置において、油圧室に作動油を供給する油
圧回路を、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の軸
受予圧用油圧回路とすることが望ましい(請求項8)。
この構成では、請求項1ないし4のいずれかに記載され
た軸受予圧用油圧回路の前記の機能を生かして請求項5
ないし7のいずれかに記載された主軸装置のころがり軸
受に予圧を付加する。
【0027】また、請求項5ないし7のいずれか1つに
記載の主軸装置において、戻し用油圧室と予圧用後側油
圧室に作動油を供給する油圧回路を、請求項1ないし4
のいずれか1つに記載の軸受予圧用油圧回路とし、予圧
用前側油圧室に作動油を供給する油圧回路を、油圧源の
油管路に減圧弁と電磁方向切換弁が設けられた油圧回路
とすることができる(請求項9)。この構成では、請求
項1ないし4のいずれかに記載された軸受予圧用油圧回
路から、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室に作動油を供
給し、また予圧用前側油圧室に油圧源を持つ別の油圧回
路から作動油を供給して、請求項5ないし7のいずれか
に記載された主軸装置のころがり軸受に予圧を付加す
る。
【0028】請求項10記載の発明は、請求項4記載の
軸受予圧用油圧回路において、エアオイルブースタから
作動油を油管路を通じて油圧室に供給した後、ノンリー
ク形切換弁を閉じて定位置予圧を行う構成とした。この
手段では、油圧室内の作動油の非圧縮性によって、例え
ば、可動スリーブ部材や後側ピストン部材を固定するこ
とが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図6は本発明の実施の形
態を示すもので、符号1は主軸装置である。主軸装置1
は、ハウジング3と、主軸4と、ころがり軸受5,6
と、可動スリーブ部材7と、押圧部材8と、後側ピスト
ン部材9と、後側ストッパ部材10と、固定スリーブ部
材12と、前側ピストン部材13と、前側ストッパ部材
14と、中間部材16と、予圧ばね17と、モータ18
とを具備し、油圧回路19,20(図5)によってころ
がり軸受に予圧を付加することができるようになってい
る。
【0030】ハウジング3は、油通路3a,3b,3c
を有する。主軸4は、ハウジング3内に、タンデム配置
の2組のころがり軸受5,6によって周方向に回転自在
に支持されている。可動スリーブ部材7は、円筒形状と
されており、後側(図1で右側)の一対のころがり軸受
5の外輪に嵌着されるとともに円環状の戻し用油圧室R
aを形成してハウジング3に主軸4の軸方向に移動自在
に嵌挿されている。戻し用油圧室Raは、ハウジング3
の油通路3aに直接連通されている。可動スリーブ部材
7には、ハウジング3の油通路3bに連通する油通路7
aが形成されている。
【0031】押圧部材8は円環状とされ、可動スリーブ
部材7の前端部に多数のボルト11a(図1には1本し
か示されていない。)で一体に固定されている。押圧部
材8には、円環状の予圧用後側油圧室Rbと、該予圧用
後側油圧室Rbを可動スリーブ部材7の油通路7aに連
通させる油通路8aと、ころがり軸受5の外輪を押圧す
る押圧部8bとが設けられている。予圧用後側油圧室R
bには、円環状の後側ピストン部材9が主軸4の軸方向
に移動自在に液密に装入されている。また、押圧部材9
の前端部には後側ストッパ部材10が多数のボルト11
b(この場合も図1には1本しか示されていない。)で
一体に固定され、後側ピストン部材9の前側への移動を
阻止している。
【0032】固定スリーブ部材12は円筒形状に形成さ
れ、前側の一対のころがり軸受6の外輪に嵌着されてハ
ウジング3に一体に固定されている。固定スリーブ部材
12には、円環状の予圧用前側油圧室Rcと、該予圧用
前側油圧室Rcをハウジング3の油通路3cに連通させ
る油通路12aが設けられている。予圧用前側油圧室R
cには、円環状の前側ピストン部材13がこれも主軸4
の軸方向に移動自在に液密に装入されている。また、固
定スリーブ部材12の後端部には前側ストッパ部材14
が後側ストッパ部材10に向き合わせて多数のボルト1
1c(図1には1本しか示されていない。)で一体に固
定され、前側ピストン部材13の後側への移動を阻止し
ている。
【0033】中間部材16は円環状に形成され、後側ピ
ストン部材9と前側ピストン部材13との間及び押圧部
材8と固定スリーブ部材12との間に両ストッパ部材1
0,14に案内されて主軸4の軸方向に移動自在に設け
られている。また、予圧ばね17は、後側ストッパ部材
10と前側ストッパ部材14との間にそれらの間隔が大
きくなるように付勢して設けられている。予圧ばね17
には、コイルばねや板ばね等が、主軸4と同心状に、或
いは所定の角度間隔で配置して用いられる。
【0034】なお、戻し用油圧室Raの受圧面積A1 よ
りも予圧用後側油圧室Rbの受圧面積A2 が大きく設定
され、また、後側ピストン部材9が後側ストッパ部材1
0と中間部材16とにそれぞれ当接するとともに、前側
ピストン部材13が前側ストッパ部材14と中間部材1
6とにそれぞれ当接した状態における、押圧部材8と中
間部材16との間の隙間Δ1 よりも固定スリーブ部材1
2と中間部材16との間の隙間Δ2 が大きく設定されて
いる。
【0035】モータ18は主軸4を回転させるものであ
り、ステータ18aによって回転させられるロータ18
bのロータスリーブに主軸4を嵌挿して、ハウジング3
内のころがり軸受5と軸受21との間に設けられてい
る。符号22は固定スリーブ部材12の前端面に一体に
固定された押え部材、23は可動スリーブ部材7の動き
を良くしているボールガイドである。
【0036】油圧回路19は、戻し用油圧室Raと予圧
用後側油圧室Rbに作動油をそれぞれ供給するものであ
り、空圧源25と、エアオイルブースタ26と、電空レ
ギュレータ(電磁空圧レギュレータ)27と、一対の電
磁方向切換弁28と、一対の電磁比例流量制御弁29
と、一対のノンリーク形切換弁(電磁切換弁)30と、
一対の圧力センサ31とを有する。
【0037】空圧源25はコンプレッサ等から成る。エ
アオイルブースタ26は、受圧面積の大きい空圧シリン
ダ26aに加圧面積の小さい油圧シリンダ26bを一体
に連結して成り、受圧面積と加圧面積の差により、与え
られた空気圧を油圧に変換・増圧するもので、空圧シリ
ンダ26aを空気源25に空気管路33で接続して設け
られている。電空レギュレータ27は、NC装置等の制
御装置(図示せず)からの電圧式又は電流式の外部指令
にしたがって空気圧を調整するものであり、空気管路3
3に設けられている。
【0038】電磁方向切換弁28は、励磁状態で空気管
路33を空圧シリンダ26aのボトム側空気室に連絡す
るとともに、空圧シリンダ26aのロッド側空気室を大
気に開放してエアオイルブースタ26を作動させ、ま
た、消磁状態で空圧シリンダ26aのロッド側空気室に
空気管路33を連絡するとともに、ボトム側空気室を大
気に開放してエアオイルブースタ26を脱圧状態にする
もので、空気管路33の分岐管33a,33bにそれぞ
れ設けられている。
【0039】各電磁比例流量制御弁29と各ノンリーク
形切換弁30及び各圧力センサ31は、エアオイルブー
スタ26の油圧シリンダ26bにそれぞれ接続された油
管路34,35に、上流側から下流側に上記の順でそれ
ぞれ設けられている。各ノンリーク形切換弁30は、油
管路34,35をそれぞれ開閉するものである。圧力セ
ンサ31の出力信号は、前記制御装置に入力され、電空
レギュレータ27のフィードバック制御に利用されるよ
うになっている。油管路34はハウジング3の油通路3
aに接続され、他の油管路35はハウジング3の油通路
3bに接続されている。
【0040】油圧回路20は、予圧用前側油圧室Rcに
作動油を提供するものであり、油圧ポンプ等の油圧源3
7の油管路38に、減圧弁39と電磁方向切換弁40を
設けて成る。油管路38は、ハウジング3の油通路3c
に接続されている。
【0041】減圧弁39には、前記油圧室Rcの受圧面
積A3 に作用する油圧を予め設定する。この設定圧力
は、主軸4への逆スラスト力(主軸4が前側に引き抜か
れる向きの力)に充分耐えうる圧力とされる。例を挙げ
ると、 許容逆スラスト力 Fa=10000N なら、 油圧力P1 =(Fa/A3 )×1.5〜2 として、 A3 =50cm2 なら、 P1 =300〜400N/cm2(3〜4Mpa) となる。一般に油圧源37は、5Mpa以上なので減圧
弁39で圧力を下げる。油圧室Rcに流れる作動油量が
少なく、可変にしても圧力追従が悪いので、減圧弁39
の設定圧力は1種類に固定するのが普通である。
【0042】電磁方向切換弁40は、ソレノイドaが励
磁されると、油管路38の油圧源37側を閉じるととも
に、油通路3c側を油タンク41に接続して予圧用前側
油圧室Rcを脱圧状態にし、またソレノイドbが励磁さ
れると(ソレノイドaは消磁)、油管路38を開いて作
動油を予圧用前側油圧室Rcに供給し、更に両ソレノイ
ドa,bが消磁された中立位置で油管路38を閉じるよ
うになっている。
【0043】次に、上記の構成とされた主軸装置の作用
を説明する。図1は、油圧回路19の分岐管33aの電
磁方向切換弁28のソレノイドを消磁して戻し用油圧室
Raを脱圧するとともに、他の分岐管33bの電磁方向
切換弁28のソレノイドを励磁して作動油を予圧用後側
油圧室Rbに供給し、また油圧回路20の電磁方向切換
弁40のソレノイドbを励磁して予圧用前側油圧室Rc
に作動油を供給した状態を示す。
【0044】この場合は、後側ピストン部材9と前側ピ
ストン部材13とが油圧力により後側ストッパ部材10
と前側ストッパ部材14とにそれぞれ押し付けられる結
果、押圧部材8が押圧部8bでころがり軸受5の外輪を
後側に押圧する。中間部材16と押圧部材8及び固定ス
リーブ部材12との間に隙間Δ1 ,Δ2 が生じ、ころが
り軸受5,6の外輪スパンLは最大となるので、油圧力
を最大切削力よりも充分大きくすることで、切削力が主
軸4に作用しても両ピストン部材9,13が動くことは
なく、定位置の重予圧となる(図6の予圧A曲線)。
【0045】図2は、油圧回路19の両電磁方向切換弁
28,28を消磁して油圧室Ra,Rbをそれぞれ脱圧
し、また油圧回路20の電磁方向切換弁40のソレノイ
ドbを励磁して予圧用前側油圧室Rcに作動油を供給し
た状態を示す。この場合は、前側ピストン部材13が中
間部材16を介し押圧部材8を強く押して前側ストッパ
部材14に押し付けられる。外輪スパンLが図1の状態
よりもΔ1 だけ短い分、軸受予圧量が小さくなり、油圧
力を最大切削スラスト力以上とすることで、定位置の中
予圧となる(図6の予圧B曲線)。
【0046】図3は、油圧回路19の分岐管33aの電
磁方向切換弁28のソレノイドを消磁して戻し用油圧室
Raを脱圧状態にするとともに、他の分岐管33bの電
磁方向切換弁28のソレノイドを励磁して作動油を予圧
用後側油圧室Rbに供給し、また油圧回路20の電磁方
向切換弁40のソレノイドaを励磁して予圧用前側油圧
室Rcを脱圧した状態を示す。この時は、後側ピストン
部材9が中間部材16を固定スリーブ部材12に押し付
けて後側ストッパ部材10に押し付けられる。この結
果、反力で押圧部材8が後側に動かされることとなり、
外輪スパンLが図2の状態よりもΔ2 −Δ1 (前述のよ
うに、Δ2 >Δ1 )だけ短い分、軸受予圧量が小さくな
り、油圧力を最大切削スラスト力以上とすることで、定
位置の低予圧となる(図6の予圧C曲線)。
【0047】図4は、油圧回路19の両電磁方向切換弁
28,28を励磁して油圧室Ra,Rbに作動油を供給
し、また油圧回路20のソレノイドaを励磁して予圧用
前側油圧室Rcを脱圧した状態で示す。この場合は、油
圧力を予圧ばね17の力を含めてPD (図6)に設定す
る。主軸4の回転数の上昇に伴って軸受内部の予圧がP
D よりも高くなると、後側ピストン部材9が前側に移動
し外輪スパンLを短くして予圧の上昇を抑える(定圧予
圧、図6の予圧D曲線)。
【0048】上記において、両油圧室Ra,Rbに供給
される作動油の圧力が同一であっても、前に述べたよう
に、戻し用油圧室Raの受圧面積A1 よりも予圧用後側
油圧室Rbの受圧面積A2 が大きくなっているため、軸
受予圧が高まる方向にころがり軸受5の外輪が変位す
る。予圧D曲線は、軸受予圧上昇の上限を設定するリリ
ーフ形と言えるもので、軸受予圧が設定値PD に達する
までは定位置予圧の状態保つ。
【0049】また上記において、制御装置から指令を電
空レギュレータ27に与えて空気圧を設定する。エアオ
イルブースタ26は、リリーフ弁の機能を持つため、流
量が極めて少ない場合でも圧力制御が可能になる。ノン
リーク形切換弁30で油管路34,35を閉じると、作
動油の非圧縮性により可動スリーブ部材7と後側ピスト
ン部材9が固定される。これにより、工具交換時に主軸
4に逆スラスト力が作用しても、主軸4の変位を防ぐこ
とができる。
【0050】図6の予圧E曲線は、主軸4の回転数と設
定予圧のテーブルに従い電空レギュレータ27に指令を
与えて空気圧を変え、主軸4の回転上昇に伴って油圧
力、軸受予圧の上限を徐々に下げたものである。高速回
転で高い予圧を維持すると、軸受寿命が低下するが、予
圧E曲線の設定によって寿命を延ばすことができる。
【0051】また、従来、1mm以上であった主軸4の
最大移動量(Δ1 +Δ2 )を0.05〜0.3mmにす
ることが可能で、このように設定すると、定圧予圧時の
設定油圧力(予圧の上限値)よりも大きな逆スラスト力
が主軸4に加わった場合でも、ころがり軸受へのダメー
ジを回避できる。電磁比例流量制御弁29は、通常、油
圧室Ra,Rbへの作動油の供給時には全開状態とし、
供給終了後は、適宜に絞って作動油の流動抵抗を大きく
する。この結果、作動油の供給時間が短くなって素早い
予圧切換えが可能になり、また、切削力の変動に起因す
る主軸4の変位が減衰されるようになる。
【0052】予圧を下げたり解除したりする場合は、必
要があれば、予圧用の両油圧室Rb,Rcを脱圧状態に
して、戻し用油圧室Raに作動油を供給し、可動スリー
ブ部材7を前側に変位させる。なお、上記の予圧操作は
基本的なもので、これ以外の方法でも予圧を付加するこ
とが可能である。
【0053】結局、図の主軸装置は次の長所を有する。 (a) 主軸剛性を高めることのできる定位置予圧量を
3段階まで設定することができる。 (b) 高速回転が可能な定圧予圧において、低速回転
時に定位置予圧の要素を付加させたリリーフ予圧方式を
取ったことで予圧設定が高く主軸剛性を高めることがで
きる。もちろん通常の定圧予圧にも設定できる。
【0054】(c) 定圧予圧時の予圧量を連続的に可
変にでき、ころがり軸受5に対して中速回転域での高剛
性化と高速回転域での長寿命化を図れる。 (d) 可変量をΔ1 とΔ2 で小さく規制するため、大
きな逆スラスト力が作用しても主軸4が振れ回ったりガ
タついたりしない。 (e) 油圧回路9に設けた電磁比例流量制御弁29に
より、作動油の非圧縮性を利用して振動を減衰させるこ
とができる。
【0055】(f) 油圧回路19にノンリーク形切換
弁30が設けられ、工具交換時に主軸4に逆スラスト力
が作用しても、閉じた系内での作動油の非圧縮性によ
り、主軸4が前側に大きく飛び出ることがない。 (g) 常に予圧ばね17が作用しているため、定位置
予圧設定における停止や低回転での予圧抜けを生じるこ
とはない。 (h) 予圧を下げる時に、可動スリーブ部材7の外周
に設けられたOリングの抵抗を考慮して戻し用油圧室R
aに油圧を与えることにより、可動スリーブ部材7を予
圧減少方向に確実に変位させることができる。
【0056】図5の油圧回路19は、空気管路33を2
つに分岐し、空圧源25と電空レギュレータ27を2つ
の系に共用させた構造となっているが、空気管路33を
分岐しない単独構造とすることも、また空気管路33を
3つに分岐してその三系統に空圧源25と電空レギュレ
ータ27を共用させることもできる。前者の単独構造の
場合は、1〜3個の油圧回路19を油通路3a,3b,
3cの任意の1以上に接続することができる。この場
合、油圧回路19に接続されないで残された油通路に
は、油圧回路20を接続する。後者の場合は、すべての
油通路3a,3b,3cに油圧回路19の油管路を接続
することは言うまでもない。空気管路33を複数に分岐
した油圧回路19において、空圧源25のみを全系統に
共用させ、電空レギュレータ27は各系に設けたり、或
いは一部の系のみに共用されるなどの構成とすることが
できる。上記のすべてにおいて、油圧回路19,20の
一方又は両方を、例えば、ノンリーク形切換弁30を省
くなど、種々変更することができる。
【0057】また、油圧室Ra,Rb,Rcの受圧面積
A1 ,A2 ,A3 の大小関係と、隙間Δ1 ,Δ2 の大小
関係は、図のものに限らず任意であり、油圧回路19,
20の構成や油圧室Ra,Rb,Rcに対する接続構成
等によってこれらも種々変更される。なお、作動油が非
圧縮性があるといっても完全ではないため、ノンリーク
形切換弁30や電磁比例流量制御弁29は油圧室の近傍
に設置し、伸縮性のない配管部品で接合する必要があ
る。油圧回路19は、図1の主軸装置以外の、例えば、
図9や図11等の主軸装置にも使用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、エアオイルブースタにより油圧力を精度よ
く確実に調整して作動状態に適合した予圧を付加するこ
とができる。また、エアオイルブースタが持つ空気のク
ッション作用を有効に活用して予圧をより良好なものと
することができる。
【0059】請求項1記載の軸受予圧用油圧回路におい
て、空気管路に電空レギュレータを設けると、使用空気
量が少なくても確実にかつ無段階に連続して圧力を調整
することが可能となり、予圧制御を円滑にかつ容易に行
うことができる。また、請求項1又は2記載の軸受予圧
用油圧回路において、油管路に電磁比例流量制御弁を設
けた場合は、電磁比例流量制御弁を全開にして作動油を
油圧室に短時間に供給することにより、迅速に予圧をか
け、その後は、主軸の作動状況に応じて電磁比例流量制
御弁を絞ることにより、負荷や回転数等よって変わる主
軸の振動を良好に軽減することができる。
【0060】また、請求項1ないし3のいずれかに記載
の軸受予圧用油圧回路において、油管路にノンリーク形
切換弁を設け場合は、ノンリーク形切換弁で油管路を閉
じることにより、例えば、工具交換時の主軸の前側変位
を抑えてガタつきを防止することができる。
【0061】請求項5記載の発明によれば、定圧予圧と
3段の定位置予圧が得られ、主軸の回転速度等に幅広く
適合して予圧を付加することができる。
【0062】請求項5記載の主軸装置において、戻し用
油圧室の受圧面積よりも予圧用後側油圧室の受圧面積を
大きくすると、戻し用油圧室と予圧用後側油圧室に同圧
の作動油を供給して予圧を高めることができるので、油
圧回路の構成を簡単にしてコストを下げることができ
る。また、請求項6又は7記載の主軸装置において、後
側ピストン部材が後側ストッパ部材と中間部材とに当接
するとともに、前側ピストン部材が前側ストッパ部材と
中間部材とに当接した状態における、押圧部材と中間部
材との間の隙間よりも固定スリーブ部材と中間部材との
間の隙間を大きくすると、戻し用油圧室と予圧用前側油
圧室を脱圧状態にして予圧用後側油圧室に作動油を供給
した場合、前側ころがり軸受と後側ころがり軸受の外輪
スパンが最小となるため、3段目の最も低い定位置予圧
が得られる。
【0063】また、請求項5ないし7のいずれか1つに
記載の主軸装置において、油圧室に作動油を供給する油
圧回路を、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の軸
受予圧用油圧回路とし、又は戻し用油圧室と予圧用後側
油圧室に作動油を供給する油圧回路を、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の軸受予圧用油圧回路とし、予
圧用前側油圧室に作動油を供給する油圧回路を、油圧源
の油管路に減圧弁と電磁方向切換弁を設けた油圧回路と
した場合は、自体の機能に、前記軸受予圧用油圧回路の
機能を相乗的に組み合わせることができる、高性能な主
軸装置を得ることができる。
【0064】請求項10記載の発明によれば、油圧室内
の作動油の非圧縮性を利用して、例えば、可動スリーブ
部材や後側ピストン部材を固定し、逆スラスト力による
主軸の前側変位を防ぐことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る主軸装置の実施の形態を示す断
面図である。
【図2】 図1の主軸装置において、戻し用油圧室と予
圧用後側油圧室を脱圧し、予圧用前側油圧室に作動油を
供給した状態を示す主要部の断面図である。
【図3】 図1の主軸装置において、戻し用油圧室と予
圧用前側油圧室を脱圧し、予圧用後側油圧室に作動油を
供給した状態を示す主要部の断面図である。
【図4】 図1の主軸装置において、戻し用油圧室と予
圧用後側油圧室に作動油を供給し、予圧用前側油圧室を
脱圧にした状態を示す主要部の断面図である。
【図5】 本発明に係る軸受予圧用油圧回路の実施の形
態を示す図である。
【図6】 図1の主軸装置の回転数と予圧の関係を示す
図である。
【図7】 従来の主軸装置の主要部の断面図である。
【図8】 図7の主軸装置の回転数と予圧の関係を示す
図である。
【図9】 従来の他の主軸装置の主要部の断面図であ
る。
【図10】 図9の主軸装置の回転数と予圧の関係を示
す図である。
【図11】 従来の別の主軸装置の主要部の断面図であ
る。
【図12】 図11の主軸装置の回転数と予圧の関係を
示す図である。
【符号の説明】
1 主軸装置 3 ハウジング 3a,3b,3c 油通路 4 主軸 5 ころがり軸受 7 可動スリーブ
部材 8 押圧部材 9 後側ピストン
部材 10 後側ストッパ部材 12 固定スリー
ブ部材 13 前側ピストン部材 14 前側ストッ
パ部材 16 中間部材 17 予圧ばね 19,20 油圧回路 25 空圧源 26 エアオイルブースタ 26a 空圧シリ
ンダ 26b 油圧シリンダ 27 電空レギュ
レータ 28,40 電磁方向切換弁 29 電磁比例流
量制御弁 30 ノンリーク形切換弁 31 圧力センサ 33 空気管路 33a,33b
分岐管 34,35,38 油管路 37 油圧源 39 減圧弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧室に作動油を供給してピストン部材
    でころがり軸受の外輪を押圧する軸受予圧用油圧回路で
    あって、 空圧源と、 該空圧源の空気圧を油圧に変換して作動油を油管路を通
    じて油圧室に供給するエアオイルブースタと、 上記空圧源に上記エアオイルブースタを連絡した空気管
    路に設けられ、空圧源によるエアオイルブースタの加圧
    と脱圧を切り換える電磁方向切換弁とを具備したことを
    特徴とする軸受予圧用油圧回路。
  2. 【請求項2】 空気管路に電空レギュレータが設けられ
    たことを特徴とする請求項1記載の軸受予圧用油圧回
    路。
  3. 【請求項3】 油管路に電磁比例流量制御弁が設けられ
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の軸受予圧用油
    圧回路。
  4. 【請求項4】 油管路にノンリーク形切換弁が設けられ
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに
    記載の軸受予圧用油圧回路。
  5. 【請求項5】 ハウジング内に、主軸が、ころがり軸受
    で回転自在に支持された主軸装置において、 上記ころがり軸受の外輪に嵌着されるとともに戻し用油
    圧室を形成して上記ハウジングに主軸の軸方向に移動自
    在に嵌挿された可動スリーブ部材と、 予圧用後側油圧室を有し、上記可動スリーブ部材の前端
    部に一体に固定された押圧部材と、 上記予圧用後側油圧室内に軸方向に移動自在に装入さ
    れ、上記押圧部材を後側に移動させて上記ころがり軸受
    の外輪に予圧をかける後側ピストン部材と、 上記押圧部材の前端部に固定され、上記後側ピストン部
    材の前側への移動を阻止する後側ストッパ部材と、 予圧用前側油圧室を有し、該予圧用前側油圧室を上記予
    圧用後側油圧室に向き合わせてハウジングに一体に固定
    された固定スリーブ部材と、 上記予圧用前側油圧室内に軸方向に移動自在に装入され
    た前側ピストン部材と、 上記固定スリーブ部材の後端部に上記後側ストッパ部材
    に向き合わせて設けられ、上記前側ピストン部材の後側
    への移動を阻止する前側ストッパ部材と、 上記後側ピストン部材と前側ピストン部材との間及び上
    記押圧部材と固定スリーブ部材との間に軸方向に移動自
    在に設けられた中間部材と、 上記後側ストッパ部材と前側ストッパ部材の部分にそれ
    らの間隔が大きくなるように付勢して設けられた予圧ば
    ねとを具備したことを特徴とする主軸装置。
  6. 【請求項6】 戻し用油圧室の受圧面積よりも予圧用後
    側油圧室の受圧面積が大きくされたことを特徴とする請
    求項5記載の主軸装置。
  7. 【請求項7】 後側ピストン部材が後側ストッパ部材と
    中間部材とに当接するとともに、前側ピストン部材が前
    側ストッパ部材と中間部材とに当接した状態における、
    押圧部材と中間部材との間の隙間よりも固定スリーブ部
    材と中間部材との間の隙間が大きくされたことを特徴と
    する請求項5又は6記載の主軸装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか1つに記載
    の主軸装置において、 油圧室に作動油を供給する油圧回路が、請求項1ないし
    4のいずれか1つに記載の軸受予圧用油圧回路とされた
    ことを特徴とする主軸装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし7のいずれか1つに記載
    の主軸装置において、 戻し用油圧室と予圧用後側油圧室に作動油を供給する油
    圧回路が、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の軸
    受予圧用油圧回路とされ、 予圧用前側油圧室に作動油を供給する油圧回路が、油圧
    源の油管路に減圧弁と電磁方向切換弁が設けられた油圧
    回路とされたことを特徴とする主軸装置。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の軸受予圧用油圧回路に
    おいて、 エアオイルブースタから作動油を油管路を通じて油圧室
    に供給した後、ノンリーク形切換弁を閉じて定位置予圧
    を行うことを特徴とするころがり軸受の予圧方法。
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