JP3411728B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物及びこれを用いてなる成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物及びこれを用いてなる成形体

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JP3411728B2 JP20338295A JP20338295A JP3411728B2 JP 3411728 B2 JP3411728 B2 JP 3411728B2 JP 20338295 A JP20338295 A JP 20338295A JP 20338295 A JP20338295 A JP 20338295A JP 3411728 B2 JP3411728 B2 JP 3411728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた外観を必要
とする化粧品、シャンプー、リンス、食料品、飲料品、
医薬品、洗剤等を収納する瓶等の容器等の成形材料とし
て有用なポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体に
関し、更に詳しくは、良好な表面光沢を有し、表面平滑
性等の外観良好な単層構造の中空成形体を得ることがで
きるポリオレフィン系樹脂組成物及びこれを用いてなる
成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シャン
プー、リンス、食器用洗剤、住居用洗剤、化粧品、薬
品、食品等に使用されている各種ボトル容器等の成形方
法の一つとしては、中空成形方法が挙げられる。この成
形方法は、溶融したポリエチレン樹脂をダイよりパリソ
ンとして押出し、それをブロー金型で挟み込んだ後、エ
アーを吹き込んで中空成形品を得る成形方法である。か
かる中空成形方法により得られるポリエチレン樹脂の中
空成形品は、軽量性、耐衝撃性、耐湿性、水蒸気バリア
ー性、耐薬品性、衛生的特性、低価格である等の面から
各種液体の充填ボトルとして広く用いられている。
【0003】しかし、ポリエチレン樹脂を溶融した後押
し出したパリソンの表面は、肌あれ(シャークスキン、
メルトフラクチャーと言われる現象)状態となり易く、
また、該ポリオレフィン樹脂は、結晶化速度が速い等の
性質を有する。このため、上記中空成形品は、表面平滑
性がない上に、表面光沢にも乏しいものになり易いとい
う問題がある。また、上記肌荒れを抑えるために、金型
表面にサンドブラスト加工又はシボ加工を施して、金型
表面を粗して、成形時のパリソンと金型表面との間にエ
アー逃げを促進し、表面の肌荒れを目立たなくする等の
方法も提案されているが、この方法では、成形体の表面
に平滑性がなくなるため、どうしても表面光沢の乏しい
成形体しか得られないという問題があった。
【0004】一方、従来の光沢を有する中空成形体とし
ては、以下の(1)〜(5)の成形体等がある。 (1)ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)またはポリエチレ
ンテレフタレート(PET)を用いた成形体。 (2)表面光沢に優れる他の樹脂を最外層に被覆する多
層構造の成形体(特開昭52−114682号公報)。 (3)金型の温度を結晶化温度以上にし、成形した成形
体(特開昭57−212031号公報)。 (4)溶融パリソンの表面をガス炎で加熱後成形した成
形体(特開昭55−74839号公報)。 (5)高密度ポリエチレン樹脂に直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂を混合し、フッ素樹脂ダイスを用いて成形した
成形体(特公平6−17057号公報)。
【0005】しかし、上記(1)のPVC成形体では、
塩素ガス発生等の問題があるためリサイクルの面におい
て問題があり、PET成形体では特殊な延伸ブロー成形
機を用いる必要があり、コストアップになるという問題
があった。上記(2)の成形体では、設備面で非常に複
雑になる生産性の面で問題がある他、樹脂自身の値段も
高くなる等全体としてかなりのコストアップになり、上
記(3)の成形体では、成形サイクルが長くなるため上
記(2)の成形体と同様にコスト面及び生産性の面で問
題があり、上記(4)の成形体においても、成形サイク
ルは長くなる上、ドローダウンが激しく成形性が低下す
る等の問題を有し、(5)の方法では、樹脂の融液弾
性、すなわち樹脂が押出機から押し出される際、フッ素
樹脂自身の強度、熱変形の特性から、耐久性に大きな問
題があった。
【0006】また、特開昭63−89551号公報に
は、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとポリプ
ロピレン−エチレン共重合体とからなる、光沢に優れた
容器を得ることができる樹脂組成物が提案されている。
しかし、該樹脂組成物も、上述の問題を十分に解消でき
るものではなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、リサイクルが容
易であり、簡易な設備で且つ短い成形サイクルで成形で
き、生産性に優れ、しかも、表面光沢及び表面平滑性の
良好な成形体を得ることができるポリオレフィン系樹脂
組成物及びこれを用いてなる成形体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解消すべく鋭意検討した結果、特定のメルトフローレ
ート及び密度を有する高密度ポリエチレン及び特定のメ
ルトフローレート及び密度を有する低密度ポリエチレン
に、更に、特定のメルトフローレート及び密度を有する
ポリプロピレン樹脂を配合した樹脂組成物が上記目的を
達成し得ることを知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、下記成分(A)10〜80wt%、下記成分
(B)10〜70wt%及び下記成分(C)10〜70
wt%を含有してなり、該成分(A)のメルトフローレ
ート、下記成分(B)のメルトフローレート及び下記成
分(C)のメルトフローレートが、下記関係式の関係
にあることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物を
提供するものである。 成分(A):メルトフローレートが0.1〜3.0g/
10minで且つ密度が0.945g/cm3 以上である
高密度ポリエチレン。 成分(B):メルトフローレートが0.5〜80g/1
0minで且つ密度が0.910〜0.945g/cm3
である低密度ポリエチレン。 成分(C):メルトフローレートが0.1〜20g/1
0minで且つ密度が0.890〜0.920g/cm3
であるポリプロピレン樹脂。 関係式:成分(A)のメルトフローレート≦成分
(C)のメルトフローレート≦成分(B)のメルトフロ
ーレート
【0010】また、本発明は、上記ポリオレフィン系樹
脂組成物を、押し出し成形してなることを特徴とする成
形体を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリオレフィン系
樹脂組成物について詳細に説明する。本発明のポリオレ
フィン系樹脂組成物は、下記成分(A)、下記成分
(B)及び下記成分(C)を含有してなる。 成分(A):メルトフローレートが0.1〜3.0g/
10minで且つ密度が0.945g/cm3 以上である
高密度ポリエチレン。 成分(B):メルトフローレートが0.5〜80g/1
0min、好ましくは3.0〜50g/10minで且
つ密度が0.910〜0.945g/cm3 である低密度
ポリエチレン。 成分(C):メルトフローレートが0.1〜20g/1
0min、好ましくは0.3〜10g/10minで且
つ密度が0.890〜0.920g/cm3 であるポリプ
ロピレン樹脂。
【0012】上記成分(A)のメルトフローレートが
0.01g/10min未満であると、粘度が高すぎて
押し出し成形がしにくくなり、5.0g/10minを
超えると、パリソンのドローダウンが激しくなる。ま
た、上記密度が0.945g/cm 3 未満であると、全体
として(成形して得られる容器の)剛性がなくなる。上
記成分(B)のメルトフローレートが3.0g/10m
in未満であると、表面高光沢が得られにくくなり、8
0g/10minを超えると、押し出しスクリューにか
かりにくく、またパリソンのドローダウンに影響する。
また上記密度が0.9105g/cm3 未満であると、柔
らかくなるため表面に傷がつき易くなり、0.945g
/cm3 を超えると、事実上、HDPE(高密度ポリエチ
レン)と同様で光沢がなくなる。上記成分(C)のメル
トフローレートが0.1g/10min未満であると、
押し出し成形しにくく、均一性が損なわれ、20g/1
0minを超えると、表面の肌あれ(アバタ、シワ)が
防止できなくなる。
【0013】上記成分(A)の高密度ポリエチレンとし
ては、昭和電工(株)製、商品名「S3004B」、昭
和電工(株)製、商品名「S5503D」、三井石油化
学(株)製、商品名「HZ6008B」、フィリップス
石油(株)製、商品名「M5502」等の市販品を用い
ることができる。上記成分(B)の低密度ポリエチレン
としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、具体
的には、三井石油化学(株)製、商品名「20100
J」、三井石油化学(株)製、商品名「20200
J」、三井石油化学(株)製、商品名「FL60」等の
市販品を用いることができる。上記成分(C)のポリプ
ロピレンとしては、三井石油化学(株)製、商品名「B
230」、三井石油化学(株)製、商品名「B27
8」、三井石油化学(株)製、商品名「J858Y」等
の市販品を用いることができる。
【0014】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物にお
ける上記成分(A)、上記成分(B)及び上記成分
(C)の配合割合は、上記成分(A)10〜80wt
%、好ましくは20〜70wt%、上記成分(B)10
〜70wt%、好ましくは15〜55wt%、更に好ま
しくは20〜40wt%及び上記成分(C)10〜70
wt%、好ましくは20〜60wt%である。上記成分
(A)の配合割合が、10wt%未満であると、全体と
して剛性が低下し、また落下強度が損なわれ、80wt
%を超えると、前記光沢が損なわれてしまう。上記成分
(B)の配合割合が、10wt%未満であると、十分な
表面光沢を得ることができず、また、上記成分(B)の
配合割合は、高い程得られる成形体の光沢を向上させる
ことができるが、70wt%を超えると、成形して得ら
れる成形体の剛性が低下する。上記成分(C)の配合割
合が、10wt%未満であると、得られる成形体表面に
アバタやシワなどの凹凸が増えて商品価値が損なわれ、
70wt%を超えると、やはり光沢が低下する。
【0015】また、上記成分(A)、上記成分(B)及
び上記成分(C)は、それぞれのメルトフローレート
が、下記関係式の関係にある必要があり、下記関係式
’の関係にあるのが好ましい。 関係式;成分(A)のメルトフローレート≦成分
(C)のメルトフローレート≦成分(B)のメルトフロ
ーレート 関係式’;成分(A)のメルトフローレート≦成分
(C)のメルトフローレート<成分(B)のメルトフロ
ーレート 上記関係式を満足しない場合には、成形体を成形した
場合に所望の表面光沢及び表面平滑性が得られない。
【0016】また、本発明の樹脂組成物において、上記
成分(C)を含有することにより、表面のアバタやシワ
が解消する理由は定かでないが、上記成分(C)の溶融
弾性に由来しているものであると考えられる。そして、
溶融弾性の面から考慮すると、上記成分(C)の分子量
の大きい、即ちメルトフローレートの小さいものが良い
が、余りにも小さすぎると上記成分(C)よりも表面側
に上記成分(A)が配され、シワやアバタの効果が薄れ
るので、上記成分(C)のメルトフローレートは、上記
成分(A)のメルトフローレートよりも高いことが好ま
しい。
【0017】また、上記成分(A)のメルトフローレー
トと上記成分(C)のメルトフローレートとの差は0.
05以上であるのが好ましく、1.0〜15であるのが
更に好ましい。また、上記成分(C)のメルトフローレ
ートと上記成分(B)のメルトフローレートとの差は
2.0以上であるのが好ましく、3〜50であるのが更
に好ましい。
【0018】また、上記成分(B)は、そのメルトフロ
ーレートが、上記成分(A)のメルトフローレートよ
り、好ましくは2.0以上、更に好ましくは5.0以上
高いのが好ましい。このような成分(B)を用いること
により、該成分(B)の流れ性が成分(A)より非常に
良いために、ブロー成形時のパリソン押し出し工程にお
いてレオロジー特性上、成分(B)がパリソンの表面に
移行し、成形して得られる成形体の表面に選択的に光沢
性が得られる。従って、成分(B)のメルトフローレー
トが成分(A)よりも高い方が表面の光沢性に優れる成
形体を得ることができる。
【0019】また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、上記成分(A)、上記成分(B)及び上記成分
(C)のみにより構成されていてもよいが、必要に応じ
て、更に、通常のポリオレフィン系樹脂に添加する各種
添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、顔料、パール顔料、充填剤等を本発明の目的を損な
わない範囲で配合してもよい。特に、上記成分(B)に
パール顔料を配合した場合は、容器表層にパール顔料が
比較的集中する結果、好適な外観を呈する。
【0020】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
上記の成分(A)、(B)及び(C)を適宜混合する等
して用いることができ、また、ペレット状として用いる
こともできる。
【0021】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
一般に優れた外観を必要とし販売促進効果を必要とする
容器等の成形体の材料として好適であり、具体的には、
下記する成形体等が挙げられる。例えば、ヘアーブラ
シ、櫛、歯ブラシ等のハンドル等の成形体;歯磨き粉、
洗顔クリーム用のペースト状内容物の押し出しチューブ
容器;包装紙、リボン、粉状、液状もしくはペースト状
内容物等を収納するピロー包装、又はスタンディングパ
ウチ用のフィルム;モイスチャーローション、マッサー
ジローション、スキンローション、クレンジングローシ
ョン、エモリエントローション若しくはベビーオイル等
の各種スキンローション、化粧下クリーム、バニシング
クリーム若しくはエモリエントクリーム等各種スキンク
リーム、リキッドファンデーション若しくはクリーミー
ファンデーション等各種ファイスケア、スキンケア、ボ
ディケア、メーキャップ化粧品、シャンプー、リンス、
ヘアーコンディショナー、ハンドケア用品、液体衣料用
洗剤、かび取り剤、ガラスクリーナー、漂白剤、柔軟
剤、のり剤、食器用洗剤、クレンザー、各種住居用洗
剤、その他食料品、又は医薬品等を収納するボトル等の
中空容器等。
【0022】次に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、上記の本発明のポリオレフィン系樹
脂組成物を、押し出し成形してなる。
【0023】上記の押し出し成形する方法としては、単
軸及び二軸押出機等の押出機、バンバリーミキサー、ミ
キシングロール、ヘンシェルミキサー(高速攪拌混合)
等の混合、混練手段によって予備混合混練された上記ポ
リオレフィン系樹脂組成物を、押出成形機に供給する等
して行うことができる。即ち、各樹脂を別個に押出機に
供給して、押出機内部で溶融混合する方法(方法)、
及び予め上記ポリオレフィン系樹脂組成物を二軸押出機
や単軸押出機により混合押出し、ペレタイザーで切断し
て、得られたペレットを、上記押出成形機に供給して成
形する方法(方法)により行うことができる。該方法
の場合には、各樹脂間を均一に混合するため、混練型
のダルメージスクリューやピン打ちスクリュー等を備え
た押出機を用いることが好ましい。また、この際の溶融
混練温度は180〜270℃であり、好ましくは200
〜230℃である。
【0024】本発明の成形体は、上記の本発明のポリオ
レフィン系樹脂組成物を用いて、上述のように押し出し
成形してなるので、図1に示すように、メルトフローレ
ートの高い上記成分(B)及び(C)が、成形体におけ
る樹脂層の外表面側に多く位置し、メルトフローレート
の低い上記成分(A)が成形体における樹脂層の中間層
側に多く位置する。また、上記成分(B)及び(C)
は、主として海−島構造をとっている〔上記成分(B)
及び上記成分(C)のいずれか一方が島であり、他方が
海である。〕このような構造をとっていることにより、
本発明の成形体は、表面光沢及び表面平滑性に優れると
考えられる。
【0025】本発明の成形体は、下記するような、一般
に優れた外観を必要とし販売促進効果を必要とするも
の、またはそれらを収納する容器等の成形体として好適
である。例えば、ヘアーブラシ、櫛、歯ブラシなどのハ
ンドル等の成形体;歯磨き粉、洗顔クリーム用のペース
ト状内容物の押し出しチューブ容器;包装紙、リボン、
粉状、液状もしくはペースト状内容物等を収納するピロ
ー包装、または、スタンディングパウチ用のフィルム;
モイスチェーローション、マッサージローション、スキ
ンローション、クレンジングローション、エモリエント
ローション若しくはベビーオイル等の各種スキンローシ
ョン、化粧下クリーム、バニシングクリーム若しくはエ
モリエントクリーム等各種スキンクリーム、リキッドフ
ァンデーション若しくはクリーミーファンデーション等
各種ファイスケア、スキンケア、ボディケア、メーキャ
ップ化粧品、シャンプー、リンス、ヘアーコンディショ
ナー、ハンドケア用品、液体衣料用洗剤、かび取り剤、
ガラスクリーナー、漂白剤、柔軟剤、のり剤、食器用洗
剤、クレンザー、各種住居用洗剤、その他食料品、又は
医薬品等を収納するボトル等の中空容器等である。
【0026】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。
【0027】〔実施例1〜9、比較例1〜7〕高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン及びポリプロピレンと
して、下記のものをそれぞれ用い、〔表1〕及び〔表
2〕に示す配合割合で配合して、ポリオレフィン系樹脂
組成物を得た。
【0028】高密度ポリエチレン樹脂 ・HDPE;メルトフローレート(以下、「MFR」
という)が0.4g/10分であり、密度が(以下、
「ρ」という)が0.956g/cm3 である高密度ポリ
エチレン樹脂〔昭和電工(株)製、商品名「S3004
B」〕。 ・HDPE;MFRが0.3g/10分であり、ρが
0.949g/cm3 である高密度ポリエチレン樹脂〔昭
和電工(株)製、商品名「S5503D」〕。 ・HDPE;MFRが0.35g/10分であり、ρ
が0.955g/cm3 である高密度ポリエチレン樹脂
〔フィリップス石油(株)製、商品名「M550
2」〕。 ・HDPE;MFRが0.36g/10分であり、ρ
が0.958g/cm3 である高密度ポリエチレン樹脂
〔三井石油化学(株)製、商品名「HZ6008
B」〕。
【0029】低密度ポリエチレン樹脂 ・LLDPE;MFRが0.7g/10分であり、ρ
が0.917g/cm3 である低密度ポリエチレン樹脂
〔昭和電工(株)製、商品名「A807F」〕。 ・LLDPE;MFRが8.0g/10分であり、ρ
が0.920g/cm3 である低密度ポリエチレン樹脂
〔三井石油化学(株)製、商品名「20100J」〕。 ・LLDPE;MFRが18.0g/10分であり、
ρが0.920g/cm3である低密度ポリエチレン樹脂
〔三井石油化学(株)製、商品名「20200J」〕。 ・LLDPE;MFRが70g/10分であり、ρが
0.915g/cm3 である低密度ポリエチレン樹脂〔三
井石油化学(株)製、商品名「FL60」〕。
【0030】ポリプロピレン樹脂 ・PP;MFRが0.5g/10分であり、ρが0.
91g/cm3 であるポリプロピレン樹脂〔三井石油化学
(株)製、商品名「B230」〕。 ・PP;MFRが1.05g/10分であり、ρが
0.91g/cm3 であるポリプロピレン樹脂〔三井石油
化学(株)製、商品名「B278」〕。 ・PP;MFRが20g/10分であり、ρが0.9
1g/cm3 であるポリプロピレン樹脂〔三井石油化学
(株)製、商品名「J858Y」〕。 ・PP;MFRが55g/10分であり、ρが0.9
1g/cm3 であるポリプロピレン樹脂〔三井石油化学
(株)製、商品名「J940」〕。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】得られたポリオレフィン系樹脂組成物を、
下記方法及び下記方法の2つの方法によりパリソン
を成形し、更に下記の如く2種の成形体としての容器を
成形した。
【0034】方法;各成分(A)、成分(B)及び成
分(C)を、それぞれ別個に押出成形機に供給して、該
押出成形機内部で溶融混合するしてパリソンを成形。 方法;二軸押出機(東洋精機製作所製、商品名「ラボ
プラストミル」:基本装置30−150形、測定ヘッ
ド:2D25−S形、スクリュー異方向外回り多条スク
リュー)を用い、予め成分(A)、成分(B)及び成分
(C)の各ペレットをドライブレンドしたものを混練機
に供給し、シリンダー温度180〜230℃、スクリュ
ー回転数70〜80rpm、混練時間30秒の条件で押
し出し、押し出されたストランドを直ちに水槽で冷却
し、ペレタイザーによってカットし、上記ポリオレフィ
ン系樹脂組成物のペレット状物を得た。その後、該ペレ
ット状物を自然乾燥し、押出成形機に供給してパリソン
を成形。
【0035】尚、上記押出成形機は、(株)田原昭栄機
械製の「TZ5033」であり、L/D=24、φ50
のスクリューを備えたものを使用した。この際の押し出
し温度は、190〜250℃とした。また、上記方法
及びで得られたパリソンは、20℃に冷却された割型
で挟み込み、続いて吹き込み圧力6.0kg/cm2 の圧縮
空気を吹き込んで中空成形して容器とした。得られた容
器は、200mlの偏平ボトルで、ボトル重量約20gで
ある。
【0036】次に、上記実施例1〜9及び比較例1〜7
の樹脂組成物を用い、上記方法及びにより得られた
容器について、下記試験法及び評価基準に従って表面光
沢、剛性、表面アバタ、落下強度について評価した。上
記方法により得られた容器の結果を〔表3〕に、ま
た、上記方法により得られた容器の結果を〔表4〕に
示す。
【0037】表面光沢;得られた容器から50×50mm
の試験片を採取し、(株)村上色彩技術研究所製の自動
変角光度計(GONIOPHOTO METER)GP−1R型により入
射角45°で測定を行い、比較例5の樹脂組成物の方法
で成形した容器を1として何倍光沢が上昇しているか
について相対比較を行った。
【0038】剛性;容器の正面をスクイズした(押し
た)ときの力をスクイズ強度として測定した。測定は、
テンシロン〔(株)オリエンテック製、商品名「RTA
−500」〕を用い、該容器の正面胴部分を4mm歪ませ
たときの圧縮強度で評価した。また、圧縮スピードは、
200mm/min で行った。但し、肉厚が異なっているも
のについては、以下の式に示す補正式にてスクイズ強度
の肉厚補正を行い、肉厚1mmのスクイズ強度に統一し
た。 補正式;真のスクイズ強度(TST)=測定したスクイ
ズ強度(MST)/測定箇所の肉厚
【0039】落下強度;落下強度は、得られた容器に水
を満量入れキャップをして、5℃の恒温室に24時間保
存した後、1mの高さから平滑なコンクリートの床上に
自由落下させて、最高10回までの何回目で割れるか
を、それぞれ10本ずつ行なった。
【0040】表面アバタ;縦線やボトル表面の凹凸状態
をSEM(透過型電子顕微鏡、日立製作所製「S−40
00」)により測定した。
【0041】(評価基準) 剛性;スクイズ強度が0.55(kg/cm2)以上であれ
ば、ボトルの液を出す際非常に使いやすいため○とし、
また1.00(kg/cm2)以上であれば、更に良好である
ので◎とした。その他使用不可能なものについてはすべ
て×として評価した。 表面アバタ:外観観察した結果、凹凸がボトル縦方向に
見られた場合、ボトル外観上使用できないため×とし、
滑らかな場合ボトル外観上使用可能とし○とした。 落下強度;10回自由落下させても1本も割れない樹脂
系について実際のボトルとして使用可能であり○とし、
1本でも割れた樹脂系については実際のボトルとして使
用不可能であり×とした。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、
リサイクルが容易であり、簡易な設備で且つ短い成形サ
イクルで成形でき、生産性に優れ、しかも、表面光沢及
び表面平滑性の良好な成形体を得ることができるもので
ある。また、本発明の成形体は、上記ポリオレフィン系
樹脂組成物を用いてなる成形体であるので、表面光沢及
び表面平滑性の良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の樹脂組成物を成形して得られ
る本発明の成形体における樹脂層の断面を示す拡大模式
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−31268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)10〜80wt%、下記
    成分(B)10〜70wt%及び下記成分(C)10〜
    70wt%を含有してなり、該成分(A)のメルトフロ
    ーレート、下記成分(B)のメルトフローレート及び下
    記成分(C)のメルトフローレートが、下記関係式の
    関係にあることを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成
    物。 成分(A):メルトフローレートが0.1〜3.0g/
    10minで且つ密度が0.945g/cm3 以上である
    高密度ポリエチレン。 成分(B):メルトフローレートが0.5〜80g/1
    0minで且つ密度が0.910〜0.945g/cm3
    である低密度ポリエチレン。 成分(C):メルトフローレートが0.1〜20g/1
    0minで且つ密度が0.890〜0.920g/cm3
    であるポリプロピレン樹脂。 関係式:成分(A)のメルトフローレート≦成分
    (C)のメルトフローレート≦成分(B)のメルトフロ
    ーレート
  2. 【請求項2】 上記成分(A)のメルトフローレートと
    上記成分(C)のメルトフローレートとの差が0.05
    g/10min以上であり、上記成分(C)のメルトフ
    ローレートと上記成分(B)のメルトフローレートとの
    差が2.0g/10min以上であることを特徴とする
    請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組
    成物を、押し出し成形してなることを特徴とする成形
    体。
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