JP3411545B2 - 建築材および建築材の加工方法 - Google Patents

建築材および建築材の加工方法

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JP3411545B2 JP2000186778A JP2000186778A JP3411545B2 JP 3411545 B2 JP3411545 B2 JP 3411545B2 JP 2000186778 A JP2000186778 A JP 2000186778A JP 2000186778 A JP2000186778 A JP 2000186778A JP 3411545 B2 JP3411545 B2 JP 3411545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築材とその加
工方法に関し、特に、原木から取り出した板材や角材当
の建築材及び原木から柱材や横梁材等の角材等を取り出
した後に残る背板のような端材或いは間伐材或いはこの
間伐材から取り出した板材を有効に利用した建築材とそ
の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原木から板材や角材等の建築材を取り出
す場合、木目が柾目となっている板材や角材は比較的値
が高いが、木目が板目となっている板材や角材は値が安
い傾向にある。また、原木からは、柱材や横梁材等の角
材を取り出すが、取り出した後には、背板と呼ばれる端
材が残る。例えば、製材所では、図7に示すように、原
木Wから角材2を取り出し、柱材や横梁材に利用する
が、残りの背板1a,1a,・・・は、殆ど有効利用す
ることはなく、物置小屋等の壁材とするか、燃料用の薪
とする程度しか利用価値はなかった。また、そのまま廃
棄しようとすれば、産業廃棄物となるので規制の対象と
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】建築材として使用され
る板材や角材は、通常、加工すれば表面に年輪模様の木
目(柾目や板目)が出るがそれはありふれた模様であ
り、その模様が部屋のインテリアとして特に注目される
ことはなかった。また、近年、地球の温暖化や地球環境
の悪化を防止するため、森林資源の保護や木材の一層の
有効利用を図る必要性が強調されるようになっている。
上記するように杉や檜等は、原木から板材や柱材や横梁
材としての角材を取り出し、後の残りの端材は、有効利
用されることは殆どないが、これらの端材でも何らかの
有効利用を計る必要がある。また、杉や檜等は、植林後
数年たつと、よりよい樹木を育てるため間伐しなければ
ならない。しかし、このような間伐材でも有効利用を図
ることが好ましい。しかしながら、端材や間伐材は強度
がなく使用目的も限られているため有効利用されること
は殆どなかった。
【0004】この発明は、上記する課題に鑑みてなされ
たものであり、従来殆ど省みられなかった年輪の模様で
ある木目(柾目や板目)をインテリアとして生かし、ま
た、あまり使い道のなかった端材等でも一層有効に利用
することが可能で、且つ付加価値も大きくすることので
きる建築材とその加工方法を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、上記
する課題を解決するために、請求項1に記載した発明
は、原木の一面もしくは複数面を平面加工し、該平面
に、木目方向に対して直角方向もしくは斜方向に一定の
ピッチ或いは変則的ピッチで曲面状凹部を形成すると共
に、これら曲面状凹部の表面に年輪による渦巻き模様が
形成されるように加工してなる建築材であることを特徴
としている。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、原木から
取り出した板材或いは角材の表面に、木目方向に対して
直角方向もしくは斜方向に一定のピッチ或いは変則的ピ
ッチで曲面状凹部を形成すると共に、これら曲面状凹部
の表面に年輪による渦巻き模様が形成されるように加工
してなる建築材であることを特徴としている。
【0007】また、請求項3に記載の発明は、原木から
取り出した複数枚の板材のそれぞれに、台形部と、両端
部に凹部と凸部とを、縦方向に形成すると共に、前記加
工板材の表面に、木目方向に対して直角方向もしくは斜
方向に一定のピッチ或いは変則的ピッチで曲面状凹部も
しくは曲面状凸部を形成すると共に、これら曲面状凹部
もしくは曲面状凸部の表面に年輪による渦巻き模様が形
成されるように加工し、更に、一方の板材の凹部と他方
の板材の凸部とを嵌合させてなる建築材であることを特
徴としている。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、原木から
取り出した板材や角材の加工材の表面に、木目方向に対
して直角方向もしくは斜方向に一定のピッチ或いは変則
的ピッチで曲面状凹部を形成すると共に、これら曲面状
凹部の表面に年輪による渦巻き模様が形成されるように
加工することを特徴とする建築材の加工方法であること
を特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的な実施の
形態について図面を参照しながら説明する。図1は、こ
の発明の建築材の一種である板材の斜視図である。この
板材1の表 面には曲面状凹部1d,1d,・・が形成され
ている。この板材1は、杉や檜その他の原木から取り出
したもので、曲面状凹部1d,1d,・・に渦巻き模様
4,4,・・が形成されている。通常、このような板材
1は、原木より板材を取り出したとき、図2に示すよう
に、板材表面には年輪の木目(板目1bや柾目1c、
以下これらを合わせて木目とする)がそのまま模様とし
て残る。
【0010】次に、前記板材1を、図3に示すように、
木目方向に対して直角或いは略直角方向に鉋盤の鉋3を
当てて一定の深さ、例えば板材1の深さh程度に一定間
隔(ピッチ)で曲面凹状部1d,1d,・・・が形成さ
れるように、鉋3と板材1とを相対的に上下移動させな
がら加工して行く。そうすると、図1に示すように、板
材1の年輪部分が鉋3で削られ、後の曲面状凹部(円
筒面)1d,1d,・・の表面には、凹部1dの曲面と
複数の年輪の円筒の一部とが交わる交差線が複数本の年
の曲線状の渦巻き模様(渦状の数本の曲線模様)4
として現れ、目的とする変化に富んだ渦巻き模様の板材
1となる。特に、この年輪の模様は、砥石で研磨する
と、年輪部分は固いので少し焼けてきれいな模様とな
る。或いは年輪の模様が浮き出るように色をつけても
良い。こうして、板材1の表面に、渦巻き模様4が形成
されるが、このような渦巻き模様4のできた板材1は、
和室や洋室を問わず目を引くインテリア商品として用い
ることができる。尚、前記曲面状凹部1d,1d,・・
は、木目方向に対して30°とか45°とか60°のよ
うに、斜方向に鉋3を当てて形成しても良い。
【0011】次に、図4は、角材2の表面に渦巻き模様
4を形成した場合の斜視図である。このように、建築材
の一種である角材の表面の木目に対して直角或いは略直
角(或いは斜方向)に鉋盤の鉋3を当てて、一定のピッ
チで曲面状凹部1d,1d,・・を形成し、その表面に
渦巻き模様を形成してもよい。このような角材2も、柱
や横梁として使用しても単なる柱や横梁ではなく、和室
や洋室を問わず目を引くインテリア商品として用いるこ
とができる。尚、この場合、角材2の二面或いは三面或
いは四面とも曲面状凹部1d,1d,・・を形成しても
良い。
【0012】尚、この角材2は四面を加工し、その一面
に渦巻き模様4を形成してあるが、原木の丸太材の一面
のみを平坦に加工して渦巻き模様4を形成しても良い
し、二面を平坦に加工し、その一面或いは二面に渦巻き
模様4が形成されるように加工してもよいし、原木の丸
太の三面を平坦に加工し、いずれかの面に渦巻き模様を
形成してもよい。
【0013】図5は、板材の一種である端材、例えば図
7に示すように、原木から角材2を取り出したあとの板
材(端材)1aに渦巻き模様4を形成し、寄せ集めた板
材5の斜視図である。この寄せ集めた板材5は、先ず、
図6に示すように、背板のような端材1aを、モルダー
により、木目方向(縦方向)に、台形部11と、一方の
片側には凹部12と、他方の片側には該凹部12と形状
的に嵌まり合う凸部13が形成されるような板材1に加
工する。この場合、台形部11と凹部12と凸部13と
を形成した状態の板材1は、両側の表面に木目(板目や
柾目)が形成されているのみであり、この木目の模様も
ありふれた模様である。
【0014】次に、木目の形成された板材を、図3に示
すように、例えば鉋盤の鉋3を当て、木目の形成された
板材1の木目方向に対して直角方向に(接合材の縦方向
に対して横直角方向に、或いはクロス方向)鉋盤の鉋3
を当てて、一定の深さ、例えば板材1に形成された台形
部11の深さh程度に一定間隔(ピッチ)で曲面凹状部
1d,1d,・・・が形成されるように、鉋3と板材1
とを相対的に上下移動させながら、加工して行く。そう
すると、年輪部分が鉋3で削られた後の曲面状凹部(円
筒面)1d,1d,・・・の表面には、複数本の年輪
の曲線状の渦条の模様(渦状の数本の曲線模様)4が現
れ、目的とする変化に富んだ渦状の模様の板材5とな
る。こうして、曲面状凹部1dの表面に形成された渦状
の模様の板材1数枚を、それぞれ一方の凹部12と他方
の凸部13とを嵌合させると、図5に示すように、綺麗
な寄せ集め材として趣のある建築材として利用すること
ができる。
【0015】また、上記説明では、鉋盤で板材1の表面
を曲面状に加工するとき、背側(原木の外側)から、木
目方向に対して直角方向或いは略直角(斜方向を含む)
に且つ一定のピッチで加工する場合について説明した
が、勿論、内側(原木から取り出した背板の切断面側)
から一定のピッチで加工しても良い。
【0016】尚、鉋盤で板材1を加工して、目的とする
図1或いは図4或いは図5に示すような建築材とすると
き、鉋盤は一定のピッチで加工する場合について説明し
たが、勿論、ピッチは一定とせず変則的に相対移動させ
ながら加工しても良い。更に、この実施の形態では、板
材1や角材2の渦巻き状の模様4を形成させるとき、鉋
盤で加工する場合について説明したが、研磨盤やモルダ
ー等を用いて加工しても良い。要するに、年輪模様(木
目)を浮き出すように加工できればその加工手段は問わ
ない。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、板材や角材当の建築材は、鉋盤等で木目方向(縦方
向)に対して直角方向(クロス方向)或いは略直角方向
に曲面状凹部が形成されるように加工すると、きれいな
渦巻き状の模様の形成された建築材となり、いろいろな
部屋の壁材や柱材として趣のあるインテリア材として利
用することができる。特に、日本料理店や居酒屋や喫茶
店等の壁材或いは柱材や梁材として趣のある建築材とし
て付加価値の高いものとすることができる。
【0018】また、この発明によれば、従来、あまり有
効利用することのできなかった柱材を取り出した後の端
材或いは間伐材を、立派な建築材として使用することが
できるので、資源の有効利用を図り且つ自然環境を保持
する上でも大きな貢献をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の建築材の一種である板材の斜視図で
ある。
【図2】この発明の建築材の板材に加工する前の加工板
材の斜視図である。
【図3】この発明の建築材を鉋盤を使用して加工する方
法の一実施例を示す図である。
【図4】この発明の建築材の一種である角材の斜視図で
ある。
【図5】この発明の建築材の一種である板材の側面に凹
部と凸部を設けてつなぎ合わせた板材の斜視図である。
【図6】角材から取り出した端材にモルダー加工した状
態の板材の斜視図である。
【図7】原木から角材を取り出す場合の断面図である。
【符号の説明】
1 板材 1b 板目 1c 柾目 1d 曲面状凹部 1e 曲面状凸部 2 角材 3 鉋 4 渦巻き模様 5 寄せ集めた板材 11 台形部 12 凹部 13 凸部 R 年輪

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原木の一面もしくは複数面を平面加工
    し、該平面に、木目方向に対して直角方向もしくは斜方
    向に一定のピッチ或いは変則的ピッチで曲面状凹部を形
    成すると共に、これら曲面状凹部の表面に年輪による渦
    巻き模様が形成されるように加工してなる建築材。
  2. 【請求項2】 原木から取り出した板材或いは角材の表
    面に、木目方向に対して直角方向もしくは斜方向に一定
    のピッチ或いは変則的ピッチで曲面状凹部を形成すると
    共に、これら曲面状凹部の表面に年輪による渦巻き模様
    形成されるように加工してなる建築材。
  3. 【請求項3】 原木から取り出した複数枚の板材のそれ
    ぞれに、台形部と、両端部に凹部と凸部とを、縦方向に
    形成すると共に、前記加工板材の表面に、木目方向に対
    して直角方向もしくは斜方向に一定のピッチ或いは変則
    的ピッチで曲面状凹部もしくは曲面状凸部を形成すると
    共に、これら曲面状凹部もしくは曲面状凸部の表面に年
    輪による渦巻き模様が形成されるように加工し、更に、
    一方の板材の凹部と他方の板材の凸部とを嵌合させてな
    る建築材。
  4. 【請求項4】 原木から取り出した板材や角材の加工材
    の表面に、木目方向に対して直角方向もしくは斜方向に
    一定のピッチ或いは変則的ピッチで曲面状凹部を形成す
    ると共に、これら曲面状凹部の表面に年輪による渦巻き
    模様が形成されるように加工することを特徴とする建築
    材の加工方法。
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