JP3411323B2 - スパークプラグの組み付け方法 - Google Patents

スパークプラグの組み付け方法

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JP3411323B2
JP3411323B2 JP06839293A JP6839293A JP3411323B2 JP 3411323 B2 JP3411323 B2 JP 3411323B2 JP 06839293 A JP06839293 A JP 06839293A JP 6839293 A JP6839293 A JP 6839293A JP 3411323 B2 JP3411323 B2 JP 3411323B2
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伸一 中村
穣 田中
知明 青木
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スパークプラグの絶
縁体の貫通軸孔を封着するスパークプラグ用導電性シー
ル材を用いたスパークプラグの組み付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパークプラグの絶縁体に設けた貫通軸
孔には、脚長部側に中心電極が差し込まれ、頭部側に端
子電極が差し込まれている。該軸孔の中間部は、軸孔を
封着するとともに、中心電極および端子電極を電気的に
接続する導電性ガラス材によってシールされている。ま
た、この導電性ガラスの中間部位に電気抵抗体を介在さ
せ、電波雑音を防止したスパークプラグも製造されてい
る。
【0003】従来、この導電性ガラスによるシール材
は、特公昭56−19073号公報、特開昭60−15
0601号公報および特開昭60−150602号公報
に示すような材質を用い、粉末状またはペースト状の導
電性ガラスまたはガラス含有抵抗体からなる粉末状また
はペースト状のシール材を絶縁体の軸孔に充填し、加熱
して溶融・固着することによりなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のシール材には、
つぎの欠点があった。 イ)導電性ガラスまたはガラス含有抵抗体の材料が粉体
またはペースト状であるため、投入量を適量に保つ適量
管理が難しいとともに、細長い絶縁体の軸孔へ投入する
作業に時間がかかり、生産性が悪い。 ロ)導電性ガラスまたはガラス含有抵抗体の材料の密度
が小さいため、溶融して冷却固化した時の体積の収縮が
大きく、充填に多くの容積を必要とする。 ハ)シール材が粉末あるいはペーストの場合、絶縁体の
表面に付着して製品を汚すことがある。
【0005】この発明の目的は、適正な分量の導電性シ
ール材を迅速に絶縁体の貫通軸孔に挿入(充填)するこ
とが容易であるとともに、溶融が迅速にできるため生産
性に優れ、かつスパークプラグの絶縁体表面にシール材
が付着することを防止できるスパークプラグ用導電性シ
ール材を用いたスパークプラグの組み付け方法の提供に
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、スパークプ
ラグ用導電性シール材を、絶縁体の貫通軸孔内に挿入し
て該軸孔の両端に差し込まれた中心電極および端子電極
との間に配置し、前記端子電極をプレスしながら加熱し
て溶融させるスパークプラグの組み付け方法において、
導電性ガラスの粉粒をプレスによって固形してなるスパ
ークプラグ用導電性シール材を用いる。また、2つのス
パークプラグ用導電性シール材の中間に、ガラス含有抵
抗体の粉粒をプレスによって固形したモノシリック抵抗
体を介在させてなる。この場合、導電性ガラスの粉粒ま
たは抵抗体の粉粒は、平均粒径が50μ以上、700μ
以下であり、2400kg/cm2 〜4800kg/c
2 の圧力でプレスして固形されることが望ましい。
【0007】
【0008】
【発明の作用および効果】この発明では、導電性ガラス
の粉粒またはガラス含有抵抗体の粉粒をプレスして固形
体としているので、適量のシール材を迅速にスパークプ
ラグの絶縁体の軸孔内に挿入することが容易である。ま
た固形体であるため、溶融し易く、かつ粉体と異なり製
品に付着して製品の表面を汚すトラブルが確実に防止で
きる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明の導電性シール材1の製造
工程を示す。導電性シール材1は、ガラス粉末50重量
%と、銅などの金属粉末50重量%にPEG(ポリエチ
レングリコール)、PED(ポリエチレンオキシド)、
デキストリンなどの有機バインダーを適量(3〜10重
量%)と水を加えて混合、造粒、乾燥(水分約1%含
有)してなる導電性ガラスの粉粒11をプレス成型して
固形体としている。なお、粉粒11は、平均粒径が50
μ以上、700μ以下であることが成形、固形化等の観
点から望ましい。
【0010】(イ)に示す如く、直径4.6mmの円穴
12を有する金型13の、該円穴12の下部をプランジ
ャー14の上端面で塞ぎ、該円穴12に計量した導電性
ガラスの粉粒11を充填する。つぎに(ロ)に示す如
く、円穴12の上方からピン15を降下させ、300k
g〜600kgの荷重により冷間プレスして導電性ガラ
スの粉粒11を固形し、導電性シール材1とする。プレ
ス後(ハ)に示す如く、プランジャー14を上昇させて
固形した導電性シール材1を金型13から取り出す。こ
れにより、(ニ)に示す導電性シール材(固形体)1が
製造できる。
【0011】また、図2に示すように抵抗体入りの積層
体3を製造できる。図1と同様の方法により導電性シー
ル材1を製造する。次に、ガラス粉末にカーボン粉末、
アルミニウム、マグネシウム、チタンなどの金属粉末、
二酸化チタン、炭化チタンなどの負荷寿命安定剤、シリ
カ、アルミナ、窒化珪素などのセラミック骨材及び導電
性ガラスシール材1を用いた同様の有機バインダーと水
とを加えて混合、造粒、乾燥した電気抵抗体の粉粒22
とする。この抵抗体粉粒22を図2の(イ)、(ロ)、
(ハ)の工程を経て(ニ)に示すモノシリック抵抗体2
を製造する。この後(ホ)に示すように、このモノシリ
ック抵抗体2は、先に製造した2つの導電性シール材1
を両端に接合して積層体3とする。この積層体3は、ノ
イズを除去できる抵抗体入りスパークプラグ8(図5に
示す)に使用される。なお、積層体3は金型13の円穴
12内に導電性ガラスの粉粒11と抵抗体の粉粒22、
更に導電性ガラスの粉粒11を充填プレスして一体に製
造することもできる。
【0012】図3の(イ)、(ロ)は上記導電性シール
材1によるスパークプラグの絶縁体4への組み付け工程
を示す。スパークプラグの絶縁体4は棒状を呈し、先端
側(図示下側)が径小の脚長部41、後端側が中径で外
周にコルゲーションが設けられている頭部42、中間が
径大で鍔状部を有する胴部43となっており、軸孔40
が貫通して設けられている。該貫通軸孔40は、前記脚
長部41に位置する部分が径小に形成されている。
【0013】軸40には、中心電極5が導電性シール
材1で固定される。中心電極5は、先端の軸40内に
差し込まれて絶縁体4の脚長部41の先端より突き出し
ている。また、中心電極5後部は、プラグキャップ接続
端子61を備えた端子電極6とからなる。
【0014】組み付けは、まず(イ)に示すように、軸
孔40に、図示上方から中心電極5を差し込み、脚長部
41部分に嵌め込む。つぎに図示上方から、胴部43に
位置する部分に導電性シール材1を挿入し、さらに頭部
42に端子電極6を差し込む。導電性シール材1を中心
電極5と端子電極6とで挟み、加圧状態で850〜95
0℃前後に加熱し導電性シール材1を溶融させて、
(ロ)に示すように軸孔40の封着するとともに、中心
電極5と端子電極6との電気的接続および固着を行う。
【0015】図4は、導電性シール材1によって挟まれ
たモノシリック抵抗体2からなる積層体3によるスパー
クプラグ絶縁体4への組み付け工程を示す。組み付け
は、(イ)に示すように、脚長部41部分に中心電極5
を差し込み、胴部43に位置する部分に積層体3を挿入
し、さらに頭部42に端子電極6を差し込む。前述と同
様に加熱し積層体3を溶融させて、(ロ)に示すように
中心電極5と端子電極6との電気的接続および固着を行
う。
【0016】この積層体3がモノシリック抵抗体2の両
端に導電性シール材1を重ねるのは、抵抗体2と金属製
の中心電極5および端子電極6とは接触性が悪く、接触
不良を生じ易いためである。この絶縁体4は、図5に示
す如く、筒状主体金具7に組み付けられてモノシリック
抵抗体2入りのスパークプラグ8が完成する。
【0017】なお、この発明の導電性ガラスおよびガラ
ス含有抵抗体の材料は上記実施例たけに限られず、上記
電導性ガラスにセラミック骨材を添加したものなど公知
の材料が使用でき、また抵抗体の材料も公知のものを使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の導電性シール材の製造行程図であ
る。
【図2】この発明の積層体の製造行程図である。
【図3】この発明の導電性シール材によるスパークプラ
グ絶縁体の組み付け工程図である。
【図4】この発明の積層体によるスパークプラグ絶縁体
の組み付け工程図である。
【図5】この発明の積層体を用いた絶縁体を組み込んだ
スパークプラグの断面図である。
【符号の説明】
1 導電性シール材 2 モノシリック抵抗体 3 積層体 4 絶縁体 5 中心電極 6 端子電極 7 主体金具 8 スパークプラグ 11 導電性ガラスの粉粒 22 電気抵抗材の粉粒 40 貫通軸孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−117839(JP,A) 特開 昭59−17202(JP,A) 特開 昭58−12302(JP,A) 特開 昭57−17587(JP,A) 特開 昭60−150602(JP,A) 特開 昭59−167984(JP,A) 特表 平7−506698(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 13/00 - 21/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパークプラグ用導電性シール材を、絶
    縁体の貫通軸孔内に挿入して該軸孔の両端に差し込まれ
    た中心電極および端子電極との間に配置し、前記端子電
    極をプレスしながら加熱して溶融させるスパークプラグ
    の組み付け方法において、 導電性ガラスの粉粒をプレスによって固形してなるスパ
    ークプラグ用導電性シール材を用いたことを特徴とする
    スパークプラグの組み付け方法
  2. 【請求項2】 請求項1において、2つの前記スパーク
    プラグ導電性シール材の中間に、ガラス含有抵抗体の
    粉粒をプレスによって固形したモノシリック抵抗体を介
    在させてなるスパークプラグの組み付け方法
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    導電性ガラスの粉粒または前記抵抗体の粉粒は、平均粒
    径が50μ以上、700μ以下であり、2400kg/
    cm2 〜4800kg/cm2 の圧力でプレスして固形
    されたことを特徴とするスパークプラグの組み付け方
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