JP3410657B2 - 製パン改良剤及び製パン法 - Google Patents
製パン改良剤及び製パン法Info
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Description
天然物系の成分のみからなる新規な製パン改良剤に関す
る。また本発明の製パン改良剤を用いてパンを製造する
新しい製パン法にも関する。
して、多くの酸化剤が知られている。古くは、臭素酸カ
リウム、ヨウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が知
られており、製パン業界では、臭素酸カリウムが多用さ
れてきたが、最近になって、健康上の理由から臭素酸カ
リウムに変り、L−アスコルビン酸が使用されるように
なった。
オキシダ−ゼ(以下GODという)が利用されており、
主として、パン生地の酸化及びグルテンの三次構造の結
合を促進する作用を有しているが、単独使用の場合、か
ま伸び効果が弱い為、カタラ−ゼ、L−アスコルビン
酸、あるいはL−シスチンとの併用で利用されている。
さらに、天然物系改良剤として、カタラ−ゼ、リポオキ
シダ−ゼ、リパ−ゼ等との複合製剤などが工夫されてい
る。例えば、GOD及びシスチンを通常のパン類原料成
分に添加・混捏せしめてなるパン類の製造方法(特開昭
57−58844)や、GOD、シスチン及びカタラー
ゼを生地に添加・混捏せしめてなるパン類の製造方法
(特公昭63−58534)等がある。
めに、塩化アンモニウム等が使用されることもある。そ
の他、水質の硬度及びpHの調整のために、硫酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム等の塩も併せて使用される。
の多くは、速効性酸化剤として作用し、使用量によって
は、生地が締り、パンのかま伸びも充分でなく、パンの
内相も荒れてくる好ましくない性質を与えることが知ら
れている。そのため、その他成分との配合調整が重要に
なってくる。
つ天然物系の物質で代替する方法の出現も望まれてい
る。このようなことから、天然物系で、より生地安定性
のある改良剤が望まれているのが現状である。
点を解決すべく、天然の酵素を用いた改良剤の研究を重
ねた結果、新たな改良剤を完成させた。すなわち本発明
は、少なくともGOD、αアミラーゼ、L−シスチンを
必須成分として使用する点を重要なポイントとする製パ
ン改良剤、及びそれを使用する製パン法に関するもので
ある。
ODとは、植物や微生物に広く分布している酵素であっ
て、グルコースを特異的に酸化してグルコン酸に変える
性状を有し、食品の加工貯蔵の際、グルコースが存在し
て品質を劣化させて都合の悪い場合等のとき、グルコー
スを除去するのに用いられている通常市販の酵素をい
う。本発明のGOD添加量としては、小麦粉1Kgに対
して1〜100単位で、特に5〜80単位の範囲が好ま
しい。なお、活性単位とは、1分間に1μmoleのグ
ルコースを酸化触媒する酵素活性を1単位として、以下
に示す測定方法に基づき、活性を決定する。
おけるミリモル分子吸光係数 C :溶解時の酵素濃度
あるαアミラーゼは、アスペルギルス属、バチルス属等
の由来酵素で、一般的に市販されているものが使用可能
である。添加量としては、小麦粉1kgに対し1〜50
0単位で特に5〜300単位の範囲が好ましい。以下に
示す測定方法に基づき活性を決定する。
する。(測定5分前) 粘度計を30℃の水槽につけ、粘度計の細い口の方
に、吸引用の管のチップ側をはめる。(この時、粘度計
の上の標準が水面につかるようにする。また粘度計は水
面に対して垂直にする。) 溶解した試料0.1〜0.3mlを基質に加えよく撹
拌する。撹拌した試料6mlを粘度計の太い口の方から
入れる。 ゴム管から試料を吸い上げ、ゴム管を口から離すと試
料が落ちていくので、上の標線から下の標線までの時間
を測定する。この時、上の標線を通った時の合計時間も
読んでおく。 粘度計の標準溶液流化時間を通過するまで測定する。
毎回コントロールとしてビオザイムを測定する。
る。粘度計の標準溶液流化時間(例えば、No2の粘度
計は、61.6と30.8)にあたるときの合計時間
(秒)をグラフから読み取り、それぞれt1、t2とす
る。
その溶液を0.3ml使用した場合の計算例 1(g)×1/1000(ml)×0.3(ml)
−シスチンは、蛋白質を構成する含硫アミノ酸の一種
で、酸化作用を有する物質である。一般的には毛髪や角
などのケラチン中に多く含まれ、蛋白質中にはほとんど
含まれない。使用に際しては、一般に市販されているも
ので差し支えない。本発明のL−シスチンの添加量は、
10〜50ppmで、特に15〜40ppmの範囲が好
ましい。10ppm未満では使用効果が表れず、一方5
0ppmを超えると、酸化が進みすぎて、パンの外観、
内相に荒れがでて好ましくない。
−ト法、中種法、オ−バ−ナイト法、低温長時間法、冷
凍生地等いずれの製パン法にも使用することができる。
特に中種法にあっては、中種時と本捏時に分割して添加
しても、いずれか一方に添加しても良く、中種時に添加
することが更に好ましい。
られ更に外観、内相、食感等も満足なものとなり、且つ
作業工程も生地のべたつき等がなく、また生地の安定性
があり、操作が容易になり、すぐれた効果が顕著に発現
する。
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
に準じて、製パン改良剤としての各種成分を組合せて製
パン試験を行った。なお製パン改良剤としては、GO
D、αアミラーゼ、L−シスチンをそれぞれ、所定の割
合で配合したものを使用し、また比較対象として、GO
D、αアミラーゼ、L−シスチンをそれぞれ1成分づつ
除いたものを使用した。製パン改良剤の配合を表3に、
製パン試験の結果を表4に示した。表4中の評価は経験
的評価であり 、◎、○、○△、△、×(順に優、良、
普通、やや劣る、劣る)で表示した。
に必須の3成分のうち2成分のみからなる製パン改良剤
では、いずれも満足な食パンを得ることはできず、3成
分を所定の配合で混合して初めて、容積、高さ、ソフト
さ、生地処理性等いずれも良好な食パンを得ることがで
きた。
アンモニウム20.0%、硫酸カルシウム20.0%、
炭酸カルシウム10.0%、L−シスチン2.0%、α
アミラーゼ1.0%、プロテアーゼ1.0%、L−アス
コルビン酸0.6%、食品素材(小麦粉等)45.4%
からなる市販改良剤を使用した。表2と同配合、同条件
にて、製パンし、試験の結果を表5に示した。
の製パン改良剤は従来品と比較しても遜色なく、且つ、
製パン性、生地耐性も優れたものであった。
製パン法(菓子パン生地)に準じて、製パン試験を行っ
た。なお製パン改良剤としては、GOD、αアミラー
ゼ、L−シスチンをそれぞれ、所定の割合で配合したも
のを使用し、また比較対象として、GOD、αアミラー
ゼ、L−シスチンをそれぞれ1成分づつ除いたものを使
用した。製パン改良剤の配合を表7に、製パン試験の結
果を表8に示した。表8中の評価は経験的評価であり、
◎、○、○△、△、×(順に優、良、普通、やや劣る、
劣る)で表示した。
に必須の3成分のうち2成分のみからなる製パン改良剤
では、いずれも満足な菓子パンを得ることはできず、3
成分を所定の配合で混合して初めて、容積、高さ、ソフ
トさ、生地処理性等いずれも良好な菓子パンを得ること
ができた。
ム25.0%、硫酸カルシウム20.0%、炭酸カルシ
ウム5.0%、L−シスチン4.0%、αアミラーゼ
2.0%、GOD2.0%、L−アスコルビン酸1.2
%、食品素材(小麦粉等)40.8%からなる市販改良
剤を使用した。表6と同配合、同条件にて、製パンし、
試験の結果を表9に示した。
の製パン改良剤は従来品と比較しても遜色なく、且つ、
製パン性、生地耐性も優れたものであった。
ともグルコースオキシダーゼ、αアミラーゼ、L−シス
チンを必須成分として含有する新規の改良剤である。そ
のうえ、本発明に係わる製パン改良剤は、天然物系の成
分のみからなり、どのような製パン法にも広く適用する
ことができ、しかも、本製パン改良剤を用いることによ
り、ソフトで、生地の伸展性、安定性にすぐれ、外観や
内相、食感にすぐれたパンを製造することができる。ま
た、無機塩を用いた従来からの製パン改良剤の代替品と
なることが立証された。
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも、グルコースオキシダーゼ、α
アミラーゼ、L−シスチンを含有してなり、かつ、小麦
粉1kgに対し、グルコースオキシダーゼを1〜100
単位の範囲で、αアミラーゼを1〜500単位の範囲
で、L−シスチンを10〜50ppmの範囲で含有され
ることを特徴とする製パン改良剤。 - 【請求項2】請求項1に記載の製パン改良剤を使用する
ことを特徴とする製パン法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12274898A JP3410657B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 製パン改良剤及び製パン法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12274898A JP3410657B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 製パン改良剤及び製パン法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11299415A JPH11299415A (ja) | 1999-11-02 |
JP3410657B2 true JP3410657B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=14843633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12274898A Expired - Fee Related JP3410657B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 製パン改良剤及び製パン法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3410657B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7124369B2 (ja) * | 2018-03-22 | 2022-08-24 | 日油株式会社 | 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP12274898A patent/JP3410657B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11299415A (ja) | 1999-11-02 |
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